(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願の構成要素は、本明細書に全体的に説明し、図に示すように、実に様々な異なる構成で配列され設計され得ることが容易に理解されよう。したがって、以下の方法、装置、およびシステムの実施形態の詳細な説明は、添付の図に表すように、特許請求される本出願の範囲を限定することは意図されておらず、本出願の選択された実施形態を単に表すに過ぎない。
【0010】
本明細書全体を通して説明される本出願の特徴、構造、または特性は、任意の適切なやり方で1つまたは複数の実施形態に組み合わせられ得る。例えば、「実施形態例」、「いくつかの実施形態」という語句、または他の同様の言語の使用は、本明細書全体を通して、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本出願の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを表す。したがって、「実施形態例」、「いくつかの実施形態において」、「他の実施形態において」という語句、または他の同様の言語の出現は、本明細書全体を通して、必ずしもすべてが、同じ実施形態の群を表すわけではなく、説明された特徴、構造、または特性は、任意の適切なやり方で1つまたは複数の実施形態に組み合わせられ得る。
【0011】
本出願の実施形態例は、波長の調整可能な送信機/受信機を有する波長分割多重化(WDM)通信システムを実現するステップを提供することができる。PON通信システムを動作させるとき、妥当な費用構造を維持することへの1つの方式は、単一の波長または波長の群を特定のユーザの群に割り振るステップを含むことができる。何人かのユーザが同じ波長または波長群を共有する結果、全体の帯域幅の効率が増大することがある。
【0012】
図1Aは、本出願の実施形態例による、OLTおよびONTシステム構成の一例を示す。
図1Aを参照すると、OLT102が中央局に配置され得、アレイ導波路回折格子(AWG)フィルタ112とプロセッサ108とを含むことができる。具体的には、AWGフィルタ112は周回性AWGフィルタである。OLT102は、遠隔ONT110に接続され得、またはONTレーザデバイスを含む遠隔ONT110と通信され得る。
【0013】
ONTレーザデバイスは、熱源114と、センサ116と、コントローラ118とを含む波長可変レーザを有することができる。出力120は、特定の波長において動作するために熱源114によって修正されたレーザ信号である。ONT110は、センサ116とコントローラ118とをやはり含む。動作において、AWGフィルタ112におけるONTから提示された信号は、ONTレーザデバイスの必要とされる温度調節を検出し、制御信号をONT110のONTレーザデバイスに送信することができる。制御信号は、熱源114をアクティブ化するのに使用され得る。センサ116は、ONTレーザデバイスの温度に関するフィードバックを提供し、ONTレーザデバイスはONT110の一部であり、フィードバックをコントローラ118に提供し、コントローラ118はONT110の一部でもある。コントローラ118は、次いで、ONT110のレーザ送信機の表面に加えられる熱の量を増大させることができ、または温度が現在の信号の波長を修正するのに必要であるよりも高い場合、熱の量を低減することができる。加えられた熱の量は、ONTレーザデバイスの波長を調整するのに必要な所定の熱の量に基づく。熱の量は、メモリ(図示せず)に記憶される、信号の所望の波長の調整に相関させるのに使用されるテーブルに定義され得る。
【0014】
上記のように、ONT/ONUの波長は、レーザダイオードに統合されたヒータを使用することによって周回性AWGのチャネルに一致するように調整され得る。実施形態例は、周回性アレイ導波路回析格子(AWG)によって有効にされた波長セットの原理を使用してTWDM−PONにおけるアップストリーム送信機およびダウンストリーム受信機の波長調整のアクティブ化プロセスを提供する。
【0015】
本出願は、ONU内の受信機のダウンストリーム調整およびONU内の送信機のアップストリーム調整の構成、ONUにおけるアップストリーム波長の調整の間、通常のトラヒックへの干渉の回避、OLTにおける複数の受信機での受信の成功の場合の分解能、および周回性AWG方式に特有である、同じ波長セット内のチャネルホップの処理を提供する。ヒステリシスの導入は、頻繁なアップおよびダウン調整手順を最小限に抑えるために閾値に加えられ得る。必要なメッセージタイプの定義は、既存のPLOAMシステムの拡張としての標準化に提案され得る。
【0016】
ダウンストリーム受信機の調整の完全なプロセスは、粗調整および微調整の間隔の間、アップストリーム送信機の調整のプロセスを提供することができる。本明細書に含まれる例は、調整プロセスを完了するために実現の複雑性対全持続時間のトレードオフとなる異なる実現および選択肢を提供する。他の実施形態例は、すべてのアップストリームチャネル上のクワイエットウィンドウ(quiet window)を同時に開けることによって進行中のトラヒックへの干渉の回避の解決策を含むことができる。また、他の例は、1つより多いアップストリームチャネル上のクロストークを解決するための構成、および周回性AWG方式に特有である、同じ波長セット内のチャネルホップをトリガし、制御するためのプロセスを提供する。他のプロセスは、TDM−PONの標準アクティブ化プロセスの拡張を含むことができ、TDM−PONは、標準化における承諾、および等化遅延による時間レンジング、ONUの同時アクティブ化時の衝突回避、ONU−IDのシリアル番号検出および割当てなどの既存の機能の再使用の確率を高める。単一の物理層動作および管理(PLOAM)メッセージタイプは、既存のPLOAMメッセージ定義の拡張として、既存のおよび目標の送信機および受信機の波長の波長調整のプロセスを制御するのに使用され得る。ダウンストリームチャネルの識別のためのPON−IDの再使用は、TWDM−PONスキームに使用され得る。
【0017】
実施形態例によれば、波長初期化プロトコルが、時間および波長分割多重化受動光ネットワーク(TWDM−PON)に接続されるONUに利用される。TWDM−PONの仕様は、ONUのアップストリームおよび/またはダウンストリームにおける初期波長が未知であると定めることができる。ONU内の波長可変レーザは、製造費を節減するために異なる周囲温度におけるヒータ電流に応じて絶対波長には較正されない可能性がある。その結果、相対的変化が再現可能なように構成され得る。ONU内の受信機の波長可変フィルタは、製造費を節減するためにセット(例えば、制御電圧)および周囲温度に応じて絶対波長には較正されない可能性がある。フィルタ設定のある一定の相対的変化が十分に再現可能なように構成され得る。
【0018】
調整プロセスは、すでに稼働中であるPON上の他のONUの通常データトラヒックを破損すべきでない。初期化プロトコルは、XG−PON1(または10GBのEPON)の既存の初期化プロトコルと互換性があるべきである。XG−PON1と同様に、プロトコルは、同時に初期化しようとする複数のONUを処理することができるべきである。波長調整はオンチップ発熱素子によって実施される。DFBレーザの放射波長は、接合温度に比例し、また、より低い程度まで、バイアス電流に比例する。考慮される必要がある寄生効果は、バイアス電流コントローラによる波長の変化、バーストにおける時間に応じた波長のバースト変化の間のレーザの自己発熱、および周囲温度の変化である。λの格子間隔は、AWGの2つの通過帯域の間(例えば、
