(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとを配置して構成され、
前記第1レンズは、曲率半径が正となる物体側の面および曲率半径が負となる像面側の面を有し、
前記第2レンズは、曲率半径が負となる物体側の面を有し、
前記第3レンズは、曲率半径が共に正となる物体側の面および像面側の面を有し、このうちの像面側の面は変曲点を有する非球面形状に形成されており、
前記第4レンズは、曲率半径が共に負となる物体側の面および像面側の面を有し、
前記第5レンズは、曲率半径が負となる物体側の面および曲率半径が正となる像面側の面を有し、
前記第1レンズのアッベ数をνd1、前記第2レンズのアッベ数をνd2、レンズ系全体の焦点距離をf、前記第4レンズおよび前記第5レンズの合成焦点距離をf45としたとき、
45<νd1<75
20<νd2<35
−10.0<f45/f<−1.0
を満足する撮像レンズ。
【背景技術】
【0002】
近年、通話主体の携帯電話機に代わり、携帯電話機に携帯情報端末(PDA)やパーソナルコンピュータの機能を付加した、いわゆるスマートフォン(smartphone)が普及してきている。スマートフォンは携帯電話機に比べて高機能であるため、カメラで撮影された画像は様々なアプリケーションで利用される。例えば、スマートフォンを利用することにより、撮影した画像を印刷して観賞するといった用途の他に、当該画像を加工してゲームのキャラクタ等に利用したり、スマートフォンの表示画面において化粧シミュレーションや衣服の試着シミュレーション等を行ったりすることができるようになる。このような従来では一般的ではなかった撮影画像の利用用途は若年者層を中心に定着しつつある。
【0003】
ところで、一般的に携帯電話機やスマートフォンの製品群は、初級者向けの製品から上級者向けの製品まで様々な仕様の製品から構成されることが多い。このうち上級者向けに開発された製品に組み込まれる撮像レンズには、近年の高画素化された撮像素子にも対応することのできる解像度の高いレンズ構成が要求される。一方で上述のような用途に使用されるスマートフォンに組み込まれる撮像レンズに対しては、高解像度であることよりもむしろ小型であることや画角が広いこと、すなわち広角であることの方が重要な要素として要求される。特に最近ではスマートフォンの小型化や高機能化に伴ってより小型で広角の撮像レンズが要求されるようになってきた。
【0004】
このように、携帯電話機やスマートフォンでは、製品群における位置付けによって当該携帯電話機やスマートフォンに組込まれる撮像レンズの仕様に若干の相違が生じる。本来、要求される仕様毎に最適なレンズ構成を選択することが望ましいものの、開発期間の短縮やコスト削減等を図る必要もあり、解像度が高く、小型で広角の撮像レンズの開発が進められている。
【0005】
5枚構成からなるレンズ構成は設計自由度が高いことから、次世代の撮像レンズに採用されるレンズ構成として期待されている。5枚構成の撮像レンズとしては、例えば特許文献1に記載の撮像レンズが知られている。この撮像レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正または負の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとから構成される。当該構成において第1レンズは、物体側に凸面を向けたレンズ形状に形成され、第2レンズは像面側に凹面を向けたレンズ形状に形成される。また、第4レンズは像面側に凸面を向けたレンズ形状に形成され、第5レンズは、変曲点を有する非球面形状であって、像面側に凹面を向けたレンズ形状に形成される。このうち第1レンズおよび第2レンズは、こうした屈折力の配列および各レンズの形状に加え、両者のアッベ数の差が20から70の間の値となるレンズ材料で形成されており、これにより色収差の補正が良好に行われている。特許文献1に記載の撮像レンズでは、非球面を適宜使用することによって、撮像レンズから出射した光線の撮像素子への入射角度の抑制やシェーディングによる周辺光量の低下の抑制も併せて実現されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載の撮像レンズによれば、比較的良好な収差を得ることができるものの、撮像レンズの全長が長いため、近年の小型化への要求に対して十分に応えることができない。また、上述のように撮像レンズが組み込まれるカメラの利用態様は年々多様化してきており、撮像レンズには、撮像レンズの小型化および撮像素子の高画素化に伴う高解像度への対応とともに、広い撮影範囲に対応するための広角化がより一層強く要求されている。特許文献1に記載のレンズ構成では、これら要求をバランスよく満たすことは困難である。
【0008】
本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型でありながらも撮影画角が広く、収差を良好に補正することのできる撮像レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズと、正の屈折力を有する第4レンズと、負の屈折力を有する第5レンズとを配置して構成される。第1レンズは、曲率半径が正となる物体側の面および曲率半径が負となる像面側の面を有する。第2レンズは、曲率半径が負となる物体側の面を有する。第3レンズは、曲率半径が共に正となる物体側の面および像面側の面を有し、このうちの像面側の面は変曲点を有する非球面形状に形成される。第4レンズは、曲率半径が共に負となる物体側の面および像面側の面を有する。
第5レンズは、曲率半径が負となる物体側の面および曲率半径が正となる像面側の面を有する。
【0010】
