特許第6146721号(P6146721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6146721
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】飲料ディスペンサシステム
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/32 20060101AFI20170607BHJP
   B67D 3/00 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   B65D81/32 T
   B67D3/00 J
【請求項の数】16
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-124626(P2015-124626)
(22)【出願日】2015年6月22日
(62)【分割の表示】特願2011-525244(P2011-525244)の分割
【原出願日】2009年8月28日
(65)【公開番号】特開2015-199549(P2015-199549A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2015年7月22日
(31)【優先権主張番号】61/093,090
(32)【優先日】2008年8月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/146,156
(32)【優先日】2009年1月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593203701
【氏名又は名称】ペプシコ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PepsiCo Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】カルロス エルナン マリナ
(72)【発明者】
【氏名】リカルド ルイス デ ゴペグイ
(72)【発明者】
【氏名】アグネーテ エンガ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン フェーヴル ダルシエ
(72)【発明者】
【氏名】ティム コネリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン シーダー
(72)【発明者】
【氏名】タッカー フォート
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0289316(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/081210(WO,A1)
【文献】 特開2006−188286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/32
B67D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ、開口部および該開口部の縁部に取り付けられて前記開口部を覆うように配置されたシールを有するポッドと、
前記チャンバ内に収容された飲料成分と、
前記ポッドに取り付けられた、保持部を有するキャップであって、前記保持部が、1つ以上のフラップを前記保持部上に生成する切り抜き部を有し、圧を加えられることによって折り込まれた前記フラップが前記シールを破ることによって、前記飲料成分を放出するキャップと、を有することを特徴とする飲料用のカートリッジ。
【請求項2】
前記飲料成分が、シロップ、ペースト、粉末または顆粒を含むことを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記飲料成分が、液体を含むことを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記飲料成分が混合用液に放出されて、飲料が生成されることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記カートリッジが飲料ディスペンサシステムと係合している間に、前記シールの穴開けが可能であることを特徴とする請求項1記載のカートリッジ。
【請求項6】
第1のチャンバと、
該第1のチャンバ内に収容された第1の飲料成分と、
第2のチャンバと、
該第2のチャンバ内に収容された、前記第1の飲料成分とは異なる第2の飲料成分と、
前記第1のチャンバ、開口部および該開口部の縁部に取り付けられて前記開口部を覆うように配置されたシールを有するポッドと、
前記ポッドに取り付けられた、保持部を有するキャップであって、前記保持部が、1つ以上のフラップを前記保持部上に生成する切り抜き部を有し、圧を加えられることによって折り込まれた前記フラップが前記シールを破ることによって、前記第1の飲料成分および第2の飲料成分を放出するキャップと、
を有することを特徴とする飲料用のカートリッジ。
【請求項7】
前記第2の飲料成分が前記第2のチャンバ内に密封されることを特徴とする請求項6記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記切り抜き部が湾曲していることを特徴とする請求項6記載のカートリッジ
【請求項9】
前記切り抜き部が直線状であることを特徴とする請求項6記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記切り抜き部が円形を有していることを特徴とする請求項6記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記保持部が少なくとも2つの前記切り抜き部を有することを特徴とする請求項6記載のカートリッジ。
【請求項12】
少なくとも1つの前記フラップが前記シールに穴を開ける表面を有することを特徴とする請求項6記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記第1の飲料成分および前記第2の飲料成分が混合用液内に放出されて飲料が生成されることを特徴とする請求項6記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記カートリッジが飲料ディスペンサシステムと係合している間に、前記シールの穴開けが可能であることを特徴とする請求項6記載のカートリッジ。
【請求項15】
飲料を生成する方法であって、該方法が、
1つ以上の飲料成分を収容するカートリッジであって、チャンバ、開口部及び該開口部の縁部に取り付けられて該開口部を覆うように配置されたシールを有するポッドを有するとともに、前記ポッドの上部に取り付けられる、1つ以上のフラップを形成する切り抜き部が形成された保持部を有するキャップを有するカートリッジを、係合アセンブリを有する取り付け機構に挿入する工程と、
前記カートリッジと前記係合アセンブリを係合させ、前記カートリッジに圧を加えることによって前記キャップを破って開き、前記フラップを折り込んで、前記シールを破る工程と、
前記ポッドの1つ以上の前記飲料成分を溶液中に放出する工程と、を有することを特徴とする飲料を生成する方法。
【請求項16】
飲料用のカートリッジであって、
第1チャンバ、第2チャンバ、開口部および該開口部の縁部に取り付けられて該開口部を覆うように配置されたシールを有するポッドであって、前記シールが切断可能且つ折り込まれることが可能であるポッドと、
前記第1のチャンバ内に収容された第1の飲料成分と、
前記第2のチャンバ内に収容された、前記第1の飲料成分とは異なる第2の飲料成分と、
前記ポッドの上部に取り付けられたキャップであって、該キャップが該キャップあるいは前記ポッドの上部のいずれかに密着された保持部を有し、該保持部が、圧を受けることによって折り込まれて前記シールを破って前記第1の飲料成分と前記第2の飲料成分を混合用液中に放出するフラップを前記保持部上に形成する切り抜き部を有し、前記飲料成分が前記混合用液と混合して飲料が生成される、キャップと、を有することを特徴とする飲料用のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本願は、2008年8月29日に出願された米国特許仮出願第61/093,090号および2009年1月21日に出願された米国特許仮出願第61/146,156号による優先権を主張するものであり、両出願の全体を本願明細書に参照して組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的に飲料ディスペンサに関し、具体的には、ポストミックス飲料システムに関する。
【背景技術】
【0003】
飲料は、様々な異なるタイプの容器に入れられて売買、配送および販売されることが知られている。用いられる容器のタイプは、例えば、飲料を販売する対象の消費者、配送チャネル、および/または販売される飲料の量等といった複数の要因に応じて異なり得る。この点において、消費者に対して販売される飲料は、プラスチックボトルに入れられて配送されることが多い。しかし残念ながら、プラスチックボトルの大部分は廃棄物として処分される。リサイクルの努力は高まっているものの、ボトルは、リサイクルを利用できないまたは実現できないエリアで購入および消費される。更に、ボトルを密封するために用いられるプラスチックの蓋は、一般的にリサイクル可能でなく、廃棄物となるか、更に悪い場合には、環境の至る所でごみとなる。更に、これらの無駄の多いプラスチックボトルは「マルチパック」としても市販されており、個々のボトルをマルチパックとしてまとめて収容するには、シュリンク包装やボール紙等の更なる包装を用いなければならない。従って、このような従来の配送機構は、大量の望ましくない不必要な廃棄物を生じる。
