特許第6145184号(P6145184)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6145184
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】ダブルヘッド型電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 3/00 20060101AFI20170529BHJP
【FI】
   B25F3/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-17635(P2016-17635)
(22)【出願日】2016年2月2日
【審査請求日】2016年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】504422634
【氏名又は名称】冠億▲歯▼輪股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 明達
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0141818(US,A1)
【文献】 特開2013−022724(JP,A)
【文献】 米国特許第04810916(US,A)
【文献】 米国特許第04676703(US,A)
【文献】 特表2008−535671(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄部と、カバーリングと、スイッチを備え、そのうち、カバーリングは回転可能に柄部に環装され、該スイッチはカバーリングを介して柄部に取り付けられるグリップと、
前記グリップの一端に取り付けられると共に、内部に貫通状の組立空間が形成される工具本体と、
前記組立空間に設置されると共に、第一駆動端及び第二駆動端を備えるローターと、
前記組立空間に設置されると共に、ローターの第一駆動端に組み立てられるように、工具本体の一方の開口から突出する第一伝動軸を備える第一作業部材と、
前記組立空間に設置されると共に、ローターの第二駆動端に取り付けられるように、工具本体の他方の開口から突出する第二伝動軸を備える第二作業部材とを有することを特徴とするダブルヘッド型電動工具。
【請求項2】
前記第一作業部材は、少なくとも1つの減速機構を備え、該減速機構がローターの第一駆動端と第一伝動軸の間に設けられることを特徴とする請求項1に記載のダブルヘッド型電動工具。
【請求項3】
前記第一伝動軸が着脱可能に減速機構に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載のダブルヘッド型電動工具。
【請求項4】
前記第一作業部材が2つの減速機構を備えることを特徴とする請求項3に記載のダブルヘッド型電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に両端に状況に応じてそれぞれ異なる作業用部材を取り付けて作業上の手間を節約する電動工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車部品の組立に用いる、両端共に作業が可能な電動工具は、グリップと、本体と、ローターと、作業用部材を有し、そのうち、グリップは、本体に設けられ、該ローター及び作業用部材は、本体の内部に取り付けられ、該作業用部材は、ローターと連動すると共に、本部から外部へ突出するヘッドが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾実用新案M505381号
【特許文献2】台湾意匠D172787号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存の電動工具は、部材の組立を手軽にできるが、ボルトやナットなどの部品を締め付けたり緩めたりする時、部品に応じて夫々作業を行い、一回の作業で多くの部材を組み立てることはできないことから、まず第一部分の作業が行ってから、適当な作業用部材に交換して第二部分の作業を行う必要があるので、異なる作業用部材にいちいち交換しなければならない。例えば、ボルトを締め付ける時は、まず電動工具を用いてボルトを少し締め付けてから、作業用部材をトルクレンチに交換して所定のトルクでしっかりと締め付ける。故に、作業を行う時には、部品の規格や種類に応じて適当な作業用部材と何度も交換しなければならないことから、作業に時間がかかるといった問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るダブルヘッド型電動工具は、
柄部と、カバーリングと、スイッチを備え、そのうち、カバーリングは回転可能に柄部に環装され、該スイッチはカバーリングを介して柄部に取り付けられるグリップと、
前記グリップの一端に取り付けられると共に、内部に貫通状の組立空間が形成される工具本体と、
前記組立空間に設置されると共に、第一駆動端及び第二駆動端を備えるローターと、
前記組立空間に設置されると共に、ローターの第一駆動端に組み立てられるように、工具本体の一方の開口から突出する第一伝動軸を備える第一作業部材と、
前記組立空間に設置されると共に、ローターの第二駆動端に取り付けられるように、工具本体の他方の開口から突出する第二伝動軸を備える第二作業部材とを有するものである。
【0006】
かかるダブルヘッド型電動工具において、前記第一作業部材は、少なくとも1つの減速機構を備え、該減速機構がローターの第一駆動端と第一伝動軸の間に設けられることが好ましい。
【0007】
かかるダブルヘッド型電動工具において、前記第一伝動軸が着脱可能に減速機構に取り付けられることが好ましい。
【0008】
かかるダブルヘッド型電動工具において、前記第一作業部材が2つの減速機構を備えることが好ましい。
【0009】
かかるダブルヘッド型電動工具において、前記第二作業部材は、一方向打撃機構を備え、該一方向打撃機構がローターの第二駆動端と第二伝動軸の間に設けられることが好ましい。
【0010】
