(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マウスピース、色変化セグメント、及び破裂性流体含有カプセルを備えた喫煙物品であって、前記色変化セグメントは、前記破裂性流体含有カプセルからの流体と相互作用して、相互作用時に前記破裂性流体含有カプセルが破裂したときに前記色変化セグメントが色の変化を示すように適合され、前記喫煙物品が、不透過性コーティングで覆われて不透過性であるようになった第1の領域にある透過性外側ラッパーを含み、不透過性コーティングによって覆われない第2の領域が透過性であり、前記不透過性コーティングがワニスであり、
前記喫煙物品が、第1の上流側及び第2の下流側多孔質フィルタセグメント内にそれぞれ配置された第1及び第2のカプセルを含み、前記第1のカプセルが、前記破裂性流体含有カプセルであり、色変化を生じる流体を含有し、前記第2のカプセルが添加剤を含有し、第2のフィルタセグメントが第1のフィルタセグメントよりも低い吸着性を有し、前記第2のカプセルから放出された流体が前記第2のフィルタセグメントを通ってより緩慢に移動し、破裂時に前記第1のカプセルから流体が前記第1のフィルタセグメントを通ってより迅速に移動するようになる、喫煙物品。
【背景技術】
【0002】
通常、フィルタシガレットなどの一部の喫煙物品は、紙ラッパーによって巻かれたタバコカットフィラーの円筒状ロッドと、包装タバコロッドと端部間が当接した関係で軸方向に整列した円筒状フィルタとを含む。従来、包装タバコロッドの端部とフィルタは、典型的にはフィルタの全長及び包装タバコロッドの隣接部分を囲む紙材料の帯体から形成されたチップペーパーによって接合される。
【0003】
また、当該技術分野においては、タバコを燃焼させるのではなく加熱する幾つかの喫煙物品が提案されてきた。加熱式喫煙物品では、タバコなどの香味発生基材を加熱することによってエアロゾルを発生させる。既知の加熱式喫煙物品は、例えば、電気加熱式喫煙物品、及び可燃性熱源から物理的に分離されたエアロゾル形成材料に熱を伝達することによってエアロゾルを発生させる喫煙物品を含む。喫煙中、熱源からの熱伝達によりエアロゾル形成基材から揮発性化合物が放出され、喫煙物品を通じて吸い込まれる空気内に同伴される。この放出された化合物が冷却すると凝縮してエアロゾルを形成し、これを消費者が吸入する。
【0004】
メントールなどの流体を放出するカプセルを備えた喫煙物品が知られている。
【0005】
国際特許出願公開2011/077141A1では、喫煙物品用フィルタを開示しており、該フィルタ内にカプセルを用いて生分解速度を高めることを目的とし、カプセルは、喫煙物品の壊変を強化することができる液体を含む。カプセル内の液体は、カプセルが破裂したことをユーザが確認できるように色付きにすることができる。
【0006】
欧州特許出願公開第1895863号では、フィルタ要素の第1の吸収部材と第2の吸収部材との間にカプセルが設けられた、喫煙物品を記載している。カプセルは、消費者による外部力(押しつぶしなど)を受けたときに流体の少なくとも一部を放出するよう適合されている。
【0007】
しかしながら、このようなカプセルによる放出は、喫煙物品の香味又は煙の構成成分の変化によってのみ検出される。
【0008】
更に、流体の放出を識別できるこの限定的な方法は、メントールなどの流体の放出は、数日又は数週間後に必ずしも検出可能であるとは限らないので、例えば貯蔵時に流体が意図せずに放出されたかどうかを消費者が知ることが困難になる。
【発明の概要】
【0010】
従って、
流体の放出を識別する追加の手段を提供することが望ましいことになる。消費者が嗅覚又は味覚以外の感覚を用いて
流体の放出を判定可能な解決手段を提供することが特に望ましいことになる。
【0011】
また、
流体の放出を可視のままの方法で消費者に示すことを可能にする手段を提供することが望ましいことになる。
【0012】
従って、本発明によれば、色変化セグメント及び破裂性流体含有カプセルを有するマウスピースを備えた喫煙物品が提供され、色変化セグメントは、破裂性流体含有カプセルからの流体と相互作用して、相互作用時にカプセルが破裂したときに色変化セグメントが喫煙物品の外部から見える色変化を示すように適合されている。
【0013】
色変化は、消費者が流体の放出を確認する完全に異なる方法を提供し、味覚又は香味変化により放出を識別する消費者の能力と無関係である追加の利点を有する。
【0014】
