(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6145540
(24)【登録日】2017年5月19日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】自動車のシール構造
(51)【国際特許分類】
B60J 10/27 20160101AFI20170607BHJP
B60J 10/32 20160101ALI20170607BHJP
B60J 10/16 20160101ALI20170607BHJP
B60J 10/84 20160101ALI20170607BHJP
【FI】
B60J10/27
B60J10/32
B60J10/16
B60J10/84
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-115291(P2016-115291)
(22)【出願日】2016年6月9日
【審査請求日】2017年1月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】小川 浩史
(72)【発明者】
【氏名】前崎 論
(72)【発明者】
【氏名】米田 佳代
(72)【発明者】
【氏名】永井 啓介
(72)【発明者】
【氏名】谷 卓也
【審査官】
高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−329623(JP,A)
【文献】
実開平03−032542(JP,U)
【文献】
特開平11−078541(JP,A)
【文献】
特開平10−324162(JP,A)
【文献】
特開2002−137693(JP,A)
【文献】
特開2003−072382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 10/00−10/90
B60R 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア開口周縁部に沿うとともに内周方向に向かって立設されたフランジに取付けられた車内側側壁,車外側側壁,及びこれらを接続する連結壁からなる断面略U字状で内方には複数の保持リップが形成された取付基部と、その取付基部の車外側側壁に設けられドアパネル又はドアガラスに弾接するシール部からなるウェザーストリップと、そのウェザーストリップの取付基部の車内側側壁の車内側に設けられた内装部材を備える自動車のシール構造であって、
前記内装部材の端部を、前記ウェザーストリップの取付基部の連結壁に向かって延設するとともに、
前記取付基部の車外側側壁と連結壁の接続部外周に、前記内周方向に向かって突出して前記内装部材の端部を車外側から覆い隠す塊状の突起部を設けてなり、前記突起部の車内外方向の幅を前記突起部の突出長以上にしたことを特徴とする自動車のシール構造。
【請求項2】
前記フランジは、独立して開閉可能な前記ドアガラスが取付けられた開閉自在のバックドアから立設され、前記ウェザーストリップのシール部は前記ドアガラスに弾接することを特徴とする請求項1に記載の自動車のシール構造。
【請求項3】
前記内装部材の端部は上方から下方に向けて折曲されてなることを特徴とする請求項2に記載の自動車のシール構造。
【請求項4】
前記突起部はスポンジ材からなり、前記取付基部はソリッド材からなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の自動車のシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア開口周縁部に沿って立設されたフランジに取付けられるウェザーストリップの車内側に内装部材が設けられてなる自動車のシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7に示すように、バックドア1にガラスハッチ2が設定された自動車が知られている。これは、図示しないヒンジを介して上下方向に開閉自在のバックドア1の中央に、独立してヒンジ2a,2bを介して上下方向に開閉可能にガラスハッチ(ドアガラス)2が取付けられたもので、例えば、
図7(b)に示すように、バックドア1を閉じた状態でガラスハッチ2を外側に向けて開放することができる。
そして、バックドア1とガラスハッチ2の間には、
図8に示すように、ウェザーストリップ10が設けられている。
【0003】
