特許第6145725号(P6145725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6145725-毛束固定具 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6145725
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】毛束固定具
(51)【国際特許分類】
   A45D 2/28 20060101AFI20170607BHJP
【FI】
   A45D2/28
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-202107(P2016-202107)
(22)【出願日】2016年9月26日
【審査請求日】2016年9月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516264831
【氏名又は名称】古久保 充哉
(72)【発明者】
【氏名】古久保 充哉
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3038057(JP,U)
【文献】 実開昭51−081181(JP,U)
【文献】 特開平10−033247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 2/00−8/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向の一部に軸方向の全体にわたる空隙(13)を有する略円筒状の芯体(11)と、その芯体(11)の前記、空隙(13)の両端辺(11a)(11b)うち少なくとも一方から周方向にあばら状に突き出たアーム(12)を有し、芯体(11)の内側の一部又は、全域に内面ファスナー(113)を備え、外側には、一部又は、全域に外面ファスナー(112)を備え、前記内面ファスナーがロットに巻かれた毛束の表面に仮着し、前記ファスナーが根元部に仮着することを特徴とする毛束固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロットで毛束を巻き固定するために使用する毛束固定具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーマを施術する際に使用するロットは常温で施術する方法とロットを加熱して施術する方法があり、いずれの場合も毛束をロットで巻き、それを固定するために輪ゴムやピン、又はクリップを使用することが一般的であった。また、ヘアセットで使用するカーラーも同じく常温での施術と加熱して施術する場合があり、毛束をカーラーで巻き固定するため、ピンやクリップ等を使用していた。
【先行技術文献】
【特許文献1】特開平2004−358118公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ロット(3)で毛束(21)を巻き、輪ゴム(4)で固定する場合、毛束(21)の根元部(22)付近を輪ゴム(4)の一部が押さえつける形で固定するため、根元部(22)に負担がかかり、折れ曲がるという問題点があった。
特許文献1のように、毛束をロットに巻きつけクリップで固定した場合、クリップの先端が巻き付けた毛束の根元付近を圧迫するため、折れ曲がるという問題点があった。ヘアセット用カーラーをクリップなどで固定した場合も、同様の問題が生じていた。
【0004】
例えば図3(a)が示すように、加熱式のロット(3)を使用しパーマをかける場合、ロット(3)が頭皮(2)と接する部分が熱くなり、やけどの恐れもあることから熱を防ぐため図3(a)のように、専用の断熱パット(41)を頭皮(2)との隙間に敷いて頭皮(2)を保護する必要があった。しかし、巻く方向や箇所によって断熱パット(41)がずれやすく、頭皮(2)保護することが困難であった。
【0005】
従来、ロットやカーラーを固定するため、輪ゴム(4)を使用することがほとんどで、それ以外にクリップや、ピン等を使用することもあるが、それらの固定具の一辺が、毛束(21)の根元部(22)に食い込み折れ曲がってしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
毛束固定具(1)は、円筒状で内径の大きさは、使用するロット(3)の外周と毛束固定具(1)の内周が、ほぼ同じくらいのものを使用し、図2(a)、(b)のように毛束(21)をロット(3)に巻き込んだ後、毛束固定具(1)をはめ込み固定する。芯体(11)の内面に接着した内面ファスナー(113)が、ロット(3)に巻かれた毛束(21)の表面に仮着させ、外面に接着した外面ファスナー(112)を、根元部(22)に仮着させることで、ロット(3)に巻かれた毛束(21)を固定することが出来る。
【発明の効果】
【0007】
本発明の毛束固定具(1)はロット(3)に巻かれた毛束(21)の表面に仮着させ固定するため根元部(22)に負担をかけることなく固定できる。
加熱式のロット(3)を使用する場合、断熱性の素材で出来た芯体(11)と外面ファスナー(112)と内面ファスナー(113)が、頭皮(2)と加熱式ロット(3)の間に間隔を作り、加熱式のロット(3)から発生する熱を頭皮(2)へ過多に伝達されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の毛束固定具の構成 (a)構成 (b)分解図