また、本発明の撮像レンズは、第1レンズのアッベ数をνd1、第2レンズのアッベ数をνd2、レンズ系全体の焦点距離をf、第4レンズおよび第5レンズの合成焦点距離をf45としたとき、次の条件式(1)〜(3)を満足する。
45<νd1<75 (1)
20<νd2<35 (2)
−10.0<f45/f<−1.0 (3)
【0011】
撮像レンズの光学性能を向上されるためには、諸収差を良好に補正することはもちろんのこと、解像度の高低に影響を及ぼす色収差の発生を可能な限り抑制することが重要である。条件式(1)および(2)は、軸上および軸外の色収差を良好に補正するための条件である。
【0012】
ところで、撮像レンズの広角化を実現しようとすると、従来の撮像レンズと比較して、撮像素子の像面のサイズが同一の場合には撮像レンズの焦点距離を短くする必要がある。焦点距離の短縮に伴い、撮像素子の像面サイズこ対して相対的に撮像レンズの全長が短くなるため、撮像レンズから出射した光線の撮像素子への入射角度を、撮像素子に取り込むことのできる光線の入射角度の範囲、いわゆる主光線角度(CRA:Chief Ray Angle)の範囲内に抑制することが困難となる。
【0013】
条件式(3)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、色収差および像面湾曲を良好な範囲内に抑制するとともに、撮像レンズから出射した光線の撮像素子への入射角度を主光線角度の範囲内に抑制するための条件である。上限値「−1.0」を超えると、撮像レンズの小型化には有効であるものの、結像面が物体側に湾曲するため良好な結像性能を得ることが困難となる。また、軸上の色収差が補正不足(基準波長の焦点位置に対して短波長の焦点位置が物体側に移動)になるとともに、画像周辺部で軸外光に対する倍率色収差が補正過剰(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸から遠ざかる方向に移動)になるため、良好な結像性能を得ることが困難となる。また、撮像レンズから出射した光線の撮像素子への入射角度を主光線角度の範囲内に抑制することが困難となり、画像中心部に比較して画像周辺部が暗くなる、いわゆるシェーディングが発生し易くなる。
【0014】
一方、下限値「−10.0」を下回ると、撮像レンズから出射した光線の撮像素子への入射角度を主光線角度の範囲内に抑制し易くなるものの、結像面が像面側に湾曲するとともに、倍率色収差が補正不足(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸に近づく方向に移動)になり、この場合も良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0015】
ところで、近年では、撮像レンズのサイズを表す指標として、撮像レンズの第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離に加えて、この光軸上の距離を像面のサイズで割った比を用いることも多くなってきた。小型のカメラに撮像レンズを組み込む場合、単に小型であることよりも上記比が小さいこと、すなわち低背であることの方が重要な要素になることが多い。本発明の撮像レンズは、条件式(3)に示されるように、f45が負であるため、撮像レンズの低背化を図り易いレンズ構成になっている。
【0016】
また、本発明の撮像レンズでは負の屈折力を有するレンズが3枚あり、また、f45が負の屈折力を有するため、広角の撮像レンズで発生しやすい軸外の倍率色収差の補正に懸念が残る。そこで、本発明の撮像レンズにおいては、第3レンズを、その像面側の面が変曲点を有する非球面形状、すなわち周辺部に向かうにつれて負の屈折力が弱くなる形状に形成している。これにより、軸外の倍率色収差が良好に補正されることになる。
【0017】
上記構成の撮像レンズにおいては、さらに次の条件式(3A)を満足することが望ましい。
−8.0<f45/f<−1.0 (3A)
【0018】
また、上記構成の撮像レンズにおいては、第1レンズおよび第2レンズの合成焦点距離をf12としたとき、次の条件式(4)を満足することが望ましい。
−1.0<f12/f45<−0.2 (4)
【0019】
条件式(4)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、球面収差、コマ収差、および色収差を良好な範囲内に抑制するための条件である。また、条件式(4)は、撮像レンズから出射した光線の撮像素子への入射角度を予め定められた範囲内に抑制するための条件でもある。上限値「−0.2」を超えると、第1レンズおよび第2レンズの合成の屈折力が第4レンズおよび第5レンズの合成の屈折力に比較して相対的に強くなり、撮像レンズの小型化や、軸上色収差および倍率色収差の補正には有利となるものの、バックフォーカスの確保が困難となる。また、撮像レンズから出射した光線の撮像素子への入射角度を予め定められた範囲内に抑制することが困難となる。一方、下限値「−1.0」を下回ると、撮像レンズから出射した光線の撮像素子への入射角度を予め定められた範囲内に抑制し易くなるものの、撮像レンズの小型化が困難となる。また、軸上の色収差が補正不足になるとともに倍率色収差が補正不足(基準波長の結像点に対して短波長の結像点が光軸に近づく方向に移動)となり、良好な結像性能を得ることが困難となる。なお、この場合、軸外光線に対して外方コマ収差も増大するため、結像性能の劣化を招くことになる。
【0020】
上記構成の撮像レンズにおいては、次の条件式(5)を満足することが望ましい。
−30<f3/f<−15 (5)
【0021】
