特許第6146979号(P6146979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6146979
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】ラベル帳票の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/00 20060101AFI20170607BHJP
   B42D 15/04 20060101ALI20170607BHJP
   B42D 11/00 20060101ALI20170607BHJP
   B31D 1/02 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   G09F3/00 D
   G09F3/00 E
   B42D15/04 E
   B42D11/00 E
   B31D1/02 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-224712(P2012-224712)
(22)【出願日】2012年10月10日
(65)【公開番号】特開2014-77859(P2014-77859A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 一広
(72)【発明者】
【氏名】若尾 禎
(72)【発明者】
【氏名】篠原 英志
【審査官】 宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4729772(JP,B2)
【文献】 特開2005−089914(JP,A)
【文献】 米国特許第04008115(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/00 − 3/20
B42D 11/00
B42D 15/04 − 15/08
B31D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面に剥離層が形成された感熱紙の、該剥離層の裏面側に、所定の樹脂を塗工して樹脂塗工層を形成する樹脂塗装工程と、
樹脂塗工層の裏面側に、粘着剤を塗工して粘着層を形成する粘着剤塗装工程と、
剥離可能なセパレータ紙を、粘着層に貼り付ける貼付工程と
を順次実行するラベル帳票の製造方法において、
前記樹脂塗装工程は、感熱紙の剥離層の裏面全体または一部に、所定の樹脂を塗工して単一層状の塗工単位層を形成する単位層形成過程を、複数回繰返し実行することによって、樹脂塗工層の全体または一部を、複数の塗工単位層を厚み方向に積み重ねた多重層構造により形成する多重層形成工程を備えたものであることを特徴とするラベル帳票の製造方法。
【請求項2】
樹脂塗装工程の多重層形成工程は、感熱紙の剥離層の裏面全体に熱溶解性樹脂を塗工して、最も表側に位置する塗工単位層を所定の層厚みにより形成する最初の単位層形成過程を実行し、その後に、最初の熱溶解性樹脂と同一または異なる種類の熱溶解性樹脂を塗工して塗工単位層を形成する単位層形成過程を、一回または複数回繰返し実行するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のラベル帳票の製造方法。
【請求項3】
樹脂塗装工程の多重層形成工程を構成する最初の単位層形成過程は、最も表側の塗工単位層の層厚みが感熱紙の厚みに対して5%以上かつ20%以下となるように、熱溶解性樹脂を塗工するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のラベル帳票の製造方法。
【請求項4】
熱溶解性樹脂が、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のラベル帳票の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送用の伝票などに適用できるラベル帳票および該ラベル帳票の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商品等の配送に使用される伝票等のラベル帳票としては、例えば特許文献1に示された構成のものが知られている。この従来構成のラベル帳票tは、図7に示すように、感熱紙の裏面に剥離層が形成された第一基材kと、該剥離層の裏面に形成された樹脂層jと、該樹脂層jの裏面に形成された粘着層nと、該粘着層nの裏面に形成されたセパレータからなる第二基材sとを備えている。ここで、樹脂層jは、第一基材kが剥離されたときに、粘着層nの粘着性を発現させないためのものであり、第一基材kと粘着層nとの間に形成される。