(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
吸入室、吐出室、斜板室及びシリンダボアが形成されたハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転によって前記斜板室内で回転可能な斜板と、前記駆動軸と前記斜板との間に設けられ、前記駆動軸の回転軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、前記シリンダボアに往復動可能に収納されたピストンと、前記斜板の回転により、前記傾斜角度に応じたストロークで前記ピストンを前記シリンダボア内で往復動させる変換機構と、前記傾斜角度を変更可能なアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御機構とを備え、
前記アクチュエータは、前記斜板室内で前記駆動軸に固定されて前記斜板と対向するラグ部材と、前記ラグ部材と前記斜板との間に配置された可動体とを有し、
前記ラグ部材には、前記駆動軸が挿入される挿入孔と、前記挿入孔を囲うように前記斜板側から凹設されたシリンダ室とが形成され、
前記可動体は、前記シリンダ室内を前記回転軸心方向に移動可能であり、
前記シリンダ室と前記可動体との間には、内部の圧力によって前記可動体を移動させる制御圧室が形成され、
前記斜板には、前記回転軸心を挟んで前記リンク機構が配置される側とは反対側となる位置にバランスウェイトが設けられ、
前記シリンダ室は、前記傾斜角度が大きくなるのに伴い、前記可動体が前記制御圧室の容積を縮小する方向に移動することにより、前記斜板に向かって開放する収容空間を形成し、
前記バランスウェイトは、前記傾斜角度が最大である時、前記収容空間に進入することを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。実施例1〜4の圧縮機は容量可変型片頭斜板式圧縮機である。これらの圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
【0025】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13と、
図2に示す制御機構15とを備えている。なお、
図1では説明を容易にするため、斜板5等の形状を一部簡略化して図示している。後述する
図5、6、9、10についても同様である。
【0026】
図1に示すように、ハウジング1は、圧縮機の前方に位置するフロントハウジング17と、圧縮機の後方に位置するリヤハウジング19と、フロントハウジング17とリヤハウジング19との間に位置するシリンダブロック21と、バルブユニット23とを有している。
【0027】
フロントハウジング17は、前方で圧縮機の上下方向に延びる前壁17aと、前壁17aと一体化され、圧縮機の前方から後方に向かって延びる周壁17bとを有している。これらの前壁17aと周壁17bとにより、フロントハウジング17は有底の略円筒形状をなしている。また、これらの前壁17aと周壁17bとにより、フロントハウジング17内には斜板室25が形成されている。
【0028】
前壁17aには、前方に向かって突出するボス17cが形成されている。このボス17c内には、軸封装置27が設けられている。また、ボス17c内には、圧縮機の前後方向に延びる第1軸孔17dが形成されている。この第1軸孔17d内には第1滑り軸受29aが設けられている。
【0029】
周壁17bには、斜板室25と連通する吸入口250が形成されている。この吸入口250を通じて、斜板室25は図示しない蒸発器と接続されている。
【0030】
リヤハウジング19には、制御機構15の一部が設けられている。また、リヤハウジング19には、第1圧力調整室31aと、吸入室33と、吐出室35とが形成されている。第1圧力調整室31aは、リヤハウジング19の中心部分に位置している。吐出室35はリヤハウジング19の外周側に環状に位置している。また、吸入室33は、リヤハウジング19において、第1圧力調整室31aと吐出室35との間で環状に形成されている。吐出室35は図示しない吐出口と接続している。
【0031】
シリンダブロック21には、ピストン9と同数個のシリンダボア21aが周方向に等角度間隔で形成されている。各シリンダボア21aの前端側は斜板室25と連通している。また、シリンダブロック21には、後述する吸入リード弁41aの最大開度を規制するリテーナ溝21bが形成されている。
【0032】
さらに、シリンダブロック21には、斜板室25と連通しつつ、圧縮機の前後方向に延びる第2軸孔21cが貫設されている。第2軸孔21c内には第2滑り軸受29bが設けられている。また、シリンダブロック21には、ばね室21dが形成されている。このばね室21dは、斜板室25と第2軸孔21cとの間に位置している。ばね室21d内には、復帰ばね37が配置されている。この復帰ばね37は、傾斜角度が最小になった斜板5を斜板室25の前方に向けて付勢する。また、シリンダブロック21には、斜板室25と連通する吸入通路39が形成されている。