表現「色変化セグメント」は、破裂性流体含有カプセルからの流体と接触したときに色を変化させる喫煙物品の部分を表している。色変化は、喫煙物品の周囲の部分とは異なる色の発生、喫煙物品の周囲の部分と同じ色の消失、セグメントの不透明から透明への変化、セグメントの透明から不透明への変化、モチーフ、ロゴ、又は他の画像の出現、喫煙物品の周囲の部分と同じであるか又は異なるかに関係なく、あらゆる色又は色の組み合わせから別の色又は色の組み合わせへのセグメントの変化、或いは、喫煙物品の一部の色、ロゴ、画像、又はモチーフの出現、消失、又は変化を含むあらゆる他の検出可能な変化を含むことができる。
【0015】
表現「色変化」は、流体が色変化セグメントと接触したときのセグメントにおいて可視となる結果を表す。
【0016】
色変化は、好ましくは、喫煙物品の外側層で生じる。層が複数存在する場合、色変化は、最外層ではない層において生じることができる。これは、色変化セグメントと相互作用する流体が、好ましくは消費者の唇又は指と直接接触するのを阻止できるという利点がある。
【0017】
従って、最外層は不透過性層であることが特に望ましい。これにより、好ましくは消費者の唇又は指と流体が直接接触する可能性が更に低減される。従って、不透過性層は水不透過性であるのが特に好ましい。
【0018】
色変化セグメントは、好ましくは層の一部を含み、従って、層は、特定の流体と接触したときに局部にて色変化を受ける。
【0019】
好ましくは、色変化セグメントは、マウスピースの外側層のうちの1つの層の少なくとも一部を含む。
【0020】
色変化セグメントが配置されるマウスピースは、不透明又は透明とすることができる。マウスピースは透明であるのが好ましい。不透明な背景が透明な背景よりも優れたコントラストを提供するので、これにより色変化がより容易に分かるようになる。
【0021】
用語「不透明」は、入射光の少なくともかなりの割合の通過を遮断し、材料を通して見ることができないようになる材料を説明するのに使用される。好ましくは、「不透明」は、Hunterlab Colorquest XE 分光光度計を用いて測定した光透過総百分率が約40%又はそれ未満、より好ましくは約30%又はそれ未満、更により好ましくは約25%又はそれ未満、最も好ましくは15%又はそれ未満であることを示している。
【0022】
マウスピースの外側層は、マウスピースの少なくとも一部の周りに少なくとも部分的に巻かれたラッパーとすることができる。
【0023】
マウスピース及び色変化セグメントを備えた本発明による喫煙物品は、タバコカットフィラー又は他の喫煙可能材料が燃焼して煙を形成するフィルタシガレット又は他の喫煙物品の形態とすることができる。本発明は更に、タバコ材料又は別のエアロゾル発生基材が燃焼ではなく加熱されてエアロゾルを形成する喫煙物品、及びエアロゾル、詳細にはニコチン含有エアロゾルが燃焼又は加熱されることなくタバコ材料、タバコ抽出物、又は代替のニコチン源もしくは別のエアロゾル発生基材から発生する喫煙物品を含む。
【0024】
以下の説明において、「主流煙」は、フィルタシガレットのような可燃性喫煙物品により生成される主流煙と、上述のタイプの加熱式又は非加熱式喫煙物品のような非可燃性喫煙物品により生成される主流エアロゾルとの両方を説明するのに使用される。
【0025】
本明細書で使用される用語「上流側」及び「下流側」は、喫煙物品の使用中にマウスピース及び喫煙物品を通って吸い込まれる主流煙の方向に対しての本発明によるマウスピース及び喫煙物品の部分又は構成要素の相対位置を説明するのに使用される。例えば、色変化セグメントが唇側端部セグメントの上流側にあるマウスピースにおいて、主流煙は、最初に色変化セグメントを通って吸い込まれ、次いで唇側端部セグメントを通過する。
【0026】
本明細書で使用される用語「長さ」は、本発明による香味放出セグメント、マウスピース、及び喫煙物品の長手方向の寸法を示す。
【0027】
好ましい態様において、マウスピースは、フィルタを含み、色変化は、フィルタにおいて生じることができる。
【0028】
従って、流体がカプセルから放出されるときに、消費者は、フィルタの外側で色変化が見えて、従って、流体が放出されたことを認識する。流体の放出は、フィルタを押しつぶすなど、フィルタに圧力を加えることにより開始され、カプセルが破れて流体を放出するようになる。
【0029】
好ましくは、色変化は、商標、ロゴ、又は他のモチーフなどの所定の形態が消費者に見えるように、所定区域で起こることができる。
【0030】