こうしたラベル帳票tの製造方法としては、コータ等を用いて所定の樹脂や粘着剤を順次塗工することにより樹脂層jや粘着層nを夫々形成する方法が、生産性に優れていることから、好適に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4729772号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来構成のラベル帳票を製造する方法にあって、その樹脂層を塗工により形成する方法では、コータにより樹脂を塗工する際にゴミ等が付着することによって、樹脂層にスジや亀裂が発生してしまう虞がある。そして、このスジ等が発生したラベル帳票では、その樹脂層の強度が低下し、これに伴ってラベル帳票自体の耐久性低下が懸念される。こうした問題の原因であるゴミ等の付着は、製造現場の環境が影響するものであるから、これを完全に無くすことは難しい。そのため、前記したスジ等による強度低下を可及的に抑制できるものが希求されていた。
【0005】
本発明は、上記の問題点の解決を試みたものであり、スジや亀裂による強度低下を抑制し得るラベル帳票およびラベル帳票の製造方法を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、裏面に剥離層が形成された感熱紙と、該剥離層の裏面側に所定の樹脂が塗工されてなる樹脂塗工層と、該樹脂塗工層の裏面側に粘着剤が塗工されてなる粘着層と、該粘着層の裏面に貼り付けられた剥離可能なセパレータとを備えたラベル帳票において、前記樹脂塗工層は、その全体または一部が、単一層状の塗工単位層を厚み方向に複数積み重ねた多重層構造からなるものであることを特徴とするラベル帳票である。
【0007】
ここで、樹脂塗工層は、その全体または一部が多重層構造を成すものであり、一部が多重層構造である場合には、該多重層構造以外の部位が単一の塗工単位層による単層構造からなる。また、多重層構造としては、その全体で塗工単位層の層数が全て同じものであっても良いし、異なる層数の塗工単位層からなる部位が混在するものであっても良い。
【0008】
かかる構成にあっては、樹脂塗工層が多重層構造からなるものであることから、仮に該多重層構造を構成する塗工単位層のいずれかがその製造中に生成されたスジや亀裂等を有していた場合でも、他の塗工単位層が積み重なっていることにより該スジ等を補強できるため、塗工単位層に生じたスジ等によって樹脂塗工層の強度が低下してしまうことを抑制できる。また、多重層構造を形成するためには、通常、各塗工単位層を順次別々に形成することを要することから、例えば、夫々異なるコータにより順次樹脂を塗工して各塗工単位層を夫々形成する。そのため、仮に複数の塗工単位層にスジや亀裂等が生じたとしても、それらが厚み方向で重なることは極希であることから、各塗工単位層が相互に補強し合える。これにより、複数の塗工単位層にスジや亀裂が生じたとしても、前記した樹脂塗工層の強度低下を抑制するという作用効果は発揮され得る。したがって、本構成によれば、スジや亀裂等の発生による樹脂塗工層の強度低下を抑制でき、所望の耐久性を発揮できる。
【0009】
尚、ラベル帳票としては、その用途により感熱紙にハーフカット線を形成する構成もある。この構成の場合には、樹脂塗工層の、ハーフカット線の裏側に位置する部位を、少なくとも多重層構造からなるものとした構成が好適である。これは、ハーフカット線による感熱紙の強度低下を、多重層構造により抑制することができるためである。
【0010】
上述した本発明のラベル帳票にあって、樹脂塗工層の多重層構造は、最も表側に位置する塗工単位層が、所定の熱溶解性樹脂を塗工することにより形成され、前記最も表側の塗工単位層よりも裏側に位置する塗工単位層が、最も表側の塗工単位層と同一または異なる種類の熱溶解性樹脂を塗工することにより形成されてなるものである構成が提案される。
【0011】
ここで、樹脂塗工層が熱溶解性樹脂を塗工することにより形成される場合には、通常、該熱溶解性樹脂を加熱溶解して塗工する。上述した従来構成では、樹脂層(本発明の樹脂塗工層に相当)が単一な層構造であることから、比較的厚く塗工する必要があり、塗工の際に感熱紙に作用する熱量も大きくなってしまう。そのため、こうした従来構成では、溶解状態の熱溶解性樹脂を塗工する際に作用する熱量によって、感熱紙が変色してしまう虞があった。
【0012】
本構成にあっては、多重層構造により樹脂塗工層を構成したものであり、各塗工単位層の層厚みを比較的薄く設定可能である。これにより、樹脂塗工層の塗工単位層を形成する際に、溶解状態の熱溶解性樹脂を塗工することにより作用する熱量を低減することができる。そして、最も表側に位置して感熱紙に最も近接する塗工単位層を形成する際に作用する熱量を低減できることから、感熱紙の変色を抑制することができる。すなわち、本構成は、感熱紙の変色が抑制されるようにして形成されたものであり、所望の用途の製品として安定的に供給でき且つ使用され得る。