【0004】
環境への悪影響に加えて、ほとんどの従来の容器は、小売環境およびエンドユーザの家庭などの場所において、貴重な空間を用いる。「ポストミックス」システムとして知られる過去のシステムは、水等の液体で希釈されるよう設計された濃縮飲料シロップを販売することによって、これらの欠点の一部を軽減しようと試みたものである。公知のポストミックスシステムは、プラスチックボトル等の他の配送機構に関連する廃棄物を低減するものであるが、これらのシステムは、大量の飲料を販売する小売店以外の消費者が用いるには複雑で厄介な、大きくて高価なシステムを必要とする。たとえそのような小売店であっても、この従来のポストミックスシステムを維持するための知識およびコストは不都合である。更に、過去のシステムは、正確な量のシロップが適切に液体と組み合わされることを確実にするために、定期的な較正を要することが知られている。この点について、機械の何らかの較正ミスまたは不具合は、数人の顧客が飲料の味について苦情を伝えてから発見されることが多く、液体に対するシロップの割合を確認して直すには、更に時間を要する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、本発明の少なくとも一部の態様の基本的な理解を提供するために、本発明の態様の一般的な要旨を示す。この要旨は、本発明の広範な概要として意図されるものではない。この要旨は、本発明の主要なまたは重要な要素を特定することや、本発明の範囲を明確に記述することを意図するものではない。以下の要旨は、単に、後述する詳細な説明の前置きとして、本発明の幾つかの概念を一般的な形態で示すものである。
【0006】
本発明の複数の態様は、容器と、該容器内に配置された取り付け機構と、該取り付け機構と係合するよう構成されたカートリッジとを備えた飲料ディスペンサシステムに関する。取り付け機構は、係合アセンブリ、穿孔部、および弁を有し得る。カートリッジは、ポッドおよびキャップを有する。ポッドは、チャンバ、開口部、および該開口部を覆うよう配置されたカバーを有し、キャップはチャンバの上部に取り付けられる。更に、カートリッジが取り付け機構と係合すると、係合アセンブリが取り付け機構内でカートリッジを保持し、穿孔部がキャップおよびカバーに穴を開け、弁が容器の中へと延出する。
【0007】
本発明の更なる態様は、フォイル保持部を有するキャップに関し、カートリッジが係合アセンブリと係合すると、穿孔部がフォイル保持部を押圧することにより、フォイル保持部でカバーに穴を開ける。更に、フォイル保持部は、カバーがカートリッジの開口部を覆って閉じないようにカバーを保持し得る。
【0008】
本発明の更なる態様は、一般的に円形の容器であるカートリッジおよびポッドに関する。更に、カートリッジは1以上の飲料成分を保持してもよい。飲料成分は、シロップ、ペースト、粉末、または顆粒を含むリストから選択され得る。
【0009】
本発明の更なる態様は、第1の開口部および第2の開口部を有するハウジングと、ドーム型の容器として画成されたカートリッジとを備えた飲料システムに関する。カートリッジは飲料成分を収容しており、第1の開口部内に受け入れられるサイズおよび形状を有する。カートリッジは、カートリッジ内の飲料成分を密封するためにカートリッジにわたって配置されたシール材料を有し得る。飲料システムは、水供給システムも有し得る。水供給システムは、一端部が水供給源に動作可能に接続され且つ他端部が針部に動作可能に接続された水供給ラインを有し得る。針部は、シール材料およびカートリッジに穴を開けるための先が尖った開放端を画成し得る。更に、針部がカートリッジの中に配置されたら、水がカートリッジ内へと通され、所望の飲料を構成するために飲料成分と混合される。更に、第2の開口部は、飲料カップを受け入れるためのサイズおよび形状を有し得る。飲料カップは、飲料システムからの所望の飲料を保持できる。
【0010】
本発明の更なる態様は、飲料ディスペンサシステムを用いて飲料を作る方法に関する。本方法は、(a)チャンバ、開口部、および該開口部を覆うよう配置されたカバーを有するポッドとキャップとを備えたカートリッジを、容器に挿入する工程と、(b)容器内に配置され、係合アセンブリ、穿孔部および弁を有する取り付け機構の中へと、カートリッジを回転させるかまたは配置する工程と、(c)カートリッジに圧を加えることにより、弁を容器の中へと解放し、穿孔部でカバーに穴を開ける工程と、(d)容器の内容物を混合する工程と、(e)容器からカートリッジを解放する工程とを備える。
【0011】
本発明およびその特定の長所のより完全な理解は、図面と共に以下の説明を参照することによって得られるであろう。図面中、類似の参照番号は類似の特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1-1】図1は、本発明による飲料ディスペンサシステムの斜視図
図1-2】図1Aは、本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの断面図
図2A1】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの一部の拡大図
図2A2】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの一部の拡大図
図2B1】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの一部の別の拡大図
図2B2】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの一部の別の拡大図
図3-1】図3は、本発明による図1の飲料ディスペンサシステムのための例示的なカートリッジを示す図
図3-2】図3Aは、本発明による図1の飲料ディスペンサシステムのための例示的なカートリッジを示す図
図3-3】図3Bは、本発明による図1の飲料ディスペンサシステムのための例示的なカートリッジを示す図
図3-4】図3Cは、本発明による図1の飲料ディスペンサシステムのための例示的なカートリッジを示す図
図3-5】図3Dは、本発明による図1の飲料ディスペンサシステムのための例示的なカートリッジを示す図
図4A】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの動作を示す斜視図
図4B】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの動作を示す斜視図
図4C】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの動作を示す斜視図
図4D】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの動作を示す斜視図
図4E】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの動作を示す斜視図
図4F】本発明による図1の飲料ディスペンサシステムの動作を示す斜視図
図5A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための容器の様々な例を示す図
図5B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための容器の様々な例を示す図
図6A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための容器の様々な例を示す図
図6B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための容器の様々な例を示す図
図7A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための容器の様々な例を示す図
図7B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための容器の様々な例を示す図
図8A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための容器の様々な例を示す図
図8B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための容器の様々な例を示す図