1つの態様において、カプセルの流体が着色される。すなわち、流体自体は、最初に、流体がカプセルから放出されたときに消費者に可視となる所望の着色剤を含有している。この場合、色変化セグメントは、着色流体を吸収して色を変化させることができる材料を含むことが好ましい。
【0031】
別の態様において、流体は、色変化セグメント内に設けられた着色剤と相互作用することができる。すなわち、着色剤をそれ自体が含まない場合がある流体は、色変化セグメント内に設けられた着色剤と相互作用して、これにより当該着色剤を活性化し、消費者に色変化が見えるようになる。これは、フィルタ要素の一部の区域においてのみ着色剤が提供され、カプセルから放出された流体はフィルタ要素の他の領域においては着色されないという利点をもたらす。
【0032】
更に別の態様において、流体も色変化セグメントも着色剤を含まず、流体と着色剤との相互作用は、流体及び色変化セグメントが互いに接触したときに色を発生する。
【0033】
カプセルは、約0.1mlから約1.0mlの流体を含む破裂性流体とすることができる。好適なカプセルは、好ましくは、球形又は楕円体である。好ましい直径は、約2.9mmから約6.2mmである。
【0034】
好ましい態様において、色変化セグメントは、マウスピースの少なくとも一部を囲むラッパー上に設けることができる。本発明による喫煙物品は、1つよりも多くのラッパーを含むことができる。このような実施形態において、色変化セグメントは、外側ラッパーの内部に設けることができる。
【0035】
一部の実施形態において、カプセルは、喫煙物品の煙の特性を変える添加剤を含むことができる。このような添加剤は、香味、中和剤、又は他の煙調整剤を含むことができる。加えて、添加剤はまた、希釈剤、溶剤、又は加工助剤を含むことができる。好ましい実施形態において、添加剤は、液体又は固体香味のような1又はそれ以上の香味、及び香味製剤又は香味含有材料を含むことができる。好適な香味は、限定ではないが、メントール、ペパーミント及びスペアミントなどのミント、ココア、甘草、柑橘類及び他の果物香味、γ−オクトラクトン、バニリン、エチルバニリン、清涼香味、シナモンのようなスパイス香味、サリチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、生姜油、及びタバコ香味を含む。
【0036】
好ましくは、色変化を生じる流体を含有するカプセルは、カプセルが破裂したときにマウスピース内に含まれる流体が多孔質フィルタセグメントの外側に容易に到達するように、マウスピースの多孔質フィルタセグメント内に設けられる。この場合、流体は、多孔質フィルタセグメントにおける毛管作用により移動すると考えられている。色変化セグメントが多孔質フィルタセグメントに隣接し且つ多孔質フィルタセグメントを囲む層内に配置される場合、色変化は、流体が多孔質フィルタセグメントの外側に到達すると直ぐに生じる。
【0037】
多孔質セグメントは、多孔質フィルタセグメントとすることができる。好適な多孔質フィルタセグメントは、好ましくは低濾過効率で高い吸着性を有するセルロースアセテートから形成することができる。多孔質フィルタセグメントは、特に、9km当たりに
約8.0gの重量を有する高単一デニール型の材料から作ることができる。
【0038】
多孔質フィルタセグメントの低濾過効率は、色変化セグメントを含む層の内側表面に向かって流体が流れて色変化を可能にし、カプセルが流体を放出したことを示すことができる。
【0039】
1つの実施形態において、マウスピースは、多孔質フィルタセグメントのみを含むことができる。
【0040】
好ましい実施形態において、喫煙物品は、第1及び第2の多孔質フィルタセグメントそれぞれに配置された第1及び第2のカプセルを備え、第1のセグメントは第2のセグメントの上流側にある。第1のカプセルは、色変化を生じる流体を含有することができ、第2のカプセルは、香味料などの添加剤を含有することができる。好ましい態様において、第2のフィルタセグメントは、第1のフィルタセグメントよりも低い吸着性を有し、第2のカプセルから放出された流体が、第2のフィルタセグメントを通って極めて緩慢に移動し、第1のカプセルからの流体が第1のフィルタセグメントの外側表面に迅速に到達するようになる。これは、香味料が放出されたことの表示を、香味料が消費者の口腔に到達する前又は同時に消費者に気付かせることができるという利点がある。
【0041】
これは、色変化を生じる流体は、一般的には消費者の口腔に到達せず、或いは、第2の多孔質フィルタセグメントの唇側端部の色を変化させないという更なる利点がある。
