特許第6146588号(P6146588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6146588
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】耐摩耗性糸
(51)【国際特許分類】
   D02G 3/04 20060101AFI20170607BHJP
   D01F 6/04 20060101ALI20170607BHJP
   D03D 15/00 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   D02G3/04
   D01F6/04 B
   D03D15/00 D
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-525457(P2014-525457)
(86)(22)【出願日】2012年8月17日
(65)【公表番号】特表2014-526000(P2014-526000A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】EP2012066067
(87)【国際公開番号】WO2013024148
(87)【国際公開日】20130221
【審査請求日】2015年8月3日
(31)【優先権主張番号】11177994.8
(32)【優先日】2011年8月18日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(72)【発明者】
【氏名】ヘンセン, ジョヴァンニ ジョセフ イーダ
【審査官】 加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00377243(EP,A1)
【文献】 国際公開第92/010600(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D02G 3/04
D01F 6/04
D03D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1本の天然繊維と、高強度ポリエチレン繊維のステープルとを含み、前記高強度ポリエチレン繊維が少なくとも40GPaの初期モジュラスおよび少なくとも1.4GPaの引張強さを有するスパン糸であって、前記糸が1〜2.8重量%の間の前記高強度ポリエチレン繊維のステープルを含み、均質であることを特徴とするスパン糸。
【請求項2】
前記糸が実質的に、天然繊維と、高強度ポリエチレン繊維のステープルとからなることを特徴とする、請求項1に記載のスパン糸。
【請求項3】
前記天然繊維の長さの前記高強度ポリエチレン繊維の長さに対する比率が1:2〜2:1であり、前記繊維の長さが関係繊維の相加平均長さであると定義されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のスパン糸。
【請求項4】
前記天然繊維のタイターの前記高強度ポリエチレン繊維のタイターに対する比率が0.2〜5であり、前記繊維のタイターが関係繊維の相加平均タイターであると定義されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のスパン糸。
【請求項5】
前記高強度ポリエチレン繊維がゲル紡糸ポリエチレン繊維であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のスパン糸。
【請求項6】
前記ポリエチレンが超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)であることを特徴とする、請求項に記載のスパン糸。
【請求項7】
前記天然繊維が綿および羊毛からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のスパン糸。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一項に記載のスパン糸を含む布地。
【請求項9】
請求項に記載の布地を含む物品。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか一項に記載のスパン糸を含む物品。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ステープル綿繊維と、高強度ポリエチレン繊維のステープルとを含むスパン糸に関する。また本発明は、前記糸を含む布地、および前記糸または前記布地から製造された物品にも関する。
【0002】
ステープル綿繊維およびポリエチレン繊維を含む糸は、例えば、国際公開第92/10600号パンフレットから知られている。この公報には、綿繊維およびポリエチレンカット繊維(引張強さ2.6GPaおよびモジュラス87GPa)を含む糸が開示されており、この糸はポリエチレン繊維の不均質な分布を有し、ポリエチレン繊維が豊富な芯部分と、主に綿繊維からなる鞘部分とを含む。このような糸はロータースピンボックスを用いて90質量%の綿繊維および10質量%のポリエチレン繊維からなる粗紡糸から調製され、15cN/texの引張強さを有した。
