特許第6145461号(P6145461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6145461対話デジタルデータ間のリンクを識別するためのシステム、方法、および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6145461
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】対話デジタルデータ間のリンクを識別するためのシステム、方法、および装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20170607BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20170607BHJP
【FI】
   G06F17/30 220Z
   G06Q50/10
【請求項の数】30
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-559910(P2014-559910)
(86)(22)【出願日】2013年2月12日
(65)【公表番号】特表2015-512103(P2015-512103A)
(43)【公表日】2015年4月23日
(86)【国際出願番号】US2013025735
(87)【国際公開番号】WO2013130260
(87)【国際公開日】20130906
【審査請求日】2016年1月14日
(31)【優先権主張番号】13/407,393
(32)【優先日】2012年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514217118
【氏名又は名称】シークオティエント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バラス ケー.クリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィシュワミトラ エス.ラマクリシュナン
【審査官】 小太刀 慶明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−092381(JP,A)
【文献】 特開2003−288464(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0119291(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0161603(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対話を表すデジタルデータをデジタルデータプロセッサベースで分析して、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を識別する方法であって、
A.1つまたは複数のデジタルデータプロセッサを含むデジタルデータ処理システムを用いて、1つまたは複数の予め指定された属性に基づいて、複数の対話を表すデータを、暫定的グループ(「データブロブ」)にグループ化する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップと、
B.前記デジタルデータ処理システムを用いて、単独の属性、および/または、相互に組み合わせた属性および/または前記予め指定された属性であって、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を示す属性として、前記デジタルデータを分析して1つまたは複数の他の属性を識別し、新しく指定する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップであって、該1つまたは複数の他の属性は、(i)前記データブロブ間での定量的使用が、第1の閾値測度を実際に超えず、かつ、(ii)前記1つまたは複数の他の属性が現れる任意のデータブロブ内において、信頼性の定量的測度が、第2の閾値測度を実際に超えないタイプの属性であるステップと、
C.前記デジタルデータ処理システムを用いて、前記デジタルデータによって表された対話を、(i)1つまたは複数の前記新しく指定された属性、および(ii)ゼロまたは複数の予め指定された属性に基づいて、絞り込まれたグループに再グループ化する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップと、を備え、
D.前記データブロブ間での属性の前記定量的使用が、その属性が現れるデータブロブの数の任意の計数及び指標であり、及び所与のデータブロブ内の所与の属性の前記タイプの信頼性の前記定量的測度が、そのブロブ内で前記予め指定された属性の別々の組み合わせの計数に対する、そのブロブ内のそのタイプの別々の属性の計数のその所与のデータブロブ内における比である、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップBは、前記デジタルデータ処理システムを用いて、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を示す前記他の属性を指定する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デジタルデータは、1つまたは複数の第1の団体による、1つまたは複数の第2の団体からの、少なくとも購入を表すデータを含み、
該第1の団体は、個人、家庭、企業、社会グループ、または、他の団体のうち何れかを含み、
該第2の団体は、小売企業を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記デジタルデータは、別々の家庭による、小売業者からの購入を表すデジタルデータを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記デジタルデータは、(a)別々の家庭による、小売業者からの購入を表すデータと、(b)現実の世界またはサイバーワールドにおける前記小売業者のサイトへの該家庭のメンバーによる訪問、該家庭へのカスタマーサービスコール、および/または、該家庭と他の顧客サービスとのコンタクト、該家庭へのメールおよび/または該家庭からのメール、並びに、該家庭をターゲットにした、マスメディアによる販売キャンペーンのうちの1つまたは複数をさらに表すデータを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記予め指定された属性は、クレジットカード番号、電子メールアドレス、配達先住所、および、旅行関連のマイレージ口座番号のうちいずれかを含み、
前記他の属性は、電話番号、割引コード、および、配達先住所のうちいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記予め指定された属性および前記他の属性のうちいずれかは、通信装置識別子を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記予め指定された属性および前記他の属性のうちいずれかは、近距離無線通信装置の識別子を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記デジタルデータは、データベースおよび/またはデータストリームのうちいずれかを含む、複数のソースに由来する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記デジタルデータ処理システムを用いて、前記デジタルデータ以外のデータソースから、(a)他の属性と、(b)別々の個人、および/または、その個人が属する団体を示す他の属性と、のうち少なくとも1つとして、適切な団体の特徴を識別する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップ
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記デジタルデータ以外の前記データソースは、フォーラム、チャットルーム、製品のレビュー、インターネットの他の第三者サイト、および、サイバースペースにおける他の情報、のうちいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記特徴は、団体識別を示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記特徴は、ユーザID、メッセージの「署名行」、および、デジタルデータのテキスト文字列と実質的に一致する、一般的でないテキスト文字列を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
1つまたは複数のデジタルデータプロセッサを含むデジタルデータ処理システム上で実行されると、以下のステップを実行するコンピュータ実行可能命令を格納する非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体であって、
前記ステップは、
A.前記デジタルデータ処理システムを用いて、デジタルデータで表された複数の対話を、1つまたは複数の予め指定された属性に基づいて、暫定的グループ(「データブロブ」)にグループ化する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップと、
B.前記デジタルデータ処理システムを用いて、単独の属性、および/または、相互に組み合わせた属性および/または前記予め指定された属性であって、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を示す属性として、前記デジタルデータを分析して1つまたは複数の他の属性を識別し、新しく指定する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップであって、該1つまたは複数の他の属性は、(i)前記データブロブ間での定量的使用が、第1の閾値測度を実際に超えず、かつ、(ii)前記1つまたは複数の他の属性が現れる任意のデータブロブ内において、信頼性の定量的測度が、第2の閾値測度を実際に超えないタイプの属性であるステップと、
C.前記デジタルデータ処理システムを用いて、前記デジタルデータによって表された対話を、(i)1つまたは複数の前記新しく指定された属性および(ii)ゼロまたは複数の予め指定された属性に基づいて、絞り込まれたグループに再グループ化する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップと、であって、
D.前記データブロブ間での属性の前記定量的使用が、その属性が現れるデータブロブの数の任意の計数及び指標であり、及び所与のデータブロブ内の所与の属性の前記タイプの信頼性の前記定量的測度が、そのブロブ内で前記予め指定された属性の別々の組み合わせの計数に対する、そのブロブ内のそのタイプの別々の属性の計数のその所与のデータブロブ内における比である、
ことを特徴とする非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
ステップBは、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を示す前記他の属性を指定する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップを備える、
ことを特徴とする請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項16】
ステップ、前記デジタルデータによって表された対話を、
1つまたは複数の予め指定された属性、および、
1つまたは複数の新しく指定された属性に基づいて、絞り込まれたグループに再グループ化する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップ
を備える請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項17】
前記デジタルデータは、第1の団体による第2の団体からの少なくとも購入を表すデータを含み、
該第1の団体は、個人、家庭、企業、社会グループ、または、他の団体のうち何れかを含み、
該第2の団体は、小売企業を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項18】
前記デジタルデータは、別々の家庭による、小売業者からの購入を表すデジタルデータを含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項19】
前記デジタルデータは、(a)別々の家庭による、小売業者からの購入を表すデータと、(b)現実の世界またはサイバーワールドにおける前記小売業者のサイトへの該家庭のメンバーによる訪問、該家庭へのカスタマーサービスコール、および/または、該家庭と他の顧客サービスとのコンタクト、該家庭へのメールおよび/または該家庭からのメール、並びに、該家庭をターゲットにした、マスメディアによる販売キャンペーンのうちの1つまたは複数をさらに表すデータを含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項20】
前記予め指定された属性は、クレジットカード番号、電子メールアドレス、配達先住所、および、旅行関連のマイレージ口座番号のうちいずれかを含み、
前記他の属性は、電話番号、割引コード、および、配達先住所のうちいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項21】
前記予め指定された属性および前記他の属性のうちいずれかは、通信装置識別子を備える
ことを特徴とする請求項17に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項22】
前記予め指定された属性および前記他の属性のうちいずれかは、近距離無線通信装置の識別子を備える
ことを特徴とする請求項21に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項23】
前記デジタルデータは、データベースおよび/またはデータストリームのうちいずれかを含む、複数のソースに由来する
ことを特徴とする請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項24】
ステップCは、前記デジタルデータ処理システムを用いて、前記絞り込まれたグループに識別子を割り当てる機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップ
