特許第6145688号(P6145688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6145688-巻線形電動機の集電装置取付構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6145688
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】巻線形電動機の集電装置取付構造
(51)【国際特許分類】
   H02K 17/22 20060101AFI20170607BHJP
   H02K 13/02 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   H02K17/22
   H02K13/02
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-172762(P2012-172762)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2014-33536(P2014-33536A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】230112449
【弁護士】
【氏名又は名称】光石 春平
(74)【代理人】
【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100182224
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲三
(72)【発明者】
【氏名】須藤 秀和
【審査官】 上野 力
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−262635(JP,A)
【文献】 実開昭59−122775(JP,U)
【文献】 実開昭57−001076(JP,U)
【文献】 特開昭52−032508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 17/22
H02K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻線形電動機のシャフトの一端に集電装置のツナギシャフトの一端を着脱可能に連結するとともに、前記シャフトの中空部に挿通される電動機側二次配線に前記ツナギシャフトの中空部に挿通される集電装置側二次配線を着脱可能に接続してなる巻線形電動機の集電装置取付構造であって、
前記シャフトの一端に径方向外側に向かって延びる電動機側フランジを設けるとともに前記電動機側二次配線の一端を径方向外側に延ばした状態で電動機側フランジ表面に固定し、
前記ツナギシャフトの一端に径方向外側に向かって延びる集電装置側フランジを設けるとともに前記集電装置側二次配線の一端を集電装置側フランジ表面に径方向外側に延ばした状態で固定し、
前記集電装置側二次配線と前記電動機側二次配線との電気的な接続を行うように設けられた前記電動機側二次配線又は前記集電装置側二次配線の一端を断面視矩形状に成形してなるナイフ部、及び、前記ナイフ部に嵌合するように前記集電装置側二次配線又は前記電動機側二次配線の一端を断面視コ字状に成形してなるスイッチ部と、前記電動機側フランジと前記集電装置側フランジとを着脱可能に締結する絶縁ボルトを設け
前記ナイフ部は、前記電動機側フランジ表面又は前記集電装置側フランジ表面のうち当該ナイフ部が成形されている側のフランジ表面に対して平行な断面視矩形状になっており、前記スイッチ部は、前記集電装置側フランジ表面又は前記電動機側フランジ表面のうち当該スイッチ部が成形されている側のフランジ表面に対して平行な嵌めこみ凹部となる断面視コ字状になっていることを特徴とする巻線形電動機の集電装置取付構造。
【請求項2】
前記集電装置が、前記ツナギシャフトを前記集電装置フレームに着脱可能に固定するツナギシャフト固定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の巻線形電動機の集電装置取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻線形電動機の集電装置取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、巻線形電動機の集電装置は、回転子のシャフトの一端に装備され、仕様により電動ブラシ引上げ装置有り又は電動ブラシ引上げ装置無しの構造のものがある。
巻線形電動機が大型の立形電動機である場合には、輸送限界や、建屋の搬入口高さの制限があるため、集電装置を全て分解した状態で現地へ運び、現地で組み立てを行う場合がある。このような場合、電動機側のシャフトと集電装置側のシャフトとを別体として形成する、ツナギシャフト構造が採用される(例えば、特許文献1,2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−111772号公報
【特許文献2】特開2007−288849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、巻線形電動機から集電装置へつながる二次配線(三相の内部リードコイル)がシャフトの内部を通して配線されているため、電動機と集電装置とを分解する場合には、二次配線がばらけてしまい、該二次配線の保護が困難であるという問題があった。
また、電動機と集電装置との分解、再組立に、多くの費用と時間を費やしてしまうという問題があった。
【0005】
このようなことから本発明は、取り扱いが容易な巻線形電動機の集電装置取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための第の発明に係る巻線形電動機の集電装置取付構造は、巻線形電動機のシャフトの一端に集電装置のツナギシャフトの一端を着脱可能に連結するとともに、前記シャフトの中空部に挿通される電動機側二次配線に前記ツナギシャフトの中空部に挿通される集電装置側二次配線を着脱可能に接続してなる巻線形電動機の集電装置取付構造であって、
