(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記特性学習手段が学習した上記所定特性の値若しくはそれを反映させた上記所定特性の代表値情報を、上記機種特性管理サーバに送出する更新用情報送出手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
上記所定特性が送話音量であり、上記特性対応処理手段が実行する特性対応処理が送話音量の調整処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電話装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(A)主たる実施形態
以下、本発明による電話装置、電話装置搭載プログラ
ム及び機種特性調整システムの一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係る機種特性調整システムの機能的構成を示すブロック図である。
【0017】
図1において、実施形態に係る機種特性調整システム1は、電話装置2と機種特性管理サーバ3とを有する。
【0018】
電話装置2は、自己が属する機種の特性が機種特性管理サーバ3によって管理されており、その管理されている特性をも利用して、所定の信号処理(エコー抑圧や送話音量調整など)を実行するものである。また、電話装置2は、検出した特性の情報を反映させた情報を機種特性管理サーバ3に送信するものである(なお、検出した特性の情報自体を機種特性管理サーバ3に送信するものであっても良い)。
【0019】
ここで、電話装置2は限定されるものではなく、例えば、固定のIP電話装置であっても良く、また、電話機能(ソフトフォン)を有するスマートフォンやタブレット端末であっても良い。
【0020】
電話装置2の機種が同一とは、例えば、同一の型番を有することをいう。但し、同一の製品名を有することを機種が同一として取り扱うようにしても良く、同一の製品番号を有することを機種が同一として取り扱うようにしても良い。この実施形態の場合、所定の信号処理(エコー抑圧や送話音量調整など)の構成が同一の関係にあることをメーカー側が保証できる識別情報(型番、製品名、製品番号)に基づいて、機種が同一か否かを識別する。
【0021】
電話装置2は、送受話信号処理部10と、機種特性検出・調整部20と、送受話信号処理部10及び機種特性検出・調整部20間を切り替える出力切替スイッチ30及び入力切替スイッチ31とを有する。
【0022】
図1に示している電話装置2の構成部分(スピーカやマイクロフォン等を除いた構成部分)は、ハードウェア的に構築されるだけでなく、CPUと、CPUが実行するプログラム(データ等も含む)などにより、ソフトウェア的に構築するようにしても良い。
【0023】
送受話信号処理部10は、擬似エコー生成フィルタ部11、減算部12及び送話音量ゲイン乗算部13を有する。
【0024】
擬似エコー生成フィルタ部11は、デジタルフィルタでなり、適用するフィルタ係数F0が機種特性検出・調整部20の後述する装置特性保存部25から与えられるものである。擬似エコー生成フィルタ部11には、受話信号(デジタル信号)r(n)が入力され、擬似エコー生成フィルタ部11は、入力された受話信号r(n)に対するフィルタリングにより擬似エコー信号e(n)を生成して減算部12に減算入力として与える。
【0025】
減算部12は、入力切替スイッチ31から与えられた入力信号si(n)から擬似エコー信号e(n)を減算することにより、入力信号si(n)に含まれているエコー成分を除去し、除去後の信号so(n)を送話音量ゲイン乗算部13に出力するものである。
【0026】
送話音量ゲイン乗算部13は、エコー成分の除去後信号so(n)に、機種特性検出・調整部20の後述する装置特性保存部25から与えられた送話音量ゲインV0を乗算することにより、送話音量を調整して次段に出力するものである。
【0027】
図1では、エコー成分の抑圧後に送話音量の調整を行うものを示したが、逆に、送話音量の調整後にエコー成分の抑圧を行うものであっても良い。
【0028】
機種特性検出・調整部20は、キャリブレーション制御部21、ガイダンス保持部22、エコーパス学習部23、送話音量学習部24、装置特性保存部25及び対サーバ通信部26を有する。
【0029】
