【実施例】
【0096】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、以下の実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
【0097】
(1)リタデーション(Re)
リタデーションとは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△Nxy=|Nx−Ny|)とフィルム厚みd(nm)との積(△Nxy×d)で定義されるパラメーターであり、光学的等方性、異方性を示す尺度である。二軸の屈折率の異方性(△Nxy)は、以下の方法により求めた。二枚の偏光板を用いて、フィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が直交するように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Nx,Ny)、及び厚さ方向の屈折率(Nz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)によって求め、前記二軸の屈折率差の絶対値(|Nx−Ny|)を屈折率の異方性(△Nxy)とした。フィルムの厚みd(nm)は電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定し、単位をnmに換算した。屈折率の異方性(△Nxy)とフィルムの厚みd(nm)の積(△Nxy×d)より、リタデーション(Re)を求めた。
【0098】
(2)厚さ方向リタデーション(Rth)
厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△Nxz(=|Nx−Nz|)、△Nyz(=|Ny−Nz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるリタデーションの平均を示すパラメーターである。リタデーションの測定と同様の方法でNx、Ny、Nzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△Nxz×d)と(△Nyz×d)との平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた。
【0099】
(3)波長380nmにおける光線透過率
分光光度計(日立製作所製、U−3500型)を用い、空気層を標準として各フィルムの波長300〜500nm領域の光線透過率を測定し、波長380nmにおける光線透過率を求めた。
【0100】
(4)虹斑観察
PVAとヨウ素からなる偏光子の片側に後述する方法で作成したポリエステルフィルムを偏光子の吸収軸とフィルムの配向主軸が垂直になるように貼り付け、その反対の面にTACフィルム(富士フイルム(株)社製、厚み80μm)を貼り付けて偏光板を作成した。得られた偏光板を、青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色LEDを光源(日亜化学、NSPW500CS)とする液晶表示装置の射出光側にポリエステルフィルムが視認側になるように設置した。この液晶表示装置は、液晶セルの入射光側に2枚のTACフィルムを偏光子保護フィルムとする偏光板を有する。液晶表示装置の偏光板の正面、及び斜め方向から目視観察し、虹斑の発生有無について、以下のように判定した。なお、比較例3では白色LEDの代わりに冷陰極管を光源とするバックライト光源を用いた。
◎ : いずれの方向からも虹斑の発生無し。
○ : 斜め方向から観察した時に、一部極薄い虹斑が観察できる。
× : 斜め方向から観察した時に、明確に虹斑が観察できる。
【0101】
(5)引裂き強度
東洋精機製作所製エレメンドルフ引裂試験機を用いて、JIS P−8116に従い、各フィルムの引裂き強度を測定した。引裂き方向はフィルムの配向主軸方向と平行となるように行ない、以下のように判定した。なお、配向主軸方向の測定は分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)で測定した。
○:引裂き強度が50mN以上
×:引裂き強度が50mN未満
【0102】
(6)固有粘度
JIS K 7367−5に準拠し、溶媒としてフェノール(60質量%)と1,1,2,2−テトラクロロエタン(40質量%)の混合溶媒を用い、30℃で測定した。
【0103】
(7)屈折率
ハードコート層の屈折率は、ハードコート層に用いる各樹脂を硬化させた膜について、JIS K 7142に基づき、アッベ屈折率計を用いて測定を行った。粒子Aの屈折率は、90℃で乾固させた粒子Aを、屈折率の異なる種々の25℃の液体に懸濁させ、懸濁液が最も透明にみえる液の屈折率をアッべ屈折率計によって測定した。
【0104】
(8)平均粒径
偏光子保護フィルムの試料を可視光硬化型樹脂(日本電子データム社製、D−800)に包埋し、室温で可視光にさらして硬化させた。得られた包埋ブロックから、ダイアモンドナイフを装着したウルトラミクロトームを用いて70〜100nm程度の厚みの超薄切片を作製し、四酸化ルテニウム蒸気中で30分間染色した。この染色された超薄切片を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、TEM2010)を用いて、ハードコート層の断面を観察し、写真を撮影した。写真の拡大倍率は、10,000〜100,000倍の範囲で適宜設定する。なお、本実施例では、拡大倍率を80,000倍(加速電圧200kv)とした。粒子Bの平均粒径を求める場合は、電顕微鏡写真から粒径が約100nm以上の粒子を10個以上選別し、それらの粒子の最大径を測定し、その平均値を求めた。これは、粒子Aや異物など明らかに本願の粒子Bでない、粒径の小さい粒子を除くためである。
【0105】
(9)干渉斑改善性(虹彩状色彩)
後述する実施例で作製したハードコート層を有する偏光子保護フィルムを10cm(フィルム幅方向)×15cm(フィルム長手方向)の面積に切り出し、試料フィルムを作成した。得られた試料フィルムのハードコート層とは反対面に、黒色光沢テープ(日東電工製、ビニルテープNo21;黒)を張り合わせた。この試料フィルムのハードコート面を上面にして3波長形昼白色(ナショナル パルック、F.L 15EX−N 15W)を光源として斜め上から目視でもっとも反射が強く見える位置関係(光源からの距離40〜60cm、フィルム面の垂線に対して15〜45°の角度)で観察した。
