(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外側領域は、前記媒体との当接面に搬送方向に沿って溝が形成され、当該溝の直交方向に関する幅が、前記搬送空間内にある前記媒体の直交方向に関する端部を入り込ませない距離である
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
前記隣接外側領域は、前記媒体との当接面に搬送方向に沿って溝が形成され、当該溝の直交方向に関する幅が、前記搬送空間内にある前記媒体の直交方向の端部を入り込ませない距離である
ことを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置。
前記案内面のうち直交方向に関する前記媒体の端部が当接しない領域である中央領域における前記外側領域との境界部分に設けられ、前記媒体に対し駆動力を伝達する駆動伝達部
をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
前記隣接外側領域は、前記媒体との当接面に搬送方向に沿って溝が形成され、当該溝の直交方向に関する幅が、前記搬送空間内にある前記媒体の直交方向の端部を入り込ませない距離である
ことを特徴とする請求項8に記載の媒体搬送装置。
前記案内面のうち直交方向に関する前記媒体の端部が当接しない領域である中央領域における前記外側領域との境界部分に設けられ、前記媒体に対し駆動力を伝達する駆動伝達部
をさらに具えることを特徴とする請求項7に記載の媒体搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0021】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.現金自動預払機の全体構成]
図1に外観を示すように、現金自動預払機1は、箱状の筐体2を中心に構成されており、例えば金融機関等に設置され、顧客との間で入金取引や出金取引等の現金に関する取引を行うようになされている。
【0022】
筐体2は、その前側に顧客が対峙した状態で紙幣の投入やタッチパネルによる操作等をしやすい箇所、すなわち前面の上部から上面に渡る部分が斜めに切り落とされたような形状となっており、この部分に顧客応対部3が設けられている。
【0023】
顧客応対部3は、顧客との間で現金や通帳等を直接やり取りすると共に、取引に関する情報の通知や操作指示の受付を行うようになされており、カード入出口4、入出金口5、操作表示部6、テンキー7、及びレシート発行口8が設けられている。
【0024】
カード入出口4は、キャッシュカード等の各種カードが挿入又は排出される部分である。カード入出口4の奥側には、各種カードに磁気記録された口座番号等の読み取りを行うカード処理部(図示せず)が設けられている。入出金口5は、顧客が入金する紙幣が投入されると共に、顧客へ出金する紙幣BLが排出される部分である。また入出金口5は、シャッタを駆動することにより開放又は閉塞するようになっている。
【0025】
操作表示部6は、取引に際して操作画面を表示するLCD(Liquid Crystal Display)と、取引の種類の選択、暗証番号や取引金額等を入力するタッチセンサとが一体化されたタッチパネルとなっている。テンキー7は、「0」〜「9」の数字等の入力を受け付ける物理キーであり、暗証番号や取引金額等の入力操作時に用いられる。レシート発行口8は、取引処理の終了時に取引内容等を印字したレシートを発行する部分である。因みにレシート発行口8の奥側には、レシートに取引内容等を印字するレシート処理部(図示せず)が設けられている。
【0026】
以下では、現金自動預払機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
【0027】
筐体2内には、現金自動預払機1全体を統括制御する主制御部9や、紙幣に関する種々の処理を行う紙幣入出金機10等が設けられている。主制御部9は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引や出金取引等の種々の処理を行うようになされている。また主制御部9は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになっている。
【0028】
因みに筐体2は、前面側やその後面側等の一部の側面が開閉可能な扉により構成されている。すなわち筐体2は、顧客との間で現金に関する取引を行う取引動作時には、
図1に示したように各扉を閉塞することにより、紙幣入出金機10内に収納している紙幣を保護する。一方筐体2は、作業者等が保守作業を行う保守作業時には、必要に応じて各扉を開放することにより、内部の各部に対する作業を容易に行わせ得るようになされている。
【0029】
紙幣入出金機10は、
図2に側面図を示すように、内部に紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。また紙幣入出金機10の各部分は、紙幣制御部11により制御される。
【0030】
紙幣制御部11は、主制御部9と同様、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣の搬送先を決定する処理や各部の動作を制御する処理等、種々の処理を行うようになっている。また紙幣制御部11は、内部にRAM及びフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させるようになっている。
【0031】
紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣を入金する入金取引を行う場合、操作表示部6(
図1)を介して所定の操作入力を受け付けた後、シャッタを開いて入出金部12内に形成された収容空間12Aへ紙幣を投入させる。入出金部12は、所定のセンサにより収容空間12A内に紙幣が1枚以上収容されているか否か、及び収容空間12A内に収容可能な最大量の紙幣が収納されているか否かを検知し、その検知結果を紙幣制御部11へ通知する。
【0032】
この入出金部12は、収容空間12Aに紙幣が投入されると、シャッタを閉じて当該収容空間12A内から紙幣を1枚ずつ繰り出し、当該入出金部12の下方に位置する搬送F部13へ受け渡す。搬送F部13は、搬送路(図中実線で示す)に沿って配置された複数のローラやベルト、及び紙幣を案内する搬送ガイド等により構成されており、紙幣を短辺方向に沿って進行させ、その後方に位置する認識部14へ搬送する。
【0033】
認識部14は、その内部で紙幣を後方へ搬送しながら、光学素子や磁気検出素子等を用いて当該紙幣の金種及び真偽、並びに損傷の程度等を認識して後方の搬送R部15へ受け渡すと共に、その鑑別結果を紙幣制御部11(
図1)へ通知する。これに応じて紙幣制御部11は、取得した鑑別結果に基づいて当該紙幣の搬送先を決定する。
【0034】
このとき搬送R部15は、認識部14において正常紙幣と鑑別された紙幣をその後方に配置された一時保留部16へ搬送して一時的に保留させる一方、取引すべきでないと鑑別されたリジェクト紙幣を入出金部12へ搬送して顧客に返却する。その後紙幣制御部11は、投入された紙幣の合計金額を集計して操作表示部6に表示すると共に、入金取引を継続するか否かを顧客に選択させる。
【0035】
ここで紙幣制御部11は、顧客により入金取引の中止が指示された場合、一時保留部16に保留している全ての紙幣を搬送R部15により前方の入出金部12へ搬送して顧客に返却する。また紙幣制御部11は、顧客により入金取引の継続が指示された場合、一時保留部16に保留している全ての紙幣を搬送R部15により認識部14へ搬送してその金種及び損傷の程度等を認識させ、その認識結果を取得する。
【0036】