【0033】
バルブユニット23は、リヤハウジング19とシリンダブロック21との間に設けられている。このバルブユニット23は、バルブプレート40と、吸入弁プレート41と、吐出弁プレート43と、リテーナプレート45とからなる。
【0034】
バルブプレート40、吐出弁プレート43及びリテーナプレート45には、シリンダボア21aと同数の吸入ポート40aが形成されている。また、バルブプレート40及び吸入弁プレート41には、シリンダボア21aと同数の吐出ポート40bが形成されている。各シリンダボア21aは、各吸入ポート40aを通じて吸入室33と連通しているとともに、各吐出ポート40bを通じて吐出室35と連通している。さらに、バルブプレート40、吸入弁プレート41、吐出弁プレート43及びリテーナプレート45には、第1連通孔40cと第2連通孔40dとが形成されている。第1連通孔40cにより、吸入室33と吸入通路39とが連通している。
【0035】
吸入弁プレート41は、バルブプレート40の前面に設けられている。この吸入弁プレート41には、弾性変形により各吸入ポート40aを開閉可能な吸入リード弁41aが複数形成されている。また、吐出弁プレート43は、バルブプレート40の後面に設けられている。この吐出弁プレート43には、弾性変形により各吐出ポート40bを開閉可能な吐出リード弁43aが複数形成されている。リテーナプレート45は、吐出弁プレート43の後面に設けられている。このリテーナプレート45は、吐出リード弁43aの最大開度を規制する。
【0036】
駆動軸3は、ボス17c側からハウジング1の後方側に向かって挿通されている。駆動軸3は、ボス17c内において軸封装置27に挿通されており、前端側が第1軸孔17d内において第1滑り軸受29aによって軸支されている。また、駆動軸3の後端側が第2軸孔21c内において第2滑り軸受29bによって軸支されている。こうして、駆動軸3は、ハウジング1に対して回転軸心O周りで回転可能に支持されている。そして、第2軸孔21c内には、駆動軸3の後端との間に第2圧力調整室31bが区画されている。この第2圧力調整室31bは、第2連通孔40dを通じて第1圧力調整室31aと連通している。これらの第1、2圧力調整室31a、31bにより、圧力調整室31が形成されている。
【0037】
また、駆動軸3の後端には、Oリング49a、49bが設けられている。圧力調整室31は、各Oリング49a、49bによって封止されており、斜板室25と圧力調整室31とが非連通となっている。
【0038】
駆動軸3には、リンク機構7と、斜板5と、アクチュエータ13とが取り付けられている。
図3に示すように、リンク機構7は、ラグプレート51と、ラグプレート51に形成された第1、2駆動アーム53a、53bと、斜板5に形成された第1、2斜板アーム5e、5fとからなる。ラグプレート51が本発明におけるラグ部材に相当している。なお、リンク機構7として他の構成を採用することもできる。
【0039】
図1に示すように、ラグプレート51には、中心に挿通孔510が貫設されており、全体として略円環状を呈している。また、挿通孔510には、駆動軸3が圧入によって挿通されており、ラグプレート51は駆動軸3と一体で回転可能となっている。このラグプレート51は、斜板室25内の前端側に位置しており、斜板5と対面した状態で斜板5よりも前方に配置されている。また、ラグプレート51と前壁17aとの間には、スラスト軸受55が設けられている。
【0040】
シリンダ室51aは、ラグプレート51において斜板5側となるラグプレート51の後端面から、挿通孔510を囲うように凹設されており、ラグプレート51内においてスラスト軸受55の内側となる箇所まで延びている。このシリンダ室51aは、挿通孔510と同心に形成されており、ラグプレート51の中心に位置している。
【0041】
図3に示すように、第1、2駆動アーム53a、53bは、ラグプレート51から後方に向かってそれぞれ延びている。これらの第1駆動アーム53aと第2駆動アーム53bとは、斜板5の上死点位置Tと回転軸心Oとで形成される上死点面Xを跨いでラグプレート51にそれぞれ形成されている。
【0042】
また、ラグプレート51には、第1、2駆動アーム53a、53bの間となる位置に第1、2案内面54a、54bが形成されている。第1、2案内面54a、54bは、それぞれラグプレート51の径方向の外周側からシリンダ室
51a側、すなわち、径方向の外周側から中心側に向かって延びる略矩形状をなしている。これらの第1案内面54aと第2案内面54bとについても、上死点面Xを跨いでそれぞれ形成されている。これにより、第1案内面54aは第1駆動アーム53a側に形成されており、第2案内面54bは第2駆動アーム53b側に形成されている。
図1に示すように、これらの各第1、2案内面54a、54bは、外周側から中心側に向かうに連れて、前方から後方へ傾斜するように形成されている。さらに、
