特許第6146921号(P6146921)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6146921-光学フィルムの製造方法および製造装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6146921
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】光学フィルムの製造方法および製造装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20170607BHJP
   B26D 5/30 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   G02B5/30
   B26D5/30 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-243855(P2014-243855)
(22)【出願日】2014年12月2日
(65)【公開番号】特開2016-109722(P2016-109722A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】岡野 彰
(72)【発明者】
【氏名】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】仲井 宏太
(72)【発明者】
【氏名】八重樫 将寛
(72)【発明者】
【氏名】大瀬 雄基
【審査官】 細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/151097(WO,A1)
【文献】 特開2003−019697(JP,A)
【文献】 特開2005−043384(JP,A)
【文献】 特開2001−305348(JP,A)
【文献】 特開2003−015120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/00−11/00
B26F 1/00−1/46
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に2個以上および長さ方向に2個以上の被検出部を有する帯状フィルムを、所定の長さ方向送りピッチごとに、該帯状フィルムの幅方向の一方から他方へ向けて、順次切り抜くことを含み、
該帯状フィルムを切り抜く際、該被検出部の位置を検出し、検出された該被検出部の位置を基準として切り抜き線の位置決めを行い、検出された該被検出部を有するフィルム片を1枚ずつ得ることを含み、
該帯状フィルムが、長尺状偏光子であり、
該被検出部が、非偏光部である、
光学フィルムの製造方法。
【請求項2】
カメラを用いて、前記被検出部の位置を検出する、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項3】
幅方向において前記帯状フィルムを切り抜く前に、該帯状フィルムの幅方向の片側端辺を検出することと、
該帯状フィルムを切り抜く際、切り抜き手段を、該帯状フィルムの幅方向の一方から他方へ向けて、移動させることとを含み、
検出された該片側端辺を基準に、該切り抜き手段の移動方向を決定する、
請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項4】
帯状フィルムを所定の長さ方向送りピッチで搬送する搬送手段と、
該帯状フィルムが有する被検出部を検出する検出手段と、
該帯状フィルムの幅方向の一方から他方へ向けて移動し、かつ、検出された該被検出部の位置を基準として切り抜き線の位置決めを行う切り抜き手段とを含み、
該帯状フィルムが、長尺状偏光子であり、
該被検出部が、非偏光部である、
光学フィルムの製造装置。
【請求項5】
前記検出手段が、前記帯状フィルムの幅方向の片側端辺をさらに検出し、
検出された該片側端辺を基準に、前記切り抜き手段の移動方向が決定される、
請求項に記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムの製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶表示装置等の画像表示装置には、偏光フィルムや位相差フィルムといった種々の光学フィルムが使用されており、これらの光学フィルムを備えることによって該画像表示装置は所望の画像表示特性を発揮している。光学フィルムは、一般に、所定の樹脂材料からなる長尺フィルムを作製した後、打ち抜き装置を用いて所定の製品形状を有するフィルム片として打ち抜かれることにより製造される(例えば、特許文献1)。
【0003】