紙幣制御部11は、紙幣の損傷の程度が小さければ、これを再利用すべき紙幣として搬送F部13及び下方に配置された搬送M部17により搬送させ、その金種に応じた紙幣カセット18に振り分けて収納させる。また紙幣制御部11は、紙幣の損傷の程度が大きければ、これを再利用すべきでない紙幣として、搬送F部13からその下方の搬送M部17へ受け渡して後方へ搬送させ、さらにその上方の搬送R部15へ受け渡して後方のリジェクトカセット19へ収納させる。
【0037】
また紙幣制御部11は、例えば顧客が紙幣を出金する出金取引を行う場合、操作表示部6(
図1)を介して所定の操作入力を受け付けた後、出金すべき金額に応じた紙幣を紙幣カセット18から繰り出させ、搬送M部17及び搬送F部13により認識部14へ搬送させる。続いて紙幣制御部11は、この紙幣を認識部14により認識させた上で、搬送R部15により入出金部12へ搬送して収容空間12A内に集積させ、入出金口5(
図1)のシャッタを開いて顧客に取り出させる。
【0038】
このように搬送F部13、搬送R部15及び搬送M部17は、入金取引及び出金取引において、形成された搬送路に沿って紙幣を搬送するようになっている。
【0039】
[1−2.一時保留搬送部の構成]
次に、搬送R部15の一部であり一時保留部16の直前に位置する一時保留搬送部30に着目して、その構成について説明する。一時保留搬送部30は、
図3に側面図を示すように、概ね上側の部分を占める上搬送部30Uと、概ね下側の部分を占める下搬送部30Lとにより、紙幣BLを搬送するための搬送空間Wが上下から挟まれた構成となっている。また上搬送部30U及び下搬送部30Lを構成する各部品は、左右の外側に配置されたサイドフレーム30Fに取り付けられている。
【0040】
下搬送部30Lは、搬送空間Wの下面を形成する板状の下搬送ガイド31を中心に構成されている。下搬送ガイド31は、例えば樹脂材料でなり、射出成型等の製法により形成されている。また下搬送ガイド31は、図示しない取付部材を介してサイドフレーム30Fに取り付けられている。
【0041】
図4に平面図を示すように、下搬送ガイド31は、左右方向、すなわち紙幣BLの搬送方向である前後方向と直交する方向に関し、仮想的な中心線XCを含む中央領域である中央領域31Cと、その左右の外側の領域である外側領域31Tとにより構成されている。
【0042】
下搬送ガイド31の中央領域31Cは、
図3におけるA1−A2断面を
図5に示すように、その上側部分に、前後方向に沿った複数の溝が形成されており、その残った部分が複数のリブ31CRとなっている。すなわちリブ31CRは、左右方向に薄く全方向に長い板状に形成され、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。因みに中央領域31Cの上面における最も外側、すなわち外側領域31Tとの境界近傍には、後述する搬送ベルト37との干渉を回避するための幅広の溝が形成されている。
【0043】
このため中央領域31Cは、リブ31CRの上面を搬送空間Wとの境界面として、紙幣BLとの接触面積を低減している。以下では、リブ31CRの上面を中央領域31Cの案内面31CSとも呼ぶ。
【0044】
因みに中央領域31Cの上面は、
図3に示したように、その上面を前後方向のほぼ中央部分が下方に窪むように屈曲しており、前半部分及び後半部分を、それぞれ中央側が低くなるような傾斜面としている。
【0045】
さらに下搬送ガイド31(
図4)の中央領域31Cにおける後端部分には、複数の爪状部32Cが後方に向けて立設されている。この爪状部32Cは、左右方向の長さ(すなわち幅)が比較的短く抑えられ、左右方向に互いに所定の間隔を空けて配置されている。また爪状部32Cの上面は、リブ31CRから連続するリブが立設されており、後端部分において下方へ傾斜されている(
図3)。
【0046】
一方、下搬送ガイド31における外側領域31Tの上面は、中央領域31Cと異なり、リブ等が形成されておらず、少なくとも左右方向に大きな起伏が形成されていない案内面31TSとなっている(
図5)。すなわち外側領域31Tの上面は、概ね平坦であり、仮に紙幣の左右方向の端部が当接したとしても、その端面が当接せずに端面以外の部分が接するような形状、換言すれば紙面が当接するような形状となっている。
【0047】
この案内面31TSは、中央領域31Cの案内面31CSとほぼ同等の高さとなっている。かかる構成により外側領域31Tは、左右方向に大きな起伏が形成されていない案内面31TSを搬送空間Wとの境界面として、搬送される紙幣BLと接触させるようになっている。
【0048】
また下搬送ガイド31(
図4)の外側領域31Tにおける後端部分には、中央領域31Cと同様に、複数の爪状部32Tが後方に向けて立設されている。この爪状部32Tは、爪状部32Cと同様、左右方向の長さ(すなわち幅)が比較的短く抑えられており、左右方向に互いに所定の間隔を空けるように配置されている。また爪状部32Tの上面は、平坦な案内面31TSから連続して平坦に形成されており、後端部分において下方へ傾斜されている(
図3)。
【0049】
因みに爪状部32C及び32Tは、一時保留搬送部30の後方に位置する一時保留部16(
図2)の搬送受渡部に同様に形成される爪状部と互いに噛み合うようになっている(詳しくは後述する)。
【0050】
また、下搬送部30L(
図4)の後端近傍及び前端近傍には、左右方向に貫通する駆動シャフト33及び従動シャフト34が挿通されている。駆動シャフト33及び従動シャフト34は、搬送空間Wから下方へやや離れて位置するよう、サイドフレーム30F(
図3)に対し回転可能に取り付けられている。
【0051】
駆動シャフト33は、図示しないモータやギア等を介して駆動力が伝達されることにより、
図3における時計方向及びその反対方向に回転することができる。この駆動シャフト33には、2個の駆動プーリ35が挿通されている。
【0052】
駆動プーリ35は、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されており、駆動シャフト33に対し、中央領域31Cにおける左右の最も外側に位置するように固定されている。このため駆動プーリ35は、駆動シャフト33と一体に回転することができる。
【0053】
従動シャフト34には、2個の従動プーリ36が挿通されている。従動プーリ36は、駆動プーリ35と同様、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されており、従動シャフト34に対し、中央領域31Cにおける左右の最も外側に位置するように固定されている。このため従動プーリ36は、従動シャフト34と一体に回転することができる。
【0054】
各駆動プーリ35及び各従動プーリ36の間には、両者の周囲を取り囲むようにして搬送ベルト37がそれぞれ掛け渡されている。搬送ベルト37は、可撓性を有する材料により構成されると共に、その表面及び裏面における摩擦係数がいずれも高められている。
【0055】
因みに下搬送部30Lでは、搬送空間W内において、搬送ベルト37が中央領域31Cの案内面31CS、すなわちリブ31CRの上面よりも高い位置を走行するよう、駆動プーリ35及び従動プーリ36の半径や位置が定められている(
図3)。
【0056】
搬送ベルト37は、駆動シャフト33と一体に駆動プーリ35が回転すると、当該駆動プーリ35との間に作用する摩擦により走行し、従動シャフト34及び従動プーリ36を回転させる。このとき搬送空間W内に紙幣BLがあれば、搬送ベルト37は、この紙幣BLとの間に摩擦力を作用させて駆動力を伝達することができる。
【0057】
また駆動シャフト33(
