特許第6147354号(P6147354)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6147354UEのローミング・トラフィック課金を実行する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6147354
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】UEのローミング・トラフィック課金を実行する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 15/00 20060101AFI20170607BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20170607BHJP
   H04W 4/24 20090101ALI20170607BHJP
   H04W 36/14 20090101ALI20170607BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   H04M15/00 G
   H04L12/70 C
   H04W4/24
   H04W36/14
   H04M3/00 B
【請求項の数】15
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-547160(P2015-547160)
(86)(22)【出願日】2013年12月2日
(65)【公表番号】特表2016-503257(P2016-503257A)
(43)【公表日】2016年2月1日
(86)【国際出願番号】IB2013002892
(87)【国際公開番号】WO2014091299
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年7月22日
(31)【優先権主張番号】201210533817.6
(32)【優先日】2012年12月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】リ,シャンヤン
(72)【発明者】
【氏名】フ,ヨンペイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ワンビン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/120217(WO,A1)
【文献】 特表2011−524100(JP,A)
【文献】 特開平11−296583(JP,A)
【文献】 特開2002−150196(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2051549(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0327112(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M15/00
H04L12/70
H04M3/00
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する方法であって、
a.前記ユーザ機器に関するローミング・トラフィック課金要求を受信するステップであって、前記ユーザ機器は、在圏ネットワークにローミングし、前記ローミング・トラフィック課金要求は、前記ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む、ステップと、
b.前記ローミング・トラフィック関連情報が第1の課金条件を満足する場合に、前記ユーザ機器の前記ローミング・トラフィック課金を実行するために、前記ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダのOCSに前記ローミング・トラフィック課金要求を転送するステップであって、前記代替ローミング・プロバイダは、前記ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の課金条件は、
前記ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、前記ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端も、前記加盟国在圏ネットワーク内に配置される、
前記ユーザ機器が、前記加盟国在圏ネットワークにローミングし、前記ユーザ機器が、前記呼/SMS/MMSを受信する、
前記ユーザ機器が、前記加盟国在圏ネットワークにローミングし、前記ユーザ機器が、パケット・データ接続を有する
ことのうちの少なくとも1つを含み、前記加盟国在圏ネットワークおよび前記ユーザ機器の前記ホーム・ネットワークは、メンバ・プロトコルを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップbは、
前記ローミング・トラフィック関連情報が、前記第1の課金条件を満足する場合に、前記ユーザ機器に対応する前記代替ローミング・プロバイダの前記OCSのアドレス情報を判定するために、アドレス情報ベース内で一致照会を実行するステップと、
前記ユーザ機器の前記ローミング・トラフィック課金を実行するために、前記アドレス情報に基づいて前記代替ローミング・プロバイダの前記OCSに前記ローミング・トラフィック課金要求を転送するステップであって、前記代替ローミング・プロバイダは、前記ユーザ機器の前記ホーム・ネットワークに対応する、ステップと
を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップbは、
前記ローミング・トラフィック関連情報が、第2の課金条件を満足する場合に、前記ユーザ機器の前記ホーム・ネットワークの前記OCS内で前記ユーザ機器の前記ローミング・トラフィック課金を実行するステップ
をさらに含み、前記第2の課金条件は、
前記ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワークにローミングする、
前記ユーザ機器が、前記加盟国在圏ネットワークにローミングするが、前記ユーザ機器の前記呼/SMS/MMS受信端が、前記加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワーク内に配置される、
前記ユーザ機器が、コンテンツ・サービスにアクセスするために前記加盟国在圏ネットワークにローミングする
ことのうちの少なくとも1つを含み、前記加盟国在圏ネットワークおよび前記ユーザ機器の前記ホーム・ネットワークは、メンバ・プロトコルを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
代替ローミング・プロバイダで、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する方法であって、前記代替ローミング・プロバイダは、前記ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応し、
A.ユーザ機器のローミング・トラフィック課金の実行に関するローミング・トラフィック課金要求を受信するステップであって、前記ローミング・トラフィック課金要求は、前記ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む、ステップと、
B.前記ユーザ機器のローミング予約情報を入手するために、前記ローミング・トラフィック課金要求に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行するステップと、
C.前記ローミング・トラフィック関連情報および前記ローミング予約情報に基づいて、前記ユーザ機器の前記ローミング・トラフィック課金を実行するステップと
を含む、方法。
【請求項6】
候補ユーザ機器の候補ローミング予約情報を入手するステップと、
前記候補ローミング予約情報に基づいて前記ユーザ・データベースを作成しまたは更新するステップと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記候補ユーザ機器と前記代替ローミング・プロバイダとの間のマッピング関係に基づいて、アドレス情報ベースを作成しまたは更新するステップであって、前記アドレス情報ベースは、前記代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を格納する、ステップ
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する装置であって、
前記ユーザ機器に関するローミング・トラフィック課金要求を受信するように構成された第1の受信デバイスであって、前記ユーザ機器は、在圏ネットワークにローミングし、前記ローミング・トラフィック課金要求は、前記ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む、第1の受信デバイスと、
前記ローミング・トラフィック関連情報が第1の課金条件を満足する場合に、前記ユーザ機器の前記ローミング・トラフィック課金を実行するために、前記ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダのOCSに前記ローミング・トラフィック課金要求を転送するように構成された要求転送デバイスであって、前記代替ローミング・プロバイダは、前記ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する、要求転送デバイスと
を含む装置。
【請求項9】
前記第1の課金条件は、
前記ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、前記ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端も、前記加盟国在圏ネットワーク内に配置される、
前記ユーザ機器が、前記加盟国在圏ネットワークにローミングし、前記ユーザ機器が、前記呼/SMS/MMSを受信する、
前記ユーザ機器が、前記加盟国在圏ネットワークにローミングし、前記ユーザ機器が、パケット・データ接続を有する
