(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記油性成分が、トコフェロール、トコトリエノール、柑橘香味料、TBHQ、BHT、BHA、およびそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項1または2記載の方法。
前記ソルビン酸化合物が、ソルビン酸を含有する、もしくはシロップおよび飲料の製造中に見られる条件下でソルビン酸に転化されるかまたはソルビン酸を遊離する化合物および組成物、ならびにそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項1から3および6から9いずれか1項記載の方法。
前記ソルビン酸化合物が、ソルビン酸、ソルビン酸のアルカリ金属塩、およびそれらのブレンドからなる群より選択される、請求項1から3および6から9いずれか1項記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここに用いたように、「シロップ」または「飲料用シロップ」は、直ぐに飲める(ready-to-drink)飲料、すなわち「飲料」を調製するために、流体、一般に水が加えられる飲料前駆体である。一般に、シロップ対水の容積比は、1:3から1:8、より一般に1:4と1:5の間である。シロップ対水の容積比は、「スロー(throw)」として表される。飲料業界内で一般に使用される比である1:5の比は、「1+5スロー」として知られている。
【0011】
ここに用いたように、「飲料」は、ソフトドリンク、ドリンクサーバー向け飲料、フローズンタイプの直ぐに飲める飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、スポーツドリンク、およびアルコール製品などの飲料を称する。飲料は炭酸であっても、なくてもよい。その上、本発明のある実施の形態において、「飲料」は、ジュース、乳製品、および他の不透明飲料も称する。本発明による飲料は、透明であっても、なくても差し支えない。
【0012】
「透明」は、光学的透明度を称する、すなわち、透明な飲料は、水と同じくらい透明であり得る。本発明の好ましい実施の形態において、飲料濃縮物および/または完成飲料は、HACH濁度計(コロラド州ラブランド所在のHach Company社製、モデル2100AN)による示度によって証拠付けられるように透明である。3NTU(比濁計濁度単位)までの示度が非常に透明であると考えられ、5NTUまでの値が透明であると考えられる。そのような示度が6から10NUTほど高い場合、サンプルは透明ではなく、どちらかと言えば、極わずかに濁っているか、またはわずかに濁っている。15NTUでは、飲料は濁っている。それゆえ、5NTU以下の濁度を有する飲料は、透明飲料であると言われ、6NTUの値は、極わずかに濁っており、10NTUではわずかに濁っている。
【0013】
ここに用いたように、「安定な」飲料用シロップは、3日間超、一般に、1週間超、より一般に4週間超、より一般に10週間超、そして最も一般に20週間超の期間に亘り室温で、相分離が生じていない、すなわち、結晶、綿状沈殿物、沈積物、濁り、曇り、または沈殿物が生じていないシロップを称する。ここに用いたように、「安定な」完成飲料は、4週間、一般に10週間超、より一般に20週間超、そしてより一般に6ヶ月超の期間に亘り、すなわち、完成飲料の典型的な賞味期限内において、室温、40°F(約4.4℃)、70°F(約21℃)、90°F(32℃)、および110°F(約43℃)で、相分離が生じていない、すなわち、結晶、綿状沈殿物、沈積物、濁り、曇り、または沈殿物が生じていない透明な飲料を称する。
【0014】
「保存」飲料は、安定性の期間中に著しい微生物活性を示さない。
【0015】
ここに一般に用いたように、「水」は、飲料の製造に適した品質の、一般に調節され処理された水である。過剰な硬度は、ソルビン酸の沈殿を誘発させることがある。ここに与えられたガイダンスにより、当業者は、十分な品質の水を提供できるであろう。
【0016】
「流体」は、水とジュース、乳製品、または飲料の一部を形成する他の液体飲料製品を意味する。例えば、乳製品成分は、ソルビン酸の沈殿を誘発する十分な硬度を提供しない量で加えてもよい。ここに与えられたガイダンスにより、当業者は、本発明の実施の形態に使用するために、乳製品、ジュースまたは他の液体飲料製品の添加が適しているか否かを決定できる。
【0017】
略して、本発明は、流体としての水に関すると記載される。しかしながら、ここでの記載は、ここに定義された流体にも関する。ここに与えられたガイダンスにより、当業者は、シロップの調製に使用するのに適した流体を提供できるであろう。
【0018】
本発明の実施の形態により製造される飲料およびシロップは、一般に、水、保存料(ソルビン酸を含む)、甘味料、pH中性化合物、酸および酸性化合物、並びに香味料および香味料化合物を含む。これらの化合物は、一般に、風味改質剤、栄養素、色素、および飲料中に一般に見られるエマルジョン、界面活性剤、緩衝剤、および消泡剤などの化合物を含む。
【0019】
ソルビン酸およびソルビン酸塩は保存料として働く。しかしながら、シロップ中に一般に見られるpHレベル、およびそれから製造される飲料中の商業的に有用な保存料活性を提供するのに十分なシロップ中の典型的なソルビン酸および/またはソルビン酸塩の濃度では、沈殿を避けるための手段を講じない限り、ソルビン酸は沈殿する可能性が高い。
【0020】
ソルビン酸のマイクロエマルジョン
本出願の発明者等は、シロップおよび飲料の製造中のシロップ内のソルビン酸の沈殿が、水溶液において、非水性溶媒中のソルビン酸のマイクロエマルジョンを界面活性剤により形成することによって避けられることを発見した。次いで、このマイクロエマルジョンはシロップまたは飲料に加えられる。発明者等は理論により拘束されることを望まないが、界面活性剤が、ソルビン酸の沈殿を誘発する、局所的低pHなどの局所条件を改善し、まさに沈殿するソルビン酸を可溶化させるのに役立つと考えられる。
【0021】
マイクロエマルジョンは、界面活性剤により安定化される、油と水を含む、熱力学的に安定な、透明な、低粘度の等方性分散体である。第2の界面活性剤、すなわち、補助界面活性剤を使用してもよい。マイクロエマルジョンは、一般に、5nmから100nmに及ぶ粒径を有する。発明者等は理論により拘束されることを望まないが、マイクロエマルジョンは、含まれる化合物(ソルビン酸)および非水性相による、界面活性剤分子の疎水性部分と親水性部分の自発的自己組織化から生じると考えられる。マイクロエマルジョンは、過剰な水相の存在下でも存在し得る。発明者等は、飲料に見られるような、過剰な水相でさえも、界面活性剤はまだ、マイクロエマルジョンがもはや存在しなくとも、ソルビン酸の溶解度を維持する能力を有することを発見した。
【0022】