図4)には、駆動プーリ35の他に、3個の駆動ローラ38が離散的に挿通されている。駆動ローラ38は、駆動プーリ35と同様、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されており、中央領域31C及び各外側領域31Tにそれぞれ1個ずつ配置され、駆動シャフト33と一体に回転する。
【0058】
これと対応するように、中央領域31C及び外側領域31Tには、駆動ローラ38との干渉を回避するための孔部がそれぞれ形成されており、当該駆動ローラ38の上端近傍を案内面31CS及び31TSよりも搬送空間W側に僅かに突出させている(
図3)。
【0059】
このため駆動ローラ38は、搬送空間W内を紙幣BLが搬送される際、駆動シャフト33と一体に回転することにより、当該紙幣BLに対して搬送方向に向けて駆動力を作用させる。またこのとき駆動ローラ38は、その周側面に当接した紙幣BLの紙面を、中央領域31Cの案内面31CSや外側領域31Tの案内面31TSから僅かに持ち上げるため、摺動抵抗を低減させることもできる。
【0060】
ここで、下搬送ガイド31(
図4)における中央領域31Cと外側領域31Tとの境界線は、紙幣入出金機10において取り扱う紙幣BLの長手方向の長さに応じて定められている。例えば、紙幣入出金機10において取り扱う紙幣BLのうち長手方向の長さが最も短い紙幣(以下これを最短紙幣と呼ぶ)における長手方向の長さを最短紙幣長さLSとする。中央領域31Cと1箇所の外側領域31Tとの左右方向の幅を加算した長さL1(
図4)は、この最短紙幣長さLSよりも短くなっている。
【0061】
このため一時保留搬送部30は、搬送空間W内において最短紙幣が左右のいずれかに偏って位置していたとしても、中央領域31Cと各外側領域31Tとの2箇所の境界線と当該最短紙幣とを交差させることができ、この最短紙幣に対し2本の搬送ベルト37と確実に当接させることができる。また一時保留搬送部30は、当然ながら、他の長さの紙幣BLが搬送空間W内における左右方向のいずれの位置にあったとしても、この紙幣BLに対し2本の搬送ベルト37と確実に当接させることができる。
【0062】
これを他の観点から見ると、一時保留搬送部30は、長手方向の長さがいずれの長さの紙幣BLであっても、搬送空間W内において2本の搬送ベルト37と当接させることができ、このとき長手方向(左右方向)の端部を外側領域31T上に位置させることになる。すなわち一時保留搬送部30は、搬送空間W内を搬送する紙幣BLにおける長手方向の端部を、中央領域31C上や搬送ベルト37上に位置させることが無い。
【0063】
一方、上搬送部30Uは、
図6に下面図を示すように、概ね下搬送部30Lを上下に反転させたような形状となっているものの、一部の点において当該下搬送部30Lと相違している。下搬送ガイド31と対応する上搬送ガイド41は、中央領域31C及び外側領域31Tにそれぞれ対応する中央領域41C及び外側領域41Tにより構成されている。
【0064】
中央領域41Cは、下搬送ガイド31の中央領域31Cを上下に反転させたような形状となっており、リブ31CRと対応するリブ41CRが左右方向に所定間隔を空けるように立設されている。このため中央領域41Cは、中央領域31Cの場合と同様、リブ41CRの下面を搬送空間Wとの境界面としており、紙幣BLとの接触面積を低減している。以下では、リブ41CRの下面を中央領域41Cの案内面41Sとも呼ぶ。
【0065】
また
図3に示したように、上搬送ガイド41は、その下面を前後方向のほぼ中央部分において下方へ突出するように屈曲させており、下面の前側部分及び後側部分を、それぞれ中央側が低くなるような傾斜面としている。
【0066】
さらに上搬送ガイド41(
図6)の中央領域41Cにおける後端部分には、複数の爪状部42Cが後方に向けて立設されている。この爪状部42Cは、概ね下搬送ガイド31の爪状部32Cと上下対称に構成されており、左右方向の長さが比較的短く抑えられ、左右方向に互いに所定の間隔を空けて配置されている。また爪状部42Cの下面は、案内面41CSから連続しており、後端部分において上方へ傾斜されている(
図3)。
【0067】
一方、上搬送ガイド41の外側領域41Tは、
図5に示したように、下搬送ガイド31の外側領域31Tと同様、リブ41CR等が形成されておらず、左右方向に大きな起伏が形成されていない案内面41TSとなっている。この案内面41TSは、中央領域41Cにおけるリブ41CRの下面である案内面41CSとほぼ同等の高さとなっている。かかる構成により外側領域41Tは、外側領域31Tと同様、左右方向に大きな起伏が形成されていない案内面41TSを搬送空間Wとの境界面として、搬送される紙幣BLと接触させるようになっている。
【0068】
また上搬送ガイド41(
図4)の外側領域41Tにおける後端部分には、中央領域41Cと同様に、複数の爪状部42Tが後方に向けて立設されている。この爪状部42Tは、下搬送ガイド31の爪状部32Tと同様、左右方向の長さが比較的短く抑えられ、左右方向に互いに所定の間隔を空けて配置されている。また爪状部42Tの下面は、案内面41TSから連続しており、後端部分において上方へ傾斜されている(
図3)。
【0069】
因みに爪状部42C及び42Tは、爪状部32C及び32Tと同様、一時保留部16(
図2)の搬送受渡部に形成される爪状部と互いに噛み合うようになっている。
【0070】
また、上搬送部30U(
図6)の前後方向に関する中央近傍、すなわちその下面が最も下方に突出した部分(
図3)には、左右方向に貫通する駆動シャフト43が挿通されている。駆動シャフト43は、搬送空間Wから上方へやや離れた位置において、サイドフレーム30F(
図3)に対し自在に回転し得るように取り付けられている。
【0071】
因みに駆動シャフト43は、下搬送部30Lの駆動シャフト33と同様、図示しないモータやギア等を介して駆動力が伝達されることにより、
図3における時計方向及びその反対方向に回転することができる。
【0072】
駆動シャフト43には、2個の駆動プーリ45が挿通されている。駆動プーリ45は、駆動プーリ35と同様、中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されており、駆動シャフト43に対し、中央領域41Cにおける左右の最も外側に位置するように固定されている。このため駆動プーリ45は、駆動シャフト43と一体に回転することができる。
【0073】
また図には示していないものの、搬送R部15(
図2)内における駆動シャフト43及び駆動プーリ45の前方には、下搬送部30Lの従動シャフト34及び従動プーリ36と同様に構成された従動シャフト及び従動プーリが設けられている。駆動プーリ45とこの図示しない従動プーリとの間には、その周囲を取り囲むようにして、搬送ベルト37と対応する搬送ベルト47がそれぞれ掛け渡されている。
【0074】
搬送ベルト47は、搬送ベルト37と同様に可撓性を有する材料により構成されると共に、その表面及び裏面における摩擦係数がいずれも高められている。このため搬送ベルト47は、駆動シャフト43と一体に駆動プーリ45が回転すると、その回転に伴って当該駆動プーリ45及び図示しない従動プーリの周囲を走行する。
【0075】
因みに上搬送部30Uでは、搬送空間W内において、やはり搬送ベルト37の場合と同様、搬送ベルト47が中央領域41Cの案内面41CS、すなわちリブ41CRの下面よりも低い位置を走行するよう、駆動プーリ45の半径や位置が定められている(
図3)。
【0076】
このため搬送ベルト47は、駆動シャフト43と一体に駆動プーリ45が回転すると、搬送ベルト37の場合と同様、当該駆動プーリ45との間に作用する摩擦により走行し、図示しない従動シャフト及び従動プーリを回転させる。このとき搬送空間W内に紙幣BLがあれば、搬送ベルト47は、この紙幣BLとの間に摩擦力を作用させて駆動力を伝達することができる。
