【実施例】
【0037】
(第1実施例)
以下、本発明の態様に係る各実施例を添付図面に基づいて説明する。まず、本発明の態様に係る第1実施例について
図1〜
図2および表1を用いて説明する。
図1(a)は、望遠鏡TSCおよび双眼鏡BFGに用いられる観察光学系LS(LS1)の第1実施例(32口径)を示している。第1実施例に係る観察光学系LS1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、対物光学系OBと、対物光学系OBにより形成される像を正立化するための正立光学系PRと、対物光学系OBにより形成される像を観察するための接眼光学系EPとを備えている。
【0038】
対物光学系OBは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成される。第1レンズ群G1は、正レンズと負レンズの接合正レンズから構成される。第2レンズ群G2は、1枚の正レンズから構成される。第3レンズ群G3は、1枚の負レンズから構成される。
【0039】
第2レンズ群G2および第3レンズ群G3は、防振光学系として回転中心点Oを中心に(x軸と平行な軸回りに)一体的に回転し、手振れ等による像の補正を行うようになっている。回転中心点Oは、第2レンズ群G2の最も物体側の面と第3レンズ群G3の最もアイポイント側の面との中間の光軸上に配置される。
図1(b)は、手振れ補正時(防振光学系を回転させた時)における、0割(軸上)、5割、10割(最大画角)の主光線の変化を示している。
【0040】
正立光学系PRは、補助プリズムP1とダハプリズムP2とを用いた正立プリズムから構成される。接眼光学系EPは、単レンズである第1接眼レンズE1と、単レンズである第2接眼レンズE2と、接合レンズである第3接眼レンズE3と、単レンズである第4接眼レンズE4とから構成される。なお、説明容易化のため、
図1において、補助プリズムP1およびダハプリズムP2を模式的に記載している。
【0041】
以下に、表1〜表4を示すが、これらは第1〜
第3実施例及び参考例に係る観察光学系LSの諸元の値をそれぞれ掲げた表である。各表の[諸元データ]において、fは対物光学系OB全系の焦点距離を、f1は第1レンズ群G1の焦点距離を、fv1は第2レンズ群G2の焦点距離を、fv2は第3レンズ群G3の焦点距離を、それぞれ示す。また、[諸元データ]において、β1は第2レンズ群G2の無限遠物体に対する結像倍率を、β2は第3レンズ群G3の無限遠物体に対する結像倍率を、β12は防振光学系の無限遠物体に対する結像倍率を、Odは第2レンズ群G2の最も物体側の面から回転中心点Oまでの距離を、それぞれ示す。
【0042】
[レンズデータ]において、面番号は物体側から数えた各レンズ面の番号を、Rは各レンズ面の曲率半径を、Dは各レンズ面の間隔を、ndはd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率を、νdはd線(波長λ=587.6nm)に対するアッベ数を、それぞれ示す。なお、曲率半径「∞」は平面を示し、空気の屈折率nd=1.0000はその記載を省略している。また、[回転変位データ]において、Δy(θ)は防振光学系の光軸を対物光学系OBの光軸に対してθだけ回転させたときの各面の頂点のy軸方向の変位を、Δz(θ)は防振光学系の光軸を対物光学系OBの光軸に対してθだけ回転させたときの各面の頂点のz軸方向の変位を、それぞれ示す。[条件式対応値]には、各条件式の対応値をそれぞれ示す。
【0043】
なお、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径R、その他の長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、後述の第2〜
第3実施例及び参考例の諸元値においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0044】
下の表1に、第1実施例における各諸元を示す。なお、表1における第1面〜第21面の曲率半径Rは、
図1における第1面〜第21面に付した符号R1〜R21に対応している。また、第14面は仮想面であり、
図1において図示を省略している。また、第22面からの面間隔は最終レンズ面(第21面)からアイポイントEyeまでの距離(アイレリーフ)である。
【0045】
(表1)
[諸元データ]
口径(Dm):32
倍率:12
実視界(単位:°):5
f=160
f1=177.7778
fv1=78.50461
fv2=-51.5842
β1=0.321429
β2=2.8
β12=0.9
Od=11.25
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd
1 123.8952 5 1.58913 61.25
2 -52.4236 1.7 1.63980 34.57
3 -344.505 9.200012
4 42.01402 5 1.62041 60.34
5 291.8954 15
6 -5000 2.5 1.62041 60.34