マイクロエマルジョンは、以下の3つの様式で低エネルギー乳化によって調製できる:水相による油−界面活性剤混合物の希釈;油相による水性−界面活性剤混合物の希釈;および全ての成分の一緒の混合。特に界面活性剤がエトキシル化非イオン界面活性剤である場合、マイクロエマルジョンは、転相によっても製造できる。そのような界面活性剤を含有する水中油エマルジョンを加熱した場合、そのエマルジョンは、臨界(転相)温度で油中水エマルジョンに反転する。撹拌による冷却によって、安定な水中油マイクロエマルジョンが生成される。しかしながら、転相中、液滴サイズが最大に到達する。より大きい液滴は、液体製品を曇らせるまたは濁らせる可能性がより高いので、当業者は、本発明の実施の形態におけるマイクロエマルジョンを製造するために、転相法は、一般に使用されないと認識している。
【0023】
非水性溶媒は、一般に、ソルビン酸並びに界面活性剤を可溶化するために使用される。適切な非水性溶媒としては、制限するものでなく、プロピレングリコール、エタノール、クエン酸、ベンジルアルコール、トリアセチン、リモネン、植物油、中鎖トリグリセリド、柑橘香味料油、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0024】
追加の随意的な工程において、本発明の実施の形態における飲料濃縮物に共溶媒が加えられる。そのような添加は、例えば、非水性溶媒が用いられ、その非水性溶媒も、界面活性剤も、水と混和性ではない場合に必要である。そのような状況において、水だけでなく、非水性溶媒および界面活性剤にも、混和性である共溶媒を添加することが必要である。さらに、共溶媒の添加により、非水性溶媒および界面活性剤の水との混和性にかかわらず、飲料濃縮物の後の希釈が容易になる。
【0025】
共溶媒が用いられる場合、共溶媒は、一般に、界面活性剤の添加後に加えられる。適切な共溶媒としては、制限するものでなく、プロピレングリコール、エタノール、クエン酸、ベンジルアルコール、トリアセチン、リモネン、およびそれらの組合せが挙げられる。本発明の特に好ましい実施の形態において、プロピレングリコールとエタノールの組合せ、一般に、60:40の組合せ、またはエタノールとクエン酸の組合せ、一般に、90:10の組合せが用いられる。共溶媒は、ソルビン酸を含有する非水性溶媒を製造するために使用されるのと同じ溶媒であってよい。あるいは、共溶媒は異なってもよい。ここに与えられたガイダンスにより、当業者はその量を容易に決定できる。簡単に言えば、その量は、水と、非水性溶媒に界面活性剤を加えた混合物との間の「橋」として働くのに十分であるべきであり、一般に、ソルビン酸プリマイクロエマルジョン混合物の総質量の15パーセントから70パーセント、より一般に20パーセントから50パーセントに及ぶ。
【0026】
ポリソルベートが、一般に、本発明の実施の形態において界面活性剤として使用される。ポリソルベートは、食品によく使用される一般に公知の非イオン界面活性剤である。ポリソルベートは、以下の表に列挙されているような、ポリエトキシル化ソルビタンおよび脂肪酸に由来する。ポリソルベートは、供給業者から市販されている、ポリソルベート20、40、60、65、80および85として6つのグレードで市販されている。これらの製品は、Tween 20、40、60、65、80および85としてICI Americasからも市販されている。これらの化合物の化学式およびHLB値は以下のとおりである:
【表1】
【0027】
いくつかのポリソルベートは、適度に水溶性であり、それゆえ、水溶液中に都合よく溶解させることができる。しかしながら、より一般に、ポリソルベートは、非水相に最初に加えられ、それゆえ、プリマイクロエマルジョンを形成する。
【0028】
油中水マイクロエマルジョンは、一般に、3と約8の間のHLBで形成し、水中油マイクロエマルジョンは、一般に、約8と約18の間のHLBで形成することが、当業者に認識されている。約8より大きいHLBは、分子がより大きい親水性を有することを示す。本発明の実施の形態に一般に使用されるポリソルベートは、10より大きいHLB値を有し、それゆえ、一般に、水中油マイクロエマルジョンを形成する。
【0029】
ポリソルベートは、本発明の実施の形態によるマイクロエマルジョンを形成するために、界面活性剤として使用される。ポリソルベートは、食品安全性であり、液体中に十分に受け入れられる。しかしながら、他の食品安全性界面活性剤も使用して差し支えない。他の適切な界面活性剤としては、以下に限られないが、モノラウリン酸ソルビタン(Span 20)、モノパルミチン酸ソルビタン(Span 40)、モノステアリン酸ソルビタン(Span 60)、モノオレイン酸ソルビタン(Span 80)、モノミリスチン酸スクロース、モノパルミチン酸スクロース、パルミチン酸/ステアリン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、ビタミンE TPGS(コハク酸トコフェロールプロピレングリコール、ビタミンEの水溶性形態)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩(DOSS)、モノオレイン酸モノグリセリド、モノラウリン酸モノグリセリド、モノパルミチン酸モノグリセリド、レシチン、ジグリセリド混合物、モノグリセリドのクエン酸エステル、モノグリセリドの酢酸エステル、モノグリセリドの乳酸エステル、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、モノカプリン酸/カプリン酸デカグリセロール、モノオレイン酸トリグリセロール、モノステアリン酸デカグリセロール、ジパルミチン酸デカグリセロール、モノオレイン酸デカグリセロール、テトラオレイン酸デカグリセロールおよびジオレイン酸ヘキサグリセロールなどの脂肪酸のポリグリセロールエステル、α−、β−およびγ−シクロデキストリン、ジカプリン酸エステルなどの脂肪酸プロピレングリコールエステル、モノカプリル酸エステルとジカプリル酸エステルのブレンド、カプリル酸とカプリン酸のジエステル、ラクチル酸ステアロイル、遊離脂肪酸(一般に、C
8-18)、およびその組合せが挙げられる。
【0030】
水中油マイクロエマルジョンについて少なくとも約8のHLB値を有する界面活性剤を含むことが好ましいが、より大きいHLB値を有する界面活性剤とのブレンドに、しばしば、約8未満のHLBを有する界面活性剤が使用される。この技法により、向上した性能が得られる。
【0031】
ここに用いたように、「ミセル」は、分子レベルで界面活性剤が凝集する系を称する。ミセルのサイズは約5から10nmである。ミセルの形成に関連する界面活性剤には、臨界ミセル濃度(CMC)がある。CMC未満では、界面活性剤は溶液中にあるだけであり、CMCを超えると、個別の粒子すなわちミセルが形成する。それゆえ、本発明の実施の形態において、プリマイクロエマルジョンが製造される。しかしながら、プリマイクロエマルジョンは、シロップまたは飲料に導入されると、マイクロエマルジョンに戻る。
【0032】
ミセルは、ミセルの疎水性部分とのソルビン酸のインターカレーションによりソルビン酸を送達する。送達系として働くために、一般に、水不混和性成分よりも界面活性剤が分子過剰であることが必要である。
