(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
皮膚の欠点を隠すためのソフトフォーカス効果が、比較的高いサンスクリーン保護指数(SPF)を提供できるサンスクリーン剤と共存できることがここに見出された。本発明は、特に乳化シリコーン界面活性剤を用いて得ることのできる、油中水型エマルションとして知られる油連続相エマルションを必要とする。さらに本発明は、有機サンスクリーン剤、および縮重合ポリアミド、特に「PAOPA樹脂」と称されるポリアルキレンオキシポリアミドまたは「ETPEA樹脂」と称されるエステル末端ポリ(エステル−アミド)である結合剤から形成された複合粒子の存在を必要とする。
【0011】
有機サンスクリーン剤とポリアミドの相対重量比は、5:1から1:10、好ましくは3:1から1:8、より好ましくは2:1から1:7、最適には1:1から1:3であることができる。ポリアミドの量は、複合粒子の10重量%から99.5重量%であることができる。より好ましくは、ポリアミドの重量は、複合粒子の30重量%から98重量%、最適には50から85重量%であることができる。サンスクリーン剤の量は、複合粒子の0.5から90重量%、好ましくは2から70重量%、最適には30から50重量%であることができる。
【0012】
化粧品エマルション組成物中の複合粒子の量は、化粧品組成物の0.1から30重量%、好ましくは2から15重量%、最適には4から10重量%であることができる。
【0013】
複合粒子の数平均粒径は、10から2,000nm、好ましくは100から1,500nm、最適には200から1000nmであることができる。
【0014】
サンスクリーン複合粒子
本発明のサンスクリーン粒子は、有機サンスクリーン剤と縮重合形成ポリアミドである結合剤との複合体として形成される。エステル末端ポリアミドがもっとも有用である。2つの例は、ポリアルキレンオキシポリアミド(PAOPA)およびエステル末端ポリ(エステル−アミド)(ETPEA)樹脂である。
【0015】
本発明において有用であるポリアルキレンオキシポリアミドは、参照により本明細書に組み込まれるUS6492458B1に概説されている。これらのPAOPA材料は、モノカルボン酸化合物、ジアミン化合物、および二塩基酸を含む反応物を化合することによって、調製することができる。これらの反応物の詳細を以下に記載する。これらの樹脂は、INCI名ポリアミド−3と称される、商標Sylvaclear(登録商標)PA1200Vとして、Arizone Chemical Companyから市販され入手可能である。代表的な式R
1−COOHのモノカルボン酸には、非限定的に、ステアリン酸(C
18)、1−エイコサン酸(C
20)、1−ドコサン酸(C
22、ベヘン酸としても知られる。)、ドトリコンタン酸(C
32)、テトラトリアコンタン酸(C
34)、ペンタトリアコンタン酸(C
35)、テトラコンタン酸(C
40)、テトラアコンタン酸(C
44)、ドペンタアコンタン酸(C
54)、テトラヘキサアコンタン酸(C
64)、およびドヘキサアコンタン酸(C
72)が含まれる。これらのモノカルボン酸は、Aldrich Chemical(Milwaukee、Wis.;www.sigma−aldrich.com)を含む、多くの市販供給業者から入手可能である。
【0016】
別の適切なモノカルボン酸は、Baker−Petrolite(Sugar Land、Tex.;www.bakerhughes.com/bapt/;Baker Hughes部門;www.bakerhughes.com)から、UNICID(商標)酸として販売されている、酸化(具体的には、カルボキシル末端)ポリエチレン材料である。UNICID(商標)酸は、平均炭素鎖長C
24からC
50を有する、完全に飽和された直鎖カルボン酸である。UNICID(商標)酸の酸価は、60から115まで多様である。
【0017】
さらに他の適切なモノカルボン酸は、高分子量ゲルベ(Guerbet)アルコールを酸化することによって調製されたα分岐カルボン酸である。このような製品は、Jarchem Industries Inc.(Newark、N.J.;wwwjarchem.com)から、JARIC(商標)酸として入手可能である。JARIC(商標)I−36酸は、本発明の樹脂に適したモノカルボン酸である。
【0018】
ジアミン反応物は、いずれも好ましくは第1級アミンである2つのアミン基を有し、式HN(R
2a)−R
2−N(R
2a)−Hによって表わされる。R
2aは、好ましくは水素であるが、アルキル基であることもでき、またはR
2もしくは別のR
2aと一緒に複素環構造を形成することもできる。好ましいジアミンは、エチレンジアミン、即ち、R
2aが水素であり、R
2が−CH
2CH
2−であるジアミンである。
【0019】
エチレンジアミン以外のジアミンは、本明細書において、共ジアミン(co−diamine)と称することができる。存在するとき、共ジアミンは、好ましくはエチレンジアミンと比べて少量で用いられる。
【0020】
代表的な共ジアミンには、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,3−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノペンタン、2,3−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン(ヘキサメチレンジアミン、HMDAとしても知られる。)、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、ジアミノフェナントレン(9,10を含むすべての異性体)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、2,7−ジアミノフルオレン、フェニレンジアミン(1,3;1,3および/または1,4異性体)、アダマンタンジアミン、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレンジアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,8−ジアミノ−p−メンタン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン、ジアミノアフタレン(1,5;1,8;および2,3を含むすべての異性体)、ならびに4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが含まれる。
【0021】
適切な芳香族共ジアミン(2つの反応性基、好ましくは第1級アミン基(−NH
