特許第6145809号(P6145809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6145809ジグ装置及びこれを備えたセンターポンチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6145809
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】ジグ装置及びこれを備えたセンターポンチ
(51)【国際特許分類】
   B25D 5/00 20060101AFI20170607BHJP
   B25H 7/04 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   B25D5/00
   B25H7/04 A
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-16568(P2017-16568)
(22)【出願日】2017年2月1日
【審査請求日】2017年2月1日
(31)【優先権主張番号】特願2017-1805(P2017-1805)
(32)【優先日】2017年1月10日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517009349
【氏名又は名称】松原 幸明
(74)【代理人】
【識別番号】100165135
【弁理士】
【氏名又は名称】百武 幸子
(72)【発明者】
【氏名】松原 幸明
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭47−014206(JP,U)
【文献】 実開昭49−076712(JP,U)
【文献】 実開昭54−149314(JP,U)
【文献】 米国特許第07984564(US,B2)
【文献】 仏国特許出願公開第02316053(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25D 5/00
B25H 7/04
B23B 39/04
B27C 7/04 − 7/06
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡大レンズと、
前記拡大レンズが保持された円筒形の本体と、から構成され、
前記拡大レンズの略中心に穴が穿設され、該穴に棒状の工具を上下可動に保持する保持部が備えられ
照射部が前記拡大レンズの下方、かつ前記保持部の側面方向に備えられていること
を特徴とするジグ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のジグ装置おいて、前記保持部がバネ部材を備えていることを特徴とするジグ装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のジグ装置において、前記拡大レンズの下方に第2の拡大レンズが前記本体に保持されていることを特徴とするジグ装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれかに記載のジグ装置において、前記本体の下端に、中心に穴が穿設された透明な板材が嵌め込まれ、該板材には前記穴の中心に向けたガイド線が描かれていることを特徴とするジグ装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載のジグ装置において、前記円筒形の本体の底部に、ゴム部材が嵌め込まれていることを特徴とするジグ装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれかに記載のジグ装置において、前記円筒形の本体の側面に円周に沿った窪みが形成されていることを特徴とするジグ装置。
【請求項7】
請求項1からのいずれかに記載のジグ装置の保持部にセンターポンチ本体が上下可動に保持され、前記拡大レンズの中心と前記センターポンチ本体の中心軸が略同一であることを特徴とするジグ装置を備えたセンターポンチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センターポンチやドライバーなどの工具を保持し、工具先端部の作業を容易にするジグ装置及びこれを備えたセンターポンチに関する。
【背景技術】
【0002】
