特許第6147405号(P6147405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6147405
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】撮像レンズ
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20170607BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-216598(P2016-216598)
(22)【出願日】2016年11月4日
【審査請求日】2016年11月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(74)【代理人】
【識別番号】100179202
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100188411
【弁理士】
【氏名又は名称】阪下 典子
(72)【発明者】
【氏名】生沼 健司
【審査官】 森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−150085(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/090838(WO,A1)
【文献】 特開2006−79059(JP,A)
【文献】 特開平10−213739(JP,A)
【文献】 特開平10−90596(JP,A)
【文献】 特開平04−191716(JP,A)
【文献】 特開2011−81253(JP,A)
【文献】 特開2004−53812(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/125999(WO,A1)
【文献】 特開2003−57538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体から順に、開口絞り、像面側へ凸面を向けた正パワーを有するメニスカス形状の第1レンズを配置し、以下の条件式(1)〜(4)及び(7)を満足することを特徴とする1枚構成の撮像レンズ。
1.72≦(R1+R2)/(R1−R2)≦1.85 (1)
0.32≦D1/f≦0.42 (2)
0.92≦Y/f≦0.97 (3)
1.50≦(Y/f)× 2ω ≦1.60 (4)
1.53≦nd1≦1.60 (7)
但し、
R1:レンズの物体側面の曲率半径
R2:レンズの像面側面の曲率半
D1:第1レンズの中心厚
f:レンズ系全体の焦点距離
Y:最大像高
2ω:全画角
nd1:第1レンズのd線の屈折率
である。
【請求項2】
以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
0.50≦f/TL≦0.60 (5)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
TL:第1レンズL1の物体側面から像面までの軸上距離
である。
【請求項3】
以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像レンズ。
1.35≦BF/f≦1.45 (6)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
BF:第1レンズの像面側面から撮像面までの軸上距離
である。
【請求項4】
以下の条件式の両方を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像レンズ。
Fno≦2.40
2ω≧90°
但し、
Fno:F値
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な光学特性を有し、小型で且つ、全画角(以下、2ωとする)が90°以上と広角で、2.40以下の明るいF値(以下、Fnoとする)を有する1枚のレンズで構成され、750nm〜900nmの波長域での静脈認証などの生体認証や眼球追尾認識に用いられる1枚構成の撮像レンズに関する発明である。
【0002】
従来用いられていた広角、小型で、Fnoの明るい撮像レンズとしては、特許文献1に開示された2枚構成のものがある。レンズ構成は、負パワーの第1レンズ、正パワーの第2レンズが配置されており、画角が、2ω=90〜110°と広角で尚且つ歪曲収差も比較的小さく、認識用レンズとして用いるには十分であったが、コスト面としてはレンズ2枚を用いるため不向きであった。
【0003】
特許文献2に開示された撮像レンズは、プラスチックレンズを用いた低コストで1枚での構成された撮像レンズであるが、画角が40°〜50°と狭角化なために認識用レンズとしては、撮影範囲が狭いために不十分であった。
【0004】
特許文献3に開示された撮像レンズは、上記、1枚での構成された撮像レンズであるが、F値が2.8〜3.2と暗く、認識用レンズとしては不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−337402号公報
【特許文献2】特開2006−079059号公報
【特許文献3】特開2011−081253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