2)および少なくとも1つの芳香環(「Ar」)を有する分子を意味する。)には、キシレンジアミンおよびナフタレンジアミン(すべての異性体)が含まれる。
【0022】
ポリアルキレンオキシドをベースとする代表的な共ジアミンには、非限定的に、JEFFAMINE(商標)ジアミン、即ち、ポリエーテルジアミンとしても知られる、Huntsman Chemical(Salt Lake City、Utah)のポリ(アルキレンオキシ)ジアミンが含まれる。好ましいポリアルキレンオキシド含有共ジアミンは、JEFFAMINE(登録商標)ED、XTJ、およびDシリーズのジアミンである。
【0023】
幾つかの実施形態において、本発明のポリアミド樹脂は、共ジアミンから調製され、共ジアミンは、1,6−ヘキサンジアミン、キシレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、および1,12−ドデカンジアミンから選択される。本発明に適したジアミンは、Aldrich(Milwaukee、Wis.)、EM Industries Inc.(Hawthorne、N.Y)、Lancaster Synthesis Inc.(Windham、N.H)、およびSpectrum Quality Product Inc.(New Brunswisk、N.J)を含む、幾つかの市販供給業者から入手可能である。
【0024】
二塩基酸は、2つのカルボン酸基またはこの反応性等価物を含有する有機分子である。好ましい二塩基酸は、重合脂肪酸、特に重合脂肪酸の二量体酸成分である。重合脂肪酸は、典型的には二量体酸および三量体酸を含む構造体の混合物であり、個々の二量体酸は、飽和、不飽和、環式、非環式、およびこれらの組み合わせであることができる。重合脂肪酸は典型的に、脂肪酸を重合するために、長鎖不飽和脂肪酸、例えばC
18モノカルボン酸を、粘土触媒の存在下200から250℃に加熱することによって形成される。生成物は典型的に、二量体酸、即ち、脂肪酸の二量化によって形成されたC
36ジカルボン酸、および三量体酸、即ち脂肪酸の三量化によって形成されたC
54トリカルボン酸を含む。脂肪酸重合のより詳細な考察は、US3157681に見出すことができる。
【0025】
脂肪酸重合は典型的に三量体酸よりはるかに多くの二量体酸を形成するため、いくらかの三量体酸、およびさらに高重合の生成物が二量体酸と共に存在する可能性があるとしても、当業者はしばしば重合脂肪酸を二量体酸と称することがある。好ましくは、重合脂肪酸は、重合脂肪酸の総重量に対して、20重量パーセント未満の三量体酸を含有し、二量体酸は、重合脂肪酸の少なくとも80重量パーセントを占める。より好ましくは、二量体酸は、重合脂肪酸の本質的にすべてを占める。
【0026】
重合脂肪酸を形成するために用いられる典型的な不飽和脂肪酸には、オレイン酸、リノール酸、およびリノレン酸が含まれる。木材パルプ化工程の副生成物として得られる長鎖不飽和脂肪酸を含有する混合物であるトール油脂肪酸が、重合脂肪酸の調製に好ましい。
【0027】
重合脂肪酸は、樹脂形成反応に用いる前に、水素化することができる。水素化は、わずかに高い融点、ならびにより高い酸化安定性および色安定性を提供する傾向がある。
【0028】
重合脂肪酸、二量体酸、およびこれらの水素化型は、幾つかの市販供給業者から得ることができる。例えば、Arizona Chemical(Jacksonville、Fla)は、商標UNDYME(登録商標)として重合脂肪酸を販売している。
【0029】
重合脂肪酸またはこの反応性等価物に加えて、二塩基酸は、共二酸(co−diacid)を含むことができる。代表的な共二酸は、式HOOC−R
1−COOH(式中、R
1は直鎖C
4−17炭化水素基、より好ましくは直鎖C
6−8炭化水素基である。)のいわゆる「直鎖」二酸である。本発明に適した直鎖共二酸には、1,6−ヘキサン二酸(アジピン酸)、1,7−ヘプタン二酸(ピメリン酸)、1,8−オクタン二酸(スベリン酸)、1,9−ノナン二酸(アゼライン酸)、1,10−デカン二酸(セバシン酸)、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸(1,10−デカンジカルボン酸)、1,13−トリデカン二酸(ブラシル酸)、および1,14−テトラデカン二酸(1,12−ドデカンジカルボン酸)が含まれる。
【0030】
別の代表的な共二酸は、アクリル酸またはメタクリル酸(またはこのエステル、酸を形成するこれに続く加水分解ステップを伴う。)と不飽和脂肪酸の反応生成物である。例えば、この種のC
21二酸は、アクリル酸をC
18不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸)と反応させて形成することができ、このときおそらく反応物間でエン反応が起こる。代表的なC
2、二酸は、Westvaco Corporation、Chemical Division、Charleston Heights、S.C.から製品番号1550として市販され入手可能である。
【0031】
芳香族二酸を共二酸として用いることができる。本明細書で用いられる「芳香族二酸」は、2つのカルボン酸基(−COOH)、またはこの反応性等価物(例えば、酸塩化物(−COCl)またはエステル(−COOR))および少なくとも1つの芳香環(「Ar」)を有する分子である。フタル酸、例えばイソフタル酸およびテレフタル酸は、代表的な芳香族二酸である。
【0032】
一態様において、樹脂は、共二酸を用いて調製され、共二酸は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、アジピン酸、アザライン酸、セバシン酸、およびドデカン二酸から選択される。
【0033】
本発明に有用な第2の種類のポリアミドは、エステル末端ポリ(エステル−アミド)樹脂である。これらは、二塩基酸、ジアミン、ポリオール、およびモノアルコールを含む成分を反応させることによって調製され、二塩基酸の少なくとも50当量パーセントが重合脂肪酸を含み、ジアミンの少なくとも50当量パーセントがエチレンジアミンを含む。典型的な二塩基酸およびジアミンは、すでに上に記載した。
【0034】
エステル末端ポリ(エステル−アミド)樹脂のさらなる構成成分は、モノアルコール反応物である。モノアルコールは、式R
3−OHで表わすことができ、式中、R
3は好ましくは少なくとも10個の炭素原子を有する炭化水素基である。従って、モノアルコールは、一価アルコールとして記載することもできる。一態様において、R
3は、C
10−30炭化水素、好ましくはC
12−24炭化水素、より好ましくはC
