特許第6145355号(P6145355)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6145355オブジェクトの分布に応じて地図画像の縮尺を制御する地図表示装置、プログラム、システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6145355
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月7日
(54)【発明の名称】オブジェクトの分布に応じて地図画像の縮尺を制御する地図表示装置、プログラム、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20170529BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20170529BHJP
【FI】
   G09B29/00 A
   G09B29/00 F
   G06T1/00 200E
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-164412(P2013-164412)
(22)【出願日】2013年8月7日
(65)【公開番号】特開2015-34847(P2015-34847A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】村松 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】高木 悟
【審査官】 古川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−163738(JP,A)
【文献】 特開2004−326073(JP,A)
【文献】 特開2002−131070(JP,A)
【文献】 特開2009−025546(JP,A)
【文献】 特開2003−075166(JP,A)
【文献】 特開2003−090735(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0145228(US,A1)
【文献】 米国特許第05974419(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01983302(EP,A1)
【文献】 特開2003−044992(JP,A)
【文献】 特開2009−058861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 23/00 − 29/14
G01C 21/00 − 21/36
G01C 23/00 − 25/00
G06T 1/00
G06T 11/60 − 13/80
G06T 17/05
G06T 19/00 − 19/20
G08G 1/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像に複数のオブジェクトを重畳して表示する地図表示装置において、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積手段と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積手段と、
前記地図画像蓄積手段及び前記オブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する検索手段と、
前記ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべき前記オブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、前記ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、前記所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御するオブジェクト縮尺調整手段と、
検索された前記地図画像の縮尺を、調整された前記オブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する地図縮尺調整手段と、
縮尺調整された前記地図画像に、縮尺調整された前記オブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて出力する地図画像出力手段と
を有することを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記オブジェクト平面蓄積手段は、オブジェクト毎に、分割された1枚のオブジェクト平面に含まれる含有数又はデータ量を設定し、その含有数又はデータ量で分割したオブジェクト平面を蓄積し、
前記検索手段は、ユーザからの検索クエリのオブジェクトに対応するオブジェクト平面を検索する
ことを特徴とする請求項に記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記オブジェクト縮尺調整手段及び前記地図縮尺調整手段は、当該地図画像に対するユーザからの拡大/縮小操作に基づく縮尺に応じて、前記オブジェクト平面及び前記地図画像の縮尺を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
端末から地図取得要求を受信し、その地図画像を応答する地図サーバにおいて、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積手段と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積手段と、
前記地図取得要求に応じて、前記地図画像蓄積手段及び前記オブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する検索手段と、
