【0011】
粘着剤部分2aと非粘着剤部分2bが混在するパターンは特に制限されない。例えば、
図2に示すように、四角い島状の粘着剤部分2aが等間隔に縦列で規則正しく配列したパターンであっても良いし、
図3に示すように、丸い島状の粘着剤部分2aが半分ずれた位置の横列で規則正しく配列したパターンであっても良いし、
図4に示すように、縦筋状の粘着剤部分2aが等間隔に規則正しく配列したパターンであっても良いし、
図5に示すように、四角い島状の粘着剤部分2aが半分ずれた位置の縦列で規則正しく配列したパターンであっても良いし、
図6に示すように、四角い島状の粘着剤部分2aが等間隔に斜め列で規則正しく配列したパターンであっても良いし、
図7に示すように、四角い島状の粘着剤部分2aが半分ずれた位置の斜め列で規則正しく配列したパターンであっても良い。
【実施例】
【0024】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下の記載において「部」は「質量部」を意味する。
【0025】
<実施例1>
アクリル系粘着剤組成物100部に対し、アルミキレート系硬化剤の2.5%希釈溶液(川研ファインケミカル社製、商品名アルミキレートA(W))7部を添加し、攪拌して粘着剤を調製した。この粘着剤を、離型処理した厚さ25μmのポリエステルフィルムの上に全面平滑に塗布し、加熱乾燥を行い厚さ1.0μmの粘着剤層1を形成した。そしてこの粘着剤層1を、厚さ2μmの基材(三菱樹脂社製ポリエステルフィルム、商品名K100−2.0W)の片面に転写した。
【0026】
またこれとは別に、前記粘着剤を、離型処理した厚さ25μmのポリエステルフィルムの上にグラビア印刷により
図2に示すように四角い島状の粘着剤部分2aが等間隔に縦列で規則正しく配列するように塗布し、加熱乾燥を行い厚さ2.0μmの粘着剤層2を形成した。そしてこの粘着剤層2を、前記基材の粘着剤層1とは反対側の面に転写した。
【0027】
次いで、40℃で3日間養生して総厚5μmの両面粘着テープを得た。粘着剤層2の四角い島状の粘着剤部分2aの一辺の長さは0.5mm、非粘着剤部分の幅は0.17mm、粘着剤部分の面積の割合は56%とした。
【0028】
<実施例2>
アクリル系粘着剤組成物100部に対し、イソシアネート系硬化剤(東ソー社製、商品名コロネートL45E)1.2部を添加し、攪拌して粘着剤を調製した。この粘着剤を、離型処理した厚さ25μmのポリエステルフィルムの上に全面平滑に塗布し、加熱乾燥を行い厚さ1.5μmの粘着剤層1を形成した。そしてこの粘着剤層1を、厚さ2μmの基材(三菱樹脂社製ポリエステルフィルム、商品名K100−2.0W)の片面に転写した。
【0029】
またこれとは別に、前記粘着剤を、離型処理した厚さ25μmのポリエステルフィルムの上にグラビア印刷により
図2に示すように四角い島状の粘着剤部分2aが等間隔に縦列で規則正しく配列するように塗布し、加熱乾燥を行い厚さ1.5μmの粘着剤層2を形成した。そしてこの粘着剤層2を、前記基材の粘着剤層1とは反対側の面に転写した。
【0030】
次いで、40℃で3日間養生して総厚5μmの両面粘着テープを得た。粘着剤層2の四角い島状の粘着剤部分2aの一辺の長さは1.3mm、非粘着剤部分の幅は0.2mm、粘着剤部分の面積の割合は75%とした。
【0031】
<実施例3>
図3に示すように丸い島状の粘着剤部分2aが半分ずれた位置の横列で規則正しく配列するように形成したこと以外は、実施例2と同様にして粘着剤層2を形成し、両面テープを作製した。粘着剤層2の丸い島状の粘着剤部分2aの直径は1.1mm、非粘着剤部分の幅は0.15mm、粘着剤部分の面積の割合は70%とした。
【0032】
<実施例4>
アクリル系粘着剤組成物100部に対し、エポキシ系硬化剤(三菱ガス化学社製、商品名TETRAD−C)0.6部を添加し、攪拌して粘着剤を調製した。この粘着剤を、離型処理した厚さ25μmのポリエステルフィルムの上に全面平滑に塗布し、加熱乾燥を行い厚さ3μmの粘着剤層1を形成した。そしてこの粘着剤層1を、厚さ4μmの基材(東レ社製ポリエステルフィルム、商品名ルミラー4AF53)の片面に転写した。
【0033】
次いで前記粘着剤を、前記基材の粘着剤層1とは反対側の面にグラビア印刷により
図4に示すように縦筋状の粘着剤部分2aが等間隔に規則正しく配列するように塗布し、加熱乾燥を行い、厚さ3μmの粘着剤層2を形成した。
【0034】