図9A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図9B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図10A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図10B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図11A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図11B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図12A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図12B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図13A】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図13B】本発明による飲料ディスペンサシステムのための取り付け機構の様々な例を示す図
図14A】本発明による例示的なポッド半体カートリッジを示す図
図14B】本発明による例示的なポッド半体カートリッジを示す図
図14C】本発明による例示的なポッド半体カートリッジを示す図
図15】本発明による別の飲料システムの様々な例を示す図
図16】本発明による別の飲料システムの様々な例を示す図
図17】本発明による別の飲料システムの様々な例を示す図
図18A】本発明による多くの構成において用いられ得る飲料システムの様々な例を示す図
図18B】本発明による多くの構成において用いられ得る飲料システムの様々な例を示す図
図18C】本発明による多くの構成において用いられ得る飲料システムの様々な例を示す図
図19】本発明による多くの構成において用いられ得る飲料システムの様々な例を示す図
図20】本発明による多くの構成において用いられ得る飲料システムの様々な例を示す図
図21】本発明による多くの構成において用いられ得る飲料システムの様々な例を示す図
図22】本発明による多くの構成において用いられ得る飲料システムの様々な例を示す図
図23】本発明による多くの構成において用いられ得る飲料システムの様々な例を示す図
図24】本発明による飲料システムの別の例を示す図
図25】本発明による図15図17の飲料システムと共に用いられる例示的な針部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の本発明の様々な例の説明では、本願明細書の一部を構成する添付の図面を参照する。なお、添付の図面は必ずしも縮尺通りではない。図面には、説明のために、本発明の態様が実施され得る構造、システムおよび工程の様々な例が示されている。部品、構造、例示的な装置、システムおよび工程の他の具体的な構成が用いられてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的および機能的な変形が行われ得ることを理解されたい。また、本発明の様々な例示的な特徴および要素を説明するために、本願明細書において「上」、「下」、「前」、「後」、「側方」等の用語が用いられ得るが、本願明細書において、これらの用語は、例えば図面に示されている例示的な向きに基づいて、便宜的に用いられるものである。本願明細書のどの開示も、本発明の範囲に含まれるためには構造の具体的な三次元の向きを必要とするものと解釈されるべきではない。
【0014】
図1は、本発明による飲料ディスペンサシステム100の一例を示す。飲料ディスペンサシステム100は、容器110と、取り付け機構120と、カートリッジ150とを有する。容器110は、カートリッジ150の内容物と混合される混合用溶液または混合用液(例えば水等)を保持してもよい。取り付け機構120は、容器110内に配置されるのが一般的である。容器110の中に注がれるカートリッジ150を開き、それによってカートリッジ150の内容物を容器110内の液体と組み合わせて飲用可能な飲料を作るために、カートリッジ150は取り付け機構120と係合するのが一般的である。
【0015】
図1に示されるように、容器110は、ボトルの形状であるのが一般的である。容器110は、本発明から逸脱することなく、他の様々な形状であってもよい。容器110は、キャップ112を有し得る。キャップ112は、容器110の上部の開口部を密封し得る。ユーザは、容器110のこの開口部から飲むことができる。更に、容器110は、基部またはベゼル114を有し得る。カートリッジ150を取り付け機構120と係合させるために、カートリッジ150は基部またはベゼル114を通って挿入され得る。図1に示されるように、この基部またはベゼル114は、容器110の底部に配置される。基部またはベゼル114は、以下で述べるように、本発明から逸脱することなく、容器110の異なる領域に配置されてもよい。
【0016】
図1および図1Aに示されるように、取り付け機構120は、係合アセンブリ122、穿孔部124、および弁アセンブリ126を有する。係合アセンブリ122は、取り付け機構120内でカートリッジ150を受け入れるのが一般的である。穿孔部124はカートリッジ150に穴を開けるのが一般的であり、それによってカートリッジ150の内容物を容器110の中へと解放する。カートリッジ150が取り付け機構120と係合した際に、弁アセンブリ126は開くのが一般的であり、それによって容器110の内容物とカートリッジ150の内容物との混合を可能にする。
【0017】
係合アセンブリ122は、容器110内でカートリッジ150と係合して保持する係止機構128を有し得る。係止機構128は、カートリッジ150の形状と合ってカートリッジ150と係合するリブ130を有し得る。係止機構128はばね(図1Aには図示せず)も有してもよく、カートリッジ150が係合アセンブリ122に挿入されると、ばねはカートリッジ150に、リブ130とより容易に係合するための付勢力を与える。更に、係止機構128は、カムまたはレバー134を有してもよく、後で説明するように、カートリッジ150が係止位置にスナップ式に嵌った際、穿孔部124と弁アセンブリ126とが係合するようになっている。ばねは、カートリッジ150が係止位置にスナップ式に嵌った際に、カートリッジ150に対して付勢してもよい。
【0018】
更に、係合アセンブリ122は解放機構136を有し得る。解放機構136は、カートリッジ150を解放するために係止機構128を解放する。解放機構136は回転ベゼルの形態であってもよく、この場合、ユーザは(図4Fに示されるように)ベゼルを回転させることによって、カートリッジ150を解放できる。ベゼルの回転により、カートリッジ150が放出され、取り付け機構120が開始位置に戻され得る。更に、解放機構136は、解放ボタンまたは解放レバーの形態であってもよく、この場合、ユーザは、カートリッジ150を解放するために、解放ボタンを押すか、または解放レバーをスライドさせる。本発明から逸脱することなく、カートリッジ150を解放するための他の手段が係合アセンブリ122と共に用いられてもよい。
【0019】
係合アセンブリ122は、カートリッジシール部138も有し得る。カートリッジ150が係止位置にスナップ式に嵌った際に、カートリッジシール部138が、カートリッジ150の上部の周囲の領域を係合アセンブリ122に対して密封する。カートリッジシール部138は、混合処理中に、液体または溶液がカートリッジ150内に収容されるのを確実にする。カートリッジシール部138は、ガスケット、O−リング、グロメット、または本発明に従った他の密封構造を有し得る。カートリッジシール部138は、ゴム、プラスチック、金属、または本発明に従った他の材料で作られ得る。
【0020】
図1に示されるように、取り付け機構120の穿孔部124は、開口構造140を有し得る。穿孔部124は、カムまたはレバー134と協働するよう係合され得るものであり、カートリッジ150が係合アセンブリ122の中に押し込まれると、カートリッジ150が穿孔部124に対して押しつけられ、穿孔部124がポッド152の開口部158の中へとスライドするようになっている。開口構造140は、カートリッジ150のカバー160に穴を開け、それによってポッド152のカバー160を破ってカートリッジ150の内容物と容器110の内容物との混合を可能にするのに十分な鋭さを有し得る。
【0021】
本発明による別の例では、開口構造140は、後で説明するフォイル保持部166と協働し、フォイル保持部166のフラップまたは保持部170と特に対応する形状を有し得る。この例では、カートリッジ150が穿孔部124に対して押しつけられると、開口構造140は、フォイル保持部166、具体的にはフォイル保持部166のフラップまたは保持部170に圧を加える。開口構造140からの圧によってフラップ170が破れてカバー160(あれば)の中へと折り込まれ、それによってポッド152のカバー160に穴を開け、カートリッジ150の内容物と容器110の内容物との混合を可能にする。なお、開口構造140がフォイル保持部166を十分に圧して破るには、開口構造140の具体的な配置および構成が、フォイル保持部166のフラップ170の形状と合っていなければならないことに留意することが重要である。開口構造140の形状とフォイル保持部166のフラップ170の形状とが合わない場合には、カートリッジ150が係止位置に押し込まれた際に、カバー160が破れない可能性がある。
【0022】
穿孔部124は、内部シール部142も有し得る。内部シール部142は、カートリッジ150が係止位置にスナップ式に嵌った際に、開口構造140の周囲の領域を密封する。内部シール部142は、混合処理中に、液体または溶液がカートリッジ150内に収容されるのを確実にする。