【0013】
尚、本構成としては、上記した作用効果を一層安定して発揮するために、最も表側に位置する塗工単位層が感熱紙の剥離層の裏側全体に形成された構成が好適である。
【0014】
ここで、各塗工単位層は、全て同一の熱溶解性樹脂により形成したものが好適である。これは、安定かつ高い生産性が発揮されることに因る。また、各塗工単位層が異なる種類の熱溶解性樹脂により形成されるものとする場合には、全てが異なる種類であっても良いし、いずれかの塗工単位層が異なる種類となっているものであっても良い。
【0015】
尚、熱溶解性樹脂としては、EVA系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ナイロン系、ポリエステル系、ゴム系、セルロース系等が好適に用いられる。さらに具体的には、ポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、これら(SBR、SIS、SBS)の水素化変形樹脂(例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPSブロックコポリマー)、スチレンブロックコポリマー、非晶質ポリ−α−オレフィン(APAO)等が好適に用いられる。
【0016】
上述した本発明のラベル帳票にあって、多重層構造を構成する最も表側の塗工単位層は、その層厚みが感熱紙の厚みに対して5%以上かつ20%以下となるように形成されてなるものである構成が提案される。
【0017】
かかる構成にあっては、上記した塗工の際に感熱紙に作用する熱量によって該感熱紙が変色してしまうことを一層抑制できるように、感熱紙に最も近接する塗工単位層の層厚みを定めたものである。この塗工単位層の層厚みを、感熱紙の厚み対して20%以下とすることにより、溶解状態のポリオレフィン系熱溶解性樹脂を塗工する際に感熱紙に作用する熱量を一層低減でき、該熱量による感熱紙の変色を抑制する効果が向上する。また、塗工単位層の層厚みの下限である5%は、生産安定性から設定される値である。したがって、本構成は、感熱紙の変色が一層抑制されたものとして、安定して生産されるものである。
【0018】
尚、最も表側の塗工単位層の層厚みとしては、感熱紙の厚みに比して16%以下とした構成が好適である。この構成により、感熱紙の変色を抑制する効果がさらに向上する。
【0019】
上述した本発明のラベル帳票にあって、熱溶解性樹脂が、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂である構成が提案される。ここで、全ての塗工単位層を形成する熱溶解性樹脂がポリオレフィン系熱溶解性樹脂である構成が好適である。
【0020】
ポリオレフィン系熱溶解性樹脂は、比較的高い強度を有するものであることから、上述のように比較的薄い層厚みの塗工単位層を形成した場合にも、該塗工単位層の強度が向上できる。そのため、上述したように塗工単位層にスジや亀裂等が生じた場合に、各塗工単位層による相互の補強作用が向上し、該スジや亀裂等による樹脂塗工層の強度低下を抑制できるという本発明の作用効果が一層向上する。また、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂は、塗工の際における取扱性にも優れることから、複数の塗工単位層を安定かつ容易に形成し易いという利点も有する。
【0021】
一方、上述した本発明のラベル帳票を製造する製造方法として、本発明は、裏面に剥離層が形成された感熱紙の、該剥離層の裏面側に、所定の樹脂を塗工して樹脂塗工層を形成する樹脂塗装工程と、樹脂塗工層の裏面側に、粘着剤を塗工して粘着層を形成する粘着剤塗装工程と、剥離可能なセパレータ紙を、粘着層に貼り付ける貼付工程とを順次実行するラベル帳票の製造方法において、前記樹脂塗装工程は、感熱紙の剥離層の裏面全体または一部に、所定の樹脂を塗工して単一層状の塗工単位層を形成する単位層形成過程を、複数回繰返し実行することによって、樹脂塗工層の全体または一部を、複数の塗工単位層を厚み方向に積み重ねた多重層構造により形成する多重層形成工程を備えたものであることを特徴とするラベル帳票の製造方法である。
【0022】
かかる製造方法にあっては、多重層構造の各塗工単位層を夫々の単位層形成過程により形成するようにしていることから、仮に単位層形成過程のいずれかでスジや亀裂の入った塗工単位層が形成されたとしても、他の単位層形成過程によって積み重ねられた塗工単位層により、該スジや亀裂を補強することができる。そのため、樹脂塗工層の全体として、前記スジや亀裂による強度低下を抑制することができ、所望の耐久性を発揮し得るラベル帳票を製造できる。したがって、本発明の製造方法によれば、上記した本発明のラベル帳票を安定して製造することができ、安定した生産性も発揮できる。そして、本発明のラベル帳票の製造方法が、上記した本発明のラベル帳票を製造する方法として好適に用いられ得る。
