(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
その上面の内周面側に一周にわたって窪み部と前記窪み部と前記内周面とを連通する少なくとも1つの切欠きが形成された出張り部とが形成された炉口部が下端に設けられた反応管の内部に基板を収容する工程と、
前記反応管の内部に収容された前記基板に対して処理ガスを供給して基板を処理する工程と、を有し、
前記基板処理工程では、前記窪み部に不活性ガスを供給し、前記切欠きを介して前記炉口部のうち少なくとも前記内周面を覆う炉口部カバーと前記炉口部との間の間隔に不活性ガスを流す半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1に示されるように、処理炉202は加熱手段(加熱機構)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板としてのヒータベースに支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0011】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ203が配設されている。プロセスチューブ203は、例えば石英(SiO
2)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。プロセスチューブ203の筒中空部には処理室201が形成されており、基板としてのウエハ200を、基板保持具としてのボート217によって水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。
【0012】
プロセスチューブ203の下方には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には、圧力検出器としての圧力センサ245及び圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ243を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されており、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づきAPCバルブ243の開度を調整することで、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。なお、APCバルブ243は弁を開閉して処理室201内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調整して処理室201内の圧力を調整することができるよう構成されている開閉弁である。
【0013】
プロセスチューブ203の下方(下端)には、プロセスチューブ203と同心円状に形成された炉口部(インレットまたはマニホールドという場合もある)209が配設されている。炉口部209は、例えば、ステンレス(SUS材)、ニッケル(Ni)合金等の金属からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。この炉口部209には、ガス導入部等が固定される。また、炉口部209は、プロセスチューブ203を支持するように設けられている。なお、炉口部209とプロセスチューブ203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。プロセスチューブ203と炉口部209とにより反応容器が形成される。
【0014】
炉口部209には、第1ガス導入部としての第1ノズル233aと、第2ガス導入部としての第2ノズル233bと、第3ガス導入部としての第3ノズル233eが、炉口部209の側壁(具体的には、炉口部209の側壁に設置されたポート)を貫通するように接続されている。第1ノズル233aと第2ノズル233bと第3ノズル233eは、それぞれ水平部と垂直部とを有するL字形状であり、水平部が炉口部209の側壁に接続され、垂直部がプロセスチューブ203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間に、プロセスチューブ203の下部より上部の内壁に沿って、ウエハ200の積載方向に向かって立ち上がるように設けられている。第1ノズル233a、第2ノズル233b、第3ノズル233eの垂直部の側面には、ガスを供給する供給孔である第1ガス供給孔248a、第2ガス供給孔248b、第3ガス供給孔248eがそれぞれ設けられている。
【0015】
プロセスチューブ203内には、温度検出器としての温度センサ263が、炉口部209の側壁を貫通するように設けられている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することにより、処理室201内の温度が所定の温度分布となるように構成されている。温度センサ263は、第1ノズル233a、第2ノズル233b及び第3ノズル233eと同様に、プロセスチューブ203の内壁に沿って設けられている。
【0016】
本実施形態では、第1ノズル233aには、原料ガスと不活性ガスを供給するガス供給部232aが接続され、第2ノズル233bには、反応ガスと不活性ガスを供給するガス供給部232bが接続される。すなわち、本実施形態では、原料ガスと反応ガスとを、別々のノズルにより供給する。第3ノズル233eには、クリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部232eが接続される。