【0003】
ステープル綿繊維およびポリエチレン繊維を含む既知の糸の耐摩耗性は、例えば、摩擦、スクラッピング(scrapping)または腐食などの機械的作用に長期間耐えるために不十分であることが観察された。また、このような糸は、通常の使用条件下で急速に老化して擦り切れることも観察された。
【0004】
本発明の目的は、上述の不都合を有さない、あるいはより少ない程度に有する糸を提供することである。
【0005】
この目的は、少なくとも1本の天然繊維と、高強度ポリエチレン繊維のステープルとを含む糸により達成された。この高強度ポリエチレン繊維は、少なくとも40GPaの初期モジュラスおよび少なくとも1.4GPaの引張強さを有し、この糸は、1〜4質量%の間の高強度ポリエチレン繊維のステープルを含むことを特徴とする。
【0006】
意外にも、本発明の糸は既知の糸と比較して最適化された耐摩耗性を有し、その最初の外観および構造を長期間保持できることが観察された。また意外にも、本発明の糸は最適化された弾力性を有し、その強度を失わずにそしてその形態を変化させずに何度も変形および解放させることが可能であることも見出された。
【0007】
本発明のさらなる利点は、糸が最適化された可染性および最適化された着用快適性を提供することである。
【0008】
繊維とは、本明細書では、その長さ寸法がその幅および太さの横断寸法よりもはるかに大きい長尺体であると理解される。繊維は連続長を有していてもよいし(当該技術分野においてフィラメントとして知られる)、あるいは不連続長を有していてもよい(当該技術分野においてステープル繊維として知られる)。ステープル繊維は一般にフィラメントの切断または伸長破断によって得られる(例えば、G.R.Wray,Modern composite yarn Production,Columbine Press,Manchester & London,1960)。
【0009】
好ましくは、本発明の糸中の繊維の総質量に関する高強度ポリエチレン繊維の質量百分率(質量%)は1〜3の間、より好ましくは1〜2.8の間、最も好ましくは1.5〜2.5の間である。高強度ポリエチレン繊維が1質量%よりも少ないと、本発明の糸の利点が顕著でなくなることが観察された。高強度ポリエチレン繊維が4質量%よりも多いと、達成された耐摩耗性が明白でなくなった。
【0010】
好ましい実施形態では、スパン糸は実質的に、天然繊維および高強度ポリエチレン繊維のステープルからなる。
【0011】
天然繊維の長さの高強度ポリオレフィン繊維ステープルの長さに対する比率が1:2〜2:1である場合に良好な結果が得られ、ここで、繊維の長さは関係繊維の相加平均長さであると定義される。好ましくは、天然繊維および高強度ステープル繊維の長さの比率は0.66〜1.5、より好ましくは0.75〜1.33、さらにより好ましくは0.8〜1.25、最も好ましくは0.9〜1.1である。
【0012】
高強度ポリエチレン繊維のタイターは好ましくは少なくとも0.1dpf、より好ましくは少なくとも0.5dpf、最も好ましくは少なくとも1.0dpfである。その利点は、より低いdpfのポリエチレン繊維を含む糸が改善された快適性を有することである。好ましくは、前記タイターは最大でも10dpf、より好ましくは最大でも7dpf、最も好ましくは最大でも5dpfである。
【0013】
本発明の好ましい実施形態において、天然繊維のタイターの高強度ポリエチレン繊維のタイターに対する比率は0.2〜5であり、ここで、繊維のタイターは、関係繊維の相加平均タイターであると定義される。好ましくは、天然繊維のタイターの高強度ポリエチレン繊維のタイターに対する比率は0.5〜3、より好ましくは1〜2、最も好ましくは1.2〜1.6である。
【0014】
本発明の糸のタイターが少なくとも10dtex、好ましくは少なくとも40dtex、より好ましくは少なくとも70dtexである場合に良好な結果が得られる。糸の最大タイターは実用的な理由のみによって決定され、好ましくは最大でも7500dtex、より好ましくは最大でも5000dtex、最も好ましくは最大でも2500dtexである。撚糸は改善された機械的安定性を有し、摩損する傾向が少ないことが観察されたので、好ましくは、糸に撚りが付与される。
【0015】
高強度ポリエチレン繊維は、当該技術分野において既知の任意の技術、好ましくは溶融紡糸またはゲル紡糸によって製造することができる。溶融紡糸プロセスが使用される場合、その製造のために使用されるポリエチレン出発材料は、好ましくは、60,000〜600,000の間、より好ましくは60,000〜300,000の間の重量平均分子量(Mw)を有する。溶融紡糸プロセスの一例は、参照によって本明細書中に援用される欧州特許第1,350,868号明細書に開示されている。
【0016】
本発明の一実施形態では、高強度ポリエチレン繊維は、溶融紡糸された高強度ポリエチレン繊維であり得る。このような繊維を使用する利点は、本発明の改善された柔軟性および快適性にある。
【0017】