【0077】
さらに、上搬送部30U(
図6)における後端近傍であって、駆動シャフト33のほぼ真上となる位置には、従動シャフト34を左右方向に短く切断したような短い従動シャフト44が、左右方向に離散した3箇所に、具体的には中央領域41C及び各外側領域41Tにそれぞれ1個ずつ設けられている。この従動シャフト44は、上搬送ガイド41に対し、自在に回転し得るように、且つ図示しない弾性部材により下方へ押し付けられるように、支持されている。
【0078】
各従動シャフト44には、駆動ローラ38と対応する従動ローラ48が1個ずつ挿通されている。従動ローラ48は、駆動ローラ38と同様に中心軸を左右方向に向けた扁平な円柱状に形成されている。
【0079】
これと対応するように、中央領域41C及び外側領域41Tには、従動ローラ48との干渉を回避するための孔部が適宜形成されており、当該従動ローラ48の下端近傍を案内面41CS及び41TSよりも搬送空間W側に僅かに突出させている。
【0080】
このため従動ローラ48は、搬送空間W内を紙幣BLが搬送される際、弾性部材の作用により当該紙幣BLの紙面に当接し、当該紙幣BLとの摩擦により回転する。このとき従動ローラ48は、この紙幣BLを中央領域41Cの案内面41CSや外側領域41Tの案内面41TSから僅かに引き離し、摩擦による抵抗を低減させることができる。
【0081】
このように一時保留搬送部30の下搬送部30L及び上搬送部30Uは、それぞれの外側領域31T及び41Tにおいて搬送空間Wに面する案内面31TS及び41TSを、左右方向に大きな起伏が形成されていない形状としている。
【0082】
[1−3.動作及び効果]
以上の構成において、第1の実施の形態による一時保留搬送部30は、下搬送ガイド31における外側領域31Tの案内面31TSと、上搬送ガイド41における外側領域41Tの案内面41TSとを、いずれも左右方向に大きな起伏が形成されていない形状とした。
【0083】
一時保留搬送部30は、紙幣BLを搬送方向である前後方向へ搬送する際、例えば下搬送部30Lの駆動シャフト33を
図3における反時計方向に回転させると共に、上搬送部30Uの駆動シャフト43を時計方向に回転させる。
【0084】
これ伴い搬送ベルト37は、駆動プーリ35及び従動プーリ36の周囲を
図3における時計方向に周回するように走行する。また搬送ベルト47は、駆動プーリ45及び図示しない従動プーリの周囲をその反対方向に周回するように走行する。
【0085】
一時保留搬送部30は、この状態で搬送空間Wの前方、すなわち搬送R部15(
図2)内から紙幣BLが搬送されてくると、この紙幣BLを2組の搬送ベルト47及び37の間に挟持しながら搬送空間W内を後方へ、すなわち案内面31CS、31TS、41CS及び41TSに沿って後方へ引き続き搬送する。
【0086】
このとき一時保留搬送部30は、紙幣BLの長手方向、すなわち搬送方向である前後方向と直交する左右方向の端部を、搬送空間Wのうち外側領域31T及び41Tに挟まれた領域に位置させ、当該搬送空間W内に止める。
【0087】
このため一時保留搬送部30は、搬送中の紙幣BLにおける長手方向の端部が下方又は上方に撓み、下搬送ガイド31又は上搬送ガイド41に当接したとしても、外側領域31T及び41Tの案内面31TS及び41TSがいずれも左右方向に大きな起伏が形成されていない、ほぼ平坦な形状であることから、その端面と摺動することが無く、摩擦により摩耗する可能性を極めて低く抑えることができる。
【0088】
その一方で一時保留搬送部30は、紙幣BLにおける左右方向の端部が当接することが無いため摩耗する恐れの無い中央領域31C及び41Cには、従来と同様のリブ31CR及び41CRを立設することにより、接触した場合に発生する摩擦力の低減を図ることができる。
【0089】
以上の構成によれば、一時保留搬送部30は、下搬送ガイド31における外側領域31Tの案内面31TSと、上搬送ガイド41における外側領域41Tの案内面41TSとを、いずれも左右方向に大きな起伏が形成されていない形状とした。これにより一時保留搬送部30は、搬送中の紙幣BLにおける長手方向の端部が下方又は上方に撓み、下搬送ガイド31又は上搬送ガイド41に当接したとしても、左右方向に大きな起伏が形成されていない外側領域31T及び41Tに対し、その端面を摺動させることが無いため、摩擦により摩耗する可能性を極めて低く抑えることができる。
【0090】
[2.第2の実施の形態]
第2の実施の形態による現金自動預払機101(
図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、紙幣入出金機10に代わる紙幣入出金機110を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
【0091】
紙幣入出金機110(
図2)は、第1の実施の形態による紙幣入出金機10と比較して、搬送R部15に代わる搬送R部115を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。この搬送R部115は、第1の実施の形態における一時保留搬送部30に代わる一時保留搬送部130を有している。
【0092】
一時保留搬送部130(
図3)は、第1の実施の形態における一時保留搬送部30と比較して、上搬送部30U及び下搬送部30Lに代わる上搬送部130U及び下搬送部130Lを有する点が相違する。
【0093】
下搬送部130Lは、
図4と対応する
図7に示すように、第1の実施の形態による下搬送部30Lと比較して、下搬送ガイド31に代わる下搬送ガイド131を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。下搬送ガイド131は、下搬送ガイド31の中央領域31C及び外側領域31Tとそれぞれ対応する中央領域131C及び外側領域131Tを有している。
【0094】
中央領域131Cには、中央領域31Cのリブ31CRと同様のリブ131CRが複数立設されている。以下では、リブ31CRの場合と同様、このリブ131CRの上面を案内面131CSとも呼ぶ。
【0095】
外側領域131Tは、外側領域31Tと異なり、
図7に示したように、また
図5と対応する
図8にA1−A2断面図を示すように、複数のリブ131TRが立設されている。リブ131TRは、リブ131CRと同様、左右方向に薄く全方向に長い板状に形成され、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。換言すれば、外側領域131Tでは、その上面に搬送方向に沿った複数の溝が形成されることにより、残された部分がリブ131TRとなっている。ここで左右方向に関するリブ131TR同士の距離d1は、約2[mm]となっている。また以下では、リブ131CRの場合と同様、リブ131TRの上面を案内面131TSとも呼ぶ。
【0096】
さらに下搬送ガイド131における中央領域131C及び外側領域131Tの後端には、下搬送ガイド31の爪状部32C及び32Tとそれぞれ対応する爪状部132C及び132Tがそれぞれ立設されている。爪状部132C及び132Tは、第1の実施の形態における爪状部32Cと同様、その上面にリブ131CR及びリブ131TRから連続するリブがそれぞれ立設されており、後端部分において下方へ傾斜されている(
図3)。
【0097】
上搬送部130Uは、
図6と対応する
図9に示すように、第1の実施の形態による上搬送部30Uと比較して、上搬送ガイド41に代わる上搬送ガイド141を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。上搬送ガイド141は、上搬送ガイド41の中央領域41C及び外側領域41Tとそれぞれ対応する中央領域141C及び外側領域141Tを有している。
