(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ラッチ部の相補の複数の端子に対応して、前記第1の強誘電体容量と前記電荷吸収部と前記第3の強誘電体容量と前記第1の電流ミラー部との組みを複数有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不揮発性ラッチ回路。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(参考技術)
図1は不揮発性ラッチ回路の構成例を示す回路図であり、
図2は
図1の不揮発性ラッチ回路の読み出し動作を説明するための電圧波形図である。不揮発性ラッチ回路は、強誘電体容量C11〜C14と、pチャネル電界効果トランジスタP11,P12と、nチャネル電界効果トランジスタN11〜N14とを有する。強誘電体容量C13及びC14は、相補の情報を記憶するための容量である。強誘電体容量C11及びC12は、負荷用の容量である。
【0012】
図3は、
図1の強誘電体容量C11〜C14のヒステリシス特性を示す図である。横軸は印加電圧であり、縦軸は分極量であり、分極量+Pr及び−Prは残留分極量であり、電圧+Vc及び−Vcは抗電圧であり、電圧+Vs及び−Vsは飽和電圧である。強誘電体容量C11〜C14は、ポイント401〜406を通過するヒステリシス特性を有する。以下、ポイント401の状態をPタームと呼び、ポイント404の状態をUタームと呼ぶ。例えば、強誘電体容量C13はPターム401に対応するデータ「1」の情報を記憶し、強誘電体容量C11はUターム404に対応するデータ「0」の情報を記憶する。強誘電体容量C14はUターム404に対応するデータ「0」の情報を記憶し、強誘電体容量C12はPターム401に対応するデータ「1」の情報を記憶する。
【0013】
図2において、まず、線PCL及びNCLを中間電位にし、プレート線PL10及びPL11をローレベルにし、ワードラインWL1をローレベルにする。
【0014】
次に、プレート線PL11をハイレベルにする。すると、強誘電体容量C13はPターム401の状態記憶により分極反転があるためにノードn11は高電圧に収束し、強誘電体容量C14はUターム404の状態記憶により分極反転がないためにノードn12は低電圧に収束する。
【0015】
次に、電源電位線PCLを電源電位にし、基準電位線NCLを基準電位にする。すると、ノードn11の高電圧はハイレベルに増幅され、ノードn12の低電圧はローレベルに増幅される。ノードn11及びn12の信号は、相補の信号に増幅される。
【0016】
次に、ワード線WL1をハイレベルにする。すると、トランジスタN11及びN12がオンし、ビット線BLはノードn11と同じハイレベルになり、ビット線/BLはノードn12と同じローレベルになる。
【0017】
これにより、強誘電体容量C13及びC14に記憶されている情報をビット線BL及び/BLに読み出すことができる。
【0018】
1.8Vの低電源電圧でも、動作可能にするために、負荷の容量C11及びC12を設けている。Pターム401の強誘電体容量C12及びC13とUターム404の強誘電体容量C11及びC14との等化容量比は3:1である。強誘電体容量C11及びC13は直列に接続され、強誘電体容量C12及びC14は直列に接続される。そのため、Pターム401の強誘電体容量C12及びC13には1/4に分圧された電圧が印加され、Uターム404の強誘電体容量C11及びC14には3/4に分圧された電圧が印加される。電源電圧が3Vであれば、Pターム401の強誘電体容量C13に0.75V(=3/4V)程度の電圧が印加され、抗電圧(反転電圧)ぎりぎりの電圧が印加される。しかし、電源電圧が1.8Vの場合には、Pターム401の強誘電体容量C13に0.45V(=1.8/4V)しか印加されず、抗電圧未満の電圧しか印加されないため、十分な読み出し電荷が得られなくなる。
【0019】
以下、強誘電体容量に高電圧を印加して強誘電体容量から十分な電荷量を読み出すことができる不揮発性ラッチ回路の実施形態を説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
図4は、第1の実施形態による不揮発性ラッチ回路の構成例を示す回路図であり、
図5は
図4の不揮発性ラッチ回路の読み出し動作を説明するための電圧波形図である。第1の強誘電体容量C71は、第1の電極がプレート線PL70に接続され、第2の電極がノードn71に接続される。pチャネル電界効果トランジスタP70は、ソースがノードn71に接続され、ゲートがゲート線CT1に接続され、ドレインがノードn70に接続されたソースフォロワを構成する。第2の強誘電体容量C70は、第1の電極がノードn70に接続され、第2の電極が基準電位ノード(例えばグランド電位ノード)に接続される。pチャネル電界効果トランジスタP71は、ソースが電源電位ノードに接続され、ゲートがゲート線PC1に接続され、ドレインがノードn70に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN71は、ソースが基準電位ノードに接続され、ゲートがゲート線DC1に接続され、ドレインがノードn70に接続される。ビット線BLは、ノードn71に接続される。
【0021】
第3の強誘電体容量C73は、第1の電極がプレート線PL70に接続され、第2の電極がノードn73に接続される。pチャネル電界効果トランジスタP72は、ソースがノードn73に接続され、ゲートがゲート線CT1に接続され、ドレインがノードn72に接続されたソースフォロワを構成する。第4の強誘電体容量C72は、第1の電極がノードn72に接続され、第2の電極が基準電位ノードに接続される。pチャネル電界効果トランジスタP73は、ソースが電源電位ノードに接続され、ゲートがゲート線PC1に接続され、ドレインがノードn72に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN73は、ソースが基準電位ノードに接続され、ゲートがゲート線DC1に接続され、ドレインがノードn72に接続される。ビット線/BLは、ノードn73に接続される。
【0022】
強誘電体容量C70〜C73は、
図3に示したように、ポイント401〜406を通過するヒステリシス特性を有する。強誘電体容量C71及びC73は、相補の情報を記憶する。例えば、強誘電体容量C71はPターム401に対応するデータ「1」の情報を記憶し、強誘電体容量C73はUターム404に対応するデータ「0」の情報を記憶する。強誘電体容量C70及びC72は、それぞれ、強誘電体容量C71及びC73の少なくとも一部の電荷を吸収するための電荷吸収部であり、Uターム404に対応するデータ「0」に初期化される。pチャネル電界効果トランジスタP70は、第1の強誘電体容量C71から第2の強誘電体容量C70に電荷を転送するための電荷転送部である。pチャネル電界効果トランジスタP72は、第3の強誘電体容量C73から第4の強誘電体容量C72に電荷を転送するための電荷転送部である。
【0023】
図5の読み出し動作により、強誘電体容量C71に記憶されている情報はビット線BLに読み出され、強誘電体容量C73に記憶されている情報はビット線/BLに読み出される。
【0024】
ラッチ部410は、pチャネル電界効果トランジスタP76,P77及びnチャネル電界効果トランジスタN76〜N79を有し、ビット線BL及び/BLのデータをラッチする。nチャネル電界効果トランジスタN78は、ドレインがビット線BLに接続され、ゲートがゲート線DC2に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。nチャネル電界効果トランジスタN79は、ドレインがビット線/BLに接続され、ゲートがゲート線DC2に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。pチャネル電界効果トランジスタP76は、ソースが電源電位線/SE7に接続され、ゲートがビット線/BLに接続され、ドレインがビット線BLに接続される。pチャネル電界効果トランジスタP77は、ソースが電源電位線/SE7に接続され、ゲートがビット線BLに接続され、ドレインがビット線/BLに接続される。nチャネル電界効果トランジスタN76は、ドレインがビット線BLに接続され、ゲートがビット線/BLに接続され、ソースが基準電位線SE7に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN77は、ドレインがビット線/BLに接続され、ゲートがビット線BLに接続され、ソースが基準電位線SE7に接続される。
【0025】
pチャネル電界効果トランジスタP70及びP72はソースフォロワを構成するため、ゲート線CT1が0Vである時、ノードn71及びn73は、トランジスタP70及びP72の閾値電圧(例えば0.6V)に固定される。ノードn71及びn73が0.6Vに固定されるため、電源電圧が1.8Vの場合、強誘電体容量C71及びC73には、1.2V(=1.8−0.6V)の電圧が印加され、抗電圧以上の電圧が印加されるので、1.8Vの低電源電圧でも動作可能になる。
【0026】