前記ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべき前記オブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、前記ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、前記所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御するオブジェクト縮尺調整手段と、
検索された前記地図画像の縮尺を、調整された前記オブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する地図縮尺調整手段と、
縮尺調整された前記地図画像に、縮尺調整された前記オブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させた画像を、前記端末へ応答する地図画像出力手段と
を有することを特徴とする地図サーバ。
【請求項5】
地図画像に複数のオブジェクトを重畳して表示する装置に搭載された地図表示プログラムにおいて、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積手段と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積手段と、
前記地図画像蓄積手段及び前記オブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する検索手段と、
前記ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべき前記オブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、前記ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、前記所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御するオブジェクト縮尺調整手段と、
前記地図画像の縮尺を、調整された前記オブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する地図縮尺調整手段と、
縮尺調整された前記地図画像に、縮尺調整された前記オブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて出力する地図画像出力手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする地図表示プログラム。
【請求項6】
端末がネットワークを介して地図サーバから地図画像を取得するシステムにおいて、
前記地図サーバは、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積手段と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積手段と、
前記端末から受信した地図取得要求に応じて、前記地図画像蓄積手段及び前記オブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する検索手段と
を有し、
前記端末は、
ディスプレイに表示すべき地図取得要求を前記地図サーバへ送信する地図取得要求手段と、
前記地図サーバから、地図画像及びオブジェクト平面を受信する地図画像受信手段と、
前記ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべき前記オブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、前記ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、前記所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御するオブジェクト縮尺調整手段と、
前記地図画像の縮尺を、調整された前記オブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する地図縮尺調整手段と、
縮尺調整された前記地図画像に、縮尺調整された前記オブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて出力する地図画像出力手段と
を有する
ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記地図サーバについて、
前記オブジェクト平面蓄積手段は、オブジェクト毎に、分割された1枚のオブジェクト平面に含まれる含有数又はデータ量を設定し、その含有数又はデータ量で分割したオブジェクト平面を蓄積し、
前記検索手段は、前記地図取得要求に含まれる検索クエリのオブジェクトに対応するオブジェクト平面を検索し、
前記端末について、
前記地図取得要求手段は、前記地図取得要求に、ユーザからの検索クエリとしてのオブジェクトを含める
ことを特徴とする請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記端末の前記オブジェクト縮尺調整手段及び前記地図縮尺調整手段は、当該地図画像に対するユーザからの拡大/縮小操作に基づく縮尺に応じて、前記オブジェクト平面及び前記地図画像の縮尺を制御する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
端末がネットワークを介して地図サーバから地図画像を取得するシステムにおける地図表示方法において、
前記地図サーバは、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積部と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積部と
を有しており、
前記端末が、ディスプレイに表示すべき地図取得要求を前記地図サーバへ送信する第1のステップと、