を備える請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項25】
前記デジタルデータ処理システムを用いて、前記デジタルデータ以外のデータソースから、(a)他の属性と、(b)別々の個人、および/または、その個人が属する団体を示す他の属性と、のうち少なくとも1つとして、適切な団体の特徴を識別する機能を前記デジタルデータプロセッサで実行するステップ
をさらに備える請求項14に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項26】
前記デジタルデータ以外の前記データソースは、フォーラム、チャットルーム、製品のレビュー、インターネットの他の第三者サイト、および、サイバースペースにおける他の情報、のうちいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項25に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項27】
前記特徴は、団体を示す情報を含む、
ことを特徴とする請求項26に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項28】
前記特徴は、ユーザID、メッセージの「署名行」、および、デジタルデータのテキスト文字列と実質的に一致する、一般的でないテキスト文字列を含む、
ことを特徴とする請求項26に記載の非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体
【請求項29】
対話を表すデジタルデータを分析して、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を識別するデジタルデータ処理システムであって、
A.1つまたは複数の予め指定された属性に基づいて、複数の対話を表すデータを、暫定的グループ(「データブロブ」)にグループ化する第1の機能と、
B.前記第1の機能と組み合わされる第2の機能であって、単独の属性、および/または、相互に組み合わせた属性および/または前記予め指定された属性であって、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を示す属性として、前記デジタルデータを分析して(i)前記データブロブの間での定量的使用が第1の閾値測度を超えず、かつ、(ii)1つまたは複数の属性が現れる任意のデータブロブ内において、信頼性の定量的測度が第2の閾値測度を超えないタイプの前記1つまたは複数の属性を、識別し、新しく指定する、第2の機能と、
C.前記デジタルデータによって表された対話を(i)1つまたは複数の前記新しく指定された属性、および(ii)ゼロまたは複数の予め指定された属性に基づいて絞り込まれたグループに再グループ化する、前記第2の機能に組み合わされる第3の機能と、
を実行するハードウェアデジタルデータプロセッサを備え、
D.前記データブロブ間での属性の前記定量的使用が、その属性が現れるデータブロブの数の任意の計数及び指標であり、及び所与のデータブロブ内の所与の属性の前記タイプの信頼性の前記定量的測度が、そのブロブ内で前記予め指定された属性の別々の組み合わせの計数に対する、そのブロブ内のそのタイプの別々の属性の計数のその所与のデータブロブ内における比である、
ことを特徴とするデジタルデータ処理システム。
【請求項30】
請求項2から28のいずれか1項に記載のステップを実行する機能を備える、請求項29に記載のデジタルデータ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルデータ処理に関し、より詳細には、対話(interactins)を表すデジタルデータを分析して、別々の個人、および/または、その個人が属する団体(entities)(例えば、家庭、企業、社会グループや他のグループ)に関わる対話を識別する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、例えば、小売業者と公衆との間の対話を表すデータ記録の中から、所与の人、および/または、その人の家族、仕事仲間、または、社交仲間との対話を表す記録を、それらの対話が小売業者の実店舗、メール、サイバースペース、または、その他の方法で行われるかにかかわらず、識別するアプリケーションを有する。が、実施形態はそれに限定されない。
【0003】
さらなる例としては、本発明は、個人、家族、または、仲間などが、小売業者の実店舗を訪れ、小売業者のウェブサイトを見る時などに、利用している、例えば、NFC(Near Field Communication)対応携帯電話などの一般的な装置での対話を識別するアプリケーションも有する。が、実施形態はそれに限定されない。
【0004】
個人と団体との対話の追跡、分析、および、報告は難しい場合がある。小売業者との対話、具体的には、例えば、大規模な小売業者からの個人による購入を取り上げてみると、個人は、小売業者の実店舗で、ある売買に小切手を用い、他の売買に現金を用いるかもしれない。小切手から集め、小売業者の事務処理部門のデータベースに関連する購入の記録と共に記憶した情報を識別することは、その個人をターゲットにした後の広告に有用である。しかしながら、このような情報は、現金での購入では、あらゆる意味で匿名となるので、一般的に入手することができない。従って、購入者をターゲットにするために、このような情報を考慮することはできない。
【0005】
小売業者のウェブサイトやコールセンターでは、個人の小売業者への支払いはさらに別の手段(例えば、クレジットカード、ペイパルなど)で行われる場合があるので、問題はより難しい。これらの取引から集めた情報は、購入者のオンラインでの購入に関して、購入者をターゲットにした広告に有用であろうが、店舗での購入に関する情報と一致させることは難しいと思われる。
【0006】
そして、個人が行った様々な購入を相互に関連付けることだけでも難しいのに、様々な購入を個人が小売業者と行い得るより広い種類の対話に関連付けることはそれ以上に難しい。対話は、例えば、現実の世界またはサイバーワールドで小売業者のサイトを個人が訪れること、カスタマーサービスコールや他のコンタクト(例えば、持ち込み修理、在宅修理)、書面または電子メールでの個人宛メール、および、その個人の地域での新聞、テレビ、ラジオ、または、広告掲示板によるマスメディアでの販売キャンペーンを含んでよい。
【0007】
個人がメンバーとなっているグループまたは組織、例えば、家庭、会社、または、社交クラブにこれを広げると、問題はより難しくなる。例えば、小売事業体と家庭のメンバーとの対話の場合、時間、場所、性質の点で接点が異なる場合がある。同様に、実際のおよび潜在的な法人購入者との対話は、多様な多くの社員だけでなく、購買部門または他の部門からも生じ得る。一般的な教会や他の社会組織のメンバーとの対話は、一層軽視されているかもしれない。
【0008】
当然、これらの問題は小売業者に限られない。製造業者から出版業者までの他の営利団体だけでなく、非営利団体や政府機関さえ、資金調達のカスタマイズ(例えば、非営利団体の場合)、市場動向やマーケティングの効果の評価(例えば、営利団体の場合)、有権者のニーズの理解(例えば、政府事業体の場合)など、個人、家庭、社会グループなどとの対話の追跡、分析、報告で、困難に直面している。
【0009】