ことのうちの少なくとも1つを含み、前記加盟国在圏ネットワークおよび前記ユーザ機器の前記ホーム・ネットワークは、メンバ・プロトコルを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記要求転送デバイスは、
前記ローミング・トラフィック関連情報が、前記第1の課金条件を満足する場合に、前記ユーザ機器に対応する前記代替ローミング・プロバイダの前記OCSのアドレス情報を判定するために、アドレス情報ベース内で一致照会を実行し、
前記ユーザ機器の前記ローミング・トラフィック課金を実行するために、前記アドレス情報に基づいて前記代替ローミング・プロバイダの前記OCSに前記ローミング・トラフィック課金要求を転送し、前記代替ローミング・プロバイダは、前記ユーザ機器の前記ホーム・ネットワークに対応する
ように構成される、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記要求転送デバイスは、
前記ローミング・トラフィック関連情報が、第2の課金条件を満足する場合に、前記ユーザ機器の前記ホーム・ネットワークの前記OCS内で前記ユーザ機器の前記ローミング・トラフィック課金を実行する
ようにさらに構成され、
をさらに含み、前記第2の課金条件は、
前記ユーザ機器が、前記加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワークにローミングする、
前記ユーザ機器が、前記加盟国在圏ネットワークにローミングするが、前記ユーザ機器の前記呼/SMS/MMS受信端が、前記加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワーク内に配置される、
前記ユーザ機器が、コンテンツ・サービスにアクセスするために前記加盟国在圏ネットワークにローミングする
ことのうちの少なくとも1つを含み、前記加盟国在圏ネットワークおよび前記ユーザ機器の前記ホーム・ネットワークは、メンバ・プロトコルを有する、請求項に記載の装置。
【請求項12】
代替ローミング・プロバイダで、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する装置であって、前記代替ローミング・プロバイダは、前記ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応し、
ユーザ機器のローミング・トラフィック課金の実行に関するローミング・トラフィック課金要求を受信するように構成された第2の受信デバイスであって、前記ローミング・トラフィック課金要求は、前記ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む、第2の受信デバイスと、
前記ユーザ機器のローミング予約情報を入手するために、前記ローミング・トラフィック課金要求に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行するように構成された情報照合デバイスと、
前記ローミング・トラフィック関連情報および前記ローミング予約情報に基づいて、前記ユーザ機器の前記ローミング・トラフィック課金を実行するように構成された課金処理デバイスと
を含む、装置。
【請求項13】
候補ユーザ機器の候補ローミング予約情報を入手し、
前記候補ローミング予約情報に基づいて前記ユーザ・データベースを作成しまたは更新する
ように構成された第1の更新デバイスをさらに含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記候補ユーザ機器と前記代替ローミング・プロバイダとの間のマッピング関係に基づいて、アドレス情報ベースを作成しまたは更新するように構成された第2の更新デバイスであって、前記アドレス情報ベースは、前記代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を格納する、第2の更新デバイス
をさらに含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
請求項8乃至11のいずれか1項に記載の装置を含む、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するOCS。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、より具体的には、UEのローミング・トラフィック課金を実行する技法に関する。
【背景技術】
【0002】
2012年5月および6月に、欧州議会と、枢密院および欧州委員会の代表とは、休日行楽客およびビジネス・ユーザの利益に向けて国際ローミングの市場を根本的に変更する新しいEU(欧州連合)ローミング・ルールに関する予備協定に達した。
【0003】
2014年7月1日から、顧客は、同一の電話番号を保持しながら、国内モバイル・サービスの契約とは別に、より安価なモバイル・ローミング契約を結ぶオプションを有する。したがって、顧客は、ローミング・サービスを(他のモバイル・サービスとは独立に)簡単に比較し、より低い価格から利益を得ることができる。
【0004】
欧州委員会は、国外の携帯電話ユーザに関するより多くの競争、より多くの選択肢、およびより低い価格を提唱する。この提唱は、モバイル・オペレータ(それ自体のネットワークを有しない、いわゆる仮想モバイル・オペレータを含む)に、他の加盟国内の他のオペレータのネットワークを統制された卸し価格で使用する権利をも与え、したがって、より多くのオペレータがローミング市場で競争することを奨励する。構造的手段が完全に有効になり、競争が小売り価格を引き下げるまでの期間をカバーするために、この提案は、音声サービスおよびテキスト・サービス(SMS)に対する現在の小売り上限価格を徐々に引き下げ、モバイル・データ・サービスの新しい小売り上限価格を導入するはずである。
【0005】
新しいEUローミング規制をサポートするために、ほとんどの欧州オペレータは、新しい規制をサポートする解決策を提案するように顧客に緊急に求めつつあり、したがって、人々は、2014年7月1日をもって即座に代替ローミング・プロバイダ(alternative roaming provider、ARP)を選択するオプションを有する。
【0006】
現在、エンド・ユーザのローミング契約は、まだホーム・モバイル・ネットワーク・オペレータ(Home Mobile Network Operator、H−MVO)によって定義され、ローミング料金プランは、ホーム料金プランに密接にバンドルされる。
【0007】
この現在のローミング課金解決策は、新しいEU規制要件をサポートしない。新しいEU規制要件として、モバイル・ローミング契約は国内モバイル・サービスの契約から分離されなければならず、一方、同一の電話番号を保持しながら、モバイル・ローミング・サービスおよび支払契約は、異なる代替ローミング・パートナから提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する方法であって、
a.ユーザ機器に関するローミング・トラフィック課金要求を受信するステップであって、ユーザ機器は、在圏ネットワークにローミングし、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む、ステップと、
b.ローミング・トラフィック関連情報が第1の課金条件を満足する場合に、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するために、ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダのOCSにローミング・トラフィック課金要求を転送するステップであって、代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する、ステップと
を含む方法が提供される。
【0010】
本発明の別の態様によれば、代替ローミング・プロバイダで、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する方法であって、代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応し、
A.ユーザ機器のローミング・トラフィック課金の実行に関するローミング・トラフィック課金要求を受信するステップであって、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む、ステップと、
B.ユーザ機器のローミング予約情報を入手するために、ローミング・トラフィック課金要求に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行するステップと、
C.ローミング・トラフィック関連情報およびローミング予約情報に基づいて、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するステップと
を含む、方法が提供される。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する装置であって、
ユーザ機器に関するローミング・トラフィック課金要求を受信するように構成された第1の受信デバイスであって、ユーザ機器は、在圏ネットワークにローミングし、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む、第1の受信デバイスと、
ローミング・トラフィック関連情報が第1の課金条件を満足する場合に、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するために、ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダのOCSにローミング・トラフィック課金要求を転送するように構成された要求転送デバイスであって、代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する、要求転送デバイスと
を含む装置がさらに提供される。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、代替ローミング・プロバイダで、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する装置であって、代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応し、