【0033】
マイクロエマルジョンを形成し、油相の凝集を防ぐために、乳化剤または界面活性剤の量は、臨界ミセル濃度を超えるべきであり、望ましくは、非水性溶媒にソルビン酸を加えた分散成分の量の少なくとも約1倍から約10倍である。マイクロエマルジョン中の液滴のサイズは、5から100nmであり、可視光の波長(約100nm)より小さい。したがって、マイクロエマルジョンは透明である。マイクロエマルジョンは熱力学的にも安定である;自然に形成する、すなわち、混合順序は重要ではない;可逆相変化を有する、すなわち、相分離が高温で生じる場合、温度が低下した際に、均質な見た目にもどるが、粒径は増加するようである。いずれにしても、粒径が100nmの直径を著しく超える場合、飲料の見た目は、濁るか曇る。
【0034】
マイクロエマルジョンでは、エマルジョンを形成するために、界面活性剤の量がCMCを超える必要がある。水性媒質において、Tween 20のCMCは約0.07パーセント(約700ppm)であり;Tween 60については、CMCは約0.03パーセント(約300ppm)であり;Tween 80については、CMCは約0.015パーセント(約150ppm)である。しかしながら、完成飲料中の界面活性剤の濃度は、約5ppmから約15ppmである。それゆえ、本発明の飲料の実施の形態における界面活性剤の濃度は、対応するCMCより少なくとも一桁低い。しかしながら、ソルビン酸プリマイクロエマルジョンと水との間の最初の接触の際に形成されるミセルは、シロップと飲料中に存続するようである。何故ならば、両方の見た目は光学的に透明なままであり、時間の経過と共に、ソルビン酸の沈殿物が形成されないからである。発明者等は理論により拘束されることを望まないが、この現象は、シロップに最初に導入されたソルビン酸のいくらかが水溶性であり、ミセル構造からバルク水相中に分かれるかもしれないという事実により一部分は説明できる。それゆえ、界面活性剤ミセルは、水溶性ではなく、ミセル内に(平衡に)残っているソルビン酸のみを分散させる必要がある。
【0035】
マイクロエマルジョンでは、界面活性剤の量が、分散される物質(一般に非水性溶媒中の、ソルビン酸)の量の数倍であることが必要であり、それによって、界面活性剤が、分散される物質の周りを「包む(wrap)」液滴を形成することが可能になる。しかしながら、ソルビン酸の濃度は、シロップ中において1200から1600ppmであり、飲料中において250から350ppmであるのに対し、上述したように、Tweenなどの界面活性剤の濃度は、シロップ中においては約30ppmから90ppmであり、飲料中においては5ppmから15ppmである。それゆえ、分散されたソルビン酸の周りを包む液滴の形成は、過剰な水中においては不可能である。ソルビン酸は、本発明に使用される界面活性剤よりも分子量が小さい。したがって、モル基準では、濃縮物/シロップ/飲料中の界面活性剤とソルビン酸との間の濃度差は、さらに大きい。発明者等は理論により拘束されることを望まないが、これらの理由の全てのために、マイクロエマルジョンはシロップまたは飲料中に存続しないと考えられる。
【0036】
マイクロエマルジョンは、一般に、前記成分を、マイクロエマルジョンを形成するのに十分な時間に亘り十分な撹拌により混合することによって形成される。マイクロエマルジョンは自ら形成するので、一般に、撹拌は非常に激しい必要はない。マイクロエマルジョンは、一般に、40°F(約4.4℃)からその系のほぼ転相温度未満の温度で流体中に形成される。より一般には、マイクロエマルジョンは、50°F(10℃)と130°F(約54℃)の間の温度で形成される。
【0037】
本発明の実施の形態におけるマイクロエマルジョンからシロップ中に導入されるポリソルベートの量は、少なくとも0.5ppm、一般に少なくとも1ppm、より一般に少なくとも2ppm、さらにより一般に少なくとも5ppmの、シロップ中のポリソルベートの濃度を達成するのに十分である。本発明の実施の形態において一般に効果的なポリソルベートの最高濃度は、200ppm未満、より一般に150ppm未満、より一般に100ppm未満である。したがって、ポリソルベート濃度の一般的な範囲は、0.5ppmと200ppmの間、一般に1ppmと100ppmの間、より一般に5ppmと100ppmの間である。一般に、シロップおよび飲料中のポリソルベートの量は最少である。何故ならば、ポリソルベートは発泡剤でもあり、これにより、特に炭酸化中に、発泡を生じるかもしれないからである。高濃度のポリソルベートよる味覚への潜在的な悪影響も考えなければならない。いくつかの市場では、規制により、ポリソルベートの使用が制限されることがある。
【0038】
本発明の実施の形態によれば、ソルビン酸は、界面活性剤中に、または一般に非水性溶媒中に溶解される。当業者は、ソルビン酸は水に溶けにくいことを認識している。それゆえ、一般に、ソルビン酸は溶媒中に溶解され、次いで、これに界面活性剤と、必要に応じて共溶媒とをブレンドして、プリマイクロエマルジョンを形成し、次いで、これがシロップまたは飲料に導入される。
【0039】
油性成分中のソルビン酸化合物
発明者等は、シロップおよび飲料の製造中にシロップ内にソルビン酸が沈殿するのを、ソルビン酸化合物を油性成分中に溶解させ、次いで、これをシロップに加えることによって、避けられることも発見した。
【0040】
ここに用いたように、ソルビン酸化合物は、ソルビン酸を含有する、またはシロップおよび飲料の製造中に見られる条件下で、ソルビン酸に転化されるか、またはソルビン酸を遊離する化合物または組成物である。特に、ソルビン酸は、一般に、ソルビン酸塩として、一般に、ソルビン酸のアルカリ金属塩として導入される。一般に使用されるアルカリ金属はナトリウムとカリウムである。本発明のより一般的な実施の形態において、ソルビン酸カリウムが使用される。発明者等は理論により拘束されることを望まないが、油性成分は、ソルビン酸の沈殿を誘発する、局所的低pHなどの局所条件を改善すると考えられる。
【0041】
飲料およびシロップの成分のいくつかは、油性であるか、または油性成分を含む。例えば、トコフェロール(ビタミンE)およびトコトリエノールなどのいくつかの栄養素は油性成分である。また、多くの香味料および香味料化合物も油性であるか、または油性成分を含む。当業者が認識するように、レモン、ライム、レモン/ライム、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘系香味料は、油性成分を有することが多い。
【0042】
油性成分を有することもある他の成分としては、TBHQ、BHA、およびBHTなどの酸化防止剤が挙げられる。ここに与えられたガイダンスにより、当業者は、ソルビン酸化合物がうまく溶解する適切な油性成分を特定することができるであろう。
【0043】