16−22炭化水素、さらに好ましくはC
18炭化水素である。好ましくは、R
3は、ヒドロキシル基が末端炭素原子に位置している直鎖であり、即ち、モノアルコールは、第1級モノアルコールである。従って、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール(セチルアルコール)、1−オクタデカノール(ステアリルアルコール)、1−エイコサノール(アラキジルアルコール)、および1−ドコサノール(ベヘニルアルコール)が、本発明のポリアミド樹脂結合剤を調製するために好ましいモノアルコールである。
【0035】
本発明のETPEA樹脂の調製に必要な最終成分はポリオールであり、これは多価アルコールと称することもできる。ポリオールは、式R
4(OH)
nであり、式中、R
4はn価の有機基である。例えば、R
4は、ヒドロキシル置換を伴わないC
2−C
20有機基であることができる。別の例として、R
4は、炭化水素であることができる。典型的には、nは、2、3、4、5、および6から選択される。本発明のETPEA樹脂の調製に用いるのに適したポリオールには、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、トリス(ヒドロキシメチル)メタノール、ジ−ペンタエリトリトール、およびトリ−ペンタエリトリトールが含まれる。
【0036】
ETPEA樹脂の調製および説明は、参照により本明細書に組み込まれるUS7329719B2に見出される。商業的には、これらの樹脂は商標SylvaclearAF1900VとしてArizona Chemical Companyから入手可能である。これらの樹脂は、OMCと容易に密接に混合されて、光防御サンスクリーンと複合粒状物を形成する。
【0037】
サンスクリーン剤は、ポリアミド樹脂結合剤全体に分散させることができ、または結合剤に包囲されたコアとして形成されることができる。結合剤全体の分散が好ましい。
【0038】
本発明によるサンスクリーン剤は、290から400nmの紫外線範囲を吸収する少なくとも1つの発色団を有する。発色有機サンスクリーン剤は、以下の種類(具体的な例を伴う。)に分類することができ、p−アミノ安息香酸、この塩および誘導体(エチル、イソブチル、およびグリセリルエステル;p−ジメチルアミノ安息香酸);アントラニラート(o−アミノベンゾアート;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル、およびシクロヘキセニルエステル);サリチラート(オクチル、アミル、フェニル、ベンジル、メンチル、グリセリル、およびジプロピレングリコールエステル);桂皮酸誘導体(メンチルおよびベンジルエステル、α−フェニルシンナモニトリル;ブチルシンナモイルピルバート);ジヒドロ桂皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、およびメチルアセト−ウンベリフェロン);トリヒドロキシ桂皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチンおよびグルコシド、エスクリンおよびダフヒン);炭化水素(ジフェニルブタジエンおよびスチルベン);ジベンザルアセトンおよびベンザルアセトフェノン;ナフトールスルホナート(2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸および2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸のナトリウム塩);ジヒドロキシ−ナフトエ酸およびこの塩;o−およびp−ヒドロキシビフェニルジスルホナート;クマリン誘導体(7−ヒドロキシ、7−メチル、および3−フェニル);ジアゾール(2−アセチル−3−ブロモインダゾール、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトオキサゾール、および種々のアリールベンゾチアゾール);キニン塩(ビスルファート、スルファート、クロリド、オレアート、およびタンナート);キノリン誘導体(8−ヒドロキシキノリン塩および2−フェニルキノリン);ヒドロキシ−またはメトキシ−置換ベンゾフェノン;尿酸およびビオルル酸;タンニン酸およびこの誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);(ブチルカルビチル)(6−プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン(オキシベンゾン、スルイソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレソルシノール、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、およびオクタベンゾン);4−イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;エトクリレン;ならびに4−イソプロピル−ジベンゾイルメタンが含まれる。
【0039】
特に有用なサンスクリーン剤は、2−エチルヘキシルp−メトキシシンナマート、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Benzophenone−3としても知られる。)、オクチルジメチルp−アミノ安息香酸、ジガロイルトリオレアート、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチル4−[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノベンゾアート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート、2−エチルヘキシルサリチラート、グリセリルp−アミノベンゾアート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリチラート、メチルアントラニラート、p−ジメチルアミノ安息香酸またはアミノベンゾアート、2−エチルヘキシルp−ジメチルアミノベンゾアート、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−スルホニオベンゾオキサゾイック酸(sulfoniobenzoxazoic acid)、4−メチレンベンジリデンショウノウ、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、メチレンビス−ベンゾトリアゾールテトラメチルブチルフェノール、ジメチコジエチルベンザルマロナート、イソアミルメトキシシンナマート、オクチルトリアゾン、テレフタリデンジショウノウスルホン酸、およびこれらの混合物である。