ユーザ機器のローミング・トラフィック課金の実行に関するローミング・トラフィック課金要求を受信するように構成された第2の受信デバイスであって、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む、第2の受信デバイスと、
ユーザ機器のローミング予約情報を入手するために、ローミング・トラフィック課金要求に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行するように構成された情報照合デバイスと、
ローミング・トラフィック関連情報およびローミング予約情報に基づいて、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するように構成された課金処理デバイスと
を含む、装置がさらに提供される。
【0013】
本発明のさらなる態様によれば、上で言及された装置を含む、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するOCSがさらに提供される。
【0014】
従来技術と比較して、本発明は、ユーザ機器(UE)のローミング・トラフィック関連情報を判断する。第1の課金条件が満足される時に、UEからのローミング・トラフィック課金要求は、UEのローミング・トラフィック課金を実行するために使用可能である、UEに対応する代替ローミング・プロバイダのOCSに転送され、これによって、ユーザの使用経験の質が高められる。本発明は、ローミング料金に関する、新しいEUローミング規制に基づき、H−MNOとは独立の、代替ローミング・プロバイダをサポートするための革新的なオンライン課金解決策を提供する。本発明は、オペレータが、コア・ネットワークへの大きい影響を引き起こさずに、新しいEUローミング規制をサポートし、EU委員会の期待(特にタイムフレーム2014)のほとんどを満足することを可能にする。
【0015】
添付図面を介して以下の非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことを介して、本発明の他の特徴、目的、および利点がより明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一態様によるユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する方法を示す流れ図である。
図2】本発明の好ましい実施形態によるユーザ機器のローミング・トラフィック課金の実行を示す概略図である。
図3】本発明の好ましい実施形態によるユーザ機器のローミング・トラフィック課金の実行を示す概略図である。
図4】本発明の別の態様によるユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する装置を示す概略図である。
図5】ユーザ機器が呼を開始する伝統的な音声呼のシナリオを示す図である。
図6】ユーザ機器が呼を開始する伝統的な音声呼のシナリオを示す図である。
図7】ユーザ機器が呼び出される伝統的な音声呼のシナリオを示す図である。
図8】ユーザ機器が呼び出される伝統的な音声呼のシナリオを示す図である。
図9】ユーザ機器が呼を開始するか呼び出される、IPマルチメディア・サブシステム・ボイス・オーバ・インターネット電話呼(IMS VoIP Call)のシナリオを示す図である。
図10】ユーザ機器がショート・メッセージング・サービス(SMS)を開始する/SMSが送信される/SMS状況がユーザ機器に報告されるシナリオを示す図である。
図11】ユーザ機器がマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)を開始する/MMSが送信される/MMS状況がユーザ機器に報告されるシナリオを示す図である。
図12】ユーザ機器が在圏ネットワーク内でLTE/UMTS/GPRSパケット・データを使用するシナリオを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面の同一の符号または同様の符号は、同一のコンポーネントまたは対応するコンポーネントを示す。
【0018】
以下では、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に示す。
【0019】
図1に、本発明の一態様によるユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する方法の流れ図を示す。
【0020】
ステップS101では、装置1が、UEに関するローミング・トラフィック課金要求を受信し、UEは、在圏ネットワークにローミングし、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む。
【0021】
ここで、装置1は、ユーザ機器1に対応するホーム公衆地上移動体通信網(home public land mobile network:HPLMN)のOCS内にまたはホーム・ネットワークのOCSとは独立に配置され得る。
【0022】
たとえば、UEは、在圏公衆地上移動体通信網(visited public land mobile network:VPLMN)にローミングする。装置1が、UE1に対応するホーム・ネットワークのOCS内に配置される時に、装置1は、在圏ネットワークから送信されたローミング・トラフィック課金要求を直接に受信し、たとえば、在圏移動交換センタ(visited mobile switching center:V−MSC)、ゲートウェイ移動交換センタ(gateway mobile switching center:G−MSC)、サービング呼セッション制御機能(serving call session control function:S−CSCF)、ショート・メッセージ・サービス・センタ(short message service center:SMSC)、マルチメディア・メッセージ・サービス・センタ(multimedia message service center:MMSC)、およびゲートウェイGPRSサポート・ノード(gateway GPRS support node:GGSN)/パケット・ゲートウェイ(PGW)など、在圏ネットワーク内のネットワーク要素から送信されたローミング・トラフィック課金要求を受信し、ローミング・トラフィック課金要求は、UEのローミング・トラフィック関連情報、たとえば、在圏ネットワーク内でUEによって実行される呼、SMS、MMS、またはパケット・データなどの情報を含む。
【0023】
ここで、ローミング・トラフィック関連情報は、移動局ローミング番号(MSRN)、国際移動体加入者識別番号(IMSI)、移動局ISDN番号(MSISDN)、着信発呼者電話番号、呼タイミング、SMS、MMS、またはパケット・データと、在圏ネットワーク内のユーザ機器の他の情報とを含むが、これらに限定はされない。
【0024】
当業者は、上のローミング・トラフィック関連情報が、例にすぎず、他の既存のまたは将来のおそらくは進化するローミング・トラフィック関連情報が、本発明に適用可能である場合に、これも、参照によって本明細書に組み込まれる本発明の保護範囲に含まれなければならないことを理解すべきである。
【0025】
別の例について、装置1が、ホーム・ネットワークOCSとは独立である時にも、装置1は、在圏ネットワークから送信されたローミング・トラフィック課金要求を直接に受信することができ、たとえば、在圏ネットワーク内の上記のネットワーク要素のいずれかから送信されたローミング・トラフィック課金要求を受信し、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む。
【0026】
ステップS102では、ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足する場合に、装置1は、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するために、ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダ(ARP)のOCSにローミング・トラフィック課金要求を転送し、代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応し、第1の課金条件は、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端も、加盟国在圏ネットワーク内に配置される、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器が、呼/SMS/MMSを受信する、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器が、パケット・データ接続を有する
ことのうちの少なくとも1つを含み、加盟国在圏ネットワークおよびユーザ機器のホーム・ネットワークは、メンバ・プロトコルを有する。
【0027】
ここで、メンバ・プロトコルは、たとえば、前述のEUローミング規制であり、加盟国在圏ネットワークは、たとえば、EUローミング規制を満足する国のモバイル・ネットワークである。
【0028】
ここで、図2に示されているように、代替ローミング・プロバイダ(ARP)は、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応し、ホーム・ネットワークのオペレータは、異なる代替ローミング・プロバイダにローミング・サービスを卸し売りし、代替ローミング・プロバイダは、それ自体の名前の下で自分の利益のためにローミング・サービスをエンド・ユーザに再販売し、ホーム・ネットワークは、そのローミング・サービスをエンド・ユーザにも提供し、エンド・ユーザは、複数の代替ローミング・プロバイダおよびホーム・ネットワークからのローミング・サービスのうちの1つを選択し、たとえば最も安価なローミング・サービスを選択し、モバイル・エンド・ユーザは、それでも同一の番号を保持する、すなわち、エンド・ユーザがローミングしつつある時にモバイル端子デバイスおよび彼のSIMカードを変更しない。
【0029】
