(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6145854
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】クリームタイプ化粧品容器
(51)【国際特許分類】
A45D 34/00 20060101AFI20170607BHJP
【FI】
A45D34/00 510Z
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-552568(P2015-552568)
(86)(22)【出願日】2013年12月24日
(65)【公表番号】特表2016-506284(P2016-506284A)
(43)【公表日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】KR2013012090
(87)【国際公開番号】WO2015088091
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0154482
(32)【優先日】2013年12月12日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505475921
【氏名又は名称】ヨンウー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ハク−チャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,シン−ボク
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ソン−ウ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ソ−ヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヒョ−ソン
【審査官】
青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0166383(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0006853(US,A1)
【文献】
米国特許第5454488(US,A)
【文献】
欧州特許出願公開第0363307(EP,A1)
【文献】
米国特許第4913322(US,A)
【文献】
実開昭59−184707(JP,U)
【文献】
欧州特許出願公開第0810160(EP,A2)
【文献】
欧州特許出願公開第0600286(EP,A2)
【文献】
米国特許第3361305(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容され、内容物の使用によって容積が減少する容器本体(100)と;
前記容器本体(100)の上部に結合され、ユーザーの加圧有無によって弾性変形され、ポンピング作動によって、前記容器本体(100)に収容された内容物を排出させるポンピングガイドキャップ(200)と;
前記容器本体(100)の内側で、前記ポンピングガイドキャップ(200)の下部に内容物が貯蔵される空間を形成して結合され、前記ポンピングガイドキャップ(200)の弾性変形により、前記容器本体(100)に収容された内容物を一定量吸入する内容物吸入部(300)とを含み、
前記ポンピングガイドキャップ(200)は、前記ポンピングガイドキャップ(200)の上端の一側に位置して、ユーザーの加圧有無によって、下方向へ移動して、前記内容物吸入部(300)の上面に接触してから復元され、前記ポンピングガイドキャップ(200)と内容物吸入部(300)が形成する空間の圧力を変化させてポンプ作動をガイドする弾性材質のボタン部(220)と;
前記容器本体(100)の上部に結合され、前記ポンピングガイドキャップ(200)を前記容器本体(100)に固定させる結合部(210)と;
前記ポンピングガイドキャップ(200)の上端の他側に位置し、前記ボタン部(220)の操作によって内容物を排出させる内容物排出ホール(230)とを含み、
前記内容物排出ホール(230)には、前記ボタン部(220)とは離れて配置され、前記ボタン部(220)の加圧有無によって、前記内容物排出ホール(230)を開閉する第1バルブ部材(231)が設置され、
前記内容物吸入部(300)は、前記容器本体(100)に貯蔵された内容物が流入されるように内容物流入ホール(310)が形成され、
前記内容物流入ホール(310)は、前記内容物排出ホール(230)の下側に配置され、前記内容物流入ホール(310)には、前記ボタン部(220)の加圧有無によって、前記内容物流入ホール(310)を開閉する第2バルブ部材(311)が設置されることを特徴とするクリームタイプ化粧品容器。
【請求項2】