【0106】
目視で観察した結果を、下記の基準でランク分けをする。なお、観察は該評価に精通した5名で行ない、最も多いランクを評価ランクとする。仮に、2つのランクで同数となった場合には、3つに分かれたランクの中心を採用した。例えば、◎と○が各2名で△が1名の場合は○を、◎が1名で○と△が各2名の場合には○を、◎と△が各2名で○が1名の場合には○を、それぞれ採用する。
◎:あらゆる角度からの観察でも虹彩状色彩が見られない
○:ある角度によっては僅かに虹彩状色彩が見られる
△:僅かに虹彩状色彩が観察される
×:はっきりとした虹彩状色彩が観察される
【0107】
(10)接着性
後述する実施例で作製したハードコート層積層偏光子保護フィルムに、隙間間隔2mmのカッターガイドを用いて、ハードコート層を貫通して基材フィルムに達する100個のマス目状の切り傷をハードコート層面につける。次に、セロハン粘着テープ(ニチバン社製、405番;24mm幅)をマス目状の切り傷面に貼り付け、消しゴムでこすって完全に密着させた。その後、垂直にセロハン粘着テープをハードコート層積層偏光子保護フィルムのハードコート層面から引き剥がして、ハードコート層積層偏光子保護フィルムのハードコート層面から剥がれたマス目の数を目視で数え、下記の式からハードコート層と基材フィルムとの密着性を求めた。なお、マス目の中で部分的に剥離しているものも剥がれたマス目として数え、下記の基準でランク分けをした。
密着性(%)=(1−剥がれたマス目の数/100)×100
◎:100%
○:99〜90%
△:90〜70%
×:69〜0%
【0108】
(11)耐湿熱性
後述する実施例で作製したハードコート層積層偏光子保護フィルムムを、高温高湿槽中で60℃、95RH%のツ境下500時間放置し、その後室温常湿で12時間放置した。そして、前記(10)と同様の方法でハードコート層と基材フィルムの接密着性を求め、下記の基準でランク分けをした。
◎:100%
○:99〜90%
△:90〜70%
×:69〜0%
【0109】
(12)塗布層の耐削れ性
摩擦堅牢度試験機(大栄科学精器製作所製、RT−200)に後述する実施例で作製した偏光子保護フィルムを3cm(フィルム幅方向)×20cm(フィルム長手方向)を取り付け、おもり(300g)を付けた荷重ヘッド部(2cmx2cm、200g)と試料フィルムの接触部にアルミ箔(厚さ80μm、算術的平均表面粗さ0.03μm)を用い、10cmの距離を1往復20秒の速度で10往復させた。黒台紙の上に得られた試料フィルムをのせ、粉落ちしているか目視で確認した。
◎:黒台紙上で粉落ちが確認できない。
○:黒台紙上で場所によってわずかな粉落ちが確認できる。
△:黒台紙上で全体的にわずかな粉落ちが確認できる。
×:黒台紙上で粉落ちがはっきりと確認できる。
【0110】
尚、前記、算術的平均表面粗さは非接触表面形状計測システム(VertScan R550H−M100)を用いて、下記の条件で測定した値である。
(測定条件)
・測定モード:WAVEモード
・対物レンズ:50倍
・0.5×Tubeレンズ
・測定面積 187×139μm
【0111】
(製造例1−基材用ポリエステルA)
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
【0112】
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(A)と略す。)
【0113】
(製造例2−基材用ポリエステルB)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(A)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を得た。(以後、PET(B)と略す。)
【0114】
(製造例3−偏光子との易接着層形成用塗布液の調製)
常法によりエステル交換反応および重縮合反応を行って、ジカルボン酸成分として(ジカルボン酸成分全体に対して)テレフタル酸46モル%、イソフタル酸46モル%および5−スルホナトイソフタル酸ナトリウム8モル%、グリコール成分として(グリコール成分全体に対して)エチレングリコール50モル%およびネオペンチルグリコール50モル%の組成の水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂を調製した。次いで、水51.4質量部、イソプロピルアルコール38質量部、n−ブチルセルソルブ5質量部、ノニオン系界面活性剤0.06質量部を混合した後、加熱撹拌し、77℃に達したら、上記水分散性スルホン酸金属塩基含有共重合ポリエステル樹脂5質量部を加え、樹脂の固まりが無くなるまで撹拌し続けた後、樹脂水分散液を常温まで冷却して、固形分濃度5.0質量%の均一な水分散性共重合ポリエステル樹脂液を得た。さらに、凝集体シリカ粒子(富士シリシア(株)社製、サイリシア310)3質量部を水50質量部に分散させた後、上記水分散性共重合ポリエステル樹脂液99.46質量部にサイリシア310の水分散液0.54質量部を加えて、撹拌しながら水20質量部を加えて、接着性改質塗布液を得た。
【0115】
(製造例4−塗布層用ポリエステル樹脂の重合)
攪拌機、温度計、及び部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル302.9質量部、ジメチルー5−ナトリウムスルホイソフタレート47.4質量部、エチレングリコール198.6質量部、1,6−ヘキサンジオール118.2質量部、及びテトラーnーブチルチタネート0.4質量部を仕込み、160℃から220℃まで4時間かけてエステル交換反応を行なった。さらに、セバシン酸121.4重量部を加え、エステル化反応を行なった.次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂(X−1)を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。
【0116】
同様の方法で、別の組成の共重合ポリエステル樹脂(X−2)〜(X−12)を得た。
これらの共重合ポリエステル樹脂に対し、
1H−NMRで測定した組成及び重量平均分子量の結果を表1に示す。
【0117】
【表1】
【0118】