条件式(5)は、非点収差、色収差、および歪曲収差を良好な範囲内にバランスよく抑制するための条件である。上限値「−15」を超えると、レンズ系全体に対して第3レンズの屈折力が相対的に強くなるため、色収差の補正には有利となるものの、非点収差のサジタル像面が像面側に湾曲するため非点隔差が増大し、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−30」を下回ると、非点収差を補正し易くなるものの、軸上および軸外の色収差が補正不足になるとともにマイナスの歪曲収差が増大することとなり、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0022】
上記構成の撮像レンズにおいては、第2レンズの焦点距離をf2、第3レンズの焦点距離をf3としたとき、次の条件式(6)を満足することが望ましい。
0.01<f2/f3<0.1 (6)
【0023】
条件式(6)は、撮像レンズの小型化を図りつつ、像面湾曲、色収差、および歪曲収差を好ましい範囲内にバランスよく抑制するための条件である。上限値「0.1」を超えると、撮像レンズの小型化には有利となるものの、結像面が物体側に湾曲するとともに、軸上および軸外の色収差が共に補正不足となる。また、歪曲収差が負方向に増大するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「0.01」を下回ると、色収差を補正し易くなるものの撮像レンズの小型化が困難となる。また、結像面が像面側に湾曲するとともに歪曲収差が正方向に増大するため、良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0024】
上記構成の撮像レンズにおいては、第3レンズの像面側の面の曲率半径をR3r、第4レンズの物体側の面の曲率半径をR4fとしたとき、次の条件式(7)を満足することが望ましい。
−1.0<R4f/R3r<−0.2 (7)
【0025】
条件式(7)は、結像面の平坦性を確保しつつ、非点収差および倍率色収差を好ましい範囲内にバランスよく抑制するための条件である。上限値「−0.2」を超えると、結像面の平坦性を確保することが困難になるとともに倍率色収差が補正不足となり、良好な結像性能を得ることが困難となる。一方、下限値「−1.0」を下回ると、結像面の平坦性を確保し易くなり、倍率色収差も補正し易くなるものの、非点隔差が増大するため良好な結像性能を得ることが困難となる。
【0026】
なお、本発明の撮像レンズは、78°以上の画角(78°≦2ω)が要求される撮像レンズに対して特に有効である。
【発明の効果】
【0027】
本発明の撮像レンズによれば、撮像レンズの広角化と良好な収差補正との両立が図られ、諸収差が良好に補正された小型の撮像レンズを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
図1、
図4、
図7、
図10、および
図13は、本実施の形態の数値実施例1〜5に係る撮像レンズの概略構成を示す断面図である。いずれの数値実施例も基本的なレンズ構成は同一であるため、ここでは数値実施例1の概略断面図を参照しながら、本実施の形態に係る撮像レンズのレンズ構成について説明する。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態の撮像レンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、負の屈折力を有する第3レンズL3と、正の屈折力を有する第4レンズL4と、負の屈折力を有する第5レンズL5とを配置して構成される。第5レンズL5と像面IMとの間には、フィルタ10が配置される。このフィルタ10は割愛することも可能である。なお、本実施の形態に係る撮像レンズでは、第1レンズL1の物体側面の頂点接平面から当該第1レンズL1の像面側の面と光軸Xとの交点までの間に開口絞りSTが設けられている。撮像レンズの小型化や低背化を実現するためには、開口絞りSTが、第1レンズL1の像面側の面と光軸Xとの交点よりも物体側に配置される、いわゆる前絞りタイプの開口絞りの方が望ましい。
【0032】
本実施の形態の撮像レンズにおいて第1レンズL1は、アッベ数が45から75の間の値となる材料で形成され、第2レンズL2はアッベ数が20から35の間の値となる材料で形成される。すなわち、第1レンズL1のアッベ数をνd1、第2レンズL2のアッベ数をνd2としたとき、本実施の形態に係る撮像レンズは次の条件式(1)および(2)を満足する。
45<νd1<75 (1)
20<νd2<35 (2)
【0033】
また、本実施の形態に係る撮像レンズは、第3レンズL3のアッベ数をνd3、第4レンズL4のアッベ数をνd4、第5レンズL5のアッベ数をνd5としたとき、さらに次の各条件式を満足する。
45<νd3<75
45<νd4<75
45<νd5<75
【0034】
このように本実施の形態の撮像レンズにおいて第1レンズL1および第3レンズL3から第5レンズL5までの各レンズは、アッベ数が45から75の間の値となる材料で形成されており、第2レンズL2はアッベ数が20から35の間の値となる材料で形成されている。したがって、撮像レンズを構成する5枚のレンズのうち4枚のレンズのアッベ数が下限値「45」よりも大きな値となるため、これら4枚のレンズを光線が通過する際に発生する色収差が有効に抑制されることとなり、レンズ系全体の色収差が良好な範囲内に抑制されるようになる。
【0035】
第1レンズL1は、物体側の面の曲率半径r2が正となり、像面側の面の曲率半径r3が負となる形状であって、光軸Xの近傍において両凸レンズとなる形状に形成される。
【0036】