Pターム401の強誘電体容量C71の読み出し電荷量は、Uターム404の強誘電体容量C73の読み出し電荷量より多い。ラッチ部410は、ノードn71及びn72の電位差を増幅してラッチするため、Uターム404の強誘電体容量C73の電荷を全て吸い取り、Pターム401の強誘電体容量C71の電荷を全て吸い取らないように電荷吸収用の強誘電体容量C70及びC72の容量値を設定する。例えば、強誘電体容量C70及びC72の容量値は、Uターム404の強誘電体容量C73の3倍の容量値相当に設定する。
【0027】
強誘電体容量C73がUターム404の場合、ノードn73はトランジスタP72の閾値電圧0.6Vになり、強誘電体容量C72はノードn72が0.4Vになるまで充電する。強誘電体容量C71がPターム401の場合、強誘電体容量C70がオーバーフローする電荷量をフル充電するため、ノードn70はトランジスタP70の閾値電圧0.6Vになり、ノードn71はオーバーフロー電荷量により0.9Vになる。
【0028】
ノードn71及びn73の電位が安定した後、ラッチ部410は、ノードn71及びn73の電位差を増幅する。ゲート線PC1は、強誘電体容量C70及びC72をUターム404に初期化するための信号線である。ゲート線DC1は、上記の初期化の後、動作直前に電荷吸い取り用にノードn70及びn72を基準電位にするための信号線である。ゲート線DC2は、読み出し直前に、強誘電体容量C71及びC73の読み出しに由来しないノードn71及びn73の電荷を消去するための信号線である。
【0029】
次に、
図5を参照しながら、
図4の不揮発性ラッチ回路の読み出し動作を説明する。概略の流れは、期間T1で強誘電体容量C70及びC72にUターム404を書き込み、期間T2でプレート線PL70をハイレベルに上げ、時刻t11で線SE7及び/SE7によりラッチ部410を動作させ、期間T3で強誘電体容量C73へUターム404を再書き込みし、期間T4で強誘電体容量C71へPターム401を再書き込みする。
【0030】
まず、時刻t1では、ゲート線DC2をハイレベルにする。すると、トランジスタN78及びN79がオンし、ノードn71及びn73に残っている電荷は、トランジスタN78及びN79を通じて基準電位ノードに逃がされ、ノードn71及びn73は0Vにリセットされる。この後の期間T1で強誘電体容量C70及びC72へのUターム404書き込み中に、強誘電体容量C71及びC73のデータ破壊を防止するため、ノードn71及びn73を0Vに維持する必要がある。したがって、ゲート線DC2は、時刻t1からt8までハイレベルにする。
【0031】
次に、時刻t2では、ゲート線CT1をハイレベルにする。すると、トランジスタP70及びP72がオフし、ノードn71及びn73はそれぞれノードn70及びn72から切り離される。
【0032】
次に、時刻t3〜t4では、ゲート線PC1をローレベルにする。すると、トランジスタP71及びP73がオンし、ノードn70及びn72が電源電位になり、強誘電体容量C70及びC72にUターム404が書き込まれる。
【0033】
時刻t4では、ゲート線PC1をハイレベルに戻し、時刻t5〜t6ではゲート線DC1をハイレベルにして、トランジスタN71及びN73をオンにして、ノードn70及びn72を基準電位にリセットする。時刻t4〜t5では、ゲート線PC1の負パルスとゲート線DC1の正パルスはオーバーラップしないようにして、貫通電流を防止する。
【0034】
次に、時刻t6では、ゲート線DC1をローレベルにし、ノードn70及びn72の基準電位へのリセットを解除する。
【0035】
次に、時刻t7では、ゲート線CT1をローレベルにする。すると、トランジスタP70及びP72がオンするが、トランジスタP70及びP72のゲートカップリングノイズを防ぐ意味合いで、ゲート線DC2のハイレベルを維持する。
【0036】
次に、時刻t8では、ゲート線DC2をローレベルにして、ノードn71及びn73の基準電位へのリセットを解除する。時刻t8までで、初期設定は終了する。
【0037】
次に、時刻t9〜t10では、プレート線PL70をハイレベルに立ち上げ、読み出しを行う。なお、
図5では、期間T2は、ノードn70〜n73の電位変動を明確にするため、時間軸方向に拡大して表示している。
【0038】
まず、ノードn71及びn73は、トランジスタP70及びP72の閾値電圧0.6Vまではプレート線PL70と共に電位が上昇する。その後、トランジスタP70及びP72がオンすると、ノードn71及びn73の電荷がそれぞれ強誘電体容量C70及びC72に流れ始める。すると、ノードn70及びn72の電位は上昇し、ノードn71及びn73の電位は一定になる。
【0039】
強誘電体容量C73はUターム404であり、読み出し電荷が少ない。この場合、ノードn72はトランジスタP72の閾値電圧0.6Vに達する前の電圧0.4Vで電荷を全て吸収してしまい、次のリセットまでその電位を維持する。ソースフォロワを構成するトランジスタP72のゲート線CT1が0Vであるため、ノードn73は、トランジスタP72の閾値電圧0.6V以上には上がらず、閾値電圧0.6Vを維持する。
【0040】
これに対し、強誘電体容量C71はPターム401であり、読み出し電荷が多い。この場合、ノードn70は、トランジスタP70の閾値電圧0.6Vまで上昇して行く。しかし、ノードn70の電位上昇が止まると、電荷吸収がないため、強誘電体容量C71からさらに出力される電荷により、ノードn71の電位は再び上昇し、0.9Vになる。
【0041】
上記の強誘電体容量C71及びC73の読み出しは、データ破壊読み出しであるため、後の期間T3及びT4でデータの再書き込みを行う必要がある。
【0042】
次に、時刻t10では、プレート線PL70のハイレベルへの立ち上げが完了する。その後、時刻t11では、基準電位線SE7をローレベルにし、電源電位線/SE7をハイレベルにし、ラッチ部410をアクティブにし、ノードn73の電位0.6Vとノードn71の電位0.9Vとの電位差を電源電圧振幅に増幅する。
【0043】
時刻t12〜t13は、プレート線PL70がハイレベルであり、ノードn73がローレベルである期間T3である。期間T3では、強誘電体容量C73にUターム404が再書き込みされる。
【0044】
時刻t13〜t15は、プレート線PL70がローレベルであり、ノードn71がハイレベルである期間T4である。期間T4では、強誘電体容量C71にPターム401が再書き込みされる。
【0045】
なお、線SE7及び/SE7により、ラッチ部410は、時刻t11からt14までしかアクティブでないが、ノードn71のレベルを保持するので、時刻t15でゲート線DC2をハイレベルとし、ノードn71をローレベルにするまでの期間T4が、強誘電体容量C71へのPターム再書き込みとなる。
【0046】
これにより、Pターム401の強誘電体容量C71に0.9V程度の読み出し電圧を印加することが可能となり、
図1の不揮発性ラッチ回路の場合の0.45Vより倍増できている。0.9V程度の読み出し電圧は、抗電圧0.8V以上の電圧であるので、1.8Vの低電源電圧の場合でも、安定した読み出し動作が可能になる。
【0047】
以上のように、第1の強誘電体容量C71からラッチ部410への情報の読み出し時に、第1の強誘電体容量C71の第2の電極の電位の変動を抑制するように、プレート線PL70を動作させて第1の強誘電体容量C71から出力させた電荷の少なくとも一部の電荷を強誘電体容量(電荷吸収部)C70で吸収する。ラッチ部410の相補の複数のビット線BL,/BLの端子に対応して、強誘電体容量C71,C73と電荷吸収部C70,C72の組みを複数有する。
【0048】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態による不揮発性ラッチ回路の構成例を示す回路図である。強誘電体容量C71は、
図4の第1の強誘電体容量C71に対応し、第1の電極がプレート線PL70に接続され、第2の電極がビット線BLに接続される。nチャネル電界効果トランジスタN41は、第1のトランジスタであり、
図4の強誘電体容量C70に対応する電荷吸収部である。nチャネル電界効果トランジスタN41は、ドレインがビット線BLに接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。第1の容量Cg1は、第1の電極がビット線BLに接続され、第2の電極がnチャネル電界効果トランジスタN41のゲートに接続される。
【0049】
強誘電体容量Ct1は、第3の強誘電体容量であり、第1の電極が電源電位ノードVDDに接続され、第2の電極が出力ノードVn1に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN42は、第2のトランジスタであり、ドレインが出力ノードVn1に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。第2の容量Cg2は、第1の電極がビット線BLに接続され、第2の電極がnチャネル電界効果トランジスタN42のゲートに接続される。
【0050】
強誘電体容量C73は、
図4の強誘電体容量C73に対応し、第1の電極がプレート線PL70に接続され、第2の電極がビット線/BLに接続される。nチャネル電界効果トランジスタN43は、
図4の強誘電体容量C72に対応する電荷吸収部である。nチャネル電界効果トランジスタN43は、ドレインがビット線/BLに接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。第3の容量Cg3は、第1の電極がビット線/BLに接続され、第2の電極がnチャネル電界効果トランジスタN43のゲートに接続される。
