(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蓋部材は、前記開口部に挿入される挿入部と、該挿入部と一体に設けられ、且つ、該挿入部の径よりも大きく構成された大径部と、該大径部又は該挿入部に設けられ、前記容器本体に当接するシール部材とを備え、
前記連通穴及び前記導出管は、前記蓋部材に設けられる請求項1に記載の手品用具。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態の手品用具1について
図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の手品用具1を示す断面図である。
【0019】
本発明の第1実施形態の手品用具1は、
図1に示すように、開口部3を有し、液体4を貯留する容器本体5と、開口部3を閉塞する蓋部材6と、容器本体5に設けられ、容器本体5の内部に貯留された液体4を容器本体5の外部に導出する導出管7と、蓋部材6に設けられる連通穴8と、を備える。
【0020】
容器本体5は、後述する液体4を貯留するための容器であり、上部に小径の開口部3を有し、有底の筒状に構成されている。この容器本体5には、例えば、透明の合成樹脂により成形されたペットボトルを用いて構成することができる。
【0021】
容器本体5上部の開口部3の近傍は、円筒状に形成されており、その周縁部には、後述する蓋部材6の被係合部(図示せず)と係合する係合部(図示せず)を有する。蓋部材6を容器本体5に取り付けた際に、この係合部及び被係合部によって水密性(気密性)が担保される。
【0022】
蓋部材6は、有底円筒状に形成され、開口部3に着脱自在に設けられる。蓋部材6の内面には、容器本体5の前記係合部(図示せず)と係合する被係合部(図示せず)が形成されている。容器本体5が上記ペットボトルにて構成されている場合には、この蓋部材6には、例えば、上記ペットボトルに付属している蓋部材を用いて構成することができる。
【0023】
また、蓋部材6の中心には、貫通穴である連通穴が設けられている。この連通穴8は、蓋部材6を容器本体5に取り付けた際に、連通穴8を塞いで容器本体5の空気圧力を下げて、第2端部7aからの液体4の導出(排水)を止めたり、連通穴8を開放して、空気の圧力を上げて、第2端部7aからの液体4の導出(排水)をする為に設けている。
【0024】
液体4には、例えば、無色又は着色された水を用いることができるが、これに限定されず、清涼飲料やアルコール飲料など、手品を披露する環境に応じて適宜選択した液体を用いることができる。
【0025】
導出管7は、中空のパイプないしチューブによりほぼ逆U字状に形成され、容器本体5の内部の底28近くに配置される第1端部7aと容器本体5の外部に配置される第2端部7bとを有する。また、導出管7は、第2端部7bが第1端部7aよりも下方の容器本体5の底28より下に位置するように、容器本体5の上部に挿通され固定されている。なお、この導出管7と容器本体5との固定手段は、導出管7の材質及び容器本体5の材質に応じて、ゴムパッキン33、接着及び溶着など適宜の手段を採用すればよい。
【0026】
導出管7には、例えば、銅やステンレスなどの金属製のパイプや、透明又は不透明の合成樹脂製のチューブ、可撓性を有し任意の形状を保持可能な金属製又は合成樹脂製のフレキシブルチューブなどを用いることができる。導出管7の内径及び外径、長さ、剛性の程度、可撓性の有無などは、手品を披露する環境(例えば、液体4の種類や導出量、導出場所など)に応じて適宜決定される。
【0027】
なお、
図1に示す液受け容器9は、導出管7の第2端部7bから導出(排出)される液体4を貯留するためのものであり、必要に応じて配置される。
【0028】
次に、手品用具1の使用方法について
図1を参照しながら説明する。
図1に示すように、手品の実演者(図示せず。以下同様)は、導出管7の第1端部7aが液体4に浸かるように、所定量の液体4を開口部3から容器本体5に入れて貯留する。そして、蓋部材6によって開口部3を閉塞する。
【0029】