(製造例5−塗布層用ポリエステルの水分散液の調製)
攪拌機、温度計と還流装置を備えた反応器に、ポリエステル樹脂(X−1)20質量部、エチレングリコールt−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水65質量部を上記ポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分20質量%の乳白色のポリエステルの水分散液(Y−1)を作製した。同様にポリエステル樹脂(X−1)の代わりにポリエステル樹脂(X−2)〜(X−12)を使用して、水分散液を作製し、水分散液(Y−2)〜(Y−12)とした。
【0119】
(製造例6−塗布層形成用塗布液の調製)
下記の塗剤を混合し、塗布液(Z−1)を作成した。粒子Aは屈折率2.1のSnO
2、粒子Bは平均1次粒径 約500nmのシリカ粒子である。
水 40.16質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散液(Y−1) 18.19質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(C) 2.08質量%
粒子A 9.37質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.17質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
シリコン系界面活性剤 0.03質量%
(固形分濃度100%)
【0120】
(製造例7−ブロックポリイソシアネート架橋剤の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量 750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液(C)を得た。
【0121】
(製造例8−オキサゾリン系架橋剤の重合)
温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器、滴下ロート、および攪拌機を備えたフラスコに水性媒体としてのイオン交換水58質量部とイソプロパノール58質量部との混合物、および、重合開始剤(2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩)4質量部を投入した。一方、滴下ロートに、オキサゾリン基を有する重合性不飽和単量体としての2−イソプロペニル−2−オキサゾリン16質量部、メトキシポリエチレングリコールアクリレート(エチレングリコールの平均付加モル数・9モル、新中村化学製)32質量部、およびメタクリル酸メチル32質量部の混合物を投入し、窒素雰囲気下、70℃において1時間にわたり滴下した。滴下終了後、反応溶液を9時間攪拌し、冷却することで固形分濃度40質量%のオキサゾリン基を有する水溶性樹脂(D)を得た。
【0122】
(製造例9−カルボジイミド系架橋剤の重合)
撹拌機、温度計、還流冷却管を備えたフラスコにヘキサメチレンジイソシアネート168質量部とポリエチレングリコールモノメチルエーテル(M400、平均分子量400)220質量部を仕込み、120℃で1時間、撹拌し、更に4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート26質量部とカルボジイミド化触媒として3-メチル-1-フェニル-2-フォスフォレン-1-オキシド3.8質量部(全イソシイアネートに対し2重量%)を加え、窒素気流下185℃で更に5時間撹拌した。反応液の赤外スペクトルを測定し、波長2200〜2300cm-1の吸収が消失したことを確認した。60℃まで放冷し、イオン交換水を567質量部加え、固形分40質量%のカルボジイミド水溶性樹脂(E)を得た。
【0123】
(実施例1)
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(A)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(B)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に供給し、また、PET(A)を常法により乾燥して押出機1(外層I層および外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
【0124】
次いで、リバースロール法によりこの未延伸PETフィルムに、片面が上記偏光子との易接着層形成用塗布液、もう一方の面が、上記塗布液(Z−1)になるように両面に易接着塗布層を塗布し、80℃で20秒間乾燥した。なお、最終(延伸後)の乾燥後の塗布量が0.15g/m
2になるように調整した。
【0125】
この塗布層を形成した未延伸フィルムをテンター延伸機に導き、フィルムの端部をクリップで把持しながら、温度125℃の熱風ゾーンに導き、幅方向に4.0倍に延伸した。
次に、幅方向に延伸された幅を保ったまま、温度225℃、30秒間で処理し、さらに幅方向に3%の緩和処理を行い、フィルム厚み約50μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。電子顕微鏡で観察したところ、塗布層の厚みは120nmであった。
【0126】
得られた偏光子保護フィルムの塗布層面に、下記組成のハードコート層形成用塗布液(C−1)を#10ワイヤーバーを用いて塗布し、70℃で1分間乾燥し、溶剤を除去した。次いで、ハードコート層を塗布したフィルムに高圧水銀灯を用いて300mJ/cm
2の紫外線を照射し、厚み5μmのハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。ハードコート層の屈折率は1.55であった。評価結果を表2に示す。
ハードコート層形成用塗布液(C−1)
イソプロパノール 48.47質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21.25質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレングリコールジアクリレート 5.67質量%
(新中村化学製A−400)
ZrO
2ゾル 23.61質量%
(日産化学工業製OZ−30M、固形分濃度30質量%)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