【0051】
強誘電体容量Ct2は、第1の電極が電源電位ノードVDDに接続され、第2の電極が出力ノードVn2に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN44は、ドレインが出力ノードVn2に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。第4の容量Cg4は、第1の電極がビット線/BLに接続され、第2の電極がnチャネル電界効果トランジスタN44のゲートに接続される。
【0052】
トランジスタN41及び第1の容量Cg1は、強誘電体容量C71の少なくとも一部の電荷を吸収するための電荷吸収部である。トランジスタN43及び第3の容量Cg3は、強誘電体容量C73の少なくとも一部の電荷を吸収するための電荷吸収部である。
【0053】
トランジスタN42及び第2の容量Cg2は、トランジスタN41の電流をミラーリングした電流を強誘電体容量Ct1の第2の電極から引く電流ミラー部である。トランジスタN44及び第4の容量Cg4は、トランジスタN43の電流をミラーリングした電流を強誘電体容量Ct2の第2の電極から引く電流ミラー部である。
【0054】
ラッチ部601は、
図4のラッチ部410と同様の構成を有し、出力ノードVn1及びVn2の電位差を増幅してラッチする。
【0055】
ラッチ部601の相補の複数の出力ノードVn1及びVn2の端子に対応して、強誘電体容量C71,C73とトランジスタ(電荷吸収部)N41,N43,Cg1,Cg3と強誘電体容量Ct1,Ct2と電流ミラー部N42,N44,Cg2,Cg4との組みを複数有する。
【0056】
上記の電流ミラー部を用いて、負電圧を使わない不揮発性ラッチ回路を構成する。容量Cg1〜Cg4は、トランジスタN41〜N44の閾値電圧をキャンセルするためのバイアス容量である。容量Cg1〜Cg4がない場合は単なる電流ミラー回路であり、ビット線BL及び/BLにはトランジスタN41,N43の閾値電圧0.6Vのクランプがかかる。その時、電源電圧が1.8Vの場合、強誘電体容量C71及びC73には1.8−0.6=1.2V程度の電圧がかかる。
【0057】
これに対し、容量Cg1〜Cg4を設け、容量Cg1〜Cg4を閾値電圧にプリチャージすると、実質、トランジスタN41及びN43の閾値電圧が0Vとして、動作させることができ、強誘電体容量C71及びC73には電源電圧1.8Vをフルに印加することができる。これにより、強誘電体容量C71及びC73に抗電圧以上の電圧を印加することができ、1.8Vの低電源電圧でも安定した読み出し動作を行うことができる。
【0058】
例えば、強誘電体容量Ct1及びCt2の容量値は、Uターム404の強誘電体容量C73の3倍の容量値相当に設定する。プリチャージしておいた強誘電体容量Ct1及びCt2は、トランジスタN42,N44により放電される。その放電により積分した電流は、それぞれ、強誘電体容量C71及びC73から発生した電荷に対応する。その電荷は電圧に変換され、ラッチ部601は、出力ノードVn1及びVn2の電位差を増幅してラッチする。
【0059】
プレート線PL70をハイレベルにすると、強誘電体容量C71は、Pターム401であるのでビット線BLに高電圧が出力され、トランジスタN42に大電流が流れ、出力ノードVn1の電位は大きく下がる。
【0060】
これに対し、プレート線PL70をハイレベルにすると、強誘電体容量C73は、Uターム404であるのでビット線/BLに低電圧が出力され、トランジスタN44に小電流が流れ、出力ノードVn2の電位は小さく下がる。ラッチ部601は、出力ノードVn1及びVn2の電位差を増幅してラッチする。
【0061】
本実施形態では、第1の強誘電体容量C71からラッチ部601への情報の読み出し時に、第1の強誘電体容量C71の第2の電極の電位の変動を抑制するように、プレート線PL70を動作させて第1の強誘電体容量C71から出力させた電荷の少なくとも一部の電荷を電荷吸収部N41,Cg1で吸収する。
【0062】
図7(A)及び(B)は、
図6の不揮発性ラッチ回路の一部の具体的な構成例を示す回路図である。その他の部分も、
図7(A)及び(B)の回路と同様である。以下、
図7(A)及び(B)が
図6と異なる点を説明する。スイッチsw1は、トランジスタN41のドレインを、強誘電体容量C71の第2の電極又は抵抗R1を介して電源電位ノードVDDに接続するためのスイッチである。スイッチsw2は、トランジスN41のドレインと第1の容量Cg1の第2の電極との間を接続又は切断するためのスイッチである。スイッチsw3は、トランジスタN41のゲートを、トランジスタN41のドレイン又は第1の容量Cg1の第2の電極に接続するためのスイッチである。スイッチsw4は、第1の容量Cg1の第1の電極を、基準電位ノード又はトランジスタN41のドレインに接続するためのスイッチである。
【0063】
スイッチsw11は、トランジスタN42のドレインを、強誘電体容量Ct1の第2の電極又は抵抗R11を介して電源電位ノードVDDに接続するためのスイッチである。スイッチsw12は、トランジスタN42のドレインと第2の容量Cg2の第2の電極との間を接続又は切断するためのスイッチである。スイッチsw13は、トランジスタN42のゲートを、トランジスタN42のドレイン又は第2の容量Cg2の第2の電極に接続するためのスイッチである。スイッチsw15は、強誘電体容量Ct1の第2の電極と電源電位ノードVDDとの間を接続又は切断するためのスイッチである。スイッチsw16は、第2の容量Cg2の第1の電極を、基準電位ノード又はトランジスタN41のドレインに接続するためのスイッチである。
【0064】
まず、
図7(A)の容量Cg1及びCg2のプリチャージ設定を行い、その後、
図7(B)の読み出し動作設定を行う。
【0065】
まず、
図7(A)では、スイッチsw1により、トランジスタN41のドレインは、抵抗R1を介して電源電位ノードVDDに接続される。また、スイッチsw2により、第1の容量Cg1の第2の電極は、トランジスタN41のドレインに接続される。また、スイッチsw3により、トランジスタN41のゲートは、トランジスタN41のドレインに接続される。また、スイッチsw4により、第1の容量Cg1の第1の電極は、基準電位ノードに接続される。また、スイッチsw11により、トランジスタN42のドレインは、抵抗R11を介して電源電位ノードVDDに接続される。また、スイッチsw12により、第2の容量Cg2の第2の電極は、トランジスタN42のドレインに接続される。また、スイッチsw13により、トランジスタN42のゲートは、トランジスタN42のドレインに接続される。また、スイッチsw15により、強誘電体容量Ct1の第2の電極は、電源電位ノードVDDに接続される。また、スイッチsw16により、第2の容量Cg2の第1の電極は、基準電位ノードに接続される。
【0066】
トランジスタN41及びN42は、それぞれ、ダイオード接続され、抵抗R1及びR11を介して電源電位ノードVDDに接続される。トランジスタN41及びN42は、それぞれ、ゲートが自己の閾値電圧になる。容量Cg1及びCg2は、それぞれ、トランジスタN41及びN42の閾値電圧に充電される。これにより、容量Cg1及びCg2は、それぞれ、自己補正により、トランジスタN41及びN42の閾値電圧を充電することができる。
【0067】
スイッチsw4は、第1のスイッチであり、第1の容量Cg1の第1の電極を、基準電位ノード又は強誘電体容量C71の第2の電極に選択的に接続する。スイッチsw2及びsw3は、第2のスイッチであり、第1の容量Cg1の第2の電極を、トランジスタN41の閾値電圧のノード(閾値相当の電圧ノード)又はトランジスタN41のゲートに選択的に接続する。強誘電体容量C71からラッチ部601への情報の読み出しの前に、第1の容量Cg1をトランジスタN41の閾値相当の電圧でプリチャージする。
【0068】
電流ミラー部は、第2のトランジスタN42と、第2の容量Cg2と、スイッチsw11〜sw13,sw15,sw16とを有する。スイッチsw16は、第3のスイッチであり、第2の容量Cg2の第1の電極を基準電位ノード又は第1の強誘電体容量C71の第2の電極に選択的に接続する。スイッチsw12及びsw13は、第4のスイッチであり、第2の容量Cg2の第2の電極を第2のトランジスタN42の閾値相当の電圧ノード又は第2のトランジスタN42のゲートに選択的に接続する。第1の強誘電体容量C71からラッチ部601への情報の読み出しの前に、第2の容量Cg2を第2のトランジスタN42の閾値相当の電圧でプリチャージする。
【0069】
次に、
図7(B)では、スイッチsw1により、トランジスタN41のドレインは、強誘電体容量C71の第2の電極に接続される。また、スイッチsw2及びsw3により、第1の容量Cg1の第2の電極は、トランジスタN41のゲートに接続される。また、スイッチsw4により、第1の容量Cg1の第1の電極は、強誘電体容量C71の第2の電極に接続される。また、スイッチsw11により、トランジスタN42のドレインは、強誘電体容量Ct1の第2の電極に接続される。また、スイッチsw12及びsw13により、第2の容量Cg2の第2の電極は、トランジスタN42のゲートに接続される。また、スイッチsw15により、強誘電体容量Ct1の第2の電極は、電源電位ノードVDDから切断される。また、スイッチsw16により、第2の容量Cg2の第1の電極は、強誘電体容量C71の第2の電極に接続される。