キャリブレーション制御部21は、当該機種特性検出・調整部20内の各部、並びに、出力切替スイッチ30及び入力切替スイッチ31を制御するものである。
【0030】
キャリブレーション制御部21は、例えば、利用者の操作に伴うトリガ信号TRGの到来(若しくは、呼確立シーケンスが所定の段階になったことに伴うトリガ信号TRGの到来)により、キャリブレーションモード(校正モード)の動作を実行するように制御するものである。この実施形態の場合、キャリブレーションモードとしては、当該電話装置2における特性学習を伴う第1のキャリブレーションモードと、当該電話装置2における特性学習を伴わない第2のキャリブレーションモードとがある。キャリブレーション制御部21は、第1のキャリブレーションモードの処理を行ったときに設定されるフラグを内蔵している。
【0031】
出力切替スイッチ30は、第1のキャリブレーションモード以外では、送受話信号処理部10からの信号(受話信号)を選択するようになされており、第1のキャリブレーションモードにおいて、キャリブレーション制御部21の制御下で、機種特性検出・調整部20からの信号(ガイダンスメッセージ)を選択するように切り替わる。
【0032】
入力切替スイッチ31は、第1のキャリブレーションモード以外では、入力信号(送話信号)を送受話信号処理部10に与えるようになされており、第1のキャリブレーションモードにおいて、キャリブレーション制御部21の制御下で、入力信号(ガイダンスメッセージのエコー信号)を機種特性検出・調整部20に与えるようになされている。
【0033】
ガイダンス保持部22は、第1のキャリブレーションモードにおいて図示しないスピーカから放音させるガイダンスメッセージ(のデータ)を記憶しており、キャリブレーション制御部21の制御下で、記憶しているガイダンスメッセージg(n)を読み出して出力するものである。ここで、ガイダンス保持部22に記憶させておくガイダンスメッセージは、そのガイダンスメッセージを聴取した利用者が何らかの音声を発音する擬似通話を行うものであることを要する。例えば、「ピーという発信音の後に、あなたのお名前を発してください」というガイダンスメッセージを適用でき、この場合であれば、利用者は、自己の氏名を発音することになり、受話信号の放音と送話信号の取込みとを擬した擬似通話が実行される。
【0034】
エコーパス学習部23は、キャリブレーション制御部21の制御下で、第1のキャリブレーションモードにおいて、ガイダンスメッセージの放音を利用してエコーパス特性(図示しないスピーカからマイクロフォンへの音響経路の特性)を学習し、エコーパス特性に応じた擬似エコー生成フィルタ部11に設定し得るフィルタ係数を得て、装置特性保存部25に与えるものである。
【0035】
この実施形態の場合、エコーパス学習部23が適用している適応アルゴリズムは限定されないが、例えば、学習同定アルゴリズムを適用することができる。当該電話装置2が属する機種の電話装置は全て同じ適応アルゴリズムを適用していることを要する。例えば、学習同定アルゴリズムを適用している場合であれば、エコーパス学習部23には、放音されたガイダンスメッセージの信号g(n)を図示しないマイクロフォンが捕捉し、図示しないアナログ/デジタル変換部がデジタル信号に変換した入力信号s(n)が入力されてエコーパス特性が学習される。なお、学習に必要な擬似エコー信号やエコー残差信号は、
図1の場合、エコーパス学習部23の内部で生成しているが、擬似エコー生成フィルタ部11や減算部12を利用して得るようにしても良い。
【0036】
送話音量学習部24は、キャリブレーション制御部21の制御下で、第1のキャリブレーションモードにおいて、ガイダンスメッセージの放音に応じて利用者が発音した音声に基づいて送話音量を学習し、送話音量の特性情報を装置特性保存部25に与えるものである。送話音量学習部24は、例えば、ガイダンスメッセージの放音に応じて利用者が発音した音声を図示しないマイクロフォンが捕捉し、図示しないアナログ/デジタル変換部がデジタル信号に変換した入力信号s(n)に対して、有音/無音判定を行い、入力信号s(n)における有音期間の信号パワ(例えば、直近サンプルから過去へ所定サンプル数の各サンプル値の2乗和)を計算し、予め設定された基準パワに対する比(若しくは差)を送話音量の特性情報Vとして装置特性保存部25に出力する。なお、信号パワの計算は、ガイダンスメッセージの放音が終了した後に開始されて擬似通話が終了した後に終了されるようになされており、ガイダンスメッセージのエコー信号が、送話音量の特性情報Vに反映されないようにしている。