【0042】
好ましくは、第2のフィルタセグメントは、約7mmの最小長を有し、セルロースアセテートなどの繊維性フィルタ材料である。活性炭のような追加の吸収材料がこのセグメント内に存在することができる。
【0043】
第2のフィルタセグメントは、高濾過効率を有するのが好ましい。これは、第2のフィルタセグメント内に放出された流体の収着を阻止又は低減するという利点がある。
【0044】
1つの実施形態において、第2の多孔質フィルタセグメントは、唇側端部フィルタセグメントである。好ましくは、第2のフィルタセグメントは、約10mm又はそれ以上の長さを有する。
【0045】
色変化を引き起こす流体が第1のフィルタセグメントに実質的に留まるのが特に好ましい。従って、流体の少なくとも約80%、より好ましくは約90%が第1のフィルタセグメント内に留まるのが好ましい。
【0046】
1つの実施形態において、マウスピースは、流体不透過性内側ラッパーを含む。従って、色変化を生じる流体は、カプセルが破裂すると内側ラッパーに到達するが、内側ラッパーを越えることはない。これは、消費者、特に消費者の指との接触を阻止し、消費者に取っては通常望ましい乾燥したタッチ感覚が維持される。
【0047】
好ましくは、内側ラッパーは、フィルタ要素の少なくとも1つのフィルタセグメントを囲むラッパーである。内側ラッパーは、フィルタ要素の複数のフィルタセグメント、好ましくは最大で5つのセグメントを接続することができる。個々のフィルタセグメントは、詳細には、吸収剤、香味、植物性材料、生薬、又はスパイスを含むことができる。これらのセグメントの一部又は全ては、内側ラッパーの1又はそれ以上の透明セクションを通って少なくとも部分的に可視とすることができる。透明セクションは、ダイカットセクションとすることができる。
【0048】
1つの実施形態において、フィルタ要素は、少なくとも不透明の透過性内側ラッパーを含む。詳細には、内側ラッパーは、それぞれの隣接するフィルタセグメントよりも高い吸着性を有することができる。従って、内側ラッパーは、カプセルによって提供される流体を高濃度で吸収し、その結果、色変化セグメントを提供する。不透明の透過性内側ラッパーは、約20グラム毎平方メートル(gsm)から約30gsmの重量を有する紙ラッパーにより形成することができる。
【0049】
内側ラッパーは、着色剤を備えることができる。着色剤は、内側ラッパーの内側に配置することができる。透過性内側ラッパーでは、着色剤は、内側ラッパー全体にわたり分布させることができる。
【0050】
1つの実施形態において、外側ラッパーは、不透明であり、切欠部を含む。切欠部は、あらゆるタイプの開口とすることができるが、ダイカット開口が好ましい。外側ラッパーは、特に約40から約60gsmの重量を有する標準的なチップペーパーから形成することができる。通常は、外側ラッパーの開口を通る非制御の空気流は、実質的に不透過性の内側ラッパーと組み合わせることにより阻止される。
【0051】
1つの実施形態において、外側ラッパーは、透明であり、部分的に印刷又はエンボス加工される。印刷又はエンボス加工を用いて、外側ラッパーは、所定区域のみ、すなわち、色変化が生じる区域のみ透明にすることができる。印刷は、マーケティング情報を提供することができ、或いは、喫煙物品のデザインを提供することができる。更に、外側ラッパーは、エンボス加工することができ、このエンボス加工は、標準紙の外側ラッパーの場合と同様の口感覚を消費者に提供する目的を果たす。その上、印刷は、色変化効果と相互作用し、色変化作用が色変化作用区域における事前に印刷された画像の形状を変化させるようにする。
【0052】
好ましくは、外側ラッパーは不透過性である。
【0053】
或いは、外側ラッパーは透過性であり、第1の領域においてワニスなどの不透過性コーティングを備え、第1の領域が実質的に不透過性になるようにする。従って、外側ラッパーの透過性領域は、色変化セグメントを含み、流体は、透過性領域の外側ラッパーにおいて色変化を生じることになる。
【0054】
フィルタの内側は通常、カプセルが配列された少なくとも1つのフィルタセグメントを含み、カプセルは、圧力が印加されたときに放出される流体を密封している。