【0023】
図1Aに示されるように、カートリッジ150が取り付け機構120と係合した際に、弁アセンブリ126は開くのが一般的であり、それにより、容器110の内容物とカートリッジ150の内容物との混合を可能にする。弁アセンブリ126は、弁144およびエレベータ146を有し得る。弁144は、エレベータ146と、並びに係合アセンブリ122のカムまたはレバー134と、協働するよう係合され得るものであり、カートリッジ150が係止位置にスナップ式に嵌り、係合アセンブリ122のカムまたはレバー134と係合した際、弁144が閉止位置から開口位置へと移動されるようになっている。一般的に、カートリッジ150に圧が加えられ、カートリッジ150が係止位置にスナップ式に嵌ると、エレベータ146が移動して、それによって弁144と係合し、弁144を開口位置へと移動させる。
【0024】
図2Aに示されるように、本発明による一例では、弁アセンブリ126は、ドア型の弁144Aの形態であり得る。図2Aに示されるように、弁144Aは片側をヒンジで連結されていてもよく、カートリッジ150Aに圧が加えられ、それによってエレベータ146Aおよびばね132Aに圧が加えられると、弁144Aが開口位置および容器110の中へとスイングするようになっている。更に、カートリッジ150Aが押されると、開口構造140Aがカートリッジ150Aの中へと移動する。弁144Aが開口位置、即ち容器110の中へとスイングしたら、カートリッジ150の内容物Aと容器110の内容物とを混合できる。
【0025】
図2Bに示されるように、本発明による別の例では、弁アセンブリ126は、プランジャ型の弁144Bの形態であり得る。図2Bに示されるように、カートリッジ150Bに圧が加えられ、それによってエレベータ146Bおよびばね132Bに圧が加えられると、弁144Bは一体のものとして容器110の中へとスライドし得る。エレベータ146Bが弁144Bに押し付けられると、弁144Bは閉止位置から開口位置および容器110の中へと移動する。更に、カートリッジ150Bが押されると、開口構造140Bがカートリッジ150Bの中へと移動する。弁144Bが開口位置へとスライドしたら、カートリッジ150の内容物Bと容器110の内容物とを混合できる。
【0026】
弁アセンブリ126は、弁シール部148も有し得る。弁シール部148は、カートリッジ150が係止位置にスナップ式に嵌っていないときに、弁144と容器110との間の領域を密封する。係合アセンブリ122内でのカートリッジ150の係合の前に、容器110は液体を収容していてよく、弁シール部148は、カートリッジ150が存在せず弁144が閉止位置にあるときに、液体または溶液が容器110内に収容されるのを確実にする。弁シール部148は、ガスケット、O−リング、グロメット、または本発明に従った他の密封構造を有し得る。弁シール部148は、ゴム、プラスチック、金属、または本発明に従った他の材料で作られ得る。
【0027】
図3および図3Aに示されるように、カートリッジ150は、ポッド152およびキャップ154を有し得る。カートリッジ150は、係合アセンブリ122において取り付け機構120と係合するよう構成されている。カートリッジ150は1以上の飲料成分を保持してもよい。飲料成分は、シロップ、ペースト、粉末、顆粒、または他の組成物を含むリストから選択され得る。更に、カートリッジ150は、栄養素やビタミン等といった、本発明に従った他の成分や香味料を保持してもよい。
【0028】
ポッド152は、シロップ、ペースト、粉末、顆粒または他の組成物を保持できる容器であるのが一般的である。図3および図3Aに示されるように、ポッド152は、チャンバ156、開口部158、およびカバー160を有する円形の構造である。カバー160は、ポッド152の開口部158を覆うよう配置され得る。係合部162は、開口部158の近くに配置され得る。係合部162は、キャップ154と係合するスナップ構造であり得る。更に、ポッド152の係合部162は、キャップ154のねじ構造と係合し得るねじ山を有してもよい。
【0029】
図3Cおよび図3Dに示されるように、カバー160は、ポッド152の開口部158を覆うよう配置されたフォイルシールであり得る。カバー160は、ポッド152の開口部158の縁部に取り付けられ得る。カバー160は、本発明に従った様々な異なる材料で作られてよい。例えば、アルミニウムとシールコーティング若しくはポリエチレンのようなシールポリマーでラミネートされたものであってもよく、金属化二軸配向ポリプロピレンとシールコーティング若しくはポリエチレンのようなシールポリマーでラミネートされたものであってもよく、または、金属化ポリエステルとシールコーティング若しくはポリエチレンのようなシールポリマーでラミネートされたものであってもよい。
【0030】
本発明による更に別の例では、ポッド152は係止部164を有し得る。カートリッジ150を取り付け機構120にスナップ式に嵌らせるために、係止部164は取り付け機構120の係合アセンブリ122と係合され得る。
【0031】
図3Cに示されるように、キャップ154は、チャンバ156の上部に取り付けられ得る。キャップ154はスナップ式に嵌るタイプのキャップであってもよく、この場合、キャップ154チャンバ156の上部にスナップ式に嵌る。キャップ154は、チャンバ156の上部にねじ式に留められることによって、チャンバ156の上部に取り付けてもよい。キャップ154は、本発明から逸脱することなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、Hyguard(商標)、Celox(商標)等の成分のような脱酸素剤を収容した内部ライナーを有するポリエチレン若しくはポリプロピレンの閉止材等といった、様々な異なる材料で作られ得る。
【0032】
本発明による更に別の例では、キャップ154はフォイル保持部166を有し得る。フォイル保持部166は、キャップ154の中心に配置された円盤の形状であり得る。フォイル保持部166は切り抜き部168を有してもよく、それにより、フォイル保持部166の、圧が加わると破れるフラップまたは保持部170が構成される。これらのフラップ170は、上述したように、開口構造140と特に協働するよう設計される。開口構造140がフラップ170に押しつけられ、フラップ170が押し開けられると、フラップ170はカバー160に穴を開けてポッド152の中へと折り込まれ、それにより、カバー160の穴が開いて切断された部分が開いた状態に保持され、カートリッジ150の内容物と容器110の内容物とを自由に混合できるようになる。図3Aに示されるように、切り抜き部168は十字形であってもよく、それによって4つの三角形のフラップ170が構成される。本発明による他の例では、フォイル保持部166A〜166Hは図3Bに示されるような形状の切り抜き部168およびフラップ170を有し得る。切り抜き部168およびフラップ170には、本発明から逸脱することなく、更に別の形状が用いられてもよい。フォイル保持部166をキャップ154と共に用いる場合には、カバー160は用いられても用いられなくてもよい。フォイル保持部166は、本発明から逸脱することなく、ポリエチレン、ポリプロピレン、または、Hyguard(商標)、Celox(商標)等の成分のような脱酸素剤を収容した内部ライナーを有するポリエチレン若しくはポリプロピレンの閉止材等といった、様々な異なる材料で作られてよく、または、開口構造140から圧が加えられると破れるのに十分な柔軟性を有し、且つカバー160に穴を開けて適切な位置に留まることにより、カバー160を開いた状態に保持するのに十分な硬さを有する他の任意の材料で作られてよい。図3Cおよび図3Dに示されるように、カートリッジ150はカバー160を有さずにキャップ154を有してもよく、または、カートリッジ150はカバー160を有してキャップ154を有さなくてもよい。
【0033】
本発明による更に別の例では、キャップ154は位置決め部172を有し得る。図3Aに示されるように、位置決め部172は、カートリッジ150を取り付け機構120内に適切に配置するために、係合アセンブリ122と係合する。
【0034】
ポッド152は、本発明から逸脱することなく様々な材料で作られ得る。例えば、ポッド152はポリエチレンテレフタレート(PET)で作られてもよい。更に、ポッド152は、PETと、SiOx若しくは非晶質炭素のプラズマ応用コーティング、ポリアミド、ポリグリコール酸、Amosorb(商標)、DiamondClear(商標)、またはHyguard(商標)の成分のような、パッシブバリア材料および/または脱酸素剤との組み合わせ(混合により、および/または多層構造を用いることにより)によって作られてもよい。更に、ポッド152は、ポリエチレンまたはポリプロピレンと、ポリアミド、エチレンビニルアルコールのような、パッシブバリア材料および/または脱酸素剤との組み合わせ(混合により、および/または多層構造を用いることにより)によって作られてもよい。更に、ポッド152はアルミニウムで作られてもよい。ポッド152には、本発明に従った他の材料も用いられ得る。例えば、酸素の影響を受けやすい何らかの飲料や他の製品を保護すると共に過剰な水の損失を回避するために、材料単独で、またはバリアシステムと組み合わせて用いられてもよい。
【0035】