【0040】
本発明の化粧品組成物は、複合粒子中にサンスクリーン剤を保持してよいだけでなく、ある量のサンスクリーン剤は、組成物中で結合剤を含まずに製剤化することができる。複合体の外部に存在するとき、サンスクリーン剤は、組成物の0.1から25重量%、特に2から15重量%の量で利用可能であり得る。本発明の幾つかの好ましい実施形態は、複合体の外部にいかなるサンスクリーン剤も含まずに製剤化することができ、または比較的少量のみのこのような材料を用いて製剤化することができる。例えば、外部サンスクリーン剤は、組成物の0から5重量%、好ましくは0.01から2重量%、場合によって0.01から0.8重量%の量であることができる。
【0041】
油中水型シリコーン界面活性剤
多種多様なシリコーン界面活性剤が、本発明において有用である。これらのシリコーンは、典型的には、ジメチコンコポリオールなどの非架橋有機修飾オルガノポリシロキサンである。
【0042】
本発明において有用なジメチコンコポリオールおよび他のシリコーン界面活性剤の非限定的な例には、ペンダントポリエチレンオキシド側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントポリプロピレンオキシド側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシド混合側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントポリ(エチレン)(プロピレン)オキシド混合側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントオルガノベタイン側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントカルボキシラート側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダント第四級アンモニウム側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ならびにペンダント(C
2−C
30直鎖、分岐、または環状アルキル)部分を含有する前述のコポリマーのさらなる変形が含まれる。Dow Corning Corporationから販売されている、市販され入手可能な本発明において有用なジメチコンコポリオールの例は、Dow Corning(登録商標)190、193、Q2−5220、2501Wax、2−5324流体、および5225C(後者の材料は、シクロメチコンとの混合物として販売されている。)である。セチルジメチコンコポリオールは、ポリグリセリル−4イソステアラート(および)ヘキシルラウラートとの混合物として市販され入手可能であり、商品名ABIL(登録商標)WS−08で販売されている(Goldschmidtから入手可能)。ジメチコンコポリオールの他の非限定的な例には、ラウリルジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールアセタート、ジメチコンコポリオールアジパート、ジメチコンコポリオールアミン、ジメチコンコポリオールベヘナート、ジメチコンコポリオールブチルエーテル、ジメチコンコポリオールヒドロキシステアラート、ジメチコンコポリオールイソステアラート、ジメチコンコポリオールラウラート、ジメチコンコポリオールメチルエーテル、ジメチコンコポリオールホスファート、ジメチコンコポリオールスルホスクシナート、およびジメチコンコポリオールステアラートが含まれる。もっとも好ましいのは、Shin Etsuから入手可能なPEG−10ジメチコンである。
【0043】
シリコーン界面活性剤の量は、組成物の0.1から30重量%、好ましくは1から10重量%、最適には1.5から5重量%であることができる。
【0044】
分散水相
本発明の組成物は、分散水相5%から90%、より好ましくは30%から75%、さらに好ましくは45%から60%を含む。エマルション技術において、用語「分散相」は、この相が連続相に懸濁され、連続相に包囲された小さい粒子または液滴として存在することを意味する。
【0045】
水相は、水、または水と1種以上の水溶性もしくは水分散性成分との組み合わせであることができる。このような任意成分の非限定的な例には、これに限定されるものではないが、増粘剤、酸、塩基、塩、キレート剤、ゴム、水溶性または水分散性アルコールおよびポリオール、緩衝剤、保存剤、ならびに着色剤が含まれる。
【0046】
連続油相
連続油相が、本発明の組成物に存在する。油相の量は、組成物の1から90重量%、好ましくは20から70重量%、最適には30から60重量%であることができる。
【0047】
油相の典型的な成分は、シリコーン、炭化水素、トリグリセリド、およびこれらの組み合わせであることができる。より具体的な材料は、以下の任意成分の項に記載する。
【0048】
任意成分
本発明の組成物は、物理特性および性能を強化するために、他の様々な成分を含有することができる。これらの成分は、油相または水相の一部を構成することができる。
【0049】
本発明の任意の成分は、架橋シリコーン(オルガノポリシロキサン)エラストマーであることができる。架橋シリコーンエラストマーの出発材料として機能できる硬化性オルガノポリシロキサン組成物の種類に関して、具体的な制限は存在しない。これに関する例は、白金金属触媒作用下、SiH含有ジオルガノポリシロキサンとケイ素結合ビニル基を有するオルガノポリシロキサンとの間の付加反応によって硬化する付加反応硬化性オルガノシロキサン組成物;有機スズ化合物の存在下、ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンとSiH含有ジオルガノポリシロキサンとの間の脱水素反応によって硬化する縮合硬化性オルガノポリシロキサン組成物;有機スズ化合物またはチタン酸エステルの存在下、ヒドロキシル末端ジオルガノポリシロキサンと加水分解性オルガノシランとの間の縮合反応によって硬化する縮合硬化性オルガノポリシロキサン組成物(この縮合反応は、脱水、アルコール遊離、オキシム遊離、アミン遊離、アミド遊離、カルボキシル遊離、およびケトン遊離反応によって例示される。);オルガノペルオキシド触媒の存在下、熱硬化するペルオキシド硬化性オルガノポリシロキサン組成物;およびガンマ線、紫外線放射、または電子線などの高エネルギー放射によって硬化するオルガノポリシロキサン組成物である。
【0050】