上記光学フィルムの使用方法等に応じて、光学フィルム表面の特定位置にアライメントマーク等の機能部が設けられることがある。近年の画像表示装置の高機能化に伴い、光学フィルムにおける機能部を、バラツキがないように精度よく配置することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−231129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、長尺の帯状フィルムから、機能部が精度よく配置されたフィルム片(光学フィルム)を製造し得る製造方法および製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学フィルムの製造方法は、幅方向に2個以上および長さ方向に2個以上の被検出部を有する帯状フィルムを、所定の長さ方向送りピッチごとに、該帯状フィルムの幅方向の一方から他方へ向けて、順次切り抜くことを含み、該帯状フィルムを切り抜く際、該被検出部の位置を検出し、検出された該被検出部の位置を基準として切り抜き線の位置決めを行い、検出された該被検出部を有するフィルム片を1枚ずつ得ることを含む。
1つの実施形態においては、カメラを用いて、上記被検出部の位置を検出する。
1つの実施形態においては、幅方向において上記帯状フィルムを切り抜く前に、該帯状フィルムの幅方向の片側端辺を検出することと、該帯状フィルムを切り抜く際、切り抜き手段を、該帯状フィルムの幅方向の一方から他方へ向けて、移動させることとを含み、検出された該片側端辺を基準に、該切り抜き手段の移動方向を決定する。
本発明の別の局面によれば、光学フィルムの製造装置が提供される。この光学フィルムの製造装置は、帯状フィルムを所定の長さ方向送りピッチで搬送する搬送手段と、該帯状フィルムが有する被検出部を検出する検出手段と、該帯状フィルムの幅方向の一方から他方へ向けて移動し、かつ、検出された該被検出部の位置を基準として切り抜き線の位置決めを行う切り抜き手段とを含む。
1つの実施形態においては、上記検出手段が、上記帯状フィルムの幅方向の片側端辺をさらに検出し、検出された該片側端辺を基準に、上記切り抜き手段の移動方向が決定される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機能部を被検出部として、その位置を検出し、検出された該被検出部の位置を基準として切り抜き線の位置決めを行うことにより、被検出部(機能部)が精度よく位置する光学フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)、(a’)および(b)〜(d)は、本発明の1つの実施形態による光学フィルムの製造方法を示す概略図である。
図2】(a)〜(c)は、本発明の実施形態による被検出部の配置パターンの例を説明する概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1(a)、(a’)および(b)〜(d)は、本発明の1つの実施形態による光学フィルムの製造方法を示す概略図である。本発明の製造方法においては、幅方向に2個以上および長さ方向に2個以上の被検出部11を有する帯状フィルム100を、所定の長さ方向送りピッチごとに、帯状フィルム100の幅方向の一方から他方へ向けて、順次切り抜くことを含み、帯状フィルム100を切り抜く際には、被検出部11の位置を検出し(図1(a))、検出された被検出部11の位置を基準として切り抜き線の位置決めを行い(図1(b))、検出された被検出部11を有するフィルム片10を1枚ずつ得ることを含む。
【0010】
したがって、本発明の光学フィルムの製造法に用いられる光学フィルムの製造装置は、帯状フィルムを所定の長さ方向送りピッチ(以下、単に送りピッチともいう)で搬送する搬送手段と、該帯状フィルムが有する被検出部を検出する検出手段と、切り抜き手段とを含む。好ましくは、上記切り抜き手段は、帯状フィルムの幅方向の一方から他方へ向けて移動し、かつ、検出された該被検出部の位置を基準として切り抜き線の位置決めを行う。図1(a’)は、検出手段および切り抜き手段の一例を示す概略断面図である。この例においては、切り抜き手段20として矩形状の切り抜き刃(例えば、トムソン刃)が用いられている。また、検出手段30として、カメラが用いられている。1つの実施形態においては、図示例のように、検出手段30と切り抜き手段20とは、一体に構成され、かつ、レール40に沿って移動可能なように設置される。別の実施例においては、検出手段と切り抜き手段とは別々に設置され、検出手段は帯状フィルムの所定領域を撮像して被検出部を検出し得るように固定され、切り抜き手段は移動可能なように設置される。
【0011】
本発明の製造方法においては、上記のとおり、幅方向に2個以上および長さ方向に2個以上の被検出部11を有する帯状フィルム100を、送りピッチごとに、該帯状フィルム100の幅方向の一方から他方へ向けて(図1に示す例においては、紙面左側から右側に向けて)、順次切り抜き、被検出部11を有するフィルム片10を1枚ずつ得る。なお、本明細書において、長さ方向とは、帯状フィルムの搬送方向Yに相当し得る方向であるが、搬送方向Yに平行である場合のみでなく、搬送方向Yを基準に−45°を超えて45°未満の方向を意味する。また、幅方向とは、搬送方向Yに直交する方向Xを基準に−45°〜45°の方向を意味する。
【0012】
上記帯状フィルムとしては、例えば、光軸を有する長尺光学フィルムが挙げられる。本発明により得られたフィルム片は、例えば、画像表示装置に使用される光学フィルム製品として好適に使用され得る。光軸を有する光学フィルムとしては、具体的には、位相差フィルム、偏光フィルム等が挙げられる。