次に、手品の実演者は、連通穴8を開放した状態で容器本体5を傾けるなどして液体4を第1端部7aから導出管7の内部に導入し、第1端部7aから第2端部7bまでを液体4で満たすとサイフォンの原理により、導出(排水)する。導出(排水)の最中に、連通穴8を指などで押さえて閉塞すると、容器本体5は密封され、容器本体5の内部の空気34は、配管の第2端部7bからの液体4の流出により、容器本体5の内部の下方へ引っぱられて、空気34の圧力が低下する。そして、圧力の低下した空気34が、液体4を、容器本体5の内部の上方に方向へ引っぱって、第2端部7bからの液体4の流出が止まる。この手品は、サイフォンの原理、空気圧力低下及び引力を利用している。
【0030】
そして、手品の実演者が連通穴8から指を離して連通穴8を開放すると、容器本体5の内部へ空気が入って、空気34の圧力は上がり、空気34による液体4の引っ張りは解除されて、第2端部7bから、再び液体4が流出する。この手品は、空気圧力の上昇及びサイフォンの原理を利用している。
連通穴8に指を触れて液体4の流出を止めたり、指を離して液体4の流出をしたりを繰り返す手品用具1であり、連通穴8に、指を触れたり、離したりするタイミングに注意する必要がある。
以上のように、サイフォンの原理により、容器本体5の液体4が第1端部7aから導出管7の内部に導入され、第2端部7bから導出(排出)される。この排出された液体4は、液受け容器9に貯留される。一方、手品の実演者が連通穴8を指などで押さえて閉塞すると、第2端部7bからの液体4の導出(排出)は停止する。なお、液体4の導出(排出)は、導出管7の第1端部7aが液体4の液面から露出するまで行うことができる。
【0031】
このように手品の実演者が連通穴8を指で開閉することにより、電動ポンプなどの駆動源を用いることなく、第2端部7bからの液体4の流れを容易にオン・オフ制御することができる。すなわち、手品の実演者は、この連通穴8の開閉動作を観者に気付かれないようにさり気なく行うことで、第2端部7bからの液体4の流れをオン・オフ制御し、液体4の流れが変化する過程を観者に見せることができる。これにより、手品の実演者は、観者に不思議な感覚を提供し、観者を楽しませることができる。
【0032】
なお、手品の実演者は、巧みな話術やジェスチャーなどを交えながら、連通穴8の開閉動作を観者に気付かれないようにさり気なく行うことが肝要である。そのため、連通穴8の開閉動作の際に、例えば、電池駆動で四肢を動かしたり音声を発することができるぬいぐるみ人形(図示せず)などを動作させることによって、観者の注意を効果的にそらし、連通穴8の開閉動作を観者に気付かれないように行うことができる。
【0033】
以上に説明した第1実施形態の手品用具1によれば、以下に示す各効果が奏される。第1実施形態の手品用具1は、開口部3を有し、液体4を貯留する容器本体5と、開口部3を閉塞する蓋部材6と、容器本体5に設けられ、容器本体5の内部に貯留された液体4を容器本体5の外部に導出する導出管7と、蓋部材6に設けられる連通穴8と、を備える。そのため、きわめて簡易に構成でき、手軽に手品を楽しむことができる手品用具1を提供することができる。
【0034】
また、この手品用具1は、きわめて簡易な構成であるため、小中学生などが、理科の実験用教材として、使用済みのペットボトルやビニールチューブなどを自分で加工して作製することができ、工作の過程を楽しめると共に、手品をしながら理科の学習効果を高めることができる。
【0035】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。他の実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用又は援用される。
【0036】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の手品用具1Aについて
図2を参照しながら説明する。
図2は、本発明の第2実施形態の手品用具1Aを示す断面図である。
図2に示すように、手品用具1Aは、開口部3を有し、液体4を貯留する容器本体5と、開口部3を閉塞する蓋部材6と、蓋部材6に設けられ、容器本体5の内部に貯留された液体4を容器本体5の外部に導出する導出管7と、蓋部材6に設けられる連通穴8と、を備える。つまり、手品用具1Aは、導出管7及び連通穴8を蓋部材6に集約して構成される。
【0037】