センターポンチやドライバーなどの工具を扱う際に、先端部の細かい作業が困難な場合がある。例えば、ドライバーはネジを締め付ける際に使用する工具であるが、ネジが非常に小さいときや目が疲れているときなどにドライバー先端部をネジ頭部の締め付け位置に合わせて、締め付ける作業に手間がかかる場合がある。
【0003】
センターポンチは、金属板等にドリルで穴を開けようとする際に、穴の中心を決めてドリルの先端が逃げないよう、マーキング(窪み)を付けるために利用される工具であり、先端部が円錐形にとがった金属製の棒状で、ハンマーでその後端をたたいて使用するものや、ハンマーを内蔵したもの(いわゆるオートセンターポンチ)がある。使用する際には、打ち込む位置(罫書き点マークや線)とセンターポンチの先端部を目視し、それらを合わせてハンマーで打ち込むが、先端部と打ち込む位置がずれて、正確に位置合わせをすることが困難な場合がある。そのため、センターポンチ先端部の位置決めを正確に行うことを目的とした技術が開発されている。
【0004】
例えば特許文献1には、レンズホルダーを備えた穿孔用位置決めジグが開示されている。この発明によると、センターポンチと共に使用され、レンズホルダーを回転させて操作することにより、拡大レンズを通して打ち込む位置を確認でき、センターポンチ先端部の位置決めが正確にできるとされている。
【0005】
また、特許文献2には、センターポンチ本体を垂直に保持する保持部と、拡大レンズを斜めに保持する保持部からなるセンターポンチが開示されている。この発明によると、センターポンチ先端部と、打ち込む位置の確認を一動作で行ない、作業の効率化ができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−247315号公報
【特許文献2】実開平6−5875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の穿孔用位置決めジグは、レンズホルダーを回転させて操作することにより、センターポンチ先端部の打ち込む位置を真上から拡大レンズを通して目視して確認できるが、確認しながらセンターポンチを打ち込むことはできない。そのため、レンズホルダーを回転させて確認した後に、打ち込む際に再度、回転させる手間がかかり、効率的ではない。
【0008】
また、特許文献2のセンターポンチは、打ち込む位置の確認と打ち込みを一動作で行うことができるが、センターポンチの軸に対して斜め方向に拡大レンズが設置されており、打ち込む位置と先端部を定まった方向(斜め方向)から目視して確認するため、打ち込む位置が見づらく、ずれてしまうことがあり得る。また、打ち込む位置を別の方向から確認したい場合には、拡大レンズの位置を変える必要があり、手間がかかる。そのため、センターポンチの軸周り(360度)のどの方向からも拡大レンズを通して先端部と打ち込む位置が確認できるセンターポンチが望まれる。また、センターポンチに限らず、ドライバー等の工具に関しても上記のように位置決めを容易かつ正確に行うためのジグ装置が望まれる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、センターポンチ等の工具の軸周りから拡大レンズを通して工具の先端部を確認でき、位置決めが容易に、かつ正確にできるジグ装置及びこれを備えたセンターポンチを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明のジグ装置及びこれを備えたセンターポンチは、次のように構成する。
本願の請求項1に記載のジグ装置は、拡大レンズと、前記拡大レンズが保持された円筒形の本体と、から構成され、前記拡大レンズの略中心に穴が穿設され、該穴に棒状の工具を上下可動に保持する保持部が備えられ、照射部が前記拡大レンズの下方、かつ前記保持部の側面方向に備えられていることを特徴とする。
請求項2に記載のジグ装置は、請求項1に記載のジグ装置おいて、前記保持部がバネ部材を備えていることを特徴とする。
請求項3に記載のジグ装置は、請求項1又は2に記載のジグ装置において、前記拡大レンズの下方に第2の拡大レンズが前記本体に保持されていることを特徴とする。
請求項に記載のジグ装置は、請求項1からのいずれかに記載のジグ装置において、
前記本体の下端に、中心に穴が穿設された透明な板材が嵌め込まれ、該板材には前記穴の中心に向けたガイド線が描かれていることを特徴とする。
請求項に記載のジグ装置は、請求項1からのいずれかに記載のジグ装置において、