【0017】
さらに、炉口部209には、N
2ガス(窒素)等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給部232c,232dが接続される。
【0018】
炉口部209の下方には、炉口部209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、炉口部209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、炉口部209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の処理室201と反対側には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通して、ボート217に接続されており、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。ボート217及びシールキャップ219は、プロセスチューブ203の外部に配置された昇降機構としてのボートエレベータ215によって、垂直方向に昇降されるように構成されており、これによりボート217を処理室201内に対し搬入搬出することが可能となっている。
【0019】
ボート217は、例えば石英(SiO
2)や炭化シリコン(SiC)等からなる。
【0020】
なお、ボート217の下部には、例えば石英(SiO
2)や炭化シリコン(SiC)等の耐熱材料からなる断熱部材218が設けられており、ヒータ207からの熱がシールキャップ219側に伝わりにくくなるように構成されている。
【0021】
図2に示すように、炉口部209は、例えばステンレス(SUS材)、ニッケル(Ni)合金等の金属からなり、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。炉口部209は、上面209aと内周面209bと下面209c(後述の
図4参照)を有し、内周面209bには、ガス供給部232a,232b、不活性ガス供給部232c,232d、クリーニングガス供給部232e、温度センサ263が装着されるポート319が複数設けられ、本実施形態においては、ポート319a、319b、319c、319d、319e及び319fが設けられている。
【0022】
ポート319aにはガス供給部232aが装着される。ポート319bにはガス供給部232bが装着される。また、ポート319c及び319dには、N
2等の不活性ガスを供給する不活性ガス供給部232c、232dがそれぞれ装着される。また、ポート319eには、クリーニングガス供給部232eが装着される。また、ポート310fには、温度センサ263が装着される。
【0023】
炉口部209の上面209aには同心円状に凹凸が形成される。具体的には、上面209aは、内周側から凸部(出張り部)である209a―1、バッファ溝として凹面(窪み面)が構成される凹部(窪み部)である209a―2、出張り部である209a―3、窪み部である209a―4、出張り部である209a―5で形成される。出張り部209a―1には、窪み部209a―2から内周面209bに連通する連通路としての炉口部溝209dが複数形成されている。本実施形態において、炉口部溝209dは、溝あるいは切欠きとして形成される。なお、炉口部溝209dは、出張り部209a―1を貫通する孔であってもよい。窪み部209a―2のポート319c、ポート319d上方には、このポート319c、ポート319dにそれぞれ連通する孔209e,209eが形成されている。不活性ガス供給部232c,232dより供給された不活性ガスは、不活性ガス供給部232c,232dのそれぞれが装着されたポート319c、ポート319dおよびそれらに連通する孔209e,209eを通過し、窪み部209a―2に供給される。このバッファ溝としての窪み部209a―2は、不活性ガスが流れる流路としての間隙322(後述の
図4参照)として機能する。
【0024】
複数の炉口部溝209dは、孔209eからの離間距離に応じて不均等に配置される。好ましくは、炉口部溝209dの間隔は、孔209eから離れるに従って小さくすると良い。孔209eに近い炉口部溝209dほど炉口部209内周面への不活性ガスの供給量が大きく、孔209eから遠い炉口部溝209dほど炉口部209内周面への不活性ガスの供給量は小さくなる。これは、孔209eから供給された不活性ガスが窪み部209a―2(間隙322)を流れる途中で各々形成された炉口部溝209dから炉口部209内周面へ供給されるため、孔209eから遠い炉口部溝209dに到達するまでに不活性ガスの流量自体が減ってしまうためである。炉口部溝209dの間隔を孔209eから離れるに従って小さくすることにより、孔209eから遠い炉口部溝209dにも十分な流量の不活性ガスを供給でき、各炉口部溝209dから炉口部209内周面に供給される不活性ガスの供給量を均等にすることが可能となる。
【0025】
また、炉口部209の温度分布やガス供給部の配置関係等により、炉口部209表面で特に副生成物が付着しやすい箇所ができたり、逆に、副生成物が付着しにくい箇所ができたりする。このような場合においても、炉口部溝209dの間隔を適宜調整することにより、各炉口部溝209dからの不活性ガスの供給量に大小関係を設けることができる。例えば、副生成物が付着しにくい領域では炉口部溝209dの形成間隔を広げ、副生成物が付着しやすい領域では炉口部溝209dの形成間隔を狭くするようにしても良い。