図4A図4Fは、本発明の例による飲料ディスペンサシステムの動作を示す。上述の飲料ディスペンサシステム100の準備が図4A図4Fに示されている。図4Aに示されるように、容器110の基部に配置されている取り付け機構120に、カートリッジ150が挿入される。カートリッジ150は、キャップが取り付け機構120に向かう状態で挿入され得る。
【0036】
図4Bに示されるように、カートリッジ150が適切な位置に配置されるのを確実にするために、カートリッジ150は回転され得る。カートリッジ150を取り付け機構120内に適切に配置するために、キャップに配置された位置決め部172が係合アセンブリ122と係合する。更に、カートリッジ150が取り付け機構120に挿入されると、カートリッジシール部138が、カートリッジ150の上部の周囲の領域を係合アセンブリ122に対して密封する。カートリッジシール部138は、混合処理中に液体または溶液がカートリッジ150内に収容されるのを確実にする。
【0037】
図4Cに示されるように、カートリッジ150は取り付け機構120の中に押し込まれ、それによって係合アセンブリ122と係合し、カートリッジ150は係止位置に押し込まれる。カートリッジ150が係合アセンブリ122と係合すると、穿孔部124の開口構造140が、ポッド152の開口部およびカバー160に穴を開け、それにより、カートリッジ150の内容物を容器110の中へと解放する。更に、カートリッジ150が係合アセンブリ122と係合すると、弁アセンブリ126が係合され、弁シール部148が容器110から解放される。弁144は容器110の中へと開く。開口部158およびカバー160に穴が開けられ、弁144が開くと、容器110の内容物とカートリッジ150の内容物とを混合できる。
【0038】
図4Dに示されるように、容器110の内容物とカートリッジ150の内容物とを混合するために、容器110は回転されるかまたは振られ得る。この振る動きにより内容物が混合され、所望の飲料が構成される。図4Eに示されるように、この時点で飲料は消費可能な状態になっている。
【0039】
ユーザによって飲料が消費されたら、解放機構136を用いることによってカートリッジ150を取り付け機構120から解放できる。図4Fに示されるように、解放機構136は回転ベゼルであり、カートリッジ150を放出して、取り付け機構120を開始位置に戻す。上記で説明したように、解放機構136は解放ボタンまたは解放レバーの形態であってもよい。
【0040】
本発明によれば、飲料装置または飲料機は、上述した容器110と同じ動作を行い得る(装置は図示せず)。飲料装置は、上述したものと類似の取り付け機構120を有し得る。この場合、カートリッジ150は取り付け機構120に挿入され得る。更に、所望の飲料を保持するために、飲料装置の下または内部にグラスまたはカップを配置してもよい。
【0041】
カートリッジ150が飲料装置の取り付け機構120に挿入された後、カートリッジ150は取り付け機構120の中に押し込まれ得る。それにより、カートリッジ150が係止位置に押し込まれる。カートリッジ150が取り付け機構と係合すると、開口構造140がカートリッジ150のカバー160に穴を開け、それにより、カートリッジ150の内容物を容器110の中へと解放する。カバー160に穴が開いたら、第1の供給源からの計量された量の水または他の液体が、カートリッジ150を通って勢いよく流され得る。更に、第2の供給源からの計量された量の水または他の液体が、直接グラスの中へと勢いよく流され得る。これらの第1および第2の勢いのある流れは、カートリッジ150の内容物が完全にグラス内に空けられると共に、カートリッジ150の内容物と水または他の液体とが必要に応じて完全に混合されるのを確実にするものである。
【0042】
更に、飲料装置は、容器110の内容物とカートリッジ150の内容物との混合を補助するために、グラスを回転させるかまたは振る機械的手段を有し得る。この振る動きにより、内容物が混合され、所望の飲料が構成される。ユーザによって飲料が消費されたら、カートリッジ150を飲料装置から取り外すことができる。
【0043】
図5A図8Bは、本発明の例による更に別の容器構成を示す。
【0044】
図5Aおよび図5Bは、容器510の上部に配置されたカートリッジ550を有する飲料ディスペンサシステム500を示す。図5Aおよび図5Bは、図1図4Fに関して上述したものと類似の本発明による例を示す(図5Aおよび図5Bでは、図1図4Fにおいて同じまたは類似の部分を示すために用いたものと同じまたは類似の参照番号を用いている)。図5Aに示されるように、本発明による別の例では、飲料ディスペンサシステム500は、容器510、取り付け機構520、およびカートリッジ550で構成されるのが一般的である。容器510は、カートリッジ550の内容物と混合される混合用溶液または混合用液(例えば水等)を保持してもよい。容器510の中に注がれるカートリッジ550を開き、それによってカートリッジ550の内容物と容器510内の液体とを組み合わせて飲用可能な飲料を作るために、カートリッジ550は取り付け機構520と係合するのが一般的である。
【0045】
この例の構成では、取り付け機構520は容器510の上部に配置されており、カートリッジ550が容器510の上部の取り付け機構520に挿入されるようになっている。更に、カートリッジ550が容器510に取り付けられた際に、ユーザが容器510から飲むことができるように、容器510は、カートリッジ550の周囲に位置する領域を有し得る。容器510は、カートリッジ550の周囲に、飲むための開口領域を有し得る。更に、容器510の側方には解放機構が配置され得る。解放機構は、解放ボタンまたは解放レバーの形態であり得る。この場合、ユーザは、カートリッジを解放するために、解放ボタンを押すか、または解放レバーをスライドさせる。取り付け機構520およびカートリッジ550は、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0046】
図6Aおよび図6Bは、容器610の上部に角度をつけて配置されたカートリッジ650を有する飲料ディスペンサシステム600を示す。図6Aおよび図6Bは、図1図4Fに関して上述したものと類似の本発明による例を示す(図6Aおよび図6Bでは、図1図4Fにおいて同じまたは類似の部分を示すために用いたものと同じまたは類似の参照番号を用いている)。図6Aおよび図6Bに示されるように、本発明による別の例では、飲料ディスペンサシステム600は、容器610、取り付け機構620、およびカートリッジ650で構成されるのが一般的である。容器610は、カートリッジ650の内容物と混合される混合用溶液または混合用液(例えば水等)を保持してもよい。容器610の中に注がれるカートリッジ650を開き、それによってカートリッジ650の内容物と容器610内の液体とを組み合わせて飲用可能な飲料を作るために、カートリッジ650は取り付け機構620と係合するのが一般的である。
【0047】
この例の構成では、取り付け機構620は、容器610の上部に角度をつけて配置されており、カートリッジ650が容器610の上部の角度で取り付け機構620に挿入されるようになっている。更に、容器610は、カートリッジ650に隣接して配置された飲み口616を有してもよく、カートリッジ650が容器610に取り付けられたら、ユーザが飲み口616を介して容器610から飲むことができるようになっている。更に、容器610の側方には解放機構636が配置され得る。解放機構636は、解放ボタンまたは解放レバーの形態であり得るこの場合、ユーザは、カートリッジ650を解放するために、解放ボタンを押すか、または解放レバーをスライドさせる。取り付け機構620およびカートリッジ650は、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0048】
図7Aおよび図7Bは、ヒンジ717を有する容器710と、容器710の中ほどに配置されたカートリッジ750とを有する飲料ディスペンサシステム700を示す。図7Aおよび図7Bは、図1図4Fに関して上述したものと類似の本発明による例を示す(図7Aおよび図7Bでは、図1図4Fにおいて同じまたは類似の部分を示すために用いたものと同じまたは類似の参照番号を用いている)。図7Aおよび図7Bに示されるように、本発明による別の例では、飲料ディスペンサシステム700は、容器710、取り付け機構720およびカートリッジ750で構成されるのが一般的である。容器710は、カートリッジの内容物と混合される混合用溶液または混合用液(例えば水等)を保持してもよい。容器710の中に注がれるカートリッジ750を開き、それによってカートリッジ750の内容物と容器710内の液体とを組み合わせて飲用可能な飲料を作るために、カートリッジは取り付け機構と係合するのが一般的である。
【0049】