導出管7は、第2端部7bが第1端部7aよりも下方に位置するように、更に詳しくは、容器本体5の底28よりも下方に位置するように、蓋部材6に挿通固定されている。なお、この導出管7と蓋部材6との固定手段は、導出管7の材質及び蓋部材6の材質に応じて、接着(ゴムパッキンなどのシール部材を介した接着を含む)や溶着など適宜の手段を採用すればよい。
また、導出管7及び連通穴8は、蓋部材6の中心から偏心した位置にそれぞれ設けられると共に、この中心を挟んで互いに対向する位置に配置されている。そのため、手品の実演者が連通穴8に対して指を当てたり離したりする際に、指を置くスペースを十分に確保することができ、連通穴8の開閉操作を容易に行うことができる。
【0038】
手品用具1Aのその他の構成及び使用方法は、前記第1実施形態の手品用具1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0039】
以上のように、第2実施形態の手品用具1Aによれば、前記第1実施形態の手品用具1と同様の効果が奏されると共に、以下に示す効果が奏される。第2実施形態の手品用具1Aは、開口部3を有し、液体4を貯留する容器本体5と、開口部3を閉塞する蓋部材6と、蓋部材6に設けられ、容器本体5の内部に貯留された液体4を容器本体5の外部に導出する導出管7と、蓋部材6に設けられる連通穴8と、を備える。つまり、手品用具1Aは、導出管7及び連通穴8を所定間隔離して蓋部材6に集約して設けられる。
【0040】
そのため、導出管7を容器本体5に固定するための穴開け加工や固定作業が不要であり、蓋部材6への加工だけでよい。また、導出管7及び連通穴8が蓋部材6に集約されているため、蓋部材6と係合可能な容器本体5であれば、種々の容器本体5に装着して使用することができる。
【0041】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態の手品用具1Bについて
図3を参照しながら説明する。
図3は、本発明の第3実施形態の手品用具1Bを示す部分断面図である。
図3に示すように、手品用具1Bの蓋部材6は、開口部3に挿入(圧入)される挿入部6aと、挿入部6aと一体に設けられ、且つ、挿入部6aの径よりも大きく構成された大径部6bと、この大径部6bに設けられ、容器本体5に当接するOリングなどのシール部材10と、を備える。
【0042】
蓋部材6は、開口部3に対して挿入部6aを適度の力で脱着できるように、合成樹脂などにより構成することができる。挿入部6a及び大径部6bは、中実の円柱状に形成され、同軸状に配置されている。
【0043】
また、大径部6bの下面であって、容器本体5における開口部3の外周縁部(上面)に対応する位置には、シール部材10をはめ込んで設けるための円形の溝部11が設けられている。
【0044】
このように構成された蓋部材6に対して、連通穴8及び導出管7が集約して設けられている。すなわち、連通穴8及び導出管7は、蓋部材6の中心から偏心した位置にそれぞれ設けられると共に、この中心を挟んで互いに対向する位置に配置されている。これにより、手品の実演者が連通穴8に対して指を当てたり離したりする際に、指を置くスペースを十分に確保することができる。
【0045】
手品用具1Bのその他の構成及び使用方法は、前記第1実施形態の手品用具1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0046】
以上のように、第3実施形態の手品用具1Bによれば、前記第1実施形態の手品用具1と同様の効果が奏されると共に、以下に示す効果が奏される。第3実施形態の手品用具1Bにおいては、蓋部材6は、開口部3に挿入される挿入部6aと、挿入部6aと一体に設けられ、且つ、挿入部6aの径よりも大きく構成された大径部6bと、この大径部6bに設けられ、容器本体5に当接するシール部材10と、を備え、連通穴8及び導出管7は、蓋部材6に集約して設けられる。
【0047】
そのため、導出管7を容器本体5に固定するための穴開け加工や固定作業が不要であり、蓋部材6への加工だけでよい。また、導出管7及び連通穴8が蓋部材6に集約されているため、蓋部材6の挿入部6aを圧入可能な開口部3を有する容器本体5であれば、容器本体5の種類(材質、大きさ、形状など)を問わず、蓋部材6を様々な容器本体5に装着して使用することができ、汎用性を高めることができる。
【0048】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態の手品用具1Cについて
