(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に灯具ユニットが配置された車輌用前照灯であって、
前記灯具ユニットは、
光源を有する光源ユニットと、
摺動部を有し前記光源から出射された光の遮蔽量を切り替える回動可能な可動シェードと、
軸方向へ移動される出力軸を有し前記可動シェードを回動させるソレノイドと、
前記可動シェードの回動支点として機能する回動軸と、
前記回動軸が固定されている支持プレートと、
両端部がそれぞれ前記可動シェードと前記支持プレートに係合された付勢バネと、
前記出力軸に連結されて前記出力軸の移動に伴って動作されると共に前記可動シェードの摺動部に摺動される摺動係合部を有するリンク部材とを備え、
前記摺動部又は前記摺動係合部の一方は表面が球面に形成された突部として設けられ、
前記摺動部又は前記摺動係合部の他方は前記突部と摺動する面が平面にされ、
前記ソレノイドが通電されていない時は前記付勢バネに付勢された前記可動シェードに形成された規制突部が前記支持プレートに押し付けられて前記可動シェードの動きが固定される
ことを特徴とする車輌用前照灯。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、出力軸が左右方向へ移動されてアームが回転されたときに、アームの折曲部が可動シェードの係合部に摺動され、このとき折曲部が係合部の端縁、即ち、角張った部分に対して摺動される。
【0009】
従って、アームの折曲部が角張った部分に対して摺動されるため、高い摺動性を確保することが困難であり、動作効率の低下を来している。このように動作効率が低い場合には、その分、駆動力の大きなソレノイドを用いる必要が生じ、ソレノイドの大型化やコストの高騰を来たすと言う問題がある。
【0010】
そこで、本発明車輌用前照灯は、上記した問題点を克服し、可動シェードに対する高い摺動性を確保して動作効率の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
車輌用前照灯は、上記した課題を解決するために、少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に灯具ユニットが配置された車輌用前照灯であって、前記灯具ユニットは、光源を有する光源ユニットと、摺動部を有し前記光源から出射された光の遮蔽量を切り替える回動可能な可動シェードと、軸方向へ移動される出力軸を有し前記可動シェードを回動させるソレノイドと、前記可動シェードの回動支点として機能する回動軸と、
前記回動軸が固定されている支持プレートと、両端部がそれぞれ前記可動シェードと前記支持プレートに係合された付勢バネと、前記出力軸に連結されて前記出力軸の移動に伴って動作されると共に前記可動シェードの摺動部に摺動される摺動係合部を有するリンク部材とを備え、前記摺動部又は前記摺動係合部の一方は表面が
球面に形成された突部として設けられ
、前記摺動部又は前記摺動係合部の他方は前記突部と摺動する面が平面にされ、前記ソレノイドが通電されていない時は前記付勢バネに付勢された前記可動シェードに形成された規制突部が前記支持プレートに押し付けられて前記可動シェードの動きが固定されるものである。
【0012】
従って、車輌用前照灯にあっては、出力軸が移動されたときに一方が突部として設けられた可動シェードの摺動部とリンク部材の摺動係合部とが摺動される。
【発明の効果】
【0013】
本発明車輌用前照灯は、少なくとも一方に開口を有するランプハウジングと前記ランプハウジングの前記開口を覆うカバーとによって構成された灯具外筐の内部に灯具ユニットが配置された車輌用前照灯であって、前記灯具ユニットは、光源を有する光源ユニットと、摺動部を有し前記光源から出射された光の遮蔽量を切り替える回動可能な可動シェードと、軸方向へ移動される出力軸を有し前記可動シェードを回動させるソレノイドと、前記可動シェードの回動支点として機能する回動軸と、
前記回動軸が固定されている支持プレートと、両端部がそれぞれ前記可動シェードと前記支持プレートに係合された付勢バネと、前記出力軸に連結されて前記出力軸の移動に伴って動作されると共に前記可動シェードの摺動部に摺動される摺動係合部を有するリンク部材とを備え、前記摺動部又は前記摺動係合部の一方は表面が
球面に形成された突部として設けられ