図2の100GHz)と想定され得る。
【0019】
ONU内のダウンストリーム受信機(Rx)フィルタの通過波長は、電圧制御設定、周囲温度、および/または波長の較正を避け、安価な実現を達成するために、ONUの起動時に知られていない可能性がある。第1の動作として、Rxフィルタは、ONU上のローカルな制御ループを使用して最大受信信号強度(RSSI)を達成するまで増分でスキャンする。ONUは、フィルタ値をスキャンすると、ダウンストリームフレーミングの受信に成功し、どのチャネル番号で調整されるのかを検出することができるはずである。GPONまたはXG−PON1に定義されるように、現在の標準ダウンストリーム物理層同期ブロック(PSBd)にある既存のPON−IDが使用され得るが、任意の他の別個のメッセージがそのために使用され得る。現在のダウンストリームが目標ダウンストリームと異なる場合、ONUは、異なるフィルタ設定にシフトする、またはアクティブ化プロセスの完了まで現在のフィルタ設定を維持することを決定することができる。実現されるRSSIが何もない可能性があり、したがって、Rxフィルタのスキャニングはダウンストリーム同期の成功が達成されるまで実施され得る。識別されたチャネルは、その後のアップストリームの初期化に使用され、4つの可能なダウンストリームチャネルのいずれかであり得る。
【0020】
セットアッププロセスは、波長設定を除いて標準GPONおよびXG−PON1構成と同様である。波長設定の実施形態例は、4つのOLTアップストリーム受信機が同時に使用される、「改善された」調整プロセスとも参照される目標粗調整プロセスから開始することができる。次いで、粗プロセスよりも実現するのにより容易であり、追加の利益を提供するために粗プロセスに関連して使用され得る単純な調整プロセスも実現され得る。両方のプロセスにおいては、クワイエットレンジングウィンドウ(quiet ranging window)が同時に4つのアップストリームチャネル上で開かれる。
【0021】
図1Bは、本出願の実施形態例よる、光ネットワークユニットのアクティブ化手順の一例を示す。
図1Bを参照すると、通信構成プロセス100は、ONU120との通信を開始するOLT110を含む、2つの主要エンティティを含む。動作において、ダウンストリームおよびアップストリームフローにおける波長は、簡単にするために、1つのTDM XG−PON1システムとして対で使用される。例えば、波長チャネルは、XG−PONダウンストリーム物理同期ブロックにおけるPON−IDフィールドを使用して識別される。このTWDM−PONにおけるONUのアクティブ化プロセスは、すべてのアップストリームチャネル上の同時クワイエットウィンドウを用いて実施される。
【0022】
図1Bを参照すると、レーザの温度が温度(T
start)として開始するように設定される、またはその初期値のままにされる。ONUは初期状態「O1」(電源投入設定)を通過し、ONUダウンストリーム受信機は、ダウンストリーム調整PLOAMメッセージに使用される4つの波長のいずれか1つに調整される。ONUは次いで待機状態「O2」(受信DSトラヒック)、パワーセットアップ状態「O3」(パワー設定)まで継続し、次にシリアル番号状態「O4」になる。ONUは、シリアル番号要求をOLT122から受信すると、そのシリアル番号124を送り、シリアル番号124はメッセージ126においてOLT110に受信される。波長がAWGの通過帯域(例えば、
図3Bの(i)331)にある場合、OLTはONUのシリアル番号を受信し、ONU−IDを割り当てる。WSDMには、OLTはONUにどの波長セットで現在動作しているかも知らせ、それを「N」波長セットからの1つに割り当て、この情報DSをメッセージ132を介して送る。ONUがONU−IDおよび波長セットを受信した場合、プロセスが継続するが、しかしONU120は、ONU−IDを受信しない場合(例えば、波長は
図3Bの位置(ii)334にある)、動作134を介してΔλ/nオフセットを達成するためにレーザ温度を自律的に増加させる。ステップサイズは、送信の成功を可能にする間隔の幅よりもわずかに小さいように選択される(例えば、
図3Bの例332および334においてn=3)。最大距離130が最大往復遅延128を計算するのを助けるために使用される。
【0023】
ONU120は、正しい波長セット上にない場合、別のΔλ/nによって調整される。読取りの成功は最大「n」ステップの後達成されるはずである。ステップの数は、AWGの最大伝送を有する光バジェットペナルティとのトレードオフである。ONUはレンジング状態「05」に進む。アクティブ化プロセスの残り(すなわち、レンジングなど)はWSDM−PONに特有ではない。
【0024】
フェーズIIデモに対する実施を簡略化するために、波長は、ONU Rxが現在リッスンしシリアル番号(SN)の読み取りに成功したダウンストリームチャネルと対になっているアップストリームチャネルが識別されるまで、増分Δλ/nですべての4つのチャネルの範囲全体にわたって調整される。標準初期化プロセスは、次いで、ONU IDの割当てにより完了され得、ONUは次いでサービスを開始する準備ができている。ONU120は、クワイエットウィンドウごとの後に、波長を自律的にステップしていく。プロセスは、レーザ内のヒータを制御する制御プロセッサに、目標値および相対的変化を送る、ONU内のプロセッサによって制御される。OLTにおいて修正は何も必要とされない可能性がある。
【0025】
プロトコル構成においては、4つのチャネルは、同時にアップストリームをリッスンするが、1つのダウンストリームチャネルだけがアクティブ化手順の間、ONUと通信することができる。第1のプロトタイプを簡単にするために、4つの独立したXG−PON1システムが使用されると想定する。SNは、Rxポートのいずれかで読み取りが成功され得、対応するダウンストリームTxポートの各々は確認を送り、ONU IDをONUに割り当てる。しかし、アップストリーム波長が、ONUが使用するように調整されるダウンストリームチャネルと対になっているRxのチャネルに達するとき、ONUは実際に確認およびONU IDを受信する。ONUは、ダウンストリームのPON IDにより動作しているチャネルを知っている。OLTは、割り当てたONU IDが対応するアップストリームチャネル上にある、アップストリームPLOAMメッセージを受信すると、接続されたチャネル上で動作する。
【0026】
目標プロセスにおいて、最悪の場合に初期化時間を4倍加速させるためにSN読取りの成功が4つの可能なチャネルのいずれかの1つにおいて起きる。次いで、PON OLTは、たとえアップストリームおよびダウンストリームチャネルがまだ対になっていなくても、ダウンストリームを介してSNおよびアップストリームチャネルを通信することができるはずである。通信の成功後、OLTは、そのONU−ID/PON−IDへターゲット化されたPLOAMメッセージによって所望のアップストリームチャネルへの波長シフトを通信する。
【0027】