前記ポンピングガイドキャップ(200)を覆って、前記容器本体(100)の上部に結合されるオーバーキャップ(400)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のクリームタイプ化粧品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリームタイプ化粧品容器に関するもので、より詳細には、ユーザーがボタン部を加圧時、ボタン部自体の弾性力によってボタン部が下方向へ移動してから復元され、容器本体内部の圧力を変化させて内容物が排出されるように構成されることにより、別のポンプ部材が存在しなくても簡単な構造を通じて高粘度の内容物を容易に排出することが可能なので、組立時間の短縮はもちろん、製造コストを節減できるクリームタイプ化粧品容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、高粘度クリームが貯蔵されるクリームタイプ化粧品容器は、化粧品容器に収容される内容物と空気の接触を遮断するように構成され、このような真空タイプ化粧品容器が、本出願人が先出願して登録された登録実用新案第20−0311503号に開示されている。
【0003】
前
記登録実用新案は、内容物が貯蔵される容器部(10)と、前記容器部の上端に結合されるディスペンサー(100)を含み、前記ディスペンサー(100)は、下端に吸入孔(22)が形成されて、容器部(10)の上端に結合されるシリンダ(20)と、前記シリンダ(20)の吸入孔(22)に具備されるバルブ体(30)と、上端には容器部(10)の上部をカバーするように拡張されたプレート部(42)が具備され、反復的なポンピングが可能なように、シリンダ(20)に具備されるボタン(40)と、前記シリンダ(20)の内壁面とボタン(40)の下端部の間に具備されるピストン(50)を含めて形成されるディスペンス容器において、前記ボタン(40)の中央部には、上下方向にスライド孔(44)が形成されて、前記バルブ体(30)は、上端部が上部へ延長され、前記ボタン(40)のスライド孔(44)にスライド可能に挿入されて、前記バルブ体(30)の上端には、ボタン(40)のスライド孔(44)をカバーするカバー部材(60)が結合され、前記ボタン(40)を押すと、ボタン(40)がバルブ体(30)の外周面に沿って下降されて、前記カバー部材(60)とボタン(40)の間にギャップが発生され、このギャップを通じて内容物が排出されて、ボタン(40)のプレート部(42)に積まれるようにされたことを特徴とする。
【0004】
しかし、前
記のような構成で形成された登録実用新案は、容器部(10)に貯蔵された内容物の排出のために、前記容器部(10)の上部に、下端に吸入孔(22)が形成されたシリンダ(20)を含むディスペンサー(100)が結合され、複雑な構造のディスペンサー(100)を通じてポンピング作動が行われる構造であるので、ディスペンサー(100)を設置するための組立時間の増加はもちろん、製造コストが増加するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は、ユーザーがボタン部を加圧時、ボタン部自体の弾性力によってボタン部が下方向へ移動してから復元され、容器本体内部の圧力を変化させて内容物が排出されるように構成されることにより、別途のポンピング部材が存在しなくても簡単な構造を通じて高粘度の内容物を容易に排出することが可能なので、組立時間の短縮はもちろん、製造コストを節減できるクリームタイプ化粧品容器を提供することである。
【0006】
また、内容物吸入部を通じてポンピングガイドキャップと内容物吸入部が形成する空間へ一定量の内容物を吸入して貯蔵することにより、一回ポンピング作動時のたびに、常に定量の内容物を排出することが可能なクリームタイプ化粧品容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前
記のような問題点を解決するために、本発明によるクリームタイプ化粧品容器は、内容物が収容され、その内部に内容物の使用によって上昇するピストン(110)が具備される容器本体(100)と;前記容器本体(100)の上部に結合され、ユーザーの加圧可否によって弾性変形され、ポンピング作動によって前記容器本体(100)に収容された内容物を排出させるポンピングガイドキャップ(200)と;前記容器本体(100)の内側で前記ポンピングガイドキャップ(200)の下部に内容物が貯蔵される空間を形成して結合され、前記ポンピングガイドキャップ(200)の弾性変形によって、前記容器本体(100)に収容された内容物を一定量吸入する内容物吸入部(300)と;を含むことを特徴とする。
【0008】
また、前
記ポンピングガイドキャップ(200)は、前記ポンピングガイドキャップ(200)の上端一側に位置して、ユーザーの加圧可否によって、下方向へ移動してから復元され、前記ポンピングガイドキャップ(200)と内容物吸入部(300)が形成する空間の圧力を変化させてポンピング作動をガイドする弾性材質のボタン部(220)を含むことを特徴とする。
【0009】
また、前