【0026】
さらに、各炉口部溝209dからの不活性ガスの供給量は、炉口部溝209dの大きさを変えることでも調整可能である。例えば、孔209eに近い炉口部溝209dほど開口面積を小さくし、孔209eより遠い炉口部溝209dほど開口面積を大きくしても良い。
【0027】
図3に示されているように、炉口部209には、炉口部の内周面209bを覆うカバー部材としての炉口部カバー320が装着される。炉口部カバー320は、例えば石英(SiO
2)等の耐熱性材料からなり、処理室201を構成する炉口部209上面の出張り部209a―1及び窪み部209a―2と内周面209bの全周あるいは略全周を覆うように構成されている。すなわち、炉口部カバー320は内周面209bに沿った側面と、側面の上端が水平方向へ屈曲された水平部分とにより形成され、その断面がL字形状に構成されている。
【0028】
炉口部カバー320の内周面には、ポート319にガス導入部としてのノズル233a、233b、233e及び温度センサ263を装着するための切欠き部323が複数形成されている。炉口部カバー320には、上面外周側に炉口部カバー溝320aが複数形成されている。本実施形態において、炉口部カバー溝320aは、溝あるいは切欠きとして形成される。なお、炉口部カバー溝320aは、炉口部カバー320の上面を貫通する孔であってもよい。これにより、間隙322から炉口部カバー320の上方へ不活性ガスを供給することができ、炉口部209のプロセスチューブ203との接触面に副生成物が付着するのを防止できる。
【0029】
ここで、炉口部カバー溝320a間の間隔は孔209eから離れるに従って小さくすると良い。これにより、不活性ガス供給部232c、232dから離間するほど不活性ガスの供給量が低下するのが防止され、炉口部カバー320内周面に均等に不活性ガス(パージガス)を供給することができる。
【0030】
図5に示すように、炉口部209に炉口部カバー320を装着した状態において、炉口部209の上面の窪み部209a―2と炉口部カバー320の間に不活性ガスが流れる流路としての間隙322が形成される。また、炉口部209の内周面209bと炉口部カバー320との間に不活性ガスが流れる流路としての間隙324が形成される。また、炉口部カバー320の下方には、不活性ガスが流れる流路としての間隙325が形成される。
【0031】
すなわち、ポート319c、319dに接続された不活性ガス供給部232c,232dからN
2ガス等の不活性ガスが孔209eを介して間隙322内を流れ、炉口部溝209dを介して、炉口部209の内周面全周である間隙324、すなわち炉口部209と炉口部カバー320の間の空間、及び間隙325を流れ、炉口部209の上面及び内周面がパージされる。
【0032】
本実施形態においては、炉口部209の上面に間隙322を形成する構成について説明したが、これに限らず、炉口部209の上面に対向する炉口部カバー320の面に間隙を形成して、炉口部の内周面209bに連通するようにしてもよい。これにより、炉口部209と炉口部カバー320との間に不活性ガスを均等に供給でき、パーティクルの発生をより効果的に抑制できる。
【0033】
また、ポート319c、319dに不活性ガス供給部232c、232dを接続し、炉口部209の内周面と炉口部カバー320の間に不活性ガス(パージガス)を供給する例について説明したが、第三ポート319c及び/又は第四ポート319dにフッ化水素(HF)等のクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部232eを接続してもよい。炉口部209の内周面と炉口部カバー320との間にクリーニングガスを供給することにより、副生成物を除去し、パーティクル発生を防止できる。
【0034】
制御部(制御手段)であるコントローラ280は、APCバルブ243、ヒータ207、温度センサ263、真空ポンプ246、回転機構267、ボートエレベータ215等の動作を制御する。
【0035】
続いて、本発明の一実施形態に係る基板処理工程について、
図1及び
図6を参照しながら説明する。本実施形態に係る基板処理工程は、ウエハ200上にSiO膜を形成するSiO膜形成工程(S100)と、処理室201の内壁等に付着した堆積物を除去するクリーニング工程(S200)と、を有する。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作は、コントローラ280によって制御される。
【0036】
ここで、プロセスチューブ203の下端部に供給されるガス供給部232a,232b、不活性ガス供給部232c,232dからは、少なくともウエハ200が処理されている状態で不活性ガスとしての不活性ガスが供給される。なお、常時不活性ガスを供給してもよいが、好ましくは、回転軸255等の処理室内に一部が剥き出しになる金属が腐食されてしまうような状態のとき、例えば、処理室201内に腐食性ガスを供給している状態や、腐食性ガスが残留している状態の時に、不活性ガスを供給するとよい。
【0037】
<SiO膜形成工程(S100)> 本工程では、ウエハ200に対し、原料ガスとしてクロロシラン系原料ガスであるヘキサクロロジシラン(Si
2Cl
6、略称:HCDSガス)を用いたウエハ200上へのシリコン含有層の形成と、大気圧未満の圧力雰囲気下でのO