飲料中のソルビン酸の濃度は、一般に、500ppm未満である。シロップ中のソルビン酸の濃度は、一般に、1300ppm未満である。飲料およびシロップの典型的な製造条件である、約20℃での2.5と4の間のpHの水溶液において、ソルビン酸の沈殿は、沈殿を防ぐための手段を講じない限り、約500ppmのソルビン酸濃度で始まり、1300ppmでは、沈殿する傾向が明白である。さらに、当業者が認識するように、飲料またはシロップ中の他の化合物も、ソルビン酸の溶解度に悪影響を及ぼすこともある。例えば、硬度により、ソルビン酸の溶解度が低下してしまう。したがって、本発明の実施の形態によるソルビン酸塩の添加は、ソルビン酸の沈殿を実質的に防ぎながら、幅広い範囲のソルビン酸濃度で考えられる。
【0044】
水性流体中のソルビン酸化合物およびポリソルベート
発明者等は、シロップおよび飲料の製造中のシロップ内のソルビン酸の沈殿が、ソルビン酸化合物およびポリソルベートの両方を水性流体に溶解させ、次いで、これをシロップに加えることによって、避けられることをさらに発見した。
【0045】
ここに用いたように、ソルビン酸化合物は、ソルビン酸を含有する、またはシロップおよび飲料の製造中に見られる条件下で、ソルビン酸に転化されるか、またはソルビン酸を遊離する化合物または組成物である。特に、ソルビン酸は、一般に、ソルビン酸塩として、一般に、ソルビン酸のアルカリ金属塩として導入される。一般に使用されるアルカリ金属はナトリウムとカリウムである。本発明のより一般的な実施の形態において、ソルビン酸カリウムが使用される。発明者等は理論により拘束されることを望まないが、ポリソルベートは、ソルビン酸の沈殿を誘発する、局所的低pHなどの局所条件を改善し、ソルビン酸が形成されたときに、ソルビン酸を可溶化するのに役立つと考えられる。
【0046】
本発明の実施の形態によれば、ソルビン酸化合物およびポリソルベートの両方がシロップ中に溶解される。当業者は、ソルビン酸は水に溶けること、およびソルビン酸塩は、著しく溶け易く、したがって、一般に、本発明の実施の形態におけるソルビン酸化合物として使用されることを認識している。それゆえ、ソルビン酸化合物およびポリソルベートの水溶液が本発明の実施の形態に使用される。他のシロップ成分も、この溶液の一部として加えても差し支えない。
【0047】
飲料中のソルビン酸の濃度は、一般に、500ppm未満である。シロップ中のソルビン酸の濃度は、一般に、1300ppm未満である。飲料およびシロップの典型的な製造条件である、約20℃での約2.5と約4の間のpHの水溶液において、ソルビン酸の沈殿は、沈殿を防ぐための手段を講じない限り、約500ppmのソルビン酸濃度で始まり、1300ppmでは、沈殿する傾向が明白である。さらに、当業者が認識しているように、飲料またはシロップ中の他の化合物も、ソルビン酸の溶解度に悪影響を及ぼすこともある。例えば、硬度により、ソルビン酸の溶解度が低下してしまう。したがって、本発明の実施の形態によるソルビン酸塩の添加は、ソルビン酸の沈殿を実質的に防ぎながら、幅広い範囲のソルビン酸濃度で考えられる。
【0048】
先に論じたように、ポリソルベートは、食品によく使用される、一般に公知の非イオン界面活性剤および乳化剤である。ポリソルベートは、ポリエトキシル化ソルビタンおよびオレイン酸に由来し、供給業者から市販されている、ポリソルベート20、40、60、65、80および85などのグレードで市販されている。ポリソルベートは、適度に水溶性であり、それゆえ、水溶液中に都合よく溶解させることができる。
【0049】
本発明の実施の形態におけるシロップ中に導入されるポリソルベートの量は、少なくとも0.5ppm、一般に少なくとも1ppm、より一般に少なくとも2ppm、さらにより一般に少なくとも5ppmの、シロップ中のポリソルベートの濃度を達成するのに十分である。本発明の実施の形態において一般に効果的なポリソルベートの最高濃度は、200ppm未満、より一般に150ppm未満、より一般に100ppm未満である。したがって、ポリソルベート濃度の一般的な範囲は、0.5ppmと200ppmの間、一般に1ppmと150ppmの間、より一般に5ppmと100ppmの間である。
【0050】
飲料中のソルビン酸の濃度は、一般に、500ppm未満である。シロップ中のソルビン酸の濃度は、一般に、1300ppm未満である。飲料およびシロップの典型的な製造条件である、約20℃での2.5と4の間のpHの水溶液において、ソルビン酸の沈殿は、沈殿を防ぐための手段を講じない限り、約500ppmのソルビン酸濃度で始まり、1300ppmでは、沈殿する傾向が増幅する。さらに、当業者が認識しているように、飲料またはシロップ中の他の化合物も、ソルビン酸の溶解度に悪影響を及ぼすこともある。例えば、硬度により、ソルビン酸の溶解度が低下してしまう。したがって、本発明の実施の形態によるマイクロエマルジョン中へのソルビン酸の添加は、ソルビン酸の沈殿を実質的に防ぎながら、幅広い範囲のソルビン酸濃度で考えられる。
【0051】
さらに別の態様
商業上の保存条件を達成するのに必要なソルビン酸の濃度も、シロップまたは飲料の他の条件に関連する。例えば、炭酸化により、所定の保存性能を達成するのに必要なソルビン酸の濃度が減少する。対照的に、pHを低下させると、所定の保存性能を達成するのに必要なソルビン酸の濃度が低下する。ここに与えられたガイダンスにより、当業者は、シロップまたは飲料を適切に保存するソルビン酸濃度を確立することができる。
【0052】
本発明の実施の形態によれば、シロップおよび飲料は、保存料としてソルビン酸を含む。他の保存料が、当業者に公知であり、ソルビン酸と共に含まれてもよい。他の保存料の例としては、EDTA二ナトリウム、EDTAカルシウム二ナトリウムを含むEDTA、およびヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)などのキレート剤、および安息香酸塩、特に、アルカリ金属安息香酸塩などの抗菌物質;ラウリンアルギネート(lauric arginate);桂皮酸の塩;並びにトコフェロール、BHA、およびBHTを含む酸化防止剤が挙げられる。本発明の実施の形態によれば、他の保存料は、控えめに使用されるが、最も一般には、全く使用されない。ここに与えられたガイダンスにより、当業者は、適切な保存料を選択することができるであろう。
【0053】
本発明の飲料およびシロップの実施の形態の甘味料としては、高カロリーの炭水化物甘味料、天然の高効能(high-potency)甘味料、合成の高効能甘味料、他の甘味料、およびそれらの組合せが挙げられる。ここに与えられたガイダンスにより、適切な甘味料系(単一化合物またはそれらの組合せのいずれか)を選択することができる。
【0054】
