特許第6145906号(P6145906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6145906ネット用のロープ体、及びネット用のロープ体の取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6145906
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】ネット用のロープ体、及びネット用のロープ体の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/60 20060101AFI20170607BHJP
   A63B 71/02 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   B66D1/60 Z
   A63B71/02 E
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-187559(P2016-187559)
(22)【出願日】2016年9月6日
【審査請求日】2016年9月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592206156
【氏名又は名称】東田商工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】東 捷俊
【審査官】 中澤 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−119428(JP,A)
【文献】 特開2002−017933(JP,A)
【文献】 実開昭59−048664(JP,U)
【文献】 特許第5975313(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/02
A63B 69/36
B66D 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間部にネットを移動可能に吊り張りするための固定用のロープと、該固定用のロープに平行に架け渡すとともに、前記ネットの一端側を連結しウインチを用いて駆動することでネットを前記固定用のロープに沿って移動するための駆動用のロープとから構成されたネット用のロープ体において、前記固定用のロープは、空間部に架け渡すロープ本体と、該ロープ本体の両端側に設けられた連結具と、少なくとも一方の該連結具に連結されロープ本体と空間部間の距離を調整する調整具とから構成され、且つ前記駆動用ロープは、空間部に応じてウインチと滑車間に巻き付けるロープ本体と、少なくともウインチ側又は滑車間と空間部間の距離を調整し、前記固定用のロープの調整具とは別体の調整具とから構成されていることを特徴とするネット用のロープ体。
【請求項2】
空間部にネットを移動可能に吊り張りする固定用のロープを取り付け、その後該固定用のロープの近傍で並行に架け渡すとともに、前記ネットの一端側を連結し、ウインチと滑車間でエンドレス状に駆動することでネットを前記固定用のロープに沿って移動するための駆動用のロープを取り付けるネット用のロープ体の取り付け方法において、前記固定用のロープを側面側に取り付ける際、固定用のロープを形成するロープ本体の両端側に固定された連結具の少なくとも一方の連結具にロープ本体と空間部間の距離を調整する調整具でその長さを調整しながら連結し、その後前記駆動用のロープを側面側に取り付ける際、駆動用のロープの少なくともウインチ側、又は滑車側の一方に空間部間の距離を調整する調整具を調整しながら連結するとともに、該調整具を用いてロープ本体への弾性を調整することを特徴とするネット用のロープ体の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、主に屋内外空間部で防球用、間仕切り用としてネットを吊り張り、及び開閉移動するのに使用するネット用のロープ体、及びネット用のロープ体の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例えば、屋内の空間部に開閉移動用の防球用等のネットを吊り張りする場合に使用するネット用のロープ体は、空間部の両側面側に架け渡しネットを移動可能に挿通する(ネットの上端側に形成された挿通部、又はネットに上端側に所望の間隔で取り付けられたリング体を用いて)ための固定用のロープと、該固定用のロープの近傍位置で空間部の両側面間に並行に架け渡し、前記ネットの一端側を連結することで固定用のロープに沿って前記ネットを移動するための駆動用のロープとから構成されている。