7 32.21564 15
8 ∞ 50 1.56883 56.04
9 ∞ 1.2
10 ∞ 41 1.56883 56.04
11 ∞ 10
12 -90 1.5 1.51680 64.20
13 36.45254 9.148863
14 ∞ 8.312495
15 -90 4 1.51680 64.20
16 -20.3404 0.2
17 2496.21 1.5 1.84666 23.78
18 18.6 8 1.69680 55.46
19 -31.9715 0.2
20 17.5 5 1.62041 60.34
21 176.9582 0
22 ― 15.56361
[回転変位データ]
面番号 Δy(4°) Δz(4°)
4 -0.78476 0.027404
5 -0.43598 0.015225
6 0.610369 -0.02131
7 0.78476 -0.0274
[条件式対応値]
条件式(1) |(Dm/f1)×θm|=0.012566
条件式(2) |fv1/f|=0.4907
条件式(3) |fv2/f|=0.3224
条件式(4) |β12|=0.9
【0046】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
【0047】
図2は、第1実施例における防振光学系を0°、2°、4°だけ回転させたときの0割(軸上)と5割(画角:±1.25°)の横収差を表している(単位は′)。なお、防振光学系の回転角度θが2°(0.035[rad])の場合、物体側における防振補正角度は0.64°に相当する。また、防振光学系の回転角度θが4°(0.070[rad])の場合、物体側における防振補正角度は1.07°に相当する。各収差図より、第1実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、第1実施例の観察光学系LS1を搭載することにより、望遠鏡TSCおよび双眼鏡BFGにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0048】
(第2実施例)
以下、本発明の態様に係る第2実施例について
図3〜
図4および表2を用いて説明する。
図3(a)は、望遠鏡TSCおよび双眼鏡BFGに用いられる観察光学系LS(LS2)の第2実施例(32口径)を示している。第2実施例に係る観察光学系LS2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、対物光学系OBと、対物光学系OBにより形成される像を正立化するための正立光学系PRと、対物光学系OBにより形成される像を観察するための接眼光学系EPとを備えている。
【0049】
対物光学系OBは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成される。第1レンズ群G1は、正レンズと負レンズの接合正レンズから構成される。第2レンズ群G2は、負レンズと正レンズの接合正レンズから構成される。第3レンズ群G3は、正レンズと負レンズの接合負レンズから構成される。
【0050】
第2レンズ群G2および第3レンズ群G3は、防振光学系として回転中心点Oを中心に(x軸と平行な軸回りに)一体的に回転し、手振れ等による像の補正を行うようになっている。回転中心点Oは、第2レンズ群G2の最も物体側の面と第3レンズ群G3の最もアイポイント側の面との中間の光軸上に配置される。
図3(b)は、手振れ補正時(防振光学系を回転させた時)における、0割(軸上)、5割、10割(最大画角)の主光線の変化を示している。
【0051】
正立光学系PRは、補助プリズムP1とダハプリズムP2とを用いた正立プリズムから構成される。接眼光学系EPは、単レンズである第1接眼レンズE1と、単レンズである第2接眼レンズE2と、接合レンズである第3接眼レンズE3と、単レンズである第4接眼レンズE4とから構成される。なお、説明容易化のため、
図3において、補助プリズムP1およびダハプリズムP2を模式的に記載している。
【0052】
下の表2に、第2実施例における各諸元を示す。なお、表2における第1面〜第23面の曲率半径Rは、
図3における第1面〜第23面に付した符号R1〜R23に対応している。また、第16面は仮想面であり、
図3において図示を省略している。また、第24面からの面間隔は最終レンズ面(第23面)からアイポイントEyeまでの距離(アイレリーフ)である。
【0053】
(表2)
[諸元データ]
口径(Dm):32
倍率:12
実視界(単位:°):5
f=159.9954
f1=177.7766
fv1=81.40568
fv2=-52.6745
β1=0.321429
β2=2.8
β12=0.900002
Od=12
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd
1 117.7685 5 1.58913 61.25
2 -54.8811 1.7 1.63980 34.57
3 -409.448 3.20003
4 45.11286 1 1.64769 33.84