前記円筒形の本体の底部に、ゴム部材が嵌め込まれていることを特徴とする。
請求項に記載のジグ装置は、請求項1からのいずれかに記載のジグ装置において、
前記円筒形の本体の側面に円周に沿った窪みが形成されていることを特徴とする。
請求項に記載のジグ装置を備えたセンターポンチは、請求項1からのいずれかに記載のジグ装置の保持部にセンターポンチ本体が上下可動に保持され、前記拡大レンズの中心と前記センターポンチ本体の中心軸が略同一であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のジグ装置及びジグ装置を備えたセンターポンチは、工具の軸周りから拡大レンズを通してその先端部を確認でき、位置決めを容易に、かつ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施例であるジグ装置の断面図の模式図である。
図2図1の矢視A−Aから見た平面図である。
図3図1の矢視B−Bから見た平面図である。
図4図1のジグ装置を備えたセンターポンチの断面図の模式図である。
図5図4のセンターポンチの右側面図の模式図である。
図6図4のセンターポンチの使い方を示す説明図である。
図7】本発明の第2の実施例であるジグ装置を備えたセンターポンチの断面図の模式図である。
図8】本発明の第3の実施例であるジグ装置を備えたセンターポンチの断面図の模式図である。
図9】本発明の第3の実施例であるジグ装置を備えたセンターポンチの断面図の模式図である。
図10図8のセンターポンチの使い方を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。以下の図において、共通する部分には同一の符号を付しており、同一符号の部分に対して重複した説明を省略する。なお、以下に説明する実施例では、ジグ装置を使用する工具がセンターポンチである例を説明するが、本発明に係るジグ装置は、これに限らず、ドライバー等のあらゆる工具に適用できるものである。
【実施例1】
【0014】
[ジグ装置1]
先ず、本発明の第1の実施例に係るジグ装置1について図1図3を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施例であるジグ装置の断面図の模式図、図2は、図1の矢視A−Aから見た平面図、図3は、図1の矢視B−Bから見た平面図である。ジグ装置1は、拡大レンズ10と、拡大レンズ10が保持された円筒形の本体11から構成される。その拡大レンズ10の略中心には、穴15が穿設され、穴15に棒状の工具を保持する保持部12が備えられている。
【0015】
図1に示すように本体11は、円筒形をしており、その上部に拡大レンズ10が保持されている。本体11は、プラスチックや金属等いかなる材質で形成されてもよいが、工具の先端部と打ち込む位置などの確認を容易にするため、下部は透明材で形成されることが好ましい。本実施例では、先端部を側面からも確認できるように下部は透明材で形成されている。拡大レンズ10は、本体11と結合したレンズ保持体13によって保持されている。レンズ保持体13は、例えば虫眼鏡の環状の枠が使用される。本体11の大きさは、直径が80mm、高さが90mm程度である。拡大レンズ10の大きさは、直径が80mm程度、厚さが5〜10mm程度である。
【0016】
図2に示すように、拡大レンズ10の略中心には、直径1cm程度の穴15が穿設されている。穴15には、棒状の工具を保持する保持部12が嵌められている。保持部12は、円筒形で中心に棒状の工具を上下可動に、底面に対して垂直方向に保持してガイドするためのものであり、プラスチックや金属等で形成されている。工具がドライバー等の場合には、上下だけでなく回転可能に保持してガイドする。保持部12の大きさは、直径が穴15と同じ10mm程度、高さが50〜60mm程度である。保持部12を拡大レンズ10に密着させて取り付けるため、拡大レンズ10の穴10の周囲にシール部材(ゴムパッキン等)16を取り付けてもよい。さらに、保持部12を拡大レンズ10に確実に固定するため、締め付け部材(六角ナットなど)17などを使用してもよい。
【0017】
また、保持部12の上部にバネ部材14、例えばステンレス製の押しバネを設置してもよい。棒状の工具をバネ部材14の中を通して設置されることで、工具が上下可動にバネで保持される。バネ部材14により、工具の後部を指で押して工具の先端部の位置を確かめた後、指を放すことで工具の先端部が自然に元の高さに戻るため、何度も先端部の位置を容易に確かめることができる。