【0127】
(実施例2)
未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約100μmとすること以外は実施例1と同様にして一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0128】
(実施例3)
実施例1と同様の方法により作製された未延伸フィルムを、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に1.5倍延伸した後、実施例1と同様の方法で幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約50μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0129】
(実施例4)
実施例3と同様の方法で、走行方向に2.0倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約50μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0130】
(実施例5)
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.3倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約75μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0131】
(実施例6)
実施例1と同様の方法で、中間層に紫外線吸収剤を含有するPET樹脂(B)を用いずに、フィルム厚み50μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。
得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムは虹状の色斑は解消されたが、380nmの光線透過率が高く、光学機能性色素を劣化させる懸念がある。
【0132】
(実施例7)
実施例3と同様の方法で、走行方向に4.0倍、幅方向に1.0倍延伸して、フィルム厚み約100μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはReが3000nm以上で視認性は良好であるが、機械強度はやや劣っていた。
【0133】
(実施例8)
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.5倍、幅方向に3.7倍延伸して、フィルム厚み約250μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはReが4500nm以上であるが、Re/Rth比が0.2を下回ったため、斜め方向での極薄い虹斑が認められた。
【0134】
(実施例9)
実施例1と同様の方法で、走行方向に1.0倍、幅方向に3.5倍延伸して、フィルム厚み約75μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0135】
(実施例10)
実施例1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約275μmの一軸配向PETフィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0136】
(実施例11)
粒子Bを除いた以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0137】
(実施例12)
粒子Bを除き、ハードコート層形成用塗布液(C−1)を下記(C−2)に変更した以外は実施例1と同様にして、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。を得た。ハードコート層の屈折率は1.55であった。
ハードコート層形成用塗布液(C−2)
メチルエチルケトン 39.00質量%
トルエン 9.47質量%
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 21.25質量%
(新中村化学製A−DPH)
ポリエチレングリコールジアクリレート 5.67質量%
(新中村化学製A−400)
SnO
2ゾル 23.61質量%
(石原産業製FSS−10T、固形分濃度30質量%)
光重合開始剤 1.00質量%
(チバスペシャリティーケミカルズ社製イルガキュア184)
【0138】
(実施例13)
粒子Bを平均粒径100nmのシリカ粒子(日産化学工業製スノーテックスZL、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0139】
(実施例14)
ポリエステル水分散液をY−11に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0140】
(実施例15)
ポリエステル水分散液をY−12に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0141】
(実施例16)
塗布液(Z−1)を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
(塗布液Z−1)
水 44.54質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Y−1) 12.21質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(C) 3.67質量%
粒子A 9.38質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.17質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
シリコン系界面活性剤 0.03質量%
(固形分濃度100質量%)
【0142】
(実施例17)
塗布液(Z−1)を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