【0037】
送話音量の特性情報Vとして、基準パワに対する信号パワの比を適用した場合、送話信号に対して、送話音量の特性情報Vの逆数を乗算した場合には、乗算後の信号のパワは概ね基準パワとなり、送話音量の特性情報Vの逆数を、送話音量ゲイン乗算部13に与える送話音量ゲインとして用いることができる。
【0038】
装置特性保存部25は、キャリブレーション制御部21の制御下で、エコーパス学習部23が学習したエコーパス特性を表すフィルタ係数Fや送話音量学習部24が学習した送話音量の特性情報V(若しくはその逆数)を保存すると共に、上述した擬似エコー生成フィルタ部11に与えるフィルタ係数F0や上述した送話音量ゲイン乗算部13に与える送話音量ゲインV0を保存するものである。
【0039】
装置特性保存部25は、第1のキャリブレーションモードにおいて、例えば、機種特性管理サーバ3から与えられた当該機種に係る平均フィルタ係数F/(/は平均を表すものとする)とエコーパス学習部23から出力されたフィルタ係数Fから、擬似エコー生成フィルタ部11に与えるフィルタ係数F0を生成して保存し、また、機種特性管理サーバ3から与えられた当該機種に係る平均送話音量ゲインV/と送話音量学習部24が学習した送話音量の特性情報Vから、送話音量ゲイン乗算部13に与える送話音量ゲインV0を生成して保存する。フィルタ係数F0の生成方法及び送話音量ゲインV0の具体的な生成方法については後述する。
【0040】
装置特性保存部25は、第2のキャリブレーションモードにおいては、機種特性管理サーバ3から与えられた当該機種に係る平均フィルタ係数F/を擬似エコー生成フィルタ部11に与えるフィルタ係数F0として適用すると共に、機種特性管理サーバ3から与えられた当該機種に係る平均送話音量ゲインV/を送話音量ゲイン乗算部13に与える送話音量ゲインV0として適用する。
【0041】
対サーバ通信部26は、キャリブレーション制御部21の制御下で、機種特性管理サーバ3との情報授受を行うものである。対サーバ通信部26は、機種特性管理サーバ3から、当該機種に係る平均フィルタ係数F/と平均送話音量ゲインV/とを取込む。また、対サーバ通信部26は、装置特性保存部25が生成したフィルタ係数F0と送話音量ゲインV0とを、機種特性管理サーバ3に供給する。なお、上記とは異なり、フィルタ係数F0及び送話音量ゲインV0の生成処理を機種特性管理サーバ3が実行するものであっても良い。
【0042】
機種特性管理サーバ3は、上述したように、電話装置単位ではなく、電話装置の機種単位で特性(エコーパス特性や送話音量ゲイン)を管理するものである。機種特性管理サーバ3は、例えば、装置メーカー毎に設けられたものであっても良く、通信キャリア毎に設けられたものであっても良く、複数の通信キャリアに共通に設けられたものであっても良い。
【0043】
機種特性管理サーバ3は、対装置通信部40、機種特性記憶部41及びサーバ制御部42を有する。
【0044】
対装置通信部40は、各電話装置2との通信を実行するものである。
【0045】
機種特性記憶部41は、電話装置の機種毎の特性情報を格納しているものである。機種特性記憶部41は、例えば、
図2に示すように、ある機種については、平均フィルタ係数F/と、平均送話音量ゲインV/と、平均を求めた装置数と、平均を求める上限の装置数とを格納している。
【0046】
サーバ制御部42は、ある電話装置2からの要求に応じて機種特性記憶部41から情報を読み出して電話装置2に送信させたり、ある電話装置2から到来した情報に機種特性記憶部41の記憶情報を更新させたりするものである。サーバ制御部42の機能の詳細については、後述する動作の項の説明で明らかにする。
【0047】
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係る機種特性調整システム1の動作を、図面を参照しながら説明する。
【0048】
図3は、実施形態に係る機種特性調整システム1の動作を示すシーケンス図である。
【0049】
例えば、電話装置2に設けられている図示しない特性見直しスイッチ(ソフトスイッチであっても良い)が操作され、キャリブレーション制御部21にトリガ信号TRGが与えられると、キャリブレーションモードの動作が開始され、キャリブレーション制御部21は、対サーバ通信部26から、機種特性要求(例えばIPパケット)を機種特性管理サーバ3に送信させる(S100)。このとき、送信される機種特性要求には、当該電話装置2が属する機種の情報も含まれている。