2ガスを用いたシリコン含有層の酸化処理と、を繰り返すことで、ウエハ200上にSiO膜を形成する。以下に、SiO膜形成工程(S100)を具体的に説明する。
【0038】
(ステップS101、ステップS102)
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージS101)されると、炉口部209の下端開口が開放される。
図1に示されているように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ215によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロードS102)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220bを介して炉口部209の下端をシールした状態となる。
【0039】
(ステップS103)
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように圧力センサ245、APCバルブ243および真空ポンプ246によって圧力調整される。また、処理室201内が所望の温度となるように温度センサ263およびヒータ207によって加熱・温度調整される。その後、後述する4つの膜形成ステップ(S104〜S107)を順次実行する。
【0040】
(ステップS104)
真空ポンプ246を作動させたまま、第1ノズル233aから原料ガスの一例であるHCDSガスを流す。HCDSガスは、マスフローコントローラ(図示せず)により流量調整される。流量調整されたHCDSガスは、第1ノズル233aを介して処理室201内に供給され、排気管231から排気される(HCDSガス供給)。このとき、同時に第1ノズル233a内にN
2ガス等の不活性ガスを流す。不活性ガスは、HCDSガスと一緒に処理室201内に供給され、排気管231から排気される。
【0041】
Siを含む原料としては、HCDSガスの他、例えばジクロロシラン(SiH
2Cl
2,略称DCS)ガス、テトラクロロシラン(SiCl
4、略称:TCS)ガス、モノシラン(SiH
4)ガス等の無機原料だけでなく、アミノシラン系のテトラキスジメチルアミノシラン(Si(N(CH
3)
2)
4、略称:4DMAS)ガス、トリスジメチルアミノシラン(Si(N(CH
3)
2)
3H、略称:3DMAS)ガス、ビスジエチルアミノシラン(Si(N(C
2H
5)
2)
2H
2、略称:2DEAS)ガス、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH
2(NH(C
4H
9))
2、略称:BTBAS)ガスなどの有機原料を用いてもよい。不活性ガスとしては、N
2ガスの他、例えばArガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いてもよい。
【0042】
(ステップS105)
ウエハ200の表面等にシリコン含有層が形成された後、HCDSガスの供給を停止する。このとき、排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、残留したHCDSガスを処理室201内から排除する。このとき、不活性ガスを処理室201内へ供給すると、残留したHCDSガスを排除する効果が更に高まる(パージ)。
【0043】
(ステップS106)
処理室201内をパージした後、第2ノズル233bから酸素含有ガスとしてのO
2ガスとN
2ガス等の不活性ガスを流す。O
2ガス及び不活性ガスは、第2ガス供給孔248bから処理室201内に供給された後、排気管231から排気される。
【0044】
酸素含有ガスとしては、酸素(O
2)ガスの他、例えばオゾン(O
3)ガス等を用いてもよい。
【0045】
(ステップS107)
シリコン含有層をシリコン酸化層へと改質した後、O
2ガスの供給を停止する。このとき、排気管231のAPCバルブ243は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、残留したO
2ガスを処理室201内から排除する。このとき、不活性ガスを処理室201内へ供給すると、残留したO
2ガスを排除する効果が更に高まる。
【0046】
(ステップS108)
そして、上述したステップS104〜ステップS107を1サイクルとして、このサイクルを所定回数実施する。これにより、ウエハ200上及びボート217の表面、処理室201内壁等の処理室201内の部材等に、所定膜厚のSiO膜を成膜することが出来る。
【0047】
(ステップS109、ステップS110)
所定膜厚のSiO膜が成膜されると、第1ノズル233a、第2ノズル233bのそれぞれから不活性ガスを処理室201内へ供給し、排気管231から排気する。不活性ガスはパージガスとして作用し、これにより処理室201内が不活性ガスでパージされ、処理室201内に残留するガスが処理室201内から除去される(パージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0048】
(ステップS111、ステップS112)
その後、ボートエレベータ215によりシールキャップ219が下降されて、炉口部209の下端が開口されるとともに、処理済のウエハ200がボート217に保持された状態で炉口部209の下端から反応管203の外部に搬出(ボートアンロード)される。ボートアンロードの後は、炉口部209の下端開口がOリング220cを介して不図示のシャッタによりシールされる(シャッタクローズ)。その後、処理済みのウエハ200はボート217より取り出される(ウエハディスチャージ)。