通常、これらの材料は、ジメチコン流体(通例、シクロメチコン)に溶解または懸濁された1から30%架橋シリコーンエラストマーとして提供される。定義のために、「架橋シリコーンエラストマー」は、溶媒(例えば、ジメチコン)担体も含む市販の全組成物ではなく、エラストマー単独を指す。
【0051】
ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーおよびジメチコンクロスポリマーは、Dow Corning(9040、9041、9045、9506、および9509)、General Electric(SFE 839)、Shin Etsu(KSG−15、16、および18[ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー])、およびGrant Industries(Gransil(商標)系材料)を含む種々の供給業者から入手可能であり、ラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーは、Shin Etsu(例えば、KSG−31、KSG−32、KSG−41、KSG−42、KSG−43、およびKSG−44)から供給される。
【0052】
市販され入手可能な他の適切なシリコーンエラストマー粉末には、Shin−EtsuからKSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−103、KSP−104、およびKSP−105として販売されているビニルジメチコン/メチコンシレスキオキサンクロスポリマー、ならびにShin−EtsuからそれぞれKSP−200およびKSP−300として販売されているフルオロアルキル基またはフェニル基を含有するハイブリッドシリコーン粉末が含まれる。
【0053】
架橋シリコーンエラストマーは、化粧品組成物の0.01から30重量%、好ましくは0.1から10重量%、最適には0.5から2重量%の濃度範囲であることができる。これらの重量値は、Dow Corning製品9040および9045などの市販の「エラストマー」シリコーンに見出されるシクロメチコンなどのどのような溶媒も除外する。例えば、9040および9045中の架橋シリコーンエラストマーの量は、12から13重量%である。
【0054】
組成物に組み入れられるとき、これらの任意成分は、正常な判断の範囲内で過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わず、ヒトケラチン組織と接触させて用いるのに適しているべきである。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook、Second Edition(1992)は、本発明の組成物に用いるのに適した、スキンケア産業で一般に用いられる非限定的な多種多様な化粧品および医薬品成分を記載している。これらの種類の例には、研磨剤、吸収剤、美容成分、例えば香料、顔料、着色剤(coloring/colorant)、精油、皮膚知覚剤(skin sensate)、収れん剤など(例えば、チョウジ油、メントール、ショウノウ、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、およびアメリカマンサク(witch hazel)蒸留物)、抗挫瘡剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤、抗酸化剤、生物学的添加剤、緩衝剤、増量剤、キレート剤、化学的添加剤、着色剤、化粧品収れん剤、化粧品殺生物剤、変性剤、薬物収れん剤、外用鎮痛薬、被膜形成ポリマー、乳白剤、pH調節剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、皮膚漂白および美白剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚鎮静および/または治癒剤および誘導体、皮膚処置剤、増粘剤、ならびにビタミンおよびこれらの誘導体が含まれる。
【0055】
しかしながら、本発明の任意の実施形態において、本発明に有用な活性成分は、これらが提供する利益によって、またはこれらの仮定される作用様式によって分類できる。しかしながら、本発明に有用な活性成分は、一部の場合において、複数の利益を提供できるか、または複数の作用様式によって作用できることが理解される。従って、本明細書における分類は便宜上行われるものであり、列挙した1つまたは複数の特定の適用にこの活性成分を限定することを意図するものではない。
【0056】
組成物の0.01重量%から10重量%、より好ましくは0.1重量%から5重量%の量で、安全で有効な量の抗酸化剤/ラジカルスカベンジャーを添加することができる。
【0057】
アスコルビン酸(ビタミンC)およびこの塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム)、トコフェロール(ビタミンE)、ソルビン酸トコフェロール、酢酸トコフェロール、他のトコフェロールエステル、ブチル化ヒドロキシ安息香酸およびこれらの塩、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(商品名Trolor(登録商標)で市販され入手可能)、アミン(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノ−グアニジン)、ノルジヒドログアイアレチン酸、バイオフラボノイド、アミノ酸、シリマリン、茶抽出物、ならびにブドウ皮/種子抽出物などの抗酸化剤/ラジカルスカベンジャーを用いることができる。好ましい抗酸化剤/ラジカルスカベンジャーは、トコフェロールのエステル、より好ましくは酢酸トコフェロールから選択される。
【0058】
本発明の組成物は、フラボノイド化合物を場合により含むことができる。フラボノイドは、参照により本明細書に組み込まれるUS5686082およびUS5686367に開示されている。特に適したフラボノイドの例は、フラボン、イソフラボン、クマリン、クロモン、ジスクマロール、クロマノン、クロマノール、これらの異性体(例えば、シス/トランス異性体)、およびこれらの混合物である。
【0059】
好ましく用いられるのは、フラボンおよびイソフラボン、具体的にはダイゼイン(7,4’−ジヒドロキシイソフラボン)、ゲニステイン(5,7,4’−トリヒドロキシイソフラボン)、エコール(7,4’−ジヒドロキシイソフラボン)、5,7−ジヒドロキシ−4’−メトキシイソフラボン、ダイズイソフラボン(ダイズから抽出された混合物)、およびこれらの混合物である。本発明において有用なフラボノイド化合物は、幾つかの供給業者、例えば、Indofine Chemical Company Inc.、Stearloids Inc.、およびAldrich Chemical Company Inc.から市販され入手可能である。本明細書に記載のフラボノイド化合物は、好ましくは0.01重量%から20重量%、より好ましくは0.1重量%から10重量%、さらに好ましくは0.5重量%から5重量%存在する。