良好な光学特性を有し、小型で且つ、全画角が90°以上の広角で、明るいF値を有する1枚のレンズで構成され、750nm〜900nmの波長域で静脈認証などの生体認証や眼球追尾認識に用いられる撮像レンズを提供する。
【0007】
上記、広角化をするためには、光学ディストーションも考慮しながら設計する必要がある。本発明の撮像レンズは、本用途に十分使用できるように撮像面での諸収差が良好に補正されている必要がある。近年、撮像装置側で画像補正技術を用いることで歪曲画像の補正が良好に行えるようになってきている。この時、光学ディストーション(D)は像高全域でD≧−20%である。ここで光学ディストーションの定義は、以下の式となっている。
D=(Y1−Y0)/Y0 * 100(%)
Y1:実像高、Y0:理想像高
【0008】
上記目的を達成するために、第1レンズによる物体側側面曲率と像面側側面曲率とのパワーバランス、第1レンズの中心厚とレンズの焦点距離の比、第1レンズ像面側面から撮像面までの軸上距離とレンズ系全体の焦点距離の比、及び、第1レンズの非球面形状を鋭意検討した結果、従来技術の課題が改善され、静脈認証などの生体認証や眼球追尾認識に用いられる撮像レンズを得ることを見出し、本発明に到達した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の撮像レンズは、物体から像側面に向かって順に、開口絞り、像面側へ凸面を向けた正パワーを有するメニスカス形状の第1レンズを配置し、以下の条件式(1)〜(4)を満足することを特徴とする1枚構成の撮像レンズ。
1.70≦(R1+R2)/(R1−R2)≦1.90 (1)
0.30≦D1/f≦0.45 (2)
0.90≦Y/f≦1.00 (3)
1.50≦(Y/f)× 2ω ≦1.70 (4)
但し、
R1:レンズの物体側面の曲率半径
R2:レンズの像面側面の曲率半
D1:第1レンズの中心厚
f:レンズ系全体の焦点距離
Y:最大像高
2ω:全画角
である。
【0010】
請求項2記載の撮像レンズは、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
0.50≦f/TL≦0.60 (5)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
TL:第1レンズL1の物体側面から像面までの軸上距離
である。
【0011】
請求項3記載の撮像レンズは、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
1.35≦BF/f≦1.45 (6)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
BF:レンズの像面側面から撮像面までの軸上距離
である。
【0012】
請求項4記載の撮像レンズは、以下の条件式(7)を満足することを特徴とする請求項1記載の撮像レンズ。
但し、
1.53≦nd1≦1.60 (7)
但し、
nd1:第1レンズのd線の屈折率
である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、良好な光学特性を有し、小型で且つ、全画角が90°以上の広角で、明るいF値を有する1枚のレンズで構成され、750nm〜900nmの波長域での静脈認証などの生体認証や眼球追尾認識に用いられる1枚構成の撮像レンズを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る撮像レンズLAの構成を示す図。
図2】上記撮像レンズLAの具体的実施例1の構成を示す図。
図3】実施例1の撮像レンズLAの球面収差図。
図4】実施例1の撮像レンズLAの倍率色収差図。
図5】実施例1の撮像レンズLAの像面湾曲図及び歪曲収差図
図6】上記撮像レンズLAの具体的実施例2の構成を示す図。
図7】実施例2の撮像レンズLAの球面収差図。
図8】実施例2の撮像レンズLAの倍率色収差図。
図9】実施例2の撮像レンズLAの像面湾曲図及び歪曲収差図
図10】上記撮像レンズLAの具体的実施例3の構成を示す図。
図11】実施例3の撮像レンズLAの球面収差図。
図12】実施例3の撮像レンズLAの倍率色収差図。
図13】実施例3の撮像レンズLAの像面湾曲図及び歪曲収差図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る撮像レンズの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の一実施形態撮像レンズの構成図を図1に示す。この撮像レンズLAは、物体側から像面側へ向かって順に、開口絞り、像面側へ凸面を向けた正パワーを有するメニスカス形状の第1レンズL1が配置された1枚構成のレンズ系を備えている。第1レンズと像面の間に、ガラス平板GF1及び、GF2が配置される。又、ガラス平板GF1及び、GF2は、第1レンズと像面の間に配置しなくともよい。
【0016】
第1レンズL1は、正パワーを有するレンズである。この1枚のレンズ表面は、諸収差を良好に補正するために、全面を非球面形状とすることが望ましい。特に非球面形状を用いることで、特に球面収差、コマ収差の補正を良好にすることができる。
【0017】
撮像レンズLAは、以下の条件式(1)〜(4)を満足することを特徴とする1枚構成の撮像レンズである。
1.70≦(R1+R2)/(R1−R2)≦1.90 (1)
0.30≦D1/f≦0.45 (2)
0.90≦Y/f≦1.00 (3)