前記地図サーバが、前記端末から受信した地図取得要求に応じて、前記地図画像蓄積手段及び前記オブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索し、当該地図画像及びオブジェクト平面を前記端末へ応答する第2のステップと、
前記端末が、前記地図サーバから、地図画像及びオブジェクト平面を受信する第3のステップと、
前記端末が、前記ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべき前記オブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、前記ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、前記所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御する第4のステップと、
前記端末が、前記地図画像の縮尺を、調整された前記オブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する第5のステップと、
前記端末が、縮尺調整された前記地図画像に、縮尺調整された前記オブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて表示する第6のステップと
を有することを特徴とする地図表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図画像をディスプレイに表示する地図表示装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の広域ネットワークには、地図サーバが接続されており、地図サーバは、背景画像やオブジェクトを描画した地図画像を蓄積している。端末は、地図サーバから地図画像を取得し、ディスプレイに表示する。特に、近年では一般的に普及しているスマートフォンのような端末は、地図サーバから地図画像を受信し、その地図画像をタッチパネルディスプレイに表示すると共に、その縮尺もユーザ操作に応じて変更することができる。
【0003】
ここで、「オブジェクト」とは、地図上で、その位置に存在する対象物をいう。ユーザは、一般的に、このオブジェクトの位置を知るために、地図を閲覧する場合が多い。オブジェクトとは、例えばガソリンスタンドや、コンビニエンスストア、銀行ATMのようなものであって、ユーザは、自分の現在位置に近いガソリンスタンド等を探そうとする。
【0004】
従来、端末は、ユーザ操作無しに最初に表示される地図画像について、予め規定された縮尺か、又は、以前に最後に表示した縮尺に合わせる場合が多い。その後、その地図画像の縮尺は、ユーザ操作に応じて拡大又は縮小される。その地図画像の拡大又は縮小に応じて、オブジェクト同士の間の間隔も、拡大又は縮小することとなる。
【0005】
しかし、端末に表示する地図画像には、例えば都心のようにオブジェクトの分布が密集している地域もあれば、山林のようにオブジェクトの分布が疎らに存在している地域もある。オブジェクトの分布が密集するほど、ユーザとしては、それらオブジェクトを一見して認識しにくくなる。一方で、オブジェクトの分布が粗であるほど、オブジェクトが表示されず、無駄な地図画像の表示となる場合がある。従って、ユーザにオブジェクトの位置を認識させようとする場合、全ての地域を同じ縮尺で表示することは効率的ではない。
【0006】
これに対し、地図画像を表示する際に、表示すべき場所に応じた表示縮尺を決定する技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、地図画像を最初に表示する場合であっても、ユーザは、その場所に応じた最適な縮尺でその地図画像を閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−003896号公報
【特許文献2】特開2009−058861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、地図画像における地域毎に、その場所情報を別途管理する必要がある。例えば、地図画像の地域毎に、市街地か否かを、オブジェクトの分布に応じてランク付けする必要がある。このような地図画像に対する情報の整備及び管理には、多大なコストを要する。特に、特許文献1に記載の技術によれば、ユーザから見た、各オブジェクトの位置の認識のしやすさについては全く考慮されていない。
【0009】
そこで、本発明は、ユーザから見たオブジェクトの視認性が高まるように地図画像の縮尺を制御することができる地図表示装置、プログラム、システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、地図画像に複数のオブジェクトを重畳して表示する地図表示装置において、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積手段と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積手段と、
地図画像蓄積手段及びオブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する検索手段と、
ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべきオブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御するオブジェクト縮尺調整手段と、
検索された地図画像の縮尺を、調整されたオブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する地図縮尺調整手段と、
縮尺調整された地図画像に、縮尺調整されたオブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて出力する地図画像出力手段と
を有する。
【0012】
本発明の地図表示装置における他の実施形態によれば、