【0018】
さらに、図1図3に示すように、ジグ装置1は、照射部が拡大レンズ10の下方に備えられている構成としてもよい。照射部には、いかなる照明ランプを使用してもよいが、例えば発光ダイオード20を使用する。発光ダイオード20は、拡大レンズ10の下方に設置される環状の発光ダイオード保持体21に、例えば6個均等に保持される。発光ダイオード20の配線は発光ダイオード保持体21の中に収納されており、電源は発光ダイオードの端子22を介して外部に設置される(図示せず)。発光ダイオード20の電源スイッチをオン・オフと切り替えることで、必要に応じて光を照射することができ、周りが暗い状態であっても工具の先端部や、打ち込む位置などを確かめることができる。また、発光ダイオード20の発光を、拡大レンズ10を通して目視するため、少ない数の発光ダイオード20であっても、工具の先端部や位置を充分に確認することができる。
【0019】
また、図1図3に示すように、本体11の下端に、穴31が中心に穿設された透明な板材30を嵌め込んでもよい。透明な板材30は、例えばプラスチックやガラスが使用される。板材30には中心の穴31に向けたガイド線32が描かれており、本実施例では、4本のガイド線32が描かれている。ガイド線32の本数はこれに限らず何本描いてもよい。また、中心の穴31は、工具の先端部が通る大きさであればよく、例えば直径が5mm程度である。工具先端部の位置決めの際に、この透明な板材30のガイド線32を打ち込む位置(罫書き点マークや線など)や閉め付け位置に合わせることで、位置決めを容易にかつ正確に行うことができる。
【0020】
さらに、図1図3に示すように本体11の底部に、ゴム部材33を嵌め込む構成としてもよい。ゴム部材33としては、本体11の底部に沿って、環状のゴムパッキン(いわゆるOリング)を使用してもよいし、他のゴム部材を使用することもできる。本実施例では、図3に示すように環状のゴムパッキンを使用する。本体11はプラスチック等で成形されているため、鉄板等に当接させて使用する際に滑る場合があるが、本体11の底部にゴム部材33を嵌め込むことにより、滑るのを防止でき位置決めを効率よく行うことができる。
【0021】
以上説明した実施例では、保持部12にバネ部材14を備え、本体11に照射部の発光ダイオード20、ガイド線32が付いた透明な板材30、ゴム部材33を備えたジグ装置1を説明してきたが、本発明はこれの構成部を備えたジグ装置1に限定されない。例えば、これらの構成部を備えないジグ装置1も本発明の範囲であり、これらの構成部のいずれか1つ又は2つ以上備えた装置1も本発明の範囲である。
【0022】
[ジグ装置1を備えたセンターポンチ50]
次に上記のジグ装置1を備えたセンターポンチ50とその使用方法について図4図6を用いて説明する。図4は、ジグ装置1を備えたセンターポンチ50の断面図の模式図であり、図5は、その右側面図である。図6は、センターポンチの使い方を示す説明図である。
【0023】
図4に示すように、センターポンチ本体51は、ジグ装置1の保持部12の穴に差し込まれ、上下可動に保持される。本実施例では、バネ部材14を備えた保持部12を使用する。センターポンチ本体51は、ハンマーでその後端をたたいて使用する手動のものでもよいし、ハンマーを内蔵したもの(いわゆるオートセンターポンチ)でもよい。オートセンターポンチは、ハンマーが不要で、押さえるだけで打ち込むことができるため便利である。本実施例では、オートセンターポンチを使用する。
【0024】
センターポンチ本体51の中心軸は、拡大レンズ10(又は保持部12)の中心と略同一である。それにより、センターポンチ本体51は保持部12で垂直方向に上下可動に案内され、先端部52は打ち込む面に対して常に垂直に保たれる。従って、打ち込む際に、先端部52は打ち込む面に対して傾くことがなく、打ち込む位置(罫書き点マークや線)に正確に打ち込むことができる。また、図5に示すように、本実施例ではセンターポンチ50の下部は透明材で形成されているため、センターポンチ本体51の先端部52の位置を側面からも確認することができる。
【0025】
