(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6146846
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】防犯ユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 9/03 20060101AFI20170607BHJP
【FI】
F21S9/03
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-37213(P2017-37213)
(22)【出願日】2017年2月28日
【審査請求日】2017年3月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517071656
【氏名又は名称】合同会社沖登産業
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】西原 正吉
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−227105(JP,A)
【文献】
特開2012−181992(JP,A)
【文献】
特開2016−201347(JP,A)
【文献】
特開2000−188007(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102840541(CN,A)
【文献】
登録実用新案第3194886(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に立設される支柱の先端部に装着される防犯ユニットであって、前記支柱に着脱可能に装着される連結部材と、この連結部材に装着され、上方が開放された基体と、この基体の上部を覆って設けられ、この基体との間に空間部を形成する透光性を有するトップカバーと、前記空間部に設置される、太陽光を電気エネルギーへ変換する太陽光発電パネル、この太陽光発電パネルによって発電された電力を蓄える二次電池、この二次電池から供給される電力によって発光させられる発光体、および、この二次電池から前記発光体への電力供給を制御する制御手段を備え、前記トップカバーが前記太陽光発電パネル上に重畳させられているとともに、これらのトップカバーおよび太陽光発電パネルが、その周縁部において環状の支持リングによって一体に支持され、この支持リングと前記基体が、これらの間に隙間を形成するスペーサーを介して連結され、前記基体に、その内外部を連通する通気部が形成されていることを特徴とする防犯ユニット。
【請求項2】
前記太陽光発電パネルの下面と前記支持リングの下面とが略同一面に位置させられていることを特徴とする請求項1に記載の防犯ユニット。
【請求項3】
前記通気部が、前記基体の側面に形成された通気口と、前記基体に前記通気口を覆って装着され、下方へ向かって開放された多数の開口が形成されたフードと、このフードと前記基体との間に介装された通気性を有するフィルターとによって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防犯ユニット。
【請求項4】
前記基体と前記支持リングとの間に形成された隙間に、通気性を有するサイドカバーが装着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の防犯ユニット。
【請求項5】
前記発光体がLEDであることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の防犯ユニット。
【請求項6】
前記基体が、下方が小径となる略円錐台形状となされていることを特徴とする請求項1または請求項5の何れかに記載の防犯ユニット。
【請求項7】
前記基体内に、前記二次電池からの電力供給を受けて前記制御手段によって制御される撮像機が装着されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の防犯ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夜間の敷地や街路の照明に用いられる防犯ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、防犯を目的として、夜間の敷地や街路を照明によって明るくすることが行なわれている。
このような照明装置においては、その多くが、照明に必要な電力を外部から供給しており、その電力供給のために電力線を架設若しくは敷設しなければならない。
【0003】