あるいは、高強度ポリエチレン繊維は、ゲル紡糸ポリエチレン繊維である。ゲル紡糸プロセスを用いて前記繊維を製造する場合、好ましくは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)が使用される。UHMWPEは、好ましくは少なくとも5dl/g、より好ましくは少なくとも7dl/g、最も好ましくは少なくとも10dl/gの固有粘度(IV)を有する。好ましくは、IVは最大でも40dl/gであり、より好ましくは最大でも25dl/g、より好ましくは最大でも15dl/gである。好ましくは、欧州特許出願公開第0205960A号明細書、欧州特許出願公開第0213208A1号明細書、米国特許第4413110号明細書、英国特許出願公開第2042414A号明細書、英国特許出願公開第A−2051667号明細書、欧州特許第0200547B1号明細書、欧州特許第0472114B1号明細書、国際公開第01/73173A1号パンフレット、欧州特許第1,699,954号明細書を含む多数の公報、および「Advanced Fibre Spinning Technology」,Ed.T.Nakajima,Woodhead Publ.Ltd(1994)、ISBN1855731827において記載されるように、UHMWPE繊維はゲル紡糸プロセスに従って製造される。既知のゲル紡糸UHMWPE繊維は、例えば、DSM N.V.(オランダ)によってDyneema(登録商標)の名称で商品化されたものである。
【0018】
ゲル紡糸UHMWPE繊維はポリエチレン繊維として使用され得る。ゲル紡糸UHMWPE繊維を使用する利点は、本発明の糸がさらに改善された耐摩耗性を示すことである。またゲル紡糸UHMWPEステープル繊維を使用すると、特に糸の寿命に関して良好な結果が得られた。
【0019】
高強度ポリエチレンステープル繊維が10mm〜100mmの間、好ましくは20mm〜80mmの間、より好ましくは30mm〜60mmの間の平均長さを有すれば、良好な結果を得ることができる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態において、天然繊維は綿および羊毛からなる群から選択される。好ましくは、天然繊維は綿である。綿は、スパン糸を製造するために一般に使用されるステープル繊維である。コスト効率が高いことに加えて、綿は良好な吸収性を有し、着心地が良く、洗濯がよくきき、比較的耐久性の傾向がある。
【0021】
好ましくは、ステープル綿繊維は少なくとも20mm、より好ましくは30mmの長さを有し、ステープル綿繊維は好ましくは最大でも50mm、より好ましくは最大でも40mmの長さを有する。前記長さは本発明の糸を紡績するために最適な長さであることが観察された。
【0022】
スパン糸は、リング紡績プロセスまたはオープンエンド紡績プロセスなどの当該技術分野において既知の任意の技術によって製造することができる。本発明の糸は、綿繊維および高強度ポリエチレンステープル繊維のブレンドから、リング紡績プロセスにより紡績することができる。リング紡績プロセスを適用することの利点は、機械処理およびプロセス温度が高強度ポリエチレンステープル繊維により適していることである。本発明の糸は、綿繊維および高強度ポリエチレンステープル繊維のブレンドから、オープンエンド紡績プロセスにより紡績することもできる。オープンエンド紡績プロセスを適用することの利点はこのようなプロセスのより高い生産性であり、本発明に従う糸中に存在する高強度ポリエチレンステープル繊維の量は、より高い生産性を考慮して最適化され得る。
【0023】
紡績に適した仕上げが商業的に使用され、当業者に知られている。紡績プロセスの態様は、過去数十年にわたって多数の公報において議論および記載されている。このような公報の例としては、米国特許第4,435,955号明細書、米国特許第4,426,840号明細書、および米国特許第4,321,788号明細書がある。
【0024】
好ましくは、本発明の糸は、長さ1cm当たり1〜6回の間、より好ましくは長さ1cm当たり2〜5回の間、最も好ましくは長さ1cm当たり3〜4.5回の間で撚られる。
【0025】
また本発明の糸は、他の天然および/または合成繊維を含有していてもよい。天然繊維の例としては、セルロース、麻、絹、ジュート、サイザル麻、ココヤシ、リネンなどが挙げられる。合成繊維の例としては、半結晶性ポリマー、例えば、ポリプロピレン;ポリオキシメチレン;ポリ(フッ化ビニリジン);ポリ(メチルペンテン);ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン);ポリアミドおよびポリアラミド、例えば、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(Kevlar(登録商標)として知られている);ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE);ポリ{2,6−ジイミダゾ−[4,5b−4’,5’e]ピリジニレン−1,4(2,5−ジヒドロキシ)フェニレン}(M5として知られている);ポリ(p−フェニレン−2,6−ベンゾビスオキサゾール)(PBO)(Zylon(登録商標)として知られている);ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6として知られている);ポリブテン;ポリエステル、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、およびポリ(1,4シクロヘキシリデンジメチレンテレフタレート);ポリビニルアルコール、ならびにサーモトロピック液晶ポリマーから製造されるものが挙げられる。