オブジェクト平面蓄積手段は、オブジェクト毎に、分割された1枚のオブジェクト平面に含まれる含有数又はデータ量を設定し、その含有数又はデータ量で分割したオブジェクト平面を蓄積し、
検索手段は、ユーザからの検索クエリのオブジェクトに対応するオブジェクト平面を検索することも好ましい。
【0014】
本発明の地図表示装置における他の実施形態によれば、
オブジェクト縮尺調整手段及び地図縮尺調整手段は、当該地図画像に対するユーザからの拡大/縮小操作に基づく縮尺に応じて、オブジェクト平面及び地図画像の縮尺を制御することも好ましい。
【0015】
本発明によれば、端末から地図取得要求を受信し、その地図画像を応答する地図サーバにおいて、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積手段と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積手段と、
地図取得要求に応じて、地図画像蓄積手段及びオブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する検索手段と、
ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべきオブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御するオブジェクト縮尺調整手段と、
検索された地図画像の縮尺を、調整されたオブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する地図縮尺調整手段と、
縮尺調整された地図画像に、縮尺調整されたオブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させた画像を、端末へ応答する地図画像出力手段と
を有することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、地図画像に複数のオブジェクトを重畳して表示する装置に搭載された地図表示プログラムにおいて、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積手段と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積手段と、
地図画像蓄積手段及びオブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する検索手段と、
ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべきオブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御するオブジェクト縮尺調整手段と、
地図画像の縮尺を、調整されたオブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する地図縮尺調整手段と、
縮尺調整された地図画像に、縮尺調整されたオブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて出力する地図画像出力手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、端末がネットワークを介して地図サーバから地図画像を取得するシステムにおいて、
地図サーバは、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積手段と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積手段と、
端末から受信した地図取得要求に応じて、地図画像蓄積手段及びオブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する検索手段と
を有し、
端末は、
ディスプレイに表示すべき地図取得要求を地図サーバへ送信する地図取得要求手段と、
地図サーバから、地図画像及びオブジェクト平面を受信する地図画像受信手段と、
ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべきオブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御するオブジェクト縮尺調整手段と、
地図画像の縮尺を、調整されたオブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する地図縮尺調整手段と、
縮尺調整された地図画像に、縮尺調整されたオブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて出力する地図画像出力手段と
を有する
ことを特徴とする。
【0019】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
地図サーバについて、
オブジェクト平面蓄積手段は、オブジェクト毎に、分割された1枚のオブジェクト平面に含まれる含有数又はデータ量を設定し、その含有数又はデータ量で分割したオブジェクト平面を蓄積し、
検索手段は、地図取得要求に含まれる検索クエリのオブジェクトに対応するオブジェクト平面を検索し、
端末について、
地図取得要求手段は、地図取得要求に、ユーザからの検索クエリとしてのオブジェクトを含めることも好ましい。
【0021】
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
端末のオブジェクト縮尺調整手段及び地図縮尺調整手段は、当該地図画像に対するユーザからの拡大/縮小操作に基づく縮尺に応じて、オブジェクト平面及び地図画像の縮尺を制御することも好ましい。
【0022】
本発明によれば、端末がネットワークを介して地図サーバから地図画像を取得するシステムにおける地図表示方法において、
地図サーバは、
地図画像を蓄積した地図画像蓄積部と、
複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割したオブジェクト平面を蓄積したオブジェクト平面蓄積部と