【0049】
次に、本発明の好ましい実施の形態における処理炉202のクリーニング工程S200について説明する。
【0050】
<クリーニング工程(S200)> 上述のSiO膜形成工程(S100)を繰り返すと、処理室201内の部材に、SiOが累積する。すなわち、SiOを含む堆積物がプロセスチューブ203の内壁等に付着し累積する。この内壁等に付着し累積した堆積物の厚さが、堆積物に剥離・落下が生じる前の所定の厚さ(例えば1μm〜5μm)に達した時点で、プロセスチューブ203内のクリーニングが行われる。クリーニングは、所定の温度に加熱された処理室201内に、クリーニングガスとして例えばHFガスを単独で、もしくは不活性ガスで希釈されたHFガスを供給し、処理室201内に堆積(累積)した堆積物を除去することにより行う。以下に、クリーニング工程(S200)を具体的に説明する。
【0051】
(ステップS201)
処理済みのウエハ200がボート217より取り出された後、空のボート217が、ボートエレベータ215によって持ち上げられて処理室201内に搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219はOリング220bを介して炉口部209の下端をシールした状態となる。
【0052】
(ステップS202)
処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように真空ポンプ246によって真空排気される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ243がフィードバック制御される(圧力調整)。また、処理室201内が所望の温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度(クリーニング温度)となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される(温度調整)。
【0053】
(ステップS203)
次いで、処理室201内の温度、圧力が、それぞれ所定の温度、所定の圧力に維持された状態で、クリーニングガスとしてのHFガスを第3ノズル233e内に流す(HFガス供給)。HFガスは、第3ノズル233eからボート217や処理室201の内壁等に供給され、排気管231から排気される。
【0054】
処理室201内に導入されたHFガス、または希釈されたHFガスは、処理室201内を通過する際に処理室201の内壁やボート217の表面に累積したSiO等の薄膜を含む堆積物と接触し、この際に熱化学反応により堆積物が除去される。すなわち、HFガスの熱分解により生じる活性種と堆積物とのエッチング反応により堆積物が除去される。
【0055】
(ステップS204)
予め設定された堆積物のエッチング時間が経過し、処理室201内のクリーニングが終了すると、HFガス、または希釈されたHFガスの処理室201内への供給を停止する。その後、処理室201内にN
2ガス等の不活性ガスが供給され、排気管231から排気されることで処理室201内がパージされる。
【0056】
クリーニングガスとしては、HFガス以外に、例えば三フッ化塩素(ClF
3)ガス、三フッ化窒素(NF
3)ガス、フッ素(F
2)ガス等のフッ素含有ガスを用いてもよい。
【0057】
(ステップS205)
処理室201内が不活性ガスでパージされ、処理室201内に残留するガスが処理室201内から除去されると、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
【0058】
(ステップS206)
その後、ボートエレベータ215によりシールキャップ219が下降されて、炉口部209の下端が開口されるとともに、空のボート217が炉口部209の下端からプロセスチューブ203の外部に搬出(ボートアンロード)される。
【0059】
図7に示すように、不活性ガスは、ポート319c、319dに接続された不活性ガス供給部232c,232dから炉口部209上面の間隙322内を流れ、炉口部溝209dを介して、炉口部209の内周面全周である間隙324、及び間隙325を流れ、炉口部209の上面及び内周面がパージされる。これにより、炉口部の表面は不活性ガスに覆われる。従って、炉口部209の上面、内周面が処理ガスと接触する面積を少なくし、処理ガスに腐食性のガスが使用されたとしても、炉口部が腐食することを抑制し、パーティクルの発生を抑制することができる。また、間隙322を介して炉口部209の内周面209bと炉口部カバー320の間に不活性ガスを供給することで、炉口部209と炉口部カバー320の間の間隙324における不活性ガスの流れがダウンフローとなるため、間隙322及び間隙324に付着した副生成物が剥離したとしても、それがウエハ領域でパーティクルとして舞い上がることを抑制することができる。
【0060】
ここで、炉口部のパージ効果を高めるためには、
図7に示されているように、炉口部209と炉口部カバー320との間は狭いほうがよく、好ましくは、2mm以下とするとよい。これにより、炉口部209の内周面への副生成物の付着が効果的に防止される。炉口部209の内周面に付着した副生成物は、ポート319c及びポート319dから不活性ガスを供給することで、除去できる。また、ポート319c及びポート319dにクリーニングガス供給部を接続してクリーニングガスを供給してもよい。
【0061】