図2】本発明の毛束固定具の使用図 (a)斜視図 (b)断面図
図3】従来の毛束固定具 (a)断熱パッド、(b)使用図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1で、本発明の毛束固定具の構成で、(a)は斜視構成図、(b)は分解図をしめす。
本発明の毛束固定具(1)は、周方向の一部に軸方向の全体にわたる空隙(13)を有する略円筒状の芯体(11)と、その芯体(11)の前記、空隙(13)の両端辺(11a)(11b)うち少なくとも一方から周方向にあばら状に突き出たアーム(12)を有し、芯体(11)の内側の一部又は、全域に内面ファスナー(113)を備え、外側には、一部又は、全域に外面ファスナー(112)を備えたことを特徴とする毛束固定具。
略円筒状の芯体は格子状などで軽く構成してもよい。
芯体(11)とアーム部(12)は弾力性のある素材でポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド凡庸プラスチック、エンジニアリングプラスチック、非結晶性プラスチック、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート等、又、金属であればステンレスやチタンなどを全体又は、部分的に配したものなど、適した素材を使用する。
【0010】
図2は、本発明の毛束固定具の使用図で、(a)は斜視図、(b)は断面図を示す。
本実施例では、周方向の一部に軸方向の全体にわたる空隙(13)を有する略円筒状の芯体(11)と、その芯体(11)の前記、空隙(13)の両端辺(11a)(11b)うち少なくとも一方から周方向にあばら状に突き出たアーム(12)を有し、芯体(11)の内側の一部又は、全域に内面ファスナー(113)を備え、外側には、一部又は、全域に外面ファスナー(112)を備えた場合を示す。
内面ファスナー(113)は、芯体(11)の内側のほぼ全域につけるとしっかり毛束を固定できる。
【0011】
図2(a)に示すように、ロット(3)に毛束(21)を巻きつけて、毛束固定具(1)を斜め上からはめ込むことにより、内面ファスナー(113)が、ロット(3)に巻かれた毛束(21)の表面に面で仮着するため為、ずれにくくなり優れた安定性で固定する事ができる。又、巻かれた毛束(21)が反発し、逆に回転しようとする力を外面ファスナー(112)が毛束(21)の根元部(22)に面で仮着させ逆回転を防ぎ固定できる。輪ゴムやクリップ、ピン等は、毛束の一箇所で固定する方法であったが、それに比べ毛束固定具(1)は芯体(11)から突き出たアーム部(12)がロット(3)を固定し、芯体(11)に備えた外面ファスナー(112)と内面ファスナー(113)が毛束(21)の表面に仮着させることで根元が折れることなく固定出来る。
図2(b)に示すように、ロット(3)と頭皮(2)の接点A付近では、内面ファスナー(113)、芯体(11)、外面ファスナー(112)が3層に重なり、ロット(3)が加熱式の場合、ロット(3)と頭皮(2)の間に隙間ができ、熱が頭皮(2)に伝達しにくくなり、負担をなくすことが出来る。
【0012】
図3は従来の毛束固定具の例で、(a)は、断熱パッド、(b)は使用図を示す。
図3(b)に示すように、加熱式のロット(3)を輪ゴム(4)で固定し、断熱パット(41)を使用しており、断熱パッドが必要で手間がかかる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明はパーマ用ロットや加熱式ロット又は、セット用カーラーで毛束を巻き固定するために考案したもので、毛束の根元に負担をかけず、輪ゴムやクリップなどの問題点を解決し、円柱状のものであればあらゆるロットやカーラーに使用することが出来る。また、クリップなどに比べ軽量であるため巻かれた位置からずれることなく、しっかり仮着させることができる。その上、加熱式のロット(3)から発生する熱を頭皮(2)へ過多に伝達されることを防止することができるため、断熱パットなどを使用せず、作業効率を上げることが出来る。
【符号の説明】
【0014】
1 毛束固定具
11 芯体
11a 端辺
11b 端辺
112 外面ファスナー
113 内面ファスナー
12 アーム部
13 空隙
2 頭皮
21 毛束
22 根元部
3 ロット
4 輪ゴム
41 断熱パット
A ロットと頭皮の接点
【要約】
【課題】図3(a)のように、ロット(3)で毛束(21)を巻き、輪ゴム(4)で固定する場合、毛束(21)の根元部(22)付近を押さえつける形で固定するため、根元部(22)に負担がかかり、外側に折れ曲がるという問題点があった。
【解決手段】 周方向の一部に軸方向の全体にわたる空隙(13)を有する略円筒状の芯体(11)と、その芯体(11)の前記、空隙(13)の両端辺(11a)(11b)うち少なくとも一方から周方向にあばら状に突き出たアーム(12)を有し、芯体(11)の内側の一部又は、全域に内面ファスナー(113)を備え、外側には、一部又は、全域に外面ファスナー(112)を備えたことを特徴とする毛束固定具である。
【選択図】図1
図1
図2
図3