これをより良く把握しようとして、多くの団体は、手動登録ログまたは電子登録ログを採用して、あらゆる対話の前に、身元情報や居住地情報、IDカード、ユーザID等を用いてサインインするように訪問者に依頼している。小売業者は、これらの独自の形、すなわち、ポイントカードを利用しているが、より慣習的に、販売時に集めたデータの識別に頼っている。例を挙げると、クレジットカード番号、割引番号、電話番号などである。従って、例えば、家庭をターゲットにした広告キャンペーンを始めようとしている小売業者は、クレジットカード番号によって小売取引のデータベースを集め、各別個の番号で行われた購入を用いて、紙メール、電子メールなどをカスタマイズする。
【0010】
残念なことに、販売時などに登録ログで集められた属性は、必ずしも正確とは限らない。小売では、情報を提供する顧客、および/または、情報を記録するレジ係または販売員、の側で、偶発的に、または故意の行動で、不正確になる場合がある。例えば、世帯主が、勤務先電話番号を誤ったり、または、おそらく、家庭用の購入をするとき、偽の電話番号を書いたりする場合があろう。さらなる例としては、レジ係が、顧客の購入に対してマイレージを得るために、自分の航空会社のマイレージ口座の番号を入力するかもしれない。
【0011】
さらに、正確に記録された属性でさえ、購買グループを区別する段になると、多すぎたり、少なすぎたりする場合がある。ある家庭のほとんどのメンバーが、大部分の購入に1枚のクレジットカードを使うかもしれない一方で、その家庭の世帯主は、数枚のクレジットカードのいずれかを使う場合もあり、その購入の全てをたどって同じ家族に結び付けるという試みをあいまいにしてしまう。その反対側では、クラブに割り当てられたディスカウントコードを用いて行われた購入は、実際は、存在しない購入者と購入との関係を示すかもしれない。
【0012】
上記を考慮して、本発明の目的は、デジタルデータ処理の改良されたシステム、装置、および、方法を提供すること、より詳細には、例えば、対話を表すデータを分析して、ある特定の個人、および/または、その個人が属する家庭、企業、社会グループ、または、他のグループを識別するシステム、装置、および、方法を提供することである。
【0013】
関連する目的は、公衆と、営利団体、非営利団体、政府事業体、または、他の団体との対話を表すデータ記録から、所与の個人、および/または、家庭、企業、もしくは、社会グループなど、その個人が属する団体との対話を表すデータ記録を識別するのを容易にするシステム、装置、および、方法を提供することである。本発明のさらなる関連する目的は、内在する対話が、現実の世界、サイバースペース、または、他の方法で行われていても、その記録の識別を容易にするシステム、装置、方法を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる関連する目的は、小売事業体と、個人、および/または、その個人の家族、仕事仲間、または、社交仲間との購入取引の識別に適用可能なシステム、装置、方法を提供することである。
【0015】
関連する目的は、その取引に伴って提供される、例えば、電子メールアドレス、電話番号、航空会社マイレージ口座番号などに誤りがあっても、このような対話を識別するのを容易にする方法を提供することである。
【0016】
下記の図面を参照することで、発明はより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のシステムおよび方法の使用例である。
図2】本発明の実施に従った、団体と、その団体の公衆との対話を表すデータ記録を分析して、別々の団体に関わる対話を識別するデジタルデータ処理システムである。
図3図2のデジタルデータプロセッサで実行されるソフトウェアアプリケーションの動作を示す。
図4A図3のソフトウェアアプリケーションの動作によるデータのグループ化を示す。
図4B図3のソフトウェアアプリケーションの動作によるデータのグループ化を示す。
【発明の概要】
【0018】
前述したのは、本発明で達成される目的の一部である。本発明は、幾つかの態様により、対話を表すデジタルデータをデジタルデータプロセッサベースで分析して、別々の個人、および/または、その個人が属する団体(例えば、家庭、企業、社会グループ、または、他のグループ)を識別する方法を提供する。その方法を採用して、例えば、小売店での購入、マーケティング、および、訪問者のデータを分析して、追跡および/または報告のために、家庭または他の関連する購買グループを識別することができる。
【0019】
本発明の関連する態様は、例えば、上記のように、上記対話、詳細には、上記対話を表すデータ記録に関連付けられた、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を確実に区別しやすい属性(例えば、具体的な電話番号、具体的なユーザIDなど)を識別する方法を提供する。
【0020】
本発明のさらなる態様は、例えば、上記のように、デジタルデータ処理システムを利用して、複数の対話を表すデータを、1つまたは複数の予め指定された属性に基づいて、暫定的グループ(「データブロブ」)にグループ化するステップを含む方法を提供する。当該属性は、例えば、具体的なクレジットカード番号、具体的な電子メールアドレス、具体的な配達先住所、具体的な旅行関連のマイレージ口座番号など、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を確実に特徴付けるとみなされる属性である。
【0021】
本発明の関連する態様は、上記のグループ化するステップが、デジタルデータ処理システムを利用して、上記の予め指定された属性の1つまたは複数に関連付けられた対話を、各データブロブに含めるステップを含む方法を提供する。例えば、予め指定された属性が電子メールアドレスおよびクレジットカード番号である実施形態においては、グループ化するステップは、デジタルデータ処理システムを利用して、同じ電子メールアドレスおよび/または同じクレジットカード番号に関連付けられた全ての取引を、各データブロブに形成するステップを含む。
【0022】
本発明のこれらの態様に従った方法は、デジタルデータ処理システムを利用して、上記対話に関連付けられた他の属性から、すなわち、上記予め指定された属性以外の属性から、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を、事実上、確実に区別しやすい属性を新しく指定するステップをさらに含む。
【0023】
本発明の関連する態様は、上記の指定するステップが、デジタルデータ処理システムを利用して、上記の他の属性の中で、(i)上記データブロブ間での定量的な使用が、第1の閾値測度を超えず、かつ、(ii)その属性が現れる任意データブロブにおいて、信頼性の定量的測度が第2の閾値測度を超えないタイプの属性を、識別するステップを含む方法を提供する。
【0024】
例えば、上記の他の属性が電話番号を含む実施形態においては、このステップは、過度の数のデータブロブに現れず、かつ、現れるデータブロブ内では、そのデータブロブの記録に関連付けられた予め指定された属性の別々の組合せに対して、多くの異なる値が現れるタイプ(ここでは、属性タイプ「電話番号」)でない電話番号を識別するステップを含む。
【0025】