記ポンピングガイドキャップ(200)は、前記容器本体(100)の上部に結合されてポンピングガイドキャップ(200)を容器本体(100)に固定させる結合部(210)と;および前記ポンピングガイドキャップ(200)の上端の他側に位置し、前記ボタン部(220)の操作によって内容物を排出させる内容物排出ホール(230)と;をさらに含むことを特徴とする。
【0010】
また、前
記内容物排出ホール(230)には、前
記ボタン部(220)の加圧可否によって、前
記内容物排出ホール(230)を開閉する第1バルブ部材(231)が設置されることを特徴とする。
【0011】
また、前
記内容物吸入部(300)には、前記容器本体(100)に貯蔵された内容物が流入されるように内容物流入ホール(310)が形成され、前
記内容物流入ホール(310)には、前
記ボタン部(220)の加圧可否によって、前
記内容物流入ホール(310)を開閉する第2バルブ部材(311)が設置されることを特徴とする。
【0012】
また、前
記ポンピングガイドキャップ(200)を覆って、前記容器本体(100)の上部に結合されるオーバーキャップ(400)をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、ユーザーがボタン部を加圧時、ボタン部自体の弾性力によってボタン部が下方向へ移動してから復元され、容器本体内部の圧力を変化させて内容物が排出されるように構成されることにより、別途のポンピング部材が存在しなくても簡単な構造を通じて高粘度の内容物を容易に排出することが可能なので、組立時間の短縮はもちろん、製造コストを節減できる長所がある。
【0014】
また、内容物吸入部を通じてポンピングガイドキャップと内容物吸入部が形成する空間へ一定量の内容物を吸入して貯蔵することにより、一回ポンピング作動時のたびに、常に定量の内容物を排出することが可能な長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の構成を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の構成を示す結合斜視図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の構成を示す結合断面図である。
【
図4】本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の作動状態を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同一な参照符号は同一な部材を示す。
【0017】
図1は、本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の構成を示す分解斜視図であり、
図2は、本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の構成を示す結合斜視図であり、
図3は、本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の構成を示す結合断面図である。
【0018】
図1〜3に示すように、本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器は、容器本体(100)、ポンピングガイドキャップ(200)、内容物吸入部(300)、オーバーキャップ(400)が含まれる。
【0019】
前記容器本体(100)は、内容物が収容されることとして、その内部には内容物の使用によって上昇するピストン(110)が具備される。
【0020】
前記容器本体(100)の下端部には、後述するポンピングガイドキャップ(200)の操作を通じたポンピング作動により、ピストン(110)の上昇時に容器本体(100)の内部へ空気が流入されるように空気流入ホール(120)が形成される。
【0021】
前
記ポンピングガイドキャップ(200)は、前記容器本体(100)の上部に結合され、容器本体(100)の上端開口部を閉鎖させることとして、前記容器本体(100)の上部にポンピングガイドキャップ(200)を固定させることが可能なように、前記容器本体(100)の上部に結合される結合部(210)が具備される。
【0022】
本発明において、前記ポンピングガイドキャップ(200)の上端一側には、ユーザーの加圧可否によって弾性変形され、後述する内容物吸入部(300)とポンピングガイドキャップ(200)が形成する空間の圧力を変化させ、内容物吸入部(300)に吸入された内容物を外部へ排出させるボタン部(220)が具備されることが特徴として、前
記ボタン部(220)は、ユーザーが上端部を加圧時に上面全体が下方向へ移動してから、ユーザーが加圧を解除時に復元され、内容物吸入部(300)とポンピングガイドキャップ(200)が形成する空間の圧力を変化させることで、ポンプ作動をガイドすることとなり、ユーザーの加圧可否によって弾性変形されることが可能なように弾性材質で形成される。
【0023】