図3に示すように、ラグプレート51には、第1案内面54aと第2案内面54bとの間で、後方に向かって突出する凸面51bが形成されている。
【0043】
図4に示すように、斜板5は、環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aには、斜板5の前方に向かって突出するバランスウェイト5cが形成されている。このバランスウェイト5cは、斜板5の回転時の慣性力を調整する。また、斜板5の中心には、挿通孔5dが形成されている。この挿通孔5dに駆動軸3が挿通されている。
【0044】
バランスウェイト5cは、斜板5の前後方向に直交する方向の断面が略半円状をなす形状となっている。このバランスウェイト5cは、挿通孔5dの近傍において、回転軸心Oを挟んで斜板5の上死点位置Tの反対側となる位置に設けられている。これにより、
図1に示すように、バランスウェイト5cは、挿通孔5dに駆動軸3が挿通された際、駆動軸3の近傍で、かつ、回転軸心Oを挟んでリンク機構7が配置された側とは反対側に位置する。
【0045】
また、
図4に示すように、バランスウェイト5cの前端面には、斜板5傾斜角度が最大である時にラグプレート51に当接する規制面50aが形成されている。また、このバランスウェイト5cでは、規制面50aよりも内周側となる部分が規制面50aよりも前方に突出している。このバランスウェイト5cでは、内周側において規制面50aよりも前方に突出している部分が後述する収容空間51cに進入する進入部50bとされている。一方、上記のように、規制面50aはラグプレート51に当接することから収容空間51cに進入しない。これにより、この規制面50aが本発明における非進入部に相当する。
【0046】
図3に示すように、第1、2斜板アーム5e、5fは、前面5aに形成されている。これらの第1、2斜板アーム5e、5fは、それぞれ前面5aから前方に向かって延びている。これらの第1斜板アーム5eと第1斜板アーム5fとについても、上死点面Xを跨いで前面5aにそれぞれ形成されている。なお、
図3では、説明を容易にするため、バランスウェイト5cや後述する凸部5g等の図示を省略している。
【0047】
図4に示すように、第1、2斜板アーム5e、5fは、それぞれ回転軸心Oを挟んで斜板5の上死点位置T側となる位置に設けられており、回転軸心Oを挟んでバランスウェイト5cと対向している。
【0048】
また、斜板5には、凸部5gが前面5aに対して突設されている。この凸部5gは、第1斜板アーム5eと第2斜板アーム5fとの間に位置している。凸部5gは略半球状に形成されている。
【0049】
この圧縮機では、
図3に示すように、第1、2斜板アーム5e、5fを第1、2駆動アーム53a、53bの間に挿入しつつ、駆動軸3に斜板5を組み付けている。この際、凸面51bが第1斜板アーム5eと第2斜板アーム5fとの間に位置する。これにより、第1、2駆動アーム53a、53bの間に第1、2斜板アーム5e、5fが位置した状態で、ラグプレート51と斜板5とが連結している。そして、第1、2駆動アーム53a、53bから第1、2斜板アーム5e、5fへ駆動軸3の回転が伝達されることにより、斜板5は、ラグプレート51と共に斜板室25内で回転可能となっている。
【0050】
また、このように、第1、2駆動アーム53a、53bの間に第1、2斜板アーム5e、5fが位置することにより、第1斜板アーム5eでは、先端が第1案内面54aに当接するとともに、第2斜板アーム5fでは、先端が第2案内面54bに当接する。そして、これらの第1、2斜板アーム5e、5fがそれぞれ第1、2案内面54a、54b上を摺動する。これにより、斜板5は、回転軸心Oに直交する方向に対する自身の傾斜角度について、上死点位置Tをほぼ維持しつつ、
図1に示す最大傾斜角度から、
図5に示す最小傾斜角度まで変更することが可能となっている。
【0051】
図1に示すように、アクチュエータ13は、ラグプレート51と、可動体13aと、制御圧室13bとからなる。
【0052】
可動体13aは駆動軸3に挿通されており、駆動軸3に摺接しつつ回転軸心O方向に移動可能となっている。この可動体13aは駆動軸3と同軸の円筒状をなしている。具体的には、可動体13aは、スラスト軸受55よりも小径に形成されており、第1円筒部131と、第2円筒部132と、連結部133とを有している。第1円筒部131は、可動体13aの後方側、つまり、可動体13aにおいて斜板5側となる位置に配置されており、可動体13aの前後方向に延びている。この第1円筒部131は、可動体13aで最も小径に形成されている。第2円筒部132は、可動体13aの前方側に配置されており、可動体13aの前後方向に延びている。この第2円筒部132は、第1円筒部131よりも大径となるように形成されており、可動体13aで最も大径となっている。連結部133は、後方側から前方側に向かって次第に径が拡大するように形成されており、第1円筒部131と第2円筒部132とを連結している。
【0053】