5 30.2561 5 1.67000 57.35
6 226.0765 15
7 334.1271 2 1.64769 33.84
8 -52.278 1 1.67000 57.35
9 32.58083 18
10 ∞ 50 1.56883 56.04
11 ∞ 1.2
12 ∞ 41 1.56883 56.04
13 ∞ 10
14 -90 1.5 1.51680 64.20
15 36.45254 7.958721
16 ∞ 8.11424
17 -90 4 1.51680 64.20
18 -19.63 0.2
19 3147.821 1.5 1.84666 23.78
20 18.64506 8 1.69680 55.46
21 -32.7346 0.2
22 17.5 5 1.62041 60.34
23 237.0839 0
24 ― 15.12728
[回転変位データ]
面番号 Δy(5.5°) Δz(5.5°)
4 -1.1501 -11.9448
5 -1.0543 -10.9494
6 -0.5751 -5.9724
7 0.8626 8.9586
8 1.0543 10.9494
9 1.1501 11.9448
[条件式対応値]
条件式(1) |(Dm/f1)×θm|=0.017279
条件式(2) |fv1/f|=0.5088
条件式(3) |fv2/f|=0.3292
条件式(4) |β12|=0.900002
【0054】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
【0055】
図4は、第2実施例における防振光学系を0°、3°、5.5°だけ回転させたときの0割(軸上)と5割(画角:±1.25°)の横収差を表している(単位は′)。なお、防振光学系の回転角度θが3°(0.052[rad])の場合、物体側における防振補正角度は0.42°に相当する。また、防振光学系の回転角度θが5.5°(0.096[rad])の場合、物体側における防振補正角度は1.03°に相当する。各収差図より、第2実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、第2実施例の観察光学系LS2を搭載することにより、望遠鏡TSCおよび双眼鏡BFGにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0056】
(第3実施例)
以下、本発明の態様に係る第3実施例について
図5〜
図6および表3を用いて説明する。
図5(a)は、望遠鏡TSCおよび双眼鏡BFGに用いられる観察光学系LS(LS3)の第3実施例(42口径)を示している。第3実施例に係る観察光学系LS3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、対物光学系OBと、対物光学系OBにより形成される像を正立化するための正立光学系PRと、対物光学系OBにより形成される像を観察するための接眼光学系EPとを備えている。
【0057】
対物光学系OBは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成される。第1レンズ群G1は、正レンズと負レンズの接合正レンズから構成される。第2レンズ群G2は、負レンズと正レンズの接合正レンズから構成される。第3レンズ群G3は、正レンズと負レンズの接合負レンズから構成される。
【0058】
第2レンズ群G2および第3レンズ群G3は、防振光学系として回転中心点Oを中心に(x軸と平行な軸回りに)一体的に回転し、手振れ等による像の補正を行うようになっている。回転中心点Oは、第2レンズ群G2の最も物体側の面と第3レンズ群G3の最もアイポイント側の面との中間の光軸上に配置される。
図5(b)は、手振れ補正時(防振光学系を回転させた時)における、0割(軸上)、5割、10割(最大画角)の主光線の変化を示している。
【0059】
正立光学系PRは、補助プリズムP1とダハプリズムP2とを用いた正立プリズムから構成される。接眼光学系EPは、単レンズである第1接眼レンズE1と、単レンズである第2接眼レンズE2と、接合レンズである第3接眼レンズE3と、単レンズである第4接眼レンズE4とから構成される。なお、説明容易化のため、
図5において、補助プリズムP1およびダハプリズムP2を模式的に記載している。
【0060】
下の表3に、第3実施例における各諸元を示す。なお、表3における第1面〜第23面の曲率半径Rは、
図5における第1面〜第23面に付した符号R1〜R23に対応している。また、第16面は仮想面であり、
図5において図示を省略している。また、第24面からの面間隔は最終レンズ面(第23面)からアイポイントEyeまでの距離(アイレリーフ)である。
【0061】
(表3)
[諸元データ]
口径(Dm):42
倍率:12
実視界(単位:°):5
f=180
f1=200
fv1=96.47317
fv2=-57.021
β1=0.360005
β2=2.5
β12=0.900013
Od=15.76046
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd
1 111.3414 6.5 1.58913 61.25
2 -94.7215 2 1.63980 34.57
3 -2680 24.33875
4 47.69163 2 1.66755 41.93
5 29.61308 7 1.61800 63.34
6 289.2566 18.02091
7 -2184.3 3 1.62004 36.30
8 -87.1396 1.5 1.61800 63.34
9 35.7976 7.6517
10 ∞ 50 1.56883 56.04
11 ∞ 1.2
12 ∞ 41 1.56883 56.04
13 ∞ 10
14 -90 1.5 1.51680 64.20
15 41.78046 8.99949
16 ∞ 9.087886
17 -90 6 1.51680 64.20
18 -20.0545 0.2
19 369.963 1.5 1.84666 23.78
20 20.49168 8 1.69680 55.46
21 -44.9397 0.2
22 18.93301 5 1.62041 60.34
23 150 0
24 ― 17.46637
[回転変位データ]
面番号 Δy(4°) Δz(4°)
4 -1.0994 0.0384
5 -0.9599 0.0335
6 -0.4716 0.0165
7 0.7855 -0.0274
8 0.9948 -0.0347
9 1.0994 -0.0384
[条件式対応値]
条件式(1) |(Dm/f1)×θm|=0.014661
条件式(2) |fv1/f|=0.5360
条件式(3) |fv2/f|=0.3168
条件式(4) |β12|=0.900013
【0062】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
【0063】
図6は、第3実施例における防振光学系を0°、2°、4°だけ回転させたときの0割(軸上)と5割(画角:±1.25°)の横収差を表している(単位は′)。なお、防振光学系の回転角度θが2°(0.035[rad])の場合、物体側における防振補正角度は0.63°に相当する。また、防振光学系の回転角度θが4°(0.070[rad])の場合、物体側における防振補正角度は1.05°に相当する。各収差図より、第3実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、第3実施例の観察光学系LS3を搭載することにより、望遠鏡TSCおよび双眼鏡BFGにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0064】
(
参考例)
以下、
参考例について
図7〜
図8および表4を用いて説明する。
図7(a)は、望遠鏡TSCおよび双眼鏡BFGに用いられる観察光学系LS(LS4)の
参考例(20口径)を示している。
参考例に係る観察光学系LS4は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、対物光学系OBと、対物光学系OBにより形成される像を正立化するための正立光学系PRと、対物光学系OBにより形成される像を観察するための接眼光学系EPとを備えている。
【0065】
対物光学系OBは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とから構成される。第1レンズ群G1は、正レンズと負レンズの接合正レンズから構成される。第2レンズ群G2は、負レンズと正レンズの接合正レンズから構成される。第3レンズ群G3は、正レンズと負レンズの接合負レンズから構成される。
【0066】
第2レンズ群G2および第3レンズ群G3は、防振光学系として回転中心点Oを中心に(x軸と平行な軸回りに)一体的に回転し、手振れ等による像の補正を行うようになっている。回転中心点Oは、第2レンズ群G2の最も物体側の面の頂点(光軸)上に配置される。
図7(b)は、手振れ補正時(防振光学系を回転させた時)における、0割(軸上)、5割、10割(最大画角)の主光線の変化を示している。
【0067】
正立光学系PRは、補助プリズムP1とダハプリズムP2とを用いた正立プリズムから構成される。接眼光学系EPは、単レンズである第1接眼レンズE1と、単レンズである第2接眼レンズE2と、接合レンズである第3接眼レンズE3と、単レンズである第4接眼レンズE4とから構成される。なお、説明容易化のため、
図5において、補助プリズムP1およびダハプリズムP2を模式的に記載している。
【0068】
下の表4に、
参考例における各諸元を示す。なお、表4における第1面〜第23面の曲率半径Rは、
図7における第1面〜第23面に付した符号R1〜R23に対応している。また、第16面は仮想面であり、
図7において図示を省略している。また、第24面からの面間隔は最終レンズ面(第23面)からアイポイントEyeまでの距離(アイレリーフ)である。
【0069】
(表4)
[諸元データ]
口径(Dm):20
倍率:12
実視界(単位:°):5
f=150.0053
f1=166.6661
fv1=72.36753