このために、設置の費用が嵩むだけでなく、照明装置が損傷した場合、前記電力線を含めた補修となり、その費用も嵩んでしまうといった問題点がある。
【0004】
また、照明装置が設置された地域が停電した場合、照明できずに防犯機能が果たせなくなってしまうといった問題点もある。
【0005】
このような問題点に対処すべく、従来では、たとえば、特許文献1に示される技術が提案されている。
【0006】
この技術は、底面に開口を有した略トレイ状の灯具本体ケースの上面開放の収納空間に、前記開口に対応するLEDからなる光源部と蓄電池からなり前記光源部に給電する電源部と前記光源部と前記電源部を制御する制御部とを配置した上面開放の灯具本体と、前記灯具本体ケースにヒンジを介して連結された天蓋とからなり、前記天蓋は、灯具本体の上面に対応位置し、上方片面を受光面として太陽光発電した電気を前記電源部に送電するソーラーパネルと、光透過性のある透明板からなり、上方に凸の曲面を呈して前記ソーラーパネルの上方を覆うドーム状カバーと備え、該天蓋が前記灯具本体ケースの前記収納空間を開閉可能に覆った構成としたものである。
【0007】
このような従来の技術によって、太陽光発電によって得られた電力を使用して照明を行うことにより、外部からの電力供給を不要にして、電力線の設置費用を軽減し、また、停電時における機能停止といった不具合の発生を解消することができるようになった。
【0008】
しかしながら、前述した従来の技術では、ソーラーパネルや電源部、および、照明を行う光源部を、灯具本体と天蓋とで形成される空間部内に組み込んだ構成としていることから、特に、前記電源部や光源部から発せられる熱が、前記空間部に滞留し、あるいは、太陽光を受けて前記空間部内の空気が熱せられることにより、前記空間部内温度が上昇してしまう。
【0009】
このように、前記空間部内温度が上昇すると、前記ソーラーパネルの発電効率の低下、あるいは、光源部や電気回路の劣化等を誘発するおそれがある。
【0010】
このような想定される不具合を解消するために、従来では、さらに、特許文献2に示される技術が提案されている。
【0011】
この技術は、灯具本体の閉塞空間部内の熱を、外部へ露出させられているケースもしくは支柱へ伝えるとともに、これらのケースや支柱から外気へ放出することにより、前記空間部内の温度上昇を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2012−227105号公報
【特許文献2】特開2012−181992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、前記特許文献2に示された技術では、前記ケースもしくは支柱からの放熱量は、これらの熱伝導率等により制限される。
したがって、熱伝導によって、前記空間部の熱の増加量以上の放熱量を確保することは極めて難しく、有効な解決手段とはなり得ていない。
【0014】
本発明は、このような従来の技術において残されている問題点に鑑みなされたもので、太陽光発電パネルや二次電池、および、発光体が設置される空間部内の空気の換気を自然対流によって行ない得るようにして、前記空間部内の熱を積極的に外部へ排出し、これによって、前記太陽光パネルの発電効率の低下、また、前記発光体や電気回路の劣化等を防止することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の防犯ユニットは、前述した課題を解決するために、地面に立設される支柱の先端部に装着される防犯ユニットであって、前記支柱に着脱可能に装着される連結部材と、この連結部材に装着され、上方が開放された基体と、この基体の上部を覆って設けられ、この基体との間に空間部を形成する透光性を有するトップカバーと、前記空間部に設置される、太陽光を電気エネルギーへ変換する太陽光発電パネル、この太陽光発電パネルによって発電された電力を蓄える二次電池、この二次電池から供給される電力によって発光させられる発光体、および、この二次電池から前記発光体への電力供給を制御する制御手段を備え、前記トップカバーが前記太陽光発電パネル上に重畳させられているとともに、これらのトップカバーおよび太陽光発電パネルが、その周縁部において環状の支持リングによって一体に支持され、この支持リングと前記基体が、これらの間に隙間を形成するスペーサーを介して連結され、前記基体に、その内外部を連通する通気部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の防犯ユニットは、地面に立設される支柱の先端に、前記連結部材を介して取り付けられ、前記支柱とともに目的とする敷地や街路に設置される。
【0017】