また、この圧縮機では、連結部133の形状に沿うように、バランスウェイト5cが形成されている。つまり、バランスウェイト5cの前端側は、自身の後方側から前方側に向かって拡径するように形成されている。
【0054】
第1円筒部131の後端には作用部134が一体で形成されている。この作用部134は、回転軸心O側から斜板5の上死点位置T側に向かって垂直に延びており、凸部5gと点接触する。これにより、可動体13aは、ラグプレート51及び斜板5と一体回転可能となっている。
【0055】
可動体13aは、シリンダ室51a内を回転軸心O方向に摺動可能となっている。この際、可動体13aは、自身の前端側をシリンダ室51a内に進入させことにより、ラグプレート51に嵌合することが可能となっている。そして、可動体13aがシリンダ室51a内に最も進入した状態では、第2円筒部132がシリンダ室51a内において、スラスト軸受55の内側となる箇所まで至る。
【0056】
制御圧室13bは、可動体13aによってシリンダ室51a内が区画されることによって、形成されている。具体的には、制御圧室13bは、シリンダ室51a内において、第2円筒部132と、連結部133と、駆動軸3との間に形成されている。また、このシリンダ室51a内において、制御圧室13b以外は、収容空間51cとされている。この収容空間51cは斜板室25に開いている。そして、可動体13aがシリンダ室51a内を回転軸心O方向に移動することにより、シリンダ室51a内における制御圧室13bの容積と収容空間51cの容積との割合が変化する。なお、制御圧室13bは、第1円筒部131の内周側と第2円筒部132の外周側とにそれぞれ設けられたOリング49c、49dによって封止されており、収容空間51cや斜板室25と非連通となっている。
【0057】
駆動軸3内には、駆動軸3の後端から前端に向かって回転軸心O方向に延びる軸路3aと、軸路3aの前端から径方向に延びて駆動軸3の外周面に開く径路3bとが形成されている。軸路3aの後端は圧力調整室31に開いている。一方、径路3bは、制御圧室13bに開いている。これらの軸路3a及び径路3bにより、圧力調整室31と制御圧室13bとが連通している。
【0058】
また、駆動軸3は、先端に形成されたねじ部3eによって、図示しないプーリ又は電磁クラッチと接続される。
【0059】
各ピストン9は、各シリンダボア21a内にそれぞれ収納されており、各シリンダボア21a内を往復動可能となっている。これらの各ピストン9とバルブユニット23とによって各シリンダボア21a内には圧縮室57が区画されている。
【0060】
また、各ピストン9には、係合部9aがそれぞれ凹設されている。この係合部9a内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。各シュー11a、11bは、斜板5の回転を各ピストン9の往復動に変換している。これらの各シュー11a、11bが本発明における変換機構に相当する。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、各ピストン9がそれぞれシリンダボア21a内を往復動することが可能となっている。
【0061】
図2に示すように、制御機構15は、低圧通路15aと高圧通路15bと制御弁15cとオリフィス15dと、軸路3aと、径路3bとを有している。これらの低圧通路15a、高圧通路15b、軸路3a及び径路3bによって、本発明における制御通路が形成されている。また、軸路3a及び径路3bは変圧通路として機能する。
【0062】
低圧通路15aは、圧力調整室31と吸入室33とに接続されている。これにより、この低圧通路15aと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13bと圧力調整室31と吸入室33とは、互いに連通した状態となっている。高圧通路15bは、圧力調整室31と吐出室35とに接続されている。この高圧通路15bと軸路3aと径路3bとによって、制御圧室13bと圧力調整室31と吐出室35とが連通している。また、高圧通路15bには、オリフィス15dが設けられている。
【0063】
制御弁15cは低圧通路15aに設けられている。この制御弁15cは、吸入室33内の圧力に基づき、低圧通路15aの開度を調整することが可能となっている。
【0064】
この圧縮機では、
図1に示す吸入口250に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出口に対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
【0065】
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転し、各ピストン9が各シリンダボア21a内を往復動する。このため、圧縮室57がピストンストロークに応じて容積を変化させる。このため、蒸発器から吸入口250によって斜板室25に吸入された冷媒は、吸入通路39から吸入室33を経て圧縮室57内で圧縮される。そして、圧縮室57内で圧縮された冷媒は、吐出室35に吐出され、吐出口から凝縮器に吐出される。また、バランスウェイト5cにより、斜板5の回転時の慣性力が調整される。