上記方法は、デジタルデータ処理システムを利用して、上記の新しく指定された属性の少なくとも1つに基づいて、上記データが表す対話を再度グループ化して、絞り込まれた対話のグループを作るステップ、および/または、一意の識別子をそのような絞り込まれたグループに割り当てるステップを、さらに含むことができる。関連する態様においては、その絞り込まれたグループは、上記の予め指定された属性のうちの1つまたは複数(全部ではない)に上記の新しく指定された属性の1つまたは複数(全部ではない)を組み合わせたものに基づいてよい。
【0026】
本発明のさらなる態様は、例えば、上記のように、対話を表すデジタルデータ(「対話データ」)が、1つまたは複数の第1の団体による1つまたは複数の第2の団体からの購入を表すデータを含む方法を提供する。第1の団体は、関連する態様においては、個人、および/または、その個人が属する団体(例えば、家庭、企業、社会グループ、または他のグループ)のいずれかを含んでよい。そして、第2の団体は、例えば、小売企業を含んでよい。関連する態様においては、上記の対話データは、第1の団体(例えば、別々の家庭)による第2の団体(例えば、小売業者)からの購入を表すデータだけでなく、第1の団体のメンバーが第2の団体の現実の世界またはサイバーワールドのサイトを訪れること、第1の団体へのカスタマーサービスコール、および/または、第1の団体との他の顧客サービスによるコンタクト、第1の団体へのメール、および/または、第1の団体からのメール、並びに、第1の団体をターゲットにしたマスメディアを使った販売キャンペーンなどを表すデータを含む。
【0027】
本発明のさらなる態様は、例えば、上記のように、上記の予め指定された属性は、クレジットカード番号、電子メールアドレス、配達先住所、および、旅行関連のマイレージ口座番号のいずれかを含み、上記その他の属性は、電話番号および、割引コードのいずれかを含む、方法を提供する。
【0028】
本発明のさらなる態様は、例えば、上記のように、上記の予め指定された属性と他の属性のいずれかが、例えば、近距離無線通信(NFC)電話IDなどの、通信装置識別子を含む方法を提供する。
【0029】
本発明のさらなる態様は、例えば、上記のように、上記の対話データは、データベースおよび/またはデータストリームのいずれかを含む、複数のソースに由来する方法を提供する。
【0030】
本発明の関連する態様は、例えば、上記のように、上記デジタルデータ処理システムを使用して、上記の対話データ以外のデータソースから、上記他の属性の1つまたは複数が、別々の個人、および/または、その個人が属する団体を確実に区別しやすいことを示す情報を識別するステップをさらに含む方法を提供する。それら他のデータソースは、本発明の態様によると、フォーラム、チャットルーム、製品のレビュー、インターネットの他の第三者サイト、サイバースペース内の他の情報のいずれかを含んでよい。そして、それらのデータソースからの情報は、例えば、ユーザID、メッセージの「署名行」、および、対話データのテキスト文字列と実質的に一致し、団体を識別しやすい一般的でないテキスト文字列を含んでよい。
【0031】
本発明のさらなる態様は、上記方法に従って動作するデジタルデータ処理装置およびシステムを提供する。
【0032】
本発明の上記態様および他の態様は、図面および下記の説明から明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、本発明によるシステム、装置、方法を使用するための環境を示す。ここでは、複数の個人10が、企業12、より具体的には、一例として、企業12の物理的サイト14、サイバースペースサイト16、メール/電話センター18、企業事務所20、および/または、他の公衆と直接対応する機能と対話していることが示されている。
【0034】
団体12は、例えば、営利もしくは非営利の商業的な組織、政府機関、または、それ以外の組織であってよく、本明細書では、集合的に、時には、「企業」と称し、より多くの場合「団体12」と称す。分かりやすいように、本発明の範囲を制限することなく、図示の実施形態においては、団体12は、小売業者として記載している。
【0035】
要素14〜20は、団体12が、団体12のそれぞれの公衆と対話する手段を表す。例えば、政府機関12の場合、これらは、官公庁、ウェブサイト、メール/電話センター、代理事務所、広報センターなどであってよく、それらを通して、団体12は、その有権者、および/または有権者に影響を与える人、例えば、その有権者が属する家庭、社会グループ、企業グループ、または、他のグループ内の他者にコンタクトし、結び付けられる。
【0036】
そして、さらなる例として、小売団体12の場合、要素14〜20は、物理的空間(例えば、実店舗14)および/またはサイバースペース(例えば、ウェブサイト16)内の小売団体12のサイト、メール/電話処理センター18、および、他の事務所20、または、その他を表す。それらを介して、小売業者は、実際の顧客、潜在的な顧客、および/または、その顧客たちに影響を与える人(例えば、そのような実際のまたは潜在的な顧客が属する家庭、社会グループ、企業グループ、または、他のグループ内の他者)と対話する。
【0037】
図示の要素14〜20は、一例に過ぎない。他の実施形態の団体12は、これらより少ない数または多い数のインタフェース機能を有してよく、同一および/または他の手段を通して、団体12の各公衆または有権者と関わってよい。従って、例として、企業事務所20は、顧客サービスまたは他のそのような機能を含んでよいが、それらに限定されない。そして、企業事務所20は、メール(電子、印刷、もしくは、別の方法)を介して、または、新聞、ラジオ、テレビ、メール配信、および/または、商品の発送センターなどを含むが、それらに限定されない報道発信源22を介して、その企業の各公衆と直接的にまたは間接的に対話をすることができる。
【0038】
個人10は、上記のように、団体12の各「公衆」、より詳細には、団体12(または別の団体)がその対話を追跡、分析、および/または、報告したい、人、または、家庭、企業グループ、社会グループ、もしくは、他のグループである。図面では、各個人は、棒線画で表され、各個人が属する各グループは、煙突のある家や、建物、網掛けの図形24〜28で表されている。
【0039】
図示の実施形態においては、そのグループは家庭であるが、他の実施形態においては、グループは、企業、社会グループ、または、他のグループであってよい。さらに図に示すように、個人10の一部は、単独で、どのグループにも属さない。
【0040】
上記の説明に従って、各個人は、団体12の公衆と直接対応する機能、例えば、物理的空間(例、実店舗14)および/またはサイバースペース(例、ウェブサイト16)のサイト、メール/電話処理センター18、他の事務所20、および/または、他の機能の1つまたは複数を介して、団体12と対話する。図にさらに示すように、これらの対話の一部は、各グループを表す団体との対話、例えば、家庭、もしくは、企業が商取引を行ったり、他のグループが集まる建物、のアドレス(物理的スペースまたはサイバースペース)へのメールや配達、または、それら家庭もしくは建物のアドレスからの電話またはウェブサイト訪問などの対話であってよい。今後の記載において、「公衆」という語は、文脈から明らかに別の意味でなければ、個人10、および/または、個人10が属する各家庭、企業、社会グループ、もしくは、他のグループ24〜28の両方に用いられる。
【0041】