図4を参照しながら説明する。
図4は、本発明の第4実施形態の手品用具1Cを示す部分断面図である。
図4に示すように、手品用具1Cの蓋部材6は、中実の円柱状に構成され、開口部3に挿入(圧入)される挿入部6cを備える。また、蓋部材6は、開口部3に対して挿入部6cを適度の力で脱着でき、且つ、挿入部6cによって開口部3に対する気密(水密)性を確保できるように、全体をゴムやコルクなどの弾性部材から構成されている。
【0049】
このように構成された蓋部材6に対して、連通穴8及び導出管7が集約して設けられている。すなわち、蓋部材6の中央部に導出管7が固定され、この導出管7から所定量離れた位置に連通穴8が設けられている。
【0050】
手品用具1Cのその他の構成及び使用方法は、前記第1実施形態の手品用具1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0051】
以上のように、第4実施形態の手品用具1Cによれば、前記第1実施形態の手品用具1と同様の効果が奏されると共に、以下に示す効果が奏される。第4実施形態の手品用具1Cにおいては、蓋部材6は、開口部3に挿入(圧入)される挿入部6cを備え、且つ、全体をゴムやコルクなどの弾性部材から構成され、連通穴8及び導出管7は、蓋部材6に集約して設けられる。
【0052】
そのため、導出管7を容器本体5に固定するための穴開け加工や固定作業が不要であり、蓋部材6への加工だけでよい。また、導出管7及び連通穴8が蓋部材6に集約されているため、蓋部材6の挿入部6aを圧入可能な開口部3を有する容器本体5であれば、容器本体5の種類(材質、大きさ、形状など)を問わず、蓋部材6を様々な容器本体5に装着して使用することができ、汎用性を高めることができる。
【0053】
また、蓋部材6は、全体をゴムやコルクなどの弾性部材から構成されており、挿入部6c自身によって開口部3に対する気密(水密)性を確保することができる。そのため、前記第3実施形態の手品用具1Bにおけるシール部材10やこれを固定するための溝部11の加工が不要となり、前記第3実施形態の手品用具1Bの場合よりも更に部品点数と加工工程とを削減することができる。
【0054】
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態の手品用具1Dについて
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、本発明の第5実施形態の手品用具1Dを示す部分断面図である。
図6は、本発明の第5実施形態の手品用具1Dを示す平面図である。
【0055】
図5及び
図6に示すように、第5実施形態の手品用具1Dの蓋部材6は、前記第4実施形態の手品用具1Cの蓋部材6(
図4参照)と同様に構成されると共に、連通穴8を開閉する連通穴開閉部材11を更に備えたものである。すなわち、前記第1〜第4実施形態の手品用具1,1A,1B,1Cの場合には、蓋部材6の連通穴8を開閉する際に、実演者が連通穴8に指を押し当てたり、離したりしていた。
【0056】
これに対して、第5実施形態の手品用具1Dにおいては、実演者が連通穴8に指を押し当てたり離したりする代わりに、指で連通穴開閉部材11の回動量を調節することによって、連通穴8を開閉できるように構成したものである。
【0057】
図5及び
図6に示すように、連通穴開閉部材11は、例えば、矩形の薄板部材であり、連通穴8を覆って密閉できるように構成されている。また、連通穴開閉部材11は、一端を軸支部12によって回動自在に軸支されている。
図6においては、連通穴開閉部材11の回動位置に応じて、連通穴8が開放された状態を実線で示し、連通穴8が閉塞された状態を想像線で示してある。
【0058】
手品用具1Dのその他の構成は、前記第4実施形態の手品用具1Cの場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0059】
また、手品用具1Dの使用方法において、前記第4実施形態の手品用具1C(
図4参照)の使用方法と異なるのは、第2端部7bからの液体4の導出(排出)を停止する時である。すなわち、前記第4実施形態の手品用具1Cの場合は、手品の実演者が連通穴8を指などで常に押さえて閉塞しておかなければならなかった。これに対し、第5実施形態の手品用具1Dの場合は、