適切な高カロリーの炭水化物甘味料の例としては、スクロース、フルクトース、グルコース、エリトリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、D−タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン(例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、およびγ−シクロデキストリン)、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノースまたはイソマルツロース、エリトロース、デオキシリボース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオースなど)、ゲンチオオリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオースなど)、ガラクトオリゴ糖、ソルボース、ニゲロオリゴ糖、フルクトオリゴ糖(ケストース、ニストースなど)、マルトテトラオール(maltotetraol)、マルトトリオール、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなど)、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース、果糖ブドウ糖液糖(例えば、HFCS55、HFCS42、またはHFCS90)などの異性化液糖、カップリングシュガー、大豆オリゴ糖、およびグルコースシロップが挙げられる。
【0055】
ここに提示される実施の形態に使用するのに適した他の甘味料としては、天然、合成、および他の高効能甘味料が挙げられる。ここに用いたように、「天然の高効能甘味料」、「NHPS」、「NHPS組成物」、および「天然の高効能甘味料組成物」などの句は、同意語である。「NHPS」は、生の、抽出された、精製された、酵素処理された、または任意の他の形態の、単独でまたはそれらの組合せであってよく、スクロース、フルクトース、またはグルコースよりも大きい甘味効能を特徴的に有するが、カロリーが少ない、自然に見つかる任意の甘味料を意味する。本発明の実施の形態に適したNHPSの非制限的な例としては、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC(ズルコシドB)、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、ズルコシドA、ルブソシド、ステビア、ステビオサイド、モグロシドIV、モグロシドV、ラカンカ甘味料、シアメノシド、モナチンとその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリチルリチン酸とその塩、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロブタイン(trilobrain)、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、およびシクロカリオシドIが挙げられる。
【0056】
NHPSは、修飾NHPSも含む。修飾NHPSとしては、天然に変えられているNHPSが挙げられる。例えば、修飾NHPSとしては、以下に限られないが、発酵された、酵素と接触させられた、またはNHPSに誘導体化または置換された、NHPSが挙げられる。1つの実施の形態において、少なくとも1種類の修飾NHPSを、少なくとも1種類のNHPSと共に使用してもよい。別の実施の形態において、少なくとも1種類の修飾NHPSを、NHPSなしで使用してもよい。それゆえ、ここに記載された実施の形態のいずれについても、修飾NHPSを、NHPSの代わりに用いても、NHPSと組み合わせて使用してもよい。しかしながら、簡潔さのために、本発明の実施の形態の説明において、修飾NHPSは、未修飾NHPSの代わりとして明白に記載されていないが、ここに開示されたどの実施の形態においても、修飾NHPSをNHPSの代わりに使用しても差し支えないことを理解すべきである。
【0057】
ここに用いたように、「合成甘味料」という句は、天然には見つからず、高効能甘味料である任意の組成物を称する。本発明の実施の形態に適した、「人工甘味料」としても知られている、合成甘味料の非限定的な例としては、スクラロース、アセスルファムカリウム(アセスルファムKまたはaceK)または他の塩、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、チクロ、ネオテーム、N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル、N−[3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチルブチル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル、N−[3−(3−ヒドロキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロピル]−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル、およびその塩が挙げられる。
【0058】
本発明の実施の形態に適切に使用される酸としては、飲料および飲料用シロップに一般に使用される食品用酸が挙げられる。緩衝液は、pH緩衝液を形成する、すなわち、pHを選択されたレベルに維持する傾向にある化合物の組合せを提供する食品用酸の塩を含む。特別の実施の形態に使用するための食品用酸としては、以下に限られないが、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、アジピン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、シュウ酸、タンニン酸、コーヒータンニン酸、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0059】
飲料およびシロップに日常的に使用される香味料が、本発明の実施の形態である飲料およびシロップに適切に使用される。当業者は、ある香味料が、飲料を濁らせるか、または飲料に曇った見た目を与えることを認識している。したがって、しばしばエマルジョンであることのある、そのような香味料は、透明な飲料に適切には使用されないであろう。適切な香味料としては、飲料のタイプに不適合ではない、飲料およびシロップに一般に使用される香味料が挙げられる。すなわち、透明な飲料は、一般に、飲料を曇らせる、濁りを導入する、または他の様式で飲料を消費者にとって魅力的でなくする香味料で風味が与えられないであろう。しかしながら、当業者に公知のこの条件を前提として、公知の香味料が、必要に応じて、適切に使用される。
【0060】
飲料のタイプに一貫した任意の香味料、香味料化合物、または香味料系が、本発明の実施の形態に適切に使用される。さらに、その香味料は、粉末、エマルジョン、マイクロエマルジョンなどの任意の形態で使用してよい。これらの形態のいくつかは、飲料に曇りを誘発させるかもしれず、それゆえ、透明な飲料には使用されないであろう。典型的な香味料としては、アーモンド、アマレット、リンゴ、酸っぱいリンゴ(sour apple)、アプリコット、ネクタリン、バナナ、ブラックチェリー、チェリー、ラズベリー、ブラックラズベリー、ブルーベリー、チョコレート、シナモン、ココナツ、コーヒー、コーラ、クランベリー、クリーム、アイリッシュクリーム、フルーツパンチ、生姜、グラン・マルニエ、ブドウ、グレープフルーツ、グアバ、グレナディン、ザクロ、ヘーゼルナッツ、キウイ、レモン、ライム、レモン/ライム、タンジェリン、マンダリン、マンゴ、モカ、オレンジ、パパイヤ、パッションフルーツ、桃、洋ナシ、ペパーミント、スペアミント、ピニャコラーダ、パイナップル、ルートビア、バーチビール、サルサパリラ、イチゴ、ボンゼンベリー、お茶、トニック、スイカ、メロン、ワイルドチェリー、およびバニラが挙げられる。例示の香味料は、レモンライム、コーラ、コーヒー、お茶、全ての種類の果物香味料、およびそれらの組合せである。