エンド・ユーザが、在圏ネットワークにローミングし、在圏ネットワーク内でローミング・サービスを使用する時に、在圏ネットワーク内のネットワーク要素は、ローミング・トラフィック課金要求を装置1に送信する。装置1は、ローミング・トラフィック課金要求を受信し、課金要求に含まれるローミング・トラフィック関連情報に基づいて、そのローミング・トラフィック課金要求をどのOCSに転送するのか、たとえば、エンド・ユーザによって選択された代替ローミング・プロバイダのOCSに転送するのか、あるいはエンド・ユーザのホーム・ネットワーク内のOCSに転送するのかを判定する。たとえば、課金要求に含まれる在圏ネットワーク内のユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端に基づいて、装置1は、受信端も、加盟国在圏ネットワーク内に配置されると判定し、装置1は、ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足すると判断し、装置1が、ローミング・トラフィック課金要求をユーザ機器によって前もって選択された代替ローミング・プロバイダのOCSに転送するようになり、別の例について、装置1が、課金要求に基づいて、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワーク内で呼/SMS/MMSを受信すると判定する場合には、第1の課金条件が満足されると判断され、別の例について、装置1が、課金要求に基づいて、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワーク内でパケット・データ接続を有すると判定する場合には、第1の課金条件が満足されると判断される。
【0030】
ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足しない場合には、ローミング・トラフィック課金は、ユーザ機器のホーム・ネットワークのOCS内でユーザ機器に関して実行され、装置1がホーム・ネットワークのOCS内に配置される場合には、ホーム・ネットワークのOCSが、ユーザ機器の課金を直接に実行し、装置1がホーム・ネットワークのOCSとは独立である時には、装置1が、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するために、ローミング・トラフィック課金要求をホーム・ネットワークのOCSに転送する。
【0031】
当業者は、上の第1の課金条件が、例にすぎず、他の既存のまたは将来のおそらくは進化する第1の課金条件が、本発明に適用可能である場合に、これも、参照によって本明細書に組み込まれる本発明の保護範囲に含まれなければならないことを理解すべきである。
【0032】
ここで、代替ローミング・プロバイダのOCSは、新しいEUローミング規制によって規制されるローミング・トラフィック、たとえば、前述の第1の課金条件を満足するローミング・トラフィックを管理し、課金する。したがって、代替ローミング・プロバイダは、エンド・ユーザにローミング課金ルールを提供することができ、たとえば、エンド・ユーザが他国にローミングする前に、ローミング・サービスは、まず、カスタマ・リレーションシップ・マネジメント(CRM)システム/ユーザ・ウェブサイトから、たとえば5日ローミング契約、10日ローミング契約などについて加入契約される。
【0033】
ホーム・ネットワークのOCSは、非ローミング・トラフィックおよび新しいEU規制範囲の外のローミング・トラフィックを管理し、課金し、たとえば、欧州加入者が、米国にローミングしつつあり、または、別のEU国内でローミングするEU加入者が、別の非EU加入者に電話をかける。その種のローミング呼は、新しいEU規制によって規制されないが、それでも、ホーム・ネットワークのOCS内で課金される。
【0034】
好ましくは、ステップS102で、ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足する場合に、装置1は、ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を判定するために、アドレス情報ベース内で一致照会を実行し、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するためにアドレス情報に基づいて代替ローミング・プロバイダのOCSにローミング・トラフィック課金要求を転送し、この代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する。
【0035】
具体的には、ステップS102で、ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足する場合(すなわち、ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端も、その加盟国在圏ネットワーク内に配置される時、または、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器が呼/SMS/MMSを受信する時、または、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器がパケット・データ接続を有する時であって、加盟国在圏ネットワークおよびユーザ機器のホーム・ネットワークが、たとえば前述のEUローミング規制であるメンバ・プロトコルを有する時)に、装置1は、ユーザ機器の関連情報(たとえば、国際移動体加入者識別番号(IMSI)、移動局国際ISDN番号など)に基づいて、アドレス情報ベース(たとえば、H−MNO端のARPデータベース内に格納される)内で一致照会を実行して、ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を判定し、たとえば、在圏ネットワークにローミングする前にユーザ機器によって選択された代替ローミング・プロバイダに基づいてアドレス情報ベース内で一致照会を実行して、代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を判定し、その後、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するために、アドレス情報に基づいて代替ローミング・プロバイダのOCSにローミング・トラフィック課金要求を転送し、この代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する。
【0036】
ここで、アドレス情報ベースは、ユーザ機器と代替ローミング・プロバイダとの間のマッピング関係、たとえば、ユーザ機器のISMIと、移動局国際ISDN番号と、代替ローミング・プロバイダのOCSアドレスとの間のマッピング関係を格納する。アドレス情報ベースは、たとえば、ユーザ機器に対応するホーム・ネットワーク内に配置され、ホーム・ネットワークによって管理され、端末ユーザの選択に基づく代替ローミング・プロバイダによって更新される。
【0037】
たとえば、ユーザが、代替ローミング・プロバイダのローミング・サービスを選択する時に、本発明は、代替ローミング・プロバイダが、ホーム・ネットワーク内のアドレス情報ベース(たとえば、前述のARPデータベースに)対して端末ユーザの選択を更新することを可能にし、たとえば、エンド・ユーザに対応するユーザ機器のIMSIと移動局国際ISDN番号とならびに選択された代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報などの情報を更新のためにARPデータベースに提供する。ユーザ機器のローミング・トラフィック課金要求内に含まれるローミング・トラフィック関連情報に基づいて、装置1は、ローミング・トラフィック課金要求がどのARPのOCSにルーティングされるのか、または、ローミング・トラフィック課金要求がホーム・ネットワークのOCSにルーティングされるのかを知る。
【0038】
たとえば、図3に示されているように、端末ユーザが、EUローミング国に旅行することを選択する時に、端末ユーザは、エンド・ユーザに最良のローミング・プランを提供する代替ローミング・プロバイダを選択し、エンド・ユーザは、代替ローミング・プロバイダのCRMシステム/ユーザ・ウェブサイトからローミング・サービスをカスタマイズし、代替ローミング・プロバイダのOCS内のローミング・サービスは、ユーザのローミング予約および課金プラン(たとえば、5日ローミング契約、10日ローミング契約)を指定し、代替ローミング・プロバイダのプロビジョニング・システムは、H−MNOのARP管理システムに要求を送信し、H−MNOのARP管理システムは、各ユーザによって選択された代替ローミング・プロバイダ、代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス、ならびにローミング・サービスの開始期間および終了期間を保存するために、ARPデータベース(たとえば、前述のアドレス情報ベース)に供給し、その後、エンド・ユーザは、EU国への旅行を開始し、エンド・ユーザは、EUローミング国内で電話をかけるか電話を受け、在圏ネットワークは、装置1(たとえば、H−MNOのOCS内の装置1またはOCSとは独立の装置1)にエンド・ユーザに関するローミング・サービス課金要求を送信し、装置1は、ARPデータベース内でローミング・サービスを確認し、課金要求がどの代替ローミング・プロバイダのOCSに転送されるのか、またはこれがホーム・ネットワークのOCSに直接に送信されるのかを判定し、その後、課金要求は、代替ローミング・プロバイダのOCSに転送され、またはホーム・ネットワークのOCSに直接に送信される。
【0039】
対応して、代替ローミング・プロバイダでは、装置2が、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行することに関するローミング・トラフィック課金要求を受信し、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含み、ステップS103では、装置2が、ユーザ機器のローミング予約情報を入手するためにローミング・サービス課金要求に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行し、ステップS104では、装置2が、ローミング・トラフィック関連情報とローミング予約情報とに基づいてユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する。ここで、代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する。