【0013】
フィルム片10において、被検出部11は、所定の機能を発現する部分(機能部)である。言い換えれば、本発明においては、機能部を被検出部として、該機能部を基準に切り抜き線を決める。本発明によれば、被検出部の位置を検出した上で切り抜く位置を決めるので、被検出部(機能部)が精度よく位置するフィルム片を得ることができる。また、帯状フィルム上の被検出部の間隔にばらつきがある場合、あるいは、帯状フィルムが蛇行している場合においても、被検出部が精度よく位置するフィルム片を得ることができる。一方、複数枚のフィルム片を同時に切り抜くという従来の方法では、機能部の間隔のバラツキ、帯状フィルムの蛇行等の帯状フィルム側の状態に応じて、切り抜き位置を調整できないため、被検出部が精度よく位置するフィルム片を得ることができない。被検出部(機能部)としては、例えば、非偏光部を有する偏光子における、非偏光部(すなわち、すべての偏光成分を透過し得る機能を発現する部分)が挙げられる。被検出部(機能部)の別の例としては、アライメントマーク等が挙げられる。
【0014】
被検出部11は、帯状フィルム100の被検出部11以外の部分とは、区別し得る部分である。被検出部11は、被検出部11以外の部分と、外観上、区別できることが好ましい。1つの実施形態においては、被検出部11は、被検出部以外の部分と光透過性が異なる。また、別の実施形態においては、被検出部11は、被検出部以外の部分とは色調および/または濃淡が異なる。なお、図1においては、見やすくするために、上記外観上の区別を示さず、その代わりに、被検出部11の外郭を実線で示している。
【0015】
図2(a)は、帯状フィルム100における被検出部11の配置パターンの一例を説明する概略平面図であり、図2(b)は、被検出部11の配置パターンの別の例を説明する概略平面図であり、図2(c)は、被検出部11の配置パターンのさらに別の例を説明する概略平面図である。上記被検出部11は、フィルム片の用途等に応じて、任意の適切な配置とされ得る。被検出部11は、幅方向において、略一直線上に配置されていることが好ましい(図2(a))。また、帯状フィルム100の幅方向端辺に対する被検出部11の配列方向は、任意の適切な角度であり得る。すなわち、被検出部の配列方向は、帯状フィルム100の幅方向端辺の方向に直交していてもよく(図2(a))、直交していなくてもよい(図2(b))。また、幅方向および長さ方向それぞれにおいて、被検出部11同士の間隔は、同じであってもよく(図2(a))、異なっていてもよい(図2(c))。本発明によれば、様々な被検出部の配置パターンに対応して、被検出部が精度よく位置するフィルム片を得ることができる。また、例えば図2(c)に示すように規則性のない配列パターンであっても、被検出部が精度よく位置するフィルム片を得ることができる。
【0016】
帯状フィルム100を切り抜く際には、図1(a)に示すように被検出部11の位置を検出し、その後、図1(b)に示すように、検出された被検出部11の位置を基準として切り抜き線12の位置決めが行われる。より具体的には、切り抜き線12の位置決めは、検出された被検出部11の位置を基準として、切り抜き線12が規定する形状における特定箇所の位置、ならびに、切り抜き線12が規定する平面形状の向きを制御するようにして行われ得る。切り抜き線12が規定する形状における特定箇所は、該形状のどの箇所であってもよく、例えば、該形状の重心、頂点、辺上の一点等が挙げられる。切り抜き線12の位置決めを行った後、帯状フィルム100を切り抜き、検出された被検出部11を有するフィルム片10を1枚ずつ得る。フィルム片10の形状は、切り抜き線12により規定される。フィルム片10の形状は、任意の適切な形状であり得る。例えば、矩形、正方形、多角形、円形、楕円形等が挙げられる。
【0017】
1つの実施形態においては、カメラを用いて、被検出部11の位置を検出する。
【0018】
帯状フィルム100を切り抜く際の切り抜き手段としては、任意の適切な手段が採用され得る。1つの実施形態においては、図1に示すように、フィルム片10の形状に応じた打ち抜き刃20を用いて、帯状フィルム100を切り抜く。例えば、切り抜き手段としてトムソン刃のような打ち抜き刃20を用いる場合、切り抜き線12の位置決めは、被検出部11の位置を検出し、検出された被検出部11の位置を基準として、打ち抜き刃20が規定する平面形状における特定箇所の位置(例えば、該形状の重心、頂点、辺上の一点等)、ならびに、打ち抜き刃20が規定する平面形状の向き(すなわち、搬送方向Yおよび搬送方向と直交する方向Xに対する角度)を制御して、行われる。切り抜き線12の位置決めを行った後、打ち抜き刃20を帯状フィルム100に向けて、上方向または下方向に移動させて、帯状フィルム100を打抜くようにして、フィルム片10を得る。
【0019】
上記切り抜き手段の別の例としては、レーザー光照射による切り抜き、ドリルによる切削加工、ルータ加工、ウォータージェット加工等が挙げられる。
【0020】