次に、
図8を用いて本発明の他の実施形態に係る基板処理装置について説明する。
図8の実施形態では、不活性ガス供給部232c、232dが接続されるポート319c及びポート319dを炉口部209の側壁から貫通させて、間隙322を介さずに、炉口部209内周面と炉口部カバー320との間に形成される間隙324内に不活性ガスを供給する。
【0062】
図8に示されているように、炉口部209の内周面と炉口部カバー320との間を広くしても不活性ガスの流路を形成することができ、炉口部が腐食することを抑制し、パーティクルの発生を抑制することができる。なお、不活性ガスの代わりにクリーニングガスを用いても、クリーニング効率を上げて、メンテナンス時間を短縮することができる。なお、本実施形態は、複雑な形状の炉口部を用いた場合でも不活性ガスの流路を形成することができる。
【0063】
従って、炉口部209の上面と内周面とを覆うように炉口部カバー320が設けられ、この炉口部209と炉口部カバー320との間に不活性ガス及び/又はクリーニングガスを供給することにより、炉口部209の処理室201内側の表面は不活性ガス及び/又はクリーニングガスに覆われ、炉口部209への副生成物の付着や腐食が防止される。
【0064】
次に、本発明の第2の実施形態について詳述する。なお、本発明の第1の実施形態と共通する構成についてはその説明を省略する。
【0065】
図9は、本発明の他の実施形態に係る炉口部409を示す上面図である。
【0066】
第1の実施形態との違いは、炉口部カバー520が複数の円弧形状に分割されている点である。炉口部409の内周面409bには、内周側に突出した炉口部カバー520を取り付けるための突起部410が複数設けられている。これらの突起部410は、その間隔が不均等に配置される。
【0067】
図10に示すように、炉口部カバー520は、円周方向に分割された大小複数の炉口部カバー部材から構成される。
図10では、炉口部409に、ノズル233や、ノズル233を支持するノズル支持部521が形成されている箇所を除いた部分を大小複数の炉口部カバー部材によって覆うことにより炉口部409を保護している。炉口部カバー520は、例えば、4つの炉口部カバー部材から構成され、炉口部409に4つの炉口部カバー部材520−1,520−2,520−3,520−4が装着される。これにより、炉口部409の腐食が防止される。
【0068】
炉口部カバー部材520−1〜520−4は大きさが異なるが主要な構成は共通である。ここでは、
図11を用いて炉口部カバー部材520−1を例にして説明する。
【0069】
炉口部カバー部材520−1は、円弧形状であって、内周側に水平方向に突出した上部520aと、上部520aの外周側から略垂直に形成され、炉口部520の内周面409bに対面する側面部520bとを有する。側面部520bには、炉口部409のL字形状の突起部410に炉口部カバー部材520を設置するための開口である開口部522が例えば2つ形成されている。2つの開口部522,522の間には、外周側(炉口部409側)に突出した突出部524を有している。炉口部カバー部材520は2つの開口部522がそれぞれ突起部410に引っ掛けられることにより炉口部409に設置される。また、炉口部カバー部材520は炉口部409に設置されたとき、その高さが少なくとも炉口部409の上面の窪み部409a―2よりも高くなっている。より好ましくは、出張り部409a―1の上面以上の高さである。
【0070】
炉口部カバー部材520−1〜520−4は、処理室201を構成する炉口部409の内周面409bのほぼ全周を覆って、炉口部409の突起部410に開口部522が引っ掛けられ、突出部524が炉口部409の内周面に当接して装着される。これにより、炉口部カバー520は炉口部409の内周面とのクリアランスを確保して不活性ガスが流れる流路としての間隙が形成される。また、炉口部409に対する炉口部カバー520のがたつきが抑制される。また、炉口部カバー520を炉口部409に引っ掛ける構成としたことにより、炉口部409を取り外さなくても炉口部カバー520を簡単に交換できる。
【0071】
なお、炉口部カバー520の上端が内周側にL字形状に突出した例について説明したが、これに限らず、炉口部カバー520の上端がさらに1〜2mm程度外周側に出っ張るように、断面がT字形状となるように構成してもよい。すなわち、炉口部カバー320は内周面209bに沿った側面と、側面の上端が側面の前後にわたる水平方向へ延伸された延伸部分とにより形成されていてもよい。また、突起部410をL字形状ではなく、ブロック形状(柱状)とし、突起部410に開口部522をはめ込むようにして炉口部カバー部材520を設置してもよい。
【0072】
図12および
図13に示すように、炉口部409の上面409a上にプロセスチューブ203の下面が装着される。炉口部409にプロセスチューブ203を装着した状態において、炉口部409の上面の窪み部409a―2とプロセスチューブ230の下面との間に不活性ガスが流れる流路としての間隙322が形成される。また、炉口部409の内周面409bと炉口部カバー520の外周面との間に不活性ガスが流れる流路としての間隙324が形成される。また、炉口部カバー520の下方には、不活性ガスが流れる流路としての間隙325が形成される。
【0073】
すなわち、ポート319c、319dに接続された不活性ガス供給部232c,232dからN