【0055】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのフィルタセグメントは、透明の不透過性フィルム材料、詳細には、耐汚染性ワニスで処理されたセルロース材料から形成された内側ラッパーによって囲まれる。内側ラッパーの周囲には、標準多岐チップペーパーから形成された外側ラッパーが配列され、該外側ラッパーは、ダイカット開口を含み、チッピングペーパーにウィンドウが設けられるようになる。ウィンドウは、カプセルの破壊後に内側ラッパーの内部に提供される色変化作用を消費者が見ることを可能にする。この実施形態においては、カプセルの流体が透明内側ラッパーに到達したときに色変化が生じる。消費者は、外側ラッパーのダイカット開口を通じて色変化に気付くことができる。例えば、フィルタセグメントのセルロースアセテートの色は、放出された流体の色に起因して変化することになる。
【0056】
更に好ましい実施形態において、少なくとも1つのフィルタセグメントは、透明フィルムにより囲まれ、外側ラッパーは透明なチップフィルムにより形成される。透明チップフィルムは、少なくとも部分的に印刷又はエンボス加工を施すことができる。従って、少なくとも外側ラッパーの非印刷区域を通じて、内側ラッパーの内側で色変化を見ることができる。この実施形態において、フィルタセグメントは、色変化を生じるために流体と接触したときにその色を変化させる。消費者は、透明な内側及び外側ラッパーを通じて色変化を見ることができる。好ましくは、透明ウィンドウは外側ラッパーにのみ設けられるが、残りの外側ラッパーは透明でないようにエンボス加工及び/又は印刷処理される。外側ラッパー又は内側ラッパーの両方は、カプセルの流体に対して不透過性とすることができる。
【0057】
更に好ましい実施形態において、少なくとも1つのフィルタセグメントは、透過性の不透明内側ラッパー及び不透過性の透明な外側ラッパーで巻かれる。従って、内側ラッパーが破裂したカプセルの流体と相互作用すると、透明な外側ラッパーを通じて色変化を見ることができる。この実施形態において、外側ラッパーの少なくとも非印刷の透明部分がこの領域に設けられているので、色変化作用は、流体が透過性の内側ラッパーに到達してこれと相互作用したときに見ることができる。従って、多孔質内側ラッパーの着色により、香味が送出されたことが確認される。
【0058】
更に好ましい実施形態において、透過性の不透明内側ラッパーは、少なくとも1つのフィルタセグメントを囲み、内側ラッパーの周りに少なくとも部分的に透過性の不透明外側ラッパーが巻かれる。外側ラッパーの部分的透過性は、外側ラッパーの一部だけを耐汚染性ワニスで処理することにより達成することができる。従って、外側ラッパーの未処理部分は、透過性で流体を吸収し、従って、外側ラッパーの外側で色変化を生じることになる。この実施形態において、色変化は、流体が透過性内側ラッパーを通じて分散され、次いで外側ラッパーの透過性部分によって吸収されたときに生じる。従って、外側ラッパーの透過性部分はその色が変化することになり、消費者は香味が送出されたことが分かる。
【0059】
本発明で使用するためのマウスピースは、単一セグメントのマウスピース又はフィルタとすることができる。
【0060】
或いは、本発明で使用するためのマウスピースは、色変化セグメントに加えて1又はそれ以上のセグメントを含む複数構成要素のマウスピースとすることができる。
【0061】
本発明で使用するためのマウスピースは、色変化セグメントの上流側に1又はそれ以上のセグメントを含むことができる。
【0062】
代替として、又はこれに加えて、本発明で使用するためのマウスピースは、色変化セグメントの下流側にある1又はそれ以上のセグメントを含むことができる。これにより、有利には、色変化セグメントと相互作用する流体が消費者の口腔と直接接触する可能性が低減される。
【0063】
本発明による喫煙物品で使用するためのマウスピースは、セルロースアセテートトウのような繊維性濾過材料を有する1又はそれ以上の追加セグメントを含むことができる。
【0064】
マウスピースの唇側端部セグメントは、中空管体又は凹部を含むことができる。中空管体又は凹部は、例えばチッピングペーパーによりマウスピースが喫煙可能材料のロッドに取り付けられて本発明による喫煙物品が形成されたときに形成することができる。好ましくは、凹部は更に、管体に対して構造的強度を付加する円筒要素、例えば、チッピング材料によって包まれる紙又はボール紙製管体を含むことができる。凹状フィルタは、例えば、国際特許出願公開2004/089124など、当該技術分野で公知である。
【0065】