第2レンズL2は、物体側の面の曲率半径r4が負となり、像面側の面の曲率半径r5が正となる形状であって、光軸Xの近傍において両凹レンズとなる形状に形成される。なお、第2レンズL2の形状は、光軸Xの近傍において両凹レンズとなる形状に限定されるものではない。第2レンズL2の形状は、物体側の面の曲率半径r4が負となる形状であればよく、曲率半径r5が負となる形状、すなわち光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状でもよい。数値実施例1〜4は、第2レンズL2の形状が光軸Xの近傍で両凹レンズとなる例であり、数値実施例5は、第2レンズL2の形状が光軸Xの近傍で物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる例である。
【0037】
第3レンズL3は、物体側の面の曲率半径r6および像面側の面の曲率半径r7が共に正となる形状であって、光軸Xの近傍において物体側に凸面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。また、この第3レンズL3においては、その像面側の面が変曲点を有する非球面形状に形成されている。
【0038】
第4レンズL4は、物体側の面の曲率半径r8および像面側の面の曲率半径r9が共に負となる形状であって、光軸Xの近傍において物体側に凹面を向けたメニスカスレンズとなる形状に形成される。
【0039】
第5レンズL5は、物体側の面の曲率半径r10が負となり、像面側の面の曲率半径r11が正となる形状であって、光軸Xの近傍において両凹レンズとなる形状に形成される。また、本実施の形態に係る撮像レンズの第5レンズL5は、光軸近傍で負の屈折力を有するとともにレンズ周辺部で正の屈折力を有するような非球面形状に形成される。換言すれば、第5レンズL5は、光軸X近傍では両凹レンズとなる形状に形成されており、レンズ周辺部では両凸レンズとなる形状に形成されている。このような第5レンズL5の形状により、撮像レンズの広角化に伴って発生し易くなる倍率色収差が良好に補正されるとともに、撮像レンズから出射した光線の像面IMへの入射角度は主光線角度の範囲内に好適に抑制される。
【0040】
また、本実施の形態に係る撮像レンズは、以下に示す各条件式を満足する。本実施の形態に係る撮像レンズによれば、撮像レンズの小型化、広角化、および良好な収差補正とがバランスよく実現されることになる。
−10.0<f45/f<−1.0 (3)
−1.0<f12/f45<−0.2 (4)
−30<f3/f<−15 (5)
0.01<f2/f3<0.1 (6)
−1.0<R4f/R3r<−0.2 (7)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
f2:第2レンズL2の焦点距離
f3:第3レンズL3の焦点距離
f12:第1レンズL1および第2レンズL2の合成焦点距離
f45:第4レンズL4および第5レンズL5の合成焦点距離
R3r:第3レンズL3の像面側の面の曲率半径
R4f:第4レンズL4の物体側の面の曲率半径
【0041】
本実施の形態の撮像レンズは、さらに下記条件式(3A)を満足することが望ましい。
−8.0<f45/f<−1.0 (3A)
【0042】
なお、上記各条件式の全てを満足する必要はなく、それぞれを単独に満足することにより、各条件式に対応する作用効果をそれぞれ得ることができる。
【0043】
本実施の形態では各レンズのレンズ面を非球面で形成している。これらレンズ面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をZ、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA
4、A
6、A
8、A
10、A
12、A
14、A
16としたとき、次式により表される。
【数1】
【0044】
次に、本実施の形態に係る撮像レンズの数値実施例を示す。各数値実施例において、fはレンズ系全体の焦点距離を、FnoはFナンバーを、ωは半画角をそれぞれ示す。また、iは物体側より数えた面番号を示し、rは曲率半径を示し、dは光軸上のレンズ面間の距離(面間隔)を示し、ndはd線に対する屈折率を、νdはd線に対するアッベ数をそれぞれ示す。なお、非球面の面には、面番号iの後に*(アスタリスク)の符号を付加して示すこととする。また参考までに、第1レンズL1の物体側の面から像面IMまでの光軸上の面間隔の和(フィルタ10は空気換算長)をLa、最大像高をHmとして示す。
【0045】
数値実施例1
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.27mm、Fno=2.6、ω=42.2°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1(絞り) ∞ -0.140
2* 1.238 0.440 1.544 55.6(=νd1)
3* -7.636 0.030
4* -6.630 0.250 1.638 23.3(=νd2)
5* 3.665 0.210
6* 6.102 0.333 1.535 56.1(=νd3)
7* 5.346(=R3r) 0.267
8* -1.607(=R4f) 0.347 1.544 55.6(=νd4)
9* -0.772 0.421
10* -3.843 0.250 1.525 56.0(=νd5)
11* 1.246 0.200
12 ∞ 0.100 1.517 64.2
13 ∞ 0.700
(像面) ∞
f1=1.99mm
f2=-3.67mm
f3=-95.29mm
f4=2.38mm
f5=-1.76mm
f12=3.57mm
f45=-16.32mm
La=3.51mm
Hm=2.96
【0046】
非球面データ
第2面
k=-1.180,A
4=1.485E-03,A
6=-1.757E-01,A
8=-2.386E-01,
A
10=-3.473E-01
第3面
k=0.000,A
4=-4.595E-02,A
6=-4.501E-02,A
8=-5.980E-02,
