特許第6147029号(P6147029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6147029
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】アースドリル
(51)【国際特許分類】
   E21B 11/00 20060101AFI20170607BHJP
   E21B 15/00 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   E21B11/00 Z
   E21B15/00
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-38483(P2013-38483)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-167198(P2014-167198A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】村手 徳夫
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−120363(JP,A)
【文献】 実開昭63−161292(JP,U)
【文献】 特開2008−190197(JP,A)
【文献】 特開昭62−025691(JP,A)
【文献】 特開2009−046866(JP,A)
【文献】 実開昭63−161291(JP,U)
【文献】 米国特許第04489838(US,A)
【文献】 実開昭63−183188(JP,U)
【文献】 米国特許第04166542(US,A)
【文献】 特開2003−054876(JP,A)
【文献】 実開平03−113386(JP,U)
【文献】 特開昭48−014051(JP,A)
【文献】 実公昭34−016142(JP,Y1)
【文献】 特開平05−213584(JP,A)
【文献】 特開2003−090191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 7/00
E21B 11/00
E21B 15/00
E21B 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマシンに起伏可能に設けられた伸縮ブームの先端側から垂下した昇降ロープにケリーバを回転可能に吊持したアースドリルにおいて、
前記伸縮ブームは、基端が前記ベースマシンに起伏可能に装着された第1段のロアブームと、該ロアブーム内に伸縮可能に設けられた第2段のセカンドブームと、該セカンドブーム内に伸縮可能に設けられた第3段のアッパーブームとで構成された、少なくとも三段の伸縮段数を有し、
前記ロアブームと前記セカンドブームとの間には、前記ロアブームに対して前記セカンドブームを伸縮させる第1の伸縮シリンダが設けられ、前記セカンドブームと前記アッパーブームとの間には、前記セカンドブームに対して前記アッパーブームを伸縮させる第2の伸縮シリンダが設けられ、
前記セカンドブームの基端部と前記ロアブームの先端部との部分に、ロアブームに対してセカンドブームを伸長させたときに、ロアブームに対するセカンドブームの伸縮方向の移動を規制する伸縮規制手段設けられるとともに、
前記ベースマシンに設けた起伏用のウインチから巻き出した起伏ロープ、前記セカンドブームの先端部に連結されている
ことを特徴とするアースドリル。
【請求項2】
前記ロアブームの基端は、前記ベースマシンの前部に装着され、前記起伏ロープは、前記ベースマシンの後部に設けたガントリを介して前記セカンドブームの先端部に連結されていることを特徴とする請求項1記載のアースドリル。
【請求項3】
前記昇降ロープを巻回した昇降用のウインチ及び前記起伏ロープを巻回した起伏用のウインチは、前記ロアブームと前記ガントリとの間のベースマシン中央部に配置されていることを特徴とする請求項2記載のアースドリル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アースドリルに関し、詳しくは、ケリーバを吊持するブームとして伸縮ブームを使用した大型のアースドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