【0070】
トランジスタN41及びN42のゲートにそれぞれ容量Cg1及びCg2を逆接続し、トランジスタN41及びN42の閾値電圧をVthとすると、容量Cg1及びCg2によりそれぞれトランジスタN41及びN42のゲートに−Vthのバイアスが印加される。すなわち、トランジスタN41及びN42の実効閾値電圧を0Vとして動作させることができる。カレントミラーが完全に一致するように、トランジスタN41及びN42の実効閾値電圧Vthが正確に等しいことが必要であり、この閾値電圧Vthの自己補正の効果が期待される。
【0071】
図7(B)の接続により、
図6の回路と同じ構成を実現でき、
図6と同様の動作を行い、情報の読み出しを行うことができる。
【0072】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態による不揮発性ラッチ回路の構成例を示す回路図である。本実施形態では、第2の実施形態によりトランジスタN42の閾値電圧を自己補正してあるので、ラッチ部801は、このトランジスタN42を用いる。すなわち、ラッチ部は、nチャネル電界効果トランジスタN42及びN44(
図6)を用いてVn1とVn2でクロスカップルを構成する。これにより、クロスカップルのオフセットもキャンセルすることができる。以下、
図8の回路が
図7(A),(B)と異なる点を説明する。
【0073】
スイッチsw20は、
図5の期間T3又はT4において強誘電体容量C71にデータを再書き込みするためのスイッチであり、強誘電体容量C71の第2の電極と出力ノードVn1との間を接続又は切断する。スイッチsw17は、電源電位ノードVDDと強誘電体容量Ct1の第1の電極との間を接続又は切断する。スイッチsw14は、スイッチsw16を介して接続される第2の容量Cg2の第1の電極を、トランジスタN41のドレイン又はpチャネル電界効果トランジスタP42のゲートに接続する。スイッチsw18は、トランジスタN42のゲートとトランジスタP42のゲートとの間を接続又は切断する。
【0074】
ラッチ部801は、
図6のラッチ部601に対応し、スイッチsw19及びpチャネル電界効果トランジスタ(第3のトランジスタ)P42を有する。スイッチsw19は、電源電位ノードVDDとトランジスタP42のソースとの間を接続又は切断する。トランジスタP42のドレインは、出力ノードVn1に接続される。線802は出力ノードVn1に接続され、線803はトランジスタP42のゲートに接続される。線802及び803は、
図11を参照しながら後述するように
図6の容量Cg4及び強誘電体容量Ct2に接続される。
【0075】
図8の回路は、
図7(A)と同様に、容量Cg1及びCg2のプリチャージ動作を行うスイッチ状態を示す。以下、
図8のスイッチが
図7(A)のスイッチと異なる点を説明する。スイッチsw20は、強誘電体容量C71の第2の電極と出力ノードVn1との間を切断する。スイッチsw17は、電源電位ノードVDDと強誘電体容量Ct1の第1の電極との間を接続する。スイッチsw15は、電源電位ノードVDDと強誘電体容量Ct1の第2の電極との間を接続する。スイッチsw14は、トランジスタN41のドレインに接続される。スイッチsw18は、トランジスタN42のゲートとトランジスタP42のゲートとの間を切断する。スイッチsw19は、電源電位ノードVDDとトランジスタP42のソースとの間を切断する。これらのスイッチ状態により、
図7(A)と同様に、容量Cg1及びCg2にそれぞれトランジスタN41及びN42の閾値電圧Vthをプリチャージすることができる。
【0076】
次に、
図9に示すスイッチ状態に設定し、
図5の時刻t9と同様に、プレート線PL70をハイレベルに立ち上げ、電荷を読み出して積分を行う。スイッチsw1は、トランジスタN41のドレインを強誘電体容量C71の第2の電極に接続する。スイッチsw2は、トランジスタN41のドレインと第1の容量Cg1の第2の電極との間を切断する。スイッチsw4は、トランジスタN41のドレインと第1の容量Cg1の第1の電極との間を接続する。スイッチsw3は、第1の容量Cg1の第2の電極とトランジスタN41のゲートとの間を接続する。スイッチsw15は、電源電位ノードVDDと強誘電体容量Ct1の第2の電極との間を切断する。スイッチsw11は、トランジスタN42のドレインを強誘電体容量Ct1の第2の電極に接続する。スイッチsw12は、トランジスタN42のドレインと第2の容量Cg2の第2の電極との間を切断する。スイッチsw16は、第2の容量Cg2の第1の電極を、スイッチsw14を介してトランジスタN41のドレインに接続する。スイッチsw13は、トランジスタN42のゲートを第2の容量Cg2の第2の電極に接続する。これらのスイッチ状態により、
図5の時刻t9と同様の動作を行う。スイッチsw17,sw18,sw19の状態は、
図8と同一のままである。
【0077】
次に、
図10に示すスイッチ状態に設定し、ラッチ部のクロスカップルを構成するnチャネル電界効果トランジスタN42を起動する。スイッチsw1は、トランジスタN41のドレインを、強誘電体容量C71及び抵抗R1から切断する。スイッチsw14は、スイッチsw16を介してトランジスタP42のゲート(すなわちクロスカップルの相手である線803)を第2の容量Cg2の第1の電極に接続する。
【0078】
図11は、
図10及び
図6に対応し、ラッチ部のクロスカップルの構成例を示す回路図である。ラッチ部801は、
図10のスイッチsw19及びトランジスタP42の他に、スイッチsw21及びpチャネル電界効果トランジスタP44を有する。ラッチ部のクロスカップルは、pチャネル電界効果トランジスタP42,P44及びnチャネル電界効果トランジスタN42,N44を有する。スイッチsw21は、電源電位ノードVDDとトランジスタP44のソースとの間を接続又は切断する。トランジスタP44は、ゲートが第4の容量Cg4の第1の電極に接続され、ソースが出力ノードVn2に接続される。出力ノードVn1は、第4の容量Cg4の第1の電極に接続される。トランジスタP42のゲートは、強誘電体容量Ct2の第2の電極に接続される。
【0079】
トランジスタN42及びN44の閾値電圧は容量Cg2とCg4で自己補正されているので、ラッチ部は自己補正されたトランジスタN42及びN44を用いてクロスカップルを構成する。これにより、クロスカップルのオフセットもキャンセルすることができる。pチャネル電界効果トランジスタP42,P44のクロスカップルのオフセット以上までnチャネル電界効果トランジスタN42,N44のクロスカップルで電位差を増幅してあれば、pチャネル電界効果トランジスタP42,P44の閾値電圧の補正は必要ない。
【0080】
次に、
図12に示すスイッチ状態に設定し、ラッチ部のクロスカップルを構成するpチャネル電界効果トランジスタP42及びP44を起動する。スイッチsw11は、トランジスタN42のドレインを、強誘電体容量Ct1及び抵抗R11から切断する。スイッチsw14は、第2の容量Cg2の第1の電極をトランジスタP42のゲートから切断する。スイッチsw18は、トランジスタN42のゲートとトランジスタP42のゲートとの間を接続する。スイッチsw19は、電源電位ノードVDDとトランジスタP42のソースとの間を接続する。これによって、線803から見たnチャネル電界効果トランジスタN42の閾値電圧Vthは、容量Cg2により補正されて実効的に0Vだった状態から、容量Cg2による補正が無い通常の0.6Vに戻る。この結果、ラッチ部801は、nチャネル電界効果トランジスタN42のオフリークの少ないラッチ状態となる。
【0081】
次に、
図5の時刻t13と同様に、プレート線PL70の電圧を立ち下げた後、
図13に示すスイッチ状態に設定し、強誘電体容量C71にPターム401を再書き込みする。スイッチsw20は、強誘電体容量C71の第2の電極と出力ノードVn1とを接続する。
【0082】
本実施形態によれば、ラッチ部801は、pチャネル電界効果トランジスタP42及びP44を有し、nチャネル電界効果トランジスタN42及びN44を用いてラッチする。nチャネル電界効果トランジスタN42及びN44は自己補正されているので、ラッチ部のクロスカップルのオフセットもキャンセルすることができる。
【0083】
図14(A)〜(C)は、第1及び第2の実施形態の効果を説明するための電圧波形図である。
【0084】
図14(A)は、
図1の不揮発性ラッチ回路のビット線BL及び/BLの電圧波形を示す。電源電圧が1.8Vの場合には、Pターム401の強誘電体容量C13に0.45V(=1.8/4V)しか印加されない。これにより、抗電圧未満の電圧しか印加されないので、ビット線BL及び/BLの電位差は比較的小さく、安定した読み出しが困難である。
【0085】
図14(B)は、第1の実施形態の不揮発性ラッチ回路(
図4)のビット線BL及び/BLの電圧波形を示す。電源電圧が1.8Vの場合、強誘電体容量C71及びC73には、1.2V(=1.8−0.6V)の電圧が印加される。これにより、抗電圧以上の電圧が印加されるので、ビット線BL及び/BLの電位差は比較的大きくなり、1.8Vの低電源電圧でも安定した読み出しを行うことができる。ビット線BL及び/BLの電位差は、ラッチ部410により増幅され、信頼性が向上する。
【0086】
図14(C)は、第2の実施形態の不揮発性ラッチ回路(