【0061】
ポリソルベート以外の界面活性剤もシロップまたは飲料中に存在してもよく、またはシロップの成分として加えてもよい。当業者は、界面活性剤を、成分の一部としてシロップまたは飲料に導入してもよいことを認識している。本発明の実施の形態に使用するのに一般に適した界面活性剤としては、以下に限られないが、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸塩またはジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウム(塩化ヘキサデシルピリジニウム)、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、コール酸ナトリウム、カルバモイル、塩化コリン、グルココール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ラウリンアルギネート、ステアロイル乳酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、レシチン、スクロースオレイン酸エステル、スクロースステアリン酸エステル、スクロースパルミチン酸エステル、スクロースラウリン酸エステル、および他の界面活性剤が挙げられる。
【0062】
当業者は、成分は、単独でまたは組合せで加えても差し支えないことを認識している。また、乾燥成分の溶液を調製し、多量の水に成分を都合よく加えるために使用することができる。
【0063】
当業者は、シロップの製造中に周囲温度より高い温度が使用される場合、シロップの温度は、製品が完成した後に、または一般に、酸性化の後であり、揮発性材料が加えられる前に、低下させてもよいことを認識している。一般に、飲料用シロップは、多量の水に成分を加えることによって調製される。その水は、一般に、少なくとも50°F(10℃)であり、かつ200°F(約93℃)未満、通常、50°F(10℃)と160°F(約71℃)の間、一般に、50°F(10℃)と130°F(約54℃)の間の温度である。
【0064】
マイクロエマルジョンに関して、飲料およびシロップは、この中の本発明の実施の形態に記載されたマイクロエマルジョンの転相温度より高い温度で調製してよいが、マイクロエマルジョンが加えられる流体の温度が転相温度より低くなるまで、マイクロエマルジョンは加えられない。このようにして、ソルビン酸を含有する液滴は、小さいままであり、シロップまたは飲料に濁りまたは曇りを与えない。一般に、ポリソルベートにより製造されたマイクロエマルジョンについて、転相温度は130°F(約54℃)未満である。しかしながら、当業者は、転相温度は、マイクロエマルジョンを形成するために使用される界面活性剤だけでなく、シロップまたは飲料の組成にも関連していることを認識している。例えば、界面活性剤の濃度が高くなると、転相温度が上昇するであろう。油性香味料の存在も、ソルビン酸マイクロエマルジョンの転相温度に影響することもある。ここに与えられたガイダンスにより、当業者は、マイクロエマルジョンがそれより高い温度では飲料に加えられない転相温度を決定することができるであろう。
【0065】
成分は、一般に、成分間の潜在的な不利な相互作用または成分への潜在的な悪影響を最少にする順序で多量の水に加えられる。例えば、温度感受性である栄養素は、製造プロセスの終わりに向かって比較的低温の時期に加えられるであろう。同様に、香味料および香味料化合物は、たいてい、揮発性成分の潜在的な損失を最少にし、任意の形態での香味料の損失を最少にするために、シロップの完成直前に加えられる。たいてい、酸性化は、一般に、温度感受性材料、揮発性材料、および香味料材料が加えられる前に行われる、最終工程の内の1つである。それゆえ、香味料または香味料成分もしくは他の揮発性材料および栄養素は、一般に、適切な時に、適切な温度で加えられる。ここに与えられたガイダンスにより、当業者は、香味料および他の揮発性材料を導入する適切な時を特定できる。
【0066】
成分を添加するこれらの順序または他の順序のいずれも、成分が加えられる順序はここに与えられたガイダンスにより当業者により決定できるので、適切に使用される。それゆえ、ソルビン酸含有マイクロエマルジョン、油性成分中に溶解したソルビン酸化合物、または水溶液中にポリソルベートと一緒に溶解したソルビン酸化合物は、既に記載された温度制限を前提として、いつでもバルク溶液に加えて差し支えない。
【0067】
結果として得られたシロップは容器に入れられ、これを貯蔵してもよい。シロップを実質的に直ちに使用して、飲料を製造してよく、この飲料は流通のために容器に入れられる。シロップは、瓶詰め業者に流通してもよく、この業者が、水およびおそらく炭酸などの他の材料の添加により製造された飲料を容器に詰める。一般に、スローは1+5である。また、シロップは、一般に、直ぐに飲むために、シロップをスロー用の水、およびおそらく炭酸などの他の成分と混合するものに販売される。そのような調製の一例は、「ドリンクサーバー向けソフトドリンク」である。
【0068】
本発明の他の実施の形態は、安定に保存された直ぐに飲める飲料の製造に関する。そのような飲料は、シロップのアリコートを適量の希釈水と混合することによって、調製される。一般に、「1+5スロー」としても知られている、5容積の水または他の液体に対する1容積のシロップの比が使用される。
【0069】
本発明のシロップの実施の形態は、室温で少なくとも3日間、または少なくとも約1週間の賞味期限を有する、ソルビン酸で保存される安定な飲料用シロップである。より一般に、本発明のシロップの実施の形態は、少なくとも4週間、または少なくとも7週間、さらにより一般に、少なくとも20週間の賞味期限を有する。
【0070】
本発明の飲料の実施の形態は、40°F(約4.4℃)と110°F(約43℃)の間の温度で、少なくとも4週間、または少なくとも10週間の賞味期限を有する、ソルビン酸で保存される安定な飲料である。より一般に、本発明の飲料の実施の形態は、少なくとも4週間、または少なくとも6週間、または少なくとも12週間、さらにより一般に、少なくとも6ヶ月の賞味期限を有する。
【0071】
以下の実施例は、本発明を説明するものであって、制限するものではない。
【実施例1】
【0072】
レモンライム風味のシロップ、および1+5スローを使用してそれから製造した飲料を調製する。約50°F(10℃)と200°F(約93℃)の間の温度の多量の水を撹拌タンクに入れ、撹拌を開始する。
【0073】