、前記摺動部又は前記摺動係合部の他方は前記突部と摺動する面が平面にされ、前記ソレノイドが通電されていない時は前記付勢バネに付勢された前記可動シェードに形成された規制突部が前記支持プレートに押し付けられて前記可動シェードの動きが固定されることを特徴とする。
【0014】
従って、可動シェードとリンク部材の間の高い摺動性を確保して動作効率の向上を図ることができる。
そして、摺動時に突部と摺動係合部の接触面積が小さく、高い摺動性による高い動作効率を確保することができる。そして、突部が摺動係合部に点接触され、一層の高い摺動性を確保することができる。
【0015】
請求項2に記載した発明にあっては、前記回動軸の軸方向が左右方向にされ、前記出力軸が左右方向へ移動される。
【0016】
従って、前後方向において出力軸の移動スペースを形成する必要がなく、その分、車輌用前照灯の前後方向における小型化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明車輌用前照灯を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
車輌用前照灯1は、それぞれ車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0024】
車輌用前照灯1は前方に開口された凹部を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(
図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間は灯室5として形成されている。
【0025】
ランプハウジング2の後端部には前後に貫通された取付孔2aが形成されている。取付孔2aにはバックカバー6が取り付けられている。
【0026】
灯室5には灯具ユニット7が配置されている。灯具ユニット7は、レンズホルダー8とレンズホルダー8の前端部に取り付けられた投影レンズ9と光を反射するリフレクター10とリフレクター10の下方に配置された光源ユニット11と光源ユニット11の下面側に配置された冷却ファン12とを有している。
【0027】
投影レンズ9は略半球状に形成されレンズホルダー8に取り付けられている。
【0028】
リフレクター10は内面が反射面10aとして形成されている。リフレクター10は光源ユニット11の上面に取り付けられている。
【0029】
光源ユニット11は回路基板13と回路基板13の上面に搭載された光源14とを有し、光源14としては、例えば、発光ダイオード(LED)が用いられている。光源ユニット11には回路基板13の下側に位置するヒートシンク15が設けられている。冷却ファン12はヒートシンク15の内側に配置されている。
【0030】
光源ユニット11の前側には光量制御機構16が配置されている。
【0031】
光量制御機構16は可動シェード17と支持プレート18と回動軸19とリンク部材20とソレノイド21とカバー体22を有している(
図1及び
図2参照)。
【0032】
可動シェード17は略円弧面状に形成された光量制御部23と光量制御部23の左右両端部からそれぞれ外方(側方)へ突出された規制突部24、24と光量制御部23の下側に連続して設けられた傾斜面部25と傾斜面部25の左右両端部からそれぞれ後方へ突出された被支持部26、26と傾斜面部25の左右方向における一端に連続して設けられた摺動部27とを有している。
【0033】
傾斜面部25は下方へ行くに従って前方へ変位するように傾斜されている。傾斜面部25には前面側における左右両端部を除く部分に浅い凹部25aが形成されている。
【0034】
被支持部26、26には左右に貫通された取付孔26a、26aが形成されている。
【0035】
摺動部27の後面には後方へ突出された突部28が設けられている。突部28は、例えば、略半球状に形成され、表面28aが球面に形成
されている。
【0036】
被支持部26、26にはそれぞれ軸受29、29が取り付けられている。軸受29は大径部29aと小径部29bから成り、小径部29bが取付孔26aに挿入されて被支持部26に取り付けられ、大径部29aが被支持部26の外側に位置されている。
【0037】
支持プレート18は前後方向を向くベース面部30とベース面部30から前方へ突出された取付面部31とを有している。
【0038】
ベース面部30には上下に離隔して光透過孔30aと配置孔30bが形成されている。ベース面部30のうち光透過孔30aの周囲の部分は光源14から出射される光の一部を遮蔽する固定シェードとして機能する。光透過孔30aの開口縁には後方へ突出された軸受押さえ片32、32が左右に離隔して設けられている。