【0023】
上述した本発明のラベル帳票の製造方法にあって、樹脂塗装工程の多重層形成工程は、感熱紙の剥離層の裏面全体に熱溶解性樹脂を塗工して、最も表側に位置する塗工単位層を所定の層厚みにより形成する最初の単位層形成過程を実行し、その後に、最初の熱溶解性樹脂と同一または異なる種類の熱溶解性樹脂を塗工して塗工単位層を形成する単位層形成過程を、一回または複数回繰返し実行するようにした方法が提案される。
【0024】
さらに、樹脂塗装工程の多重層形成工程を構成する最初の単位層形成過程は、最も表側の塗工単位層の層厚みが感熱紙の厚みに対して5%以上かつ20%以下となるように、熱溶解性樹脂を塗工するようにした方法が提案される。
【0025】
これら製造方法によれば、熱溶解性樹脂により形成された塗工単位層を有する上述の本発明のラベル帳票を製造することができる。そして、上述したように、単位層形成過程で熱溶解性樹脂を塗工する際の熱量によって、感熱紙が変色してしまうことを抑制することができる。この作用効果は、最も感熱紙に近接される塗工単位層の層厚みを、感熱紙の厚みに対して上記範囲で設定することにより一層向上する。したがって、上述した熱溶解性樹脂により塗工単位層を形成した本発明のラベル帳票を、安定して製造することができる。
【0026】
また、上述した本発明のラベル帳票の製造方法にあって、熱溶解性樹脂が、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂である方法が提案される。かかる製造方法によれば、上述したように比較的高い強度の塗工単位層を形成できることから、該スジや亀裂等による強度低下を一層抑制した樹脂塗工層を備えたラベル帳票を製造できる。尚ここで、全ての塗工単位層を形成するために塗工する熱溶解性樹脂がポリオレフィン系熱溶解性樹脂である方法が好適である。
【発明の効果】
【0027】
本発明のラベル帳票は、上述したように、樹脂塗工層の全体または一部を、複数の塗工単位層が積み重ねられた多重層構造からなるものとした構成であるから、仮にいずれかの塗工単位層がその製造中に生じたスジや亀裂を有するものであったとしても、他の塗工単位層により補強できることから、該スジ等による樹脂塗工層の強度低下が抑制され、所望の耐久性を発揮できる。また、最も表側の塗工単位層が、熱溶解性樹脂の塗工により形成され、さらに感熱紙の厚みに対して5%以上かつ20%以下の層厚みに形成されたものである場合には、感熱紙の変色が抑制されているため、所望の用途の製品として安定的に供給でき且つ使用され得る。
【0028】
本発明のラベル帳票の製造方法は、上述したように、樹脂塗工層を形成する樹脂塗装工程が、感熱紙の剥離層の裏面全体または一部に、所定の樹脂を塗工して単一層状の塗工単位層を形成する単位層形成過程を、複数回繰返し実行する多重層形成工程を備えた方法であることから、仮に、いずれかの単位層形成過程で、ゴミ等の付着により塗工単位層にスジや亀裂が生じたとしても、他の単位層形成過程で形成された塗工単位層により補強できることから、該スジ等による樹脂塗工層の強度低下を抑制できる。したがって、本製造方法によれば、所望の耐久性を発揮できる上述した本発明のラベル帳票を安定して製造できる。また、最も表側の塗工単位層を形成する単位形成過程により、当該塗工単位層の層厚みが感熱紙の厚みに対して5%以上かつ20%以下となるように、熱溶解性樹脂を塗工するようした場合には、該塗工の際に作用する熱量によって感熱紙が変色してしまうことを抑制する効果が高く、所望の耐久性を有するラベル帳票を安定して製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明にかかるラベル帳票1の拡大縦断面図である。
図2】ラベル帳票1の製造工程を示す説明図である。
図3】ポリオレフィン系熱溶解性樹脂の塗装による感熱紙の発色感度を測定した実験結果を示す図表である。
図4】本発明にかかる別例1のラベル帳票51の拡大縦断面図である。
図5】本発明にかかる別例2のラベル帳票61の拡大縦断面図である。
図6】本発明にかかる別例3のラベル帳票71の拡大縦断面図である。
図7】従来構成のラベル帳票tの拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明にかかる実施形態を添付図面に従って説明する。