【0003】
前記固定用のロープは、空間部の両側面間の距離に応じて形成され、両側面側に固定された固定具にロープを連結することで取り付けられる。
【0004】
この際、前記固定用のロープの一端側にターンバックルを取り付けることで、該ターンバックルを用いて固定用のロープの長さを微調整し緊張状態で側面側に取り付ける。
【0005】
また、前記駆動用のロープは、他方の側面側に設けられた滑車と一方の側面側に設けられたウインチ間に架け渡され、該ウインチの駆動で移動する。
【0006】
この際、前記駆動用のロープは滑車側に取り付けられた弾性体でテンションをかけた状態で駆動する。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記従来のロープ体は現場で側面間の距離を正確に計測した後、両側面側にそれぞれ固定具を取り付け、固定用のロープ、及び駆動用のロープをそれぞれ取り付けるためにその取り付け作業が煩雑であり、時間を要するという欠点があった。
【0008】
また、固定用のロープは側面側に連結されたターンバックルに連結して緊張状態とするために、微調整は可能であるが、ロープ部分の長さは予め正確に把握して形成しなければ十分な調整ができない欠点があった。
【0009】
また、同様に駆動用のロープも緊張状態で移動するために、滑車側に弾性体を取り付け、該弾性体でテンションの調整を行うために、予めロープ部分の長さを正確に把握して形成しなければ十分なテンションをかけた状態の調整ができない欠点があった。
【0010】
また、従来の固定用のロープ、及び駆動用のロープは、それぞれ直接側面側に連結するために、メンテナンス作業時において、ロープ全体を解除する工程を必要とし、その作業工程が煩雑であるという欠点があった。
【0011】
そこで本願発明は、ロープ体の側面間の距離の調整が容易に行え、且つ取り付け作業、及びメンテナンス作業の効率がよく、安全性にとんだネット用のロープ体、及び該ネット用のロープ体の取り付け方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する手段としてのロープ体は、請求項1に記載のように、空間部にネットを移動可能に吊り張りするための固定用のロープと、該固定用のロープに並行に架け渡すとともに、前記ネットの一端側を連結しウインチを用いて駆動することでネットを前記固定用のロープに沿って移動するための駆動用のロープとから構成されたネット用のロープ体において、前記固定用のロープは、空間部に架け渡すロープ本体と、該ロープ本体の両端側に設けられた連結具と、少なくとも一方の該連結具に連結されロープ本体と空間部間の距離を調整する調整具とから構成され、且つ前記駆動用のロープは、空間部に応じてウインチと滑車間に巻き付けるロープ体と、少なくともウインチ側又は滑車側と空間部間の距離を調整し、前記固定用のロープの調整具と別体の調整具とから構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決する手段としてのロープ体の取り付け方法は、請求項2に記載のように、空間部にネットを移動可能に吊り張りする固定用のロープを取り付け、その後該固定用のロープの近傍で並行に架け渡すとともに、前記ネットの一端側を連結し、ウインチと滑車間でエンドレス状に移動することでネットを前記固定用のロープに沿って移動するための駆動用のロープを取り付けるネット用のロープ体の取り付け方法において、前記固定用のロープを側面側に取り付ける際、固定用のロープを形成するロープ本体の両端側に固定された連結具の少なくとも一方の該連結具にロープ本体と空間部間の距離を調整する調整具でその長さを調整しながら取り付け、その後前記駆動用のロープを側面側に取り付ける際、駆動用のロープの少なくともウインチ側、又は滑車間の一方に空間部間の距離を調整する調整具を調整しながら連結するとともに、該調整具を用いてロープ本体への弾性を調整することを特徴とする。
【発明の作用効果】
【0014】
本願発明のネット用のロープ体、及びネット用のロープ体の取り付け方法の作用効果を説明する。
【0015】
先ず、請求項1に記載のネット用のロープ体は、空間部に架け渡し、ネットを移動可能に吊り張りする固定用のロープと、該固定用のロープに並行に架け渡すとともに、前記ネットの一端側を連結し、ウインチを用いて駆動する駆動用のロープとから構成されている。
【0016】
前記固定用のロープは、空間部に応じて形成されたロープ本体と、該ロープ本体の両端側に固定された連結具と、少なくとも一方の該連結具に連結され、空間部間の距離を調整する調整具とから構成されている。