【0060】
本発明において有用な抗炎症剤には、アラントイン、ならびにグリチルレチン酸、グリチルリチン酸を含むカンゾウ(植物属/種グリチリザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra))科の化合物およびこれらの誘導体(例えば、塩およびエステル)が含まれる。
【0061】
組成物は、日焼け活性成分を含むことができる。存在するとき、組成物は、組成物の0.1重量%から20重量%、より好ましくは2重量%から7重量%を含むことが好ましい。好ましい日焼け活性成分は、ジヒドロキシアセトンである。
【0062】
組成物は、皮膚美白剤を含むことができる。使用されるとき、組成物は、好ましくは組成物の0.1重量%から10重量%、より好ましくは0.2重量%から5重量%、同様に好ましくは0.5重量%から2重量%の皮膚美白剤を含む。適切な皮膚美白剤には、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、トラネキサム酸、胎盤抽出物、アスコルビン酸およびこの誘導体(例えば、リン酸アスコルビルマグネシウム、リン酸アスコルビルナトリウム、アスコルビルグルコシド、およびテトライソパルミチン酸アスコルビル)が含まれる。本発明での使用に適した他の皮膚美白材料には、Actiwhite(登録商標)(Cognis)、Emblica(登録商標)(Rona)、Azeloglicina(Sinerga)、および抽出物(例えば、クワ抽出物)が含まれる。
【0063】
組成物は、抗菌または抗真菌活性成分を含むことができる。このような活性成分は、微生物を破壊することができ、微生物の発育を防ぐことができるか、または微生物の病原性作用を防ぐことができる。安全で有効な量の抗菌または抗真菌活性成分を本組成物に添加することができ、好ましくは組成物の0.001重量%から10重量%、より好ましくは0.01重量%から5重量%、さらに好ましくは0.05重量%から2重量%である。
【0064】
これらの活性成分の好ましい例には、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、アゼライン酸、アラキドン酸、過酸化ベンゾイル、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ヒドロコルチゾン、アセトアミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、シクロピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、クリンバゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、硫酸ネオサイシン、およびこれらの混合物からなる群から選択されたものが含まれる。
【0065】
組成物は、湿潤剤、保湿剤、または皮膚コンディショナーからなる群から選択されたコンディショニング剤を含むことができる。これらの様々な材料を用いることができ、それぞれ組成物の0.01重量%から40重量%、より好ましくは0.1重量%から30重量%、さらに好ましくは0.5重量%から15重量%のレベルで存在できる。これらの材料には、これに限定されるものではないが、グアニジン;尿素;グリコール酸およびグリコール酸塩(例えば、アンモニウムおよび第四級アルキルアンモニウム);乳酸および乳酸塩(例えばアンモニウムおよび第四級アルキルアンモニウム);任意の様々な形態のアロエベラ(例えば、アロエベラゲル);ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ヘキサントリオール、ブタントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、およびヘキシレングリコールなどのポリヒドロキシ化合物;ポリエチレングリコール;糖およびデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース、フルクトース、スクロース、およびトレハロース);ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;スクロースポリエステル;ワセリン;およびこれらの混合物が含まれる。
【0066】
組成物は、好ましくは組成物の0.05重量%から10重量%、より好ましくは0.1重量%から5重量%、さらに好ましくは0.25重量%から4重量%の1種以上の増粘剤を含むことができる。増粘剤の非限定的な種類には、以下からなる群から選択されたものが含まれる。
【0067】
a.カルボン酸ポリマー
これらのポリマーは、アクリル酸、置換アクリル酸、ならびにこれらのアクリル酸および置換アクリル酸の塩およびエステルに由来する1つ以上のモノマーを含有する架橋された化合物であり、架橋剤は、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含有し、多価アルコールから誘導される。
【0068】
本発明において有用な市販され入手可能なカルボン酸ポリマーの例には、スクロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマーである、カルボマー(Carbomer)が含まれる。カルボマーは、Noveon CorporationからCarbopol(登録商標)900シリーズ(例えば、Carbopol(登録商標)945)として入手可能である。さらに、適切な他のカルボン酸ポリマー剤には、C
10−30アルキルアクリラートと1つ以上のアクリル酸、メタクリル酸、またはこれらの1つの短鎖(即ち、C
1−4アルコール)エステルのモノマーとのコポリマーが含まれ、架橋剤は、スクロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルである。これらのコポリマーは、アクリラート/C
10−30アルキルアクリラートクロスポリマーとして知られており、Noveon Corporationから、Carbopol(登録商標)1342、Carbopol(登録商標)1382、Ultrez(登録商標)21、Pemulen(登録商標)TR−1、およびPemulen(登録商標)TR−2として市販され入手可能である。
【0069】
b.タウラートポリマー