前記シャフトの一端に径方向外側に向かって延びる電動機側フランジを設けるとともに前記電動機側二次配線の一端を径方向外側に延ばした状態で電動機側フランジ表面に固定し、
前記ツナギシャフトの一端に径方向外側に向かって延びる集電装置側フランジを設けるとともに前記集電装置側二次配線の一端を集電装置側フランジ表面に径方向外側に延ばした状態で固定し、
前記集電装置側二次配線と前記電動機側二次配線との電気的な接続を行うように設けられた前記電動機側二次配線又は前記集電装置側二次配線の一端を断面視矩形状に成形してなるナイフ部、及び、前記ナイフ部に嵌合するように前記集電装置側二次配線又は前記電動機側二次配線の一端を断面視コ字状に成形してなるスイッチ部と、前記電動機側フランジと前記集電装置側フランジとを着脱可能に締結する絶縁ボルトを設け
前記ナイフ部は、前記電動機側フランジ表面又は前記集電装置側フランジ表面のうち当該ナイフ部が成形されている側のフランジ表面に対して平行な断面視矩形状になっており、前記スイッチ部は、前記集電装置側フランジ表面又は前記電動機側フランジ表面のうち当該スイッチ部が成形されている側のフランジ表面に対して平行な嵌めこみ凹部となる断面視コ字状になっていることを特徴とする。
【0009】
また、上記の課題を解決するための第の発明に係る巻線形電動機の集電装置取付構造は、第1の発明に係る巻線形電動機の集電装置取付構造において、前記集電装置が、前記ツナギシャフトを前記集電装置フレームに着脱可能に固定するツナギシャフト固定手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上述した本発明に係る巻線形電動機の集電装置取付構造によれば、輸送限界や、建屋の搬入口高さの制限があっても、集電装置の分解組立作業を容易に行うことが可能となる。
また、集電装置の分解時に、二次配線(内部リードコイル)が損傷することを防ぐことができる。
さらに、分解組立作業費用を低減でき、集電装置部品の交換も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る巻線形電動機の集電装置を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る巻線形電動機の集電装置取付構造を示す部分断面図である。
図3図3(a)は本発明の実施例1に係る巻線形電動機の集電装置取付構造の一部を示す断面図、図3(b)は本発明の実施例1に係る巻線形電動機の集電装置取付構造の一部を示す側面図である。
図4図4(a)は本発明の実施例2に係る巻線形電動機の集電装置取付構造の一部を示す側面図、図4(b)は本発明の実施例2に係る巻線形電動機の集電装置取付構造の電動機側外観を示す説明図、図4(c)は本発明の実施例2に係る巻線形電動機の集電装置取付構造の集電装置側外観を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1及び図2を用いて本発明に係る巻線形電動機の集電装置取付構造の一実施形態を説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態において集電装置10は、ツナギシャフト11と、複数(図1では、三相に対応して三つ)の環状のスリップリング12と、複数(図1では、三相に対応して三つ)のブラシ13とが、集電装置側フレーム16の内部に一体的に収納された構成となっている。
【0014】
ツナギシャフト11は、集電装置側フレーム16の内部に回転自在に収納されている。このツナギシャフト11は、後述する巻線形電動機20のシャフト21に連結固定される。ツナギシャフト11には、中空部11aと、巻線形電動機20側の端部を径方向外側に延設してなる集電装置側フランジ11bとが形成されている。
【0015】
中空部11aには複数(三相に対応して三本)の集電装置側二次配線(内部リードコイル)17が挿通されている(なお、図1図2では2本の集電装置側二次配線のみが図示されている)。
これら集電装置側二次配線17の一端は、集電装置側フランジ11bの開口部側の表面(図1では、集電装置側フランジ11bの開口部側の表面に設けられた凹部)に、該フランジ11bに沿って径方向外側へ向かって延びるように固定され、他端はツナギシャフト11の上部に固定されている。
【0016】
スリップリング12はスリーブ18を介してツナギシャフト11に固定され、ツナギシャフト11と一体的に回転するように構成されている。
ブラシ13は集電装置側フレーム16に配置された非回転の部材であり、ツナギシャフト11と一体的に回転するスリップリング12に摺接するように配置されている。
例えば、集電端子31から二次ダクト30、端子14,15を介して供給される電気エネルギー等は、スリップリング12とブラシ13とが摺接することにより巻線形電動機20に供給される。なお端子14,15以外に図示していない端子がある。つまり三相に対応して合計で3個の端子が備えられている。
【0017】
また、集電装置側フレーム16には、巻線形電動機20側の端部であって集電装置側フランジ11bに対向する位置に、ツナギシャフト固定部16aが設けられている。
ツナギシャフト固定部16aに対してジャッキボルト(以下、ツナギシャフト固定ジャッキボルトという)19が進退移動することにより、ツナギシャフト11の集電装置側フランジ11bが着脱可能に固定される。
つまり、集電装置側フランジ11bの外周面には挿通穴11cが径方向に沿い形成されており、ツナギシャフト固定ジャッキボルト19が、集電装置側フランジ11bの挿通穴11cに挿入されることにより、ツナギシャフト11が、集電装置側フレーム16のツナギシャフト固定部16aに固定される。ツナギシャフト固定ジャッキボルト19を、集電装置側フランジ11bの挿通穴11cから引き抜くと、ツナギシャフト11は、集電装置側フレーム16のツナギシャフト固定部16aによる固定から解放される。