fv2=-50.5549
β1=0.321433
β2=2.80007
β12=0.900035
Od=0
[レンズデータ]
面番号 R D nd νd
1 108.6172 3 1.58913 61.25
2 -46.2598 1 1.62004 36.40
3 -494.442 11.97135
4 43.62804 1 1.67270 32.18
5 27.08974 3 1.67000 57.35
6 429.718 12.22934
7 -800 2 1.67270 32.18
8 -33.3302 1 1.67000 57.35
9 35.27626 15
10 ∞ 50 1.56883 56.04
11 ∞ 1.2
12 ∞ 41 1.56883 56.04
13 ∞ 10
14 -90 1.5 1.51680 64.20
15 31.53715 6.65991
16 ∞ 8.011748
17 -90 4 1.51680 64.20
18 -18.8259 0.2
19 193.0207 1.5 1.84666 23.78
20 18.62844 6 1.69680 55.46
21 -35.0506 0.2
22 17.5 4 1.62041 60.34
23 133403 0
24 ― 13.97049
[回転変位データ]
面番号 Δy(5°) Δz(5°)
4 0.0000 0.0000
5 0.0872 -0.0038
6 0.3486 -0.0152
7 1.4145 -0.0618
8 1.5888 -0.0694
9 1.6759 -0.0732
[条件式対応値]
条件式(1) |(Dm/f1)×θm|=0.010472
条件式(2) |fv1/f|=0.5088
条件式(3) |fv2/f|=0.3292
条件式(4) |β12|=0.900035
【0070】
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
【0071】
図8は、
参考例における防振光学系を0°、3°、5°だけ回転させたときの0割(軸上)と5割(画角:±1.25°)の横収差を表している(単位は′)。なお、防振光学系の回転角度θが3°(0.052[rad])の場合、物体側における防振補正角度は0.75°に相当する。また、防振光学系の回転角度θが5°(0.087[rad])の場合、物体側における防振補正角度は1.13°に相当する。各収差図より、
参考例では、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることがわかる。その結果、
参考例の観察光学系LS4を搭載することにより、望遠鏡TSCおよび双眼鏡BFGにおいても、優れた光学性能を確保することができる。
【0072】
以上、各実施例によれば、大きな手振れ等にも対応できる防振機能を有しながら、良好な光学性能を有した望遠鏡TSC双眼鏡BFGを実現することができる。
【0073】
なお、上述の各実施形態において、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
【0074】
各実施形態の実施例において、3つのレンズ群で構成される対物光学系を示したが、4つのレンズ群、5つのレンズ群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最もアイポイント側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
【0075】
上述の各実施形態において、レンズ面が球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしても良い。
【0076】
上述の各実施形態において、開口絞りは、対物光学系OB内に設けられる。例えば、開口絞りは、第1レンズ群G1の入射面に配置される。なお、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用しても良い。
【0077】
上述の各実施形態において、各レンズ面に、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。
【0078】
上述の各実施形態において、ズームレンズ(変倍光学系)を備えてもよい。例えば、各実施形態の接眼光学系に代えて、接眼ズーム光学系を設けても良い。接眼ズーム光学系は、3つのレンズ群で構成され、第3レンズ群が、正レンズ成分を2つと、負レンズ成分を1つ有し、物体側から順に、凹凸凸の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
【0079】
上述の各実施形態において、対物光学系OBの光軸は、第1レンズ群G1の光軸と第2レンズ群G2の光軸と第3レンズ群G3の光軸とに共通する軸である。なお、第1レンズ群G1の光軸と第2レンズ群G2の光軸と第3レンズ群G3の光軸との少なくとも1つの光軸が異なる軸上に存在する場合、第1レンズ群G1の光軸と第2レンズ群G2の光軸と第3レンズ群G3の光軸とのうちの一つの光軸を、対物光学系OBの光軸とみなしても良い。