図2は、本発明の実施の1つに従った、デジタルデータ処理システム30であって、上記対話、すなわち、団体12と、その公衆10との対話、を表すデータを分析して、別々の個人および/またはその個人が属する団体に関わる対話を識別するデジタルデータ処理システム30を示す。分かりやすいように、図示の実施形態においては、これらの団体は家庭である。他の実施形態においては、これらの団体は、上記個人が属する企業、社会グループまたは他のグループであってよい。
【0042】
図示のシステム30は、デジタルデータプロセッサ32を含み、デジタルデータプロセッサ32は、データベース36や他のデータソース(例えば、データベース、データストリーム、またはその他)38と通信するためにネットワーク34を介して接続されている。
【0043】
デジタルデータプロセッサ32は、従来型のデスクトップコンピュータ、ワークステーション、ミニコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、PDA、または、本明細書に記載の図示のシステムで動作するのに適し、本明細書の教示に従って適合された、市販の他のデジタルデータ処理装置であってよい。データプロセッサ32は、中央演算処理装置、メモリ装置、記憶装置、入出力装置、および、本明細書の教示に従ってアプリケーション40を実行するように構成された当分野では従来の種類の他の構成要素(図示せず)を含み、アプリケーション40自体が、関数、サブルーチン、クラスのインスタンス化(例えば、データおよびメソッドメンバを用いた)、および/または、(本明細書の教示に従って適合された当分野における従来の方法で)互いに結合、および、デジタルデータプロセッサ32の要素と結合され、下記(および本明細書の他の箇所)に記載の機能を行うのに適切な他の機能性を含む。デジタルデータプロセッサ32は1つのみ図示、記載されているが、他の実施形態では、より多い、または、より少ない、(ネットワーク化された、または、されていない)デジタルデータプロセッサを使用して、アプリケーション40、デジタルデータプロセッサ32、および/または、デジタルデータ処理システム30の機能を実行してよいことは理解されよう。
【0044】
クライアントのデジタルデータプロセッサ32の中央演算処理装置、メモリ装置、記憶装置、および、入出力装置は、本明細書の教示に従ったソフトウェアアプリケーション40をサポート、および、デジタルデータプロセッサ32の他の動作をサポート、するのに望ましいまたは必要な当分野で既知の種類の他の要素を形成するよう構成されてよい、および/または、当該要素によって補われてよい。他の要素の例には、周辺機器(キーボードやモニタなど)、オペレーティングシステム、データベース管理システム、および、例えば、ネットワーク34を介したデジタルデータプロセッサ32と他の装置の通信をサポートするネットワークインタフェースカードおよびソフトウェアが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
ネットワーク34は、図示のデジタルデータプロセッサ32とデータソース36、38との通信をサポートするのに適切な1つまたは複数のネットワークを含む。ネットワーク34は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、および/または、インターネット等の、当分野で既知の種類の1つまたは複数の構成を含む。
【0046】
データソース36、38は、(本明細書の教示に従って構成されているが)当分野で既知の種類の、従来のデータベース、または、他のデータソースを含む。当該データベースまたはデータソースは、団体12と、その公衆、すなわち、個人10および/または個人10が属する各家庭24〜28との対話に関するデジタルデータにデジタルデータプロセッサ32がアクセスできるように読み出し可能に記憶および/またはストリーミングするためのものである。そのデジタルデータは、購入または他の取引データ、公衆のメンバーによる団体12の物理的スペースまたはサイバースペースのサイトの訪問記録、団体12とその公衆のメールの記録、公衆が購読している新聞、または、公衆の地域でのテレビ、ラジオ、もしくは、広告看板によるマスメディア販売キャンペーンの記録などを含んでよい。そのデジタルデータは、本明細書では、デジタルデータ記録(または、短縮して「記録」)と呼ぶことが多いが、本明細書の教示に従った処理に適切な任意のフォーマットであってよい。
【0047】
[属性]
記録によって表された各対話は、そのデータ記録フォーマットにかかわらず、一般的に、複数の属性に関連付けられている。図示の実施形態においては、これらの属性は、例えば、本明細書の教示に従って適合されたような、(金融取引関係データ等を含む)企業間対話関連のデータに関連付けられた従来のタイプの属性である。属性は、記録内に含まれる、または、(ポインタ、キーワード、インデックス、ID、コード、または、その他によって)記録によって参照される「フィールド」または他の項目であってよい、および/または、属性は、1つまたは複数の記録のバッチに潜在的に含まれてよい。
【0048】
例えば、属性は、団体12の特徴、および、団体12の公衆のメンバーによる団体12との1つまたは複数の対話(例えば、団体12の現実の世界の特定のサイトを特定の日時に実際に訪れること、配達される特定の品目について特定の日に商品の発送センターから電子メールが送られること、特定の品目を特定の価格でウェブサイトから購入すること等)の特徴を暗示的または明示的に反映してよい。
【0049】
当該属性は、また、取引に関わる個人および/または他の団体10の特徴を暗示的または明示的に反映させてよい。これも、例えば、本明細書の教示に従って適合されたような当分野の対話関連のデータに関連付けられた従来のタイプの、「履歴」情報(名前、住所、電話番号など)、金融情報(銀行口座番号またはクレジットカード番号など)などを含んでよい。
【0050】
さらに、当該属性は、例えば、携帯電話やPDA(パーソナルデジタルアシスタント)に関連付けられたタイプの通信装置識別子(例えば、IMEI識別子、MACアドレスなど)や、近距離無線通信(NFC)携帯電話および他の装置に関連付けられたタイプの通信識別子を含んでよい。
【0051】
対話データ記録に関連付けられた属性の1つまたは複数は、別々の個人、および/または、その個人が属する家庭(および/または、他の実施形態においては、その個人が属する企業、社会グループ、または、他のグループ)を確実に特徴付けるとみなされるとして、(例えば、各フィールドに関連付けられたフラグによって、ソフトウェアアプリケーション40のデフォルト設定によって、または、他の方法で)予め指定してよい。一部の実施形態においては、これらの予め指定された属性の例として、クレジットカード番号、電子メールアドレス、通信装置識別子、および/または、航空会社マイレージ(または、他の旅行関連のマイレージ)口座番号などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0052】
対話データ記録と関連付けられ得るがが、別々の個人および/または家庭を確実に特徴付けるとされて予め指定されていない他の属性の例としては、電話番号、割引コードなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0053】
