特許第6144906号(P6144906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6144906貫通部材、建物及び建物外壁への貫通部材施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6144906
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】貫通部材、建物及び建物外壁への貫通部材施工方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 5/02 20060101AFI20170529BHJP
   E04B 1/66 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   F16L5/02 B
   E04B1/66 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-271491(P2012-271491)
(22)【出願日】2012年12月12日
(65)【公開番号】特開2014-114669(P2014-114669A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】大岡 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】井上 和彦
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−323470(JP,A)
【文献】 特開2011−132728(JP,A)
【文献】 特開平3−8955(JP,A)
【文献】 特開2001−187969(JP,A)
【文献】 実開平2−79120(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 5/02
E04B 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材に形成された貫通孔内を貫通する貫通部材本体と、
前記貫通部材本体の外側に一体的に設けられ前記貫通孔の内縁部に圧接されて水の浸入を防ぐシール部材と、
備え、
前記シール部材における前記貫通孔への挿入方向先端側の方が挿入方向後端側よりも外形が小さくなるように設定され、かつ前記シール部材は、長尺状のゴム様弾性体の巻き付けにより形成されると共に、前記ゴム様弾性体の幅を変えて当該シール部材の外形の大きさを変えている貫通部材。
【請求項2】
請求項1に記載の板材が外壁であり、
前記外壁に形成された貫通孔の内縁部に請求項1に記載のシール部材が圧接された状態で前記貫通部材が前記外壁に嵌め込まれている建物
【請求項3】
高さ方向に沿って貫通する中空部が設けられた中空外壁材によって前記外壁が形成され、前記中空外壁材における屋内側に位置する内壁部側に前記シール部材が配置され、当該中空外壁材における屋外側に位置する外壁部側に目地用シールが設けられている請求項2に記載の建物
【請求項4】
請求項1に記載の貫通部材を建物の外壁に形成された貫通孔内へ挿入する第1工程と、
前記貫通部材に設けられたシール部材を前記貫通孔の内縁部に圧接させ、当該貫通部材を貫通孔に嵌め込む第2工程と、
を有する建物外壁への貫通部材施工方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通部材、建物及び建物外壁への貫通部材施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、庇など屋外の屋根(板材)に縦樋(貫通部材)を貫通させる構成において、当該屋根に形成された開口部(貫通孔)の内縁部と縦樋の外周面との隙間をシーリング材によって塞ぐ技術が開示されている。
【0003】
具体的には、庇の一部を構成する防水板の開口部に嵌め込まれる縦樋ガイド材が縦樋とは別に設けられている。この縦樋ガイド材は、縦樋を上下方向へ案内可能とする円筒状の仕切り部と、当該仕切り部の長手方向の一端部に形成されたフランジ部と、で構成されている。
【0004】