【0040】
具体的には、代替ローミング・プロバイダ内の装置2は、装置1によって転送されたローミング・トラフィック課金要求を受信する。ステップS103では、装置2は、ユーザ機器のローミング予約情報を入手するために、ローミング・トラフィック課金要求に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行する。たとえば、装置2は、ローミング・トラフィック課金要求内に含まれる、移動局ローミング番号、IMSI、および在圏ネットワーク内のユーザ機器の移動局国際ISDN番号に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行して、ユーザ機器によって選択されたローミング・パッケージ(たとえば、5日ローミング契約、10日ローミング契約、および他のローミング予約情報)を判定し、その後、ステップS104では、装置2(たとえば、代替ローミング・プロバイダ内のOCS)は、ローミング・トラフィック課金要求内に含まれるローミング・トラフィック関連情報(たとえば、呼持続時間、SMS、MMS、パケット・データ、および他の情報)ならびにエンド・ユーザによって選択されたローミング・パッケージなどのローミング予約情報に基づいて、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する(たとえば、ユーザ機器のアカウントで料金差引き処理を実行する)。
【0041】
好ましくは、装置2がユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行した後に、装置2は、対応する課金結果情報(たとえば、アカウントからの料金差引き額、勘定残高、および他の情報)を入手し、その後、装置1との所定のインターフェース(たとえば、CAPインターフェース、DCCAインターフェースなど)を介して装置1に課金結果情報を送信する。
【0042】
ここで、ユーザ・データベースは、IMSIと、ユーザ機器の移動局国際ISDN番号と、選択されたローミング・パッケージ情報との間のマッピング関係を格納し、エンド・ユーザによって選択されたローミング・パッケージに基づいてセットアップまたは更新を実行することができる。
【0043】
本発明は、ローミング課金を実行するために、新しいEUローミング規制に基づき、H−MNOとは独立の代替ローミング・プロバイダをサポートする革新的なオンライン課金解決策を提供する。本発明は、コア・ネットワークへの大きい影響を引き起こさずに、オペレータが新しいEU規制をサポートし、EU委員会の期待(特にタイムフレーム2014)のほとんどを満足することを可能にする。それと同時に、本発明は、コア・ネットワーク実施態様への影響を減らす。本発明は、CAMELプロトコルを変更せず、これによって、コア・ネットワーク実施態様を大幅に単純化し、これは、この解決策を実施しやすいものにする。
【0044】
別の好ましい実施形態では、ステップS102で、ローミング・トラフィック関連情報が、第2の課金条件を満足する場合に、ローミング・トラフィック課金が、ユーザ機器のホーム・ネットワークのOCS内でユーザ機器に対して実行され、第2の課金条件は、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワークにローミングする、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングするが、ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワーク内に配置される、
− ユーザ機器が、コンテンツ・サービスにアクセスするために加盟国在圏ネットワークにローミングする
ことのうちの少なくとも1つを含む。
【0045】
たとえば、装置1は、課金要求内に含まれるローミング・トラフィック関連情報に基づいて、ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワークにローミングすること、または、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングするが、ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワークに配置されること、または、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングするが、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワーク内のコンテンツ・サービス(たとえば、ダウンロード、オンライン予約など)にアクセスすることを確認し、装置1は、第2の課金条件が満足されると判断し、ユーザ機器のホーム・ネットワーク内のOCSは、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する。
【0046】
ここで、ユーザ機器がホーム・ネットワーク内に配置される時には、それでも、ユーザ機器の課金を実行するのは、ホーム・ネットワークのOCSである。
【0047】
ここで、装置1が、ホーム・ネットワークのOCS内に配置される時に、ローミング・トラフィック関連情報が第2の課金条件を満足する場合に、ホーム・ネットワークのOCSは、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を直接に実行する。
【0048】
装置1が、ホーム・ネットワークのOCSとは独立である時に、ローミング・トラフィック関連情報が、第2の課金条件を満足する場合に、装置1は、ローミング・トラフィック課金要求をホーム・ネットワークのOCSに転送し、ホーム・ネットワークのOCSが、ユーザ機器の課金を実行するようになる。
【0049】
当業者は、上の第2の課金条件が、例にすぎず、他の既存のまたは将来のおそらくは進化する第2の課金条件が、本発明に適用可能である場合に、これも、参照によって本明細書に組み込まれる本発明の保護範囲に含まれなければならないことを理解すべきである。
【0050】
好ましくは、代替ローミング・プロバイダ内の装置2は、候補ユーザ機器の候補ローミング予約情報をも入手することができ、候補ローミング予約情報に基づいてユーザ・データベースを作成するか更新する。
【0051】
具体的には、代替ローミング・プロバイダ内の装置2は、候補ユーザ機器の候補ローミング予約情報、たとえば、在圏ネットワークにローミングする前にエンド・ユーザによって選択されたローミング・パッケージおよび他の情報を入手する。装置2は、エンド・ユーザの選択に基づいて候補ローミング予約情報を判定し、その後、ユーザ・データベースのセットアップまたは更新を実現するためにユーザ・データベースに候補ローミング予約情報を格納する。
【0052】
たとえば、エンド・ユーザが在圏ネットワークにローミングする前に、エンド・ユーザは、代替ローミング・プロバイダのCRMシステム/ユーザ・ウェブサイトからローミング・サービス(たとえば、5日ローミング契約、10日ローミング契約など)を予約する。装置2は、エンド・ユーザの選択に基づいて、エンド・ユーザに対応する候補ユーザ機器の候補ローミング予約情報を判定し、候補ローミング予約情報をユーザ・データベースに格納し、たとえば、ユーザ・データベースを作成するか更新するために、候補ローミング予約情報とIMSI、候補ユーザ機器の移動局国際ISDN番号などとの間のマッピング関係をユーザ・データベースに格納する。
【0053】
好ましくは、代替ローミング・プロバイダ内の装置2は、候補ユーザ機器と代替ローミング・プロバイダとの間のマッピング関係に基づいてアドレス情報ベースを作成するか更新し、アドレス情報ベースは、代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を格納する。
【0054】
具体的に言うと、エンド・ユーザが、代替ローミング・プロバイダを選択する時に、代替ローミング・プロバイダは、アドレス情報ベースのセットアップおよび更新を実現するために、それとエンド・ユーザに対応する候補ユーザ機器との間のマッピング関係を即座に格納する。アドレス情報ベースは、たとえば、エンド・ユーザに対応するホーム・ネットワーク内に配置され、その後、装置2は、マッピング関係をアドレス情報ベース内に格納するために、エンド・ユーザの選択に基づいてホーム・ネットワークと通信し、これによって、アドレス情報ベースのセットアップおよび更新を実現する。
【0055】
図4に、本発明の別の態様によるユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する装置の概略図を示す。装置1は、第1の受信デバイス401と要求転送デバイス402とを含み、装置2は、第2の受信デバイス403、情報照合デバイス404、および課金処理デバイス405を含む。
【0056】
装置1内の第1の受信デバイス401は、UEに関するローミング・トラフィック課金要求を受信し、UEは、在圏ネットワークにローミングし、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む。
【0057】
ここで、装置1は、ユーザ機器1に対応するホーム公衆地上移動体通信網(HPLMN)のOCS内に配置されるか、ホーム・ネットワークのOCSとは独立とすることができる。
【0058】
たとえば、UEは、在圏公衆地上移動体通信網(VPLMN)にローミングする。装置1が、UE1に対応するホーム・ネットワークのOCS内に配置される時に、装置1内の第1の受信デバイス401は、在圏ネットワークから送信されたローミング・トラフィック課金要求を直接に受信し、たとえば、在圏移動交換センタ(V−MSC)、ゲートウェイ移動交換センタ(G−MSC)、サービング呼セッション制御機能(S−CSCF)、ショート・メッセージ・サービス・センタ(SMSC)、マルチメディア・メッセージ・サービス・センタ(MMSC)、およびゲートウェイGPRSサポート・ノード(GGSN)/パケット・ゲートウェイ(PGW)など、在圏ネットワーク内のネットワーク要素から送信されたローミング・トラフィック課金要求を受信し、ローミング・トラフィック課金要求は、UEのローミング・トラフィック関連情報、たとえば、在圏ネットワーク内でUEによって実行される呼、SMS、MMS、またはパケット・データなどの情報を含む。