【0039】
支持プレート18のベース面部30のうち軸受押さえ片32、32の左右方向におけるそれぞれ外側の部分はそれぞれ遮光部30c、30cとして設けられ、遮光部30c、30cは左右に離隔して位置されている。
【0040】
支持プレート18には軸受押さえ片32、32の左右方向におけるそれぞれ外側の位置に前方へ突出された軸取付片33、33が設けられている。
【0041】
取付面部31は光透過孔30aの下側開口縁から前方へ突出されている。取付面部31の左右方向における一端部には下方へ突出された支持軸34が設けられている。
【0042】
回動軸19は左右に延びる状態で支持プレート18に固定されている。回動軸19は可動シェード17に取り付けられた軸受29、29に挿入され、左右両端寄りの部分が軸取付片33、33に上方から挿入され、軸取付片33、33が屈曲されて加締められることにより支持プレート18の前面側において固定される。
【0043】
回動軸19が支持プレート18に固定された状態において、可動シェード17は、光量制御部23が光透過孔30aを挿通されて支持プレート18の後側に位置され、下側に位置する部分が支持プレート18の前側に位置される(
図3及び
図4参照)。従って、可動シェード17は上端部を含む上側の部分が回動軸19の後側に位置され下端部を含む下側の部分が回動軸19の前側に位置される。軸受29、29は大径部29a、29aがそれぞれ支持プレート18の軸受押さえ片32、32に内側から接した状態とされ、可動シェード17の回動軸19に対する左右方向における移動が規制される。
【0044】
可動シェード17は回動軸19が支持プレート18に固定されることにより回動軸19を支点として支持プレート18に対して回動可能とされ、光源14から出射された光の一部を遮蔽する第1の位置(
図3参照)と第1の位置より遮蔽量が少なくなる第2の位置(
図4参照)との間で回動される。第1の位置は近距離を照射するロービームの位置であり可動シェード17の規制突部24、24が支持プレート18のベース面部30の後面に接した状態とされ、第2の位置は遠距離を照射するハイビームの位置であり可動シェード17の規制突部24、24が支持プレート18のベース面部30から後方に離隔した状態とされる。
【0045】
回動軸19には捩じりコイルバネである付勢バネ35が外嵌状に支持され、付勢バネ35の両端部がそれぞれ可動シェード17の後面と支持プレート18に係合される。従って、可動シェード17は付勢バネ35によって第2の位置から第1の位置へ向けて回動される方向へ付勢される。可動シェード17は付勢バネ35の付勢力によって規制突部24、24がベース面部30の後面に押し付けられて第1の位置において保持される。
【0046】
リンク部材20は略三角形状のベース部36とベース部36から側方へ突出された平板状の摺動係合部37とを有している(
図2参照)。ベース部36には、前端部に下方へ突出された連結軸部36aが設けられ、後端部に上下に貫通された被支持孔36bが形成されている。
【0047】
リンク部材20は被支持孔36bに支持軸34が挿入され、支持軸34の下端部に止め輪38が取り付けられて支持軸34を支点として支持プレート18に回動自在に支持される。リンク部材20が支持プレート18に支持された状態においては、リンク部材20の一部が配置孔30bを挿通され摺動係合部37が可動シェード17の突部28に接した状態とされる。
【0048】
ソレノイド21は可動シェード17を回動させるアクチュエーターとして機能し、ヨークケース39とヨークケース39の内部に配置されたコイル体40と左右方向へ移動可能とされた出力軸41とを有している。
【0049】
ヨークケース39は横長の前後に貫通された枠状に形成されている。
【0050】
コイル体40は軸方向が左右方向にされ、コイル体40には図示しない電源回路から駆動電流が供給される。
【0051】
出力軸41は軸方向が左右方向にされて一部がヨークケース39から側方へ突出されている。出力軸41の先端寄りの部分には環状の連結溝41aが形成されている。出力軸41はコイル体40に対する駆動電流の供給状態に応じて軸方向へ移動される。
【0052】
ヨークケース39は上面部38aが支持プレート18の取付面部31にネジ止め等によって取り付けられる。上面部38aが取付面部31に取り付けられた状態においては、ソレノイド21の一部が配置孔30bに配置される。
【0053】