【0066】
この間、この圧縮機では、斜板5やラグプレート51等に対して斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度を変更してピストン9のストロークを増減させることにより、容量制御を行うことが可能である。
【0067】
具体的には、制御機構15において、
図2に示す制御弁15cが低圧通路15aの開度を大きくすれば、圧力調整室31内の圧力、ひいては制御圧室13c内の圧力が吸入室33内の圧力とほぼ等しくなる。このため、斜板5に作用するピストン圧縮力によって、
図1に示すように、アクチュエータ13では、制御圧室13bの容積が減少し、可動体13aが回転軸心O方向で斜板5側からラグプレート51側に向かってシリンダ室51a内を摺動する。一方、シリンダ室51a内において収容空間51cの容積は増大する。
【0068】
また同時に、この圧縮機では、斜板5は自身に作用するピストン圧縮力及び復帰ばね37の付勢力により、第1斜板アーム5eが回転軸心Oから遠隔するように、第1摺動面54aを中心側から外周側に向かって摺動する。同様に、第2斜板アーム5fも第2摺動面54bを中心側から外周側に向かって摺動する。
【0069】
このため、斜板5では、上死点位置Tをほぼ維持しつつ、下死点側が時計回り方向に揺動する。こうして、この圧縮機では、駆動軸3の回転軸心Oに
直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が増大する。これにより、この圧縮機では、ピストン9のストロークが増大し、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が大きくなる。なお、
図1に示す斜板5の傾斜角度がこの圧縮機における最大傾斜角度である。
【0070】
そして、この圧縮機では、斜板5が最大傾斜角度にある際、バランスウェイト5cでは、規制面50aがシリンダ室51aよりも外周側でラグプレート51の後端と当接する。また、バランスウェイト5cでは、進入部50bが収容空間51c内に進入する。ここで、進入部50bが収容空間51c内に進入した際、進入部50bは可動体13aと当接しない。また、規制面50a及び進入部50bを除いたバランスウェイト5cの他の部分についても、可動体13aと当接することはない。
【0071】
一方、
図2に示す制御弁15cが低圧通路15aの開度を小さくすれば、圧力調整室31の圧力が大きくなり、制御圧室13c内の圧力が大きくなる。このため、
図5に示すように、アクチュエータ13では制御圧室13bの容積が増大し、可動体13aがラグプレート51から遠隔しつつ、斜板5側に向かって回転軸心O方向にシリンダ室51a内を摺動する。一方、収容空間51cの容積は減少する。
【0072】
これにより、この圧縮機では、作用部134が凸部5gを斜板室25の後方に向かって押圧する。このため、第1斜板アーム5eが回転軸心Oに近接するように、第1摺動面54aを外周側から中心側に向かって摺動する。同様に、第2斜板アーム5fも第2摺動面54bを外周側から中心側に向かって摺動する。
【0073】
このため、斜板5では、上死点位置Tをほぼ維持しつつ下死点側が反時計回り方向に揺動する。こうして、この圧縮機では、駆動軸3の回転軸心Oに
直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が減少する。これにより、この圧縮機では、ピストン9のストロークが減少し、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。また、傾斜角度が減少することにより、斜板5は復帰ばね37に当接する。なお、
図5に示す斜板5の傾斜角度がこの圧縮機における最小傾斜角度である。また、最小傾斜角度にあるとき、シリンダ室51aにおける収容空間
51cの割合はゼロとなる。
【0074】
そして、この圧縮機では、斜板5が最大傾斜角度未満となることにより、バランスウェイト5cでは、規制面50aとラグプレート51とが当接しなくなる。また、進入部50bがシリンダ室51a内から脱出する。
【0075】
このように、この圧縮機では、バランスウェイト5cにより、斜板5の回転時の慣性力が調整されるため、傾斜角度に応じて斜板5が好適に回転する。そして、この圧縮機では、傾斜角度が最大である時、バランスウェイト5cの進入部50bが収容空間51c内に進入する。ここで、この圧縮機では、バランスウェイト5cの前端が可動体13aの連結部133に沿った形状に形成されていることから、進入部50bを可動体13aに当接させることなく、収容空間51c内に深く侵入させることが可能となっている。こうして、この圧縮機では、進入部50bが収容空間51c内に進入する分だけ、軸長が短くなっている。
【0076】