マウスピースは、制限器セグメントを含むことができる。制限器セグメントは、喫煙物品の吸引抵抗及び他の流体ダイナミックスに影響を及ぼし、また、一酸化炭素及び二酸化炭素の形成に影響を及ぼす。喫煙物品における制限器は、例えば、国際特許出願公開2008/059377などから当該技術分野で公知である。
【0066】
マウスピースは、セルロースアセテートトウ又は他の繊維性濾過材料のプラグを有する色変化セグメントの下流側にある唇側端部セグメントを含むことができる。
【0067】
本発明で使用するためのマウスピースは、吸着剤(例えば、活性炭又はシリカゲル)、植物性材料(例えば、タバコ積層体)、香味料、及び他の喫煙改質剤を有する1又はそれ以上の追加セグメントを含むことができる。
【0068】
1又はそれ以上の追加セグメントは、マウスピースにおける所望の全体可塑剤含有量を達成するのに用いることができる。
【0069】
代替として、又はこれに加えて、1又はそれ以上の追加セグメントは、マウスピースの所望の全体吸引抵抗(RTD)を達成するのに用いることができる。
【0070】
本発明で使用するためのマウスピースは、例えば、ISO 6565:2002に従って測定したときに約100mm WG(水ゲージ)と約180mm WGの間の吸引抵抗(RTD)を有することができる。
【0071】
本発明で使用するためのマウスピースは、例えば、約5mmと約8.5mmの間の外径を有することができる。
【0072】
本発明で使用するためのマウスピースは、例えば、約20mmと約50mmの間の長さを有することができる。
【0073】
本発明で使用するためのマウスピースが、色変化セグメントの下流側に唇側端部セグメントを含む場合、唇側端部セグメントの長さは、例えば、約3mと約15mmの間、例えば、約6mmと約12mmの間とすることができる。
【0074】
唇側端部セグメントが中空管体又は凹部を含む場合、唇側端部セグメントの長さは、例えば、約3mmと約8mmの間とすることができる。
【0075】
本発明で使用するためのマウスピースは、幅広い種類の異なるタイプの喫煙物品に組み込むことができる。例えば、本発明で使用するためのマウスピースは、喫煙中に燃焼されるタバコカットフィラー又は他の喫煙可能材料の包装ロッドを有する、フィルタシガレットのような可燃性喫煙物品に組み込むことができる。
【0076】
代替として、本発明で使用するためのマウスピースは、材料が燃焼ではなく加熱されてエアロゾルを形成する上述のタイプの非可燃性の加熱式喫煙物品に組み込むことができる。例えば、本発明で使用するためのマウスピースは、国際特許出願公開2009/022232において開示されたような、可燃性熱源と、該可燃性熱源の下流側にあるエアロゾル発生基材とを備えた加熱式喫煙物品に組み込むことができる。本発明で使用するためのマウスピースはまた、例えば、化学的熱源又は電気式熱源など、非可燃性熱源を備えた加熱式喫煙物品に組み込むことができる。
【0077】
代替として、本発明で使用するためのマウスピースは、国際特許出願公開2008/121610及び国際特許出願公開2010/107613において記載されるような、燃焼又は加熱することなくエアロゾルがエアロゾル発生基材から生成される上述のタイプの非可燃性喫煙物品に組み込むことができる。
【0078】
1つの実施形態において、本発明による喫煙物品は、チッピングペーパーによりマウスピースに取り付けられたタバコカットフィラー又は他の喫煙可能材料の包装ロッドを含むことができる。
【0079】
1つの実施形態において、本発明による喫煙物品は、マウスピースの上流側にエアロゾル発生基材を含むことができる。
【0080】
本発明による喫煙物品は、喫煙中に消費者によるマウスピースを通じて吸い込まれる主流煙と周囲空気とを混合するために通気部を備えたマウスピースを含むことができる。例えば、1又はそれ以上の円周方向の穿孔列をマウスピースに沿った位置に設けて、喫煙中に消費者によるマウスピースを通じて吸い込まれる主流煙と周囲空気とを混合することができる。好ましくは、1又はそれ以上の円周方向の穿孔列又は他の通気手段は、マウスピースの唇側端部から少なくとも12mmに配置される。
【0081】
本発明による喫煙物品は、例えば、ISO 9512:2002に従って測定したときに約20%と約80%の間の通気レベルを有することができる。
【0082】
本発明による喫煙物品は、例えば、約60mmと約128mmの間の全長を有することができる。
【0083】
本発明による喫煙物品は、例えば、約5mmと約8.5mmの間、スリムサイズの喫煙物品においては例えば約5mmと約7.1mmの間、又はレギュラーサイズの喫煙物品においては約7.1mmと約8.5mmの間の外径を有することができる。