を有しており、
端末が、ディスプレイに表示すべき地図取得要求を地図サーバへ送信する第1のステップと、
地図サーバが、端末から受信した地図取得要求に応じて、地図画像蓄積手段及びオブジェクト平面蓄積手段を用いて、ディスプレイに表示すべき、ユーザによって指定された所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索し、当該地図画像及びオブジェクト平面を端末へ応答する第2のステップと、
端末が、地図サーバから、地図画像及びオブジェクト平面を受信する第3のステップと、
端末が、ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべきオブジェクト平面について、当該オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、所望位置を含むオブジェクト平面の縮尺を制御する第4のステップと、
端末が、地図画像の縮尺を、調整されたオブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する第5のステップと、
端末が、縮尺調整された地図画像に、縮尺調整されたオブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて表示する第6のステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の地図表示装置、プログラム、システム及び方法によれば、ユーザから見たオブジェクトの視認性が高まるように地図画像の縮尺を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】地図画像にオブジェクト平面を重畳した説明図である。
図2】背景地図とオブジェクト平面との重畳を表す説明図である。
図3】本発明における地図表示装置の機能構成図である。
図4】オブジェクト平面の全体を表す説明図である。
図5】オブジェクトの分布が同一情報量となるように分割したオブジェクト平面を表す説明図である。
図6】本発明のシステムにおける端末及び地図サーバの機能構成図である。
図7】本発明における端末と地図サーバとの間のシーケンス図である。
図8】縮尺調整をすることなく拡大表示させた第1のオブジェクト分布図である。
図9】縮尺調整をすることなく中間表示させた第2のオブジェクト分布図である。
図10】縮尺調整をすることなく縮小表示させた第3のオブジェクト分布図である。
図11】縮尺調整をして拡大表示させた第4のオブジェクト分布図である。
図12】縮尺調整をして中間表示させた第5のオブジェクト分布図である。
図13】縮尺調整をして縮小表示させた第6のオブジェクト分布図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
図1は、地図画像にオブジェクト平面を重畳した説明図である。
【0027】
地図画像に、複数のオブジェクトが重畳して表示されている。複数のオブジェクトは、地図に対応した平面に並べられており、これを以下では「オブジェクト平面」(画像平面)と称する。地図画像に、その緯度経度が一致したオブジェクト平面を重畳することによって、地図の位置とオブジェクトの位置とが一致する。
【0028】
また、図1によれば、端末1のディスプレイに、オブジェクトが重畳された地図画像の一部が表示されている。端末1にタッチパネルディスプレイが搭載されている場合、ユーザは、そのタッチパネルディスプレイに対するスライド操作及びピンチ操作によって、所望位置周辺の地図画像を表示させることができる。
【0029】
図2は、背景地図とオブジェクト平面との重畳を表す説明図である。
【0030】
本発明における背景地図とオブジェクト平面との重畳には、図2(a)及び図2(b)の2つの方法がある。
図2(a)によれば、「オブジェクト」とは、ポイント画像及び位置データからなる。また、「オブジェクト平面」とは、概念的な平面である。そのために、オブジェクト毎に、背景地図に重畳される。
図2(b)によれば、「オブジェクト」とは、ポイント画像である。また、「オブジェクト平面」とは、透明平面及びポイント画像からなる画像平面である。そのために、オブジェクト平面全体が、同一縦横位置の背景地図にそのまま重畳される。尚、透明平面は、完全な透明だけでなく、半透明(完全な透明と完全な不透明との間)であってもよい。
【0031】
図3は、本発明における地図表示装置の機能構成図である。
【0032】
地図表示装置1は、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータのような端末である。少なくとも、ユーザに対して地図画像を表示するために、ハードウェアとしてのディスプレイ101を搭載していることを要する。ディスプレイ101は、例えばタッチパネルディスプレイのようなものであって、表示された地図画像に対する拡大/縮小の操作を可能とするものであるのが好ましい。
【0033】
図3によれば、端末1は、地図画像蓄積部102と、オブジェクト平面蓄積部103とを有する。
【0034】
[地図画像蓄積部102]
地図画像蓄積部102は、一般的な「地図画像」を蓄積する。
【0035】
[オブジェクト平面蓄積部103]
オブジェクト平面蓄積部103は、複数のオブジェクトを地図に対応した平面に並べ、その平面を、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割した「オブジェクト平面」を蓄積する。
【0036】
図4は、オブジェクト平面の全体を表す説明図である。
図5は、オブジェクトの分布が同一情報量となるように分割したオブジェクト平面を表す説明図である。
【0037】
図4によれば、オブジェクトの分布は均一ではなく、密な部分と粗な部分とがある。これに対し、図5によれば、本発明のオブジェクト平面であって、オブジェクトの含有数又はデータ量がほぼ同一となるように矩形状に分割されている。分割された各平面におけるオブジェクトの含有数は、例えば3個となっている。勿論、オブジェクトのデータ量であってもよい。