1つの実施形態においては、幅方向において帯状フィルム100を切り抜く際、切り抜き手段20を、帯状フィルム100の幅方向の一方から他方へ向けて、移動させる。上記操作により、1枚のフィルム片を切り抜いた後、切り抜き手段を幅方向に移動させ、上記操作と同様の操作により、次のフィルム片を切り抜く(図1(b)〜(d))。好ましくは、切り抜き手段20の移動は、直線移動である。切り抜き手段20の移動方向は、被検出部11の配置に応じて、任意の適切な方向に設定され得る。切り抜き手段20の移動方向は、帯状フィルム100の幅方向の片側端辺の方向に対して、好ましくは90°±45°であり、より好ましくは90°±30°であり、さらに好ましくは90°±15°である。
【0021】
1つの実施形態においては、幅方向において帯状フィルム100を切り抜く前に、帯状フィルム100の幅方向の片側端辺を検出し、検出された該片側端辺(より具体的には該片側端辺の方向)を基準に上記切り抜き手段20の移動方向を決定する。帯状フィルムの幅方向端辺を基準に切り抜き手段の移動方向を決めることにより、帯状フィルムが蛇行している場合においても、被検出部(すなわち、機能部)が精度よく位置するフィルム片を得ることができる。
【0022】
帯状フィルム100の幅方向の片側端辺の検出には、被検出部11を検出する検出手段を用いてもよく、被検出部11を検出する検出手段とは別の検出手段を用いてもよい。すなわち、本発明の製造装置は、1以上の検出手段を備え得る。
【0023】
幅方向の一列において、帯状フィルム100の切り抜きが完了した後は、帯状フィルム100を所定の送りピッチ分、搬送し、次の一列について、幅方向の一列における切り抜き操作を行う。幅方向の一列における切り抜き操作、および該操作後の帯状フィルム100の1ピッチ分の搬送を1サイクルとして、所定回数これを繰り返すことにより、長尺状の帯状フィルム100から複数枚のフィルム片10を得ることができる。送りピッチは、被検出部11の長さ方向間隔に応じて設定され得る。例えば、長さ方向における被検出部の配列が、搬送方向Yと平行である場合、送りピッチは、被検出部11の長さ方向間隔と同じ長さであることが好ましい。
【0024】
1つの実施形態においては、上記帯状フィルムとして、長尺状であり、かつ、長さ方向および幅方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する長尺状偏光子が用いられる。上記長尺状偏光子において、非偏光部以外の部分(以下、偏光部ともいう)は特定の偏光を透過させるのに対し、上記非偏光部は、すべての偏光成分を透過する。このような長尺状偏光子は、カメラ部を有する画像表示装置の材料として好適に用いられる。より具体的には、上記非偏光部を有する長尺状偏光子から切り抜かれた偏光子を用いて、該非偏光部の位置と上記カメラ部の位置とを合わせて画像表示装置を構成することにより、カメラ性能に優れ、かつ、多機能化および高機能化を実現することが可能な画像表示装置を得ることができる。本発明の製造方法により、非偏光部を有する長尺状偏光子を切り抜けば、画像表示装置のカメラ部の位置に合わせて非偏光部の位置を精度よく設定できる。また、通常、長尺状偏光子の偏光部の吸収軸は、幅方向端辺に平行な方向または幅方向端辺と直交する方向に発現するため、非偏光部を適切に配置して(例えば、図2(b)のように配置して)、長尺偏光子の搬送方向に対する切り抜き手段の移動方向を調整することにより、切り抜かれた偏光子の吸収軸の方向を精密に制御することができる。また、偏光子ごとの吸収軸の方向のばらつきを顕著に抑制することができる。
【0025】
1つの実施形態においては、非偏光部は、偏光子中間体の所定の部分を脱色することにより形成された脱色部である。脱色部は、例えば、レーザー照射または化学処理(例えば、酸処理、アルカリ処理またはその組み合わせ)により形成され得る。別の実施形態においては、非偏光部は貫通孔(代表的には、偏光子を厚み方向に貫通する貫通孔)である。貫通孔は、例えば、機械的打ち抜き(例えば、パンチング、彫刻刃打抜き、プロッター、ウォータージェット)または偏光子中間体の所定部分の除去(例えば、レーザーアブレーションまたは化学的溶解)により形成され得る。
【0026】
上記非偏光部は、色調および/または光透過率に基づいて、非偏光部以外の部分と外観上の区別ができ、上記検出手段により検出され得る。したがって、本発明の製造方法において、非偏光部は、上記の被検出部11としての機能を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の製造方法は、位相差フィルム、偏光子フィルム等の光学フィルムを製造する際に好適に用いられる。特に、スマートフォン等の携帯電話、ノート型PC、タブレットPC等のカメラ付き画像表示装置(液晶表示装置、有機ELデバイス)に備えられる偏光子を製造する際に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0028】
10 フィルム片
11 被検出部(機能部)
12 切り抜き線
20 切り抜き手段(トムソン刃)
30 検出手段
100 帯状フィルム
図1
図2