また、この圧縮機では、傾斜角度が最大である時、規制面50aがラグプレート51に当接する。これにより、この圧縮機では、バランスウェイト5cによって斜板5の傾斜角度の最大値を容易に規制することが可能となっている。そして、この圧縮機では、規制面50aとラグプレート51との当接箇所と、作用部134と凸部5gとの当接箇所と、第1斜板アーム5eと第1案内面54aとの当接箇所と、第2斜板アーム5fと第2案内面54bとの当接箇所とを通じて、ラグプレート51は傾斜角度が最大である状態の斜板5を好適に支持することが可能となっている。
【0077】
さらに、この圧縮機では、進入部50bを収容空間51cに進入可能とするため、バランスウェイト5cを大きくして、バランスウェイト5cの重量を好適に確保できるばかりでなく、収容空間51c、ひいては、シリンダ室51aが進入部50bを収納し得る十分な大きさでラグプレート51に形成される。このため、この圧縮機では、制御圧室13bを大径化することができ、可動体13aを好適に移動させるための制御圧室13bの圧力を小さくすることができる。
【0078】
したがって、実施例1の圧縮機では、小型化を実現するとともに、高い制御性を発揮可能である。
【0079】
(実施例2)
図6に示すように、実施例2の圧縮機は、実施例1の圧縮機におけるラグプレート51及び可動体13aに換えて、ラグプレート52及び可動体13cが採用されている。このラグプレート52も本発明におけるラグ部材に相当する。
【0080】
ラグプレート52は駆動軸3に圧入されており、駆動軸3と一体で回転可能となっている。このラグプレート52には、円筒状のシリンダ室52aが凹設されている他、ラグプレート51と同様に、挿通孔510、第1、2駆動アーム53a、53b及び第1、2摺動面54a、54bが形成されている。この圧縮機では、リンク機構7がラグプレート52の他、第1、2駆動アーム53a、53b及び第1、2斜板アーム5e、5fによって形成されている。ここで、ラグプレート52では、ラグプレート51と比較して、第1、2駆動アーム53a、53b及び第1、2摺動面54a、54bが、それぞれ小型に形成されている。
【0081】
シリンダ室52aは、挿通孔510を囲うように凹設されており、ラグプレート52の後端面から前端面に向かって延びている。このシリンダ室52aは、実施例1の圧縮機におけるシリンダ室51aと比較して、より大径に形成されている。また、このシリンダ室52aは段状に形成されており、後端側に比べて前端側は小径となっている。このシリンダ室52aは、ラグプレート52と同心に形成されており、ラグプレート52の中心に位置している。
【0082】
また、この圧縮機では、
図7に示すように、斜板5に対し、バランスウェイト5cに換えてバランスウェイト5hが形成されている。このバランスウェイト5hも前面5aから斜板5の前方に向かって突出している。バランスウェイト5hは、斜板5の前後方向に直交する方向の断面が略半円状をなす形状であり、挿通孔5dの近傍において、回転軸心Oを挟んで第1、2斜板アーム5e、5fの反対側となる位置に設けられている。これにより、
図6に示すように、バランスウェイト5hも、挿通孔5dに駆動軸3が挿通された際、駆動軸3の近傍で、かつ、回転軸心Oを挟んでリンク機構7が配置された側とは反対側に位置する。
【0083】
図7に示すように、バランスウェイト5hの根元側、つまり、バランスウェイト5hにおいて前面5aに近い側には、径外方向に突出する一対の規制面50cが形成されている。各規制面50cは、傾斜角度が最大である時にラグプレート52に当接するようになっている。これらの各規制面50cも本発明における非進入部に相当する。また、このバランスウェイト5hにおいて、各規制面50cよりも先端側は進入部50dとされている。
【0084】
図6に示すように、この圧縮機では、アクチュエータ13は、ラグプレート52と、可動体13cと、制御圧室13bとで形成されている。可動体13cは、実施例1の圧縮機の可動体13aと同様、駆動軸3に挿通されており、駆動軸3に摺接しつつ回転軸心O方向に移動可能となっている。また、可動体13cも駆動軸3と同軸の円筒状をなしており、第1、2円筒部131、132と、連結部132とを有している。この可動体13cもスラスト軸受55よりも小径に形成されている。
【0085】
ここで、シリンダ室52aの大径化に伴い、この可動体13cでは、可動体13aと比較して、第2円筒部132がより大径となるように形成されている。これにより、この可動体13cは、可動体13aよりも全体として大径となっている。一方、この可動体13cは、可動体13aと比較して、第2円筒部132が前後方向に短く形成されている。また、第1円筒部131の内周側と第2円筒部132の外周側とにも、それぞれOリング49c、49dが設けられている。
【0086】
この圧縮機においても、連結部133の形状に沿うように、バランスウェイト5hの前端側が自身の後方側から前方側に向かって拡径するように形成されている。
【0087】