図1に、本実施例のラベル帳票1の拡大縦断面図を示す。ラベル帳票1は、感熱紙2、樹脂塗工層5、粘着層6、セパレータ7とが厚み方向に積み重ねられてなる構成である。感熱紙2は、略矩形状の感熱基材3と、該感熱基材3の裏面全体に形成された剥離層4とから構成されている。そして、感熱紙2の裏面には、剥離層4全体を覆うように樹脂塗工層5が形成されており、この樹脂塗工層5の裏面には、該樹脂塗工層5全体を覆うように粘着層6が形成されている。さらに、この粘着層6にセパレータ7が貼り付けられる。このセパレータ7は、前記感熱基材3と略同じ寸法形状の台紙8と、該台紙8の表面全体に薄膜状に形成された剥離層9とから構成され、剥離層9が粘着層6に対向するようにして貼り付けられる。そのため、セパレータ7は、粘着層6から比較的容易に剥離することができる。
【0031】
こうしたラベル帳票1は、配送伝票等に使用されるものであり、感熱紙2の表面に配送先等の情報を書き込む情報記入欄が印刷され、感熱紙2の一部分を囲むようにハーフカット線19が形成されている。このハーフカット線19は感熱紙2に形成されており、該ハーフカット線19に囲まれた部分が受領書となっている。このラベル帳票1の配送伝票を使用する場合には、感熱紙2の表面の前記情報記入欄に必要事項(配送先の住所等)が記入されたものを、セパレータ7を取り除いて、粘着層6を商品などに貼り付ける。そして、この商品の配送先で、感熱紙2の受領書がハーフカット線19により切り取られる。
【0032】
ラベル帳票1を構成する樹脂塗工層5は、複数の塗工単位層11a,11bが厚み方向に積層された多重層構造により構成されている。本実施例にあっては、二層の塗工単位層11a,11bが、感熱紙2の裏面全体を覆うように形成されており、樹脂塗工層5全体が多重層構造となっている。ここで、表側の塗工単位層11aが、感熱紙2の剥離層4と直に接触しており、裏側の塗工単位層11bが、粘着層6に直に接触している。そして、両方の塗工単位層11a,11bは、同一のポリオレフィン系熱溶解性樹脂により形成されている。
【0033】
尚ここで、塗工単位層11a,11bには、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂以外の熱溶解性樹脂を用いることもでき、例えば、EVA系、ポリアミド系、ナイロン系、ポリエステル系、ゴム系、セルロース系等が用いられる。こうした熱溶解性樹脂としては、ポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、これら(SBR、SIS、SBS)の水素化変形樹脂(例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPSブロックコポリマー)、スチレンブロックコポリマー、非晶質ポリ−α−オレフィン(APAO)のいずれかを好適に使用できる。
【0034】
また、樹脂塗工層5は、表側の塗工単位層11aが裏側の塗工単位層11bに比して薄い層厚みとなるように形成されている。そして、表側の塗工単位層11aの層厚みは、上記の感熱紙2の厚みの5%〜20%となるように設定されている。例えば、感熱紙2の厚みを約100μm、表側の塗工単位層11aの層厚みを約10μm、裏側の塗工単位層11bの層厚みを約30μmとして設定できる。尚ここで、粘着層6の層厚みを約5μm〜50μm、セパレータ7の厚みを約25μm〜150μmとして設定できる。
【0035】
次に、このようなラベル帳票1の製造工程について説明する。
感熱基材3の裏面全体に所定の剥離剤を塗布した長尺シート状の感熱紙2がロール状に巻回された給紙ロール21を準備する。ここで、給紙ロール21は、その外面側に剥離層4が位置するようにして、感熱紙2がロール状に巻回されている。この給紙ロール21を回転自由に配し、該給紙ロール21から感熱紙2を引き出して、その剥離層4上に、塗工単位層11a、塗工単位層11b、粘着層6を順次形成し、さらにセパレータ7を貼り付ける。こうしてラベル帳票1を形成する。
【0036】
すなわち、図2のように、給紙ロール21から感熱紙2を所定の速度で引き出し、該感熱紙2を、回動自由に設けられた第一ガイドローラ23へ連続して移送する。そして、感熱紙2が第一ガイドローラ23を通過する際には、感熱基材3が第一ガイドローラ23の外表面に接触して該外表面に倣うようにして移動させる。第一ガイドローラ23を通過している間に、外側に露出している剥離層4上にコータ24によりポリオレフィン系結溶解性樹脂を塗工する。コータ24は、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂を剥離層4全体にほぼ均一に塗工する。これにより、感熱紙2の剥離層4上に表側の塗工単位層11aを形成する。ここで、コータ24により塗工されるポリオレフィン系熱溶解性樹脂の塗工量が、感熱紙2の移動速度に応じて設定されており、表側の塗工単位層11aの層厚みが約10μmとなるように調整されている。このように表側の塗工単位層11aを形成する第一ガイドローラ23およびコータ24により、本発明にかかる最初の単位層形成過程が実現されている。