一実施形態例においては、隣接するアップストリームチャネル間にクロストークがある場合は、満足させることが困難であり得る。解決策は、Δλ/2よりもわずかに小さいステップが想定されるとき、3つのクワイエットレンジングウィンドウの後にSNの読取りの成功を実施することによって目標プロトコルにおいて実現され得る。これは、AWGの通過帯域の最大伝送に対する3dBの受信機感度マージンに対応する。しかし、最適化された受信感度を達成し、より小さなステップサイズ、例えば、Δλ/3またはΔλ/4を選択することなどにより、様々なやり方でシステムの光バジェットを最適化することが可能であり、結果として最悪の場合追加の調整ステップΔλ/8およびΔλ/16などによってより長いアクティブ化時間となる。別の選択肢は、同じアップストリームレンジングメッセージにおいて、SNのコードの4倍遅いクロック速度によるかまたはSNを順次4回を繰り返すことによるかのいずれかにより、同じシリアル番号のオーバーサンプリングを4倍で実施することであり得る。また、FECの前の信号対雑音比(SNR)ビット誤り率(BER)1E−4が達成されないとき、約100ビットの長さのシリアル番号が読み取り可能な妥当な確率があるかどうかを識別することが最適であり得、失敗がある場合、次の試みが成功であり得る。
【0028】
OLTが初期化シーケンス後どのSNも読み取らないことがありえる。ONUがレンジングしようとしたが、このシーケンスの終わりにONU−IDを受信しない場合、エラーが発生しており(例えば、衝突またはビット誤り)、ONUは最大3つまでのそのようなシーケンスを再度やり直すはずである。この方式は、結果として、次の動作に進むまでに3回レンジングの各ステップを繰り返すことよりも大半の場合レンジングが速いことになり得る。OLTにおける受信パワーが高い場合、2つの隣接するチャネル(
図3Cのグラフ340の342参照)におけるシリアル番号の読み取りの成功が可能である。これが起きた場合、各チャネルにおけるバーストモードRSSIによる信号パワーの同時測定が、クロストークを避けるために最高の信号パワーレベルを有するチャネルおよび必要とされる波長シフトを決定するのに使用されるべきである。ONUのSNがこの段階以降知られているので、OLTは必要とされる波長シフトを有するターゲット化されたPLOAMメッセージを送ることができる。波長が通過帯域において中心に置かれると、隣接するチャネル間のクロストーク抑制は仕様に従う。クワイエットレンジングウィンドウ(場合によっては、より短い)は、クロストークの除去が確認されるまで使用されるべきである。
【0029】
あるいは、RSSI測定が粗レンジング手順の間OLTにおいて全く可能でない場合、OLTは波長が2つの隣接する受信チャネルのおよそ中間にあり、したがって、チャネル間隔の半分の波長シフトを命じる。ある場合には1つのチャネルだけがONUのSNの読み取りに成功するが、クロストークにより同時に2つ以上のチャネルにおいて検出されるRSSIパワーがある。相対的パワー差が、波長を調整するのにまだ使用され得、ターゲット化されたPLOMメッセージがONUに送られ得る。
【0030】
事前登録したONUの場合、OLTはSNを有し、ターゲット化されたレンジング許可を送ることができる。その結果、OLTには、1つのONUだけがその時点でレンジングしていることが確実である。パワー検出は、たとえアップストリームメッセージコンテンツが正しく読み取られ得なくても、ONUを突き止めるのにすでに十分である。この後続のレンジングウィンドウは、したがって、より短くあり得、短いレンジングウィンドウを通常のトラヒックに多すぎる遅延オーバーヘッドなしで、より頻繁に開くことが可能である。たとえOLTがアップストリームメッセージにおいてシリアル番号を読み取ることができなくても、この場合、波長を調整するために異なるクワイエットウィンドウ間の相対的変化RSSI測定を使用することが可能である。何故なら、OLTがターゲット化されたフィードバックメッセージを送ることができるからである。これは、一般に、同時に複数のONUがレンジングする場合には可能ではない。
【0031】
通常の動作の間、OLTはONUに命令して波長セットチャネルを変更させることができる。ONUは、調整応答(約200μs)が完了するまでアップストリームトラヒックを送ることが可能でない。新たなアクティブ化プロセスが新たな目標波長への粗調整に推奨される。それぞれのチャネルの送受信機が同じラインカード上に統合されるとき、すべてのチャネルに対してクワイエットウィンドウを同時に開くことが実施される。
【0032】
ONU送信機の波長の微調整および安定化は、ONUがPONにおいてトラヒックを活発に送受信しているとき、実施され得る。波長安定化プロセス(ディザリング)は、波長を周回性AWGフィルタの中心に保持する。トラヒックデータがディザリングの間に消失することがあり、PLOAMメッセージがより確実なので、ONUがPLOAMメッセージを送ると想定される。しかし、データトラヒックが代わりに送られ得、また、追加のパワーマージンにより、通過帯域の端において伝送スロープの偶発的な5GHzディザに対応することが可能になるために送られ得る。次に、OLTはONUに5GHz(Oバンド0.34K)だけ上にUS波長を調整するように要求することができる。ONUは調整が終了するまで(例えば、0.2ms)待機し、次いで、アップストリームパケットデータを送る。OLTは、高速RSSI(送受信機調査群、RSSIストローブ)によって受信パワーを測定する。OLTは新たなRSSI値を前のものと比較する。新たなRSSI値がより高い場合、OLTはONUに新たな波長に恒久的にシフトするように命令する。すなわち、ONUは上り勾配にあり、次のディザリング動作において同じ方向の別の5GHzを探査する。新たなRSSI値がより低い場合、OLTはONUにその古い波長に留まるように命令する。ONUは次のディザリング動作において反対方向の5GHzも探査する。現在のRSSI測定が最小パケット長(例えば100ns)を求める。OLTは、RSSI値が測定されるアップストリームPLOAMパケットが十分に長く、したがって、他のONUからのパケットが同じ測定に何も統合されないことを確実にする。信号強度測定および決定は、より正確な値を達成するために、単一のまたはPLOAMデータパケット上で実施され、またはいくつかのパケット上に蓄積され得る。後者は、もっと時間を必要とするが、調整プロセスがネットワークトラヒックにより、遅い場合は有用であり得る。
【0033】
図2Aは、本出願の実施形態例による波長帯域200の群を示す。
図2Aを参照すると、波長サブバンド202が4つの異なる波長または周波数λ
1、λ
2、λ
3、およびλ
4を有するものとして示される。4つの波長の各々は、異なる波長セット204の一部であり、その波長セットの各々も4つの波長を含む。波長セットWS1、WS2、WS3およびWS4において、各セットは、各波長サブバンドからの1つの波長を含む。
【0034】
特定の波長セット内の1つの波長から同じセット内の別の波長への調整は、熱だけを加えることによって実施され得る。一例によれば、熱は波長間で調整するために加えられ得る。例えば、レーザは、ONTおよび/またはOLTによって必要とされる光学的波長の2つの間にある特定の波長に調整され得る。熱をレーザに加えることによって、波長は、光学系に認識される個別の波長に調節することができる。
【0035】
別の例において、外部温度により、動作波長が特定の動作波長から離れるようにシフトすることがある。例えば、第1のまたは現在の動作波長は、WS3のλ
7であり得る。レーザは現在WS3のλ
7で動作している可能性があるが、しかし、外部温度が上昇すると、レーザの波長がλ
8またはλ
9に向かって上方にシフトし得る。この場合、同じ波長セットWS3の所定の波長内で動作を継続することが望ましくあり得る。その結果、光学レーザはレーザダイ内の埋め込み熱源を介して、またはレーザデバイスに取り付けられた外部熱源を介して熱を加えることができる。熱は、現在の波長を波長セットWS3内の206としての次の波長λ