庇に縦樋を取り付ける際、まず、天板の開口部内に縦樋ガイド材の仕切り部を嵌め込み、フランジ部の下面を天板の上面に接着させる。次に、天板の上面に防水板を敷設し、仕切り部の内側の間隙における緩衝材の上側にシーリング材を充填すると共に、防水板の上面と縦樋の外周面とに跨ってシーリング材を付着させる。これにより、防水板の開口部が完全に塞がれた状態となって、庇に縦樋が取り付けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−214247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この先行技術では、作業工数も多く、施工性が良くない。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、板材に形成された貫通孔との間を簡単な施工でシールすることができる貫通部材、建物及び建物外壁への貫通部材施工方法を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の本発明に係る貫通部材は、板材に形成された貫通孔内を貫通する貫通部材本体と、前記貫通部材本体の外側に一体的に設けられ前記貫通孔の内縁部に圧接されて水の浸入を防ぐシール部材と、を備え、前記シール部材における前記貫通孔への挿入方向先端側の方が挿入方向後端側よりも外形が小さくなるように設定され、かつ前記シール部材は、長尺状のゴム様弾性体の巻き付けにより形成されると共に、前記ゴム様弾性体の幅を変えて当該シール部材の外形の大きさを変えている
【0009】
請求項1記載の本発明に係る貫通部材では、貫通部材本体の外側にシール部材が一体的に設けられている。当該貫通部材本体を板材に形成された貫通孔内へ挿入して貫通させ、シール部材が貫通孔の内縁部に圧接される(貫通部材を貫通孔内へ嵌め込む)ことによって、貫通部材と板材の貫通孔との間がシール部材によって塞がれ(シールされ)、貫通部材と貫通孔との間で水の浸入が抑制・防止されるようになっている。
【0011】
また、請求項記載の本発明に係る貫通部材では、シール部材において、貫通孔への挿入方向先端側の方が挿入方向後端側よりも外形が小さいため、当該シール部材を貫通孔内へ挿入させる際、当該貫通孔への挿入方向先端側では挿入抵抗は小さく挿入し易い。
【0013】
さらに、請求項記載の本発明に係る貫通部材では、シール部材は長尺状のゴム様弾性体の巻き付けにより形成されているため、貫通部材にシール部材を一体成形させた場合よりもコストを低減させることができる。ここで、「ゴム様弾性体」とは、熱硬化性又は熱可塑性の弾性体であって、熱硬化性では、EPDMゴム、塩素化ゴム、ウレタンゴム、天然ゴム、イソプレンゴムなどが例示され、熱可塑性では、全てのTPE(熱可塑性エラストマー)が該当し、例えばTPO(オレフィン系)、TPS(スチレン系)などや、PVC(塩素化ビニル)であってもよい。そして、この「ゴム様弾性体」には、これらの材質において、気泡のないソリッド状体又は複数の気泡(小孔)のあるスポンジ状体が含まれる。
【0015】
さらにまた、請求項記載の本発明に係る貫通部材では、幅の狭いゴム様弾性体を幅の広いゴム様弾性体に巻き付けることで、シール部材の外形寸法を大きくすることができる。
【0016】
請求項記載の本発明に係る建物は、請求項1に記載の板材が外壁であり、前記外壁に形成された貫通孔の内縁部に請求項1に記載のシール部材が圧接された状態で前記貫通部材が前記外壁に嵌め込まれている。
【0017】
請求項記載の本発明に係る建物では、板材が外壁であり、当該外壁に形成された貫通孔の内縁部にシール部材が圧接された状態で貫通部材が外壁に嵌め込まれることで、貫通部材と貫通孔との間で水の浸入が防止・抑制される。
【0018】
請求項記載の本発明に係る建物は、請求項に記載の建物において、高さ方向に沿って貫通する中空部が設けられた中空外壁材によって前記外壁が形成され、前記中空外壁材における屋内側に位置する内壁部側に前記シール部材が配置され、当該中空外壁材における屋外側に位置する外壁部側に目地用シールが設けられている。
【0019】
請求項記載の本発明に係る建物では、高さ方向に沿って貫通する中空部が設けられた中空外壁材によって外壁が形成されている。この中空外壁材における屋内側に位置する内壁部側にシール部材(二次防水)が配置され、当該中空外壁材における屋外側に位置する外壁部側に目地用シール(一次防水)が設けられることによって、いわゆる二次防水機能を得ることができる。