記録に含まれる、または、記録によって参照されるフィールドまたは他の項目から構成される属性に加えて、他のソース、すなわち、対話データ以外のソースからの情報に「基づいた」フィールドまたは項目から集めることができる属性がある。これら他のソースは、例えば、フォーラム、チャットルーム、製品のレビュー、インターネットの他の第三者サイトを含んでよく、限定的でない例として、ユーザID、メッセージの「署名行」、および、(i)対話データの情報と実質的に一致し、(ii)従って、個人および/またはその個人が属する団体を識別しやすい一般的でないテキスト文字列などの形で、情報を提供してよい。従って、対話データにおける一致する情報は、本発明のシステムおよび方法によって、個人および実体を確実に区別しやすい予め指定された属性または他の属性として扱うことができる。
【0054】
図3は、別々の個人、および/または、その個人が属する団体に関わるデータ記録を識別するために、このようなデータ記録を処理するソフトウェアアプリケーション40の動作を示す。上記のように、図示の実施形態においては、分かりやすいように、実体は家庭である。他の実施形態においては、実体は、このような個人が属する企業、社会グループまたは他のグループであってよい。
【0055】
ステップ42において、アプリケーション40は、団体12と個人10との対話を表す入力データ記録を受け入れる。上記のように、この記録は、団体12と、個人が属する1つまたは複数の家庭24〜28との対話を表してもよい。そのデータ記録は、前述のようなフォーマットであってよく、データベースおよび/またはデータストリームなどの1つまたは複数のソースに由来してよい。図示のデータ記録は、明らかに間違った電話番号(例えば、555−555−5555)、未証明または証明できない電子メールアドレスなどの、誤りのある属性を除くために、予め認証されていると仮定する。
【0056】
ステップ44において、アプリケーション40は、予め指定されたとして扱われる属性のタイプ、すなわち、別々の個人、および/またはその個人が属する家庭、を確実に特徴付けると見なされる属性のタイプを示すものを、入力として受け入れる。次の例では、その属性は、電子メールアドレスとクレジットカード番号である。他の例および実施形態においては、代わりに、または、追加で、他の属性を用いてよい。さらに、一部の実施形態においては、予め指定されたとして扱われるべき属性のタイプは、アプリケーション40に予めプログラムされる、および/または、上記データベースおよび/またはデータストリームに関連付けられたヘッダまたは表にフラグをつけるなど、別の方法で示される。
【0057】
さらに、一部の実施形態においては、別々の個人、および/または、その個人が属する家庭を確実に特徴付けるとみなされる属性のタイプがない。これらの実施形態は、下記の識別プロセスを開始するために、任意で、統計的に、または、他の方法で、入力データ記録の中から1つまたは複数の属性タイプを選択し、それを予め指定されたように扱うことによって、下記のように動作することができる。
【0058】
ステップ46において、アプリケーション40は、いわゆる新しく指定される属性、すなわち、別々の個人、および/または、その個人の各家庭を確実に区別しやすい、予め指定された属性以外のデータ記録の属性を識別するプロセスを始める。その目的のために、アプリケーション40は、予め指定された属性に基づいて、データ記録を、本明細書で「データブロブ」と呼ぶ暫定的グループにグループ化する。さらに詳細には、予め指定された属性タイプのいずれかに関して、類似の(または、かなりよく似た)値を有するまたはその値に関連付けられた記録を、データブロブにグループ化する。例えば、予め指定された属性が電子メールアドレスおよびクレジットカード番号というインスタンスにおいては、アプリケーション40は、同じ電子メールアドレスおよび/または同じクレジットカード番号に関連付けられた全ての取引を各データブロブに形成する。
【0059】
ステップ46は、図4を参照するとよりよく理解されよう。図4は、値CC1〜CC5の各クレジットカード属性、値PN1〜PN5の電話番号属性、および、値EM1〜EM2の電子メールアドレス、に関連付けられたサンプルデータ記録60を示す。図4Aは、ステップ46のグループ化の前の記録を示し、図4Bは、グループ化の後の記録を示す。図に示すように、ステップ46の結果、各グループを取り囲む網掛けの図形によって識別されるデータブロブを形成している。アプリケーション40がそれらのグループをどのように作るかをさらに示すために、図4は、クレジットカードの値および/または電子メールアドレスの値をつなぐライン接続の記録を含む。
【0060】
ステップ48において、アプリケーション40は、データ記録に関連付けられた他の属性、すなわち、予め指定された属性以外の属性、のうちから、別々の個人、および/または、その個人が属する家庭を、事実上、確実に区別しやすい属性を新しく指定する。そのために、アプリケーション40は、それらの他の属性のうち、データブロブ間での定量的使用が第1の閾値測度を超えず、かつ、データブロブ内での定量的使用が第2の閾値測度未満にならない属性を識別する。
【0061】
アプリケーション40は、データ記録に関連付けられた他の属性(および/または属性タイプ)の全てに対して繰り返すことができる。または、一部の実施形態においては、例えば、アプリケーション40のデフォルトによって定められされたように、(予め指定されたとして扱われる属性のタイプを示すものと共に)ステップ44で定められたように、または、他の方法で定められたように、それら他の属性(および/またはタイプ)から選択された他の属性に対して、繰り返すことができる。下記に、図4Bに記載のタイプのデータブロブおよびデータ記録に関して、詳細には、どの電話番号属性(または、言い換えれば、属性タイプ電話番号のどの値)がこのような指定に適切か決定することに関して、ステップ48の実行を記載する。データ記録に関連付けられた他のタイプの属性は、当該属性に代えて、および/または追加で、同様に処理してよい。
【0062】
[第1の閾値測度]
図示の実施形態においては、第1の測度は、他の属性の各々が現れるデータブロブの数の計数(または指標)である。例えば、電話番号属性の場合、第1の測度は、任意の特定の電話番号の値が現れるデータブロブの数の計数であり、割引コード属性の指標の場合、任意の特定の割引コードの値が現れるデータブロブの数の計数である。
【0063】
例えば、図4Bのデータブロブを参照すると、電話番号属性の指標は、値PN1は1、PN2は1、PN3は3、PN4は1、PN5は1である。一般的に言うと、指標値が高いほど、偽または誤ったデータであることを示唆している。例えば、図4の記録が購入取引を表す場合、PN3が3つの異なるデータブロブに現れるということは、3人の異なる個人またはその個人の各家庭の取引のデータ記録に現れるということを暗に示し、値PN3は、レジ係、メール/電話の注文を受けた人などによって、間違えて(また、おそらくは、不正に)入力されたことを示唆している。
【0064】
このようなインスタンスを検出するために、図示の実施形態は、第1の測度、ここでは、電話番号属性の指標、に対して低い閾値を利用する。この閾値は、例えば、値1であり、そうすると、クレジットカードおよび/または電子メールアドレスで定義され2つ以上のデータブロブに現れる電話番号属性は、別々の個人、および/または、その個人が属する家庭を確実に区別する新しく指定され得る属性とはみなされない。
【0065】