【0050】
機種特性管理サーバ3において、対装置通信部40を介して機種特性要求が与えられたサーバ制御部42は、機種特性要求に含まれている機種の情報を抽出し、機種特性記憶部41に記憶されている、抽出した機種に係る記憶情報を読み出し、機種特性応答(例えばIPパケット)を形成して対装置通信部40から、要求元の電話装置2に返信させる(S101)。ここで、返信させる機種特性応答には、要求元の機種についての平均フィルタ係数F/、平均送話音量ゲインV/、及び、平均を求めた装置数が挿入される。なお、平均を求めた装置数が平均を求める上限の装置数に達している場合には、返信させる機種特性応答には、平均を求めた装置数に代え、上限の装置数に達している旨が挿入される。
【0051】
電話装置2のキャリブレーション制御部21は、対サーバ通信部26を介して機種特性応答を受信すると、機種特性応答に挿入されている平均フィルタ係数F/及び平均送話音量ゲインV/が、上限装置数の電話装置からの特性を平均したものであるか否かを判別する(S102)。この判別は、言い換えると、適用するキャリブレーションモードが、特性学習が不要な第2のキャリブレーションモードか否かの判別になっている。
【0052】
平均フィルタ係数F/及び平均送話音量ゲインV/が、上限装置数の電話装置からの特性を平均したものであると、
図3では省略しているが、キャリブレーション制御部21は、取得した平均フィルタ係数F/及び平均送話音量ゲインV/を装置特性保存部25に保存させ、特性学習を省略する。装置特性保存部25に保存された平均フィルタ係数F/及び平均送話音量ゲインV/はそれぞれ、送受話信号処理部10における擬似エコー生成フィルタ部11及び送話音量ゲイン乗算部13に設定されて利用される。
【0053】
平均フィルタ係数F/及び平均送話音量ゲインV/が、上限装置数に満たない数の電話装置からの特性を平均したものであると、キャリブレーション制御部21は、内蔵するフラグが、当該電話装置2における特性学習が既に終わっているもの(フラグがオン設定)か否かを判別する(S103)。
【0054】
当該電話装置2における特性学習が既に終わっていると、
図3では省略しているが、キャリブレーション制御部21は、取得した平均フィルタ係数F/及び平均送話音量ゲインV/を装置特性保存部25に保存させ、特性学習を省略する。
【0055】
当該電話装置2における特性学習が実行されていないと、キャリブレーション制御部21は、ガイダンス保持部22からガイダンスメッセージを出力させて図示しないスピーカから放音させて、エコーパス学習部23によってエコーパス特性(に係るフィルタ係数)を学習させ、また、ガイダンスメッセージに応じて利用者が発音したことで得た送話信号に基づいて、送話音量学習部24に送話音量を学習させる(S104)。この学習により得られたフィルタ係数F及び送話音量の特性情報V(若しくはその逆数)は、装置特性保存部25に保存され、また、機種特性管理サーバ3から与えられた平均フィルタ係数F/、平均送話音量ゲインV/、及び、平均を求めた装置数と共に用いられて、新たな平均フィルタ係数F0及び平均送話音量ゲインV0の算出に用いられる。新たに算出された平均フィルタ係数F0及び平均送話音量ゲインV0はそれぞれ、送受話信号処理部10における擬似エコー生成フィルタ部11及び送話音量ゲイン乗算部13に設定されて利用されるものとして、装置特性保存部25に保存される。
【0056】
キャリブレーション制御部21は、学習により得られたフィルタ係数F及び送話音量の特性情報V(若しくはその逆数)が適用されて更新された平均フィルタ係数F0及び平均送話音量ゲインV0を含む機種特性更新要求(例えばIPパケット)を、対サーバ通信部26を介して機種特性管理サーバ3に送信させる(S105)。
【0057】
機種特性管理サーバ3において、対装置通信部40を介して機種特性更新要求が与えられたサーバ制御部42は、機種特性更新要求に含まれているフィルタ係数F0及び送話音量ゲインV0に、機種特性記憶部41に記憶されている平均フィルタ係数F/及び平均送話音量ゲインV/を更新させると共に、平均を求めた装置数を1だけ増大させ、その後、機種特性更新応答(例えばIPパケット)を形成して対装置通信部40から、要求元の電話装置2に返信させる(S106)。
【0058】