【0020】
請求項記載の本発明に係る建物外壁への貫通部材施工方法は、請求項1に記載の貫通部材を建物の外壁に形成された貫通孔内へ挿入する第1工程と、前記貫通部材に設けられたシール部材を前記貫通孔の内縁部に圧接させ、当該貫通部材を貫通孔に嵌め込む第2工程と、を有している。
【0021】
請求項記載の本発明に係る建物外壁への貫通部材施工方法では、第1工程によって、まず貫通部材が建物の板材に形成された貫通孔内へ挿入される。次に、第2工程によって、貫通部材に設けられたシール部材を当該貫通孔の内縁部に圧接させ、貫通部材を貫通孔に嵌め込む。この状態で貫通部材が板材に取り付けられ、当該貫通部材と貫通孔との間で水の浸入が防止・抑制される。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る貫通部材は、板材に形成された貫通孔との間を簡単な施工でシールすることができる、という優れた効果を有する。
【0026】
請求項記載の本発明に係る建物は、長寿命化を図ることができ、ユーザーの経済的負担を軽減することができる、という優れた効果を有する。
【0027】
請求項記載の本発明に係る建物は、さらに長寿命化を図ることができ、ユーザーの経済的負担を軽減することができる、という優れた効果を有する。
【0028】
請求項記載の本発明に係る建物外壁への貫通部材施工方法は、外壁に形成された貫通孔と当該貫通孔内へ挿入される貫通部材との間を簡単な施工でシールすることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施の形態に係る貫通部材が適用された配管を示す斜視図である。
図2】本実施の形態に係る貫通部材が外壁パネルに取り付けられる状態を示す拡大断面図である。
図3】本実施の形態に係る貫通部材が外壁パネルに取り付けられた状態を示す模式的な断面図である。
図4図1を矢印B方向から見た正面図である。
図5】押出し成形セメント板が用いられた外壁パネルを示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る貫通部材について説明する。まず、建物の一例について説明する。
【0031】
図5に示されるように、この建物10の外壁パネル30には、例えば押出し成形セメント板(ECP)が用いられており、この建物10では、階層毎に外壁パネル30が区切られている。一般的に、図5に示されるように、押出し成形セメント板が用いられた外壁パネル30は、屋外17側に配置されて意匠面を形成する外壁部32と、当該外壁部32に対して平行に配置された内壁部34と、を含んで構成されている。
【0032】
外壁部32と内壁部34との間には、外壁部32と内壁部34とを垂直に繋ぐ複数の連結部36が所定のピッチで設けられている。つまり、この外壁パネル30は、その内部において所定のピッチで複数の中空部38が高さ方向に沿って延在されている。この中空部38は、上階側の外壁パネル(以下、「上階側外壁パネル」という)30Aの中空部38Aと下階側の外壁パネル(以下、「下階側外壁パネル」という)30Bの中空部38Bとが、建物高さ方向に連続して互いに連通するように配置されている。
【0033】
また、上階側外壁パネル30Aと下階側外壁パネル30Bとの間には、横目地40が設けられており、同じ階における外壁パネル30では、左右に隣接する外壁パネル30との間に縦目地42が設けられている。この縦目地42及び横目地40には、建物10の防水性能を確保するため、不定形シール44がそれぞれ充填されている。しかし、これらの縦目地42や横目地40において、いわゆるシール切れを起こした場合、当該縦目地42や横目地40を通じて屋内15側へ水(雨水)が浸入する可能性がある。このような場合、浸入した雨水は、横目地40に設けられた図示しない止水役物によって下階側外壁パネル30Bの中空部38B内へ案内される。
【0034】
(貫通部材の構成)
ここで、本実施形態に係る貫通部材としての配管の構成について説明する。
【0035】
本実施形態では、例えば、図2に示されるように、配管50を外壁パネル30に貫通させる。図1に示されるように、配管50は、貫通部材本体としての配管本体52と、シール部材54と、を含んで構成されている。
【0036】