【0017】
また、前記駆動用のロープは、空間部に応じてウインチ及び滑車間にエンドレス状に架け渡されたロープ本体と、少なくともウインチ、又は滑車側に連結し、空間部間の距離の調整、及びロープ体の弾性の調整を同時に行うことができ、前記固定用のロープの調整具とは別体の調整具とから構成されている。
【0018】
前記固定用のロープ、及び駆動用のロープは予め空間部(ネットを吊り張りする両側面間の距離)に応じて、ロープ本体の長さを決定し、それぞれ別体の調整具を側面側に固定された取付具に取り付けることで、ロープ本体と調整具とで空間部に応じて距離を自在に調整できる。
【0019】
また、前記駆動用のロープは、ロープ本体をウインチで駆動する際、ドラムにかかるテンションの変動があるが、前記調整具でテンションの強弱に自在に対応することができる。
【0020】
また、前記調整具を固定用のロープのロープ本体の両端側に取り付けることで、さらに空間部の大きさに応じてその長さを自在に調整でき、また、前記調整具を駆動用のロープの滑車側、ウインチ側にそれぞれ取り付けることで、同様に空間部の大きさに応じてその長さを自在に調整できる。
【0021】
このように、本願発明のネット用のロープ体は、ロープ体を構成する固定用のロープ、及び駆動用のロープはそれぞれロープ本体、連結具、及び調整具とから構成されているために、空間部に応じた所望の長さを自在に選択でき、最適なロープ体を提供することができるという利点がある。
【0022】
また、ロープ体の構成が簡易であり、摩耗等が発生し易いロープ本体のみを交換するだけで、そのメンテナンス作業、取り換え作業を容易に行うことができる利点がある。
【0023】
次に、本願発明の請求項2に記載のネット用のロープ体の取り付け方法について説明する。
【0024】
先ず、固定用のロープを側面側に取り付け際は、固定用のロープを形成するロープ本体を予め形成し、別体の調整具を側面側に取り付け、該調整具にロープ本体の一端側を取り付けることで、固定用のロープを架け渡す。
【0025】
この際、前記調整具を空間部に応じて長さ調整することで、適切な状態で固定用のロープを空間部に架け渡すことができる。
【0026】
前記固定用のロープには、リング体等を介してネットが移動可能に吊り張りされている。
【0027】
その後、前記固定用のロープの近傍で並行にウインチで駆動する駆動用のロープを屋内外の空間部に吊り張りする。
【0028】
この際、駆動用のロープは他端側の滑車を介してエンドレス状に形成されたロープ本体を、少なくとも該ウインチ、又は滑車間に連結された調整具を用いて、その長さ調整及びその弾性の調整をしながら空間部に架け渡す。
【0029】
前記駆動用のロープには、前記ネットの一端側を固定することで、駆動用のロープの移動に伴って固定用のロープに沿って開閉移動する。
【0030】
尚、前記固定用のロープのロープ本体の両端側にそれぞれ調整具を取り付け、ロープ本体の長さ調整を両端側の調整具で行うことで、さらに、自在に長さ調整を行うことができる。
【0031】
同様に、前記駆動用のロープの滑車側、ウインチ側の両端側にそれぞれ調整具を取り付けることで、自在な長さ調整、及びその弾性の調整を行うことができる。
【0032】
このように、請求項2に記載の本願発明のネット用のロープ体の取り付け方法は、予めロープ本体を形成し、該ロープ本体と調整体とで容易に空間部間の距離を調整、及びその弾性の調整を行いながら取り付けることができる。
【0033】
また、ネット用のロープ体の構成が容易であり、固定用のロープ、及び駆動用のロープのスムーズな取り付け工程を提案することができる。
【0034】
さらに、ネット用のロープ体のメンテナンス作業においても、固定用のロープのロープ本体、及び駆動用のロープのロープ本体を変更するだけで、スムーズにメンテナンス作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本願発明のネット用のロープ体、及びネット用のロープ体の取り付け方法について、図面に沿って説明する。
【0036】
本願発明のネット用のロープ体を示す概略説明平面図であり、図2図1のネット用のロープ体にネットの取り付けられた状態を示す概略説明平面図であり、図3図4及び図5は調整具を示す概略説明平面図であり、図6、及び図7は本願発明のネット用のロープ体の他実施例を示す概略説明平面図であり、図8、及び図9は本願発明のネット用のロープ体の取り付け方法を示すフローチャートである。
【実施例1】
【0037】