また、可動体13cにおいても第1円筒部131の後端に作用部134が一体で形成されている。可動体13cはシリンダ室52a内を回転軸心O方向に摺動可能である。可動体13cは、第2円筒部132をシリンダ室52a内に進入させことにより、ラグプレート52に嵌合することが可能となっている。
【0088】
制御圧室13bは、可動体13aによってシリンダ室52a内が区画されることによって、第2円筒部132と、連結部133と、駆動軸3との間に形成されている。また、このシリンダ室52a内においても、制御圧室13b以外は、収容空間51cとされている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0089】
この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最大となることにより、
図8に示すように、バランスウェイト5hでは、各規制面50cがそれぞれシリンダ室52aよりも外周側でラグプレート52の後端と当接する。これにより、この圧縮機においても、バランスウェイト5hによって斜板5の傾斜角度の最大値が規制される。
【0090】
また、バランスウェイト5hでは、進入部50dが収容空間51c内に進入する。ここで、
図6に示すように、この圧縮機においても、進入部50dが収容空間51c内に進入した際、進入部50dは可動体13cと当接しない。また、各規制面50c及び進入部50dを除いたバランスウェイト5hの他の部分についても、可動体13cと当接することはない。
【0091】
また、この圧縮機では、斜板5が最大傾斜角度未満となることにより、バランスウェイト5hでは、各規制面50cとラグプレート52とが当接しなくなるとともに、進入部50dが収容空間51c内から脱出する。
【0092】
このように、この圧縮機では、バランスウェイト5hの径外方向に各規制面50cが突出しているとともに、これらの各規制面50cがバランスウェイト5hの根元側に形成されている。このため、この圧縮機では、実施例1の圧縮機と比較して、進入部50dが大きくなり、バランスウェイト5hをより多くシリンダ室52a内に進入させることが可能となっている。また、このバランスウェイト5hにおいても、前端が可動体13cの連結部133に沿った形状に形成されていることから、進入部50dを可動体13cに当接させることなく、収容空間51c内に深く侵入させることが可能となっている。
【0093】
そして、この圧縮機では、各規制面50cがラグプレート52の後端に当接するよりも先に、進入部50dが収容空間51c内に進入する。このため、この圧縮機では、斜板5が最大傾斜角度にある状態だけでなく、傾斜角度が増大して一定の角度に達すれば、最大傾斜角度となる前から進入部50dを収容空間51c内に進入させることが可能となっている。また、この圧縮機では、斜板5が最大傾斜角度未満となり、各規制面50cとラグプレート52とが当接しない状態となっても、傾斜角度が更に一定程度小さくなるまでは、進入部50dが収容空間51cに進入した状態が維持される。これらのため、この圧縮機では、実施例1の圧縮機よりも軸長を短くすることが可能となっている。
【0094】
さらに、この圧縮機では、シリンダ室52aが実施例1の圧縮機におけるシリンダ室51aよりも大径となっているため、制御圧室13bをより大径化することができる。これにより、この圧縮機では、可動体13cを好適に移動させるための制御圧室13bの圧力をより小さくすることができる。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
【0095】
(実施例3)
図9に示すように、実施例3の圧縮機は、実施例2の圧縮機を一部変更して構成している。具体的には、この圧縮機では、斜板5に対し、バランスウェイト5hに換えてバランスウェイト5iが形成されている。
【0096】
上記の各バランスウェイト5c、5hと同様、このバランスウェイト5iも前面5aから斜板5の前方に向かって突出している。また、バランスウェイト5iは、斜板5の前後方向に直交する方向の断面が略半円状をなす形状であり、挿通孔5dの近傍において、回転軸心Oを挟んで第1、2斜板アーム5e、5fの反対側となる位置に設けられている。これにより、バランスウェイト5iも、挿通孔5dに駆動軸3が挿通された際、駆動軸3の近傍で、かつ、回転軸心Oを挟んでリンク機構7が配置された側とは反対側に位置する。
【0097】
このバランスウェイト5iでは、根元側に平面状の規制面50eが形成されている。この規制面50eは、傾斜角度が最大である時にラグプレート52に当接するようになっている。この規制面50eも本発明における非進入部に相当する。また、このバランスウェイト5iにおいて、規制面50eよりも先端側は進入部50fとされている。さらに、バランスウェイト5iの前端側も自身の後方側から前方側に向かって拡径するように形成されており、連結部133の形状に沿うように形成されている。この圧縮機における他の構成は実施例2の圧縮機と同様である。
【0098】