図1及び図2に示されるように、配管本体52は円筒状を成しており、配管本体52の外径寸法(外形寸法)は、外壁パネル30に形成された貫通孔56の内径寸法よりも小さくなるように設定され、当該貫通孔56内を配管本体52が挿入可能とされている。また、図2及び図4に示されるように、配管本体52の外周面の一部(貫通孔56の内縁部56Aと対向する部分)には、シール部材54として長尺状のゴム様弾性体としてのEPDMスポンジゴム54Aが複数回巻き付けられている。
【0037】
このシール部材54において、配管本体52の長手方向に沿った一端側は、シール部材54の他端側よりも外径寸法が小さくなるように設定されている。具体的には、シール部材54の他端側には、シール部材54を構成するEPDMスポンジゴム54Aの幅よりも狭い幅となるように形成されたEPDMスポンジゴム54BがEPDMスポンジゴム54Aの間に巻き付けられている。なお、図4において、EPDMスポンジゴム54AとEPDMスポンジゴム54Bとを区別するため、EPDMスポンジゴム54Bについてはドットを入れている。
【0038】
これにより、シール部材54の他端側は、シール部材54の一端側よりも外径寸法が大きくなる。つまり、シール部材54の一端側は、シール部材54の他端側よりも外径寸法が小さくなる。なお、シール部材54の他端側における外径寸法は、貫通孔56の内径寸法よりも大きくなるように設定される。また、好ましくはシール部材54の一端側における外径寸法は、貫通孔56の内径寸法よりも小さくなるように設定される。
【0039】
(貫通部材の施工方法)
次に、本実施形態に係る貫通部材としての配管において、外壁パネルへの施工方法について説明する。
【0040】
図1及び図2に示されるように、配管50の外周面に設けられたシール部材54は、一端側が他端側よりも外径寸法が小さくなるように形成されている。このため、シール部材54において、一端側から他端側へ向かって配管50を、矢印A方向に沿って外壁パネル30に形成された貫通孔56内へ挿入する(第1工程)。
【0041】
また、シール部材54の他端側における外径寸法は、貫通孔56の内径寸法よりも大きくなるように設定されている。このため、配管50を貫通孔56内へ挿入していくと、配管50が貫通孔56を貫通した状態で、シール部材54は貫通孔56の内縁部56Aによって圧接される。つまり、配管50が貫通孔56へ嵌め込まれる(第2工程)。なお、図2では図示していないが、図3に示されるように、シール部材54の他端側では、貫通孔56の内縁部54Aの内径寸法よりもはみ出た部分が圧縮された状態となる。
【0042】
これにより、配管50の外周面と外壁パネル30に形成された貫通孔56の内縁部56Aとの間の隙間が塞がれ、いわゆるシールされた状態となる。この状態で、シール部材54は外壁パネル30の内壁部34と対向するようにして配置される。また、配管本体52の外周面には、目地用シールバッカ58が配設され、当該目地用シールバッカ58の屋外側には、目地用シール60が配設される。
【0043】
(貫通部材の作用・効果)
次に、本実施形態に係る貫通部材としての配管の作用・効果について説明する。
【0044】
図1及び図2に示されるように、配管50を構成する配管本体52の外側にシール部材54が一体的に設けられている。当該配管本体52を外壁パネル30に形成された貫通孔56内へ挿入して貫通させ、シール部材54が貫通孔56の内縁部56Aに圧接される(配管50を貫通孔56内へ嵌め込む)ようにする。
【0045】
これによって、配管50と貫通孔56との間で水の浸入が抑制・防止される。つまり、配管50を貫通孔56内へ嵌め込むだけで、配管50と外壁パネル30の貫通孔56との間がシール部材54によって塞がれる。このように、本実施形態によれば、簡単な施工で配管50と貫通孔56との間をシールすることができる。
【0046】
また、本実施形態では、図2及び図4に示されるように、シール部材54の他端側には、シール部材54を構成するEPDMスポンジゴム54Aの幅よりも狭い幅となるように形成されたEPDMスポンジゴム54BがEPDMスポンジゴム54Aの間に巻き付けられている。これにより、シール部材54の他端側における外径寸法は、シール部材54の一端側よりも大きくなるように形成される。
【0047】