昼間において、太陽光が照射されると、この太陽光が前記トップカバーを透過して、その下部に設置されている前記太陽光発電パネルへ到達することによって、この太陽光発電パネルにおいて電力が生成される。
【0018】
このように生成された電力は、前記二次電池に蓄積され、夜間等、設置位置の周辺が暗くなった際に、前記発光体へ供給されてこの発光体の発光に供される。
【0019】
前記防犯ユニットへの太陽光の照射や内部機器の発熱によって、前記基体とトップカバーとの間に形成されている空間部内の空気が加熱され、前記空間部内に上昇気流が発生する。
【0020】
この上昇気流は、前記空間部内において、前記トップカバーの下部に位置させられている前記太陽光発電パネルの下面に到達する。
【0021】
ここで、前記トップカバーおよび太陽光パネルを支持する前記支持リングと前記基体との間に隙間が形成されていることにより、前記太陽光発電パネルの下面に到達した気流は、この太陽光発電パネルの下面によって前記隙間へ向かって流れ、さらに、この隙間から外部へと流出する。
【0022】
一方、このように前記空間部内の空気が外部へ流出すると、この空間部内に圧力低下が生じるが、前記基体に、この基体の内外部を連通する通気部が形成されていることにより、この通気部を介して外部の空気が前記空間部内へ引き込まれる。
【0023】
このような空間部内外の圧力差と前記気流による自然対流によって、前記空間部内の換気が連続して行なわれる。
【0024】
このような換気作用により、前記空間部内の熱が外部へ放出され、この空間部内の温度上昇が抑制される。
【0025】
これによって、前記空間部内に設置されている諸機器の温度上昇が効果的に抑制され、これらの健全性が確保される。
【0026】
しかも、前記気流が、前記太陽光発電パネルの下面に沿って形成されることから、この気流により前記太陽光発電パネルの冷却が行なわれる。
したがって、熱的影響によって発電効率が大きく変化する太陽光発電パネルの温度上昇を抑制して、その発電効率の低下を防止し、かつ、安定化させることができる。
【0027】
そして、前記太陽光発電パネルの下面と前記支持リングの下面とを略同一面に位置させることが好ましい。
【0028】
このような構成とすることにより、前記支持リングと前記太陽光発電パネルとの重畳量を確保しつつ、この支持リングの下面と前記太陽光発電パネルの下面とを連続させ、これによって、前記太陽光発電パネルの下面に沿った前記気流を、前記支持リングの下方に形成される前記隙間へ円滑に導き外部への流出を円滑にする。
この結果、前述した空間部の換気が効果的に行なわれる。
【0029】
前記通気部は、前記基体の側面に形成された通気口と、前記基体に前記通気口を覆って装着され、下方へ向かって開放された多数の開口が形成されたフードと、このフードと前記基体との間に介装された通気性を有するフィルターとによって構成することができる。
【0030】
このような構成とすることにより、下方へ向けられた前記開口の向きによって、前記通気部から流れ込む空気の流れを変え、これによって、雨天の際に、前記通気部に流れ込もうとする水滴の運動エネルギーを減衰させて、この水滴が前記基体内へ流入することを防止することができる。
【0031】
さらに、前記水滴が前記フードを通過したとしても、この水滴を前記フィルターによって捕獲して滴下させることができるので、この水滴の前記基体内への流入をさらに効果的に防止することができる。
【0032】
さらに、前記基体と前記支持リングとの間に形成された隙間に、通気性を有するサイドカバーを装着することが好ましい。
【0033】
このような構成とすることにより、前記隙間から前記基体内に虫等が侵入することを防止することができるとともに、前記サイドカバーの通気孔により通気を確保しつつ水滴の浸入を抑制することができる。
【0034】
そして、前記発光体をLEDとすることにより、この発光体の発熱量を抑制するとともに、消費電力を抑制して二次電池の負荷を軽減することができる。
【0035】
また、前記基体を、下方が小径となる略円錐台形状とすることが好ましい。
このような構成とすることにより、風に対する抵抗を軽減することができ、防犯ユニットの耐風性能を向上させることができる。
【0036】
さらに、前記基体内に、前記二次電池からの電力供給を受けて前記制御手段によって制御される撮像機を装着することもできる。
【0037】