【0084】
本発明で使用するためのマウスピースは、フィルタを含むことができる。フィルタは、1又はそれ以上の繊維性フィルタセグメントを含むことができる。
【0085】
フィルタが複数のセグメントを含む場合、フィルタは、該フィルタの個々のセグメントの複数ユニットを含む別個の連続ロッドを形成することによって製造することができる。次いで、これらの別個のロッドは、1又はそれ以上の段階で既知の方法で組み合わされて、フィルタの複数のユニットを有する連続フィルタロッドを形成する。連続フィルタロッドは、その後、切断機構により規則的間隔で切断されて、本発明による連続した離散的フィルタを得るようにすることができる。
【0086】
好ましくは、本発明による喫煙物品は、タバコカットフィラーの包装ロッドを含む。好ましくは、本発明による喫煙物品は、最大約10mgの完全ニコチンなし乾燥粒状物質(NFDPM)又は「タール」送出を有する。より好ましくは、「タール送出」は、1mgと10mgの間、及びより好ましくは約6mgである。
【0087】
好ましくは、色変化セグメントは、マウスピース内に配置される場合には、喫煙可能材料の包装ロッドと当接する。
【0088】
図面に示される例示的な実施形態を参照しながら本発明を更に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1において、本発明の第1の実施形態によるフィルタ要素1の形態のマウスピースが示される。フィルタ要素1は、一般に、第1のフィルタセグメント2、ロッド端部フィルタセグメント3、及び唇側端部フィルタセグメント4から構成される。フィルタセグメント4、2、3は、長手方向100で互いに隣接して配列される。長手方向100は、円筒形フィルタ要素1の軸方向に相当する。ロッド端部フィルタセグメント3は、喫煙物品における喫煙材料ロッドに隣接するように配列され、唇側端部フィルタセグメント4は、喫煙物品の唇側端部の下流側に配列される。
【0091】
第1のフィルタセグメント2において、カプセル5が設けられる。カプセル5は、圧力を受けて破裂したときに放出される流体を密封する。カプセル5は、第1のフィルタセグメント2のフィルタ材料、すなわち、セルロースアセテート内に埋め込まれる。ロッド端部フィルタセグメント3及び唇側端部フィルタセグメント4はまた、セルロースアセテートから製造することができる。
【0092】
好ましくは、第1のフィルタセグメント2の吸着性は、唇側端部フィルタセグメント4又はロッド端部フィルタセグメント3の吸着性よりも高い。従って、カプセル5により放出される流体は、実質的に第1のフィルタセグメント2に留まり、その外周部に迅速に分配される。
【0093】
カプセル5における流体は、香味料を含み、従って、放出されたときに喫煙物品の香味を変える。しかしながら、他の実施形態では、カプセル5に含まれる流体は、添加剤のみ含むことができ、喫煙要素によって提供される煙の構成成分を変更する。
【0094】
カプセル5における流体は、着色剤を含み、流体の放出時に第1のフィルタセグメント2の材料が着色される。
【0095】
第1のフィルタセグメント2、ロッド端部フィルタセグメント3、及び唇側端部フィルタセグメント4は、内側ラッパー6によって囲まれ、これらが互いに接続されるようになる。内側ラッパー6は、不透過性透明材料か又は透過性不透明材料から形成することができる。しかしながら、何れの場合においても、放出された流体は、フィルタ要素1の外側で可視となる色変化を生じることになる。このような実施形態において、カプセル5に含まれる流体は、着色剤を含まず、着色剤は、流体が着色剤に到達したときに色変化が生じるように、第1のフィルタセグメント2又は内側ラッパー6に設けることができる。
【0096】
ロッド端部フィルタセグメント3は任意であり、第1のフィルタセグメント2はまた、喫煙材料ロッドに直接隣接するようにフィルタ要素1の端部に設けることができる点は強調される。別の実施形態において、カプセルを備えた1つのフィルタセグメントのみをフィルタ要素に設けることができる。
【0097】
図2において、本発明によるフィルタ要素1の形態のマウスピースの第2の実施形態が図示される。フィルタ要素1は、フィルタ要素1のロッド端部側にある上流側端部に配列されたカプセル5を有する第
1のフィルタセグメント
2を備える。第2のカプセル8を有する第2のフィルタセグメント7は、第1のフィルタセグメント2に