【0038】
このような分割方法として、オブジェクトの含有数が所定個数になるまで、その領域を1/4に等分割していく技術がある(例えば特許文献2参照)。この技術によれば、情報量に応じた分割平面数となるために、小さい情報量の分割平面が大量に生成されることを防ぎ、システム全体の管理コストを低減させることができる。
【0039】
例えばオブジェクトの含有数を3個に設定したとする。最初に、1枚のオブジェクト平面を、1/4に等分割する。ここで、オブジェクトの含有数が既に3個以下の平面については、それ以上分割しない。一方で、オブジェクトの含有数が3個よりも多い平面については、更に1/4に等分割する。このように再帰的に処理を実行することによって、最終的には、全てのオブジェクト平面について情報量をほぼ同一とすることができ、例えば図5のように分割されたオブジェクト平面が得られる。
【0040】
尚、1/4に等分割を繰り返すことによって、分割されたオブジェクト平面は、タイル状(メッシュ状)に並べることができる一定領域の矩形状となる。そして、各オブジェクト平面には、タイル状に並べるために、平面同士の間の位置関係を管理するためのインデックス情報(識別子)が付与される。インデックス情報は、少なくとも1点の座標点(緯度・経度)と、その座標点を左上とした高さ及び幅とを有する。端末1は、これらインデックス情報を用いて、地図画像に、オブジェクト平面を並べることができる。
【0041】
図3に戻って、地図表示装置1は、検索部121と、オブジェクト縮尺調整部122と、地図縮尺調整部123と、地図画像出力部124とを有する。これら機能構成部は、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0042】
[検索部121]
検索部121は、地図画像蓄積部102及びオブジェクト平面蓄積部103を用いて、ディスプレイに表示すべき地図画像及びオブジェクト平面を検索する。検索されたオブジェクト平面は、オブジェクト縮尺調整部122へ出力され、検索された地図画像は、地図縮尺調整部123へ出力される。
【0043】
検索クエリとしては、ユーザによって指定された所望位置であってもよい。検索部121は、その所望位置周辺を含む地図画像及びオブジェクト平面を検索する。
更に、検索クエリとして、ユーザ所望のオブジェクト名であってもよい。オブジェクト平面蓄積部103は、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、銀行ATMのように、そのオブジェクト毎に、オブジェクト平面を蓄積している。検索部121は、ユーザによって要求されたオブジェクト平面を検索する。
【0044】
[オブジェクト縮尺調整部122]
オブジェクト縮尺調整部122は、ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべきオブジェクト平面の縮尺を、そのディスプレイの表示範囲に合わせて制御する。具体的には、オブジェクト平面のいずれか一辺の長さが、ディスプレイの表示範囲のいずれかの一辺の長さとほぼ一致するように、オブジェクト平面の縮尺を制御するものであってもよい(後述する図11図13参照)。尚、所望位置をクエリとして検索した場合、中央近くに表示すべきオブジェクト平面は、その所望位置を含む。そして、縮尺が制御されたオブジェクト平面は、地図画像出力部124へ出力される。
【0045】
[地図縮尺調整部123]
地図縮尺調整部123は、検索された地図画像の縮尺を、調整されたオブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する。縮尺が制御された地図画像は、地図画像出力部124へ出力される。
【0046】
[地図画像出力部124]
地図画像出力部124は、縮尺調整された地図画像に、縮尺調整されたオブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて、ディスプレイ101へ表示する。結果的に、オブジェクト毎に、ディスプレイに表示されるそのオブジェクトの数がほぼ一定となり、ユーザから見て視認しやすいように地図画像の縮尺が調整される。
【0047】
尚、ディスプレイ101がタッチパネルディスプレイである場合、地図画像及びオブジェクトが表示された後、ユーザ操作(例えばスライド、ピンチイン/ピンチアウト)によって表示縮尺を変更することができる。本発明はあくまで、最初に表示される地図画像の縮尺を、ユーザ所望のオブジェクトの分布に応じて最適に調整するものである。
【0048】
図6は、本発明のシステムにおける端末及び地図サーバの機能構成図である。
図7は、本発明における端末と地図サーバとの間のシーケンス図である。
【0049】
図6によれば、地図サーバ2は、地図画像蓄積部202と、オブジェクト平面蓄積部203と、検索部221とを備えており、これら機能部の処理は、前述した図3と同様である。また、地図表示装置としての端末1は、オブジェクト縮尺調整部122と、地図縮尺調整部123と、地図画像出力部124とに加えて、地図取得要求部111と、地図画像受信部112とを更に有する。以下では、図7のシーケンスに沿って説明する。
【0050】
(S1)端末1の地図取得要求部111は、ディスプレイ101に表示すべき地図取得要求を、地図サーバ2へ送信する。ここで、地図取得要求は、ユーザによって指定された所望位置を含むものであってもよい。これによって、端末1は、所望位置周辺の地図画像及びオブジェクト平面を、地図サーバ2から受信することができる。また、地図取得要求は、ユーザ所望のオブジェクト名を含むものであってもよい。これによって、地図画像に重畳するオブジェクトを指定することができる。
【0051】
(S2)地図サーバ2の検索部121は、端末1から受信した地図取得要求に応じて、地図画像蓄積部202及びオブジェクト平面蓄積部203を検索し、地図画像及びオブジェクト平面を端末1へ応答する。
【0052】
(S3)端末1の地図画像受信部112は、地図サーバ2から、地図画像及びオブジェクト平面を受信する。オブジェクト平面は、オブジェクト縮尺調整部122へ出力され、地図画像は、地図縮尺調整部123へ出力される。