【0018】
従って、該集電装置10の輸送時等には、集電装置側フレーム16のツナギシャフト固定部16aとツナギシャフト11の集電装置側フランジ11bとを、ツナギシャフト固定ジャッキボルト19により固定することにより、集電装置10を一体的に輸送することができる。
【0019】
また、図2に示すように、本実施形態において巻線形電動機20は、電動機側フレーム22内に、上部軸受23及び下部軸受24を介して回転自在に支持されるシャフト21と、シャフト21の外周部に固定された回転子25と、回転子25の外周部にエアギャップを介して対向配置され、電動機側フレーム22に固定された固定子26とを備えて構成されている。
【0020】
シャフト21には、中空部21aと、集電装置10側の端部を径方向外側に延設してなる電動機側フランジ21bとが形成されている。
【0021】
中空部21aには複数(三相に対応して三本)の電動機側二次配線(内部リードコイル)29が挿通されている(なお、図1図2では2本の電動機側二次配線のみが図示されている)。
これら電動機側二次配線29の一端は、電動機側フランジ21bの開口部側の表面(図2では、電動機側フランジ21bの開口部側の表面に設けられた凹部)に、該電動機側フランジ21bに沿って径方向外側へ延びるように固定され、他端はシャフト21の中空部から引き出されて回転子25に固定されている。
なお、集電装置側二次配線17の一端と電動機側二次配線29の一端とは、集電装置10と巻線形電動機20とを連結する際に相互に重なり合うようにその周方向の位置を設定するものとする。
【0022】
回転子25は、シャフト21に一体的に固定される回転子鉄心25aと、回転子鉄心25aに巻回された回転子巻線25bとを備えている。固定子26は電動機側フレーム22に固定される固定子鉄心26aと、固定子鉄心26aに巻回される固定子巻線26bとを備えている。
【0023】
また、上部軸受23、下部軸受24は、それぞれ電動機側フレーム22の開口部に設けられる上部ブラケット27、下部ブラケット28に固定されている。
【0024】
このように構成される本実施形態に係る巻線形電動機の集電装置取付構造においては、集電装置10を巻線形電動機20に組み付ける場合には、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とが重なり合うように、集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとを後で詳述する連結手段により連結する。これにより、ツナギシャフト11とシャフト21との連結、及び、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29との電気的な接続を行うことができる。
その後、ツナギシャフト固定ジャッキボルト19による集電装置側フレーム16とツナギシャフト11との固定状態を解除することで、組立が完了する。
【0025】
また、集電装置10を巻線形電動機20から取り外す(分解する)場合には、ツナギシャフト固定ジャッキボルト19をツナギシャフト11の挿通穴11cに挿入することにより、集電装置側フレーム16とツナギシャフト11とを固定した後、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29との電気的な接続、及び、集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとの連結を解除することで、分解が完了する。
【0026】
以上に説明したように、本実施形態に係る巻線形電動機の集電装置取付構造によれば、集電装置10を巻線形電動機20に対して一体的に連結又は分解することができるため、輸送限界や、建屋の搬入口高さの制限があっても、集電装置の分離・組立が容易になり作業性を大幅に向上させることができる。
【0027】
また、集電装置10をユニット化したことにより、集電装置10を分解する必要がないため二次配線17,29が損傷するおそれがなくなるとともに、分解組立作業に係る費用を低減することができる。さらに、集電装置部品の交換が容易になる。
【0028】
なお、上述した実施形態においては、一例として、集電装置10が電動ブラシ引上げ装置を備える例を示したが、本発明に係る巻線形電動機の集電装置取付構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、電動ブラシ引上げ装置無しの構造のものに適用しても同様の作用効果が得られることは言うまでもない。
【実施例1】
【0029】
図3を用いて本発明の実施例1に係る巻線形電動機の集電装置取付構造について説明する(なお図3では、三相の3本の二次側配線のうち、2本のみを図示している)。
本実施例は、上述した実施形態において集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とが重なり合うように、集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとを連結する連結手段として、図3に示す絶縁ボルト32を用いる例である。
その他の構成は上述した実施形態と同様であるため、以下では、図1及び図2に示した部材と同一の部材については、重複する説明は適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
【0030】
図3に示すように、本実施例に係る巻線形電動機の集電装置取付構造において、集電装置10と巻線形電動機20とは、集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21b、及び、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29を、絶縁ボルト32によって締結することにより連結されている。