【0059】
ここで、ローミング・トラフィック関連情報は、移動局ローミング番号(MSRN)、国際移動体加入者識別番号(IMSI)、移動局ISDN番号(MSISDN)、着信発呼者電話番号、呼タイミング、SMC、MMS、またはパケット・データと、在圏ネットワーク内のユーザ機器の他の情報とを含むが、これらに限定はされない。
【0060】
当業者は、上のローミング・トラフィック関連情報が、例にすぎず、他の既存のまたは将来のおそらくは進化するローミング・トラフィック関連情報が、本発明に適用可能である場合に、これも、参照によって本明細書に組み込まれる本発明の保護範囲に含まれなければならないことを理解すべきである。
【0061】
別の例について、装置1が、ホーム・ネットワークOCSとは独立である時にも、装置1内の第1の受信デバイス401は、在圏ネットワークから送信されたローミング・トラフィック課金要求を直接に受信することができ、たとえば、在圏ネットワーク内の上記のネットワーク要素のいずれかから送信されたローミング・トラフィック課金要求を受信し、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含む。
【0062】
ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足する場合に、装置1内の要求転送デバイス402は、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するために、ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダ(ARP)のOCSにローミング・トラフィック課金要求を転送し、代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応し、第1の課金条件は、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端も、加盟国在圏ネットワーク内に配置される、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器が、呼/SMS/MMSを受信する、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器が、パケット・データ接続を有する
ことのうちの少なくとも1つを含み、加盟国在圏ネットワークおよびユーザ機器のホーム・ネットワークは、メンバ・プロトコルを有する。
【0063】
ここで、メンバ・プロトコルは、たとえば、前述のEUローミング規制であり、加盟国在圏ネットワークは、たとえば、EUローミング規制を満足する国のモバイル・ネットワークである。
【0064】
ここで、図2に示されているように、代替ローミング・プロバイダ(ARP)は、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応し、ホーム・ネットワークのオペレータは、異なる代替ローミング・プロバイダにローミング・サービスを卸し売りし、代替ローミング・プロバイダは、それ自体の名前の下で自分の利益のためにローミング・サービスをエンド・ユーザに再販売し、ホーム・ネットワークは、そのローミング・サービスをエンド・ユーザにも提供し、エンド・ユーザは、複数の代替ローミング・プロバイダおよびホーム・ネットワークからのローミング・サービスのうちの1つを選択し、たとえば最も安価なローミング・サービスを選択し、モバイル・エンド・ユーザは、それでも同一の番号を保持する、すなわち、エンド・ユーザがローミングしつつある時にモバイル端子デバイスおよび彼のSIMカードを変更しない。
【0065】
エンド・ユーザが、在圏ネットワークにローミングし、在圏ネットワーク内でローミング・サービスを使用する時に、在圏ネットワーク内のネットワーク要素は、ローミング・トラフィック課金要求を装置1に送信する。装置1は、ローミング・トラフィック課金要求を受信し、課金要求に含まれるローミング・トラフィック関連情報に基づいて、そのローミング・トラフィック課金要求をどのOCSに転送するのか、たとえば、エンド・ユーザによって選択された代替ローミング・プロバイダのOCSに転送するのか、あるいはエンド・ユーザのホーム・ネットワーク内のOCSに転送するのかを判定する。たとえば、課金要求に含まれる在圏ネットワーク内のユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端に基づいて、装置1は、受信端も、加盟国在圏ネットワーク内に配置されると判定し、装置1は、ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足すると判断し、装置1が、ローミング・トラフィック課金要求をユーザ機器によって前もって選択された代替ローミング・プロバイダのOCSに転送するようになり、別の例について、装置1が、課金要求に基づいて、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワーク内で呼/SMS/MMSを受信すると判定する場合には、第1の課金条件が満足されると判断され、別の例について、装置1が、課金要求に基づいて、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワーク内でパケット・データ接続を有すると判定する場合には、第1の課金条件が満足されると判断される。
【0066】
ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足しない場合には、ローミング・トラフィック課金は、ユーザ機器のホーム・ネットワークのOCS内でユーザ機器に関して実行され、装置1がホーム・ネットワークのOCS内に配置される場合には、ホーム・ネットワークのOCSが、ユーザ機器の課金を直接に実行し、装置1がホーム・ネットワークのOCSとは独立である時には、装置1が、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するために、ローミング・トラフィック課金要求をホーム・ネットワークのOCSに転送する。
【0067】
当業者は、上の第1の課金条件が、例にすぎず、他の既存のまたは将来のおそらくは進化する第1の課金条件が、本発明に適用可能である場合に、これも、参照によって本明細書に組み込まれる本発明の保護範囲に含まれなければならないことを理解すべきである。
【0068】
ここで、代替ローミング・プロバイダのOCSは、新しいEUローミング規制によって規制されるローミング・トラフィック、たとえば、前述の第1の課金条件を満足するローミング・トラフィックを管理し、課金する。したがって、代替ローミング・プロバイダは、エンド・ユーザにローミング課金ルールを提供することができ、たとえば、エンド・ユーザが他国にローミングする前に、ローミング・サービスは、まず、カスタマ・リレーションシップ・マネジメント(CRM)システム/ユーザ・ウェブサイトから、たとえば5日ローミング契約、10日ローミング契約などについて加入契約される。
【0069】
ホーム・ネットワークのOCSは、非ローミング・トラフィックおよび新しいEU規制範囲の外のローミング・トラフィックを管理し、課金し、たとえば、欧州加入者が、米国にローミングしつつあり、または、別のEU国内でローミングするEU加入者が、別の非EU加入者に電話をかける。その種のローミング呼は、新しいEU規制によって規制されないが、それでも、ホーム・ネットワークのOCS内で課金される。
【0070】
好ましくは、ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足する場合に、装置1内の要求転送デバイス402は、ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を判定するために、アドレス情報ベース内で一致照会を実行し、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するためにアドレス情報に基づいて代替ローミング・プロバイダのOCSにローミング・トラフィック課金要求を転送し、この代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する。
【0071】
具体的には、ローミング・トラフィック関連情報が、第1の課金条件を満足する場合(すなわち、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端も加盟国在圏ネットワーク内に配置されるか、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器が呼/SMS/MMSを受信するか、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングし、ユーザ機器がパケット・データ接続を有する時であって、加盟国在圏ネットワークおよびユーザ機器のホーム・ネットワークが、たとえば前述のEUローミング規制であるメンバ・プロトコルを有する時)に、装置1内の要求転送デバイス402は、たとえば、代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を判定するために在圏ネットワークにローミングする前にユーザ機器によって選択された代替ローミング・プロバイダに基づいてアドレス情報ベース内の一致照会を実行する、ユーザ機器に対応する代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を判定するために、ユーザ機器の関連情報に基づいて(たとえば、国際移動体加入者識別番号(IMSI)、移動局国際ISDN番号など)に基づいて、アドレス情報ベース(たとえば、H−MNO端のARPデータベース内に格納される)内で一致照会を実行し、そのユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するために、アドレス情報に基づいて、ローミング・トラフィック課金要求を代替ローミング・プロバイダのOCSに転送し、この代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する。
【0072】