ウェザーストリップ10は、バックドア1におけるガラスハッチ2の開口部の周縁部に沿って立設されたフランジFに取付けられた車内側側壁11a,車外側側壁11b,及びこれらを接続する連結壁11cからなる断面略コ字状で、内方には複数の保持リップ11dが形成された取付基部11と、その取付基部11の車外側側壁11bに設けられガラスハッチ2に弾接する中空シール部12を備えている。なお、取付基部11には断面略コ字状の芯材13が埋設され剛性アップが図られている。
【0004】
また、ウェザーストリップ10の取付基部11の車内側側壁11aのさらに車内側には内装部材20が設けられ、内装部材20の端部20aは、取付基部11の車内側側壁11aに対して突き当ての合わせになっている。
このとき、内装部材20の端部20aにバラつきが生じると内装部材20の端部20aと取付基部11の車内側側壁11aの間に隙間が生じるので、ガラスハッチ2の開口部の特に下部の部位では、外部からフランジFが立設されたドアパネル1aの色が見えてしまう。また、内装部材20の端部20aも露出するので外観上見栄えが悪いといった問題があった。
さらには、荷物を取り出すときに中空シール部12に当接して破れを生じるおそれもある。
【0005】
これに対して、バックドア1に関するものではないが、
図9及び
図10に示すように、自動車のセンターピラーに立設されたフランジFFに取付けられたシーミングウェルト30に設けられた断面略舌状のリップ部31で内装部材40の端部40aを覆い隠したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に記載された発明は、シーミングウェルト30の本体部に当接部32を形成し、この当接部32を内装部材40の端部40aに当接することで、シーミングウェルト30を内装部材40基準で取付けることができるため、シーミングウェルト30に形成したリップ部31に波打ち現象が生じることがなく外観上の見栄えをよくすることができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭61−101058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、シーミングウェルト30に当接部32をシーミングウェルト30とリップ部31とで形成される空間のコーナー部に形成する必要があるので構造が複雑で製造も困難である。
また、
図7で示した、バックドア1にガラスハッチ2が設定された自動車の場合、ウェザーストリップ10をフランジFに取付けて建付けの調整をした後に、内装部材20を組付ける作業工程をすることがあるのでウェザーストリップ10に対して、
図10に示したようなリップ部31を設定することはできない。これは、リップ部31の裏側に内装部材20の端部20aを配置するのが困難なためである。
【0009】
そこで、本発明の目的とするところは、内装部材の位置に多少のバラつきが生じたとしても外観上の見栄えを悪くすることのない自動車のシール構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、ドア開口周縁部に沿うとともに内周方向に向かって立設されたフランジ(F)に取付けられた車内側側壁(11a),車外側側壁(11b),及びこれらを接続する連結壁(11c)からなる断面略U字状で内方には複数の保持リップ(11d)が形成された取付基部(11)と、その取付基部(11)の車外側側壁(11b)に設けられドアパネル又はドアガラス(2)に弾接するシール部(12)からなるウェザーストリップ(10)と、そのウェザーストリップ(10)の取付基部(11)の車内側側壁(11a)の車内側に設けられた内装部材(50)を備える自動車のシール構造であって、
前記内装部材(50)の端部(50a)を、前記ウェザーストリップ(10)の取付基部(11)の連結壁(11c)に向かって延設するとともに、
前記取付基部(11)の車外側側壁(11b)と連結壁(11c)の接続部外周に、前記内周方向に向かって突出して前記内装部材(50)の端部(50a)を車外側から覆い隠す
塊状の突起部(100)を設けてなり、前記突起部(100)の車内外方向の幅(W)を前記突起部(100)の突出長(T)以上にしたことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記フランジ(F)は、独立して開閉可能な前記ドアガラス(2)が取付けられた開閉自在のバックドア(1)から立設され、前記ウェザーストリップ(10)のシール部(12)は前記ドアガラス(2)に弾接することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記内装部材(50)の端部(50a)は上方から下方に向けて折曲されてなることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記突起部(100)はスポンジ材からなり、前記取付基部(11)はソリッド材からなることを特徴とする。