以上のような処理により、機種特性管理サーバ3によって機種特性が管理されている機種の電話装置は、通話時に、通過開始直後から、エコー抑圧や送話音量が適切なものに制御される。
【0059】
このことは、機種が異なる電話装置のいずれも、機種特性管理サーバ3によって機種特性が管理されていれば、共に、通話開始直後から、エコー抑圧や送話音量が適切なものに制御され、機種間での特性の差分を利用者が認識できるような状況を回避できることを意味している。
【0060】
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、電話装置の機種間の相違を吸収し、機種特性管理サーバが機種特性を管理している機種の電話装置であれば、どの機種の電話装置であっても良好な通話を実現させることができる。
【0061】
(B)他の実施形態
上記実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示するような変形実施形態を挙げることができる。
【0062】
上記実施形態においては、同一機種の電話装置に関して平均的な特性値を得る、調整や抑圧等(なお、特許請求の範囲では特性対応処理と表現している)が実行される対象の特性が、エコーパス特性と送話音量特性であるものを示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、エコーパス特性だけを機種特性調整システムの対象特性としても良く、送話音量特性だけを機種特性調整システムの対象特性としても良い。さらには、受話信号の処理系や送話信号の処理系に設けられている入力信号を電話帯域に制限するフィルタの通過帯域特性など、エコーパス特性と送話音量特性以外の特性を、機種特性調整システムの対象特性としても良い。例えば、電話帯域に制限するフィルタに対してホワイトノイズ信号を入力し、フィルタリングの信号を周波数分析して基準の通過帯域特性と比較し、基準の通過帯域特性と相違する周波数成分を増幅若しくは減衰するような補助フィルタを適用して、電話帯域に制限するフィルタの特性を調整可能とした場合において、上記実施形態と同様に、電話帯域に制限するフィルタの通過帯域特性を、機種特性調整システムの対象特性とすることができる。
【0063】
上記実施形態においては、平均を算出する上限の装置数を設定している場合を示したが、平均を算出する装置数の上限を設けないようにしても良いことは勿論である。
【0064】
また、上記実施形態においては、上限の装置数の学習特性から機種特性の平均値を得た場合において、学習をしていない電話装置に関して、特性の平均値をそのまま調整や抑圧等の処理に利用するものを示したが、上限の装置数に達しても、学習していない電話装置については特性の学習を行い、その学習特性を平均値に反映させ、その後、その電話装置における調整や抑圧等の処理に利用するようにしても良い。
【0065】
上記実施形態においては、1つの装置の学習特性は、機種特性の平均値に1回だけ反映されるものを示したが、前回の学習時からの期間等、特性が変化した可能性が高いような場合(例えば、経時変化で特性が変わるような場合)には、同一装置の学習特性が機種特性の平均値に複数回反映されるようにしても良い。
【0066】
上記実施形態においては、各電話装置側で、フラグによって、自己の学習特性が平均値に反映されたか否かを判別するものを示したが、機種特性管理サーバ側で、どの電話装置の学習特性が平均値に反映されたかを判別するようにしても良い。例えば、電話装置毎のMACアドレスによって、電話装置を区別するようにしても良い。このような機種特性管理サーバ側でどの電話装置の学習特性が平均値に反映されたかを判別する場合であれば、平均処理をも機種特性管理サーバが算出するようにしても良い。
【0067】
機種特性管理サーバが学習特性の平均処理を実行するシステムの場合には、電話装置から機種特性管理サーバへ、学習した特性の値を送出することを要する。
【0068】
上記実施形態においては、複数の学習特性から得る機種特性の代表値が平均値であるものを示したが、中央値等の他の統計的な代表値を適用するようにしても良い。
【0069】
上記実施形態においては、機種特性の学習のために放音させるガイダンスメッセージ(のデータ)を、電話装置が内部記憶しているものを示したが、外部のガイダンスサーバ等から、機種特性の学習のためのガイダンスメッセージの供給を学習時に受けるものであっても良い。