図6)のビット線BL,/BL及び出力ノードVn1,Vn2の電圧波形を示す。電源電圧が1.8Vの場合、強誘電体容量C71及びC73には電源電圧1.8Vをフルに印加することができる。これにより、強誘電体容量C71及びC73に抗電圧以上の電圧を印加することができるので、出力ノードVn1及びVn2の電位差は比較的大きくなり、1.8Vの低電源電圧でも安定した読み出し動作を行うことができる。出力ノードVn1及びVn2の電位差は、ラッチ部601により増幅され、信頼性が向上する。
【0087】
第1〜第3の実施形態によれば、強誘電体容量に高電圧を印加して強誘電体容量から情報を読み出すことができるので、低電源電圧でも安定して読み出し動作を行うことができる。
【0088】
(第4の実施形態)
図15は、第4の実施形態による強誘電体メモリ装置の構成例を示す図である。インバータ108は、ライトイネーブル信号/WEの論理反転信号を内部ライトイネーブル信号intWEとして入出力バッファ106及び107に出力する。否定論理和(NOR)回路109は、内部ライトイネーブル信号intWEとアウトプットイネーブル信号/OEとの否定論理和信号を内部アウトプットイネーブル信号intOEとして入出力バッファ106及び107に出力する。否定論理積(NAND)回路110は、ライトイネーブル信号/WEとアウトプットイネーブル信号/OEとの否定論理積信号を出力する。否定論理積回路111は、下位バイトマスク信号/LBと上位バイトマスク信号/UBとの否定論理積信号を出力する。論理積(AND)回路112は、否定論理積回路110の出力信号と第1のチップセレクト信号/CS1の論理反転信号との論理積信号を出力する。論理積回路113は、論理積回路112の出力信号と否定論理積回路111の出力信号との論理積信号を出力する。論理積回路114は、論理積回路113の出力信号と第2のチップセレクト信号CS2との論理積信号をアドレスラッチ101及び入出力バッファ106,107に出力する。否定論理和(NOR)回路115は、論理積回路113の出力信号の論理反転信号と下位バイトマスク信号/LBとの否定論理和信号を下位バイト入出力バッファ106に出力する。否定論理和回路116は、論理積回路113の出力信号の論理反転信号と上位バイトマスク信号/UBとの否定論理和信号を上位バイト入出力バッファ107に出力する。
【0089】
アドレスラッチ101は、アドレスA0〜A17をラッチし、ローデコーダ102及びコラムデコーダ104に出力する。アドレスA0〜A17は、ローアドレス及びコラムアドレスを含む。下位バイト入出力バッファ106は、外部に対して下位バイトデータDT1〜DT8を入出力する。上位バイト入出力バッファ107は、外部に対して上位バイトデータDT9〜DT16を入出力する。具体的には、入出力バッファ106及び107は、メモリセルアレイ103に書き込むためのデータDT1〜DT16を入力したり、メモリセルアレイ103から読み出したデータDT1〜DT16を出力する。
【0090】
メモリセルアレイ103は、2次元行列状に配列された複数の強誘電体メモリセルを有し、各アドレスのデータを記憶する。各強誘電体メモリセルは、ワード線及びビット線の選択により特定される。ローデコーダ102は、ローアドレスに応じたワード線を選択する。コラムデコーダ104は、コラムアドレスに応じたビット線を選択する。センスアンプ105は、入出力バッファ106,107から入力したデータを増幅し、コラムデコーダ104を介してメモリセルアレイ103に出力する。ライトコマンドが入力されると、メモリセルアレイ103では、選択されたワード線及びビット線の強誘電体メモリセルにデータが書き込まれる。また、リードコマンドが入力されると、メモリセルアレイ103では、選択されたワード線及びビット線の強誘電体メモリセル103からデータが読み出される。センスアンプ105は、読み出されたデータを増幅し、入出力バッファ106及び107に出力する。
【0091】
上記の
図6の不揮発性ラッチ回路は、
図15の強誘電体メモリ装置に用いることができる。
図6の回路において、強誘電体容量C71及びC73は、
図15のメモリセルアレイ103内に設けられ、それ以外の素子は、
図15のセンスアンプ105内に設けられる。なお、実際には、
図15のワード線により、強誘電体容量C71及びC73を選択するためのトランジスタ2101〜2103(
図21)を有する。トランジスタ2101〜2103については、後に
図21を参照しながら説明する。
【0092】
図16(A)は
図15のメモリセルアレイ103及びセンスアンプ105の一部の構成例を示す図であり、上記の
図6の回路に対応する。
図16(A)は上記の
図9の積分動作に対応する図であり、
図16(B)は上記の
図11のnチャネル電界効果トランジスタのクロスカップルによるラッチ動作を示す図であり、
図17は上記の
図12のnチャネル及びpチャネル電界効果トランジスタのクロスカップルによるラッチ動作を示す図である。
【0093】
以下、
図16(A)の回路が
図6の回路と異なる点を説明する。強誘電体容量C71、C73及びC101は、
図15のメモリセルアレイ103内に設けられ、それ以外の素子は、
図15のセンスアンプ105内に設けられる。
図6と同様に、例えば、強誘電体容量C71はPターム401に対応するデータ「1」の情報を記憶し、強誘電体容量C73はUターム404に対応するデータ「0」の情報を記憶する。強誘電体容量C71及びC73は、相補の情報を記憶することにより、メモリセルアレイ103は1ビット分の情報を記憶することができる。その場合、上記のように、強誘電体容量C71は、Pターム401であるのでビット線BLに高電圧が出力され、トランジスタN42に大電流が流れ、出力ノードVn1の電位は大きく下がる。これに対し、強誘電体容量C73は、Uターム404であるのでビット線/BLに低電圧が出力され、トランジスタN44に小電流が流れ、出力ノードVn2の電位は小さく下がる。
【0094】
次に、
図16(B)に示すように、上記の
図11と同様に、nチャネル電界効果トランジスタN42及びN44のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1の電位はローレベルにラッチされ、出力ノードVn2の電位はハイレベルにラッチされる。
【0095】
次に、
図17に示すように、上記の
図12と同様に、pチャネル電界効果トランジスタP42,P44及びnチャネル電界効果トランジスタN42,N44のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1の電位は完全なローレベルにラッチされ、出力ノードVn2の電位は完全なハイレベルにラッチされる。ここで、出力ノードVn2のハイレベルが
図15のセンスアンプ105の出力信号として出力される。強誘電体容量C71にPターム401に対応するデータ「1」が記憶されているときには、出力ノードVn2はハイレベルを出力する。これに対し、強誘電体容量C71にUターム404に対応するデータ「0」が記憶されているときには、出力ノードVn2はローレベルを出力する。これにより、強誘電体容量C71に記憶されているデータを読み出すことができる。
【0096】
次に、
図16(A)を参照しながら、強誘電体容量C101について説明する。強誘電体容量C101は、通常メモリセルの強誘電体容量であり、上記の強誘電体容量C71及びC73をリファレンスメモリセルの強誘電体容量として用いる。強誘電体容量C101には、1ビット分のデータを記憶させることができる。以下、強誘電体容量C101の読み出し方法を説明する。
【0097】
強誘電体容量101の回路群は、上記の強誘電体容量C71の回路群と同様の構成を有する。強誘電体容量C101は、強誘電体容量C71に対応し、第1の電極がプレート線PL70に接続され、第2の電極がビット線BLに接続される。nチャネル電界効果トランジスタN1041は、トランジスタN41に対応し、ドレインが強誘電体容量C101のビット線BLに接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。容量Cg1011は、容量Cg1に対応し、強誘電体容量C101のビット線BL及びトランジスタN1041のゲート間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN10421は、トランジスタN42に対応し、ドレインが出力ノードVn1011に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。容量Cg1021は、容量Cg2に対応し、強誘電体容量C101のビット線BL及びトランジスタN10421のゲート間に接続される。強誘電体容量Ct1011は、強誘電体容量Ct1に対応し、第1の電極が電源電位ノードVDDに接続され、第2の電極が出力ノードVn1011に接続される。トランジスタN10421は、電流ミラー部であり、トランジスタN1041の電流をミラーリングした電流を強誘電体容量Ct1011の第2の電極から引く。強誘電体容量C101は、例えばUターム404に対応するデータ「0」の情報を記憶する。強誘電体容量C101は、強誘電体容量C73と同様に、Uターム404であるのでビット線BLに低電圧が出力され、トランジスタN10421に小電流が流れ、出力ノードVn1011の電位は小さく下がる。
【0098】