【0014】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0015】
本発明の自動車のシール構造によれば、ドア開口周縁部に沿って立設されたフランジに取付けられたウェザーストリップの断面略U字状の取付基部を構成する車内側側壁の車内側に設けられた内装部材の端部を、取付基部の連結壁に向かって延設するとともに、取付基部の車外側側壁と連結壁の接続部外周に、ドア開口の内周方向に向かって突出する、
車内外方向の幅を突出長以上にした、塊状の突起部を設けて内装部材の端部を車外側から覆い隠すようにしたので、内装部材の端部が露出することを防止することができる。
また、内装部材のバラつきによりその端部と取付基部との間に隙間が生じても突起部で覆い隠され、外部からドアパネルの色が見えることもない。
【0016】
ここでいう、「突起部」とは、従来例(
図10)で記載したように断面略舌状のリップ部を除くものであることを意味する。
つまり、独立して開閉可能なドアガラス(ガラスハッチ)が取付けられた開閉自在のバックドアを有するタイプの自動車において、バックドアの下部(下辺)から立設されたフランジに取付けられたウェザーストリップのシール部をドアガラスに弾接させるものでは、ウェザーストリップをフランジに取付けた後に内装部材を組付ける建付工程であるため、ウェザーストリップの取付基部に、従来例で示したような、断面略舌状のリップ部を設けることができないが、突起部を取付基部に設けたものでは内装部材を後組みすることは可能である。また、仮に断面略舌状のリップ部を設けることができたとしてもバックドアの下部(下辺)以外では、内装部材の組付け作業の邪魔になったり、小さな曲率半径のコーナーに沿わして組付ける場合に見栄えが悪くなるなどの理由から、リップ部は不要になるので切欠きする必要があるが、本発明のように、突起部を設けたものでは形状が小さく目立ちにくいので切欠きする必要はない。
【0017】
しかも、内装部材の端部は、取付基部の連結壁に向かって延設されていて内装部材の位置を、取付基部に設けられたシール部の位置よりも上方にすることができるので、これによれば、荷物を取り出す時に荷物の引きずりによってシール部を破損させる恐れを回避することができる。
【0018】
また、本発明によれば、内装部材の端部を上方から下方に向けて折曲しているのでその端部を取付基部の連結壁に略垂直方向にして、連結壁に当接させるかあるいは多少の隙間を設けて連結壁に相対向させることができ、これによれば、内装部材の後組みが容易になる。
【0019】
また、本発明によれば、取付基部をソリッド材とするのに対して突起部をスポンジ材とするのでバラつきを一層吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る自動車のシール構造を示す
図7のA−A線拡大断面図である。
【
図2】
図1に示すウェザーストリップの拡大断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る自動車のシール構造の要部を示す拡大断面図である。
【
図4】
図3に示す内装部材のウェザーストリップの取付基部に対する位置にバラつきが生じた場合を示す拡大断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る別の自動車のシール構造の要部を示す拡大断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るさらに別の自動車のシール構造を示す
図9のB−B線拡大断面図である。
【
図7】ガラスハッチが取付けられたバックドアを有する自動車を後方から斜視図であり、(a)はガラスハッチを閉鎖した状態,(b)はガラスハッチを開放した状態を示す。
【
図8】従来例に係る自動車のシール構造を示す
図7のA−A線拡大断面図である。
【
図10】従来例に係る別の自動車のシール構造を示す
図9のB−B線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至
図3及び
図7を参照して、本発明の実施形態に係る自動車のシール構造について説明する。
これは、