本発明の組成物は、アニオン性、カチオン性、および非イオン性ポリマーを含む、増粘剤またはゲル化剤として有用な架橋タウラートポリマーを場合により含むことができる。この例には、ヒドロキシエチルアクリラート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム(例えば、Simulgel(登録商標)NSおよびINS100)、アクリラート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム(例えば、Simulgel(登録商標)EG)、アクリロイルジメチルタウリンナトリウム(例えば、Simulgel(登録商標)800)、ならびにアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン(例えば、Aristoflex(登録商標)AVC)が含まれる。
【0070】
c.ポリアクリルアミドポリマー
本発明の組成物は、ビニル重合ポリアクリルアミドポリマー、特に置換分岐または非分岐ポリマーを含む非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを場合により含むことができる。これらのポリアクリルアミドポリマーのなかで好ましいのは、Seppic Corporationから商品名Sepigel(登録商標)で入手可能な、CTFA名ポリアクリルアミドおよびイソパラフィンおよびラウレス−7の非イオン性ポリマーである。
【0071】
本発明において有用な他のポリアクリルアミドポリマーには、アクリルアミドおよび置換アクリルアミドと、アクリル酸および置換アクリル酸とのマルチブロックコポリマーが含まれる。市販され入手可能なこれらのマルチブロックコポリマーの例には、Lipo Chemicals Inc.のHypan SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hが含まれる。
【0072】
d.ポリサッカリド
多種多様なポリサッカリドが本発明において有用である。「ポリサッカリド」とは、繰り返し糖(即ち、炭水化物)単位の主鎖を含有するゲル化剤を指す。ポリサッカリドゲル化剤の非限定的な例には、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、硫酸セルロースナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択されたものが含まれる。
【0073】
e.ゴムおよび粘土
本発明において有用な他の増粘剤およびゲル化剤には、主として天然源に由来する材料が含まれる。非限定的な例には、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ゲランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ラポナイト、ベントナイト、ヒアルロン酸、水和シリカ、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤゴム、ケルプ、ローカストビーンガム、納豆ガム、カラギーナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、菌核ガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、トラガカントゴム、キサンタンガム、およびこれらの混合物からなる群から選択された材料が含まれる。
【0074】
本発明の組成物は、1種以上の他の粒状物材料を含有することができる。粒状物材料の非限定的な例には、着色および非着色顔料、干渉顔料、無機粉末、有機粉末、複合粉末、光増白剤粒子、およびこれらの組み合わせが含まれる。粒状物材料は、組成物の0.01重量%から20重量%、より好ましくは0.05重量%から10重量%、さらに好ましくは0.1重量%から5重量%存在することができる。
【0075】
本発明において有用な粒状物材料には、これに限定されるものではないが、オキシ塩化ビスマス、セリサイト、マイカ、硫酸バリウムまたは二酸化チタン処理マイカ、ゼオライト、カオリン、シリカ、窒化ホウ素、ラウロイルリシン、ナイロン、タルク、スチレン、ポリスチレン、エチレン/アクリル酸コポリマー、酸化アルミニウム、シリコーン樹脂、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酢酸セルロース、PTFE、ポリメチルメタクリラート、デンプン、加工デンプン、シルク、ガラス、およびこれらの混合物が含まれる。好ましい有機粉末/充填剤には、メチルシルセスキオキサン樹脂ミクロスフェア、Toshiba SiliconeからTospearl 145Aの名称で販売されているものなど;ポリメチルメタクリラートのミクロスフェア、SeppicからMicropearl M100の名称で販売されているものなど;架橋ポリジメチルシロキサンの球形粒子、特にDow Corning Toray SiliconeからTrefil E506CまたはTrefil E505Cの名称で販売されているものなど;ポリアミドの球形粒子、より詳細にはNylon12、特にAtochemからOrgasol 2002N Nat C05の名称で販売されているものなど;ポリスチレンミクロスフェア、Dyno ParticlesからDynospheresの名称で販売されているものなど;KoboからFloBead EA209の名称で販売されているエチレンアクリラートコポリマー;PTFE;ポリプロピレン;アルミニウムデンプンオクテニルスクシナート、National StarchからDry Floの名称で販売されているものなど;ポリエチレンのミクロスフェア、EquistarからMicrothene FN510−00の名称で販売されているものなど;シリコーン樹脂;L−ラウロイルリシンから製造されるプレートレット(platelet)形状粉末;およびこれらの混合物から選択されたポリマー粒子が含まれる。特に好ましいのは、平均一次粒径0.1から75ミクロン、好ましくは0.2から30ミクロンを有する球形粉末である。
【0076】
本発明の局所組成物には、これに限定されるものではないが、ローション、乳液、ムース、セラム、スプレー、エアロゾル、フォーム、スティック、ペンシル、ジェル、クリーム、および軟膏が含まれる。組成物はまた、合成および/または天然の繊維織布または不織布(ワイプ(wipe)またはウェットティッシュ(towelette))によって適用することもできる。
【0077】
実施例および比較例、または別に明白に指示されている場合を除いて、本明細書において材料の量を示すすべての数値は、語「約」によって修飾されているものと理解されるべきである。