11に修正するだけであるように制御され得る。
【0036】
ヒータおよび温度センサの両方を同じレーザダイまたはチップ内に設けることにより、レーザの総熱質量(thermal mass)が低減され、温度制御のための迅速な熱応答時間およびより低い電力の要件を容易にする。さらに、レーザ、ヒータ、および温度センサがすべて同じダイまたはチップ内に含まれるので、組立てられたレーザの費用への影響が小さい。この構成によりマイクロ秒台の低い時定数が得られる。
【0037】
一例において、同じ波長セット内の異なる波長への波長ホップが実施され得る。波長の下限または上限による温度調整の場合、調整手順には予防策を見越しておくことができる。レーザを冷却することにより波長を調整すると、より低い閾値に達する場合、ONUは、波長を同じ波長セットの次の高調波にシフトするためにレーザを暖める必要がある。同様に、レーザを加熱することにより波長を調整すると、レーザが上限の閾値に達する場合、ONUは、同じ波長セットの次のより低い高調波までレーザを冷却する必要がある。
【0038】
図2Bを参照すると、グラフ250が、温度252対時間軸254による周囲温度の変化に伴うヒータ電流に起きる変化を示す。レーザ温度256、周囲温度258およびヒータの温度260が示される。ヒータがその最低値に達し、その間、周囲温度により、正しい温度に達するのがブロックされている場合、この例では温度を制御する方法が何もないので、波長ホップが開始される必要がある。このプロセスはローカルなONUプロセスであり、それにより、ONUがその時間の間アップストリームデータを確実に送らないようにしなければならない。
図2Aは、第1の波長208が次の波長206に調整されるのを示す。ONUは、ローカルにトラヒックを待ち行列に保持し、MACプロトコルからのアップストリーム許可を無視することができる。しかし、OLTは、許可への空の応答を誤りとして扱うことができる。さらに、待ち行列に入れられたアップストリームが何もなく、これによりアップストリーム許可の数が低減するので、非状況報告アルゴリズムは、このデータを間違って解釈することがある。したがって、波長ホップの前にPLOAMメッセージを介して波長ホップのイベントをOLTに報告するのが最善である。下限および上限の波長閾値は、波長ホップがまれなイベントのままであるように、したがって、移行が上限および下限の値の間を繰り返し行き来しないように、十分なヒステリシスマージンをもって選択すべきである。波長レンジング時間全体にわたってレーザを調整するのに約200μs(TBC)しかかからないが、それはクワイエットウィンドウの持続時間に匹敵し、したがって、通常のデータトラヒックに何も中断を生じさせずにシステムによって耐えられ得る。
【0039】
OLTとONUとの間の通信は、動作のセットを提供し得る。ONUが起動時にはその現在の波長に関する情報を何ももっていないので、現在のアップストリームチャネル(OLTからONUへの)は、識別されなければならず、OLTはどのチャネルおよび対応するBM Rxで、OLTがSN読み取りによりおよび/または最強のRSSI値を決定することにより検出の成功を観察したかを通信する。これは、チャネル番号(例えば、#1−#4)によって実施され得るが、波長または周波数値または波長セットの1つの要素など他の選択肢も可能な選択肢である。OLTからONUへの目標アップストリームチャネルは、WSDMスキームにおいては絶対値よりも有意義であるので、上記の現在の値に対して正または負の相対的波長シフトを有することができる。現在のアップストリーム位置がまだその最適位置にない可能性があり、補正を必要とし得るので、チャネル間隔の一部として相対的変化を表すことが可能なはずである。
【0040】
相対的変化は、チャネル間のステップの数として表され得る。波長ホップまたは間の任意のチャネルを制御するために波長セットの次の通過帯域に達するのに範囲全体に対応することは可能であるはずである。一例においては、8ビットコードが、1ビットを符号で方向に、7ビットを範囲に対応させて使用され得る。4つのチャネルがあると、各チャネル間に32デルタステップおよび範囲全体に対応するために128ステップがある。nm単位の相対的波長値または絶対値など、他の選択肢も可能である。OLTからONUへの目標ダウンストリームチャネルは、どのチャネルを調整するのに必要であるのかに関してONUに通信され得る。これは、チャネル番号(例えば、#1−#4)を介して通信され得るが、波長値などの他の選択肢も可能である。
【0041】
アクティブ化の開始において、ONUはダウンストリームチャネルの現在のフィルタ位置を認識していない可能性がある。ONUが、ダウンストリームフレーミングの受信に成功するまでフィルタ値をスキャンするためにローカルな制御アルゴリズムを適用するので、どのチャネル番号でONUが調整されるのかを検出できるはずである。既存のPON−IDが使用され得、したがって、GPONまたはXG−PON1で定義されるように、ONUは現在の標準ダウンストリーム物理層同期化ブロック(PSBd)にあるが、任意の他のメッセージがそのために使用され得る。現在のダウンストリームチャネルが目標ダウンストリームチャネルと異なる場合、上記に定義された目標ダウンストリームチャネルを有するメッセージ(c)は、ONUが必要なチャネル変更をするのに十分である。
【0042】
通信メッセージは、単一の物理層メッセージにおけるフィールドとして伝達され得る。ダウンストリームフレームのPSBd内のPON−IDが使用され得るので、シーケンスにおける他のメッセージに別個のフィールドは必要とされない。しかし、4番目のメッセージ(d)には4番目のフィールドもあり得る。GPONまたはXG−PON1の場合のように、これは新たなタイプの物理層動作および保守(PLOAM)メッセージで実現され得る。同じメッセージタイプが、値の組合せを伝達するためにまたは有意のフィールドの一部だけを伝達し、ONUに現在設定されている値または所定のデフォルト値を保持するために他のフィールドを動作なしとして残すために使用され得る。
【0043】
メッセージはPON上のブロードキャストされるダウンストリームである。特定のONUがONU−ID(ONUがすでにその管理システムを介してOLTに知られている場合)によって、またはONUがアップストリームに伝達したばかりのシリアル番号値によってのいずれかでアドレス指定される。この構成において、「ランダム遅延法」が、同時にPONに参加しようとする新たなONU間の衝突を避けるために使用され得る。ONUは初期化シーケンスの間、波長の更新を自律的に決定し、どの位波長がシフトされるのかに関してOLTからのフィードバックを使用しないので、複数のONUが同時に波長調整プロセスを受けることができる。ステップの数は各ONUによって異なり得、異なるONUのステップは、相関されない。SNがOLTによって読み取りに成功され、ONU−IDが割り当てられたときのみ、個々のONUは、微調整手順に使用されるように、波長シフトに関するフィードバックによってアドレス指定され得る。
【0044】