この例の構成では、容器710は、容器710の上部718等のヒンジで連結された部分717を有し得る。この場合、図7Bに示されるように、上部718は開口位置へとスイングする。上部718が開口位置にあるとき、カートリッジ750を取り付け機構720に挿入できる。取り付け機構720は、容器710の中ほどの領域に配置されてもよく、上部718が開口位置にあるときにカートリッジ750が取り付け機構720に挿入されるようになっている。図7Aに示されるように、カートリッジ750が挿入された後、上部718はスイングして閉止位置に戻り得る。上部718が閉止位置にあるときに、飲料が混合されてもよく、ユーザが容器710から飲んでもよい。更に、容器710は、容器710の上部に配置された飲み口716を有し得る。更に、容器710の側方には解放機構が配置され得る。解放機構は、解放ボタンまたは解放レバーの形態であり得る。この場合、ユーザは、カートリッジ750を解放するために、解放ボタンを押すか、または解放レバーをスライドさせる。取り付け機構720およびカートリッジ750は、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0050】
図8Aおよび図8Bは、ヒンジ817を有する容器810と、容器810のヒンジで連結された部分818の中に配置されたカートリッジ850とを有する飲料ディスペンサシステム800を示す。図8Aおよび図8Bは、図1図4Fに関して上述したものと類似の本発明による例を示す(図8Aおよび図8Bでは、図1図4Fにおいて同じまたは類似の部分を示すために用いたものと同じまたは類似の参照番号を用いている)。図8Aおよび図8Bに示されるように、本発明による別の例では、飲料ディスペンサシステム800は、容器810、取り付け機構820およびカートリッジ850で構成されるのが一般的である。容器810は、カートリッジ850の内容物と混合される混合用溶液または混合用液(例えば水等)を保持してもよい。容器810の中に注がれるカートリッジ850を開き、それによってカートリッジ850の内容物と容器810内の液体とを組み合わせて飲用可能な飲料を作るために、カートリッジ850は取り付け機構820と係合するのが一般的である。
【0051】
この例の構成では、容器810は、容器810の蓋818等のヒンジで連結された部分817を有し得る。この場合、図8Bに示されるように、蓋818は開口位置へとスイングする。蓋818は、容器810の上部に配置された取り付け機構820を有し得る。蓋818が開口位置にあるとき、カートリッジ850は取り付け機構820に挿入され得る。図8Aに示されるように、カートリッジ850が挿入された後、蓋818はスイングして閉止位置に戻り得る。蓋818が閉止位置にあるときに、飲料が混合されてもよく、ユーザが容器810から飲んでもよい。更に、容器810は、カートリッジ850の周囲であって容器810の上部に配置された飲むための領域を有し得る。更に、蓋818が開口位置にあるときに、ユーザは容器810から飲んでもよい。容器810の上側には解放機構が配置され得る。解放機構は解放ボタンまたは解放レバーの形態であり得る。この場合、ユーザは、カートリッジ850を解放するために、解放ボタンを押すか、または解放レバーをスライドさせる。取り付け機構820およびカートリッジ850は、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0052】
更に別の容器構成も、本発明から逸脱することなく用いられ得る。例えば、その幾つかを挙げれば、容器は、複数のカートリッジまたはより大きいカートリッジを保持し得る多人数分用の容器、スープ等の液体の食品を保持する容器、取り付け機構を収容している上部を取り外すことによりグラスとして用いることができる容器、プッシュ/プルタイプの飲み口等のスポーツ用の閉止部を有し得る、車内やスポーツ環境で用いるための容器、乗客に飲料を供給するためにカートリッジおよび水を用いる等といった、飛行中の航空機内で用いるための容器、アスピリンや処方薬等の薬用の飲料を収容し得る容器、蛇口式ディスペンサと取り付け機構を収容した上部とを有する冷蔵庫内にフィットし得る容器、携帯され得る容器、および、店舗環境や家庭のカウンターや棚に配置され得るかなり大きい容器であってもよい。ここでも、本発明から逸脱することなく、任意の容器構成に本発明の教示および原理が適用され得る。
【0053】
図9A図13Bは、本発明の例による更に別の取り付け機構の構成を示す。
【0054】
図9Aおよび図9Bは、パドル型の弁アセンブリ926を有する取り付け機構920を示す。図9Aおよび図9Bは、図1図4Fに関して上述したものと類似の本発明による例を示す(図9Aおよび図9Bでは、図1図4Fにおいて同じまたは類似の部分を示すために用いたものと同じまたは類似の参照番号を用いている)。図9Aおよび図9Bに示されるように、本発明による別の例では、取り付け機構920は、係合アセンブリ922、穿孔部924および弁アセンブリ926で構成されるのが一般的である。係合アセンブリ922は、取り付け機構920内でカートリッジ950を受け入れるのが一般的である。穿孔部924は、カートリッジ950に穴を開けるのが一般的であり、それにより、カートリッジ950の内容物を容器910の中へと解放する。カートリッジ950と取り付け機構920とが係合したら、弁アセンブリ926が開くのが一般的であり、それにより、容器910の内容物とカートリッジ950の内容物との混合を可能にする。
【0055】
この例の構成では、取り付け機構920は、カートリッジ950を取り付けて、カートリッジ950を開くのに、2段階の動作を要する。まず、図9Aに示されるように、カートリッジ950が係合アセンブリ922に取り付けられる。係合アセンブリ922は、カートリッジ950係止位置に保持するためのラッチ構造928およびばね932を有する。図9Bに示されるように、カートリッジ950が係止位置にあるとき、係合アセンブリ922がひねられ得る。係合アセンブリ922がひねられると、このひねる動作により、弁アセンブリ926内のカム945が、弁アセンブリ926内の弁944を上に向かってカートリッジ950の開口部の中へと回転させ、それにより、カバー960に穴を開ける。容器910の内容物とカートリッジ950の内容物とを混合できるように、弁944が上に向かって回転すると、弁944も同時に、カートリッジ950に対して容器910を開き得る。容器910およびカートリッジ950は、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0056】
図10Aおよび図10Bに示される、上述のパドル型の弁アセンブリ1026と類似の構成では、2以上のカートリッジが用いられる場合に、取り付け機構1020が回転されて、1または複数の穴1021、1023を露出させ得る。図10Aおよび図10Bに示されるように、取り付け機構1020内に配置された2つの穴1021、1023を有する取り付け機構1020に、2つのカートリッジ1050A、1050Bが取り付けられる。取り付け機構1020の回転により、容器1010の内容物と1または複数のポッド1050A、1050Bの内容物との混合を可能にしてもよい。取り付け機構1020、容器1010およびカートリッジ1050A、1050Bは、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0057】
図11Aおよび図11Bは、ピストンタイプの取り付け機構1120を有する取り付け機構を示す。図11Aおよび図11Bは、図1図4Fに関して上述したものと類似の本発明による例を示す(図11Aおよび図11Bでは、図1図4Fにおいて同じまたは類似の部分を示すために用いたものと同じまたは類似の参照番号を用いている)。図11Aおよび図11Bに示されるように、本発明による別の例では、取り付け機構1120は、係合アセンブリ、押し潰し部および弁アセンブリで構成されるのが一般的である。係合アセンブリは、取り付け機構内でカートリッジ1150を受け入れるのが一般的である。押し潰し部は、カートリッジ1150を開くのが一般的であり、それにより、カートリッジ1150の内容物を容器の中へと解放する。カートリッジ1150と取り付け機構1120とが係合したら、弁アセンブリが開くのが一般的であり、それにより、容器の内容物とカートリッジ1150の内容物との混合を可能にする。
【0058】
この例の構成では、係合アセンブリはピストン1122を有し得る。取り付け機構は、基部1124も有し得る。基部1124には、押し潰し部および弁アセンブリが収容され得る。カートリッジ1150は、ピストン1122の開口部1129内に配置され、開口部1129はピストン1122の側方に配置されている。そして、カートリッジ1150が基部1124に接触して押し潰されるかまたは絞られるように、ピストン1122が押され得る。ピストン1122が基部1124に対して移動すると、弁1126が容器に向かって開き、それにより、容器の内容物とカートリッジの内容物との混合を可能にする。更に、ピストン1122が基部1124に対して移動すると、カートリッジ1150が押し潰されるかまたは絞られ、それにより、カバー1160が開いて、カートリッジ1150の内容物を容器の中へと放出する。容器およびカートリッジ1150は、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0059】