A
10=-1.528,A
12=2.039
第4面
k=0.000,A
4=2.775E-01,A
6=4.381E-01,A
8=-2.765E-01,
A
10=-1.364,A
12=2.539
第5面
k=0.000,A
4=2.719E-01,A
6=3.789E-01,A
8=-2.340E-01,
A
10=6.182E-01,A
12=1.806,A
14=-4.048
第6面
k=0.000,A
4=-3.949E-01,A
6=1.686E-01,A
8=1.194E-01,
A
10=-4.405E-01,A
12=1.206E-01,A
14=1.010,A
16=1.062
第7面
k=7.681,A
4=-1.857E-01,A
6=-1.747E-01,A
8=2.614E-02,
A
10=-1.002E-01,A
12=8.639E-02,A
14=8.939E-02,A
16=-6.472E-02
第8面
k=-1.825E+01,A
4=1.212E-01,A
6=-1.689E-01,A
8=-1.225E-01,
A
10=9.822E-03,A
12=-4.558E-02,A
14=2.101E-02
第9面
k=-3.759,A
4=9.767E-03,A
6=1.593E-01,A
8=-1.787E-01,
A
10=8.441E-02,A
12=-1.275E-02,A
14=-1.146E-03
第10面
k=0.000,A
4=-2.135E-01,A
6=7.426E-02,A
8=5.393E-04,
A
10=1.646E-04,A
12=-3.436E-04,A
14=-1.043E-04
第11面
k=-1.515E+01,A
4=-1.918E-01,A
6=9.146E-02,A
8=-2.977E-02,
A
10=4.657E-03,A
12=-3.577E-04,A
14=2.641E-05,A
16=-1.253E-05
【0047】
各条件式の値を以下に示す。
R4f/R3r=-0.30
f3/f=-29.18
f12/f45=-0.22
f45/f=-5.00
f2/f3=0.04
このように、本数値実施例1に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。したがって、当該撮像レンズによれば、広角でありながらも良好に収差を補正することができる。また、光軸上の面間隔の和Laを最大像高Hm×2で割った比は0.59となっており、撮像レンズの低背化が好適に図られている。
【0048】
図2は、数値実施例1の撮像レンズについて、最大像高に対する各像高の比H(以下、「像高比H」という)に対応する横収差をタンジェンシャル方向とサジタル方向に分けて示したものである(
図5、
図8、
図11、および
図14においても同じ)。また、
図3は、数値実施例1の撮像レンズについて、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。これら収差図において、横収差図および球面収差図には、436nm、546nm、656nmの各波長に対する収差量を示し、非点収差図には、サジタル像面Sの収差量とタンジェンシャル像面Tの収差量とをそれぞれ示す(
図6、
図9、
図12、および
図15においても同じ)。
図2および
図3に示されるように、本数値実施例1に係る撮像レンズによれば、諸収差が良好に補正される。
【0049】
数値実施例2
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.58mm、Fno=2.8、ω=39.7°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1(絞り) ∞ -0.140
2* 1.281 0.488 1.544 55.6(=νd1)
3* -6.672 0.073
4* -2.990 0.291 1.638 23.3(=νd2)
5* 17.871 0.271
6* 5.699 0.386 1.535 56.1(=νd3)
7* 5.049(=R3r) 0.364
8* -3.483(=R4f) 0.306 1.544 55.6(=νd4)
9* -1.112 0.412
10* -2.455 0.291 1.525 56.0(=νd5)
11* 1.089 0.200
12 ∞ 0.100 1.517 64.2
13 ∞ 0.460
(像面) ∞
f1=2.02mm
f2=-3.99mm
f3=-104.40mm
f4=2.87mm
f5=-1.40mm
f12=3.44mm
f45=-3.92mm
La=3.61mm
Hm=2.96
【0050】
非球面データ
第2面
k=-1.231,A
4=2.812E-03,A
6=-8.227E-02,A
8=-2.075E-01,
A
10=-4.139E-01
第3面
k=0.000,A
4=-1.227E-01,A
6=-2.524E-02,A
8=1.581E-01,
A
10=-1.396,A
12=9.630E-01
第4面
k=0.000,A
4=2.771E-01,A
6=2.763E-01,A
8=-3.512E-01,
A
10=-8.447E-01,A
12=1.392
第5面
k=0.000,A
4=3.381E-01,A
6=3.197E-01,A
8=-4.528E-01,
A
10=3.312E-01,A
12=2.130,A
14=-3.966
第6面
k=0.000,A
4=-3.148E-01,A
6=1.610E-01,A
8=7.190E-02,
A
10=-3.015E-01,A
12=6.246E-01,A
14=2.838E-01,A
16=-1.016
第7面
k=-6.829E+01,A
4=-2.355E-01,A