つまり、シール部材54の一端側は、シール部材54の他端側よりも外径寸法が小さくなるように形成されている。このため、図1に示されるように、シール部材54が貫通孔56内へ挿入される際、当該貫通孔56への挿入方向先端側では挿入抵抗は小さくなり、挿入し易くすることができる。したがって、配管50を外壁パネル30へ取り付ける際の作業性が良い。また、シール部材54の一端側の外径寸法が、貫通孔56の内径寸法よりも小さくなるように設定されると、作業性はさらに良い。
【0048】
また、図1及び図4に示されるように、シール部材54は長尺状のEPDMスポンジゴム54A、54Bの巻き付けにより形成されているため、配管50にシール部材54を一体成形させた場合よりもコストを低減させることができる。また、EPDMスポンジゴム54A、54Bの巻き付け回数(巻き付け角度)の調整などにより、貫通孔56における寸法誤差等に対してシール部材54の外径寸法を容易に変えることができる。
【0049】
さらに、幅の狭いEPDMスポンジゴム54Bを幅の広いEPDMスポンジゴム54Aに巻き付けることで、シール部材54の外径寸法を大きくすることができる。つまり、EPDMスポンジゴム54Aの幅を変えて重ね合わせるだけなので、シール部材54の外径寸法を容易に変えることができる。
【0050】
また、図2に示されるように、シール部材54の他端側における外径寸法は、外壁パネル30に形成された貫通孔56の内径寸法よりも大きくなるように設定されている。このため、シール部材54は貫通孔56の内縁部に圧接された状態で、配管50が貫通孔56へ嵌め込まれる。つまり、当該配管50が外壁パネル30に取り付けられるが、この状態で、配管50と貫通孔56との間がシールされ、配管50と貫通孔56との間で水の浸入が防止・抑制される。これにより、建物10の長寿命化を図ることができ、ユーザーの経済的負担を軽減することができる。
【0051】
また、本実施形態では、図2に示されるように、高さ方向に沿って貫通する中空部38が設けられた外壁パネル30によって板材が形成されている。この外壁パネル30における内壁部34側にシール部材54(二次防水)が配置され、当該外壁パネル30における外壁部32側に目地用シール60(一次防水)が設けられることによって、いわゆる二次防水機能を得ることができる。
【0052】
これにより、上階側外壁パネル30Aの中空部38A内を流れる水(雨水)は、配管50に到達すると、当該配管50の外周面の周方向に沿って伝わり、下階側外壁パネル30Bの中空部38Bへ案内される。したがって、建物10の室内側への水の浸入を防ぐことができ、さらに建物10の長寿命化を図ることができ、ユーザーの経済的負担を軽減することができる。なお、図2では、配管50を挿入方向として、矢印A方向を外壁パネル30の外壁部32側から内壁部34側へ向けているが、これとは逆に、内壁部34側から外壁部32側へ向けて配管50を挿入する場合は、挿入方向側にEPDMスポンジゴム54Aが配置される。
【0053】
なお、本実施形態では、外壁パネル30を貫通する貫通部材として、エアコンディショナなどに接続される配管50について説明したが、これに限るものではない。例えば、ベランダの腰壁や床部などを貫通する樋などに適用させても良い。また、この貫通部材の形状は円筒状に限るものではなく、角筒状であっても良い。但し、この場合、外壁パネルには、矩形状の貫通孔が形成される。さらに、図示はしないが、あらわし梁などのように角材を貫通させる部分に適用させても良い。
【0054】
また、本実施形態では、図5に示されるように、建物10の外壁パネル30として押出し成形セメント板が用いられた例について説明したが、外壁は必ずしも押出し成形セメント板で形成されなくても良い。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0056】
10 建物
30 外壁パネル(板材、外壁)
30B 下階側外壁パネル(板材、外壁)
30A 上階側外壁パネル(板材、外壁)
32 外壁部
34 内壁部
38 中空部
38A 中空部
38B 中空部
50 配管(貫通部材)
52 配管本体(貫通部材)
54 シール部材(貫通部材)
54A EPDMスポンジゴム(シール部材)
54B EPDMスポンジゴム(シール部材)
56 貫通孔
56A 内縁部
60 目地用シール
図1
図2
図3
図4
図5