ここで、アドレス情報ベースは、ユーザ機器と代替ローミング・プロバイダとの間のマッピング関係、たとえば、ユーザ機器のISMIと、移動局国際ISDN番号と、代替ローミング・プロバイダのOCSアドレスとの間のマッピング関係を格納する。アドレス情報ベースは、たとえば、ユーザ機器に対応するホーム・ネットワーク内に配置され、ホーム・ネットワークによって管理され、端末ユーザの選択に基づく代替ローミング・プロバイダによって更新される。
【0073】
たとえば、ユーザが、代替ローミング・プロバイダのローミング・サービスを選択する時に、本発明は、代替ローミング・プロバイダが、ホーム・ネットワーク内のアドレス情報ベース(たとえば、前述のARPデータベース)に対して端末ユーザの選択を更新することを可能にし、たとえば、エンド・ユーザに対応するユーザ機器のIMSIと移動局国際ISDN番号とならびに選択された代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報などの情報を更新のためにARPデータベースに提供する。ユーザ機器のローミング・トラフィック課金要求内に含まれるローミング・トラフィック関連情報に基づいて、装置1は、ローミング・トラフィック課金要求がどのARPのOCSにルーティングされるのか、または、ローミング・トラフィック課金要求がホーム・ネットワークのOCSにルーティングされるのかを知る。
【0074】
たとえば、図3に示されているように、端末ユーザが、EUローミング国に旅行することを選択する時に、端末ユーザは、エンド・ユーザに最良のローミング・プランを提供する代替ローミング・プロバイダを選択し、エンド・ユーザは、代替ローミング・プロバイダのCRMシステム/ユーザ・ウェブサイトからローミング・サービスをカスタマイズし、代替ローミング・プロバイダのOCS内のローミング・サービスは、ユーザのローミング予約および課金プラン(たとえば、5日ローミング契約、10日ローミング契約)を指定し、代替ローミング・プロバイダのプロビジョニング・システムは、H−MNOのARP管理システムに要求を送信し、H−MNOのARP管理システムは、各ユーザによって選択された代替ローミング・プロバイダ、代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス、ならびにローミング・サービスの開始期間および終了期間を保存するために、ARPデータベース(たとえば、前述のアドレス情報ベース)に供給し、その後、エンド・ユーザは、EU国への旅行を開始し、エンド・ユーザは、EUローミング国内で電話をかけるか電話を受け、在圏ネットワークは、装置1(たとえば、H−MNOのOCS内の装置1またはOCSとは独立の装置1)にエンド・ユーザに関するローミング・サービス課金要求を送信し、装置1は、ARPデータベース内でローミング・サービスを確認し、課金要求がどの代替ローミング・プロバイダのOCSに転送されるのか、またはこれがホーム・ネットワークのOCSに直接に送信されるのかを判定し、その後、課金要求は、代替ローミング・プロバイダのOCSに転送され、またはホーム・ネットワークのOCSに直接に送信される。
【0075】
対応して、代替ローミング・プロバイダでは、装置2内の第2の受信デバイス403が、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行することに関するローミング・トラフィック課金要求を受信し、ローミング・トラフィック課金要求は、ユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含み、装置2内の情報照合デバイス404は、ユーザ機器のローミング予約情報を入手するためにローミング・サービス課金要求に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行し、装置2内の課金処理デバイス405は、ローミング・トラフィック関連情報とローミング予約情報とに基づいてユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する。ここで、代替ローミング・プロバイダは、ユーザ機器のホーム・ネットワークに対応する。
【0076】
具体的には、代替ローミング・プロバイダ内の装置2内の第2の受信デバイス403は、装置1内の要求転送デバイス402によって転送されたローミング・トラフィック課金要求を受信する。その後、装置2内の情報照合デバイス404が、ユーザ機器のローミング予約情報を入手するために、ローミング・トラフィック課金要求に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行する。たとえば、装置2は、ローミング・トラフィック課金要求内に含まれる、移動局ローミング番号、IMSI、および在圏ネットワーク内のユーザ機器の移動局国際ISDN番号に基づいてユーザ・データベース内で一致照会を実行して、ユーザ機器によって選択されたローミング・パッケージ(たとえば、5日ローミング契約、10日ローミング契約、および他のローミング予約情報)を判定し、その後、装置2内の課金処理デバイス405(たとえば、代替ローミング・プロバイダ内のOCS)は、ローミング・トラフィック課金要求内に含まれるローミング・トラフィック関連情報(たとえば、呼持続時間、SMS、MMS、パケット・データ、および他の情報)ならびにエンド・ユーザによって選択されたローミング・パッケージなどのローミング予約情報に基づいて、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する(たとえば、ユーザ機器のアカウントで料金差引き処理を実行する)。
【0077】
好ましくは、装置2がユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行した後に、装置2は、対応する課金結果情報(たとえば、アカウントからの料金差引き額、勘定残高、および他の情報)を入手し、その後、装置1との所定のインターフェース(たとえば、CAPインターフェース、DCCAインターフェースなど)を介して装置1に課金結果情報を送信する。
【0078】
ここで、ユーザ・データベースは、IMSIと、ユーザ機器の移動局国際ISDN番号と、選択されたローミング・パッケージ情報との間のマッピング関係を格納し、エンド・ユーザによって選択されたローミング・パッケージに基づいてセットアップまたは更新を実行することができる。
【0079】
本発明は、ローミング課金を実行するために、新しいEUローミング規制に基づき、H−MNOとは独立の代替ローミング・プロバイダをサポートする革新的なオンライン課金解決策を提供する。本発明は、コア・ネットワークへの大きい影響を引き起こさずに、オペレータが新しいEU規制をサポートし、EU委員会の期待(特にタイムフレーム2014)のほとんどを満足することを可能にする。それと同時に、本発明は、コア・ネットワーク実施態様への影響を減らす。本発明は、CAMELプロトコルを変更せず、これによって、コア・ネットワーク実施態様を大幅に単純化し、これは、この解決策を実施しやすいものにする。
【0080】
別の好ましい実施形態では、ローミング・トラフィック関連情報が、第2の課金条件を満足する場合に、ローミング・トラフィック課金が、ユーザ機器のホーム・ネットワークのOCS内で実行され、第2の課金条件は、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワークにローミングする、
− ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークにローミングするが、ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワーク内に配置される、
− ユーザ機器が、コンテンツ・サービスにアクセスするために加盟国在圏ネットワークにローミングする
ことのうちの少なくとも1つを含む。
【0081】
たとえば、装置1は、課金要求内に含まれるローミング・トラフィック関連情報に基づいて、ユーザ機器が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワークにローミングすること、または、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングするが、ユーザ機器の呼/SMS/MMS受信端が、加盟国在圏ネットワークの外部の在圏ネットワークに配置されること、または、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワークにローミングするが、ユーザ機器が加盟国在圏ネットワーク内のコンテンツ・サービス(たとえば、ダウンロード、オンライン予約など)にアクセスすることを確認し、装置1は、第2の課金条件が満足されると判断し、ユーザ機器のホーム・ネットワーク内のOCSは、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行する。
【0082】
ここで、ユーザ機器がホーム・ネットワーク内に配置される時には、それでも、ユーザ機器の課金を実行するのは、ホーム・ネットワークのOCSである。
【0083】
ここで、装置1が、ホーム・ネットワークのOCS内に配置される時に、ローミング・トラフィック関連情報が第2の課金条件を満足する場合に、ホーム・ネットワークのOCSは、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を直接に実行する。
【0084】
装置1が、ホーム・ネットワークのOCSとは独立である時に、ローミング・トラフィック関連情報が、第2の課金条件を満足する場合に、装置1は、ローミング・トラフィック課金要求をホーム・ネットワークのOCSに転送し、ホーム・ネットワークのOCSが、ユーザ機器の課金を実行するようになる。
【0085】
当業者は、上の第2の課金条件が、例にすぎず、他の既存のまたは将来のおそらくは進化する第2の課金条件が、本発明に適用可能である場合に、これも、参照によって本明細書に組み込まれる本発明の保護範囲に含まれなければならないことを理解すべきである。
【0086】
好ましくは、代替ローミング・プロバイダ内の装置2は、第1の更新するデバイス(図示せず)をも含む。第1の更新するデバイスは、候補ユーザ機器の候補ローミング予約情報を入手し、候補ローミング予約情報に基づいてユーザ・データベースを作成しまたは更新する。
【0087】