テレスコピック式のブームを下方から起伏シリンダで支持する伸縮ブームは、各種移動式クレーンのブームとして広く用いられており、近年は、アースドリルのブームとしても用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−46866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記伸縮ブームは、一般的なアースドリルに用いられているラチスブームが作業前後にブームの組立分解が必要であるのに対し、作業時にブームを伸縮させることによって各種作業を効率よく行えるという利点を有しており、特に狭隘地での作業性は、ラチスブームに比べて伸縮ブームの方が格段に優れている。
【0005】
しかし、伸縮ブームの伸縮や起伏に油圧シリンダを用いているため、油圧シリンダに油漏れが発生すると、ブームの起伏角度が小さくなったり、ブームの長さが短くなってしまう。このようなブームの起伏角度や長さの変化は、クレーン作業では殆ど問題にならないが、竪穴の掘削や掘削した土砂の排出を行うアースドリルでは、ブームの起伏角度や長さが変化すると、掘削中の竪穴内での掘削バケットの昇降が困難になったり、掘削する竪穴の芯がずれたりするなどの問題が発生する。このため、アースドリルのブームは、一つの竪穴の掘削開始から終了まで、一定の角度及び長さを保つ必要がある。
【0006】
そこで本発明は、狭隘地での作業性に優れた伸縮ブームを使用しながら、竪穴掘削中のブームを一定の起伏角度及び長さに保持することができるアースドリルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のアースドリルは、ベースマシンに起伏可能に設けられた伸縮ブームの先端側から垂下した昇降ロープにケリーバを回転可能に吊持したアースドリルにおいて、前記伸縮ブームは、基端が前記ベースマシンに起伏可能に装着された第1段のロアブームと、該ロアブーム内に伸縮可能に設けられた第2段のセカンドブームと、該セカンドブーム内に伸縮可能に設けられた第3段のアッパーブームとで構成された、少なくとも三段の伸縮段数を有し、前記ロアブームと前記セカンドブームとの間には、前記ロアブームに対して前記セカンドブームを伸縮させる第1の伸縮シリンダが設けられ、前記セカンドブームと前記アッパーブームとの間には、前記セカンドブームに対して前記アッパーブームを伸縮させる第2の伸縮シリンダが設けられ、前記セカンドブームの基端部と前記ロアブームの先端部との部分に、ロアブームに対してセカンドブームを伸長させたときに、ロアブームに対するセカンドブームの伸縮方向の移動を規制する伸縮規制手段設けられるとともに、前記ベースマシンに設けた起伏用のウインチから巻き出した起伏ロープ、前記セカンドブームの先端部に連結されていることを特徴としている。
【0008】
また、本発明のアースドリルは、前記ロアブームの基端が前記ベースマシンの前部に装着され、前記起伏ロープが前記ベースマシンの後部に設けたガントリを介して前記セカンドブームの先端部に連結されていること、さらに、前記昇降ロープを巻回した昇降用のウインチ及び前記起伏ロープを巻回した起伏用のウインチは、前記ロアブームと前記ガントリとの間のベースマシン中央部に配置されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアースドリルによれば、ロアブームに対してセカンドブームを伸長させた状態で伸縮規制手段によってロアブームに対するセカンドブームの伸縮方向の移動を規制することにより、伸縮ブームの長さを一定に保つことができる。また、起伏用のウインチから巻き出されてセカンドブームの先端部に連結した起伏ロープで伸縮ブームを起伏させることにより、起立状態の伸縮ブームをウインチに設けられているブレーキ機構で一定の起立角度に保つことができる。これにより、竪穴掘削中のブームを一定の起伏角度及び長さに保持することができる。
【0010】
また、ロアブームの基端をベースマシンの前部に装着することにより、ケリーバを回転させるためのケリーバ駆動装置の支持を容易に行うことができ、ベースマシンの後部に設けたガントリを介して起伏ロープをセカンドブームに連結することにより、ブームの起伏操作を容易に行うことができる。さらに、ロアブームの基端をベースマシンの前部に装着することにより、ロアブームの後方に大型のウインチを配置するスペースを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のアースドリルの一形態例を示す側面図である。
図2】ベースマシンと伸縮ブームとの関係を示す説明図である。
図3】伸縮規制手段の一例を示す断面図である。
図4】セカンドブームの伸縮方向の移動を規制した状態を示す伸縮規制手段の要部の断面図である。
図5】伸縮規制手段の規制を解除した状態を示す要部の断面図である。
図6】伸縮ブームを伸長させる前の状態を示す側面図である。