【0098】
中央領域141Cには、中央領域41Cのリブ41CRと同様のリブ141CRが複数立設されている。以下では、リブ41CRの場合と同様、このリブ141CRの下面を案内面141CSとも呼ぶ。
【0099】
外側領域141Tは、外側領域41Tと異なり、
図9及び
図8に示したように、複数のリブ141TRが立設されている。リブ141TRは、リブ141CRやリブ131TRと同様、左右方向に薄く全方向に長い板状に形成され、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。またリブ141TRは、左右方向に関し隣接するリブ141TRとの距離が、リブ131TRの場合と同様の距離d1、すなわち約2[mm]となっている。また以下では、リブ141CRの場合と同様、リブ141TRの下面を案内面141TSとも呼ぶ。
【0100】
さらに上搬送ガイド141における中央領域141C及び外側領域141Tの後端には、上搬送ガイド41の爪状部42C及び42Tとそれぞれ対応する爪状部142C及び142Tがそれぞれ立設されている。爪状部142C及び142Tは、第1の実施の形態における爪状部42Cと同様、その上面にリブ141CR及びリブ141TRから連続するリブがそれぞれ立設されており、後端部分において下方へ傾斜されている(
図3)。
【0101】
また一時保留搬送部130では、下搬送ガイド131の案内面131CS及び131TSと、上搬送ガイド141の案内面141CS及び141TSとの距離、すなわち搬送空間Wの上下方向の長さである距離d2が、6[mm]となっている。
【0102】
以上の構成において、第2の実施の形態による一時保留搬送部130は、下搬送ガイド131における外側領域131Tの案内面131TSと、上搬送ガイド141における外側領域141Tの案内面141TSとに、それぞれリブ131TR及び141TRを立設した。
【0103】
これにより一時保留搬送部130は、中央領域131C及び141Cと同様、紙幣BLとの接触面積を削減することができるので、当該紙幣BLと接触した場合に発生する摩擦力の低減を図ることができる。このため一時保留搬送部130は、第1の実施の形態による一時保留搬送部30と比較して、搬送中の紙幣BLに作用する摩擦力を低減させることができ、紙幣BLをより円滑に搬送することができる。
【0104】
また一時保留搬送部130では、搬送空間Wにおける上下方向の長さ、すなわち下搬送ガイド131の案内面131CS及び131TSと上搬送ガイド141の案内面141CS及び141TSとの距離d2を、約6[mm]と比較的狭くした。これにより一時保留搬送部130は、仮に紙幣BLが
図10(A)及び(B)に示すように湾曲し、或いは折れ曲がっていたとしても、これを左右方向ほぼ平坦となるように矯正することができる。
【0105】
さらに一時保留搬送部130では、リブ131TR及び141TRにおける左右方向の間隔である距離d1を約2[mm]のように極めて狭くした。これにより一時保留搬送部130では、
図8の一部を拡大した
図11に示すように、重力の作用等により、紙幣BLにおける左右方向の端部が垂れ下がってリブ131TRの隙間に入り込む可能性を極めて小さく抑えることができる。
【0106】
すなわち一時保留搬送部130は、搬送空間Wの高さである距離d2が約6[mm]であるところ、距離d1を約2[mm]としたことにより、特に紙幣BLがポリマー紙幣である場合に、その剛性等の観点から、当該紙幣BLにおける左右方向の端部がリブ131TR同士の隙間に垂れ下がる危険性を格段に低減すること、すなわちその端部を搬送空間W内に止めることができる。
【0107】
これを換言すれば、距離d1は、搬送空間Wの高さやポリマー紙幣である紙幣BLの剛性等を考慮する共に、下搬送ガイド131を構成する樹脂材料の特性や射出成型のような製法上の制約等も合わせて考慮した上で、左右方向の端部がリブ131TR同士の隙間に入り込ませないような距離として約2[mm]に選定されている。
【0108】
これにより一時保留搬送部130は、ポリマー紙幣を含む紙幣BLが搬送方向である前後方向へ搬送される際に、その左右の端面を外側領域131T及び141Tにそれぞれ立設したリブ131TR及び141TRの側面に当接させて摩耗させる危険性を極めて低く抑えることができ、安定した搬送を継続することができる。
【0109】
また一時保留搬送部130は、その他の点についても、第1の実施の形態による一時保留搬送部30と同様の作用効果を奏し得る。
【0110】
以上の構成によれば、第2の実施の形態による一時保留搬送部130は、下搬送ガイド131における外側領域131Tの案内面131TSと、上搬送ガイド141における外側領域141Tの案内面141TSとに、それぞれリブ131TR及び141TRを距離d1ごとに立設した。これにより一時保留搬送部130は、外側領域131T及び141Tにおいて紙幣BLがその左右方向の端面をリブ131TR及び141TRの側面に接触させる可能性を抑えながら案内面131TS及び141TSにおける接触面積を削減することができるので、当該紙幣BLと接触した場合に発生する摩擦力の低減を図ることができ、当該紙幣BLを安定的に且つ円滑に搬送することができる。
【0111】
[3.第3の実施の形態]
第3の実施の形態による現金自動預払機201(
図1)は、第1の実施の形態による現金自動預払機1と比較して、紙幣入出金機10に代わる紙幣入出金機210を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
【0112】
紙幣入出金機210(
図2)は、第1の実施の形態による紙幣入出金機10と比較して、一時保留部16に受渡搬送部70が設けられている点が相違するものの、搬送R部15を含めた他の部分については同様に構成されている。すなわち搬送R部15は、第1の実施の形態と同様、一時保留搬送部30を有している。
【0113】
受渡搬送部70は、
図3と対応する
図12に示すように、一時保留搬送部30の上搬送部30U及び下搬送部30Lとそれぞれ対応する上搬送部70U及び下搬送部70Lにより構成されている。
【0114】
下搬送部70Lは、下搬送部30Lと対応した構成となっており、搬送空間Wの下面を形成する板状の下搬送ガイド71を中心に構成されている。下搬送ガイド71は、
図4と対応する
図13に平面図を示すように、下搬送ガイド31と同様に、左右方向に3つの領域に区分され、一時保留搬送部30側の中央領域31C及び2つの外側領域31Tとそれぞれ対応する中央領域71C及び2つの外側領域71Tにより構成されている。
【0115】
中央領域71Cの上面には、下搬送ガイド31の中央領域31Cと同様、左右方向に薄く前後方向に長い板状のリブ71CRが、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。また中央領域71Cの前端部分には、複数の爪状部72Cが前方に向けて立設されている。この爪状部72Cは、一時保留搬送部30側の爪状部32Cと互いに噛み合うように、その位置や左右方向の長さ等が最適化されている。
【0116】
外側領域71Tの上面は、下搬送ガイド31の外側領域31Tと同様、リブ等が立設されておらず、左右方向に大きな起伏が形成されていない形状となっている。また外側領域71Tの前端部分には、複数の爪状部72Tが前方に向けて立設されている。この爪状部72Tは、一時保留搬送部30側の爪状部32Tと互いに噛み合うように、その位置や左右方向の長さ等が最適化されている。
【0117】
このため受渡搬送部70の下搬送ガイド71は、一時保留搬送部30の下搬送ガイド31との間で、爪状部32C及び32Tと爪状部72C及び72Tとを互いに噛み合わせることにより、搬送空間Wの下面側に、切れ目や段差を形成すること無く見かけ上連続した案内面を形成することができる。