緩衝液、甘味料、消泡剤、および栄養素などの成分をその多量の水にくわえる。これらの成分は、固体、液体、溶液、エマルジョン、または任意の形態で加えられる。固体を流体中に溶解させて、溶液、懸濁液、または他の水性の組合せを形成する。次いで、撹拌を続けながら、バルク溶液に酸を加える。
【0074】
水中に、ポリソルベート20界面活性剤による、ソルビン酸およびエタノールのマイクロエマルジョンを調製する。加えたソルビン酸の量は、シロップ中のソルビン酸濃度が0.12質量パーセントとなるのに十分である。このマイクロエマルジョンを、シロップ中のマイクロエマルジョンの転相温度より低い温度で撹拌を続けながら、バルク溶液に加える。
【0075】
次いで、バルク溶液の温度を、必要であれば、約120°F(約49℃)未満に低下させ、撹拌を続けながら、レモンライム香味料を加える。十分なブレンド後、所望の容積を達成するのに必要な追加の仕上げ水を加え、シロップが完全に混ざるまで、撹拌を続ける。次いで、シロップを、必要であれば、周囲温度に冷却する。
【0076】
このように調製したシロップは、清涼飲料水のための透明なシロップである。このシロップを1週間に亘り室温で貯蔵する。シロップは、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0077】
このように調製したシロップのアリコートをスロー用の水の5アリコート(「1+5スロー」)で希釈して、レモンライム風味の透明な清涼飲料水を生成する。この飲料を10週間に亘り室温で貯蔵する。この飲料は、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【実施例2】
【0078】
マイクロエマルジョンを、プロピレングリコールを使用して調製し、他の成分を加える前に多量の水に加えることを除いて、実施例1の方法にしたがって、レモンライム風味のシロップ、および1+5スローを使用してそれから製造した飲料を調製する。
【0079】
このように調製したシロップは、清涼飲料水のための透明なシロップである。このシロップを4週間に亘り室温で貯蔵する。シロップは、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0080】
このように調製したシロップのアリコートをスロー用の水の5アリコート(「1+5スロー」)で希釈して、レモンライム風味の透明な清涼飲料水を生成する。この飲料を6ヶ月間に亘り室温で貯蔵する。この飲料は、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【実施例3】
【0081】
緩衝液をマイクロエマルジョンに加えることを除いて、実施例1の方法にしたがって、レモンライム風味のシロップ、および1+5スローを使用してそれから製造した飲料を調製する。
【0082】
このように調製したシロップは、清涼飲料水のための透明なシロップである。このシロップを4週間に亘り室温で貯蔵する。シロップは、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0083】
このように調製したシロップのアリコートをスロー用の水の5アリコート(「1+5スロー」)で希釈して、レモンライム風味の透明な清涼飲料水を生成する。この飲料を6ヶ月間に亘り室温で貯蔵する。この飲料は、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【実施例4】
【0084】
レモンライム風味のシロップ、および1+5スローを使用してそれから製造した飲料を調製する。約50°F(10℃)と200°F(約93℃)の間の温度の多量の水を撹拌タンクに入れ、撹拌を開始する。
【0085】
緩衝液、甘味料、消泡剤、および栄養素などの成分をその多量の水にくわえる。これらの成分は、固体、液体、溶液、エマルジョン、または任意の形態で加えられる。次いで、撹拌を続けながら、バルク溶液に酸を加える。
【0086】
ソルビン酸カリウムを、油性材料を含有するレモンライム香味料中に溶解させる。加えたソルビン酸塩の料は、シロップ中のソルビン酸塩濃度が0.12質量パーセントとなるのに十分である。
【0087】
次いで、バルク溶液の温度を、必要であれば、約120°F(約49℃)未満に低下させ、撹拌を続けながら、ソルビン酸カリウムを含有するレモンライム香味料を加える。十分なブレンド後、所望の容積を達成するのに必要な追加の仕上げ水を加え、シロップが完全に混ざるまで、撹拌を続ける。次いで、シロップを、必要であれば、周囲温度に冷却する。
【0088】
このように調製したシロップは、清涼飲料水のための透明なシロップである。このシロップを7日間に亘り室温で貯蔵する。シロップは、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0089】
このように調製したシロップのアリコートをスロー用の水の5アリコート(「1+5スロー」)で希釈して、レモンライム風味の透明な清涼飲料水を生成する。この飲料を16週間に亘り室温で貯蔵する。この飲料は、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【実施例5】
【0090】
最初に、ソルビン酸カリウムを、トコフェロールを含有するコーラ香味料とブレンドし、次いで、プロセス中の任意の時間にシロップに加えることを除いて、実質的に実施例4の方法にしたがって、コーラ風味のシロップおよび飲料を調製する。
【0091】
このように調製したシロップは、コーラ風味の清涼飲料水のための黒いシロップである。このシロップを7日間に亘り室温で貯蔵する。シロップは、貯蔵期間中ずっと、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0092】
このように調製したシロップのアリコートをスロー用の水の5アリコート(「1+5スロー」)で希釈して、コーラ風味の清涼飲料水を生成する。この飲料を16週間に亘り室温で貯蔵する。この飲料は、貯蔵期間中ずっと、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【実施例6】
【0093】
レモンライム風味のシロップ、および1+5スローを使用してそれから製造した飲料を調製する。約50°F(10℃)と200°F(約93℃)の間の温度の多量の水を撹拌タンクに入れ、撹拌を開始する。
【0094】
緩衝液、甘味料、消泡剤、および栄養素などの成分をその多量の水にくわえる。これらの成分は、固体、液体、溶液、エマルジョン、または任意の形態で加えられる。次いで、撹拌を続けながら、バルク溶液に酸を加える。
【0095】
ソルビン酸カリウムおよびポリソルベート20を水に溶かす。加えたソルビン酸塩の料は、シロップ中のソルビン酸塩濃度が0.12質量パーセントとなるのに十分である。撹拌を続けながら、この溶液をバルク溶液に加える。
【0096】
次いで、バルク溶液の温度を、必要であれば、約120°F(約49℃)未満に低下させ、撹拌を続けながら、レモンライム香味料を加える。十分なブレンド後、所望の容積を達成するのに必要な追加の仕上げ水を加え、シロップが完全に混ざるまで、撹拌を続ける。次いで、シロップを、必要であれば、周囲温度に冷却する。