使用する際には、図6に示すようにセンターポンチ本体51の先端部52と、打ち込む位置(罫書き点マークや線)60を、拡大レンズ10を通して目視する。このとき、センターポンチ本体51の軸周り360度(矢印で示す)のどの方向からも拡大レンズ10を通して先端部52と打ち込む位置60を確認することができる。このようにどの方向からも拡大レンズ10を通して先端部52と打ち込む位置60を確認できるセンターポンチは、従来技術になく、本発明の新規な点である。
【0026】
センターポンチ本体51は、図6の上下の矢印方向に、上下可動に保持されているため、位置決めの際にはセンターポンチ本体51の後部を指で押して先端部52の位置を確かめた後、元の高さに戻し、先端部52が打ち込む位置(罫書き点マークや線)60に重なるまで上下に繰り返し動かす。このようにして、先端部52の位置決めを容易に行うことができる。
【0027】
また、周囲が暗い状態で、先端部52と打ち込む位置60が見えづらいときには、照射部の発光ダイオード20の電源スイッチをオンに切り替えることで、光を照射する。それにより、周囲の明るさに影響されず、センターポンチ本体51の先端部52と、打ち込む位置60を確認することができる。さらに、この透明な板材30のガイド線32を打ち込む位置60に合わせることで、先端部52の位置決めを容易にかつ正確に行うことができる。先端部52の位置決めをした後は、ハンマーで打ち込む。
【0028】
なお、以上説明したジグ装置1を備えたセンターポンチ50は、ジグ装置1に、バネ部材14を備え、本体11に照射部の発光ダイオード20、ガイド線32が付いた透明な板材30、ゴム部材33を備えたものを例として説明したが、これらの構成部を備えないジグ装置1を備えたセンターポンチ50も本発明の範囲であり、これらの構成部のいずれか1つ又は2つ以上備えたジグ装置1を備えたセンターポンチ50も本発明の範囲である。
【実施例2】
【0029】
次に本発明の第2の実施例に係るジグ装置1について図7を用いて説明する。図7は、本発明の第2の実施例であるジグ装置を備えたセンターポンチ50の断面図の模式図である。第1の実施例に係るジグ装置1との違いは、拡大レンズ10の下方に第2の拡大レンズ40が本体11に保持されている点である。それ以外の構成や使用方法は、実施例1と同様であるため、共通する部分の説明を省略する。
【0030】
図7に示すように、第2の拡大レンズ40は拡大レンズ10の下方(40mm〜50mm程度)に、本体11と結合したレンズ保持体41によって保持されている。レンズ保持体41は、拡大レンズ10と同様に環状の枠が使用される。第2の拡大レンズ40は、拡大レンズ10と同一のものでもよいし、異なるレンズでもよいが、レンズ保持体41に保持される大きさが必要である。
【0031】
拡大レンズ10と同様に、第2の拡大レンズ40の略中心には、棒状の工具を挿通する穴42が穿設され、そこに工具を保持する保持部12が設置されている。このとき、拡大レンズ10の穴15の中心と第2の拡大レンズ40の穴42の中心が、工具の同軸上になるようにすることが好ましい。それにより、工具を垂直方向に上下可動に保持することができる。
【0032】
実施例1と同様にジグ装置1に照射部を備える構成としてもよい。照射部を備える際には、拡大レンズ10のすぐ下ではなく、第2の拡大レンズ40の下方に照射部を備える構成とすることが好ましい。例えば、発光ダイオード20を、第2の拡大レンズ40の下方に環状の発光ダイオード保持体21を設置し、そこに保持させる。その他、例えばジグ装置1の保持部12にバネ部材14を備える点や、ガイド線32付いた透明な板材30、ゴム部材33を本体11の底部に備える構成は、実施例1と同様である。
【0033】
本実施例のセンターポンチの使用方法は、実施例1と同様であるが、ジグ装置1の拡大レンズ10の下方に第2の拡大レンズ40が本体11に保持されているため、レンズが2重に設置されていることで、更に精度よく工具先端の位置決めを行うことができる。
【実施例3】
【0034】
次に本発明の第3の実施例に係るジグ装置1について図8〜10を用いて説明する。図8、9は、本発明の第3の実施例であるジグ装置を備えたセンターポンチ50の断面図の模式図である。図8は拡大レンズが1重のジグ装置1を備えたセンターポンチ50を示し、図9は拡大レンズが2重のジグ装置1を備えたセンターポンチ50を示す。図10は、図8のセンターポンチの使い方を示す説明図である。第1、2の実施例に係るジグ装置1との違いは、ジグ装置1の円筒形の本体11の側面に円周に沿った窪み18が形成されている点である。それ以外の構成や使用方法は、実施例1、2と同様であるため、共通する部分の説明を省略する。