さらにその粘着剤層2の上に、離型処理した厚さ25μmのポリエステルフィルムを貼り合わせて、40℃で3日間養生し、総厚10μmの両面粘着テープを得た。粘着剤層2の縦筋状の粘着剤部分の幅は0.8mm、非粘着剤部分の幅は0.5mm、粘着剤部分の面積の割合は62%とした。
【0035】
<実施例5>
粘着剤層2の縦筋状の粘着剤部分の幅を4mm、非粘着剤部分の幅を4mm、粘着剤部分の面積の割合を50%としたこと以外は、実施例4と同様にして総厚10μmの両面粘着テープを得た。
【0036】
<比較例1>
基材の両面に全面塗布の厚さ1.5μmの粘着剤層1を形成したこと以外は、実施例21と同様にして総厚5μmの両面粘着テープを作製した。
【0037】
<評価>
実施例及び比較例で作製した両面粘着テープを、以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0038】
(耐たわみ性)
両面テープの粘着剤層1を厚さ25μmのグラファイトシートに2kgローラーで貼り合わせた。さらにグラファイトシートのもう一方の面に厚み5μmのポリエステルフィルム片面粘着テープ((株)寺岡製作所製、商品名633M 0.005黒)を貼り合わせた。次いで、粘着剤層2(比較例1はもう一方の粘着剤層1)を厚さ1.5mmのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂板(ABS板)に2kgローラーで貼り合わせる事で90×40mmの大きさの試験片を作製した。この試験片を85℃雰囲気下で1時間加熱し、温度23±1℃、湿度50±5%の雰囲気下で1時間放置し、グラファイトシートとABS板との熱収縮率の違いにより発生するグラファイトシートのたわみによるしわの有無を観察し、以下の基準で評価した。
「○」:しわの発生無し
「×」:しわの発生有り
【0039】
(粘着力)
JIS−Z−1528に準じ、180°粘着力(N/20mm幅)を下記手順により測定した。厚さ25μmのポリエステルフィルムで裏打ちした両面粘着テープの粘着剤層2(比較例1は粘着剤層1)を温度23±1℃、湿度50±5%の雰囲気下にてSUS板に貼り合わせ、2kgのローラーで一往復圧着し、30分放置後、引っ張り試験機(東洋精機製作所製、装置名STROGRAPH E−L)を用いて剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件でSUS板より剥離し、粘着力(N/20mm)を測定した。
【0040】
(貼り合わせ後の気泡の抜け易さ)
100×100mmの両面テープの粘着剤層2(比較例1は粘着剤層1)を硝子板の上に気泡を抱き込むように貼り合わせ、2kgローラーを用いて抱き込んだ気泡を追い出せるかどうかを観察し、以下の基準で評価した。
「○」:気泡を追い出せる
「×」:気泡を追い出せない
【0041】
(熱画像による温度測定)
両面テープの粘着剤層1を200×200mmの大きさ、18μmの厚さのグラファイトシートの片面に貼り合わせた。さらにグラファイトシートのもう一方の面に厚さ5μmのポリエステルフィルム片面粘着テープ((株)寺岡製作所製、商品名633M 0.005黒)を貼り合わせた。次いで、両面テープの粘着剤層2(比較例1はもう一方の粘着剤層1)に200×200mmの大きさ、1.5mmの厚さのアルミ板に貼り合わせて、試料片とした。温度23±1℃、湿度50±5%の雰囲気下で、試験片にアルミ板面から110℃の熱源(KIKUSUI社製、装置名PASIO−35)を接触させ、熱源から60mmの位置の20分後の試料片表面温度を、グラファイトシート積層品側から熱画像測定装置(アピステ社製、装置名FSV−210L)で測定し、熱伝導性を評価した。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示す通り、実施例1〜5は耐たわみ性、気泡の抜け易さ、熱伝導性のいずれも良好な特性を有していた。一方、全面塗りで糊面の平滑な比較例1は耐たわみ性、貼り合わせ後の気泡の抜け易さが劣っていた。
【0044】
なお、実施例1〜5の粘着テープの耐たわみ性の評価は全て「〇」(しわの発生無し)であるが、その張り付け後の外観を比較すると、実施例1では粘着剤部分2aの幅が特に狭いのでパターン模様に起因する表面の凹凸がより少なく、外観がより平滑になるという点で実施例2〜5よりもさらに優れていた。また、実施例1〜5の粘着テープの何れも、30×30mmのサイズの粘着テープに70℃雰囲気下で1kgの荷重を3日間かけた場合であっても、非粘着剤部分2bがつぶれないものであり、張り付け後の粘着剤層には非粘着剤部分が残存していた。