【0053】
その後の処理の流れは、前述した図3と同様である。
(S4)端末1のオブジェクト縮尺調整部122が、ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべきオブジェクト平面の縮尺を、ディスプレイの表示範囲に合わせて制御する。
(S5)端末1の地図縮尺調整部123が、地図画像の縮尺を、調整されたオブジェクト平面の縮尺に合わせて制御する。
(S6)端末1の地図画像出力部124が、縮尺調整された地図画像に、縮尺調整されたオブジェクト平面の各オブジェクトを重畳させて表示する。
【0054】
前述した図6によれば、地図サーバ2は、単一のサーバとして表されているが、複数のサーバで構成されていてもよい。例えば、地図画像を蓄積するサーバと、オブジェクト平面を蓄積するサーバとが、ネットワークに別々に備えられたものであってもよい。
【0055】
また、前述した図6によれば、端末と地図サーバとの間で処理の機能分担をしている。一方で、前述した図3によれば、端末のような地図表示装置の単体として説明した。ここで、この地図表示装置を地図サーバとすることもできる。地図サーバとした場合、端末から地図取得要求を受信し、その地図画像を応答する。地図サーバの内部処理は、前述した図3と全く同様であるが、検索部121が、端末から地図取得要求を受信することと、地図画像出力部124が、端末へ、オブジェクトを重畳した地図画像を応答することとが相違する。
【0056】
図8は、縮尺調整をすることなく拡大表示させた第1のオブジェクト分布図である。
【0057】
図8によれば、3つの表示範囲a,b,cが表されている。
表示範囲a: 0個のオブジェクトが表示
表示範囲b: 3個のオブジェクトが表示
表示範囲c:12個のオブジェクトが表示
ユーザにとっては、所望オブジェクトを地図画像に表示しているにも拘わらず、1個のオブジェクトも表示されない地図画像は、何ら意味を持たない。
【0058】
図9は、縮尺調整をすることなく中間表示させた第2のオブジェクト分布図である。
【0059】
図9によれば、図8よりも縮小されて表示され、広範囲の地図画像が表示されている。そのために、ディスプレイの表示範囲に表示されるオブジェクトの数も多くなる。
表示範囲a: 2個のオブジェクトが表示
表示範囲b: 4個のオブジェクトが表示
表示範囲c:16個のオブジェクトが表示
【0060】
図10は、縮尺調整をすることなく縮小表示させた第3のオブジェクト分布図である。
【0061】
図10によれば、図9よりも更に縮小されて表示され、広範囲の地図画像が表示されている。ユーザにとって、ディスプレイの表示範囲に多数のオブジェクトが表示された地図画像は、認識しにくい。
表示範囲 :22個のオブジェクトが表示
【0062】
図11は、縮尺調整をして拡大表示させた第4のオブジェクト分布図である。
【0063】
図11によれば、図8に対応して本発明によって縮尺調整したものである。ここで、ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべき表示範囲aについて、例えばディスプレイの表示範囲の横幅が100ピクセルであるのに対し、オブジェクト平面の横幅が260ピクセルであるとする。この場合、そのオブジェクト平面を、100/260に縮小することによって、ディスプレイの表示範囲に合わせることができる。結果的に、ディスプレイに表示されるそのオブジェクトの数がほぼ3個程度以上となる。
【0064】
図12は、縮尺調整をして中間表示させた第5のオブジェクト分布図である。
【0065】
図12によれば、図9に対応して本発明によって縮尺調整したものである。ここで、ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべき表示範囲bについて、例えばディスプレイの表示範囲の横幅が100ピクセルであるのに対し、オブジェクト平面の横幅が130ピクセルであるとする。この場合、そのオブジェクト平面を、100/130に縮小することによって、ディスプレイの表示範囲に合わせることができる。結果的に、ディスプレイに表示されるそのオブジェクトの数がほぼ3個程度以上となる。
【0066】
図13は、縮尺調整をして縮小表示させた第6のオブジェクト分布図である。
【0067】
図13によれば、図9に対応して本発明によって縮尺調整したものである。ここで、ディスプレイの表示範囲の中央近くに表示すべき表示範囲cについて、例えばディスプレイの表示範囲の横幅が100ピクセルであるのに対し、オブジェクト平面の横幅が65ピクセルであるとする。この場合、そのオブジェクト平面を、100/65に拡大することによって、ディスプレイの表示範囲に合わせることができる。結果的に、ディスプレイに表示されるそのオブジェクトの数がほぼ3個程度以上となる。
【0068】
尚、図11図13によれば、ディスプレイの表示範囲の横幅の位置と、分割されたオブジェクト平面の横幅の位置とが完全に一致して描画されているが、説明上、一致して描画されているにすぎない。あくまで、ディスプレイの表示範囲の横幅(又は縦幅)の長さと、分割されたオブジェクト平面の横幅(又は縦幅)の長さとを、ほぼ一致させるに過ぎない。
【0069】
以上、詳細に説明したように、本発明の地図表示装置、プログラム、システム及び方法によれば、ユーザから見たオブジェクトの視認性が高まるように地図画像の縮尺を制御することができる。
【0070】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0071】
1 地図表示装置、端末
101 ディスプレイ
102、202 地図画像蓄積部
103、203 オブジェクト平面蓄積部
111 地図取得要求部
112 地図画像受信部
121、221 検索部
122 オブジェクト縮尺調整部
123 地図縮尺調整部
124 地図画像出力部
2 地図サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13