シリアル番号要求は、パワーセットアップ状態およびシリアル番号状態ですべてのONUに対して発行された可能性があり、したがって、2つ以上のONUからの応答が生成され得る。2つ以上のPLSu伝送またはシリアル番号伝送が同時にOLTに到着したとき問題が起き得る、すなわち衝突が発生する。ランダム遅延法は、この難問を解決するのに使用され得る。ランダム遅延法に基づいて、各PLSu伝送およびシリアル番号伝送は、各ONUによって生成された遅延ユニットのランダム数だけ遅延される。遅延ユニットは、すべてのビットレートに対して32バイトの長さである。ランダム遅延は、遅延ユニットの整数でなければならない。シリアル番号要求への各応答に続いて、ONUは新たなランダム番号を生成し、したがって、衝突は容易に、効率的に防止される。
【0045】
ランダム遅延範囲は0−50μsである。この範囲は、可能な限り早い伝送(ゼロ処理遅延を有する)の最初から可能な限り遅い伝送の最終まで測定される。ONU内部処理遅延およびアップストリームバーストの持続時間がランダム遅延範囲に含まれ、したがって、新たなランダム遅延値を選択するとき、考慮に入れられるべきである。「パワーセットアップ伝送」のGigabit PON G.984.3規格に基づく、
図3Aの従来の例においては、パワーセットアップは、「波長セットアップ伝送」のONU送信機調整の場合である。ONU310および330は、パワーセットアップを実施し、OLT320はプロセスを管理する。
【0046】
最適なヒータ設定を識別するためのプロセスは、粗調整の間のシリアル番号の成功した読み取りおよび微調整の間のRSSI測定を利用することができる。ONU送信機波長は、最適なアップストリーム伝送のために異なるOLT PON受信機にアップストリーム波長を分離する、周回性AWG WDMに整合され得る。
図5は、0.05ボルト刻みを使用して、ADC入力に応じて各AWGポートにおいて通常のパワー測定かつRSSIなしで測定されたパワーの電圧チャート500を示す。より高い温度およびより高いヒータ抵抗において、より高い分解能が
図4のコントローラ構成400の論理図の入力ADC410において必要とされる。コントローラ構成400は、熱源420に命令するのに使用される温度を測定するために、ADC410と、主コントローラ412と、TECコントローラ414と、サーミスタ416とを含むことができる。
【0047】
ONU波長を整合させるための構成の1つのタイプは、最大光パワーがOLT受信機において求められるまで、OLTにおいて光パワーを測定し、ONUにおいてTECコントローラ414を介してヒータ420を調整することである。1つの懸念は、アップストリーム伝送がバーストモードで動作していることである。
【0048】
RSSI測定のタイミングをとるのは集中的なタスクである。ONUがシステムにまだ知られていない場合、最適なRSSI測定を送信するのに最適な時間を確認するのは容易でない。RSSIは線形的に測定され、16ビットを使用して表される:
−40dBm=0.1μW=0x00 0x01
−37dBm=0.2μW=0x00 0x02
−35.2dBm=0.3μW=0x00 0x03
−34dBm=0.4μW=0x00 0x04
−33dBm=0.5μW=0x00 0x05
−32.2dBm=0.6μW=0x00 0x06
−31.5dBm=0.7μW=0x00 0x07
−31dBm=0.8μW=0x00 0x08
−30.5dBm=0.9μW=0x00 0x09
−30dBm=1.0μW=0x00 0x0A
|
−27.5dBm=1.78 W=0x00 0x12
|
+8.16dBm=6.5536mW=0xFF 0xFF
われわれが関心のあるパワーは、RSSIウィンドウの端にあり、分解能(0.1μW)ももちろん考慮される。
【0049】
RSSI測定のタイミングをとるのは集中的なタスクである。ONUがシステムにまだ知られていない場合、最適なRSSI測定を送信するのに最適な時間を確認するのは容易でない。RSSIは線形的に測定され、16ビットを使用して表される。
図6は、いくつかの異なるXGPON1 OLT XFPによるグラフ600上の一連のRSSI測定を示す。SP=SourcePhotonicsおよびNP=NeoPhotonicsである。第1の曲線612は、デジタルRSSI表現の分解能を最適化するための所望のRSSI曲線を示す。
【0050】
図6において、測定されたRSSI曲線は、異なるXGPON1−OLT XFPに測定された真の光パワーと比較して示される。モジュールによっては複数回測定したものがあり、RSSI測定が再現可能であることが分かる。RSSI測定値の大半は、真の値より低いRSSI値を提供する。測定されたRSSI曲線のほとんどは、やはり真の曲線に対し妥当な平行である。別の最適化は、OLT Rxへの入力パワーが、周回性AWG損失に比較してアップストリームSOA利得を必要な大きさより大きくすることにより、XGPON1に比較して少し高いように、光パワーバジェットを必要な大きさにすることであり得る。
【0051】
図8は、入力ADCにおいて0.01ボルト刻みのグラフ800を示す。RSSIパワー測定の精度は+/−3dBであり、負のオフセットは、光パワーを表示するためにより小さいレベルを残す。Neo−PhotonicsモジュールのRSSIは、N1クラスにRSSIを使用してピークを求めるために、ちょうど13レベルの光パワー分解能であり、最適なADC入力のあたりにおよそ0.2Vのウィンドウ(合計およそ1.6Vからの)である、真の光パワーからの負のオフセットを有し得る。
図8において、異なるRSSIの電圧対光パワーの様々な異なる曲線特性810がある。N2クラスにRSSIを使用してピークを求めるために、最適なAD5645(クワッドデジタル/アナログコンバータ)入力において7レベルの分解能およびおよそ0.15Vのウィンドウがある。SourcePhotonicsモジュールのRSSIは、真の光パワー近くで測定され、それは結果として、使用されたNeoPhotonicsモジュールに比較して光パワーを表示するためにはより利用可能なレベルとなるが、しかし、このモジュールは、およそ−35dBmより低いパワーを表示しないので、このモジュールは対象範囲において限定された数のレベルをやはり有する。
【0052】
周回性AWGフィルタの形状が知られているとき、同時にすべてのポート上で1つのパワー測定から正しいヒータ設定を予測することができる。
図7の論理
図700は、RSSI測定を介してONUのXFP716を制御するように減衰器714をトリガするAWGフィルタ712と共に働く波長可変SFP710を提供する。測定されたパワーの比は、調整ヒータの正しい設定を推定するために使用され得る。ランダム遅延法は、2つ以上の新たなONUが同時に測定される場合を避ける。小さな比は最適な設定に近いことを示す。
【0053】
精度は周回性AWGフィルタの特性、例えば、不均一損失に依存する。別の要因は、RSSIが測定することができる範囲である。2つの測定から最適な調整を予測することは、感度に基づく。RSSI測定は、交差点の周りの2つのポートにおけるパワーを観察することだけができる。ONTレーザ波長の調整は、PONシステムにおいて基本的な要件である。フィールド較正のためにこれらのヒータ管理方式を実現する較正されていないレーザ構成要素を使用する能力を提供することは、構成要素の製造費を節減し、PONシステムの様々な変更への適応を可能にする。OLTからのアクティブ化の間ONTレーザ調整を制御することにより、全システムのフィードバックループが提供される。その結果、波長設定が正確におよび迅速に行われ得る。
【0054】
図9は、RSSI測定に基づく予測機能の一例を示す。