図12Aおよび図12Bは、回転カムタイプの取り付け機構1220を有する取り付け機構を示す。図12Aおよび図12Bは、図1図4Fに関して上述したものと類似の本発明による例を示す(図12Aおよび図12Bでは、図1図4Fにおいて同じまたは類似の部分を示すために用いたものと同じまたは類似の参照番号を用いている)。図12Aおよび図12Bに示されるように、本発明による別の例では、取り付け機構1220は、係合アセンブリ、押し潰し部および弁アセンブリで構成されるのが一般的である。係合アセンブリは、取り付け機構内でカートリッジ1250を受け入れるのが一般的である。押し潰し部は、カートリッジを開くのが一般的であり、それにより、カートリッジ1250の内容物を容器の中へと解放する。カートリッジ1250と取り付け機構1220とが係合したら、弁アセンブリが開くのが一般的であり、それにより、容器の内容物とカートリッジ1250の内容物との混合を可能にする。
【0060】
この例の構成では、係合アセンブリは、カムアセンブリ1222および基部1224を有し得る。カムアセンブリ1222は2つのカム1229を有し得る。カートリッジ1250は、取り付け機構1220の上部を通って2つのカム1229の間に挿入され得る。2つのカム1229は、基部1224およびカムアセンブリ1222が回転すると、カム1229が内側に向かって押すように、カムアセンブリ1222に取り付けられ得る。カム1229が内側に向かって押すと、カム1229は、カム1229内のカートリッジ1250を押し潰すかまたは絞り、それにより、カートリッジ1250のカバーを開かせ、カートリッジ1250の内容物を容器の中へと放出させる。容器およびカートリッジ1250は、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0061】
図13Aおよび図13Bは、プランジャ型の取り付け機構1320を有する取り付け機構を示す。図13Aおよび図13Bは、図1図4Fに関して上述したものと類似の本発明による例を示す(図13Aおよび図13Bでは、図1図4Fにおいて同じまたは類似の部分を示すために用いたものと同じまたは類似の参照番号を用いている)。図13Aおよび図13Bに示されるように、本発明による別の例では、取り付け機構1320は、係合アセンブリ、押し潰し部および弁アセンブリで構成されるのが一般的である。係合アセンブリは、取り付け機構内でカートリッジ1350を受け入れるのが一般的である。押し潰し部は、カートリッジ1350開くのが一般的であり、それにより、カートリッジ1350の内容物を容器の中へと解放する。カートリッジ1350と取り付け機構とが係合したら、弁アセンブリは開くのが一般的であり、それにより、容器の内容物とカートリッジ1350の内容物との混合を可能にする。
【0062】
この例の構成では、係合アセンブリはプランジャ1322を有し得る。取り付け機構1320は、押し潰し部および弁アセンブリが収容され得る基部1324も有し得る。カートリッジ1350は、基部1324の上部の中に配置される。そして、プランジャ1322と取り付け機構1320の基部1324との間でカートリッジ1350が押し潰されるかまたは絞られるように、プランジャ1322が押され得る。プランジャ1322が取り付け機構1320の基部1324に対して移動すると、弁1326が容器に対して開き、それにより、容器の内容物とカートリッジ1350の内容物との混合を可能にする。プランジャ1322が取り付け機構1320の基部1324に対して移動すると、カートリッジ1350が押し潰されるかまたは絞られ、それによりカバーを開かせ、カートリッジ1350の内容物を容器の中へと放出させる。更に、プランジャ1322は、穿孔針部(図示せず)を収容し得る。プランジャ1322が取り付け機構1320の基部1324に押し込まれると、穿孔針部がカートリッジ1350に穴を開ける。容器およびカートリッジ1350は、本発明から逸脱することなく、本願において説明した構成のいずれであってもよい。
【0063】
更に別の取り付け機構も、本発明から逸脱することなく用いられ得る。例えば、上述したスナップ式の特徴の代わりに、容器と取り付け機構との間のねじ切りされた接続部や、上述したスナップ式の特徴の代わりに、容器と取り付け機構との間のクォーターターン接続や、カートリッジを保持してカートリッジに穴を開けることができ、それによってカートリッジの内容物をグラス242に注げるようにする、(図24に示されるような)ナッツ割り器に類似した手工具240等の取り付け機構が挙げられる。
【0064】
図14A図14Cは、本発明の例による更に別のカートリッジ構成を示す。図14A図14Cに示されるように、別の例のカートリッジ構成では、カートリッジ1450は複数のポッドで構成され得る。図14Aおよび図14Bに示されるように、カートリッジは2つのポッド半体1450A、1450Bを有し得る。各ポッド半体1450A、1450Bを組み合わせて、1つのポッド1450を構成できる。それから、所望の飲料を構成するために、各ポッド1450A、1450Bの内容物が水または他の液体と混合され得る。各ポッド半体1450A、1450Bは、水または他の液体と混合されると飲料になるシロップ、ペースト、粉末、顆粒または他の組成物を収容し得る。本発明の別の態様では、ポッド半体1450A、1450Bは、飲料に添加可能な活力増進剤、栄養素またはビタミン補填剤を収容し得る。図14Cに示されるように、2つのポッド半体1450A、1450Bは、容器1410の底部に配置された取り付け機構1420に挿入され得る。或いは、カートリッジ1450は、3つ以上のポッドを有し得る。
【0065】
別の例のカートリッジ構成では、単一の容器または飲料ディスペンサシステムに対して複数のカートリッジ挿入され得るように、飲料ディスペンサシステムは、それぞれ複数の取り付け機構、穿孔部および弁アセンブリを有し得る。所望の飲料を構成するために、各カートリッジの内容物が水または他の液体と混合され得る。各カートリッジは、水または他の液体と混合されると飲料になるシロップ、ペースト、粉末、顆粒または他の組成物を収容し得る。本発明の別の態様では、カートリッジの1以上が、飲料に添加可能な活力増進剤やビタミン補填剤を収容してもよい。更に、カートリッジの1以上が、他のカートリッジより小さいまたは大きい等、異なるサイズであってもよい。
【0066】
別の例のカートリッジ構成では、カートリッジは、同じまたは異なる飲料構成成分を各々が収容している複数のチャンバで構成され得る。複数のチャンバは、飲料の一部として分けておかなければならない不安定な成分が存在する場合に都合がよい。所望の飲料を構成するために、各チャンバの内容物が水または他の液体と混合され得る。各チャンバは、水または他の液体と混合されると飲料になるシロップ、ペースト、粉末、顆粒または他の組成物を収容し得る。本発明の別の態様では、チャンバの1つが、飲料に添加可能な活力増進剤やビタミン補填剤を収容してもよい。
【0067】
本発明による別の例では、飲料ディスペンサシステムは、一人分用の飲料ディスペンサシステムを目的とする。この飲料ディスペンサシステムは、既存の飲料ディスペンサシステムまたは送出システムの欠点および問題を克服することを目的とする。図15図18Cに、一人分の飲料ディスペンサシステムが開示されている。図15図18Cによって示されるように、一人分用の飲料ディスペンサシステムは、例えばソフトドリンク等の一人分の飲料を作るのに適した量のシロップを有するシロップ収容カートリッジを通して、計量された量の水または他の液体を注ぐ。図15図17によって示されるように、本発明の飲料ディスペンサシステムは、小売環境または自宅にいる消費者が、所望の飲料成分を収容しているカートリッジを選択して、カートリッジを飲料ディスペンサシステムの中に配置することにより、一人分の飲料を作ることを可能にする。そして、消費者が、システムの飲料混合処理をアクティブにするボタンを押す。アクティブになると、水または他の液体供給部に動作可能に接続された針部が下降し、カートリッジの上部および底部を通る穴をカートリッジに開ける。針部は所定の時間だけ、カートリッジ内でカートリッジから部分的に延出した状態に留まる。針部がカートリッジの中に配置されている間、水または他の液体が針部に向かい、針部の端部の開口部を通過して、針部の周囲に配置された複数のアパチャーを通ることが可能になる。水または他の液体はこれらの複数のアパチャーを通過し、カートリッジに入って、カートリッジに収容されているシロップと混合される。混合されたら、飲料は、カートリッジの底部に開けられた開口部を通過して、カートリッジの下に配置されたカップの中へと落ちる。更に飲料の適切な濃度およびフレーバーを作るために、水または他の液体が、針部の端部の開口部を通って更に流れ出る。飲料がカップに注がれたら、消費者はカップを取り出して、飲料を楽しむことができる。使用後のカートリッジは廃棄され得る。
【0068】
より具体的には、図15図17を参照すると、例示的な実施形態では、飲料システム1508はディスペンサハウジング1510を有し、ディスペンサハウジング1510は、ハウジングに形成された開口部1512および1514を有する。開口部1512は、飲料システムから注がれる作られた飲料を受け入れて収容するための飲料カップ1513を受け入れるためのサイズおよび形状を有する。開口部1514は、飲料を作るために水または他の液体と混合されるシロップを収容しているカートリッジ1516を受け入れるためのサイズおよび形状を有する。開口部1514およびカートリッジ1516は互いに一致する構成を画成し、カートリッジ1516の形状が開口部1514の形状と合うようになっている。この構成では、開口部1514の形状と合う形状を有するカートリッジのみを開口部1514に挿入でき、それにより、望ましくないまたは合わないカートリッジまたは容器が飲料システムで用いられるのを防止する。飲料システムは、更に、飲料システムをアクティブにするために消費者が押すボタンまたはスイッチ1520を有する。