図7】伸縮ブームを伸長させた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び図2に示すように、本形態例に示すアースドリル11におけるベースマシン12は、クローラ13aを備えた下部走行体13の上部に旋回ベアリング14を介して上部旋回体15を回転可能に設けている。上部旋回体15の前部には、伸縮ブーム16が起伏可能に設けられており、上部旋回体15の後部には、折り畳み可能なガントリ17が設けられている。伸縮ブーム16とガントリ17との間の上部旋回体15の幅方向中央部には、前方から順に、吊り上げ用の昇降ロープである主巻ロープ18を巻回した第1ウインチ(主巻ドラム)19及び補巻ロープ20を巻回した第2ウインチ(補巻ドラム)21と、ブーム起伏用の起伏ロープ22を巻回した第3ウインチ(起伏ドラム)23が配置されており、上部旋回体15の幅方向中央の前端部には、伸縮ブーム16を取り付けるためのブームブラケット24aが設けられ、上部旋回体15の後端部には、カウンタウエイト25が搭載されている。また、上部旋回体15の右側部には運手席15aや機器室15bが設けられ、左側部にはエンジンや油圧ポンプを収納したエンジン室(図示せず)が設けられている。
【0013】
伸縮ブーム16は、箱形断面を有する三段式のテレスコピック型であって、基端部に設けた取付ブラケット24bが上部旋回体15のブームブラケット24aにフートピンを介して起伏可能に装着されるロアブーム(ベースブーム)16aと、該ロアブーム16a内に伸縮可能に挿入されたセカンドブーム16bと、該セカンドブーム16b内に伸縮可能に挿入されたアッパーブーム16cとで形成されている。
【0014】
また、周知の伸縮ブームと同様に、ロアブーム16aとセカンドブーム16bとの間には、ロアブーム16aに対してセカンドブーム16bを伸縮させる第1伸縮シリンダ(図示せず)が設けられており、セカンドブーム16bとアッパーブーム16cとの間には、セカンドブーム16bに対してアッパーブーム16cを伸縮させる第2伸縮シリンダ(図示せず)が設けられている。
【0015】
さらに、ロアブーム16aの先端部と、セカンドブーム16bの基端部とには、ロアブーム16aに対してセカンドブーム16bを伸長させたときに、ロアブーム16aに対するセカンドブーム16bの伸縮方向の移動を規制する伸縮規制手段であるセカンドブーム固定手段26が設けられており、セカンドブーム16bの先端部には、ブーム起伏用の左右一対のペンダントロープ22aの先端が取り付けられている。また、アッパーブーム16cの先端には、吊り上げ用の主巻ロープ18及び補巻ロープ20が掛け回されるトップシーブ27が設けられ、ロアブーム16aには、ケリーバ駆動装置(ケリードライブ)28を支持するためのフロントフレーム29及び複数のフレームシリンダ30が取り付けられている。
【0016】
図3乃至図5に示すように、ブーム両側面に2箇所ずつ設けられたセカンドブーム固定手段26は、ロアブーム16aの先端部に設けられたリング状の第1固定部材31と、該第1固定部材31のブーム外側部に設けられた固定ピン収納筒32と、該固定ピン収納筒32の外側に連設したピン引抜用油圧シリンダ33と、セカンドブーム16bの基端部に設けられたリング状の第2固定部材34とで形成されている。固定ピン収納筒32の内部には、スプリング35によって突出方向に付勢された固定ピン36が軸線方向に移動可能に収納されており、第2固定部材34のブーム内側部には、固定ピン36の突出量を規制するストッパ37と、固定ピン36の突出状態を検知するためのリミットスイッチ38とが設けられている。
【0017】
このセカンドブーム固定手段26は、図示しない油圧回路から作動油をピン引抜用油圧シリンダ33のヘッド側に供給してスプリング35の付勢力と共に、あるいは、ピン引抜用油圧シリンダ33の圧力を抜いてスプリング35の付勢力で、固定ピン36を第1固定部材31から第2固定部材34に向けて先端面がストッパ37に当接するまで突出させることにより、図4に示すように、固定ピン36が第1固定部材31と第2固定部材34とに貫通してロアブーム16aとセカンドブーム16bとを伸縮不能な固定状態とすることができる。この固定状態では、リミットスイッチ38が固定ピン36の先端を検知することにより、リミットスイッチ38からの信号でブームが固定状態になっていることオペレータに知らせることができる。さらに、スプリング35によって固定ピン36が第2固定部材34から外れることを防止し、作業時の振動などによって固定状態が解除されることがないようにしている。
【0018】