図9を参照すると、様々なポート900がそれら自体のそれぞれの信号測定結果を有し、周回性AWGフィルタの形状は、知られ得、したがって、同時にすべてのポート上で1つのパワー測定から正しいヒータ設定を予測することができる。第1のポート信号910は、それぞれ、ポート1および2への調整920および922の基準として使用され得る、フィルタ特性912から識別され得る。直線912は、OLTによって受信されたアップストリーム伝送の波長および信号パワーを表す。他の直線920および922は、AWGフィルタの、それぞれ、ポート1および2中を通される、その伝送からのパワーの量を表す。レーザヒータが直線912を左に移動させるように調整された場合、直線920は、より大きくなり、直線922は、より小さくなる。
【0055】
本出願において、OLTは異なるポート上のRSSI値の比較を実施し、相対的波長変更メッセージをONUに送信することができる。ONUはRSSI値を受信し、OLTからの命令なしにローカルに必要な波長シフトに関する決定を行うことができる。この例においては、新たなメッセージタイプが、ONU−IDまたはシリアル番号のいずれかによってチャネルごとのRSSI値および宛先に必要とされる。
【0056】
実施形態例によれば、バーストモード信号の光パワーを正確に測定しなければならないことを避けるために、最適なヒータ設定は、パワーを測定せずに識別され得る。1つの方法は、OLT受信機における信号品質を測定し、ONU送信機の調整を最適化するためにそれを使用することである。粗調整の間使用され得る、シリアル番号の読み取りの成功も実施され得る。巡回冗長検査(CRC)またはFECデコーダからの誤り件数の使用も使用され得る。最適水準の探査は、パケットのプリアンブルカウントによって実施され得る。
【0057】
図9に示す例から導出され得る予測機能は、OLTが迅速に新たな登録ONTを正しい波長に調整することを可能にするために使用される。一例によれば、較正されていないONTがPON上で登録しようとするとき、そのレーザの波長は、PONの管理デバイスまたは他の構成要素によってそのような時点において一般に知られていない。
【0058】
動作において、ONTはアップストリームメッセージをOLTに送信することができ、受信信号強度(RSSI)測定は、AWGフィルタのすべてのポート上で同時に測定され得る。理想的に調整されたシステムにおいては、アップストリーム信号は、他のフィルタ帯域に信号パワーが何も現れず、単一のフィルタポートを中心にする。本例においては、アップストリーム伝送からの信号パワーが2つの隣接するフィルタから検出されたとき、予測機能は、適当なフィルタによりONTレーザ波長を中心に置くのに必要な正しい熱調節を計算する。この計算された波長補正はOLTからONTに送られ、したがって、調節はONTにおいて実施され得る。
【0059】
図10は、異なるポートに対してOLTにおいて測定された異なるRSSIパワーの様々な異なる曲線特性を有するグラフ1000を示す。上記誤り測定よりも簡単な実現は、10101...プリアンブルパターンで交互する「1」と「0」との数をカウントし、それを既定値と比較することである。この方法は、誤り測定よりも精度が落ちるが、最適パワー値および関連する特性を識別する非常に簡単な実現を可能にし得ることが認識されている。低速の訓練シーケンスは、光パワーが小さい限定された場合の熱雑音に対するSNRを含みうる。この例では、SNR=R
LR
2dP
2in/4k
BTF
nΔfである。ただし、R
L=抵抗の負荷、Rd=フォトダイオードの応答速度、P
in=光入力パワー、k
B=ボルツマン定数、T=温度、F
n=増幅器雑音指数、Δf=有効雑音帯域幅である。この場合、SNRは、同じ受信機が使用される場合、ビットレートとは無関係である。受信機の帯域幅が調整可能であるとき、より良い感度が達成され得る。帯域幅を減少させると、Δf、およびF
nも、減少する。
【0060】
一例においては、オーバーサンプリングは、より微細な波長調整に必要な複数のレンジングウィンドウより高速であるので、好ましくは同じレンジングウィンドウにおいてシリアル番号(SN)を読み取るために4回実施され得る。別の予測方法は、AWGフィルタが対称であるという基準に基づくことができる。AWGの2つの交差点が識別され、AWGフィルタの最適中間が推論され得る。ONU送信機がAWGの交差点に調整されたとき、ONUシリアル番号(SN)は、OLTには読み取り可能ではない。フィルタによるスキャニングの結果1112は、正しいおよび誤ったSN表示を提供することができ、最適設定1114は
図11の図表1100に示すように正しいSN読み取り範囲1116の中間にある。
【0061】
図11の例は、登録動作を実施するときのONTアップストリーム波長を迅速に調整するための代替プロセスである。最適調整点は、2つの交差点の間の中点として識別され得る。交差点は、OLTが有効なシリアル番号(SN)を識別するのを開始することができる箇所である。ONTは、PON上に登録されるようになろうとするとき、OLT SN要求メッセージに応答してそのSNアップストリームを送る。OLTがONTからSNを受け取った後、OLTは、次いで、ONU−IDをONTに割り当てる。SNおよびONU−IDの両方は、ONTの固有の識別子である。
【0062】
変形が、FECの誤り検出機能、擬似誤りモニタ、アイ―オープニングモニタまたはOLT受信機によって知られている特別なテスト用ワードを識別するのに使用され得る。ほとんどの場合、ラムダ値(ヒータ設定)機能は良好に再現可能であり、ルックアップテーブルは、完全に調整するまであとわずか少数の調整ステップが必要であるように、相対的に近い波長を得るやり方である。ヒータ設定の記録は、すでに以前にPON上にあったONUが迅速に加わるのを手助けするのに非常に有用である。
【0063】
調整アルゴリズムは、分割され、したがって、OLTがアルゴリズムを制御し、および/またはONUがアルゴリズムを制御する。ONUが手順を制御するとき、ONUはOLTからの肯定応答に基づいて調整機能を決定し、ONUは、OLTによってセットアップされたレンジングウィンドウを依然として使用する。OLTが調整を制御するとき、OLTは、ONUにOLTによって実施された測定からのその波長をどのように調整するのか知らせる。ONUに制御されるプロトコルは、どのデバイスがどれであるのか、正しい通信があり、したがって2つ以上のONUが1つのウィンドウに参加しようとすることができるまで、知る必要がないように動作する。OLTに制御される機能において、1つのONUだけが、そのONUが識別されるまで参加しようとすることができる。その時点において、識別された(SN)ONUは依然として微調整することができ、その間、新たな未知のONUは調整手順に参加しようとすることができる。調整方法を比較するために使用されるパラメータは、遅延および精度である。遅延はONUがPONに参加するのにかかる時間をもたらす。精度は、利用可能な光パワーバジェットをもたらし、非最適調整が結果としてAWGの挿入損失によるパワーペナルティとなる。
【0064】
一実施形態例によれば、光ネットワークユニット(ONU)を遠隔で構成する方法は、ONU送信波長および受信波長などの情報を含む、第1の波長構成メッセージをONUに送信するステップを提供することができる。第1の波長構成メッセージも、波長セットおよび/またはチャネル識別子を含むためにONUに送信され得る。メッセージは、波長または波長セットとして定義され得るONU送信チャネルを含むこともできる。メッセージは、そのチャネル識別子を介して現在のチャネルの詳細を提供することもできる。命令により、ONUはその現在の波長と異なる波長変更を実施することができる。