また、強誘電体容量C101のビット線BLには、容量Cg1022が接続される。容量Cg1022は、容量Cg1021に対応し、強誘電体容量C101のビット線BL及びnチャネル電界効果トランジスタN10422のゲート間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN10422は、トランジスタN10421に対応し、ドレインが出力ノードVn1012に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。強誘電体容量Ct1012は、強誘電体容量Ct1011に対応し、電源電位ノードVDD及び出力ノードVn1012間に接続される。強誘電体容量C101は、Uターム404であるのでビット線BLに低電圧が出力され、トランジスタN10422に小電流が流れ、出力ノードVn1011と同様に、出力ノードVn1012の電位は小さく下がる。
【0099】
また、強誘電体容量C71のビット線BLには、容量Cg102が接続される。容量Cg102は、容量Cg2に対応し、強誘電体容量C71のビット線BL及びnチャネル電界効果トランジスタN1042のゲート間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN1042は、トランジスタN42に対応し、ドレインが出力ノードVn101に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。強誘電体容量Ct101は、強誘電体容量Ct1に対応し、電源電位ノードVDD及び出力ノードVn101間に接続される。トランジスタN1042は、電流ミラー部であり、トランジスタN41の電流をミラーリングした電流を強誘電体容量Ct101から引く。強誘電体容量C71は、Pターム401であるのでビット線BLに高電圧が出力され、トランジスタN1042に大電流が流れ、出力ノードVn1と同様に、出力ノードVn101の電位は大きく下がる。
【0100】
また、強誘電体容量C73のビット線/BLには、容量Cg104が接続される。容量Cg104は、容量Cg4に対応し、強誘電体容量C73のビット線/BL及びnチャネル電界効果トランジスタN1044のゲート間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN1044は、トランジスタN44に対応し、ドレインが出力ノードVn104に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。強誘電体容量Ct104は、強誘電体容量Ct2に対応し、電源電位ノードVDD及び出力ノードVn104間に接続される。強誘電体容量C73は、Uターム404であるのでビット線/BLに低電圧が出力され、トランジスタN1044に小電流が流れ、出力ノードVn2と同様に、出力ノードVn104の電位は小さく下がる。
【0101】
次に、
図16(B)に示すように、上記の
図11と同様に、nチャネル電界効果トランジスタN10421,N1042、容量Cg1021,Cg102及び強誘電体容量Ct1011,Ct101は、上記のnチャネル電界効果トランジスタN42,N44、容量Cg2,Cg4及び強誘電体容量Ct1,Ct2の接続と同様の接続に制御される。
【0102】
また、nチャネル電界効果トランジスタN10422,N1044、容量Cg1022,Cg104及び強誘電体容量Ct1012,Ct104は、上記のnチャネル電界効果トランジスタN42,N44、容量Cg2,Cg4及び強誘電体容量Ct1,Ct2の接続と同様の接続に制御される。
【0103】
また、抵抗1601は、出力ノードVn1011及びVn1012間に接続される。抵抗1602は、出力ノードVn101及びVn104間に接続される。
【0104】
nチャネル電界効果トランジスタN10421及びN1042のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1011の電位はハイレベルにラッチされ、出力ノードVn101の電位はローレベルにラッチされる。
【0105】
また、出力ノードVn104は、抵抗1602を介して出力ノードVn101に接続されているため、メタステイブルになったあとで電位が下がる。その結果、nチャネル電界効果トランジスタN10422及びN1044のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1012の電位はハイレベルにラッチされ、出力ノードVn104の電位はローレベルにラッチされる。
【0106】
次に、
図17に示すように、上記の
図12と同様に、pチャネル電界効果トランジスタP1011,P101、nチャネル電界効果トランジスタN10421,N1042は、上記のpチャネル電界効果トランジスタP42,P44、nチャネル電界効果トランジスタN42,N44の接続と同様の接続に制御される。
【0107】
また、pチャネル電界効果トランジスタP1012,P104、nチャネル電界効果トランジスタN10422,N1044は、上記のpチャネル電界効果トランジスタP42,P44、nチャネル電界効果トランジスタN42,N44の接続と同様の接続に制御される。
【0108】
pチャネル電界効果トランジスタP1011,P101及びnチャネル電界効果トランジスタN10421,N1042のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1011の電位は完全なハイレベルにラッチされ、出力ノードVn101の電位は完全なローレベルにラッチされる。
【0109】
また、pチャネル電界効果トランジスタP1012,P104及びnチャネル電界効果トランジスタN10422,N1044のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1021の電位は完全なハイレベルにラッチされ、出力ノードVn104の電位は完全なローレベルにラッチされる。
【0110】
ここで、出力ノードVn101のローレベルが
図15のセンスアンプ105の出力信号として出力される。強誘電体容量C101にUターム404に対応するデータ「0」が記憶されているときには、出力ノードVn101からローレベルが出力される。これにより、強誘電体容量C101に記憶されているデータ「0」を読み出すことができる。
【0111】
以上のように、センスアンプ105は、強誘電体容量Ct1及びCt2の電荷に基づいて、選択された通常メモリセルの強誘電体容量C101から転送された電荷を増幅して保持する。
【0112】
以上、
図16(A)、(B)及び
図17を参照しながら、強誘電体容量C101にUターム404に対応するデータ「0」が記憶されている場合を例に説明した。次に、
図18(A)、(B)及び
図19を参照しながら、強誘電体容量C101にPターム401に対応するデータ「1」が記憶されている場合を説明する。
【0113】
図18(A)は
図16(A)と同様に上記の
図9の積分動作に対応する図であり、
図18(B)は
図16(B)と同様に上記の
図11のnチャネル電界効果トランジスタのクロスカップルによるラッチ動作を示す図であり、
図19は
図17と同様に上記の
図12のnチャネル及びpチャネル電界効果トランジスタのクロスカップルによるラッチ動作を示す図である。以下、
図18(A)、(B)及び
図19が、
図16(A)、(B)及び
図17と異なる点を説明する。
【0114】
まず、
図18(A)の積分動作では、強誘電体容量C101は、Pターム401であるのでビット線BLに高電圧が出力され、トランジスタN10421に大電流が流れ、出力ノードVn1011の電位は大きく下がる。同様に、強誘電体容量C101は、Pターム401であるのでビット線BLに高電圧が出力され、トランジスタN10422に大電流が流れ、出力ノードVn1012の電位は大きく下がる。
【0115】
次に、
図18(B)に示すように、nチャネル電界効果トランジスタN10422及びN1044のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1012の電位はローレベルにラッチされ、出力ノードVn104の電位はハイレベルにラッチされる。
【0116】
また、出力ノードVn101は、抵抗1602を介して出力ノードVn104に接続されているため、電位が上がる。その結果、nチャネル電界効果トランジスタN10421及びN1042のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1011の電位はローレベルにラッチされ、出力ノードVn101の電位はハイレベルにラッチされる。
【0117】
次に、
図19に示すように、pチャネル電界効果トランジスタP1011,P101及びnチャネル電界効果トランジスタN10421,N1042のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1011の電位は完全なローレベルにラッチされ、出力ノードVn101の電位は完全なハイレベルにラッチされる。
【0118】
また、pチャネル電界効果トランジスタP1012,P104及びnチャネル電界効果トランジスタN10422,N1044のクロスカップルによるラッチ動作により、出力ノードVn1012の電位は完全なローレベルにラッチされ、出力ノードVn104の電位は完全なハイレベルにラッチされる。
【0119】
ここで、出力ノードVn101のハイレベルが