また、作動油をピン引抜用油圧シリンダ33のロッド側に供給することにより、図5に示すように、固定ピン36を固定ピン収納筒32内に収納した状態とし、固定ピン36の先端を第2固定部材34から抜き取って固定状態を解除することができる。これにより、ロアブーム16aに対してセカンドブーム16bを伸縮させることが可能となる。このとき、リミットスイッチ38が復帰することにより、ブームが非固定状態になっていることオペレータに知らせることができる。
【0019】
セカンドブーム固定手段26によるロアブーム16aとセカンドブーム16bとの固定は、図6図7に示す手順で行うことができる。まず、図6に示すように、短縮させて前方に倒した状態の伸縮ブーム16におけるロアブーム16aを、適宜な手段によって支持する。本形態例では、ロアブーム16aに設けられているフロントフレーム29の先端を支持台39に預けた状態にすることにより、ロアブーム16aを略水平方向に倒した状態で支持している。また、ガントリ17を起立させて起伏ロープ22を操作可能な状態にする。
【0020】
この状態で、ロアブーム16aとセカンドブーム16bとの間に設けた第1伸縮シリンダを伸長方向に作動させるとともに、第3ウインチ23から起伏ロープ22を巻出し、図7に示すように、ロアブーム16aに対してセカンドブーム16bを伸長させた状態にする。そして、ピン引抜用油圧シリンダ33及びスプリング35の付勢力、あるいは、スプリング35の付勢力によって固定ピン36を第1固定部材31から第2固定部材34に向けて突出させ、第1固定部材31及び第2固定部材34に挿通した固定ピン36によってロアブーム16aとセカンドブーム16bとを伸縮不能な固定状態にする。
【0021】
このとき、第1固定部材31と第2固定部材34との位置が合わない場合、伸縮ブーム16の長さ方向に対しては伸縮シリンダを伸縮させることによって両固定部材31,34を合致させることができる。また、左右の第1固定部材31と第2固定部材34とで位置が合わない場合は、一方の固定ピン36を突出させて固定状態にした後、左右いずれか一方のペンダントロープ22aを外した状態で起伏ロープ22を操作し、ロアブーム16aに対してセカンドブーム16bを左右方向に傾動させることにより、他方の固定部材31,32を合致させて他方の固定ピン36を突出させることができる。
【0022】
このようにしてセカンドブーム固定手段26でロアブーム16aとセカンドブーム16bと固定した後、第3ウインチ23で起伏ロープ22を巻き上げることにより、第3ウインチ23からの起伏ロープ22が、上部旋回体15から上方に立ち上がったガントリシーブ41を介してミドルシーブ42を引き寄せる状態になり、ミドルシーブ42に連結したペンダントロープ22aが伸縮ブーム16を後方からガントリ17の方向に引き上げてセカンドブーム16bが伸長した状態の伸縮ブーム16を容易かつ確実に起立させることができる。起立状態の伸縮ブーム16は、セカンドブーム16bの先端部に連結したペンダントロープ22aが、ガントリシーブ41及びミドルシーブ42に掛け回された起伏ロープ22を介して第3ウインチ23に引っ張られた状態になるので、通常のラチスブームの場合と同様に、第3ウインチ23に設けられている機械的なブレーキ機構により、作業中の伸縮ブーム16は、一定の起立角度に保持される。
【0023】
また、従来のアースドリルと同様に、主巻ロープ18及び補巻ロープ20をトップシーブ27に掛け回し、伸縮ブーム16やガントリ17を利用してカウンターウエイト25を所定位置に設置するとともに、ロアブーム16aに取り付けられたフロントフレーム29やフレームシリンダ30の先端部にケリーバ駆動装置28を装着することにより、竪穴掘削用のアースドリル11の組立が完了する。
【0024】
図1に示すように、作業中のアースドリル11における伸縮ブーム16は、伸長させたロアブーム16aとセカンドブーム16bとをセカンドブーム固定手段26で固定した状態で、セカンドブーム16bの先端部に連結したブーム起伏用のペンダントロープ22a及び起伏ロープ22により、上部旋回体15の前部を中心としてあらかじめ設定された角度に起立させた状態に保持される。
【0025】
前記第1ウインチ19からの主巻ロープ18は、トップシーブ27に掛け回されて伸縮ブーム16の先端から垂下し、スイベルジョイント43を介してケリーバ44を昇降可能かつ回転可能に吊持する。ケリーバ駆動装置28の回転駆動部を貫通したケリーバ44の下端部には、掘削バケットや拡底バケット45が取り付けられる。また、第2ウインチ21からの補巻ロープ20は、使用時以外は、適宜な位置に止着されている。
【0026】