【0031】
より詳しくは、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とが重なり合った状態となるように集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとの位置を調整し、この状態で絶縁ボルト32により固定することにより、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とを電気的に接続するとともに、集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとを連結・固定している。
なお、集電装置側二次配線17及び電動機側二次配線29の周囲には絶縁材33を設けるものとする。
【0032】
上述した本実施例に係る巻線形電動機の集電装置取付構造によれば、絶縁ボルト32を締結するだけで集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとの連結、及び、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29との電気的な接続を行うことができるため、集電装置10を巻線形電動機20から分解する作業、又は、集電装置10を巻線形電動機20に連結する組立作業を円滑に行うことができる。
【実施例2】
【0033】
図4を用いて本発明の実施例2に係る巻線形電動機の集電装置取付構造について説明する。本実施例は、上述した実施形態において集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とが重なり合うように集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとを連結する連結手段として、図4に示す絶縁ボルト32と、スイッチ及びナイフによるはめ込み式の固定手段とを用いる例である。
その他の構成は上述した実施形態と同様であるため、以下では、図1及び図2に示した部材と同一の部材については、重複する説明を適宜省略し、異なる点を中心に説明する。
【0034】
図4に示すように、本実施例に係る巻線形電動機の集電装置取付構造において、集電装置10と巻線形電動機20とは、集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとを絶縁ボルト32によって固定する一方、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とをスイッチ、ナイフによるはめ込み式の固定手段により電気的に接続している。
【0035】
より詳しくは、集電装置側二次配線17の上記一端側の端部をナイフ部として断面視矩形状に成形する一方、電動機側二次配線29の上記一端側の端部をスイッチ部として断面視コ字形状に成形している。
そして、電動機側二次配線29の凹部(スイッチ)29aに、矩形状の集電装置側二次配線(ナイフ)17をはめ込むことで、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とを電気的に接続・固定し、更に、集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとを絶縁ボルト32によって固定している。なお、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とのつなぎ部分には絶縁材33を設けるものとする。
【0036】
上述した本実施例に係る巻線形電動機の集電装置取付構造によれば、電動機側二次配線29に集電装置側二次配線17をはめ込むことで集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29とを電気的に接続することができるため、集電装置10を巻線形電動機20から分離する、又は、集電装置10を巻線形電動機20に連結する作業をより円滑に行うことができる。
更に、フランジ11b,21bを固定・締め付けしている絶縁ボルト32の締め込みが、仮に若干緩んだとしても、電動機側二次配線29の凹部(スイッチ)29aに矩形状の集電装置側二次配線(ナイフ)17がはめ込まれているため、電動機側二次配線29と集電装置側二次配線17との電気的な接続を確保し続けることができ、信頼性が向上する。
【0037】
なお、本発明に係る巻線形電動機の集電装置取付構造において、連結手段は上述した実施例1又は実施例2に示した例に限定されるものではなく、例えば、集電装置側二次配線17の上記一端側の端部をスイッチ部として断面視コ字形状に成形する一方、電動機側二次配線29の上記一端側の端部をナイフ部として断面視矩形状に成形するなど、集電装置側フランジ11bと電動機側フランジ21bとの接続、及び、集電装置側二次配線17と電動機側二次配線29との電気的な接続を行うことができればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、巻線形電動機の集電装置取付構造に利用して好適なものである。
【符号の説明】
【0039】
10 集電装置
11 ツナギシャフト
11a 中空部
11b 集電装置側フランジ
11c 挿通穴
12 スリップリング
13 ブラシ
14,15 端子
16 集電装置側フレーム
17 集電装置側二次配線
18 スリーブ
19 ツナギシャフト固定ジャッキボルト
20 巻線形電動機
21 シャフト
21a 中空部
21b 電動機側フランジ
22 電動機側フレーム
23,24 軸受
25 回転子
26 固定子
27,28 ブラケット
29 電動機側二次配線
30 二次ダクト
31 集電端子
32 絶縁ボルト
33 絶縁材
図1
図2
図3
図4