図15のセンスアンプ105の出力信号として出力される。強誘電体容量C101にPターム401に対応するデータ「1」が記憶されているときには、出力ノードVn101からハイレベルが出力される。これにより、強誘電体容量C101に記憶されているデータ「1」を読み出すことができる。
【0120】
図20は、n+1個の通常メモリセルの強誘電体容量C101〜C1n1を有する強誘電体メモリ装置の一部の構成例を示す図である。上記の
図16(A)では、2個のリファレンスメモリセルの強誘電体容量C71,C73と、1個の通常メモリセルの強誘電体容量C101を有する強誘電体メモリ装置の例を示した。これに対し、
図20では、2個のリファレンスメモリセルの強誘電体容量C71,C73と、n+1個の通常メモリセルの強誘電体容量C101〜C1n1を有する強誘電体メモリ装置の例を示す。なお、
図20では、強誘電体容量C73が省略されている。以下、
図20の回路が
図16(A)の回路と異なる点を説明する。
【0121】
強誘電体容量C1n1の回路群は、強誘電体容量C101の回路群と同様の構成を有する。強誘電体容量C1n1は、強誘電体容量C101に対応し、プレート線PL70及びビット線BL間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN1n41は、トランジスタN1041に対応し、ドレインが強誘電体容量C1n1のビット線BLに接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。容量Cg1n11は、容量Cg1011に対応し、強誘電体容量C1n1のビット線BL及びトランジスタN1n41のゲート間に接続される。容量Cg1n21は、容量Cg1021に対応し、強誘電体容量C1n1のビット線BL及びnチャネル電界効果トランジスタN1n421のゲート間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN1n421は、トランジスタN10421に対応し、ドレインが出力ノードVn1n11に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。強誘電体容量Ct1n11は、強誘電体容量Ct1011に対応し、電源電位ノードVDD及び出力ノードVn1n11間に接続される。
【0122】
また、強誘電体容量Ct1n1の回路群は、強誘電体容量Ct101の回路群と同様の構成を有する。容量Cg1n2は、容量Cg102に対応し、強誘電体容量C71のビット線BL及びnチャネル電界効果トランジスタN1n42のゲート間に接続される。nチャネル電界効果トランジスタN1n42は、トランジスタN1042に対応し、ドレインが出力ノードVn1n1に接続され、ソースが基準電位ノードに接続される。強誘電体容量Ct1n1は、強誘電体容量Ct101に対応し、電源電位ノードVDD及び出力ノードVn1n1間に接続される。これにより、出力ノードVn1n1に、出力ノードVn101と同じ電位を分配することができる。なお、強誘電体容量C73についても、同様にして、同じ電位を分配する。
【0123】
その後、
図16(B)及び
図17と同様に、出力ノードVn1n11及びVn1n1等の電位を基にラッチする。このようにして、n+1個の通常セルの強誘電体容量C101〜C1n1を設け、n+1ビットのデータを記憶することができる。さらに、相補の強誘電体容量C71及びC73に1ビットのデータを記憶させることができる。
【0124】
図21は、
図15のメモリセルアレイ103、コラムデコーダ104及びセンスアンプ105の構成例を示す図である。強誘電体容量C71,C73,C101〜C1n1及びnチャネル電界効果トランジスタ2101〜2103は、
図15のメモリセルアレイ103内に設けられる。コラムスイッチCOL0〜COLm及びバスBUSは、
図15のコラムデコーダ104内に設けられる。回路811,812、抵抗1601,1602、トライステート回路2104〜2111及びインバータ2112は、
図15のセンスアンプ105内に設けられる。
【0125】
n+1個のnチャネル電界効果トランジスタ2101は、それぞれ、ドレインがビット線2T2CBLに接続され、ゲートがワード線WL00〜WL0nに接続される。n+1個の強誘電体容量C71は、それぞれ、n+1個のトランジスタ2101のソース及びプレート線PL00〜PL0n間に接続される。ビット線2T2CBLは
図16(A)のビット線BLに対応し、プレート線PL00〜PL0nは
図16(A)のプレート線PL70に対応する。トランジスタ2101及び強誘電体容量C71は、リファレンスメモリセルを構成する。
【0126】
また、n+1個のnチャネル電界効果トランジスタ2102は、それぞれ、ドレインがビット線2T2CBLxに接続され、ゲートがワード線WL00〜WL0nに接続される。n+1個の強誘電体容量C73は、それぞれ、n+1個のトランジスタ2102のソース及びプレート線PL00〜PL0n間に接続される。ビット線2T2CBLxは、
図16(A)のビット線/BLに対応する。トランジスタ2102及び強誘電体容量C73は、リファレンスメモリセルを構成する。
【0127】
また、n+1個の強誘電体容量C101は、それぞれ、n+1個のnチャネル電界効果トランジスタ2103のソース及びプレート線PL00〜PL0n間に接続される。そのnチャネル電界効果トランジスタ2103は、それぞれ、ドレインがビット線1T1CBLに接続され、ゲートがワード線WL00〜WL0nに接続される。ビット線1T1CBLは、
図16(A)のビット線BLに対応する。トランジスタ2103及び強誘電体容量C101は、通常メモリセルを構成する。
【0128】
同様に、n+1個の強誘電体容量C1n1は、それぞれ、n+1個のnチャネル電界効果トランジスタ2103のソース及びプレート線PL00〜PL0n間に接続される。そのnチャネル電界効果トランジスタ2103は、それぞれ、ドレインが他のビット線1T1CBLに接続され、ゲートがワード線WL00〜WL0nに接続される。上記の他のビット線1T1CBLは、
図16(A)のビット線BLに対応する。トランジスタ2103及び強誘電体容量C1n1は、通常メモリセルを構成する。
【0129】
ワード線WL00がハイレベルになると、ワード線WL00に接続されたトランジスタ2101〜2103がオンし、ワード線WL00に接続されたトランジスタ2101〜2103を介して強誘電体容量C71,C73,C101〜C1n1に記憶されているデータがビット線2T2CBL,2T2CBLx,1T1CBLに読み出される。同様に、ワード線WL01〜WL0nがそれぞれハイレベルになると、ワード線WL01〜WL0nに対応する強誘電体容量C71,C73,C101〜C1n1に記憶されているデータがビット線2T2CBL,2T2CBLx,1T1CBLに読み出される。読み出しアドレスが指定されると、ワード線WL00〜WL0nのうちのいずれか1本が選択的にハイレベルになる。
【0130】
読み出しアドレスに応じて、m+1個のコラムスイッチCOL0〜COLmのうちのいずれか1個がオンする。例えば、コラムスイッチCOL0がオンすると、コラムスイッチCOL0に対応するビット線2T2CBL,2T2CBLx,1T1CBLに読み出されたデータは、バスBUSに接続される。
【0131】
回路811は
図8の回路811に対応し、回路812は
図8の回路812に対応する。抵抗1601及び1602は、
図16(B)の抵抗1601及び1602に対応する。トライステート回路2104は、読み出し制御信号がハイレベルになると、
図17の出力ノードVn2のデータを通過させてデータDo0を出力し、読み出し制御信号がローレベルになると出力をハイインピーダンス状態にする。また、トライステート回路2109は、読み出し制御信号がハイレベルになると、
図17の出力ノードVn101等のデータを通過させてデータDo1〜DoNを出力し、読み出し制御信号がローレベルになると出力をハイインピーダンス状態にする。
【0132】
トライステート回路2105、2106及び2110は、上記の
図13の再書き込みを行うためのトライステート回路である。トライステート回路2105は、再書き込み制御信号がハイレベルになると、
図17の出力ノードVn2のデータを通過させてビット線2T2CBLに出力し、再書き込み制御信号がローレベルになると出力をハイインピーダンス状態にする。同様に、トライステート回路2106は、再書き込み制御信号がハイレベルになると、
図17の出力ノードVn1のデータを通過させてビット線2T2CBLxに出力し、再書き込み制御信号がローレベルになると出力をハイインピーダンス状態にする。同様に、トライステート回路2110は、再書き込み制御信号がハイレベルになると、
図17の出力ノードVn101等のデータを通過させてビット線1T1CBLに出力し、再書き込み制御信号がローレベルになると出力をハイインピーダンス状態にする。
【0133】
トライステート回路2107、2108及び2111は、入力データDi0〜DiNの書き込みを行うためのトライステート回路である。入力データDi0〜DiNは、