ソレノイド21には出力軸41の連結溝41aにリンク部材20の連結軸部36aが挿入されて連結される。従って、コイル体40に対する駆動電流の供給状態に応じて出力軸41が軸方向へ移動されると、リンク部材20が支持軸34を支点として回動され、突部28の摺動係合部37に対する接触位置に応じて可動シェード17が回動軸19を支点として回動される。
【0054】
カバー体22は支持プレート18の前面側にネジ止め等によって取り付けられる。カバー体22が支持プレート18に取り付けられることによりソレノイド21がカバー体22によって覆われる。
【0055】
灯具ユニット7は図示しないエイミング調整機構を介してランプハウジング2に傾動自在に支持されている。従って、エイミング調整機構の動作により灯具ユニット7が上下方向又は左右方向へ傾動され、光源14の光軸調整(初期調整)が行われる。
【0056】
また、灯具ユニット7は、例えば、ランプハウジング2に上下方向へ傾動可能に支持されていてもよい。灯具ユニット7がランプハウジング2に上下方向へ傾動可能に支持されている場合には、灯具ユニット7に図示しないレベリング調整機構が連結され、レベリング調整機構の動作によって灯具ユニット7が上下方向へ傾動され、車載物の重量に応じて光源14の光軸の向きが調整される。
【0057】
さらに、灯具ユニット7は、例えば、水平方向へ回動可能にされていてもよい。灯具ユニット7が水平方向へ回動可能にされている場合には、灯具ユニット7に図示しないスイブル機構が連結され、スイブル機構の動作によって灯具ユニット7が水平方向へ回動され、車輌の走行方向に追従して光軸の向きが変更される。
【0058】
上記のように構成された車輌用前照灯1において、ソレノイド21のコイル体40に駆動電流が供給されていない状態においては、付勢バネ35に付勢されている可動シェード17は規制突部24、24が支持プレート18のベース面部30に押し付けられて第1の位置に保持されている(
図3及び
図5参照)。このときソレノイド21の出力軸41はヨークケース39から突出される方向における移動端に位置されている。
【0059】
リンク部材20は摺動係合部37が前方側に位置する第1の回動端にあり、可動シェード17の摺動部27に設けられた突部28の表面28aと摺動係合部37が接した状態とされている(
図5及び
図6参照)。
【0060】
可動シェード17が第1の位置にある状態において、光源14から光が出射されると、可動シェード17によって光の一部が遮蔽され、遮蔽されなかった光が投影レンズ9に入射され、投影レンズ9によって光が投影されて近距離を照射するロービームの配光パターンが形成される。
【0061】
ソレノイド21のコイル体40に通電が行われると、出力軸41がヨークケース39に引き込まれる方向へ移動され、リンク部材20が支持軸34を支点として回動される。リンク部材20が回動されるときには可動シェード17の突部28とリンク部材20の摺動係合部37が摺動され、可動シェード17が回動軸19を支点として付勢バネ35の付勢力に反して第1の位置から第2の位置まで回動される(
図4、
図7及び
図8参照)。
【0062】
可動シェード17が第2の位置まで回動されることにより、光源14から出射される光の遮蔽量が少なくなり、遠距離を照射するハイビームの配光パターンが形成される。
【0063】
コイル体40に対する通電が停止されると、付勢バネ35の付勢力によって可動シェード17が回動軸19を支点として第2の位置から第1の位置まで回動され、可動シェード17の回動に伴ってリンク部材20が回動されて出力軸41がヨークケース39から突出される方向における移動端まで移動される(
図3、
図5及び
図6参照)。
【0064】
尚、支持プレート18の光透過孔30aを透過された光の一部は、傾斜面部25の前面側を通過されるが、傾斜面部25には凹部25aが形成されており、凹部25aによって傾斜面部25の前面側を通過される光の可動シェード17での不必要な反射及び遮蔽が防止される。
【0065】
また、可動シェード17が第2の位置に回動されている状態において光源14から光が出射されたときには、可動シェード17の下端部が第1の位置より上方に移動されるため、可動シェード17の下側を光が通過し易い状態になる。このとき可動シェード17の下側における左右両端部から光が前方へ通過されると、配光パターンに影響を及ぼすが、可動シェード17の傾斜面部25の後側における左右両端部には遮光部30c、30cが位置されており、遮光部30c、30cによって光が遮蔽される。従って、可動シェード17の下側を通過する光による配光パターンへの影響を防止することができる。