【0035】
図8に示すように、本実施例のジグ装置1は、円筒形の本体11の側面に円周に沿った窪み18が形成されている。1つの窪みは、長径が8〜9mm程度の略半円形の凹型で、円周に沿って均一に形成されている。窪みの18の大きさや形状はこれに限定されず、どのような大きさ、形状でもよい。
【0036】
図8では、円周に沿って、同じ大きさの2段の窪み18を形成しているが、窪み18は1段でもよく、また、異なる大きさの窪み18を複数段形成してもよい。円筒形の本体11が2段の窪み18を有する場合には、例えば、図10に示すように、本体の片側を片手の人差し指と中指をそれぞれ2段の窪みに当て、対向する側の窪みに親指を当てて押さえることで、円筒形の本体11を持ち運びやすく、また作業中に固定しやすくなる。
【0037】
図9に示す例では、実施例2で説明したジグ装置1の円筒形の本体11の側面に円周に沿った窪み18が形成されている。本実施例では、拡大レンズ10の下方と、第2の拡大レンズ40の下方にそれぞれ円周に沿った窪み18を形成している。どちらか一方に、窪みを形成してもよい。本実施例のように、2段の窪み18を形成している場合には、図10に示す例と同様に、本体の片側を片手の人差し指と中指をそれぞれ2段の窪みに当て、対向する側の窪みに親指を当てて押さえることで使用しやすくなる。
【0038】
本実施例のセンターポンチ50の使用方法は、基本的には実施例1、2と同様である。実施例1、2のジグ装置1の本体11は、プラスチックやガラス等で形成されているため、使用する際に手が滑りやすいが、本実施例のジグ装置1は、本体11の側面に円周に沿った窪み18が形成されているため、使用する際に手で押さえやすく滑りにくい(図10参照)。また、本体11の側面に円周に沿っているため、どの方向からでも持ちやすい。従って、更に効率よく工具先端の位置決めを行うことができる。
【0039】
以上説明したように、本発明のジグ装置及びこれを備えたセンターポンチは、拡大レンズの略中心に穴が穿設され、その穴に棒状の工具を上下可動に保持するため、工具の軸周り(360度)から拡大レンズを通して先端部と、打ち込む位置(罫書き点マークや線)などを確認することができる。それにより、工具先端部の位置決めが容易に、かつ正確にできる。また、従来技術のセンターポンチと比較すると、より簡単な構成で位置決めを良好に行うことができる。
【0040】
なお、上述した実施例のジグ装置及び、ジグ装置を備えたセンターポンチは一例であり、その構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のジグ装置及び、ジグ装置を備えたセンターポンチは、拡大レンズを通して先端部と、打ち込む位置を確認することができるため、図工、工作、美術、技術、手芸等の精密な作業が必要な分野において利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 ジグ装置
10 拡大レンズ
11 本体
12 保持部
13 レンズ保持体
14 バネ部材
15 レンズの穴
16 シール部材
17 締め付け部材
18 円周に沿った窪み
20 発光ダイオード
21 発光ダイオード保持体
22 発光ダイオード端子
30 透明な板材
31 透明な板材の穴
32 ガイド線
33 ゴム部材
40 第2の拡大レンズ
41 レンズ保持体
42 第2の拡大レンズの穴
50 センターポンチ
51 センターポンチ本体
52 先端部
60 打ち込む位置
【要約】
【課題】工具の軸周りから拡大レンズを通してその先端部を確認でき、位置決めを容易に、かつ正確に行うことができるジグ装置及びジグ装置を備えたセンターポンチを提供する。
【解決手段】ジグ装置1は、拡大レンズ10と、拡大レンズが保持された円筒形の本体11と、から構成され、拡大レンズ10の略中心に穴15が穿設され、該穴に棒状の工具を上下可動に保持する保持部12が備えられている。この保持部12にバネ部材14が備えられてもよいし、拡大レンズ10の下方に照射部(発光ダイオード20)が備えられてもよい。また、ジグ装置1を備えたセンターポンチ50は、ジグ装置1の保持部12にセンターポンチ本体51が上下可動に保持され、拡大レンズ10の中心とセンターポンチ本体51の中心軸が略同一である。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10