1.50≦(Y/f)× 2ω ≦1.70 (4)
但し、
R1:レンズの物体側面の曲率半径
R2:レンズの像面側面の曲率半
D1:第1レンズの中心厚
f:レンズ系全体の焦点距離
Y:最大像高
2ω:全画角
【0018】
条件式(1)は、第1レンズL1の形状を規定するものである。条件式の上限値を上回ると、レンズ全体のパワーが大きくなるため、像面湾曲、コマ収差および歪曲収差で良好な収差補正ができなくなるため好ましくない。逆に条件式の下限値を下回るとレンズ全体のパワーが小さくなりすぎて、画角の確保および像面湾曲、コマ収差および歪曲収差の良好な補正ができなくなるため好ましくない。
なお、条件式(1)の数値範囲を、以下の条件式(1−A)の数値範囲に設定することが、より好ましい。
1.72≦(R1+R2)/(R1−R2)≦1.85 (1−A)
【0019】
条件式(2)は、小型化を図るとともにバックフォーカスを確保するための制限である。なお、条件式(2)の数値範囲を、以下の条件式(2−A)の数値範囲に設定することが、より好ましい。
0.32≦D1/f≦0.42 (2−A)
【0020】
条件式(3)は、90°以上の画角を確保するために規定するものである。例えば、条件式(3)の範囲外である0.90>Y/fになると、小型、及び、広角化が困難となり好ましくない。また、条件式(3)の範囲外であるY/f>1.00になると広角化としては、有利であるが歪曲収差の補正が困難となるのと同時に諸収差の補正が困難となるため好ましくない。
なお、条件式(3)の数値範囲を、以下の条件式(3−A)の数値範囲に設定することが、より好ましい。
0.92≦ Y/f ≦0.97 (3−A)
【0021】
条件式(4)は、条件式(3)と同様に90°以上の画角を確保するために規定するものである。なお、条件式(4)の数値範囲を、以下の条件式(4−A)の数値範囲に設定することが、より好ましい。また、(3)および(4)を同時に成り立つことで諸収差を補正しながら、広画角を保つことが可能となる。
1.50≦(Y/f)× 2ω ≦1.60 (4−A)
【0022】
撮像レンズLAは、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする1枚構成の撮像レンズである。
0.50≦f/TL≦0.60 (5)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
TL:第1レンズL1の物体側面から像面までの軸上距離
である。
【0023】
条件式(5)は、レンズ系全体の焦点距離fと第1レンズL1の物体側面から像面までの軸上距離の比を規定するものである。条件式(5)の範囲外では、小型、及び、広角化が困難となり好ましくない。
なお、条件式(5)の数値範囲を、以下の条件式(5−A)の数値範囲に設定することが、より好ましい。
0.50≦f/TL≦0.575 (5−A)
【0024】
第1レンズL1は、正のパワーを有するレンズであり、以下の条件式(6)、(7)を満足することを特徴とする1枚構成の撮像レンズである。
1.35≦BF/f≦1.45 (6)
1.53≦nd1≦1.60 (7)
但し、
f:レンズ系全体の焦点距離
BF:レンズの像面側面から撮像面までの軸上距離
nd1:第1レンズのd線の屈折率
である。
【0025】
条件式(6)は、バックフォーカスBFとレンズ系全体の焦点距離fの比を規定するものである。条件式(6)の範囲外では、撮像面を保護するためのカバーガラス等を配置するためのスペースを確保することが困難となり、好ましくない。
なお、条件式(6−A)の数値範囲を以下の条件式(6−A)の数値範囲に設定することが、より好ましい。
1.38 ≦ BF/f ≦ 1.45 (6−A)
【0026】
条件式(7)は、第1レンズL1の屈折率を規定する。条件式の下限値以下であると、屈折力が弱くなるため、光学長が長くなるので好ましくない。一方、条件式の上限値以上であると、歪曲収差の補正が困難となるので好ましくない。
【0027】
撮像レンズLAを構成する1枚レンズが、それぞれ前記の構成及び、条件式を満たすことにより、良好な光学特性を有し、小型で、2ω≧90°と広角な1枚のレンズで構成され、750nm〜900nmの波長域での静脈認証などの生体認証や眼球追尾認識等の用途に用いられる撮像レンズを得ることが可能となる。
【実施例】
【0028】
以下に、本発明の撮像レンズLAについて、実施例を用いて説明する。各実施例に記載されている記号は以下のことを示す。なお、距離、半径及び中心厚の単位は、mmである。
f :レンズ系全体の焦点距離
Fno :F値
2ω :全画角
S1 :開口絞り
R :光学面の曲率半径、レンズの場合は中心曲率半径
R1 :第1レンズL1の物体側面の曲率半径
R2 :第1レンズL1の像面側面の曲率半径
R3 :ガラス平板GF1の物体側面の曲率半径
R4 :ガラス平板GF1の像面側面の曲率半径
R5 :ガラス平板GF2の物体側面の曲率半径
R6 :ガラス平板GF2の像面側面の曲率半径
D :レンズの中心厚、又は、レンズ間距離
D0 :開口絞りS1から第1レンズL1の物体側面までの軸上距離
D1 :第1レンズL1の中心厚
D2 :第1レンズL1の像面側面からガラス平板GF2の物体側面までの軸上距離
D3 :ガラス平板GF1の中心厚
D4 :ガラス平板GF1からガラス平板GF2までの軸上距離
D5 :ガラス平板GF2の中心厚
D6 :ガラス平板GF2の像面側面から像面までの軸上距離