水 37.29質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Y−1) 22.09質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(C) 1.04質量%
粒子A 9.38質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.17質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
シリコン系界面活性剤 0.03質量%
(固形分濃度100質量%)
【0143】
(実施例18)
塗布液(Z−1)を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
水 35.76質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Y−1) 24.17質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(C) 0.49質量%
粒子A 9.38質量%
(多木化学製セラメースS−8、固形分濃度8質量%)
粒子B 0.17質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
シリコン系界面活性剤 0.03質量%
(固形分濃度100質量%)
【0144】
(実施例19)
粒子Bを平均粒径230nmのシリカ粒子(扶桑化学工業製クォートロンPL−20、固形分濃度24質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0145】
(実施例20)
粒子Bを平均粒径300nmのアクリル粒子(ガンツ化成製ガンツパールPM−030、固形分濃度41質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0146】
(実施例21)
粒子Bを平均粒径450nmのシリカ粒子(日産化学工業製MP4540M、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0147】
(実施例22)
粒子Bを平均粒径700nmの架橋ポリスチレン粒子(三井化学製グロスデール207−S、固形分濃度53質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0148】
(実施例23)
粒子Aを屈折率2.4のZrO
2(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)、粒子Bを平均粒径230nmのシリカ粒子(扶桑化学工業製クォートロンPL−20、固形分濃度24質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フBルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0149】
(実施例24)
粒子Aを屈折率2.4のZrO
2(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)、粒子Bを平均粒径300nmのアクリル粒子(ガンツ化成製ガンツパールPM−030、固形分濃度41質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0150】
(実施例25)
粒子Aを屈折率2.4のZrO
2(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)、粒子Bを平均粒径450nmのシリカ粒子(日産化学工業製MP4540M、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0151】
(実施例26)
粒子Aを屈折率2.4のZrO
2(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0152】
(実施例27)
粒子Aを屈折率2.4のZrO
2(日産化学工業製ZR−40BL、固形分濃度40質量%)、粒子Bを平均粒径700nmの架橋ポリスチレン粒子(三井化学製グロスデール207−S、固形分濃度53質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0153】
(実施例28)
粒子Aを屈折率2.7のTiO
2(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)、粒子Bを平均粒径230nmのシリカ粒子(扶桑化学工業製クォートロンPL−20、固形分濃度24質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0154】
(実施例29)
粒子Aを屈折率2.7のTiO
2(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)、粒子Bを平均粒径300nmのアクリル粒子(ガンツ化成製ガンツパールPM−030、固形分濃度41質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0155】
(実施例30)
粒子Aを屈折率2.7のTiO
2(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)、粒子Bを平均粒径450nmのシリカ粒子(日産化学工業製MP4540M、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0156】
(実施例31)
粒子Aを屈折率2.7のTiO
2(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0157】
(実施例32)
粒子Aを屈折率2.7のTiO
2(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)、粒子Bを平均粒径700nmの架橋ポリスチレン粒子(三井化学製グロスデール207−S、固形分濃度53質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0158】
(実施例33)
ハードコート層形成用塗布液(C−1)をハードコート層形成用塗布液(C−2)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0159】
(実施例34)