【0037】
第一ガイドローラ23の次に、該第一ガイドローラ23の通過により塗工単位層11aが形成された第一中間紙体15aを、回動自由に設けられた第二ガイドローラ25へ連続して移送する。この第二ガイドローラ25を通過する際にも、感熱基材3が第二ガイドローラ25の外表面に接触するようにして移動させ、外側に露出している表側の塗工単位層11a上に、コータ26により同一のポリオレフィン系熱溶解性樹脂を塗工する。このコータ26により、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂を塗工単位層11a全体にほぼ均一に塗工する。これにより、感熱紙2の表側の塗工単位層11a上に裏側の塗工単位層11bを形成する。ここで、コータ26によるポリオレフィン系熱溶解性樹脂の塗工量が設定されており、裏側の塗工単位層11bの層厚みが約30μmとなるように調整されている。このように裏側の塗工単位層11bを形成する第二ガイドローラ25およびコータ26により、本発明にかかる単位層形成過程が実現されている。
【0038】
こうした二回の単位層形成過程により、表側の塗工単位層11aおよび裏側の塗工単位層11bからなる多重層構造の樹脂塗工層5が形成される。そして、本実施例にあっては、第一ガイドローラ23およびコータ24による最初の単位層形成過程と、第二ガイドローラ25およびコータ26による単位層形成過程とにより、本発明にかかる多重層形成工程が実現されている。そして、本発明にかかる樹脂塗装工程が、前記の多重層形成工程のみにより実現されている。
【0039】
第二ガイドローラ25の次に、該第二ガイドローラ25の通過により樹脂塗工層5が形成された第二中間紙体15bを、回動自由に設けられた第三ガイドローラ27へ連続して移送する。第三ガイドローラ27を通過する際にも、感熱基材3が第三ガイドローラ27の外表面に接触するようにして移動させ、外側に露出している裏側の塗工単位層11b上に、コータ28により所定の粘着剤を塗工する。このコータ28により、前記粘着剤を塗工単位層11b全体にほぼ均一に塗工する。これにより、裏側の塗工単位層11b上に粘着層6を形成する。ここで、粘着剤の塗工量は、粘着層の層厚さが所望の厚さとなるように設定されている。このように粘着層6を形成する第三ガイドローラ27およびコータ28により、本発明にかかる粘着剤塗装工程が実現されている。
【0040】
第三ガイドローラ27の次に、該第三ガイドローラ27の通過により粘着層6が形成された第三中間紙体15cを、上下一対の押圧ローラ29,29へ連続して移送する。ここで、第三中間紙体15cの粘着層6上に、セパレータ7を重ね合わせるようにして、上下一対の押圧ローラ29,29により両者を貼り付ける。セパレータ7は、長尺シート状の台紙8の片面に剥離剤が薄膜状に塗布されて剥離層9が形成されてなるものであり、ロール状に巻回されている。そして、ロール状に巻回された状態から、上記した感熱紙2の引き出し速度と同じ速度により引き出され、その剥離層9が粘着層6に対向するようにして、前記押圧ローラ29,29へ移送される。こうしてセパレータ7が貼り付けられることにより、ラベル帳票1の積層構成が形成される。尚、セパレータ7を貼り付ける上下一対の押圧ローラ29,29により、本発明にかかる貼付工程が実現されている。
【0041】
この後に、感熱紙2にハーフカット線19を形成し、さらにセパレータ7にもハーフカット線を形成する。そして、所定寸法の略矩形状に切断することにより、所望のラベル帳票1を得る。
【0042】
上述した本実施例の製造方法によれば、樹脂塗工層5を二層の塗工単位層11a,11bからなる多重層構造により形成するようにしていることから、仮に、一方のガイドローラ23(25)やコータ24(26)にゴミ等が付着して塗工単位層11a(11b)にスジや亀裂が入ってしまっても、他方の塗工単位層11b(11a)により補強することができる。そのため、前記スジや亀裂による強度低下を抑制することができる。また、仮に両方のガイドローラ23,25やコータ24,26にゴミ等が付着して両方の塗工単位層11a,11bにスジや亀裂が入ってしまっても、両方で同一位置にスジや亀裂が入ることは極めて稀である。そのため、塗工単位層11a,11bとは、互いにスジや亀裂を補強し合えることから、夫々の強度低下を抑制できる。したがって、所望の耐久性を有するラベル帳票1を安定して製造できる。さらに、前記スジや亀裂の発生により、その原因であるゴミ等を除去する作業の実施頻度を抑制でき、該作業実施による生産性の低減を抑制することができる。
【0043】