図6で示したように、ヒンジ(図示しない)を介して上下方向に開閉自在のバックドア1の中央に、独立してヒンジ2a,2bを介して上下方向に開閉可能にガラスハッチ(ドアガラス)2が取付けられたタイプの自動車において、バックドア1とガラスハッチ2間をウェザーストリップ10で塞ぐとともにそのウェザーストリップ10の車内側に内装部材50が設けられたシール構造に関するものである。
【0022】
図1に示すように、ウェザーストリップ10は、バックドア1から立設されたフランジFに取付けられ、ガラスハッチ2の閉時にその車内側のガラス面に弾接して車内外をシールしている。
フランジFは、ガラスハッチ2の開口部の周縁(ドア開口周縁部)に沿った全周において内周方向に向かって立設されている。
図1のように、ガラスハッチ2の下方にあるバックドア1の下部(下辺)ではフランジFは上方に向けて立設されている。なお、内装部材50はバックドア1の内装材でありバックドア1の下部(下辺)に設けられ、上部及び左右横部では設けられていない。バックドア1の開閉時にウェザーストリップ10及び内装部材50はバックドア1とともに回転するようになっている。
【0023】
ウェザーストリップ10は、
図2に示すように、取付基部11と中空シール部12からなる。
取付基部11は、車内側側壁11a,車外側側壁11b,及びこれら車内側側壁11aの端部と車外側側壁11bの端部を接続する連結壁11cからなる断面略U字状で内方には複数(ここでは、車内側側壁11aから突設した一つの保持リップ11d1と車外側側壁11bから突設した二つの保持リップ11d2,11d3からなる)の保持リップ11dが形成されている。また、取付基部11には、断面略U字状の芯材13が埋設され剛性をアップさせている。
【0024】
中空シール部12は、取付基部11の車外側側壁11bに二つの付け根部が一体成形され、車外側に向けて膨出湾曲している。中空シール部12の先端には突条部12aを設けその突条部12aからガラスハッチ2に弾接するようにしているが、突条部12aを設けることなく中空断面を略菱形形状又は略円形状にしてもよい。
【0025】
そして、取付基部11の車外側コーナー部、すなわち、取付基部11の車外側側壁11bと連結壁11cの接続部外周に突起部100を設けている。突起部100は、取付基部11から内周方向に向かって突出して内装部材50の端部50aを車外側から覆い隠すようになっている。
【0026】
突起部100は塊状であり、ここでは断面形状において車内側面100aを平担面,車外側面100bを曲面とする断面略(1/4)円状のものとした。また突起部100の車内外方向の幅Wを突出長T以上としている。これにより、ガラスハッチ2の開口部の周縁に沿った全周へウェザーストリップ10を取付けても、突起部100が、その突出方向において車内外へ倒れると言った変形がなく、見栄えがよい。なお、その幅Wは取付基部11の幅Sの1/4程度としている。
また、突起部100の形状は特に限定されるものではないが、従来例(
図10のリップ部31)で示したような、断面略舌状のリップ形状のものは含まれない。すなわち、突起部100の突出長Tが車内外方向の幅Wよりも2倍以上に大きいと言った場合の、例えばリップ形状のものは、リップ部の付根から先端までに渡って可撓性を有して取付基部との間で内装部材50を抑えつけるものであるが、このようなものは、ウェザーストリップ10をフランジFに取付けた後に内装部材50を組付けることができないか極めて困難性を有する。また、リップ形状を必要としない箇所では、リップ形状をわざわざ切り欠く必要があると言った困難性を有するので採用することが難しい。
【0027】
なお、ウェザーストリップ10の材質は、特に限定されるわけではないが、ゴム様弾性体であることが望ましく、一般にウェザーストリップに使用されるものと変わらない。例えばEPDMを主体としたゴムや、熱可塑性エラストマー(TPE)であってオレフィン系熱可塑性エラストマーのTPOやスチレン系熱可塑性エラストマーのTPSが使用される。本実施形態では、突起部100と中空シール部12はゴム様弾性体のうちスポンジ材(発泡体)で形成され、その他の取付基部11の部位はゴム様弾性体のうちソリッド材で形成されている。ウェザーストリップ10は取付基部11の連結壁11cをガラスハッチ2の開口部の内周側に向けて組付けるため、コーナー部での折り曲げでは、突起部100をスポンジ材とすることでコーナー部分の折り曲げが容易となり、突起部100が邪魔しない。
【0028】
また、
図3に示すように、内装部材50の端部50aを、上方から下方に向けて折曲させて、ウェザーストリップ10の取付基部11の連結壁11cに向かって延設するようにしている。