【0066】
以上に記載した通り、車輌用前照灯1にあっては、可動シェード17の摺動部27に表面28aが曲面に形成された突部28が設けられ、突部28の表面28aがリンク部材20の摺動係合部37に摺動されて可動シェード17が回動される。
【0067】
従って、可動シェード17とリンク部材20の間の高い摺動性を確保して動作効率の向上を図ることができ、ソレノイド21の小型化及び車輌用前照灯1の製造コストの低減を図ることができる。
【0068】
また、ソレノイド21の小型化により、可動シェード17を付勢する付勢バネ35をソレノイド21の駆動力に応じて小さくすることが可能になり、付勢バネ35のコストの低減による車輌用前照灯1の製造コストの低減を図ることができる。
【0069】
さらに、可動シェード17の全体が支持プレート18の前側又は後側に位置する場合には可動シェード17の上端部又は下端部の回動スペースを確保するために支持プレート18の光透過孔30aを大きくする必要が生じる。
【0070】
しかしながら、車輌用前照灯1にあっては、可動シェード17の回動時に可動シェード17の上端部と下端部が支持プレート18を挟んだ前後において移動されるため、支持プレート18に可動シェード17の上端部と下端部の回動スペースを確保するための空間を形成する必要がなく、光源14から出射された光の支持プレート18より前側への漏れを抑制することができる。
【0071】
尚、上記には、可動シェード17の摺動部27に突部28が設けられた例を示したが、逆に、突部がリンク部材の摺動係合部に設けられてもよい。
【0072】
また、突部28と摺動係合部37の摺動性を高めるために摺動性の高い材料によって突部28や摺動係合部37を可動シェード17又はリンク部材20と一体又は別体で形成することも可能である。
【0073】
さらに、車輌用前照灯1にあっては、ソレノイド21の出力軸41が左右方向へ移動されるように構成されているため、前後方向において出力軸41の移動スペースを形成する必要がなく、その分、車輌用前照灯1の前後方向における小型化を図ることができる。
【0074】
さらにまた、突部28は表面28aが球面にされているため、摺動時に突部28と摺動係合部37の接触面積が小さく、高い摺動性による高い動作効率を確保することができる。
【0075】
加えて、摺動係合部37が平面にされているため、突部28が摺動係合部37に点接触され、一層の高い摺動性を確保することができる。
【0076】
また、上記したように、車輌用前照灯1にあっては、可動シェード17は上端部を含む上側の部分が回動軸19の後側に位置され下端部を含む下側の部分が回動軸19の前側に位置されている。
【0077】
従って、可動シェード17の良好な重量バランスが確保され、可動シェード17を回動させるためのソレノイド21として駆動力の小さな小型のもの使用することが可能となり、車輌用前照灯1の小型化を図ることができる。
【0078】
尚、上記には、可動シェード17の上端部を含む上側の部分が回動軸19の後側に位置され下端部を含む下側の部分が回動軸19の前側に位置されている例を示したが、逆に、可動シェード17の下端部を含む下側の部分が回動軸19の後側に位置され上端部を含む上側の部分が回動軸19の前側に位置されるように構成することも可能である。
【0079】
但し、可動シェード17の上端部を含む上側の部分が回動軸19の後側に位置され下端部を含む下側の部分が回動軸19の前側に位置されるように構成することにより、可動シェード17の下端部が光量制御部23の後側に位置する光源ユニット11の一部に接触することがなく、スペースの有効活用及び設計の容易化を図ることができる。
【0080】
また、車輌用前照灯1にあっては、可動シェード17を第1の位置へ向けて付勢する付勢バネ35が可動シェード17の後側に位置されているため、支持プレート18の光透過孔30aを透過された光が付勢バネ35や付勢バネ35を支持する各部で反射及び遮蔽されることがなく、良好な配光パターンを形成することができる。
【0081】
上記には、リフレクター10を有する車輌用前照灯1を例として示したが、本発明は、リフレクターを有さない所謂直射型の車輌用前照灯にも適用することが可能である。
【0082】
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。