一方、前記ポンピングガイドキャップ(200)の上端の他側には、前記ボタン部(220)の操作によるポンピング作動によって内容物が排出されるように内容物排出ホール(230)が形成され、前
記内容物排出ホール(230)には、前
記ボタン部(220)の加圧可否によって、前
記内容物排出ホール(230)を開閉する第1バルブ部材(231)が設置される。
【0024】
前
記内容物吸入部(300)は、前記容器本体(100)の内側で前記ポンピングガイドキャップ(200)の下部に結合され、前記ポンピングガイドキャップ(200)のボタン部(220)の弾性変形により、前記容器本体(100)に貯蔵された内容物を一定量吸入することで、容器本体(100)に貯蔵された内容物を吸入して貯蔵することが可能なようにポンピングガイドキャップ(200)の下部で、ポンピングガイドキャップ(200)と一定の間隔で離隔されて内容物が貯蔵される空間を形成して結合される。
【0025】
また、前
記内容物吸入部(300)には、前記容器本体(100)に貯蔵された内容物が流入されるように内容物流入ホール(310)が形成され、前
記内容物流入ホール(310)には、前
記ボタン部(220)の加圧可否によって、前
記内容物流入ホール(310)を開閉する第2バルブ部材(311)が設置される。
【0026】
前
記内容物吸入部(300)は、容器本体(100)に収容される内容物を一定量吸入して貯蔵することにより、ボタン部(220)の操作によるポンプ作動時、常に一定量の内容物を排出できるようにガイドすることとなる。
【0027】
前
記オーバーキャップ(400)は、前記ポンピングガイドキャップ(200)を覆って、前記容器本体(100)の上部に結合されることとして、ボタン部(220)の誤作動を防止して、第1バルブ部材(231)が外部の衝撃から破損されることを防止する。
【0028】
前
記オーバーキャップ(400)の内側上端には、前記ポンピングガイドキャップ(200)が容器本体(100)から脱離されるのを防止するように、ポンピングガイドキャップ(200)の上端を加圧する加圧突起(410)が形成される。
【0029】
以下では、
図4を参照して、本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の作動状態を説明する。
図4は、本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器の作動状態を示す状態図である。
【0030】
図4を参照すると、本発明の好ましい実施例に係るクリームタイプ化粧品容器は、ユーザーがポンピングガイドキャップ(200)の一側に形成されたボタン部(220)を加圧時に弾性材質で形成されるボタン部(220)が下方向へ移動することとなり、これによって、ポンピングガイドキャップ(200)と内容物吸入部(300)が形成する空間に発生する圧力により、ポンピングガイドキャップ(200)と内容物吸入部(300)が形成する空間に貯蔵された内容物がポンピングガイドキャップ(200)の他側に形成された内容物排出ホール(230)を通じてポンピングガイドキャップ(200)の上面へ排出が行われるようになり、この時、内容物排出ホール(230)を閉鎖している第1バルブ部材(231)は、内容物の圧力によって内容物排出ホール(230)を開放することとなり、第2バルブ部材(311)は、内容物流入ホール(310)を閉鎖して内容物吸入部(300)に吸入された内容物が内容物排出ホール(230)を通じて排出が行われることになる。
【0031】
一方、ユーザーがボタン部(220)の加圧を解除すると、ボタン部(220)が、自体弾性力によって復元され、上方向へ移動することとなり、これによって、ポンピングガイドキャップ(200)と内容物吸入部(300)が形成する空間に発生する圧力によって容器本体(100)に収容された内容物が内容物吸入部(300)に流入され、このとき、第1バルブ部材(231)は、内容物排出ホール(230)を閉鎖することとなり、第2バルブ部材(311)は、内容物流入ホール(310)を開放して、次のポンピング作動時に排出可能な一定量の内容物が内容物流入ホール(310)を通じて内容物吸入部(300)へ流入される。
【0032】
上記のように、本発明は、ポンピングガイドキャップ(200)と内容物吸入部(300)が形成する空間に一定量の内容物を貯蔵するように構成され、ボタン部(220)の操作によるポンピング作動時、常に一定量の内容物が排出されることが可能になる。
【0033】
図面と明細書で最適の実施例が開示された。ここで特定の用語らが用いられたが、これは単に本発明を説明するための目的で用いられたものであり、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために用いられたのではない。従って、当該技術分野の通常の知識を有する者であれば、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であることを理解すべきである。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。