かかるダブルヘッド型電動工具において、前記第二伝動軸が着脱可能に一方向打撃機構に取り付けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上述したように、本発明のダブルヘッド型電動工具は、2つの作業用部材を設置して、それぞれ伝動軸を介してローターに連動させることにより、順方向または逆方向に回転させて作業を行うことができる。また、それらの伝動軸には、異なる作業用部材を取り付けることができることから、一回の作業で多くの部材を組み立てることはできると共に、作業用部材の数量も少なくなるので、自動車部品の組立に実用性及び利便性を向上させる。更に、その作業用部材はそれぞれ、着脱可能に伝動軸に取り付けられることから、使用しない時には、作業用部材を伝動軸から取り外せるので、安全性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るダブルヘッド型電動工具の斜視図である。
図2】本発明に係るダブルヘッド型電動工具の部分断面図である。
図3】本発明に係るダブルヘッド型電動工具の部分分解斜視図である。
図4】本発明に係るダブルヘッド型電動工具の部分断面図である。
図5】本発明に係るダブルヘッド型電動工具の部分分解斜視図である。
図6】本発明に係るダブルヘッド型電動工具の部分断面図である。
図7】本発明に係るダブルヘッド型電動工具の部分分解斜視図である。
図8】本発明に係るダブルヘッド型電動工具の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明に係るダブルヘッド型電動工具は、グリップ10と、工具本体20と、ローター30と、第一作業部材40と、第二作業部材50を有し、そのうち、グリップ10は、図3及び図4に示すように、柄部11と、カバーリング12と、スイッチ13を備え、該柄部11は、棒状を呈し、該カバーリング12は、回転可能に柄部11に環装され、該スイッチ13は、カバーリング12を介して柄部11に取り付けられる。
【0014】
図2図5及び図6に示すように、前記工具本体20は、グリップ10の一端に取り付けられ、その内部に貫通状の組立空間21が形成されると共に、両端にそれぞれ組立空間21と連通する開口22が形成される。
【0015】
前記ローター30、第一作業部材40、および第二作業部材50は、工具本体20の組立空間21に設置され、そのうち、該ローター30には、互いに対向する位置に第一駆動端31と第二駆動端32が設けられる。尚、本実施例におけるローター30は、気体駆動型でもよく、電動駆動型でもよい。
【0016】
前記第一作業部材40は、第一駆動端31に組み合わせられると共に、第一減速機構41と、第二減速機構42と、第一伝動軸43を備え、そのうち、該第一減速機構41は、ローター30の第一駆動端31に取り付けられると共に、連結部411を備え、該第二減速機構42は、第一減速機構41の連結部411に取り付けられると共に、連接筒部421を備え、該第一伝動軸43は、着脱可能に連接筒部421に取り付けられると共に、工具本体20の一方の開口22から突出する。尚、前記第一作業部材40には、第一減速機構41及び第二減速機構42が設置されていなくてもよく、また、第一伝動軸43は第一駆動端31に取り付けられてもよい。
【0017】
図7及び図8に示すように、前記第二作業部材50は、第二駆動端32に取り付けられると共に、一方向打撃機構51及び第二伝動軸52を備え、そのうち、一方向打撃機構51は、ローター30の第二駆動端32に取り付けられると共に、連接管部511を備え、該第二伝動軸52は、工具本体20の他方の開口22から突出するように、着脱可能に一方向打撃機構51の連接管部511に取り付けられる。
【0018】
前記第一作業部材40を使用する時は、手で柄部11を握持しながら、第一伝動軸43と対応するようにスイッチ13によりカバーリング12を回転させる。この時、スイッチ13によりローター30が回転し、第一減速機構41及び第二減速機構42によりローター30の回転速度を減速してトルクを大きく出力することから、第一伝動軸43によりボルトを締め付けたり緩めたりすることができる。
【0019】
一方、前記第二作業部材50を使用する時は、手で柄部11を握持しながら、第二伝動軸52を連接管部511に取り付けると共に、該第二伝動軸52と対応するようにスイッチ13によりカバーリング12を回転させる。尚、安全性を考慮すると、第二減速機構42を連接筒部421から取り外してもよい。そして、スイッチ13の操作によりローター30が回転すると、一方向打撃機構51が、ローター30のパワーを第二伝動軸52に伝えると共に、その一方向打撃機構51の打撃力により第二伝動軸52に伝えるパワーを増強する。この構成によれば、第二伝動軸52を用いてボルトを固く締めたり、固く締めているナットを緩めたりすることができる。
【0020】
本発明に係るダブルヘッド型電動工具は、上述した構造を有し、即ち、作業用部材の交換が不要であることから、例えば、自動車のタイヤに用いるボルトやナットなどを締め付けたり緩めたりすることができ、一度に作業を完了できるので、作業時間や手間を省くことができると共に、作業用部材の数量も少なくなる。
【符号の説明】
【0021】
10 グリップ
11 柄部
12 カバーリング
13 スイッチ
20 工具本体
21 組立空間
22 開口
30 ローター
31 第一駆動端
32 第二駆動端
40 第一作業部材
41 第一減速機構
411 連結部
42 第二減速機構
421 連接筒部
43 第一伝動軸
50 第二作業部材
51 一方向打撃機構
511 連接管部
52 第二伝動軸
【要約】      (修正有)
【課題】作業の手間や時間を節約できる電動工具を提供する。
【解決手段】本発明に係るダブルヘッド型電動工具は、グリップ10と、工具本体20と、ローター30と、第一作業部材40と、第二作業部材50を有し、該工具本体20は、グリップ10の一端に取り付けられると共に、内部に貫通状の組立空間21が形成され、該ローター30は、組立空間21に設置されると共に、第一駆動端31及び第二駆動端32を備え、該第一作業部材40は、ローター30の第一駆動端31に組み立てられるように、工具本体20の一方の開口22から突出する第一伝動軸43を備え、該第二作業部材50は、ローター30の第二駆動端32に取り付けられるように、工具本体20の他方の開口22から突出する第二伝動軸22を備え、この構成によれば、第一作業部材40及び第二作業部材50を用いてボルトやナットなどを締め付けたり緩めたりすることができる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8