【0118】
また下搬送ガイド71の爪状部72C及び72Tは、左右方向に隣接する下搬送ガイド31の爪状部32C及び32Tとの距離d3を、第2の実施の形態におけるリブ131TR及び141TRの間隔d1と同様の約2[mm]とするように設計されている。
【0119】
一方、上搬送部70Uは、上搬送部30Uと対応した構成となっており、搬送空間Wの上面を形成する板状の上搬送ガイド81を中心に構成されている。上搬送ガイド81は、
図6と対応する
図14に下面図を示すように、上搬送ガイド41と同様に、左右方向に3つの領域に区分され、一時保留搬送部30側の中央領域41C及び2つの外側領域41Tとそれぞれ対応する中央領域81C及び2つの外側領域81Tにより構成されている。
【0120】
中央領域81Cの下面には、上搬送ガイド41の中央領域41Cと同様、左右方向に薄く前後方向に長い板状のリブ81CRが、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。また中央領域81Cの前端部分には、複数の爪状部82Cが前方に向けて立設されている。この爪状部82Cは、一時保留搬送部30側の爪状部42Cと互いに噛み合うように、その位置や左右方向の長さ等が最適化されている。
【0121】
外側領域81Tの下面は、上搬送ガイド41の外側領域41Tと同様、リブ等が立設されておらず、左右方向に大きな起伏が形成されていない形状となっている。また外側領域81Tの前端部分には、複数の爪状部82Tが前方に向けて立設されている。この爪状部82Tは、一時保留搬送部30側の爪状部42Tと互いに噛み合うように、その位置や左右方向の長さ等が最適化されている。
【0122】
このため受渡搬送部70の上搬送ガイド81は、下搬送ガイド71と同様、一時保留搬送部30の上搬送ガイド41との間で、爪状部42C及び42Tと爪状部82C及び82Tとを互いに噛み合わせることにより、搬送空間Wの上面側に、切れ目や段差を形成すること無く見かけ上連続した案内面を形成することができる。
【0123】
また上搬送ガイド81の爪状部82C及び82Tは、左右方向に隣接する上搬送ガイド41の爪状部42C及び42Tとの距離d3を、下搬送ガイド71の爪状部72C及び72Tと同様に、約2[mm]とするように設計されている。
【0124】
因みに一時保留搬送部30及び受渡搬送部70は、各搬送ガイドの端部に立設した互いの爪状部を噛み合わせるようにしたことにより、各種取引処理を行う稼働時に搬送空間Wを前後に連通させて紙幣BLの円滑な受渡と、保守作業時等における各部同士の容易な切り離し及び再接続とを両立させている。
【0125】
以上の構成において、第3の実施の形態による紙幣入出金機210は、一時保留部16(
図2)の受渡搬送部70において紙幣BLを案内する下搬送ガイド71及び上搬送ガイド81を、一時保留搬送部30の下搬送ガイド31及び上搬送ガイド41と同様、中央領域71C及び81Cと外側領域71T及び81Tとに分けた(
図13、
図14)。
【0126】
中央領域71Cの上面及び中央領域81Cの下面には、中央領域31C及び41Cと同様、搬送方向に沿ったリブ71CR及び81CRを立設した。その一方で外側領域71Tの上面及び外側領域81Tの下面は、外側領域31T及び41Tと同様、リブを設けずに左右方向に大きな起伏が形成されていない形状とした。
【0127】
受渡搬送部70は、一時保留搬送部30と同様、紙幣BLを搬送する際、左右方向の端面を外側領域71T及び81Tの間に挟まれた領域に位置させる。このため受渡搬送部70は、一時保留搬送部30と同様、搬送中の紙幣BLにおける長手方向の端部が下方又は上方に撓み、下搬送ガイド71又は上搬送ガイド81に当接したとしても、外側領域71T及び81Tの案内面31TS及び41TSがいずれも左右方向に大きな起伏が形成されていないことから、摩擦により摩耗する可能性を極めて低く抑えることができる。
【0128】
その一方で受渡搬送部70は、やはり一時保留搬送部30と同様、紙幣BLの左右方向の端部が位置することが無く摩耗する恐れの無い中央領域71C及び81Cには、リブ71CR及び81CRを立設することにより、接触した場合に発生する摩擦力の低減を図ることができる。
【0129】
また下搬送ガイド71の前端に設けた爪状部72C及び72Tは、左右方向に隣接する下搬送ガイド31の爪状部32C及び32Tとの距離d3を約2[mm]とした(
図13)。これと共に上搬送ガイド81の前端に設けた爪状部82C及び82Tは、左右方向に隣接する上搬送ガイド41の爪状部82C及び82Tとの距離d3も約2[mm]とした(
図14)。
【0130】
これにより受渡搬送部70は、第2の実施の形態におけるリブ131TRの場合と同様、一時保留搬送部30との接続部分において、重力の作用により紙幣BLにおける左右方向の端部が垂れ下がる等して、爪状部72C及び72Tと爪状部32C及び32Tとの隙間や爪状部82C及び82Tと爪状部42C及び42Tとの隙間等に入り込む可能性を、極めて小さく抑えることができる。この結果受渡搬送部70は、爪状部32C及び32T等並びに爪状部72C及び72T等の摩耗を抑えることができ、紙幣BLの安定した受渡を継続することができる。
【0131】
また一時保留搬送部30は、その他の点においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0132】
以上の構成によれば、第3の実施の形態による紙幣入出金機210は、受渡搬送部70の下搬送ガイド71及び上搬送ガイド81について、一時保留搬送部30の下搬送ガイド31及び上搬送ガイド41と同様、中央領域71Cの上面及び中央領域81Cの下面に、搬送方向に沿ったリブ71CR及び81CRを立設する一方、外側領域71Tの上面及び外側領域81Tの下面を、リブを設けずに左右方向に大きな起伏が形成されていない形状とした。これにより紙幣入出金機210は、一時保留搬送部30及び受渡搬送部70のいずれにおいても、搬送中の紙幣BLにおける長手方向の端部が下方又は上方に撓み、下搬送ガイド31若しくは71又は上搬送ガイド41若しくは81に当接したとしても、その端面を摺動させることが無いなめ、摩擦により摩耗する可能性を極めて低く抑えることができる。
【0133】
[4.第4の実施の形態]
第4の実施の形態による現金自動預払機301(
図1)は、第2の実施の形態による現金自動預払機101と比較して、紙幣入出金機110に代わる紙幣入出金機310を有する点が相違するものの、他の部分については同様に構成されている。
【0134】
紙幣入出金機310(
図2)は、第2の実施の形態による紙幣入出金機110と比較して、一時保留部16に受渡搬送部170が設けられている点が相違するものの、搬送R部115を含めた他の部分については同様に構成されている。すなわち搬送R部115は、第2の実施の形態と同様、一時保留搬送部130(
図7〜
図9)を有している。
【0135】
受渡搬送部170は、
図12に示したように、一時保留搬送部130の上搬送部130U及び下搬送部130Lとそれぞれ対応する上搬送部170U及び下搬送部170Lにより構成されている。
【0136】
下搬送部170Lは、下搬送部130Lと対応した構成となっており、搬送空間Wの下面を形成する板状の下搬送ガイド171を中心に構成されている。下搬送ガイド171は、
図7と対応する
図15に平面図を示すように、下搬送ガイド131や下搬送ガイド71(
図13)と同様に、左右方向に3つの領域に区分され、一時保留搬送部130側の中央領域131C及び2つの外側領域131Tとそれぞれ対応する中央領域171C及び2つの外側領域171Tにより構成されている。
【0137】
中央領域171Cの上面には、下搬送ガイド131の中央領域131Cや下搬送ガイド71の中央領域71C(