ブロックポリイソシアネート水分散液(C)を、オキサゾリン基を有する水溶性樹脂(D)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0160】
(実施例35)
ブロックポリイソシアネート水分散液(C)をカルボジイミド水溶性樹脂(E)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0161】
(実施例36)
ブロックポリイソシアネート水分散液(C)をメラミン樹脂(大日本インキ製ベッカミンM−3、固形分濃度60質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0162】
(実施例37)
ポリエステル水分散液をY−2に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0163】
(実施例38)
ポリエステル水分散液をY−3に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0164】
(実施例39)
ポリエステル水分散液をY−4に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0165】
(実施例40)
ポリエステル水分散液をY−5に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0166】
(実施例41)
ポリエステル水分散液をY−6に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0167】
(実施例42)
ポリエステル水分散液をY−7に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0168】
(実施例43)
ポリエステル水分散液をY−8に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0169】
(実施例44)
ポリエステル水分散液をY−9に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0170】
(実施例45)
塗布液(Z−1)を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
水 40.16質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Y−1) 24.27質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(C) 2.78質量%
粒子A 2.59質量%
(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)
粒子B 0.17質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
シリコン系界面活性剤 0.03質量%
(固形分濃度100質量%)
【0171】
(実施例46)
塗布液(Z−1)を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
水 40.16質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Y−1) 24.97質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(C) 2.86質量%
粒子A 1.81質量%
(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)
粒子B 0.17質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
シリコン系界面活性剤 0.03質量%
(固形分濃度100質量%)
【0172】
(実施例47)
塗布液(Z−1)を下記に変更したこと以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
水 40.16質量%
イソプロパノール 30.00質量%
ポリエステル水分散体(Y−1) 25.91質量%
ブロックポリイソシアネート水分散液(C) 2.96質量%
粒子A 0.77質量%
(石原産業製TTO−W−5、固形分濃度30質量%)
粒子B 0.17質量%
(日本触媒製シーホスターKEW50、固形分濃度15質量%)
シリコン系界面活性剤 0.03質量%
(固形分濃度100質量%)
【0173】
(実施例48)
液晶表示装置の光源を有機発光ダイオード(OLED)として虹斑観察を行ったこと、及びハードコート層表面に凹凸を付与した防眩層に変えた以外は、実施例1と同様にした。
【0174】
(比較例1)
実施例3と同様の方法で、走行方向に3.6倍、幅方向に4.0倍延伸して、フィルム厚み約38μmの二軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムはリタデーションが低く、斜め方向から観察した時に虹状の色斑が観察された。
【0175】
(比較例2)
実施例1と同様の方法を用い、未延伸フィルムの厚みを変更することにより、厚み約10μmの一軸配向PETフィルムである偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。得られたフィルムは非常に裂けやすく、コシ感が無いので偏光子保護フィルムとして用いることが出来なかった。また、リタデーションも低く、虹状の色斑が観察された。
【0176】
(比較例3)
液晶表示装置の光源を冷陰極管として虹斑観察を行った以外は、実施例1と同様にした。
【0177】
(比較例4)
ポリエステル水分散液をY−10に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0178】
(比較例5)
粒子Aを屈折率1.46のSiO
2(日産化学工業製スノーテックスZL、固形分濃度40質量%)に変更した以外は実施例1と同様にして偏光子保護フィルムを得た。得られた偏光子保護フィルムに実施例1と同様の方法でハードコート層を設け、ハードコート層積層偏光子保護フィルムを得た。
【0179】
以上の実施例及び比較例について測定した結果を以下の表2(2−1及び2−2)に示す。
【表2-1】