本願発明のネット用のロープ体1は、ネット20を移動可能に挿通するための固定用のロープ2と、前記ネット20の一端側を連結し、ウインチ30で駆動する駆動用のロープ3とから構成されている。
【0038】
前記固定用のロープ2は、空間部に応じて形成されるロープ本体4と、該ロープ本体4の両端側に固定された連結具5と、一方の連結具5に連結し、固定用のロープ2の長さを調整する調整具6とから構成されている。
【0039】
前記ロープ本体4は、その長さを予め10、50,100m等一定の基準で形成し、架け渡す空間部に応じてその距離より短い長さのロープ体4を選択する。
【0040】
前記連結具5は、空間部の側面側に取り付けられた固定具(図示せず)、及び調整具6とを連結及び離反が可能に略円弧状に形成され、予めロープ本体4に固定されている。
【0041】
前記調整具6は、その長さ調整が可能でターンバックル等の調整体7と、側面側と一定の距離を形成する固定部8とから構成されている。該固定部8の長さ(L)は自在に選択でき、空間部の大きさに応じて所望の長さの固定部8を選択し、該選択した固定部8に調整体7を連結することで、最適な調整具6を選択する。
【0042】
前記駆動用のロープ3は、ウインチ30の巻回ドラム31と滑車10間にエンドレス状に取り付けられたロープ本体9と、滑車10と側面側とを連結する連結具11と、ウインチ30と側面側との調整具12とから構成されている。
【0043】
前記連結具11は、滑車10に固定され弾性体(図示せず)を介して側面側の固定具(図示せず)に連結すべく略円弧状に形成されている。尚、前記弾性体(図示せず)は必須の構成ではない。
【0044】
前記調整具12は、その長さ調整が可能でターンバックル等の調整体14と側面側と一定の距離(M)を形成する固定部15と、バネ等で構成された弾性部16とから構成されている。前記固定部15の長さ(M)は自在に選択でき、空間部の大きさに応じて所望の長さの固定部15を選択し、弾性部16と連結することで、最適な調整具12を選択する。
【0045】
尚、前記各調整具6、12における固定部8、15の形成は必須の構成ではなく、調整体7、14のみで構成することを可能である。
【0046】
又、上記実施例では、調整具6,12をロープ本体4,9の一端側のみに連結したが、本願発明において、調整具6,12の連結はこれに限定されるものでなく、調整具6,12をそれぞれロープ本体4、9の両端側に取り付けることで、ロープ本体6,12を両端側より長さの調整、及び弾性の調整を同時に行うことも可能である。この場合、空間部における長さ調整、ロープ本体へのテンション対応を段階的に対応でき、さらにその作業工程をスムーズに行うことが可能である。
【0047】
本願発明のネット用のロープ体1は、上記のように構成され、次に、該ネット用のロープ体1の屋内の空間部に取り付ける場合について説明する。
【0048】
先ず、空間部の形状に応じて所望の長さを有する固定用のロープ2のロープ本体4を選択し、ネット20を吊り張りする一方の側面側に取り付けた固定具に前記ロープ本体4の一方の端部に固定された連結具5を連結するとともに、他方の側面側に取り付けられた固定具に別体の調整具6を連結する。
【0049】
この際、前記調整具6は固定部8と調整体7で構成されているために、所望の長さの前記固定部8を選択することで、空間部の大きさに応じて固定用のロープ2の概略的な長さの調整ができ、その後、前記調整体7を利用してさらに固定用のロープ2の微調整を行い、ロープ本体4を緊張した状態として架け渡す。
【0050】
そして、前記ロープ本体4部分にネット20の上端側を直接(ネット20の上端側を筒状に形成)又は間接的(ネット20の上端側に所望の間隔でリング体を取り付け)に移動可能に挿通する。
【0051】
尚、前記固定用のロープ2は空間部の大きさに応じて構成されるので、空間部が大きく、挿通するネット20の荷重が重い場合は、ロープ本体4の両端側の連結具5それぞれに調整具6を取り付け、両端側でネット20の荷重等に対応することも可能である。
【0052】
次に、前記固定用のロープ2の近傍位置で並行に駆動用のロープ3を架け渡す。即ち、空間部の形状に応じて所望の長さ(エンドレス状に架け渡された状態)のロープ本体9を選択し、ウインチ30の巻回ドラム31と滑車10間にエンドレス状に巻回し、その後、前記ウインチ30、又は滑車10のいずれか一方に側面側の固定具と連結した調整具12を取り付ける。
【0053】
この際、前記調整具12は、調整体14、固定部15、及び弾性部16で構成されているために、所望の長さの固定部15を選択することで、駆動用のロープ3の概略的の長さを調整でき、調整体14でさらに長さの微調整を行う。