6=-1.315E-01,A
8=1.128E-01,
A
10=-6.000E-02,A
12=6.665E-02,A
14=6.632E-02,A
16=-6.472E-02
第8面
k=6.331,A
4=5.988E-02,A
6=-1.231E-01,A
8=-8.573E-02,
A
10=2.828E-02,A
12=-3.535E-02,A
14=2.409E-02
第9面
k=-5.107,A
4=2.077E-03,A
6=1.526E-01,A
8=-1.807E-01,
A
10=8.401E-02,A
12=-1.256E-02,A
14=-7.228E-04
第10面
k=0.000,A
4=-1.990E-01,A
6=8.047E-02,A
8=1.380E-03,
A
10=1.831E-04,A
12=-4.237E-04,A
14=-1.611E-04
第11面
k=-1.019E+01,A
4=-1.770E-01,A
6=8.804E-02,A
8=-3.015E-02,
A
10=4.743E-03,A
12=-2.921E-04,A
14=4.119E-05,A
16=-1.270E-05
【0051】
各条件式の値を以下に示す。
R4f/R3r=-0.69
f3/f=-29.18
f12/f45=-0.88
f45/f=-1.10
f2/f3=0.04
このように、本数値実施例2に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。したがって、当該撮像レンズによれば、広角でありながらも良好に収差を補正することができる。光軸上の面間隔の和Laを最大像高Hm×2で割った比は0.61となっており、撮像レンズの低背化が好適に図られている。
【0052】
図5は、数値実施例2の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図6は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図5および
図6に示されるように、本数値実施例2に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0053】
数値実施例3
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.19mm、Fno=2.5、ω=42.9°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1(絞り) ∞ -0.140
2* 1.186 0.440 1.544 55.6(=νd1)
3* -10.620 0.030
4* -4.854 0.250 1.638 23.3(=νd2)
5* 4.589 0.214
6* 6.439 0.372 1.535 56.1(=νd3)
7* 5.148(=R3r) 0.259
8* -3.178(=R4f) 0.383 1.544 55.6(=νd4)
9* -0.997 0.438
10* -3.606 0.258 1.525 56.0(=νd5)
11* 1.294 0.200
12 ∞ 0.100 1.517 64.2
13 ∞ 0.566
(像面) ∞
f1=1.99mm
f2=-3.66mm
f3=-53.39mm
f4=2.51mm
f5=-1.78mm
f12=3.57mm
f45=-15.96mm
La=3.48mm
Hm=2.96
【0054】
非球面データ
第2面
k=-9.967E-01,A
4=1.679E-02,A
6=-1.404E-01,A
8=9.485E-02,
A
10=-1.274
第3面
k=0.000,A
4=-8.358E-02,A
6=-1.719E-01,A
8=1.500E-02,
A
10=-1.034,A
12=1.251
第4面
k=0.000,A
4=2.357E-01,A
6=2.274E-01,A
8=-2.298E-01,
A
10=-1.029,A
12=3.089
第5面
k=0.000,A
4=2.833E-01,A
6=4.201E-01,A
8=-4.506E-01,
A
10=2.221E-01,A
12=2.297,A
14=-1.953
第6面
k=0.000,A
4=-3.164E-01,A
6=1.427E-01,A
8=2.082E-01,
A
10=-3.453E-01,A
12=-2.159E-01,A
14=4.198E-02,A
16=1.585
第7面
k=9.156E-01,A
4=-1.971E-01,A
6=-8.343E-02,A
8=6.876E-02,
A
10=-1.074E-01,A
12=6.711E-02,A
14=8.789E-02,A
16=-6.472E-02
第8面
k=-1.713E+01,A
4=1.202E-01,A
6=-1.585E-01,A
8=-9.346E-02,
A
10=4.790E-02,A
12=-2.388E-02,A
14=6.872E-03
第9面
k=-4.159,A
4=3.945E-03,A
6=1.515E-01,A
8=-1.821E-01,
A
10=8.369E-02,A
12=-1.243E-02,A
14=-4.632E-04
第10面
k=0.000,A
4=-2.247E-01,A
6=7.433E-02,A
8=7.767E-04,
A
10=2.755E-04,A
12=-3.037E-04,A
14=-1.001E-04
第11面
k=-1.188E+01,A
4=-1.773E-01,A
6=8.498E-02,A
8=-2.959E-02,
A
10=4.848E-03,A
12=-3.135E-04,A
14=2.946E-05,A
16=-1.315E-05