【0065】
メッセージ/命令は、現在のチャネルを定義する波長構成メッセーが送信された後、ONUに送信され得る。相対的波長変更は、チャネル間隔に比例することができ、周波数または周波数のユニットであり得る。構成メッセージは、OLTから発生することができ、ONUからのメッセージの受信に応答して送信され得る。ONU−IDは、ONUに割り当てられ得、構成メッセージは、ONU−IDが割り当てられた後、送信され得る。メッセージは、ONUアクティブ化プロセスの一部として送信され得る。ONUは、第1のSN要求波長においてSN要求を受信することができる。SN応答は、ONUから受信され得、ONU−IDはSN応答が受信された後、割り当てられ得る。
【0066】
SN要求が成功しなかった場合、別のSN要求が第1のSN要求を送信するのに使用された波長と異なる波長で送信され得る。SN要求は、他のPONトラヒックが送信されるように何も予定されていないとき、クワイエットウィンドウのオンセットにおいても送信され得る。開いたウィンドウは、アクティブ化サイクルの間チャネルのいずれかにおける衝突を避けるためにPON内の複数のアップストリーム波長チャネルにおいて開くことができる。波長補正メッセージは、ONUが間違ったチャネル上で動作していると識別された場合のみ送信され得る。ONUが正しいチャネル上で動作しているかどうかを決定する1つのやり方は、目標受信機チャネルにおいて受信された信号を観察することである、または現在のチャネル波長を識別するためにクエリを送信することによる。また、信号品質は、テストされ得、信号品質が特定の閾値より下または上にある場合、信号は正しい/誤ったチャネルに関連付けられ得る。あるいは、代替として、信号品質は、観察され、品質レベルを識別するために異なる受信信号品質と比較され得る。様々な異なる受信機が、OLTにおいて周回性波長デマルチプレクサまたはアレイ導波路回折格子の背後で動作していることができ、すべてのチャネル上のクエリ後に、およびクワイエットウィンドウの間、実施されなければならない。信号品質は、光パワーレベルなど、信号データまたは信号の強度を読み取る能力としても識別され得る。他の信号強度測定機能も使用され得る。
【0067】
別の例においては、現在の相対または絶対波長は、最高の観察された信号パワー値を有する受信機が現在動作している波長デマルチプレクサのポートの通過帯域に等しくてよい。また、異なる波長デマルチプレクサのポートの複数の受信機の信号品質は、より正確な相対または絶対波長を決定するのに使用され得、相対または絶対波長は次いで、隣接チャネル間の間隔の相対部分に波長チャネルを加えたものであり得る。目標送信波長は、観察された様々なパワーおよび信号品質測定に基づいてONUによってセットアップされ得る。
【0068】
ONUとOLTとの間の通信の間、第1の波長構成メッセージは波長を割り当てることができる。メッセージは、メッセージの物理層、動作および管理(PLOAM)タイプでもあり得る。RSSIが受信信号から測定されたとき、送信波長は1つまたは複数のRSSI測定に基づいて識別され得る。ONUは、各シフトを1つずつ評価して、最後の波長シフトが結果としてRSSI測定、データ認識、および/または信号対雑音比(SNR)を介してコヒーレントなまたは許容可能な信号になるかどうかを識別するために、波長変更の短い間隔でその現在の送信波長を自律的に変更することができる。シフトの成功が識別されると、アクティブ化手順が完了され得る。
【0069】
開始手順は、開始波長W
Iから開始することができる。次の波長はW
I−Nとすることができ、ここで、N=最小波長シフトである。手順は、初期波長を利用するステップと、特定のメッセージを送信するステップと、次いで送信の成功を決定するためにメッセージコンテンツを識別するステップとを含むことができる。テストは、必要とされ、それより低いと許容されないRSSI測定データの閾値を有することができる。波長の変化は、調整範囲の限界に達したとき、同じ波長セットのチャネルのより高いまたはより低い通過帯域に波長を変更するコントローラによって制御され得る。閾値の波長値は、限界を識別するのに使用され得、最小範囲よりもわずかに大きくてよく、調整範囲の最大よりわずかに低いことを識別するのに使用され得る。上限および下限閾値は、設定が2つの通過帯域の間(すなわち、ヒステリシス範囲)を前後にホップするのを防止するために同じ波長の2つより多くの通過帯域の範囲にわたるように選択され得る。アップストリームデータ送信は、波長が、他のトラヒックチャネル上のデータへのクロストークを避けるために同じ波長セットチャネル内の次の通過帯域または新たな波長セットチャネルへの変更に調整されるとき、防止され得る。アップストリームデータは、調整が完了するまでアップストリーム帯域幅マップ内の許可を無視するONUによってローカルに停止され得る。
【0070】
別の例においては、ONUの受信機におけるフィルタの通過帯域の最大波長は、ONUに送信される信号品質を介してローカルな評価によって調整され得る。信号品質測定は、ONU内の受信機における信号の光パワーレベルを測定するステップと、ローカルに制御されたディザリング手順によって光パワーを最大化しようとするステップとを含むことができる。また、ONUにおいて受信されたダウンストリームデータのビット誤りを測定するステップおよびディザリング手順によって最小誤り回数を識別するステップ。波長範囲は、ONUによって受信されたデータコンテンツの読み取りの成功に対して識別され得、その範囲の中間は、最大値として指定され得る。また、ダウンストリーム波長チャネルは、フレームヘッダまたは専用メッセージの一部としてデータストリーム内のチャネル識別子またはPON識別子を読み取ることによって決定され得る。
【0071】
図12は、動作1202において、波長構成メッセージの受信に応答してネットワークターミナルのアクティブ化手順を開始するステップと、動作1204において、ネットワークターミナルによって使用される現在の波長を異なる波長に修正するために波長構成メッセージにおける命令を識別するステップと、動作1206において、光ネットワークユニット識別子(ONU−ID)をネットワークターミナルに割り当てるステップとを有するプロセス1200を含む動作の方法の一例を示す。方法は、動作1208において、現在の波長を異なる波長に修正するステップと、動作1210において、ネットワークターミナルからの、その後のデータメッセージを異なる波長において送信するステップとをやはり含むことができる。
【0072】
本明細書に開示する実施形態に関連して説明した方法またはアルゴリズムの動作は、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるコンピュータプログラムで、または2つの組合せで具現化され得る。コンピュータプログラムは、記憶媒体などのコンピュータ可読媒体上で具現化され得る。例えば、コンピュータプログラムは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(「ROM」)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(「EPROM」)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(「EEPROM」)、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、コンパクトディスク読出し専用メモリ(「CD−ROM」)、または当技術分野で知られている任意の他の記憶媒体の形態中に存在することができる。