また、塗工単位層11a,11bを形成する際には、加熱溶解した状態のポリオレフィン系熱溶解性樹脂を各コータ24,26により塗工することから、溶解状態のポリオレフィン系熱溶解性樹脂の熱量が感熱紙2へ作用してしまう。本実施例では、表側の塗工単位層11aの層厚さを約10μm(5μm〜20μm)という比較的薄く設定していることから、感熱紙2に塗工するポリオレフィン系熱溶解性樹脂の塗工量が比較的少なく、これに伴って感熱紙2へ作用する熱量を抑制できる。これにより、表側の塗工単位層11aを形成するために溶解状態のポリオレフィン系熱溶解性樹脂を塗工する際に、その熱量によって感熱紙2の感熱基材3が変色(発色)してしまうことを抑制できる。したがって、製造工程中で感熱基材3の変色という不具合の発生を抑制でき、該不具合に伴う生産性の低下を抑制することができる。尚、裏側の塗工単位層11bを形成する際には、表側の塗工単位層11aが既に形成されていることから、該表側の塗工単位層11aの形成する際に比して、感熱紙2の感熱基材3へ作用する熱量が抑制される。そのため、最も表側の塗工単位層11aよりも裏側に位置する(下層の)塗工単位層11bを形成する際には、感熱基材3が変色し難いことから、表側の塗工単位層11aに比して厚い塗工単位層11bを形成できる。
【0044】
ここで、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂の塗装温度(溶解状態の温度)と感熱基材3の発色感度(変色)との関係を調べた実験結果について説明する。この実験は、剥離層を形成した感熱紙を準備し、該感熱紙の剥離層側に所定温度のポリオレフィン系熱溶解性樹脂を塗工した場合に、感熱紙の発色感度を計測することにより行った。ここで、発色感度には、PCS値(Print Contrast Signal)を用いた。このPCS値は、人間の目に感じるコントラストを表す指標として適用されているものであり、下記の(1)式のように、最大反射率(RL)と最小反射率(RD)との差を最大反射率(RL)により除することにより求めることができる。

PCS値=(RL−RD)/RL×100(%) ・・・(1)

ここで、RL、RDは、専用の測定機器を用いて測定することができるものであり、感熱紙の未発色(変色しない)部位の反射率(RL)と、発色(変色)した部位の反射率(RD)とを測定し、(1)式に従ってPCS値を算出した。
【0045】
この実験にあって、感熱紙には、厚みが約80μm(剥離層の層厚みが約0.1μm〜0.4μm)のものを用いた。また、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂は、軟化点が110℃〜160℃であることから、該ポリオレフィン系熱溶解性樹脂の塗装温度は、110℃、140℃、160℃について調べた。また、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂を塗工した厚み(塗工厚み)は、5μmから25μmまで5μm毎に設定した。尚、5μmより薄い場合には、厚みが安定的に形成し難い傾向となることから、実験を行っていない。
【0046】
上述した実験の結果を図3に示す。これにより、いずれの塗装温度でも、塗工厚みが厚くなっていくに従って、発色感度(PCS値)が増加する傾向にある。そして、塗工厚みが15μm以下の範囲では、いずれの塗装温度であっても、良好な発色感度を示していることが確認できた。これにより、塗工厚みが20μmよりも薄い場合に、感熱紙の変色を抑制できることがわかる。したがって、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂の塗工厚みを、感熱紙の厚みに対して20%以下に設定した。また、上述したように、塗工厚みが薄くなると、安定的に形成し難くなることから、感熱紙の厚みに対して5%を下限として設定した。
【0047】
このような実験結果に基づいて、本発明にかかるポリオレフィン系熱溶解性樹脂の、最も表側の塗工単位層の層厚みを、感熱紙の厚みに対して5%以上かつ20%以下とするように定めている。本実施例では、表側の塗工単位層11aの厚みを約10μm(感熱紙の厚みに対して約10%)としていることから、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂の塗工の際に(最初の単位層形成過程)、感熱紙2の感熱基材3が変色してしまうことを十分に抑制できる。
【0048】
上述した製造方法により製造した本実施例のラベル帳票1は、仮に、製造の際に塗工単位層11a,11bにスジや亀裂が生じたとしても、所望の耐久性や強度を発揮できる。さらに、製造の際に感熱紙2が変色してしまうことを抑制できる。したがって、本実施例のラベル帳票1は、上述した配送伝票として好適に用いることができる。
【0049】