【0055】
各条件式の値を以下に示す。
R4f/R3r=-0.62
f3/f=-16.72
f12/f45=-0.22
f45/f=-5.00
f2/f3=0.07
このように、本数値実施例3に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。したがって、当該撮像レンズによれば、広角でありながらも良好に収差を補正することができる。光軸上の面間隔の和Laを最大像高Hm×2で割った比は0.59となっており、撮像レンズの低背化が好適に図られている。
【0056】
図8は、数値実施例3の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図9は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図8および
図9に示されるように、本数値実施例3に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0057】
数値実施例4
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.21mm、Fno=2.5、ω=42.7°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1(絞り) ∞ -0.140
2* 1.177 0.434 1.544 55.6(=νd1)
3* -12.862 0.028
4* -4.401 0.250 1.638 23.3(=νd2)
5* 5.038 0.203
6* 5.616 0.341 1.535 56.1(=νd3)
7* 4.858(=R3r) 0.232
8* -2.967(=R4f) 0.371 1.544 55.6(=νd4)
9* -0.986 0.444
10* -4.108 0.277 1.544 55.6(=νd5)
11* 1.332 0.200
12 ∞ 0.100 1.517 64.2
13 ∞ 0.629
(像面) ∞
f1=2.00mm
f2=-3.64mm
f3=-79.75mm
f4=2.55mm
f5=-1.82mm
f12=3.66mm
f45=-17.62mm
La=3.47mm
Hm=2.96
【0058】
非球面データ
第2面
k=-9.963E-01,A
4=2.147E-02,A
6=-1.055E-01,A
8=1.377E-01,
A
10=-1.386
第3面
k=0.000,A
4=-7.605E-02,A
6=-1.713E-01,A
8=6.746E-03,
A
10=-1.043,A
12=1.136
第4面
k=0.000,A
4=2.247E-01,A
6=2.315E-01,A
8=-2.535E-01,
A
10=-9.557E-01,A
12=2.582
第5面
k=0.000,A
4=2.898E-01,A
6=4.143E-01,A
8=-4.867E-01,
A
10=2.994E-01,A
12=1.775,A
14=-1.444
第6面
k=0.000,A
4=-3.181E-01,A
6=1.640E-01,A
8=2.458E-01,
A
10=-2.798E-01,A
12=-3.295E-01,A
14=1.067E-01,A
16=9.332E-01
第7面
k=4.184,A
4=-1.953E-01,A
6=-8.279E-02,A
8=6.384E-02,
A
10=-5.578E-02,A
12=5.403E-02,A
14=6.779E-02,A
16=-6.472E-02
第8面
k=-2.132E+01,A
4=1.207E-01,A
6=-1.586E-01,A
8=-9.290E-02,
A
10=5.435E-02,A
12=-1.712E-02,A
14=1.238E-02
第9面
k=-4.042,A
4=6.813E-03,A
6=1.551E-01,A
8=-1.830E-01,
A
10=8.572E-02,A
12=-1.331E-02,A
14=-3.064E-04
第10面
k=0.000,A
4=-2.238E-01,A
6=7.239E-02,A
8=4.467E-04,
A
10=4.196E-04,A
12=-2.731E-04,A
14=-1.032E-04
第11面
k=-1.222E+01,A
4=-1.802E-01,A
6=8.827E-02,A
8=-3.008E-02,
A
10=5.054E-03,A
12=-3.723E-04,A
14=4.251E-05,A
16=-1.352E-05
【0059】
各条件式の値を以下に示す。
R4f/R3r=-0.61
f3/f=-24.83
f12/f45=-0.21
f45/f=-5.49
f2/f3=0.05
このように、本数値実施例4に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。したがって、当該撮像レンズによれば、広角でありながらも良好に収差を補正することができる。光軸上の面間隔の和Laを最大像高Hm×2で割った比は0.59となっており、撮像レンズの低背化が好適に図られている。
【0060】
図11は、数値実施例4の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図12は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図11および
図12に示されるように、本数値実施例4に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0061】
数値実施例5
基本的なレンズデータを以下に示す。
f=3.19mm、Fno=2.5、ω=42.9°