この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最大となることにより、バランスウェイト5iでは、規制面50eがシリンダ室52aよりも外周側でラグプレート52の後端と当接する。これにより、この圧縮機においても、バランスウェイト5iによって斜板5の傾斜角度の最大値が規制される。
【0099】
また、バランスウェイト5iでは、進入部50fが収容空間51c内に進入する。また、このバランスウェイト5iにおいても、前端が可動体13cの連結部133に沿った形状に形成されていることから、進入部50fを可動体13cに当接させることなく、収容空間51c内に深く侵入させることが可能となっている。さらに、規制面50e及び進入部50fを除いたバランスウェイト5iの他の部分についても、可動体13cと当接することはない。
【0100】
また、この圧縮機では、斜板5が最大傾斜角度未満となることにより、バランスウェイト5iでは、規制面50eとラグプレート52とが当接しなくなる。そして、傾斜角度が更に一定程度小さくなることにより、進入部50fが収容空間51c内から脱出する。
【0101】
このように、この圧縮機でも、バランスウェイト5iにおいて規制面50eが根元側に形成されているため、進入部50fが大きくなり、バランスウェイト5iをより多く収容空間51c内に進入させることが可能となっている。この圧縮機における他の作用は実施例1、2の圧縮機と同様である。
【0102】
(実施例4)
図10に示すように、実施例4の圧縮機も、実施例2の圧縮機を一部変更して構成している。具体的には、この圧縮機では、斜板5に対し、バランスウェイト5hに換えてバランスウェイト5jが形成されている。
【0103】
他の各バランスウェイト5c、5h、5iと同様、このバランスウェイト5jも前面5aから斜板5の前方に向かって突出している。また、バランスウェイト5jは、斜板5の前後方向に直交する方向の断面が略半円状をなす形状であり、挿通孔5dの近傍において、回転軸心Oを挟んで第1、2斜板アーム5e、5fの反対側となる位置に設けられている。これにより、バランスウェイト5jも、挿通孔5dに駆動軸3が挿通された際、駆動軸3の近傍で、かつ、回転軸心Oを挟んでリンク機構7が配置された側とは反対側に位置する。
【0104】
バランスウェイト5jの前端側も自身の後方側から前方側に向かって拡径するように形成されており、連結部133の形状に沿うように形成されている。一方、このバランスウェイト5jでは、他の各バランスウェイト5c、5h、5iと異なり、規制面50a等が形成されていない。この圧縮機における他の構成は実施例2の圧縮機と同様である。
【0105】
実施例2の圧縮機と同様、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が増大して一定の角度に達すれば、傾斜角度が最大となる前からバランスウェイト5jが収容空間51c内に進入する。そして、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が最大となることにより、バランスウェイト5jの内周面が第1円筒部131の外周面と当接する。より詳細には、バランスウェイト5jの内周面と第1円筒部131の外周面とが線接触する。これにより、この圧縮機では、バランスウェイト5jによって斜板5の傾斜角度の最大値が規制される。ここで、この圧縮機では、バランスウェイト5jが収容空間51c内に進入した際、バランスウェイト5jの内周面以外は、可動体13cと接触することはなく、また、バランスウェイト5jは、ラグプレート52と接触することもない。
【0106】
また、この圧縮機では、斜板5が最大傾斜角度未満となることにより、バランスウェイト5jの内周面と第1円筒部131の外周面とが当接しなくなる。そして、傾斜角度が更に一定程度小さくなることにより、バランスウェイト5jが収容空間51c内から脱出する。
【0107】
このように、この圧縮機でも、バランスウェイト5jの前端側が可動体13cの連結部133に沿った形状に形成されていることから、収容空間51c内に深く侵入することが可能となっている。また、この圧縮機では、バランスウェイト5jの内周面と第1円筒部131の外周面とを当接させることによって、容易に斜板5の傾斜角度の最大値を規制することが可能となっている。ここで、この圧縮機では、バランスウェイト5jの内周面と第1円筒部131の外周面とが線接触することにより、バランスウェイト5jと可動体13cとの接触面積を大きくすることができる。このため、この圧縮機では、可動体13cとの接触時におけるバランスウェイト5jに対する面圧を下げることが可能となっている。この圧縮機における他の作用は、実施例1、2の圧縮機と同様である。
【0108】
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜4に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。