【0069】
ハウジング1510内には水(または他の液体)供給システムが配置されており、水(または他の液体)供給システムは、一端部が水供給源に動作可能に接続され且つ他端部が針部1523に動作可能に接続された水供給ライン1521を有する。水(または他の液体)供給源は、炭酸水または非炭酸水であってもよく、カートリッジ内に収容されているシロップと混合可能な他の任意の適切な液体であってもよい。図25に示されるように、針部1523は、上記で説明したようにカートリッジ1516に穴を開けるために用いられる、先が尖ったまたは鋭い開放端1525を画成する。針部1523は細長い管状体1527を更に画成し、細長い管状体1527は、針部1523の管状体1527の周辺部の周囲に配置された複数のアパチャー1529を更に画成する。カートリッジ1516内に配置されたら、これらのアパチャー1529が、水または他の液体が管状体1527を通って移動し、カートリッジ1516の中へと通されて、カートリッジ1516に収容されているシロップと混合されるのを可能にする。針部1523は、カートリッジ1516の穴開けおよびカートリッジ1516の中への水または他の液体の通過を可能にする他の多くの構成を画成してもよいことを理解されたい。
【0070】
カートリッジ1516は単一のチャンバを画成してもよく、または、同じまたは異なる飲料構成成分を各々が収容している複数のチャンバを画成してもよい。所望の飲料を構成するために、各チャンバの内容物が水または他の液体と混合され得る。各チャンバは、水または他の液体と混合されると飲料になるシロップ、ペースト、粉末、顆粒または他の組成物を収容し得る。本発明の別の態様では、カートリッジは、飲料に添加可能な活力増進剤やビタミン補填剤を収容してもよい。
【0071】
図16に示されるように、カートリッジは、プラスチック材料でできたドーム型の構成を画成し得る。このドーム形状は、カートリッジ内に1以上のチャンバを構成する。カートリッジの内容物を密封するために、カートリッジにわたって、アルミフォイル1524または類似のシール材料が配置され得る。アルミフォイルには、製品情報または他の表示マークが印刷されてもよく、または、カートリッジおよび/または飲料システムの使用法に関する指示を含んでもよい。カートリッジと共にアルミフォイルおよびプラスチックを用いることにより、針部がフォイルおよびプラスチックを容易に貫通して穴を開けることができる。カートリッジの他の多くの形状および構成が可能であり、図示されているドーム形状は単に多くの別の構成の例示であることを理解されたい。
【0072】
図18A図18Cを参照すると、飲料システム1508は、既存の飲料システムの限られた選択肢とは異なり、消費者に飲料に対する多くの選択肢を与えるための、異なる飲料フレーバーや成分を各々が収容している多くのカートリッジを収容したハウジング1528も有し得る。一実施形態において、カートリッジは、カートリッジに関する製品情報が消費者に容易に見えるようになった列に配置され得る。この列は、消費者にとって美的に好ましい印象を生じるものである。ハウジングは、消費者の注意を引き付けるための、様々な目を引く色および宣伝を含み得る。飲料システム1508は、消費者から容易に手が届く、多くのスタックされたカップ1513を収容したカップ保持ハウジング1530も有し得る。ハウジング1530は、多様なサイズのカップに対応するための1以上のカップ保持開口部1534を有してもよい。小売店環境における飲料システムの配置に柔軟性を与え、システムの可視性を高めるためるために、飲料ハウジング1510、1528および1530は全てモジュール化されており、店内のカウンター上や店内の他の任意の所望の場所に置けるように十分に軽量でコンパクトである。
【0073】
図19図23を参照すると、飲料システムは多くの構成にパッケージ化され得る。図19は、家庭で用いられ得る飲料システム1540を示しており、この場合、カートリッジは開口部1542内に配置されてもよく、注ぎボタン1544を押すと、上述したのと同様の方法で、所望の飲料を作るために、水ハウジング1546内に格納された水または他の液体がカートリッジの内容物と混合される。図20は更に別の飲料システム1550を示しており、これは、本願明細書で説明したのと同じ方法で動作するものの、飲料クーラーで用いられるものと類似のより大きな水容器1552を用いる。本発明では、更に別のパッケージ化オプションも可能である。
【0074】
図21図23を参照すると、飲料システム1560は、冷蔵庫1562と共に構成されてもよい。飲料システム1560は、冷蔵庫内または冷蔵庫に取り付けられてもよく、または、スタンドアロン型のユニットとして冷蔵庫に取り付けてもよい。飲料システム1560が冷蔵庫内または冷蔵庫に取り付けられる場合には、システム1560は、冷蔵庫の外から手が届くもの(図21および図23)であるか、または、冷蔵庫の中から手が届くもの(図22)であり得る。図22に示されるように、飲料システムは、冷蔵庫内に位置する区画内に取り付けられてもよい。図23に示されるように、飲料システムは、冷蔵庫の氷/水ディスペンサシステムと共に組み込まれてもよい。これらの別の実施形態の各々では、飲料システム1560は、冷蔵庫の飲料水供給部に取り付けられてもよい。飲料システム1560がスタンドアロン型のユニットとして冷蔵庫に取り付けられる場合には、飲料システム1560は冷蔵庫の飲料水供給部に接続されてもよい。本願明細書に示した他の実施形態と同様に、カートリッジ1570は開口部1564内に配置され得る。注ぎボタンを押すと、上述したのと同様の方法で、所望の飲料を作るために、冷蔵庫1562からの水がカートリッジの内容物と混合され、飲料はカップ1574に注がれる。
【0075】
以下は、本発明の更なる態様、具体的には、飲料ディスペンサシステムを用いて飲料を作る方法の詳細な説明である。本開示の更なる態様は、本開示の例に従った飲料ディスペンサシステムを用いて飲料を作る方法に関する。このような方法は、例えば、(a)カートリッジを容器に挿入する工程と、(b)取り付け機構内の位置へと、カートリッジを回転させるかまたは配置する工程と、(c)カートリッジに圧を加えることにより、カートリッジを係合アセンブリと係合させ、弁アセンブリを解放し、穿孔部でフォイルシールに穴を開ける工程と、(d)容器の内容物を混合する工程と、(e)容器から飲料を飲む工程と、(f)容器からカートリッジを解放する工程との1以上を、所望の順序および/または組み合わせで有し得る。
【0076】
本発明の適用例は、本願明細書で述べた構成要素の構成および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能でもあり、様々な方法で実施され得る。上述したものの変形および修正も、本発明の範囲内である。本願明細書に開示され定義された本発明は、文字および/または図面で言及されまたは明らかな個々の特徴のうち2つ以上の別の組み合わせの全てに拡張されることを理解されたい。これらの異なる組み合わせの全ては、本発明の様々な別の態様を構成するものである。本願明細書に記載した実施形態は、本発明を実施するためにわかっている最良の形態を説明するものであり、当業者が本発明を利用することを可能にするものである。
【符号の説明】
【0077】
100、500、600、700、800 飲料ディスペンサシステム
110、510、610、710、810、910、1010 容器
112 キャップ
120、520、620,720、820、920、1020、1120、1220、1320、1420 取り付け機構
122、922 係合アセンブリ
124、924 穿孔部
126、926、1026 弁アセンブリ
134 カムまたはレバー
138 カートリッジシール部
140 開口構造
142 内部シール部
144、944 弁
146 エレベータ
150、550、650、750、850、950、1050A、1050B、1150、1250、1350、1450 カートリッジ
152 ポッド
154 キャップ
156 チャンバ
158 開口部
160、1160 カバー
166 フォイル保持部
168 切り抜き部
172 位置決め部
616、716 飲み口
717、817 ヒンジで連結された部分
718 上部
818 蓋
1122 ピストン
1124、1224、1324 基部
1126 弁
1129 開口部
1222 カムアセンブリ
1229 カム
1322 プランジャ
1450 ポッド
1450A、1450B ポッド半体
1508、1540、1550、1560 飲料システム
1510 ディスペンサハウジング
1512、1514 開口部
1513 飲料カップ
1516、1570 カートリッジ
1521 水供給ライン
1523 針部
1527 管状体
1529 アパチャー
1528 ハウジング
1530 カップ保持ハウジング
1542、1564 開口部
1546 水ハウジング
図1-1】
図1-2】
図2A1
図2A2
図2B1
図2B2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図3-4】
図3-5】
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25