単位 mm
面データ
面番号i r d nd νd
(物面) ∞ ∞
1(絞り) ∞ -0.140
2* 1.268 0.449 1.544 55.6(=νd1)
3* -6.854 0.057
4* -2.630 0.249 1.638 23.3(=νd2)
5* -116.817 0.179
6* 6.204 0.350 1.535 56.1(=νd3)
7* 4.962(=R3r) 0.267
8* -2.044(=R4f) 0.394 1.544 55.6(=νd4)
9* -0.864 0.422
10* -3.708 0.253 1.525 56.0(=νd5)
11* 1.228 0.200
12 ∞ 0.100 1.517 64.2
13 ∞ 0.621
(像面) ∞
f1=2.01mm
f2=-4.22mm
f3=-51.40mm
f4=2.46mm
f5=-1.73mm
f12=3.36mm
f45=-11.77mm
La=3.51mm
Hm=2.96
【0062】
非球面データ
第2面
k=-1.152,A
4=3.501E-03,A
6=-1.634E-01,A
8=-2.811E-01,
A
10=-3.914E-01
第3面
k=0.000,A
4=-1.286E-01,A
6=-5.334E-02,A
8=1.076E-01,
A
10=-1.282,A
12=1.649
第4面
k=0.000,A
4=3.210E-01,A
6=3.858E-01,A
8=-3.596E-01,
A
10=-1.138,A
12=3.001
第5面
k=0.000,A
4=3.452E-01,A
6=3.284E-01,A
8=-4.639E-01,
A
10=2.984E-01,A
12=1.845,A
14=-2.935
第6面
k=0.000,A
4=-3.907E-01,A
6=1.093E-01,A
8=1.397E-02,
A
10=-2.988E-01,A
12=9.038E-01,A
14=1.390,A
16=-5.985
第7面
k=-7.049E-01,A
4=-1.959E-01,A
6=-1.690E-01,A
8=4.515E-02,
A
10=-8.626E-02,A
12=8.308E-02,A
14=9.941E-02,A
16=-6.472E-02
第8面
k=-1.543E+01,A
4=1.193E-01,A
6=-1.676E-01,A
8=-1.222E-01,
A
10=9.159E-03,A
12=-4.530E-02,A
14=2.323E-02
第9面
k=-3.578,A
4=8.147E-03,A
6=1.584E-01,A
8=-1.794E-01,
A
10=8.399E-02,A
12=-1.299E-02,A
14=-1.241E-03
第10面
k=0.000,A
4=-2.145E-01,A
6=7.398E-02,A
8=4.527E-04,
A
10=1.370E-04,A
12=-3.469E-04,A
14=-9.850E-05
第11面
k=-1.267E+01,A
4=-1.835E-01,A
6=9.032E-02,A
8=-2.976E-02,
A
10=4.709E-03,A
12=-3.381E-04,A
14=3.175E-05,A
16=-1.132E-05
【0063】
各条件式の値を以下に示す。
R4f/R3r=-0.41
f3/f=-16.11
f12/f45=-0.29
f45/f=-3.69
f2/f3=0.08
このように、本数値実施例5に係る撮像レンズは上記各条件式を満足する。したがって、当該撮像レンズによれば、広角でありながらも良好に収差を補正することができる。光軸上の面間隔の和Laを最大像高Hm×2で割った比は0.59となっており、撮像レンズの低背化が好適に図られている。
【0064】
図14は、数値実施例5の撮像レンズについて、像高比Hに対応する横収差を示したものであり、
図15は、球面収差(mm)、非点収差(mm)、および歪曲収差(%)をそれぞれ示したものである。
図14および
図15に示されるように、本数値実施例5に係る撮像レンズによっても諸収差が良好に補正される。
【0065】
以上説明した本実施の形態に係る撮像レンズによれば、約80°の画角(2ω)を実現することができる。ちなみに数値実施例1〜5の撮像レンズの画角は79.4°〜85.8°の非常に広い画角を実現している。本実施の形態に係る撮像レンズによれば、従来の撮像レンズよりも広い範囲を撮影することが可能となる。
【0066】
また、近年ではカメラの性能向上を目的として高画素の撮像素子が撮像レンズと組み合わせられることが多くなってきた。こうした高画素の撮像素子では各画素の受光面積が減少するため、撮影した画像が暗くなる傾向にある。これを補正するための方法として、電気回路を用いて撮像素子の受光感度を向上させる方法がある。しかしながら、受光感度が上がると画像の形成に直接寄与しないノイズ成分も増幅されてしまうため、新たにノイズ低減のための回路が必要になる。数値実施例1〜5の撮像レンズのFnoは2.5〜2.8と非常に小さな値となっている。本実施の形態に係る撮像レンズによれば、上記電気回路等を設けなくても十分に明るい画像を得ることができる。
【0067】
なお、上記各数値実施例では各レンズの面を非球面で形成したが、撮像レンズの全長や要求される光学性能に余裕があるのであれば、撮像レンズを構成する全てのレンズの面あるいは一部のレンズの面を球面で形成するようにしてもよい。
【0068】
したがって、本実施の形態に係る撮像レンズを、携帯電話機、スマートフォン、デジタルスティルカメラ、携帯情報端末、監視用カメラ、車載カメラ、ネットワークカメラ等の撮像光学系に適用した場合、広角でありながらも収差が良好に補正された小型のカメラを提供することができる。