対して下流側位置で隣接して設けられる。
【0098】
一部の実施形態において、第2のフィルタセグメント7は、長手方向100で第1のフィルタセグメント2よりも短いとすることができる。長さが短いほど、第2のフィルタセグメント7のフィルタ材料は、第1のフィルタセグメント2のフィルタ材料よりも吸着性が低く、従って、第2のカプセル8からの流体は、第1のフィルタセグメント2のカプセル5の流体よりも緩慢に分散される。
【0099】
更に、第2のフィルタセグメント7に対して下流側方向で隣接して唇側端部フィルタセグメント4が設けられる。フィルタセグメント4、7、2は、長手方向100で互いに隣接して配列される。それぞれのフィルタセグメント2、7、4は、内側ラッパー6により囲まれる。カプセル5は、着色剤を有する流体を含み、第2のカプセル8は、香味料などの添加剤を有する流体を含む。消費者がフィルタ要素1を押しつぶすと、第1及び第2のカプセル5、8が破壊される。第1のフィルタセグメント2が、第2のフィルタ要素7よりも高い吸着性を有する結果、第1のフィルタセグメント2における第1のカプセル5の流体の分散は、第2のフィルタセグメント7における流体の分散よりも迅速に起こるようになる。従って、第1のカプセル5の流体は、内側ラッパー6に迅速に到達し、そこで色変化作用を提供する。内側ラッパー6は、上記の実施形態において定めたように、不透過性透明材料又は透過性不透明材料とすることができる。色変化機能及び香味料放出機能が異なるカプセルにより提供されるので、色変化作用のより局所的な提供が得られると同時に、着色剤が消費者の口腔に達するのを阻止することができる。更に、唇側端部フィルタセグメントは、香味料が消費者の口腔に液体形態で分散されるのを防ぐ。
【0100】
図3において、本発明による喫煙物品9の第1の実施形態が図示される。喫煙物品9は、
図2に示した第2の実施形態によるフィルタ要素1を含む。詳細には、喫煙物品9は、外側ラッパー11を用いてフィルタ要素1に接続される喫煙材料ロッド10を備える。外側ラッパーは、喫煙材料ロッドの下流側部分及びフィルタ要素1を囲む。外側ラッパー11は、不透明材料から、詳細には標準チップペーパーから形成される。外側ラッパー11は、第1のフィルタセグメント2の区域において切欠部12を含む。内側ラッパー6は、透明の不透過性ラッパーである。従って、喫煙物品9がフィルタ要素1の区域において押しつぶされたときには、カプセル5、7が破壊され、これらの流体が放出され、第1のカプセル5の流体が高度に吸着する第1のフィルタセグメント2を通って迅速に分散され、第1のフィルタセグメント2の着色材料は、透明内側ラッパー6及び外側ラッパー11における切欠部12を通じて可視である。しかしながら、フィルタ要素1の残りの唇側端部は、標準チップペーパーの通常の外観及び感触を提供する。
【0101】
図4において、本発明による喫煙物品9の第2の実施形態が図示される。第2の実施形態による喫煙物品9は、
図2に示す第2の実施形態によるフィルタ要素1も備える。しかしながら、喫煙物品9の第1の実施形態と相違して、内側ラッパー6及び外側ラッパー11が両方とも透明材料から形成されている。外側ラッパー11の透明材料は、印刷又はエンボス加工することができる。それでも尚、第1のカプセル5における領域において、外側ラッパー11に透明ウィンドウが設けられ、これにより第1のカプセル5により提供される流体が作用する色変化の可視化が可能となる。喫煙物品9の第2の実施形態における内側ラッパー6は、外側ラッパー11が着色剤を含む流体が外部に到達するのを防ぐのに必要な不透過性を提供するので、不透明透過性ラッパーか又は透明不透過性ラッパーか何れであってもよい。
【0102】
図3及び4に関して説明した内側及び外側ラッパーの構成及び配列は、フィルタ要素のフィルタセグメント構成の何れのタイプにも適用することができる。例えば、
図1によるフィルタ要素1を設けることができ、或いは、カプセルを含む1つだけのフィルタセグメントを備えたフィルタ要素を設け、着色剤と香味料などの添加剤を有する流体を封入することができる。
【0103】
図5において、本発明による1つの実施形態による喫煙物品9は、それぞれの図に示されている。理解できるように、画像13の形態の色変化作用は、外側ラッパー11の外側から見ることができる。従って、カプセルが破裂する前に、このようなシンボル13は可視ではなく、破裂するとシンボルは直ぐに現れる。シンボル13は、ミント葉又は同様のもののような放出される香味料のタイプを表現したものとすることができる。