【0078】
用語「含む(comprising)」は、その後に記載する要素を限定するものではなく、むしろ主要なまたは副次的な機能的重要性を有する非特定要素を包含することが意図される。換言すると、列挙したステップ、要素、または選択肢は、網羅的である必要はない。用語「含む(including)」または「有する(having)」が用いられるとき、これらの用語は上に定義した「含む(comprising)」と同義であることが意図される。
【0079】
すべての特許、特許出願、および刊行物を含む、本明細書に言及されたすべての文献は、本開示において、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0080】
以下の実施例は、本発明の実施形態をより詳細に例示する。本明細書および添付の特許請求の範囲で言及される部、パーセント、および割合はすべて重量による。
【0081】
(実施例1から4)
以下は本発明によるサンスクリーン組成物の非限定的な例である。
【0083】
最初に相Aの成分を合わせることによって、適切な容器で実施例の配合物を調製する。別の適切な容器で、相Bの成分を合わせる。各相を混合しながら、適切なミキサ(例えば、アンカーブレード、プロペラブレード、IKA T25)を用いて、それぞれが温度に到達し、均質になるまで、各相を73から78℃に加熱する。相Aの混合を続けながら、相Bをゆっくりと相Aに添加する。バッチが均一になるまで、混合を続ける。生成物を73から78℃で適切な容器に注ぎ入れ、室温で保存する。または、温度が低下するとき、混合物の攪拌を続けることによって、21℃および33℃でより低い観察硬度値が得られる。
【0084】
(実施例5)
本発明の態様を実証するために、一連の比較実験を行った。これらの実験は、下記の表Iに概要を示す配合物の試験に基づく。
【0086】
光学測定
不透明度は、基材または被膜に対して垂直に照射された透過光線の強度減衰の尺度である。直接線束減衰が大きいほど、不透明度が高くなる。光線減衰の原因は2つの要素からなる。A)元の光の一部は、被膜/基材から反射して戻される。これが被膜/基材に、高い隠蔽力を有する真の白色/不透明な外観を与える。製剤に顔料等級のTiO
2を用いることによって、この効果が得られる。B)光の一部は、まっすぐな線束経路から偏向されるが、依然として被膜/基材を透過する。要するに、被膜/基材は透明から半透明になり、「ぼんやりした」像を作り出す。これを表わす別の用語がソフトフォーカスである。
【0087】
手順:オーバーヘッド用プラスチック透明シートに、ドローダウン(draw down)バーを用いて、製剤の3ミル(76.2μm)の被膜を塗布(またはドローダウン)する。被膜を室温で2時間乾燥させる。被覆されたオーバーヘッド用透明シートを取り、これをInstrument Systemsゴニオ分光光度計に入れる。光源および検出器を、被覆透明シートに対して垂直な直線上に配列する。光源(2億9百万ワット−nm/cm
2に設定、本明細書に報告されるすべての透過強度値の参考値となる。)を点灯し、透過光強度の測定を行う。検出器を直接透過法線から10、30、40、および50度離して移動させることによって、さらなる測定を行う。これらの値は、ソフトフォーカス光散乱の程度を示す。製品の反射率または「放射輝度」は、光源および検出器の位置を除いて、不透明度/ソフトフォーカス光散乱と同じ方法で求める。検出器は法線/垂直線の片側の30度であり、光源は反対側の20度である。強度減衰の程度を求めるために、この強度値を、非被覆オーバーヘッド用透明シートの強度値と比較する。これら2つの値の相違が、減衰の程度または不透明度である。
【0088】
SPF測定
Optometrics SPF290計器を用いて、in vitroで日焼け防止指数(SPF)を測定した。試験手順は、Optometrics SPF290計器のモノクロメータおよび試料台の較正を必要とした。その後、計器をブランク試料石英プレート(10cm×10cmおよび厚さ3mm)で較正した。UV検出器をゼロ較正する。1ミルのドローダウン塗布器を用いて、配合物をプレートに塗布する。これにより2mg/cm
2の被膜ができる。被膜を30分間ほぼ乾燥させる。その後、被覆石英プレートの異なる部分の3つの測定を用い、平均値を記録することによって、乾燥被膜のSPFを読み取る。
【0089】
製剤によるソフトフォーカスの結果を表IIに示す。
【0091】
化粧品組成物全体に2%オクチルメトキシシンナマート(OMC)を送達するようにすべての複合体(UV Pearls(商標)、SunCaps(商標)、Sylvaclear/サンスクリーン)を製剤化した。UV Pearls(商標)は、EMD ChemicalsのRona Divisionから販売されている。これらの調製は、参照により本明細書に組み込まれるUS7264795に記載されている。UV Pearls(商標)は、水性担体に分散された粒状物として販売されており、粒状物は、シリカ、ポリビニルピロリドン、および微量機能成分で被覆されたオクチルメトキシシンナマートである。SunCaps(商標)は、Particle Sciences Inc.of Bethlehem、Pennsylvaniaから販売されており、参照により本明細書の一部とするUS5733531に記載されている。これらの粒子は、蜜ロウ、カルナウバロウ、ビニルピロリドン/エイコセンコポリマー、および乳化剤を含む結合剤にカプセル化されたオクチルメトキシシンナマートを含む。これらのカプセル化剤は、65%までの固体を含有する水性分散液として供給される。
【0092】
配合6(本発明)のSylvaclearポリマーサンスクリーン複合体は、OMC0%配合物のソフトフォーカスの利益を維持し、さらに高角度ソフトフォーカスプロファイルを改善する。配合6のさらなる利益は、依然として15より高いSPFを示すことである。不透明度は改善(低減)され、反射率は増大する。このすべてが、透過ソフトフォーカス曲線および反射を強度許容範囲内の最大性能に転じる。対照的に、UV Pearls(商標)およびSunCaps(商標)を含有する配合4および5は、ソフトフォーカスに負の影響を与える。値はOMC0%配合3より低い。配合8にあるように、外部2%OMC(結合剤中ではない。)と共に単独のSylvaclear樹脂を添加することによって、配合2と比較して、高角度ソフトフォーカスおよび反射率にわずかな改善が生じる。しかしながら、SPF8は、配合2および8両方に関して同じである。これは、ポリマー複合体中に2%OMCをブレンドする配合6のはるかに良好なソフトフォーカス、反射率、およびサンスクリーン活性(SPF20)と対照的である。