【0054】
これにより、駆動用のロープ3を空間部に架け渡し、その後前記固定用のロープ2に挿通されたネット20の先端側を駆動用のロープ3に連結する。
【0055】
この状態でウインチ30を駆動すると、前記調整具12の弾性部16で駆動用のロープ3を側面側に緊張しながらスムーズにロープ本体9を移動することができる。
【0056】
このようにして、前記固定用のロープ2と前記駆動用のロープ3を空間部の形状に応じて架け渡すことができるので、簡易にネット用のロープ体1を空間部に取り付けできる。
【0057】
また、固定用のロープ2も駆動用のロープ3も空間部に緊張した状態で取り付けでき、安全にネット用のロープ体1を取り付けできる。
【0058】
尚、上記実施例において、ウインチ30はロープ本体9に直接取り付けたが、本願発明においてウインチ30取り付け位置はこれに限定されるものでなく、例えば、ウインチ30を床面側に取り付けることも可能である。この場合は、ロープ本体9には例えば、2個の滑車17(17A,17B)を取り付けた取付板18を形成することでロープ本体9をエンドレス状に移動することも可能である。
【0059】
また、上記実施例では、固定用のロープ2を1本吊り張りすることで、ネット20を開閉移動したが、本発明において、固定用のロープ2の本数はこれに限定されるものでなく、例えば、2本の固定用のロープ2を架け渡すことで、2枚のネット20を空間部の中央側と相対する側面側とで開閉移動するように構成することも可能である。
【0060】
さらに、上記実施例では、駆動用のロープ3は滑車10側、又はウインチ30側に調整具12を直接連結したが、本発明において、調整具12の連結はこれに限定されるものでなく、例えば、滑車10及びウインチ30に連結具(図示せず)を連結し、該連結具を介して調整具12を連結する構成とすることも可能である。
【実施例2】
【0061】
実施例1では、駆動用のロープ3を単に滑車10とウインチ30の巻回ドラム31間で移動したが、本願発明のネット用のロープ体1において、駆動用のロープ3に板状の長尺移動板(図示せず)を取り付けることで、ロープ本体9を前記長尺移動板に沿って移動することで、スムーズな移動を可能とする。
【0062】
特に、空間部の距離を有するロープ本体9の場合は、中途部分を上方側よりロープ体(図示せず)で支持しなければ下方側に垂れた状態となるが、長尺移動板を使用することで、ロープ本体9をスムーズに移動することができる。
【0063】
また、長尺移動板(図示せず)は、駆動用のロープ3だけでなく、固定用のロープ2部分も長尺移動板19を取り付けることで、ネット20をよりスムーズに移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本願発明のネット用のロープ体の一実施例を示す概略説明平面図
図2図1のネット用のロープ体にネットの取り付けられた状態を示す概略説明平面図
図3】固定用のロープの調整具を示す概略説明平面図
図4】固定用のロープの調整具を示す概略説明平面図
図5】駆動用のロープの調整具を示す概略説明平面図
図6】本願発明のネット用のロープ体の他実施例を示す概略説明平面図
図7】本願発明のネット用のロープ体の他実施例を示す概略説明平面図
図8】本願発明のネット用のロープ体の取り付け方法を示すフローチャート
図9】本願発明のネット用のロープ体の取り付け方法を示すフローチャート
【符号の説明】
【0065】
1−ネット用のロープ体、2−固定用のロープ、3−駆動用のロープ
【要約】
【課題】本願発明は、ネットを吊り張りするネット用のロープ体を容易に構成することができ、さらにその取り付けをスムーズに行えるネット用のロープ体、及び該ネット用のロープ体の取り付け方法を提供することを課題とする。
【解決手段】空間部にネットを移動可能に吊り張りするための固定用のロープと、該固定用のロープに並行に架け渡すとともに、前記ネットの一端側を連結しウインチを用いて駆動することでネットを前記固定用のロープに沿って移動するための駆動用のロープとから構成されたネット用のロープ体において、前記固定用のロープは、空間部に吊り張りするロープ本体と、該ロープ本体の両端側に設けられた連結具と、少なくとも一方の該連結具と空間部間の距離を調整する調整具とから構成され、且つ駆動用のロープは、ウインチと滑車間に巻き付けるロープ本体と、少なくともウインチ側又は滑車側と連結する調整具とから構成されていることである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9