図6に示すように、連通穴開閉部材11を指で所定量回動して連通穴8を閉塞することにより、連通穴8の閉塞状態を容易に維持・継続することができる。
【0060】
以上のように、第5実施形態の手品用具1Dによれば、前記第4実施形態の手品用具1Cと同様の効果が奏されると共に、以下に示す効果が奏される。第5実施形態の手品用具1Dにおいては、蓋部材6は、連通穴8を開閉する連通穴開閉部材11を更に備える。
【0061】
そのため、第2端部7bからの液体4の導出(排出)を停止するときには、手品の実演者が連通穴開閉部材11を指で所定量回動して連通穴8を閉塞すればよく、連通穴8を指などで常時押さえて閉塞しておく必要がない。したがって、手品の実演者の労力を大幅に軽減することができる。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、前記第1及び第2実施形態においては、手品用具1,1Aの連通穴8を蓋部材6に設けるものとして説明したが、これに制限されず、容器本体5に設けてもよい。この場合、連通穴8は、容器本体5における液体4の液面上限位置よりも上方に配置される。
【0063】
また、前記第3実施形態においては、大径部6bの下面に溝部11を設け、この溝部11にシール部材10をはめ込んで設けるものとして説明したが、これに制限されず、挿入部6aの外周面に溝部(図示せず)を設け、この溝部にOリングなどのシール部材(図示せず)をはめ込んで設けてもよい。このように構成することで、蓋部材6を開口部3に装着した際のシール性(気密性及び水密性)を担保することができる。
【0064】
また、前記第5実施形態においては、前記第4実施形態の手品用具1Cの蓋部材6に連通穴開閉部材11を更に設けるものとして説明したが、これに制限されず、前記第1〜第3実施形態の手品用具1,1A,1Bの蓋部材6に対して、上記連通穴開閉部材11とほぼ同様に構成した連通穴開閉部材(図示せず)を更に設けてもよい。
【0065】
このように構成することで、第2端部7bからの液体4の導出(排出)を停止するときには、手品の実演者が上記連通穴開閉部材を指で所定量回動して連通穴8を閉塞すればよく、連通穴8を指などで常時押さえて閉塞しておく必要がない。したがって、手品の実演者の労力を大幅に軽減することができる。
【0066】
また、蓋部材6に設けられた連通穴8に対して上記連通穴開閉部材を適用するものとして説明したが、これに制限されず、容器本体5に設けられた連通穴(図示せず)に対しても同様に適用することができる。この場合も第2端部7bからの液体4の導出(排出)を停止するときに、上記連通穴(図示せず)を指などで常時押さえて閉塞しておく必要がなくなり、手品の実演者の労力を大幅に軽減することができる。
【0067】
また、前記第2実施形態においては、導出管7及び連通穴8は、蓋部材6の中心から偏心した位置にそれぞれ設けられると共に、この中心を挟んで互いに対向する位置に配置されているものとして説明したが、このような構成を前記第3〜第5実施形態の手品用具1B,1C,1Dに対しても同様に適用することができる。これにより、手品の実演者が連通穴8に対して指を当てたり離したりする際に、指を置くスペースを十分に確保することができ、連通穴8の開閉操作を容易に行うことができる。
【0068】
また、以下の
図7〜
図13に基づいてサイフォン式の手品用具について説明する。
図7は、ペットボトルの構成図である。
図7において、ペットルボトル21は、ボトル本体(容器本体)22と蓋(蓋部材)23で構成されていて、ペットボトル21は、蓋23を閉めることにより、ボトル本体22と蓋23は、密着して、ペットボトル21内部の液体が漏れない構造になっている。
【0069】
図8は、ペットボトルのボトル本体をサイフォン管が貫通するサイフォン式手品用具の正面図である。
図8において、ペットボトル21の蓋23下の斜面24を、逆U字型のサイフォン管(導出管)25の頂上部26の外周に密着させて貫通させ、更に貫通部にゴムパッキン33を設けて液体漏れを防止及びサイフォン管25の固定をしている。
サイフォン管25の両端にある片方の配管の末端27は、ボトル本体22内部の底28近くまで配管すると共に、もう片方の配管の末端29は、ボトル本体22の斜面24及びゴムパッキン33を密着して貫通させてボトル本体22の外部に突出して、ボトル本体22の外側の側面30に沿って、サイフォン管25の末端29は、ボトル本体22の底28よりも下に延ばして配管している。