nd :d線の屈折率
n1 :第1レンズL1のd線の屈折率
n2 :ガラス平板GF1のd線の屈折率
n4 :ガラス平板GF2のd線の屈折率
νd :アッベ数
ν1 :第1レンズL1のアッベ数
ν2 :ガラス平板GF1のアッベ数
ν4 :ガラス平板GF2のアッベ数
TL :光学長(第1レンズL1の物体側面から像面までの軸上距離)
BF :第1レンズL1像面側面から像面までの軸上距離(ガラス平板GFの厚み含む)
Y :最大像高
【0029】
y=(x/R)/[1+{1−(k+1)(x/R)}1/2]
+A4x+A6x+A8x+A10x10+A12x12+A14x14+A16x16 (8)
【0030】
但し、Rは軸上の曲率半径、kは円錐係数、A4、A6、A8、A10、A12、A14、A16は非球面係数である。
【0031】
各レンズ面の非球面は、便宜上、式(8)で表される非球面を使用している。しかし、ながら、特に、この式(8)の非球面多項式に限定するものではない。
【0032】
(実施例1)
図2は、実施例1の撮像レンズLAの配置を示す構成図である。実施例1の撮像レンズLAを構成する第1レンズの物体側及び像面側の曲率半径R、レンズ中心厚又はレンズ間距離D、屈折率nd、アッベ数νdを表1に、円錐係数k、非球面係数を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
後に登場する表7は、実施例1、2、3の諸値及び条件式(1)〜(6)で規定したパラメータに対応する値を示す。実施例1、2、3の設計波長は、850nmである。
【0036】
実施例1は、表7に示すように、条件式(1)〜(6)を満足する。
【0037】
実施例1の撮像レンズの球面収差を図3に、倍率色収差を図4に、像面湾曲及び歪曲収差を図5に示す。なお、図4の像面湾曲のSはサジタル像面にたいする像面湾曲、Tはタンジェンシャル像面に対する像面湾曲であり、実施例2、3においても同様である。実施例1の撮像レンズLAは、Fno=2.20、2ω=94.0°、TL=2.659mmと広角、小型で、良好な光学特性を有していることがわかる。
【0038】
(実施例2)
図6は、実施例2の撮像レンズLAの配置を示す構成図である。実施例2の撮像レンズLAを構成する第1レンズL1の物体側及び像面側の曲率半径R、レンズ中心厚又はレンズ間距離D、屈折率nd、アッベ数νdを表3に、円錐係数k、非球面係数を表4に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
実施例2は、表7に示すように、条件式(1)〜(6)を満足する。
【0042】
実施例2の撮像レンズの球面収差を図7に、倍率色収差を図8に、像面湾曲及び歪曲収差を図9に示す。実施例2の撮像レンズLAは、Fno=2.20、2ω=93.8°、TL=2.847mmと広角、小型で、良好な光学特性を有していることがわかる。
【0043】
(実施例3)
図10は、実施例3の撮像レンズLAの配置を示す構成図である。実施例3の撮像レンズLAを構成する第1レンズの物体側及び像面側の曲率半径R、レンズ中心厚又はレンズ間距離D、屈折率nd、アッベ数νを表5に、円錐係数k、非球面係数を表6に示す。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
実施例3は、表7に示すように、条件式(1)〜(6)を満足する。
【0047】
実施例3の撮像レンズLAの球面収差を図11に、倍率色収差を図12に、像面湾曲及び歪曲収差を図13に示す。実施例3の撮像レンズLAは、Fno=2.20、2ω=92.9°、TL=2.841mmと広角、小型で、良好な光学特性を有していることがわかる。
【0048】
表7に各数値実施例の諸値及び、条件式(1)〜(6)で規定したパラメータに対応する値を示す。なお、表5に示す諸値単位は、2ω(°)、f(mm)、TL(mm)、BF(mm)、Y(mm)である。
【0049】
【表7】
【0050】
LA :撮像レンズ
S1 :開口絞り
L1 :第1レンズ
R1 :第1レンズL1の物体側面の曲率半径
R2 :第1レンズL1の像面側面の曲率半径
R3 :ガラス平板GF1の物体側面の曲率半径
R4 :ガラス平板GF1の像面側面の曲率半径
R5 :ガラス平板GF2の物体側面の曲率半径
R6 :ガラス平板GF2の像面側面の曲率半径
D :レンズの中心厚、又は、レンズ間距離
D0 :開口絞りS1から第1レンズL1の物体側面までの軸上距離
D1 :第1レンズL1の中心厚
D2 :第1レンズLの像面側面からガラス平板GF1の物体側面までの軸上距離
D3 :ガラス平板GF1の中心厚
D4 :ガラス平板GF1の像面側面からガラス平板GF1の物体側面までの軸上距離
D5 :ガラス平板GF2の中心厚
D6 :ガラス平板GF2の像面側面から像面までの軸上距離
【要約】      (修正有)
【課題】良好な光学特性を有し、小型で且つ、全画角が90°以上の広角で、2.40以下の明るいF値を有する1枚のレンズで構成され、750nm〜900nmの波長域での静脈認証などの生体認証や眼球追尾認識に用いられる1枚構成の撮像レンズを提供する。
【解決手段】物体から順に、開口絞り、像面側へ凸面を向けた正パワーを有するメニスカス形状の第1レンズを配置し、且つ、所定の条件式を満足する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13