このような構成とすることにより、昼間においては太陽光による明かりをもとに、また、夜間等においては前記発光体による明かりをもとに、設置場所周辺の撮像を行なうことができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の防犯ユニットによれば、外部電源を不要にして、設置や保守点検の作業を簡便なものとしつつ、防犯ユニット内の温度上昇を効果的に抑制してその熱に対する健全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本発明の第1の実施形態を示す外観図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態を示すもので、トップカバーおよび太陽光発電パネルと支持リングとの固定部を示す拡大断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態を示すもので、支持リングと基体との連結部分を示す拡大断面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態を示すもので、通気部を構成するフードとフィルターを示す分解斜視図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の第1の実施形態について、
図1ないし
図6を参照して説明する。
これらの図において符号1は、本実施形態に係わる防犯ユニットを示す。
【0041】
この防犯ユニット1は、地面に立設される支柱2の先端部に装着される防犯ユニット1であって、前記支柱2の先端に着脱可能に被嵌されて固定される連結部材3と、この連結部材3に装着され、上方が開放された基体4と、この基体4の上部を覆って設けられ、この基体4との間に空間部S(
図3参照)を形成する透光性を有するトップカバー5と、前記空間部Sに設置される、太陽光を電気エネルギーへ変換する太陽光発電パネル6、この太陽光発電パネル6によって発電された電力を蓄える二次電池7、この二次電池7から供給される電力によって発光させられる発光体8、および、この二次電池7から前記発光体8への電力供給を制御する制御手段9を備え、前記トップカバー5が前記太陽光発電パネル6上に重畳させられているとともに、これらのトップカバー5および太陽光発電パネル6が、その周縁部において環状の支持リング10によって一体に支持され、この支持リング10と前記基体4が、これらの間に隙間Gを形成するスペーサー11を介して連結され、前記基体4に、その内外部を連通する通気部12が形成された構成となっている。
【0042】
前記連結部材3は筒状に形成され、その内部に前記支柱2の先端部が嵌合させられるような内径とされ、その外側壁には、複数のロックボルト13が放射状に装着されている。
【0043】
これらのロックボルト13は、前記連結部材3の内部へ突出可能に、前記連結部材3に螺着されており、前記転結部材3の内側に嵌合させられる前記支柱2の外面に圧接させられることにより、この支柱2と前記連結部材3とを固定するようになっている。
【0044】
また、前記連結部材3の上端部には、外方フランジ3aが一体に形成されており、この外方フランジ3aに前記基体4の下部が連結されている。
【0045】
前記基体4は、下方が小径となる円錐台形状に形成されており、その下方の小径部において前記連結部材3の外方フランジ3a上に載置されるとともに、連結ボルト14によって一体に連結されている。
【0046】
さらに、前記基体4の上方の大径部には外方フランジ4aが一体に形成されている。
【0047】
一方、前記基体4の内部中央には、前記二次電池7、および、制御手段9がステート等を介して装着されており、また、前記基体4の周壁には、前記発光体8、および、前記通気部12が設けられている。
【0048】
前記発光体8は、前記基体4の周壁で、その軸線回りに所定間隔おいて装着されており、その投光部が前記周壁の外面に露出され、かつ、前記周壁との間が防水処理されている。
【0049】
前記通気部12は、前記発光体8が設けられた部位の間に形成された通気孔12aと、
図6に示すように、下方へ向かう開口15aが複数形成されたフード15と、このフード15に重畳させられて前記複数の開口15aを内側から覆う通気性を有するフィルター16とによって構成されている。
【0050】
そして、前記フード15の内側に前記フィルター16を重ね合わせた状態で、これらを前記基体4の外面に、前記通気孔12aを覆うようにして装着することにより前記通気部12を構成するようになっている。
【0051】
前記フード15は、
図2に示すように、前記基体4の外面にボルト17によって装着されるが、このフード15と前記基体4の外面との間に防水処理が施される。
【0052】
前記トップカバー5は、アクリルやポリカーボネート等の透光性を有する材料によって球殻状に形成され、かつ、その周縁部が外方フランジ5aとなされている(