適切なサーモトロピック液晶ポリマーの例としては、融解されたときに液晶特性を示し、芳香族ジオール、芳香族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸などのモノマーから合成される芳香族ポリエステルが挙げられる。典型的な例としては、パラヒドロキシ安息香酸(PHB)、テレフタル酸、およびビフェノールからなる第1のタイプと、PHBおよび2,6−ヒドロキシナフトエ酸からなる第2のタイプと、PHB、テレフタル酸、およびエチレングリコールからなる第3のタイプとが挙げられる。
【0026】
糸の製造プロセスは、大部分は均質な糸をもたらし得る。従って、本発明は均質な糸にも関する。均質な糸とは、糸の機械方向に直交する断面の全域で高強度ポリエチレンステープルの濃度勾配を示さない糸であると理解される。均質な糸とは、さらに、前記断面全域で高強度ポリエチレンステープルの最高重量百分率および最低重量百分率間の比率が最大でも2、好ましくは最大でも1.8、最も好ましくは最大でも1.5であると理解される。糸の全体にわたって高強度ポリエチレンステープルのより均質な分布を有する糸は、さらに改善された耐摩耗特性を示す。
【0027】
また本発明は、本発明のスパン糸を含む布地にも関する。
【0028】
本発明の布地は、当該技術分野において既知の任意の構成、例えば、織物、編物、編込み(plaited)、編組み(braided)もしくは不織布またはこれらの組み合わせを有することができる。織物は、平織物、畝織物、斜子織物および斜文織物などを含み得る。編物は、緯編物、例えば、シングルまたはダブルジャージー生地であっても、あるいは経編物であってもよい。不織布の一例はフェルト布である。織物、編物または不織布のさらなる例、およびその製造方法は、「Handbook of Technical Textiles」、ISBN 978−1−59124−651−0の4、5および6章に記載されており、その開示は参照として本明細書中に援用される。編組み布の説明および例は、同ハンドブックの11章、より詳細には段落11.4.1に記載されており、その開示は参照によって本明細書中に援用される。
【0029】
好ましくは、本発明の布地は編物または織物である。丸編物により、そしてトリコット経編物、横編物または平織物により良好な結果が得られた。このような布地は、特に洗浄後に、改善された耐摩耗性を有しながら、可撓性および柔軟性の度合いの増大を示すことが観察された。対照的に、綿は洗浄後に堅くて「板のように」なる傾向がある。横編物は、手袋を構成するために使用される場合に、特に有利であることが分かった。
【0030】
また本発明は、本発明の布地を含む物品にも関する。特に、物品は、衣料品分野の物品、例えば、上着、衣類(garment)、衣服(raiment)などである。このような物品の例としては、手袋、エプロン、革ズボン、ズボン、シャツ、ジャケット、コート、靴下、下着、ベスト、帽子などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
また、このような物品は、その改善された耐摩耗性のために、陸軍の迷彩服における使用に適していることも観察された。
【0032】
また本発明は、具体的に言及される布地以外の本発明の糸を含む物品にも関する。特に、本発明の糸を含む物品は、スポーツ、医学的用途または農業の分野である。このような物品の例としては、ロープ、網、釣り糸、コードなどが挙げられる。
【0033】
本発明は、いくつかの実施例を用いて以下に説明されるであろう。
【0034】
[試験手順]
製造した糸の靱性、Fmaxおよび破断伸び(EaB)は、ISO2062−93(A)に従って、Zwick引張試験機において測定される。
【0035】
ISO EN388に従って布地にMartindale耐摩耗性試験を受けさせる。標準のサンドペーパー型をより細かい粒子のP240で置き換えた。
【0036】
[実験の詳細]
種々の糸の紡績は、場合により32mmのステープル繊維に切断したDyneema(登録商標)1760−SK60(1dpf)から調製した高強度ポリオレフィンステープル繊維と共に、綿ステープル繊維を用いてリング紡績によって実施した。糸の組成および機械特性は表1に示される。
【0037】
【表1】

【0038】
単層の平織物(A、B、Cおよび1)はそれぞれ、糸A、B、Cおよび1の経糸および緯糸から製造した。平織物に、P240サンドペーパーを備えたMartindale摩耗試験を受けさせた。布地(A、B、Cおよび1)の摩耗試験結果は、表2において見出すことができる。
【0039】
【表2】