他の実施形態は、この閾値、および、他の属性または属性タイプの閾値に、異なる値を用いてよい。例えば、クレジットカード番号のみでデータブロブを定義するインスタンスにおいては、例えば、指標が1であることは、あらゆる取引に常に1枚のクレジットカードと自宅の電話番号を使う家庭による取引であることを示し、指標が2であることは、両親が2枚の異なるクレジットカードで買物をするが、同じ自宅電話番号を用いている家庭の取引を示し、指標が4であることは、4枚の異なるクレジットカードを使用して、同じ自宅の電話番号を用いている家庭の取引を示し得るので、電話番号属性の指標の閾値の値を大きくする方が適切である。しかしながら、10の指標は、最も妥当なシナリオでは、ありえないように思われる。
【0066】
[第2の閾値測度]
図示の実施形態において、第2の測度は、所与の属性タイプの、その属性が現れる任意のデータブロブ内においての信頼性を示す定量的測度である。例えば、電話番号属性の場合、第2の測度は、ある具体的な電話番号が現れる任意のブロブにおいて、そのブロブの記録に関連付けられた予め指定された属性の別々の組合せの数に対する、そのブロブ内の別々の電話番号の数の最大比である。最大比は、ここでは、便宜上、電話番号属性のブロブ多様性と呼ぶ。
【0067】
さらなる例としては、割引コード属性の場合、第2の測度は、割引コードブロブ多様性、すなわち、ある具体的な割引コード属性が現れる任意のブロブにおいて、そのブロブの記録に関連付けられた予め指定された属性の別々の組合せの数に対する、そのブロブ内の別々の割引コードの数の最大比である。
【0068】
例えば、図4Bのデータブロブを参照して、電話番号属性の多様性PN1は1、すなわち、最大比は、
・3/3(左上のブロブの別々の電話番号の数を、同じブロブの記録に関連付けられた予め指定された属性の別々の組合せの数で割る)
・3/3(右上のブロブの別々の電話番号の数を、同じブロブの記録に関連付けられた予め指定された属性の別々の組合せの数で割る)
・1/1(一番下のブロブの別々の電話番号の数を、同じブロブの記録に関連付けられた予め指定された属性の別々の組合せの数によって割る)
となる。
【0069】
同様に、さらなる例としては、電話番号属性PN2の多様性は、1すなわち3/3である(PN2が現れる唯一のブロブの別々の電話番号の数を、同じブロブの記録に関連付けられた予め指定された属性の別々の組合せの数で割る)
一般的に言うと、ブロブ多様性の値が高いということは、偽または誤ったデータを示唆している。例えば、図4に示すタイプの購入取引記録に関して、高い多様性を有する電話番号属性は、各取引に使用する電話番号をねつ造している個人または家庭を示唆し得る。
【0070】
このようなインスタンスを検出するために、図示の実施形態は、第2の測度、ここでは、電話番号属性ブロブ多様性に対して、低い閾値を利用する。例えば、クレジットカード番号および電子メールアドレスによって定義されたデータブロブのインスタンスにおいては、ブロブ多様性が1であることは、1人の親が、1枚のクレジットカードのみを用いて、1つの電子メールアドレスと自宅の電話番号を常に提供している家庭の取引を示すことができ、1/2であることは、両親が、2枚の異なるクレジットカードで買物をし、同じ電子メールアドレスと自宅の電話番号を提供している家庭を示すことができ、3/2であることは、両親が同じクレジットカードで買い物をしているが、2つの異なる電子メールアドレスと、2つの異なる携帯電話番号と、時には自宅の電話番号を提供している家庭を示すことができる。しかしながら、10の指標は、最も妥当なシナリオでは、ありえないように思われる。
【0071】
[他のソースからの属性を示唆する情報]
ステップ48の実行は、追加の属性をデータ記録から集めるための情報を求めて、フォーラム、チャットルーム、製品のレビュー、インターネットの他のサイト、および、当該データ記録以外の他のソースを検索することを含むことができる。このために、アプリケーション40は、ウェブページ、および、このようなソースからの他の記憶(ストリーム)された情報を解析して、ユーザID、メッセージの「署名行」、および、対話データに含まれたテキストまたは他のデータと一致する一般的でないテキスト文字列を識別することができる。完全一致または大幅な一致を発見すると、アプリケーション40は、その一致情報を、前述の記載に従った処理の属性として扱って、個人、および/または、その個人が属する団体を確実に区別しそうか否かを見分けることができる。
【0072】
[データ記録の再グループ化]
図3に戻り、ステップ50において、アプリケーション40は、新しく指定された属性の少なくとも1つに基づいて、一般的には、予め指定された属性と新しく指定された属性の組合せに基づいて、データを、絞り込まれたデータブロブに再グループ化する。より詳細には、アプリケーション40は、それらの属性の任意の属性に関して、類似の(かなりよく似た)値を有するまたは当該値に関連付けられた記録を絞り込まれたデータブロブにグループ化する。例えば、予め指定された属性が、電子メールアドレスとクレジットカード番号であるインスタンスにおいて、一部の電話番号が、別々の個人、および/または、その家庭を確実に区別しやすいと、ステップ48において識別、指定された場合、アプリケーション40は、同じ電子メールアドレスおよび/または同じクレジットカード番号、および/または、その新しく指定された電話番号に関連付けられた全ての取引を、各絞り込まれたブロブに形成する。
【0073】
上述のように、アプリケーション40は、データ記録に関連付けられた全ての属性(および/または属性タイプ)に対して、または、例えば、デフォルトまたは他の方法で定められたそれらの属性および/またはタイプのうちの選択された属性に対して、繰り返すことができる。従って、例えば、アプリケーション40は、別々の個人、および/または、その個人が属する家庭を確実に区別する属性タイプ「電話番号」(または、より簡単に言うと、具体的な電話番号)を識別、指定することができる。または、さらなる例としては、アプリケーション40は、個人、および/または、その家庭を確実に区別する属性タイプ「電話番号」および「旅行関連のマイレージ口座番号」を識別することができる。このために、アプリケーション40は、例えば、ステップ46で最初に作成されたブロブを用いて、各属性タイプに対してステップ48を繰り返すことができる、または、ステップ50で形成された絞り込まれたグループを用いて各属性タイプ全てに繰り返すことができる。どちらの方法も、図面において点線で示される。
【0074】
ステップ50に関して、上記のように記録を正式に再グループ化する代わりに、または、それに加えて、アプリケーション40は、共通の「団体」ID、「家庭」ID、または、何らかの他の一意の値を、絞り込まれたデータブロブを構成する記録の各々に割り当てることができる。これらのIDまたは他の値は、そのIDが割り当てられた記録と共に、これらのIDまたは他の値が関連付けられた個人、および/または、家庭や他の団体による追跡活動、さらなる分析活動、および/または、報告活動のために、下流のソフトウェアに送信することができる。
【0075】
特に、上記目的をかなえるシステム、装置、および、方法を記載したが、本明細書に記載し、図面に示した実施形態は、本発明の一例にすぎず、変更を行った他の実施形態も、請求を行う本明細書の範囲に該当することは理解されよう。
図1
図2
図3
図4A
図4B