図4および
図5参照)。
【0053】
前記太陽光発電パネル6は前記トップカバー5の前記外方フランジ5aの外径とほぼ同等の外径を有する円盤状に形成されており、前記トップカバー5の外方フランジ5aの下面に重畳させられるようになっている。
【0054】
前記支持リング10は、
図4および
図5に示すように、その断面が、前記外方フランジ5aの上面に対峙させられる水平部10aと、この水平部10aと直角となるように形成され、前記外方フランジ5aの周側面に対峙させられる垂直部10bとによってL字状に形成されている。
【0055】
そして、前記垂直部10bの内面の高さが、前記トップカバー5の外方フランジ5aと前記太陽光発電パネル6を重ね合わせた際の厚みとほぼ同等なるように設定されている。
【0056】
また、前記支持リング10の前記垂直部10bの下面には、前記支持リング10の中心へ向かって突出するステー18が、
図4に示すように、一体に設けられている。
【0057】
そして、前記ステー18は、前記支持リング10の周方向に間隔をおいた複数箇所に設けられており、それぞれのステー18には、係止プレート19がボルト・ナットからなる止着具20によって装着されている。
【0058】
前記係止プレート19は、前記ステー18よりも前記支持リング10の内側に突出し得る長さに形成されており、前記支持リング10の前記水平部10aに重畳させられる前記トップカバー5と前記太陽光発電パネル6の、前記太陽光発電パネル6の下面に対峙させられるようになっている。
【0059】
前記係止プレート19と前記太陽光発電パネル6の下面との間にはシム21が介装されており、前記係止プレート19を前記止着具20によって前記ステー28に螺着することによって、前記シム21を前記太陽光発電パネル6の下面に圧着させることにより、前記支持リング10の内側に、前記トップカバー5と前記太陽光発電パネル6を固定するようになっている。
【0060】
このように固定された状態において、前記太陽光発電パネル6の下面と前記支持リング10の下面とが、
図5に矢印(イ)(ロ)で示すように、同一面内に位置させられている。
【0061】
さらに、前記支持リング10の垂直部10bの下面には、前記ステー18から間隔をおいた位置に、
図5に示すように、所定高さの前記スペーサー11が一体に取り付けられている。
【0062】
これらのスペーサー11は、前記支持リング10の垂直部10bから下方へ向かう垂直部11aと、この垂直部11aの下方から前記支持リング10の中心部へ向かう水平部11bを備えている。
【0063】
そして、前記スペーサー11は、その水平部11bが前記基体4の上部に形成されている前記外方フランジ4aに当接させられるとともに、この外方フランジ4aにボルト・ナットからなる止着具22によって固定されることにより、前記支持リング10を、前記基体4の上端部との間に所定隙間Gを保持した状態で前記基体4に固定するようになっている。
【0064】
一方、前記支柱2の下部には、この支柱2を地面に固定するためのアンカー構成体23が固定されている。
【0065】
このアンカー構成体23は、前記支柱2の下端部に放射状に取り付けられた複数の下部連結ロッド24と、前記支柱2を囲繞して配置され、前記下部連結ロッド24に固定された下部リング25と、前記支柱2の、前記下部連結ロッド24と間隔をおいた位置に放射状に取り付けられた複数の上部連結ロッド26と、前記支柱2を囲繞して配置され、前記上部連結ロッド26に固定された上部リング27と、前記下部リング25と前記上部リング27とを連結する複数の縦ロッド28とによって構成されている。
【0066】
このように構成された本実施形態の防犯ユニット1は、前記支柱2の先端に前記連結部材3によって装着され、前記支柱2を、その下部に設けられている前記アンカー構成体23を地面に埋め込むことにより、目的の位置に所定高さで設置される。
【0067】
そして、太陽光が得られる状況において、前記太陽光発電パネル6によって発電された電力が前記二次電池7へ蓄えられ、この電力が、夜間等において前記発光体8の発光に用いられる。
【0068】
これによって、設置場所の周辺が、防犯ユニット1からの照明によって明るく照らされて、夜間等の防犯に供される。
【0069】
このような照明において、防犯ユニット1内で生成されて蓄えられた電力が用いられることにより、外部電力を不要にして、その設置コストを軽減し、かつ、停電時等においても防犯作用を確保することができる。
【0070】
そして、前記防犯ユニット1への太陽光の照射や内部機器の発熱によって、前記基体4とトップカバー5との間に形成されている空間部S内の空気が加熱される。