2等の不活性ガスが孔409eを介して間隙322から円周方向にプロセスチューブ203の下面を流れ、炉口部溝409dを介して、炉口部409の内周面全周である間隙324、すなわち炉口部409と炉口部カバー520の間の空間、及び間隙325を流れ、炉口部409の上面及び内周面がパージされる。これにより、炉口部の表面は不活性ガスに覆われる。従って、炉口部409の上面、内周面が処理ガスと接触する面積は少なく、処理ガスに腐食性のガスが使用されたとしても、炉口部が腐食することが抑制され、パーティクルの発生を抑制することができる。また、間隙322及び炉口部溝409dを介して間隙324及び間隙325に不活性ガスを供給することで、炉口部409と炉口部カバー520の間の間隙324における不活性ガスの流れがダウンフローとなって、ウエハ領域へのパーティクルの侵入や詰まりが防止できる。
【0074】
本実施形態においては、ポート319c及びポート319dから不活性ガスを供給する例について説明したが、これに限らず、不活性ガスの代わりにHFガス等のクリーニングガスを供給してもよく、不活性ガスとクリーニングガスを合わせて供給するようにしてもよい。
【0075】
以上、説明した実施形態によれば、次の(1)〜(6)の効果のうち、少なくとも1つ又は複数の効果を奏す。(1)炉口部209の上面と内周面とを覆うように炉口部カバー320が設けられ、この炉口部209と炉口部カバー320との間に不活性ガス及び/又はクリーニングガスを供給することにより、炉口部209の処理室201内側の表面は不活性ガス及び/又はクリーニングガスに覆われ、炉口部209への副生成物の付着や腐食が防止される。(2)炉口部溝209dの間隔を孔209eから離れるに従って小さくすることにより、孔209eから離れるほど不活性ガスの供給量が低下することを防止することができ、炉口部209内周面を効率よくパージ(排気、置換)することができる。(3)炉口部溝209dの間隔や開口面積の大きさを適宜調整することにより、炉口部209内周面への不活性ガスの供給量を調整することができ、より効率的にパージすることが可能である。(4)炉口部カバー320の上面外周側に炉口部カバー溝320aを複数形成することにより、間隙322から炉口部カバー320の上方へ不活性ガスを供給することができ、炉口部209のプロセスチューブ203との接触面に副生成物が付着するのを防止できる。なお、炉口部カバー溝320a間の間隔は孔209eから離れるに従って小さくすると良い。これにより、不活性ガス供給部232c、232dから離間するほど不活性ガスの供給量が低下するのが防止され、炉口部カバー320内周面に均等に不活性ガス(パージガス)を供給することができる。また、炉口部カバー溝320aの上方に排気管231が設けられるようにするとよい。これにより、一層均等かつ効率的に不活性ガスを供給することができる。(5)間隙322を介して炉口部209の内周面209bと炉口部カバー320の間に不活性ガスを供給することで、炉口部209と炉口部カバー320の間の間隙324における不活性ガスの流れがダウンフローとなるため、間隙322及び間隙324に付着した副生成物が剥離したとしても、それがウエハ領域でパーティクルとして舞い上がることを抑制することができる。(6)炉口部カバー520を複数の炉口部カバー部材520−1〜520−4で構成し、これらが処理室201を構成する炉口部409の内周面409bのほぼ全周を覆って、炉口部409の突起部410に開口部522が引っ掛けられ、突出部524が炉口部409の内周面に当接して装着するように構成することにより、炉口部カバー520は炉口部409の内周面とのクリアランスを確保して不活性ガスが流れる流路としての間隙が形成され、炉口部409に対する炉口部カバー520のがたつきが抑制される。(7)炉口部カバー520が内周側に水平方向に突出したL字形状とする炉口部カバー520を炉口部409に引っ掛ける構成としたことにより、炉口部409を取り外さなくても炉口部カバー520を簡単に交換できる。(8)炉口部409に設置した時の炉口部カバー520の高さを炉口部409の炉口部溝409dよりも高くしたことにより、炉口部溝409dを通る不活性ガスを処理炉内に逃がすことなく、効率的に間隙324に導入することができる。
【0076】
而して、基板処理装置に於いて、基板の汚染が防止され、メンテナンスサイクルを延ばし、生産効率をあげることができる。
【0077】
本実施形態においては、炉口部209の上面に間隙322を形成する構成について説明したが、これに限らず、炉口部209の上面に対向する炉口部カバー320の面に間隙を形成して、炉口部の内周面209bに連通するようにしてもよい。これにより、炉口部209と炉口部カバー320との間に不活性ガスやクリーニングガスを均等に供給でき、パーティクルの発生をより効果的に抑制できる。
【0078】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、プロセスチューブのみの1重管仕様として説明したがこれに限らず、例えば、アウターチューブ、インナーチューブの2重管仕様としてもよいし、3重管以上の仕様であっても適用可能である。
【0079】
また、本実施の形態では、プロセスチューブ203の下部に不活性ガス供給部を2つ設けたが、これに限らず、1つでもよい。1つである場合には、排気管231に対向する側に構成する。これにより、ガスの供給と排気の全体においてスムースな流路を形成できる。
【0080】