より詳細には、内装部材50は車内側から車外側に緩やかに下降するように延び、その端部50aは鈍角θに折曲して取付基部11の連結壁11cに対して略垂直に、すなわち、フランジFの延びる方向に略平行に延びて端部50aの端面50a1は、連結壁11cの外周面に当接し、端部50aの車外側側面50a2は突起部100の車内側面100aに当接している。
なお、内装部材50の端部50aの長さL(折曲部から端面50a1までの長さ)は、突起部100の突出長Tよりも長く略2倍に設定している。
【0029】
以上のように構成された自動車のシール構造によれば、内装部材50の端部50aを、ウェザーストリップ10の取付基部11の連結壁11cに向かって延設するとともに、取付基部11の車外側側壁11bと連結壁11cの接続部外周に、内周方向に向かって突出する塊状の突起部100を設けて内装部材50の端部50aを車外側から覆い隠すようにしたので、内装部材50の端部50aが露出することを防止することができる。
【0030】
また、
図4に示したように、内装部材50のバラつきによりその端部50aと取付基部11との間に隙間、すなわち端部50aの端面50a1と連結壁11c間に弱冠の隙間m、あるいは、端部50aの車外側側面50a2と突起部100の車内側面100a間に弱冠の隙間nが生じても、内装部材50の端部50aは突起部100で完全に覆い隠されるので、外部から内装部材50の内部(例えばドアパネル1a)が見えることもなく見栄えがよい。
また、内装部材50の端部50aが突起部100の車内側面100aを車外側に押したとしても、突起部100をスポンジ材としているため、この車外側へのバラツキも吸収される。
【0031】
その上、突起部100の突出量Tは僅かで、目立ちにくいので全周に設けても外観上見栄えを悪くすることもない。
また、フランジFにウェザーストリップ10を取付けた後に内装部材50を組付ける場合も容易である。また、このように内装部材50は後組みとなるため、
図4に示したように、内装部材50の端部50aと取付基部11との間に隙間を予め設けるようにして内装部材50を設定することもできる。
【0032】
なお、本実施形態では、内装部材50の端部50aを下向きに折曲させるようにしたが、
図5に示すように、内装部材50の端部50aを特に曲げることなく一直線状に延ばしたものの端部50aの端面50a1を突起部100の車内側面100aに当接させるようにしてもよい。
【0033】
また、本実施形態では、ガラスハッチ2が取付けられたバックドア1を有する自動車に適用した例を説明したが、これに限定されることなく、
図6及び
図9に示すように、ハードトップ車のサイドドア5の開口周縁部に適用させることも可能である。この場合、取付基部11の車外側側壁11bに取付けられた中空シール部12はサイドガラス4に弾接し、内装部材60の端部60aは突起部100に当接する。また、ハードトップ車に替えてガラスの外縁となるサッシュドアやパネルドアを備えた自動車であっても同様な構造が可能であり、この場合、中空シール部12はサイドガラス4ではなく図示しないドアパネルに弾接する。
【符号の説明】
【0034】
1 バックドア
1a ドアパネル
2 ガラスハッチ(ドアガラス)
2a,2b ヒンジ
4 サイドガラス
5 サイドドア
10 ウェザーストリップ
11 取付基部
11a 車内側側壁
11b 車外側側壁
11c 連結壁
11d 保持リップ
12 中空シール部
12a 突条部
13 芯材
20 内装部材
20a 端部
30 シーミングウェルト
31 リップ部
32 当接部
40 内装部材
40a 端部
50 内装部材
50a 端部
50a1 端面
50a2 車外側側面
60 内装部材
60a 端部
100 突起部
100a 車内側面
100b 車外側面
F フランジ
FF フランジ
【要約】
【課題】内装部材の位置に多少のバラつきが生じたとしても外観上の見栄えを悪くしない。
【解決手段】ドア開口周縁部に沿うとともに内周方向に向かって立設されたフランジFに取付けられた車内側側壁11a,車外側側壁11b,連結壁11cからなる断面略U字状で内方に保持リップ11dが形成された取付基部11と、その取付基部11の車外側側壁11bに設けられドアガラス2に弾接するシール部12からなるウェザーストリップ10と、取付基部11の車内側側壁11aの車内側に設けられた内装部材50を備え、内装部材50の端部50aを、取付基部11の連結壁11cに向かって延設するとともに、取付基部11の車外側側壁11bと連結壁11cの接続部外周に、内周方向に向かって突出して内装部材50の端部50aを車外側から覆い隠す突起部100を設けた。
【選択図】
図1