【0071】
この内部空気の温度上昇により、前記空間部S内に上昇気流が生成され、この上昇気流は、前記トップカバー5の下部に位置させられている前記太陽光発電パネル6の下面に到達し、この太陽光発電パネル6の下面に沿って流れて、前記隙間Gから外部へ流出する。
【0072】
一方、このように前記空間部S内の空気が外部へ流出すると、この空間部S内に圧力低下が生じ、これに伴って、前記通気部12を介して外部の空気が前記空間部S内へ引き込まれる。
【0073】
このような空間部S内外の圧力差と、前述した気流によって、
図3に矢印で示すように、前記空間部S内の換気が連続して行なわれる。
【0074】
このような換気作用により、前記空間部S内の熱が外部へ放出され、この空間部S内の温度上昇が抑制される。
ちなみに、外気温度が35℃の環境下において内部温度の変化を測定したところ、その内部温度は40℃未満に維持されていることが確認された。
【0075】
これによって、前記空間部S内に設置されている諸機器の温度上昇が効果的に抑制され、これらの健全性が確保される。
【0076】
特に、前記気流が、前記太陽光発電パネル6の下面に沿って形成されることから、前記太陽光発電パネル6が効果的に冷却され、熱的影響によって発電効率が大きく変化する太陽光発電パネル6の温度上昇が抑制されて、その発電効率の低下が防止され、かつ、安定化する。
この結果、防犯効果を安定して継続的に維持することができる。
【0077】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0078】
たとえば、前記基体4に撮像装置を設置しておき、この撮像装置を、前記二次電池7の電力を用いて作動させることにより、防犯ユニット1が設置された周辺の状況を画像として情報収集することができる。
【0079】
また、
図7に示すように、前記隙間Gに、通気性を有するサイドカバー29を装着して、前記隙間Gを覆うようにすることもできる。
これによって、防犯ユニット1内部への虫の侵入を防止することができ、あるいは、雨天時の水滴の浸入も抑制することができる。
【0080】
また、前記フード15と前記フィルター16を、前記基体4の外面側に装着する例について示したが、内側から装着するようにしてもよい。
【0081】
さらに、
図8に示すように、前記支柱2の下部に設けられるアンカー構成体30の下部リング31を、前記支持リング10の外径Dとほぼ等しい外径とするとともに、前記支柱2の下端より下方に位置させ(図に、符号Hで示した距離下方)、かつ、前記下部リング30と前記支柱2とを連結する下部連結ロッド32を、前記支柱2と直交する面に対して傾斜させ、さらに、前記下部リング31と前記上部リング27とを連結する縦ロッド33を鉛直方向に対して傾斜させた構成とすることもできる。
【0082】
このような構成とすることにより、前記支柱2の倒れ方向に対する強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0083】
1 防犯ユニット
2 支柱
3 連結部材
3a 外方フランジ
4 基体
4a 外方フランジ
5 トップカバー
5a 外方フランジ
6 太陽光発電パネル
7 二次電池
8 発光体
9 制御手段
10 支持リング
10a 水平部
10b 垂直部
11 スペーサー
11a 垂直部
11b 水平部
12 通気部
12a 通気孔
13 ロックボルト
14 連結ボルト
15 フード
15a 開口
16 フィルター
17 ボルト
18 ステー
19 係止プレート
20 止着具
21 シム
22 止着具
23 アンカー構成体
24 下部連結ロッド
25 下部リング
26 上部連結ロッド
27 上部リング
28 縦ロッド
29 サイドカバー
30 アンカー構成体
31 下部リング
32 下部連結ロッド
33 縦ロッド
G 隙間
S 空間部
【要約】
【課題】太陽光発電パネルや二次電池、および、発光体が設置される空間部内の空気の換気を行い得るようにする。
【解決手段】支柱2に装着される連結部材3と、この連結部材に装着された基体4と、この基体との間に空間部Sを形成するトップカバー5と、空間部に設置される太陽光発電パネル6、電力を蓄える二次電池7、この二次電池の電力によって発光させられる発光体8、および、電力を制御する制御手段9を備え、トップカバーが太陽光発電パネル上に重畳させられているとともに、これらのトップカバーおよび太陽光発電パネルが、その周縁部において環状の支持リング10によって一体に支持され、この支持リングが、スペーサー11によって、基体に隙間を形成して連結され、基体に、その内外部を連通する通気部が形成されている。
【選択図】
図1