図15のDT1〜DT16に対応する。インバータ2112は、データDi0の論理反転データを出力する。トライステート回路2107は、書き込み制御信号がハイレベルになると、データDi0を通過させてビット線2T2CBLに出力し、書き込み制御信号がローレベルになると出力をハイインピーダンス状態にする。同様に、トライステート回路2108は、書き込み制御信号がハイレベルになると、インバータ2112の出力データを通過させてビット線2T2CBLxに出力し、書き込み制御信号がローレベルになると出力をハイインピーダンス状態にする。同様に、トライステート回路2111は、書き込み制御信号がハイレベルになると、データDi1〜DiNを通過させてビット線1T1CBLに出力し、書き込み制御信号がローレベルになると出力をハイインピーダンス状態にする。
【0134】
図22は、強誘電体メモリ装置の制御信号の例を示すタイミングチャートである。スイッチsw2、sw12及びsw18は、制御信号がハイレベルでオンし、制御信号がローレベルでオフする。スイッチsw15、sw17及びsw19は、制御信号がローレベルでオンし、制御信号がハイレベルでオフする。
【0135】
制御信号sw3lは、ハイレベルになるとスイッチsw3の左側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw3の左側のパスがオフする。制御信号sw13lは、ハイレベルになるとスイッチsw13の左側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw13の左側のパスがオフする。制御信号sw3rは、ハイレベルになるとスイッチsw3の右側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw3の右側のパスがオフする。制御信号sw13rは、ハイレベルになるとスイッチsw13の右側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw13の右側のパスがオフする。制御信号sw4rは、ハイレベルになるとスイッチsw4の右側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw4の右側のパスがオフする。制御信号sw16rは、ハイレベルになるとスイッチsw16の右側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw16の右側のパスがオフする。制御信号sw4lは、ハイレベルになるとスイッチsw4の左側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw4の左側のパスがオフする。制御信号sw16lは、ハイレベルになるとスイッチsw16の左側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw16の左側のパスがオフする。制御信号sw1lは、ハイレベルになるとスイッチsw1の左側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw1の左側のパスがオフする。制御信号sw11lは、ハイレベルになるとスイッチsw11の左側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw11の左側のパスがオフする。制御信号sw1rは、ハイレベルになるとスイッチsw1の右側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw1の右側のパスがオフする。制御信号sw11rは、ハイレベルになるとスイッチsw11の右側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw11の右側のパスがオフする。制御信号sw14rは、ハイレベルになるとスイッチsw14の右側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw14の右側のパスがオフする。制御信号sw14lは、ハイレベルになるとスイッチsw14の左側のパスがオンし、ローレベルになるとスイッチsw14の左側のパスがオフする。
【0136】
期間2201は、
図7(A)のプリチャージ動作に対応し、スイッチsw2及びsw12がオンする。スイッチsw3はトランジスタN41のドレインに接続され、スイッチsw13はトランジスタN42のドレインに接続される。スイッチsw4は基準電位ノードに接続され、スイッチsw16(
図8)は基準電位ノードに接続される。スイッチsw15は、オンする。スイッチsw1は抵抗R1に接続され、スイッチsw11は抵抗R11に接続される。スイッチsw17(
図8)はオンし、スイッチsw19(
図8)はオフする。スイッチsw14(
図8)は、いずれにも接続されずにオープンになる。スイッチsw18(
図8)は、オフする。
【0137】
制御信号W1がローレベルであるので、トライステート回路2104,2105,2109,2110は、出力がハイインピーダンス状態になる。また、制御信号W2がローレベルであるので、トライステート回路2107,2108,2111は、出力がハイインピーダンス状態になる。また、コラムスイッチCOL0〜COLmのうちの1個がオンする。また、ワード線WL00〜WL0nは、ローレベルである。また、プレート線PL00〜PL0nは、ローレベルである。
【0138】
次に、期間2202は、
図9の積分動作に対応し、スイッチsw2及びsw12がオフする。スイッチsw3は容量Cg1に接続され、スイッチsw13は容量Cg2に接続される。スイッチsw4はトランジスタN41のドレインに接続され、スイッチsw16はスイッチsw14に接続される。スイッチsw15は、オフする。スイッチsw1は強誘電体容量C71に接続され、スイッチsw11は強誘電体容量Ct1に接続される。スイッチsw17はオンし、スイッチsw19はオフする。スイッチsw14は、トランジスタN41のドレインに接続される。スイッチsw18は、オフする。
【0139】
制御信号W1がローレベルであるので、トライステート回路2104,2105,2109,2110は、出力がハイインピーダンス状態になる。また、制御信号W2がローレベルであるので、トライステート回路2107,2108,2111は、出力がハイインピーダンス状態になる。また、コラムスイッチCOL0〜COLmのうちの1個がオンしている。また、ワード線WL00〜WL0nのいずれか1本がハイレベルになり、その後、それに対応するプレート線PL00〜PL0nのいずれか1本がハイレベルになる。
【0140】
次に、期間2203では、
図10及び
図11のnチャネル電界効果トランジスタのクロスカップルによるラッチ動作に対応し、スイッチsw2及びsw12がオフする。スイッチsw3は容量Cg1に接続され、スイッチsw13は容量Cg2に接続される。スイッチsw4はトランジスタN41のドレインに接続され、スイッチsw16はスイッチsw14に接続される。スイッチsw15は、オフする。スイッチsw1は、いずれにも接続されずにオープンとなる。スイッチsw11は、強誘電体容量Ct1に接続される。スイッチsw17はオンし、スイッチsw19はオフする。スイッチsw14は、トランジスタP42のゲートに接続される。スイッチsw18は、オフする。
【0141】
次に、期間2204では、
図12のpチャネル及びnチャネル電界効果トランジスタのクロスカップルによるラッチ動作に対応し、スイッチsw2及びsw12がオフする。スイッチsw3は容量Cg1に接続され、スイッチsw13は容量Cg2に接続される。スイッチsw4はトランジスタN41のドレインに接続され、スイッチsw16はスイッチsw14に接続される。スイッチsw15は、オフする。スイッチsw1及びsw11は、いずれにも接続されずにオープンとなる。スイッチsw17はオンし、スイッチsw19もオンする。スイッチsw14は、いずれにも接続されずにオープンになる。スイッチsw18は、オンする。
【0142】
次に、期間2205は、
図13の再書き込み動作に対応し、スイッチsw20(
図13)に相当する、トライステート回路2105,2106,2110(
図21)が、制御信号W1によりオンする。また、制御信号W1がハイレベルになり、トライステート回路2104,2105,2109,2110は、入力信号を通過させて出力する。なお、書き込み動作では、制御信号W2がハイレベルになり、トライステート回路2107,2108,2111は、入力信号を通過させて出力する。その後、プレート線PL00〜PL0nがローレベルになり、その後、ワード線WL00〜WL0nがローレベルになり、その後、コラムスイッチCOL0〜COLmがオフする。
【0143】
本実施形態によれば、第1〜第3の実施形態の不揮発性ラッチ回路を強誘電体メモリ装置として使用することができる。強誘電体容量C71及びC73は、相補データを記憶し、1ビットの情報を記憶すると共に、リファレンスメモリセルの強誘電体容量としての機能も有する。通常メモリセルの強誘電体容量C101〜C1n1は、強誘電体容量C71及びC73の電位をリファレンス電位として、ラッチ動作により読み出される。強誘電体メモリ装置は、少なくとも、強誘電体容量C71及びC73に記憶される1ビットのデータと、強誘電体容量C101〜C1n1に記憶されるn+1ビットのデータとを記憶することができる。また、本実施形態は、第1〜第3の実施形態と同様に、強誘電体容量に高電圧を印加して強誘電体容量から情報を読み出すことができるので、低電源電圧でも安定して読み出し動作を行うことができる。
【0144】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。