上述した実施例の構成および製造方法にあっては、樹脂塗工層5の表側の塗工単位層11aを、その層厚みを約10μmとして、感熱基材3の厚みに対して約10%としたものであるが、表側の塗工単位層11aは、その層厚みを、感熱基材3の厚みに対して5%〜20%の範囲内で適宜設定することができる。この範囲内であれば、製造の際に、感熱基材3が変色してしまうことを抑制できる。
【0050】
また、上述した実施例の構成は、樹脂塗工層5を二層の塗工単位層11a,11bにより構成したものであるが、三層以上の塗工単位層により樹脂塗工層を構成したものとしても良い。例えば、図4のように、別例1のラベル帳票51として、三層の塗工単位層56a,56b,56cからなる樹脂塗工層55を備えた構成とすることができる。この別例の構成にあっても、最も表側(最も感熱紙2側)に配された塗工単位層56aは、その層厚みを感熱基材3の厚みに対して5%〜20%の範囲内で設定する。これにより、最も表側の塗工単位層56aを塗工する際に(最初の単位層形成過程)、ポリオレフィン系熱溶解性樹脂の熱量により感熱基材3が変色してしまうことを抑制できる。尚、他の二層の塗工単位層56b,56cについては、この二層分の層厚みが、最も表側の塗工単位層56aの層厚みよりも厚くなるようにした構成が好適である。例えば、二層分の層厚みが、上述した実施例の裏側の塗工単位層11bの層厚みと略同じとなるように設定することができる。また、この別例1の構成は、上述した実施例の製造工程にあって、単位層形成過程を三回連続して実行できるように、第二ガイドローラ25と第三ガイドローラ27との間に、新たなガイドローラとコータとを設置して単位層形成過程を実行することにより実現可能である。こうした製造工程によれば、仮に三層の塗工単位層56a〜56cのいずれかにスジや亀裂が発生しても、互いに補強し合えることから、スジ等による強度低下を抑制できる。以上のことから、三層の塗工単位層56a〜56cを備えた構成のラベル帳票51にあっても、上述した実施例と同様の作用効果を発揮できる。すなわち、三層以上の塗工単位層からなる樹脂塗工層を備えたラベル帳票にあっても、上述した実施例と同様の作用効果を奏し得る。尚、この別例1の製造工程にあって、三回の単位層形成過程により多重層形成工程が実現されており、この多重層形成工程が樹脂塗装工程である。
【0051】
また、上述した実施例の構成は、樹脂塗工層5を構成する二層の塗工単位層11a,11bが感熱紙2の裏面全体に形成されたものであるが、複数の塗工単位層を感熱紙2の裏面の所定部位に部分的に形成された構成とすることもできる。例えば、図5のように、別例2のラベル帳票61として、感熱紙2に形成されるハーフカット線19の下側部位のみに、塗工単位層66aを部分的に形成し、その下側に塗工単位層66bを感熱紙2の裏側全体に形成するようにした。この構成は、二層の塗工単位層66a,66bからなる多重層構造の部位と、一層の塗工単位層66bからなる単層構造の部位とが混在する樹脂塗工層65を備えたものである。かかる別例2の構成によれば、ハーフカット線19による感熱紙2の強度低下を、二層の塗工単位層66a,66bにより補強することができる。また、一層目の塗工単位層66aが部分的に形成されていることから、複数の塗工単位層を形成するために要するコストアップを抑制できるという利点も有する。尚、この別例2のラベル帳票61は、前記したように裏側の塗工単位層66bが多重層構造と単層構造との両方を構成するものであるから、該裏側の塗工単位層66bを形成する工程は、多重層形成工程と単層構造を形成する単層形成工程との両者を実現するものとなっている。すなわち、別例2のラベル帳票61の製造方法にあって、樹脂塗装工程は、多重層形成工程と単層形成工程とより実現されている。
【0052】
さらにまた、図6の別例3のラベル帳票71のように、最も表側の塗工単位層76aを感熱紙2の裏面全体に形成し、次の塗工単位層76bをハーフカット線19の下側部位のみに形成し、最も裏側の塗工単位層76cを感熱紙2の裏側全体に形成する構成とすることもできる。この構成では、三層の塗工単位層76a〜76cからなる多重層構造の部位と、二層の塗工単位層76a,76cからなる多重層構造の部位とが混在する樹脂塗工層75を備えたものとなる。かかる別例3の構成によれば、ハーフカット線19の形成による感熱紙2の強度低下を抑制する作用効果を奏すると共に、最も表側の塗工単位層76aによる感熱基材3の変色を抑制する効果も発揮でき得る。
【0053】
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
【符号の説明】
【0054】
1,51,61,71 帳票ラベル
3 感熱紙
4 剥離層
5,55,65,75 樹脂塗工層
6 粘着層
7 セパレータ
11a,11b,56a〜56c,66a,66b,76a〜76c 塗工単位層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7