図13)と同様、左右方向に薄く前後方向に長い板状のリブ171CRが、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。また中央領域171Cの前端部分には、複数の爪状部172Cが前方に向けて立設されている。この爪状部172Cは、一時保留搬送部130側の爪状部132Cと互いに噛み合うように、その位置や左右方向の長さ等が最適化されている。
【0138】
外側領域171Tの上面は、下搬送ガイド131の外側領域131Tと同様、左右方向に薄く前後方向に長い板状のリブ171TRが、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。また外側領域171Tの前端部分には、複数の爪状部172Tが前方に向けて立設されている。この爪状部172Tは、一時保留搬送部130側の爪状部132Tと互いに噛み合うように、その位置や左右方向の長さ等が最適化されている。
【0139】
このため受渡搬送部170の下搬送ガイド171は、下搬送ガイド71(
図13)と同様、一時保留搬送部130の下搬送ガイド131との間で、爪状部132C及び132Tと爪状部172C及び172Tとを互いに噛み合わせることにより、搬送空間W(
図12)の下面側に、切れ目や段差を形成すること無く見かけ上連続した案内面を形成することができる。
【0140】
また下搬送ガイド171の爪状部172C及び172Tは、第3の実施の形態と同様、左右方向に隣接する下搬送ガイド131の爪状部132C及び132Tとの距離d3を、第2の実施の形態におけるリブ131TR及び141TRの間隔d1と同様の約2[mm]とするように設計されている。
【0141】
一方、上搬送部170Uは、上搬送部130Uと対応した構成となっており、搬送空間W(
図12)の上面を形成する板状の上搬送ガイド181を中心に構成されている。上搬送ガイド181は、
図9と対応する
図16に下面図を示すように、上搬送ガイド141と同様に、左右方向に3つの領域に区分され、一時保留搬送部130側の中央領域141C及び2つの外側領域141Tとそれぞれ対応する中央領域181C及び2つの外側領域181Tにより構成されている。
【0142】
中央領域181Cの下面には、上搬送ガイド141の中央領域141Cと同様、左右方向に薄く前後方向に長い板状のリブ181CRが、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。また中央領域181Cの前端部分には、複数の爪状部182Cが前方に向けて立設されている。この爪状部182Cは、一時保留搬送部130側の爪状部142Cと互いに噛み合うように、その位置や左右方向の長さ等が最適化されている。
【0143】
外側領域181Tの上面は、上搬送ガイド141の外側領域141Tと同様、左右方向に薄く前後方向に長い板状のリブ181TRが、左右方向に所定間隔を空けるように離散的に立設されている。また外側領域181Tの前端部分には、複数の爪状部182Tが前方に向けて立設されている。この爪状部182Tは、一時保留搬送部130側の爪状部142Tと互いに噛み合うように、その位置や左右方向の長さ等が最適化されている。
【0144】
このため受渡搬送部170の上搬送ガイド181は、下搬送ガイド171と同様、一時保留搬送部130の上搬送ガイド141との間で、爪状部142C及び142Tと爪状部182C及び182Tとを互いに噛み合わせることにより、搬送空間W(
図12)の上面側に、切れ目や段差を形成すること無く見かけ上連続した案内面を形成することができる。
【0145】
また上搬送ガイド181の爪状部182C及び182Tは、左右方向に隣接する上搬送ガイド141の爪状部142C及び142Tとの距離d3を、下搬送ガイド171の爪状部172C及び172Tと同様に、約2[mm]とするように設計されている。
【0146】
以上の構成において、第4の実施の形態による紙幣入出金機310は、一時保留部16(
図2)の受渡搬送部170において紙幣BLを案内する下搬送ガイド171及び上搬送ガイド181を、一時保留搬送部130の下搬送ガイド131及び上搬送ガイド141と同様、中央領域171C及び181Cと外側領域171T及び181Tとに分けた(
図15、
図16)。
【0147】
中央領域171Cの上面及び中央領域181Cの下面には、搬送方向に沿ったリブ171CR及び181CRを立設した。また外側領域171Tの上面及び外側領域181Tの下面は、搬送方向に沿ったリブ171TR及び181TRを、間隔d1ごとに立設した。
【0148】
これにより受渡搬送部170は、一時保留搬送部130と同様、外側領域171T及び181Tと紙幣BLとの接触面積を削減することができるので、当該紙幣BLと接触した場合に発生する摩擦力の低減を図ることができる。このため受渡搬送部170は、第3の実施の形態による受渡搬送部70と比較して、搬送中の紙幣BLに作用する摩擦力を低減させることができ、紙幣BLをより円滑に搬送することができる。
【0149】
さらに受渡搬送部170は、一時保留搬送部130と同様、リブ171TR及び181TRにおける左右方向の間隔である距離d1を約2[mm]のように極めて狭くした。これにより受渡搬送部170では、
図11に示した場合と同様に、重力の作用等により当該紙幣BLにおける左右方向の端部が垂れ下がってリブ171TRの隙間に入り込む可能性を極めて小さく抑えることができる。
【0150】
さらに一時保留搬送部130は、その他の点においても、第2の実施の形態における一時保留搬送部130と同様の作用効果を奏し得る。また受渡搬送部170は、その他の点においても、第3の実施の形態における受渡搬送部70と同様の作用効果を奏し得る。
【0151】
以上の構成によれば、第4の実施の形態による紙幣入出金機310は、受渡搬送部170の下搬送ガイド171及び上搬送ガイド181について、外側領域171Tの案内面171TS及び外側領域181Tの案内面181TSに、それぞれリブ171TR及び181TRを距離d1ごとに立設した。これにより紙幣入出金機210は、一時保留搬送部130の外側領域131T及び141T並びに受渡搬送部170の外側領域171T及び181Tにおいて、紙幣BLがその左右方向の端面をリブ131TR及び141TR並びに171TR及び181TRの側面に接触させる可能性を抑えながら、案内面131TS及び141TS並びに171TS及び181TSにおける接触面積を削減することができる。この結果紙幣入出金機210は、紙幣BLと接触した場合に発生する摩擦力の低減を図ると共に側面との摩擦により摩耗する可能性を極めて低く抑えることができ、当該紙幣BLを安定的に且つ円滑に搬送することができる。
【0152】
[5.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、下搬送ガイド31の外側領域31Tにおける上面(すなわち案内面31TS)と、且つ上搬送ガイド41の外側領域31Tにおける下面(すなわち案内面41TS)とを、左右方向に大きな起伏が形成されていない形状とする場合について述べた。
【0153】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下搬送ガイド31の外側領域31Tにおける上面を左右方向に大きな起伏が形成されていない形状とする一方、上搬送ガイド41の外側領域31Tにおける下面に、第2の実施の形態における上搬送ガイド141のリブ141TRと同様のリブを立設する等、搬送空間Wの上下で種々の組み合わせとしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0154】
また上述した第1の実施の形態においては、下搬送ガイド31の外側領域31Tにおける上面について、搬送方向である前後方向に関して一様に、左右方向に大きな起伏が形成されていない形状とする場合について述べた。