具体的には、代替ローミング・プロバイダ内の装置2内の第1の更新するデバイスは、候補ユーザ機器の候補ローミング予約情報、たとえば、在圏ネットワークへローミングする前のエンド・ユーザによって選択されたローミング・パッケージおよび他の情報を入手する。第1の更新するデバイスは、エンド・ユーザの選択に基づいて候補ローミング予約情報を判定し、ユーザ・データベースのセットアップまたは更新を実現するために、候補ローミング予約情報をユーザ・データベースに格納する。
【0088】
たとえば、エンド・ユーザが在圏ネットワークにローミングする前に、エンド・ユーザは、代替ローミング・プロバイダのCRMシステム/ユーザ・ウェブサイトからローミング・サービス(たとえば、5日ローミング契約、10日ローミング契約、その他)を予約する。装置2内の第1の更新するデバイスは、エンド・ユーザの選択に基づいてエンド・ユーザに対応する候補ユーザ機器の候補ローミング予約情報を判定し、ユーザ・データベースを作成するか更新するために、候補ローミング予約情報をユーザ・データベースに格納し、たとえば、候補ローミング予約情報とIMSI、候補ユーザ機器の移動局国際ISDN番号などとの間のマッピング関係をユーザ・データベースに格納する。
【0089】
好ましくは、代替ローミング・プロバイダ内の装置2は、第2の更新するデバイス(図示せず)をも含む。第2の更新するデバイスは、候補ユーザ機器と代替ローミング・プロバイダとの間のマッピング関係に基づいてアドレス情報ベースを作成するか更新し、アドレス情報ベースは、代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を格納する。
【0090】
具体的に言うと、エンド・ユーザが代替ローミング・プロバイダを選択する時に、代替ローミング・プロバイダ内の装置内の第2の更新するデバイスは、アドレス情報ベースのセットアップおよび更新を実現するために、それとエンド・ユーザに対応する候補ユーザ機器との間のマッピング関係を即座に格納する。アドレス情報ベースは、たとえば、エンド・ユーザに対応するホーム・ネットワーク内に配置され、その後、装置2内の第2の更新するデバイスは、マッピング関係をアドレス情報ベースに格納するために、エンド・ユーザの選択に基づいてホーム・ネットワークと通信し、これによって、アドレス情報ベースのセットアップおよび更新を実現する。
【0091】
図5〜12に、新しいEUローミング規制によって規制される異なるローミング・トラフィック・シナリオの概略図を示す。
【0092】
図5に、ユーザ機器が呼を開始する伝統的な音声呼のシナリオを示す。
【0093】
ここで、装置1と装置2との間のインターフェースは、CAPインターフェースに基づき、あるいは、装置1がホーム・ネットワークのOCS内に配置され、装置2が代替ローミング・プロバイダのOCS内に配置される時に、代替ローミング・プロバイダのOCSとホーム・ネットワークOCSとの間のインターフェースは、CAPインターフェースに基づく。ユーザ機器の在圏ネットワーク内のネットワーク要素、すなわち、在圏移動交換センタ(V−MSC)は、装置1にローミング・トラフィック課金要求を送信し、ローミング・トラフィック課金要求は、在圏ネットワーク内のユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含み、装置1は、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するためにユーザ機器を妥当性検査し、OCSを判定するために、ローミング・トラフィック課金要求に基づいてARPデータベース(すなわち、前述のアドレス情報ベース)内で一致照会を実行し、ARPデータベースは、装置1に、ユーザ機器のローミング・トラフィック課金を実行するための代替ローミング・プロバイダのOCSのアドレス情報を返し、装置1は、CAPインターフェースに基づいてアドレス情報に従って代替ローミング・プロバイダの装置2にローミング・トラフィック課金要求を転送し、ローミング・トラフィック課金要求は、在圏ネットワーク内でのユーザ機器のローミング・トラフィック関連情報を含み、代替ローミング・プロバイダのOCSは、ユーザ機器の課金を実行し、CAPインターフェースに基づいて装置1に課金結果情報を返し、装置1は、在圏ネットワーク内の在圏モバイル・スイッチング・センタに課金結果情報を返す。
【0094】
ここで、装置1は、ユーザ機器1に対応するホーム・ネットワークのOCS内に配置され得、あるいは、ホーム・ネットワークのOCSとは独立であり得る。
【0095】
図6〜12の課金処理は、図5に示された処理と同一であるか実質的に同一であり、したがって、本明細書で詳細には説明されないが、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0096】
図6に、ユーザ機器が呼を開始する伝統的な音声呼のシナリオを示し、ここで代替ローミング・プロバイダOCSと装置1との間のインターフェースは、DCCAインターフェースに基づく。
【0097】
図7に、ユーザ機器が呼び出される伝統的な音声呼のシナリオを示し、ここで代替ローミング・プロバイダOCSと装置1との間のインターフェースは、CAPインターフェースに基づき、ユーザ機器の在圏ネットワーク内のネットワーク要素すなわちGateway−Mobile Switching Center(G−MSC)は、装置1にローミング・トラフィック課金要求を送信する。
【0098】
図8に、ユーザ機器が呼び出される伝統的な音声呼のシナリオを示し、ここで代替ローミング・プロバイダOCSと装置1との間のインターフェースは、DCCAインターフェースに基づき、ユーザ機器の在圏ネットワーク内のネットワーク要素すなわちGateway−Mobile Switching Center (G−MSC)は、装置1にローミング・トラフィック課金要求を送信する。
【0099】
図9に、ユーザ機器が呼を開始するか呼び出される、IPマルチメディア・サブシステム・ボイス・オーバ・インターネット電話呼(IMS VoIP Call)のシナリオを示し、ここでユーザ機器の在圏ネットワーク内のネットワーク要素すなわちservice call session conrol function(S−CSCF)は、装置1にローミング・トラフィック課金要求を送信する。
【0100】
図10に、ユーザ機器がショート・メッセージング・サービス(SMS)を開始する/SMSが送信される/SMS状況がユーザ機器に報告されるシナリオを示し、ここで、ユーザ機器の在圏ネットワーク内のネットワーク要素すなわちショート・メッセージ・サービス・センタ(SMSC)は、装置1にローミング・トラフィック課金要求を送信する。
【0101】
図11に、ユーザ機器がマルチメディア・メッセージング・サービス(MMS)を開始する/MMSが送信される/MMS状況がユーザ機器に報告されるシナリオを示し、ここでユーザ機器の在圏ネットワーク内のネットワーク要素すなわちマルチメディア・メッセージ・サービス・センタ(MMSC)は、装置1にローミング・トラフィック課金要求を送信する。
【0102】
図12に、ユーザ機器が在圏ネットワーク内でLTE/UMTS/GPRSパケット・データを使用するシナリオを示し、ここでユーザ機器の在圏ネットワーク内のネットワーク要素すなわちゲートウェイGPRSサポート・ノード(GGSN)/パケット・ゲートウェイ(PGW)は、装置1にローミング・トラフィック課金要求を送信する。
【0103】
本発明を、ソフトウェアおよび/またはソフトウェアとハードウェアとの組合せで実施することができ、たとえば、特定用途向け集積回路ASIC、汎用コンピュータ、または任意の他の類似するハードウェア・デバイスによって実施することができる。一実施形態では、本発明のソフトウェア・プログラムを、上で述べられたステップまたは機能を実施するためにプロセッサを介して実行することができる。同様に、本発明のソフトウェア・プログラム(関連するデータ構造を含む)を、コンピュータ可読記録媒体、たとえば、RAMメモリ、磁気もしくは光学式ドライブ、フロッピ・ディスク、または類似するデバイスに格納することができる。さらに、本発明のいくつかのステップまたは機能を、ハードウェアによって、たとえばさまざまなステップまたは機能を実行するためにプロセッサと協働する回路として実施することができる。
【0104】
さらに、本発明の一部を、コンピュータ・プログラム製品として、たとえば、コンピュータによって実行される時に、コンピュータの動作を介して、本発明の方法および/または技術的解決策を呼び出すか提供することができるコンピュータ・プログラム命令として適用することができる。しかし、本発明の方法を呼び出すプログラム命令を、固定記録媒体またはモバイル記録媒体に格納することができ、かつ/またはプログラム命令に従って動作するコンピュータ・デバイスの作業メモリに格納することができる。ここで、本発明による一実施形態は、コンピュータ・プログラム命令を格納するメモリと、プログラム命令を実行するプロセッサとを含む装置であって、コンピュータ・プログラム命令がプロセッサによって実行される時に、装置が、本発明の以前に言及された複数の実施形態に基づいて方法および/または技術的解決策を実行するためにトリガされる、装置を含む。
【0105】
当業者にとって、本発明が、上の例示的な実施形態の詳細に限定されず、本発明が、本発明の趣旨または基本的特徴から逸脱せずに他の特定の実施形態を用いて実施され得ることは、明白である。したがって、任意の展望から、諸実施形態は、例示的であって非限定的であるとみなされなければならない。本発明の範囲は、上の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に含まれる同等の要素および範囲内のすべての変形形態の意味は、本発明に含まれることが意図されている。特許請求の範囲のすべての符号は、関る請求項を限定するものとみなすべきではない。さらに、「comprise(含む)」および「include(含む)」などの用語が、他のユニットまたはステップを除外せず、単数形が複数形を除外しないことは、明白である。添付の特許請求の範囲で述べられる複数のユニットまたはモジュールを、ソフトウェアまたはハードウェアを介して単一のユニットまたはモジュールによって実施することもできる。第1および第2などの用語は、特定のシーケンスを表すのではなく、名前を表すのに使用される。
図1
図2
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図12