本発明は、半導体製造技術、特に、被処理基板を処理室に収容してヒータによって加熱した状態で処理を施す熱処理技術に関し、例えば、半導体集積回路装置(半導体デバイス)が作り込まれる半導体ウエハに酸化処理や拡散処理、イオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローやアニール及び熱CVD反応による成膜処理などに使用される基板処理装置に利用して有効なものに適用することができる。
【0081】
<本発明の好ましい態様> 以下、本発明の好ましい態様について付記する。
【0082】
(付記1)
本発明の一態様によれば、
反応管と、
前記反応管の下部に設けられ、上面に溝と前記溝を内周面に連通する連通路とが形成される炉口部と、
前記炉口部の内周面から所定の空間を設けて設置され、前記炉口部の少なくとも前記内周面を覆う炉口部カバーと、
前記炉口部に接続され、前記溝に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、を有する基板処理装置が提供される。
【0083】
(付記2)
付記1に記載の装置であって、好ましくは、
前記炉口部カバーの下方には前記不活性ガスを流通させる間隙が形成され、前記溝に供給された不活性ガスは、前記溝、前記連通路、前記炉口部と前記炉口部カバーとの間の前記所定の空間、前記間隙の順で通過する。
【0084】
(付記3)
付記1または2に記載の装置であって、好ましくは、
前記炉口部は、その内周に突起部を有し、前記炉口部カバーは、前記突起部に引っ掛ける開口部を有する。
【0085】
(付記4)
付記1乃至3のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記炉口部カバーは、前記炉口部の内周方向に突出する突出部を有する。
【0086】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記炉口部カバーは、円周方向に分割された複数の部材から構成される。
【0087】
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記流通路あるいは前記溝は複数形成され、各流通路あるいは各溝の間隔は、前記不活性ガス供給部から離れるに従って小さくなる。
【0088】
(付記7)
付記1乃至6のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記炉口部は、前記反応管に処理ガスを供給するガス供給部が接続されると共に、前記ガス供給部が接続される位置に前記流通路あるいは前記溝が形成される。
【0089】
(付記8)
付記1乃至7のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記炉口部カバーは、前記炉口部の前記溝を覆うように形成されると共に、前記溝と前記炉口部カバーの上面を連通する第2の流通路あるいは孔を有する。
【0090】
(付記9)
付記8記載の装置であって、好ましくは、
前記第2の流通路あるいは孔は複数形成され、該第2の流通路あるいは孔の間隔は、前記不活性ガス供給部から離れるに従って小さくなる。
【0091】
(付記10)
付記1乃至9のいずれかに記載の装置であって、好ましくは、
前記炉口部と前記炉口部カバーとの間にクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部を有する。
【0092】
(付記11)
付記10記載の装置であって、好ましくは、
前記反応管内のガスを排気する排気部を有し、前記クリーニングガス供給部は、前記排気部と対向する位置に設けられる。
【0093】
(付記12)
本発明の他の態様によれば、
基板処理装置の反応管の下部に設けられる炉口部であって、
上面に形成された溝と、
前記溝を内周面に連通する連通路と、を有し、
前記溝に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部が接続される炉口部が提供される。
【0094】
(付記13)
付記12に記載の炉口部であって、好ましくは、
前記炉口部は、前記流通路あるいは前記溝が複数形成され、各流通路あるいは各溝の間隔は、前記不活性ガス供給部が接続される位置から離れるに従って小さくなる。
【0095】
(付記14)
本発明のさらに他の態様によれば、
基板処理装置の反応管の下部に設けられる炉口部の内周面を覆う炉口部カバーであって、
前記炉口部の内周面に形成された突起部に引っ掛ける開口部と、
前記炉口部の内周面方向に突出した突出部と、を有する炉口部カバーが提供される。
【0096】
(付記15)
付記15に記載の炉口部カバーであって、好ましくは、
前記炉口部カバーは、円周方向に分割された複数の部材から構成される付記14に記載の炉口部カバー。
【0097】
(付記16)
本発明のさらに他の態様によれば、
上面に溝と前記溝を内周面に連通する連通路とが形成された炉口部が下部に設けられた反応管の内部に基板を収容する基板収容工程と、
前記反応管の内部に収容された前記基板に対して処理ガス供給部から処理ガスを供給し基板を処理する基板処理工程と、を有し、
前記基板処理工程において、前記溝と前記連通路と前記炉口部の少なくとも前記内周面を覆う炉口部カバーと前記炉口部との間の空間とに前記炉口部に接続された不活性ガス供給部から不活性ガスを供給する半導体装置の製造方法が提供される。
【0098】
なお、この出願は、2014年3月26日に出願された日本出願特願2014−063073を基礎として優先権の利益を主張するものであり、その開示の全てを引用によってここに取り込む。