【0155】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば外側領域31Tの上面について、前後方向に関して一部分の範囲のみを左右方向に大きな起伏が形成されていない形状とし、その残りの範囲に第2の実施の形態における上搬送ガイド141のリブ141TRと同様のリブを立設するようにしても良い。上搬送ガイド41についても同様であり、また第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0156】
さらに上述した第2の実施の形態においては、
図8に示したように、下搬送ガイド131の外側領域131Tに形成するリブ131TRの断面形状を、長方形状とした場合について述べた。
【0157】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば三角形状や半円状、或いは台形状や正弦曲線状等、種々の断面形状としても良い。またリブ131TRの断面形状については、搬送方向である前後方向に関し、一様で無くとも良く、例えば前後方向へ進むに連れて断面形状が徐々に又は段階的に変化するようにしても良い。上搬送ガイド141の外側領域131Tに形成するリブ141TRについても同様であり、また第1〜第4の実施の形態において中央領域31C等に形成するリブ31CR(
図5)等についても同様である。
【0158】
さらに上述した第2の実施の形態においては、下搬送ガイド131の外側領域131Tに立設するリブ131TR及び上搬送ガイド141の外側領域141Tに立設するリブ141TRにおける左右方向の間隔である距離d1を、それぞれ約2[mm]とした場合について述べた(
図11)。
【0159】
しかしながら本発明はこれに限らず、距離d1を約1.5[mm]や約2.2[mm]等の種々の値としても良い。また下搬送ガイド131側と上搬送ガイド141側とで距離d1を相違させても良い。これらの場合、距離d1が狭いほど、紙幣BLの左右方向の端部が垂れ下がる危険性を低減できるものの、射出成型等における製造上の困難性やこれに伴うコストも高まる。このため距離d1については、紙幣BLの剛性等の性質、及び下搬送ガイド131等を構成する材料の性質や製造方法とコスト等との兼ね合い等を考慮して、適切に定めることが望ましい。第4の実施の形態についても同様である。
【0160】
さらに上述した第3の実施の形態においては、下搬送ガイド71の前端に設けた爪状部72C及び72Tについて、左右方向に隣接する下搬送ガイド31の爪状部32C及び32Tとの距離d3を、距離d1と同一の約2[mm]とした場合について述べた(
図13)。
【0161】
しかしながら本発明はこれに限らず、距離d1と同様、距離d3についても、約1.8[mm]や約2.5[mm]等の種々の値としても良い。また距離d3を距離d1と同一の値としても良く、或いは異なる値としても良い。特に距離d3の場合、下搬送ガイド31及び下搬送ガイド71が互いに異なる部品として成型されるため、製造上の困難性については考慮する必要性が低く、むしろ組立精度等を考慮して適切に定めることが望ましい。上搬送ガイド81についても同様であり、また第4の実施の形態についても同様である。
【0162】
さらに上述した第3の実施の形態においては、下搬送ガイド31及び上搬送ガイド41の後端部分並びに下搬送ガイド71及び上搬送ガイド81の前端部分に、それぞれ爪状部を立設して互いに噛み合わせるようにした場合について述べた。
【0163】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙幣BLの搬送方向が後方向のみである場合に、下搬送ガイド31側の後端が下搬送ガイド71の前端に乗り上げる形状とする等、それぞれを種々の形状として紙幣BLを受け渡すようにしても良い。第4の実施の形態についても同様である。
【0164】
さらに上述した第1の実施の形態においては、下搬送ガイド31の中央領域31C内で左右に配置された2本の搬送ベルト37により、紙幣BLに対し搬送方向である前後方向へ駆動力を伝達する場合について述べた。
【0165】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下搬送ガイド31の中央領域31C内に左右方向に1本又は3本以上の搬送ベルト37を設けても良い。また、中央領域31C内のみに限らず、外側領域31Tにも搬送ベルト37を設けても良い。これらの場合、搬送ベルト37を少なくとも中央領域31Cにおける外側領域31Tとの境界付近に1本ずつ配置すれば、現金自動預払機1において取り扱う様々な大きさの紙幣BLが搬送空間W内のいずれの位置に偏っていたとしても、当該紙幣BLに駆動力を伝達することができる。さらには、搬送ベルト37に代えて、複数のローラ等により紙幣BLに駆動力を伝達するようにしても良い。上搬送ガイド41についても同様であり、また第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0166】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0167】
さらに上述した第1の実施の形態においては、本発明を搬送R部15の一時保留搬送部30(
図2)に適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば搬送R部15内において紙幣BLを入出金部12や認識部14等との間で搬送する部分や、搬送F部13及び搬送M部17内で紙幣BLを搬送する各部分に適用しても良い。第2の実施の形態についても同様である。また第3及び第4の実施の形態において示した本発明については、例えば搬送F部13と認識部14との間で紙幣BLを受け渡す部分のように、紙幣BLの搬送及び受渡を行う各部分に適用しても良い。
【0168】
さらに上述した第1の実施の形態においては、顧客との間で現金に関する取引処理を行う現金自動預払機1の紙幣入出金機10において、媒体としての紙幣BLを搬送する搬送R部15の一時保留搬送部30に本発明を適用した場合について述べた。しかしながらこれに限らず、例えば種々の金券や証券、或いは入場券や整理券等のような種々の紙葉状の媒体を取り扱う装置において、当該媒体を搬送する種々の箇所に本発明を適用するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
【0169】
さらに上述した第1の実施の形態においては、搬送ガイドとしての下搬送ガイド31と、外側領域としての外側領域31Tとによって媒体搬送装置としての一時保留搬送部30を構成する場合について述べた。
【0170】
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる搬送ガイドと、外側領域とによって媒体搬送装置を構成するようにしても良い。
【0171】
さらに上述した第3の実施の形態においては、第1搬送部としての一時保留搬送部30と第2搬送部としての受渡搬送部70とを有する媒体取引装置としての現金自動預払機201において、第1搬送ガイドとしての下搬送ガイド31と、第1外側領域としての外側領域31Tとによって第1搬送部を構成し、第2搬送ガイドとしての下搬送ガイド71と、第2外側領域としての外側領域71Tとによって第2搬送部を構成する場合について述べた。
【0172】
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる第1搬送部と第2搬送部とを有する媒体取引装置において、第1搬送ガイドと、第1外側領域とによって第1搬送部を構成し、第2搬送ガイドと、第2外側領域とによって第2搬送部を構成するようにしても良い。