【0073】
例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合され得る。代替として、記憶媒体は、プロセッサと一体であり得る。プロセッサおよび記憶媒体は、特定用途向け集積回路(「ASIC」)中に存在することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ディスクリートな構成要素中に存在することができる。例えば、
図13は、前の図面の上記の構成要素のいずれかを表し得る、ネットワーク要素例1300を示す。
【0074】
図13に示すように、メモリ1310およびプロセッサ1320は、アプリケーションまたはアプリケーションのセットを実行するのに使用されるネットワークエンティティ1300のディスクリートな構成要素であり得る。アプリケーションは、プロセッサ1320によって理解され、メモリ1310などのコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータ言語でソフトウェアにコーディングされ得る。コンピュータ可読媒体は、メモリに記憶されたソフトウェアに加えて有形のハードウェア構成要素を含む非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。さらに、ソフトウェアモジュール1330は、ネットワークエンティティ1300の一部であり、プロセッサ1320によって実行され得るソフトウェア命令を含む、別の個別エンティティであり得る。上記のネットワークエンティティ1300の構成要素に加えて、ネットワークエンティティ1300は、通信信号を受信し送信するように構成された送信機と受信機との対(図示せず)も有することができる。
【0075】
本出願のシステム、方法、およびコンピュータ可読媒体の例示的な実施形態は、添付の図面に示され、前述の詳細な説明に説明されているが、本出願は開示した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲によって記述され定義される本出願の精神または範囲から逸脱することなく数多くの再配列、修正、および代替が可能である。例えば、システムの機能は、本明細書に説明するモジュールまたは構成要素の1つまたは複数によってまたは分散されたアーキテクチャで実施され得、送信機、受信機または両方の対を含むことができる。例えば、個々のモジュールによって実施される機能性のすべてまたは一部は、これらのモジュールの1つまたは複数によって実施され得る。さらに、本明細書に説明する機能性は、モジュールまたは構成要素の内部または外部で、様々な回数でおよび様々なイベントに関連して実施され得る。また、様々なモジュールの間で送られる情報は、データネットワーク、インターネット、音声ネットワーク、インターネットプロトコルネットワーク、ワイヤレスデバイス、ワイヤードデバイスのうちの少なくとも1つを介しておよび/または複数のプロトコルを介してモジュール間で送られ得る。また、モジュールのいずれかによって送られまたは受信されるメッセージは、直接および/または他のモジュールの1つまたは複数を介して送られまたは受信され得る。
【0076】
「システム」はパーソナルコンピュータ、サーバ、コンソール、個人用情報端末(PDA)、携帯電話、タブレットコンピューティングデバイス、スマートフォンもしくは任意の他の適切なコンピューティングデバイス、またはデバイスの組合せとして具現化され得ることを当業者は理解されよう。「システム」によって実施されるものとてして上記の機能を提示することは、決して本出願の範囲を限定することは意図されておらず、本出願の多くの実施形態の一例を提供することが意図されている。実際、本明細書に開示する方法、システムおよび装置は、コンピューティング技術に従ってローカライズされ分散された形態で実現され得る。
【0077】
本明細書に説明したシステムの特徴の一部は、それらの実現の独立性をより詳細に強調するために、モジュールとして提示されてきたことに留意されたい。例えば、モジュールは、カスタム大規模集積(VLSI)回路あるいはゲートアレイ、論理チップ、トランジスタ、または他のディスクリートな構成要素など、既製の半導体を備えるハードウェア回路として実現され得る。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイス、グラフィック処理ユニットなど、プログラマブルハードウェアデバイスでも実現され得る。
【0078】
モジュールは、少なくとも部分的に様々なタイプのプロセッサによって実行されるためのソフトウェアでやはり実現され得る。実行可能コードの識別されたユニットは、例えば、オブジェクト、プロシージャ、または関数として構成され得る、例えば、コンピュータ命令の1つまたは複数の物理または論理ブロックを備えることができる。それにもかかわらず、識別されたモジュールの実行ファイルは、共に物理的に配置されなくてよいが、異なる場所に記憶された完全に異なる命令を備えることができ、異なる場所は、論理的に共に結合されたとき、モジュールを備え、モジュールの表明された目的を達成する。さらに、モジュールは、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュデバイス、ランダムアクセスメモリ(RAM)、テープ、またはデータを記憶するのに使用される任意の他のそのような媒体であり得る、コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。
【0079】
実際、実行可能コードのモジュールは、単一の命令または多くの命令であり得、いくつかの異なるコードセグメントを介して、異なるプログラム間で、およびいくつかのメモリデバイスにわたって分散さえされ得る。同様に、動作データは、識別され得、モジュール内の本明細書に示され得、任意の適切な形態で具現化され得、任意の適切なタイプのデータ構造内に組織化され得る。動作データは、単一のデータセットとして集められ得、または異なる記憶デバイスにわたることを含む、異なる場所にわたって分散され得、少なくとも部分的に、システムまたはネットワーク上の単なる電子信号として存在し得る。
【0080】
本出願の構成要素は、本明細書に全体的に説明し、図に示すように、実に様々な異なる構成で配列され設計され得ることが容易に理解されよう。したがって、実施形態の詳細な説明は、特許請求される本出願の範囲を限定することは意図されておらず、本出願の選択された実施形態を単に表すに過ぎない。
【0081】
上記に説明するように本出願は異なる順序のステップでおよび/または開示されるものと異なる構成のハードウェア要素で実施され得ることが当業者には容易に理解されよう。したがって、本出願は、これらの好ましい実施形態に基づいて説明されてきたが、本出願の精神および範囲内に留まりつつ、ある一定の修正、変形、および代替の構成が明白であることが当業者には明らかであろう。したがって、本出願の境界および限界を決定するために、添付の特許請求の範囲への参照がなされるべきである。
【0082】
本出願の好ましい実施形態が説明されてきたが、説明された実施形態は例示だけであり、その均等物および修正(例えば、プロトコル、ハードウェアデバイス、ソフトウェアプラットフォームなど)の全範囲について検討されたとき、本出願の範囲は添付の特許請求の範囲だけによって定義されることを理解されたい。