アースドリル11によって地中に拡底孔を掘削する際には、まず、ケリーバ44の先端に円筒状の掘削バケット(図示せず)を装着し、ケリーバ駆動装置28でケリーバ44を回転させながら第1ウインチ19から主巻ロープ18を繰り出し、回転しながら下降する掘削バケットにより地中に竪穴を掘削する。掘削バケットの大きさに応じて主巻ロープ18を所定長さ繰り出して掘削バケットによる掘削を行った後、主巻ロープ18を巻き上げ、バケット内が土砂で満たされた状態の掘削バケットを地中から引き抜いて所定高さまで上昇させ、上部旋回体15を所定位置に回転させてからバケット内の土砂を排出する。掘削バケットによる掘削作業を所定回数行って所定深さの竪穴を形成した後、掘削バケットを図1に示す拡底バケット45に交換し、竪穴の底部を拡げる拡底作業を行う。
【0027】
このように、掘削バケットによる竪穴の掘削作業及び拡底バケット45による拡底作業では、掘削バケットを地中から引き抜く際に大きな荷重が作用するため、通常のクレーンに比べて大きな能力を有するウインチが必要になるが、前述のように、伸縮ブーム16を上部旋回体15の前部に起伏可能に設けるとともに、伸縮ブーム16の起伏を、起伏シリンダに代えて第3ウインチ23からの起伏ロープ22によって行うように形成したことにより、陸上輸送制限を考慮しながら、上部旋回体15の中央部に大型のウインチを配置するスペースを確保することができ、大きな荷重が作用するアースドリル11の第1ウインチ19に十分な吊り上げ能力を有するウインチを使用することができ、竪穴の掘削作業を確実に行うことができる。
【0028】
さらに、作業時には、ロアブーム16aとセカンドブーム16bとをセカンドブーム固定手段26で固定しておくことにより、ロアブーム16aに対してセカンドブーム16bを伸縮させる伸縮シリンダに作業中の負荷が作用することがなくなるので、ロアブーム16aとセカンドブーム16bとの間に設ける伸縮シリンダとして、小型軽量のシリンダを用いることができる。加えて、セカンドブーム16bの先端部がペンダントロープ22aによって支持されるため、ロアブーム16a及びセカンドブーム16bには、大きな曲げモーメントが発生せず、圧縮荷重が主となるので、ロアブーム16a及びセカンドブーム16bの剛性を従来のように高める必要がなくなり、ロアブーム16a及びセカンドブーム16bの軽量化を図ることができる。
【0029】
これにより、伸縮ブーム16の全体の重量を軽減することが可能となり、上部旋回体15や、これを支持する旋回ベアリング14及び下部走行体13への負荷も軽減することができ、伸縮ブーム16を含めたベースマシン12の小型軽量化を図ることができる。さらに、上部旋回体の機器や構成部材の大部分を、従来のラチスブームを用いた上部旋回体のものと共通化とすることも可能となる。
【0030】
また、伸縮ブーム16が上部旋回体15の前部に設けられるとともに、従来の起伏シリンダが存在しないため、フロントフレーム29やフレームシリンダ30を短くしながら、フロントフレーム29の上下方向の移動範囲を大きくすることが可能となる。さらに、フレームシリンダ30は、フロントフレーム29を下から支持する状態にできるので、フレームシリンダ30の耐力を向上させることができる。
【0031】
なお、伸縮ブームにおける伸縮段数は任意であり、伸長状態で全てのブームを固定することも可能である。また、アースドリルとして使用しないときには、自走式のクレーンとして用いることができ、本形態例に示すように、最上部のアッパーブームを伸縮可能に形成することにより、クレーンとして使用したときのブームの長さ調節を容易に行うことができ、クレーン作業の効率を向上させることができる。さらに、ロアブームの基端をベースマシンの前部に装着しなくてもよく、ガントリを設けなくてもよい。
【符号の説明】
【0032】
11…アースドリル、12…ベースマシン、13…下部走行体、13a…クローラ、14…旋回ベアリング、15…上部旋回体、15a…運手席、15b…機器室、16…伸縮ブーム、16a…ロアブーム、16b…セカンドブーム、16c…アッパーブーム、17…ガントリ、18…主巻ロープ、19…第1ウインチ、20…補巻ロープ、21…第2ウインチ、22…起伏ロープ、22a…ペンダントロープ、23…第3ウインチ、24a…ブームブラケット、24b…取付ブラケット、25…カウンタウエイト、26…セカンドブーム固定手段、27…トップシーブ、28…ケリーバ駆動装置、29…フロントフレーム、30…フレームシリンダ、31…第1固定部材、32…固定ピン収納筒、33…ピン引抜用油圧シリンダ、34…第2固定部材、35…スプリング、36…固定ピン、37…ストッパ、38…リミットスイッチ、39…支持台、41…ガントリシーブ、42…ミドルシーブ、43…スイベルジョイント、44…ケリーバ、45…拡底バケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7