【0097】
このように調製したシロップは、清涼飲料水のための透明なシロップである。このシロップを7日間に亘り室温で貯蔵する。シロップは、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0098】
このように調製したシロップのアリコートをスロー用の水の5アリコート(「1+5スロー」)で希釈して、レモンライム風味の透明な清涼飲料水を生成する。この飲料を16週間に亘り室温で貯蔵する。この飲料は、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【実施例7】
【0099】
他の成分を加える前に、ソルビン酸カリウムおよびポリソルベート20を含有する溶液を多量の水に加えたことを除いて、実施例6の方法にしたがって、レモンライム風味のシロップ、および1+5スローを使用してそれから製造した飲料を調製する。
【0100】
このように調製したシロップは、清涼飲料水のための透明なシロップである。このシロップを7日間に亘り室温で貯蔵する。シロップは、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0101】
このように調製したシロップのアリコートをスロー用の水の5アリコート(「1+5スロー」)で希釈して、レモンライム風味の透明な清涼飲料水を生成する。この飲料を16週間に亘り室温で貯蔵する。この飲料は、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【実施例8】
【0102】
ソルビン酸カリウムおよびポリソルベート20を含有する溶液に緩衝液を加えることを除いて、実施例6の方法にしたがって、レモンライム風味のシロップ、および1+5スローを使用してそれから製造した飲料を調製する。
【0103】
このように調製したシロップは、清涼飲料水のための透明なシロップである。このシロップを7日間に亘り室温で貯蔵する。シロップは、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0104】
このように調製したシロップのアリコートをスロー用の水の5アリコート(「1+5スロー」)で希釈して、レモンライム風味の透明な清涼飲料水を生成する。この飲料を16週間に亘り室温で貯蔵する。この飲料は、透明なままであり、固体の沈殿物、沈積物、結晶、綿状沈殿物、曇り、または濁りがない。
【0105】
本発明を、本発明を実施する現在好ましい形態を含む特定の実施例について記載してきたが、付随の特許請求の範囲に述べられた本発明の精神および範囲に含まれる上述したシステムおよび技法には、数多くのバリエーションと順列があることが当業者には認識されるであろう。例えば、本発明の実施の形態において、他の透明な飲料が製造され、本発明の実施の形態において、他の非水性溶媒が使用される。
【0106】
他の実施態様
1.安定な保存シロップの製造中および貯蔵中のソルビン酸の沈殿を減少させる方法において、
(a) ソルビン酸、非水性溶媒、および界面活性剤を含むマイクロエマルジョンを形成する工程、
(b) 多量の液体中でシロップ成分を組み合わせる工程、および
(c) 前記マイクロエマルジョンを前記液体に加える工程、
を有してなる方法。
2.前記界面活性剤が、ポリソルベートおよびポリソルベートのブレンドからなる群より選択される、実施態様1記載の方法。
3.前記シロップ中のポリソルベートの濃度が0.5ppmと200ppmの間である、実施態様2記載の方法。
4.前記非水性溶媒が、プロピレングリコール、エタノール、クエン酸、ベンジルアルコール、トリアセチン、リモネン、植物油、中鎖トリグリセリド、柑橘香味料油、およびそれらのブレンドからなる群より選択される、実施態様1から3いずれか1項記載の方法。
5.前記マイクロエマルジョンが、水および前記非水性溶媒と混和性である共溶媒をさらに含む、実施態様1から4いずれか1項記載の方法。
6.前記共溶媒が、60:40のプロピレングリコールとエタノールの組合せ、90:10のエタノールとクエン酸の組合せ、およびそれらのブレンドからなる群より選択される、実施態様5記載の方法。
7.安定な保存シロップの製造中および貯蔵中のソルビン酸の沈殿を減少させる方法において、
(a) ソルビン酸化合物を前記シロップ中の油性成分中に溶解させる工程、
(b) 多量の液体中でシロップ成分を組み合わせる工程、および
(c) 前記ソルビン酸化合物を含有する油性成分を前記液体に加える工程、
を有してなる方法。
8.前記油性成分が、油性栄養素、油性香味料、油性香味料化合物、油性酸化防止剤、およびそれらのブレンドからなる群より選択される、実施態様7記載の方法。
9.前記油性成分が、トコフェロール、トコトリエノール、柑橘香味料、TBHQ、BHT、BHA、およびそれらのブレンドからなる群より選択される、実施態様7または8記載の方法。
10.前記ソルビン酸化合物が、ソルビン酸のアルカリ金属塩およびそれらのブレンドからなる群より選択される、実施態様7から9いずれか1項記載の方法。
11.前記ソルビン酸化合物がソルビン酸カリウムである、実施態様7から10いずれか1項記載の方法。
12.安定な保存シロップの製造中および貯蔵中のソルビン酸の沈殿を減少させる方法において、
(a) ソルビン酸化合物およびポリソルベートを流体中に溶解させる工程、
(b) 多量の液体中でシロップ成分を組み合わせる工程、および
(c) 前記ソルビン酸化合物を含有する溶液を前記液体に加える工程、
を有してなる方法。
13.前記シロップ中のポリソルベートの濃度が0.5ppmと200ppmの間である、実施態様12記載の方法。
14.前記シロップ中のポリソルベートの濃度が1ppmと150ppmの間である、実施態様13記載の方法。
15.前記シロップ中のポリソルベートの濃度が5ppmと100ppmの間である、実施態様14記載の方法。
16.記ソルビン酸化合物が、ソルビン酸を含有する、もしくはシロップと飲料の製造中に見られる条件下でソルビン酸に転化されるか、またはソルビン酸を遊離する化合物と組成物、およびそれらのブレンドからなる群より選択される、実施態様7から9および12から15いずれか1項記載の方法。
17.前記ソルビン酸化合物が、ソルビン酸、ソルビン酸のアルカリ金属塩、およびそれらのブレンドからなる群より選択される、実施態様7から9および12から15いずれか1項記載の方法。
18.前記シロップ中のソルビン酸の濃度が1300ppm未満である、実施態様1から17いずれか1項記載の方法。
19.安定な保存シロップを希釈することによって調製された安定な保存飲料の製造中および貯蔵中のソルビン酸の沈殿を減少させる方法において、実施態様1から18いずれか1項記載の各工程を含み、さらに、
(d) 前記安定な保存シロップを、前記安定な保存飲料を製造するのに十分な量の流体と混合する工程、を含む方法。
20. 前記飲料中のソルビン酸の濃度が500ppm未満である、実施態様19記載の方法。