【0070】
図9は、ペットボトルのボトル本体の斜面をサイフォン管が貫通するサイフォン式手品用具の断面図である。
図9において、ペットボトル21の蓋23の下のボトル本体22の斜面24を、逆U字型のサイフォン管25の頂上部26の外周に接して貫通させて、サイフォン管25の両端にある片方の配管の末端27は、ボトル本体内部の底28近くまで配管されていると共に、もう片方の配管の末端29は、ペットボトルの斜面24を密着して貫通させ、更に液体漏れを防ぐゴムパッキン33をサイフォン管25の頂上部26が密着して貫通して、ボトル本体22の外部に突出して、ボトル本体22内部の底28近くまで配管されていると共に、もう片方の配管の末端29は、ボトル本体22の斜面24を接して貫通させてボトル本体22の外部に突出して、ボトル本体22の外側の側面30に沿って、ボトル本体22の底28よりも下に延ばして配管している。
また、蓋23の天井面に、ボトル本体22内部へ、空気を入れたり、空気を遮断したりする空気穴(連通穴)31を設けている。
【0071】
図10は、サイフォン式手品用具の使用説明図である。
図10において、ボトル本体22に液体をサイフォン管25の頂上部26を超えて高水位Hまで注ぐ。すると液体は、サイフォンの原理により、ボトル本体22内からサイフォン管25内部を通って矢印の方向へ流れて、ボトル本体22から外部に突出して、ボトル本体22の外側の側面30に沿って、ボトル本体22の底28よりも下に延ばしている配管の末端29より、液体を流出してボトル本体22内部の液体は、低水位Lまで汲み上げられ殆ど空になる。
【0072】
図11は、ペットボトルのボトルの蓋をサイフォン管が貫通するサイフォン式手品用具の断面図である。
図11において、サイフォン管25は、ペットボトル21の蓋23を貫通して、更に液体漏れを防止及びサイフォン管25の固定をするパッキン33を貫通して、蓋23の上方にサイフォン管25の頂上部26が位置する。
サイフォン管25の両端にある片方の配管の末端27は、ボトル本体22内部の底28近くまで配管され、もう片方の配管の末端29は、蓋23を貫通して、外部に突出して、頂上部26を経由して、ボトル本体22の外側の側面30に沿って、ボトル本体22の底28よりも下に延ばして配管している。
また、蓋23の天井面に、ボトル本体22内部へ空気を入れたり、空気を遮断する空気穴31を設けている。
なお、サイフォン管25及び空気穴31は、蓋23の中心から偏心した位置にそれぞれ設けられると共に、該中心を挟んで互いに対向する位置に配置される。
【0073】
図12は、ぺットボトルの空気穴に指を触れた時のサイフォン式手品用具の使用説明図である。
図12において、サイフォン管25の配管の末端29より、液体35が流出している最中に、空気穴31に指32を触れることにより、ペットボトル21は密封され、ボトル本体22の内部の空気34は、配管の末端29からの液体35の流出により、ボトル本体22の内部の下方へ引っぱられて、空気34の圧力が低下する。そして、圧力の低下した空気34は、液体35を、ボトル本体22の内部の上方である矢印の方向へ引っぱって、末端29からの液体35の流出は止まる。この手品は、空気圧力低下、サイフォンの原理及び引力を利用している。
また、空気穴31に、指32でおよそ8秒間以上触れていると密封状態が解除されて、サイフォン管25内の液体が逆流又は流失してしまい、サイフォン管25内は、空洞になり手品は失敗するので注意が必要である。
【0074】
図13は、ぺットボトルの空気穴から指を離した時のサイフォン式手品用具の使用説明図である。
図13において、空気穴31から指32を離すと、ボトル本体22の内部へ矢印の方向へ空気が入って、空気34の圧力は上がる。そして、空気穴31に指32を触れていた際の、空気34による液体35の引っ張りは解除されて、末端29より、再び液体35が流出する。空気穴31に指32を触れて液体35の流出を止めたり、指32を離して液体35の流出をしたりを繰り返す手品用具であり、空気穴31に、指32を触れたり、離したりするタイミングに注意する必要がある。
なお、空気穴31は、蓋23、斜面24又はボトル本体22のいずれに設けてもよい。