【実施例】
【0039】
(使用澱粉について)
もち種タピオカ澱粉はSiam Quality Starch社(タイ国)のもち種タピオカ澱粉を用いた。また該もち種タピオカ澱粉を原料とし参考例1〜7に示すように、加工βもち種タピオカ澱粉、α化もち種タピオカ澱粉、加工α化もち種タピオカ澱粉を作製した。
【0040】
[参考例1]
水130部に硫酸ナトリウム20部を溶解し、この液にもち種タピオカ澱粉100部を分散させたスラリーを準備した。該スラリーにpH=11〜12のアルカリ条件下で、トリメタリン酸ソーダ1000ppmを加え、40℃で20時間反応させもち種タピオカ澱粉の架橋処理をおこなった。反応後のスラリーを硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥することでリン酸架橋もち種タピオカ澱粉(試料No.1)を得た。該澱粉の沈降積は4.5であった。
【0041】
[参考例2]
水130部にもち種タピオカ澱粉100部を分散させたスラリーを準備した。該スラリーに撹拌下3%の苛性ソーダ水溶液を加えpH8.0〜pH8.5に保持しながら、酢酸ビニル4.5%を加え、25℃で20分反応させもち種タピオカ澱粉のアセチル化処理をおこなった。反応後のスラリーを硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥することでアセチルもち種タピオカ澱粉(試料No.2)を得た。該澱粉の置換度は0.054であった。
【0042】
[参考例3]
水130部にもち種タピオカ澱粉100部を分散させたスラリーを準備した。該スラリーにpH=11〜12のアルカリ条件下でプロピレンオキサイド6.0%を加え、40℃で20時間反応させもち種タピオカ澱粉のヒドロキシプロピル化処理をおこなった。反応後のスラリーを硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥することでヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)を得た。該澱粉の置換度は0.097であった。
【0043】
[参考例4]
水130部にもち種タピオカ澱粉100部を分散させたスラリーを準備した。該スラリーにpH=11〜12のアルカリ条件下でプロピレンオキサイド6.0%を加え、40℃で20時間反応させた。次いで、トリメタリン酸ソーダ1000ppmを加え反応させ、硫酸で中和し、水洗、脱水、乾燥することで、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋もち種タピオカ澱粉(試料No.4)を得た。該澱粉の置換度は0.095、沈降積は4.9であった。
【0044】
[参考例5]
水120部にもち種タピオカ澱粉100部を分散させたスラリーを準備した。該スラリーをドラムドライヤーで乾燥し澱粉をα化後、粉砕することでα化もち種タピオカ澱粉(試料No.5)を得た。
【0045】
[参考例6]
水120部に試料No.4のヒドロキシプロピル化リン酸架橋もち種タピオカ澱粉を100部加えてスラリーを準備した。該スラリーをドラムドライヤーで乾燥し澱粉をα化後、粉砕することでヒドロキシプロピル化架橋α化もち種タピオカ澱粉(試料No.6)を得た。
【0046】
[参考例7]
水120部に試料No.3のヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を100部加えてスラリーを準備した。該スラリーをドラムドライヤーで乾燥し澱粉をα化後、粉砕することでヒドロキシプロピルα化もち種タピオカ澱粉(試料No.7)を得た。
【0047】
(ベーカリー製品の評価方法)
常法に従いベーカリー製品を作製し、該ベーカリー製品の喫食時の柔らかさ(ソフト感)、弾力(モチ食感)について評価を行った。評価に用いるベーカリー製品については、ベーカリー製品を作製後室温で自然冷却し、ベーカリー製品が室温に戻った後にビニール袋に入れて密封し、20℃で24時間保持し評価用サンプルとした。評価はよく訓練された10人のパネラーにより行い、ベーカリー製品のソフト感、モチ食感について表1に示すように各5点満点で評価を行った。なお、基準サンプルのソフト感、モチ食感の点数を3とした。パネラー10人の点数を平均し、各サンプルのソフト感、モチ食感の点数とした。
【0048】
総合評価は以下のようにおこなった。
×:ソフト感、モチ食感の点数が共に3.7未満
△:ソフト感、モチ食感の点数が片方のみ3.7以上
○:ソフト感、モチ食感の点数が共に3.7以上 且つ 両方の合計点が8.4未満
◎:ソフト感、モチ食感の点数が共に3.7以上 且つ 両方の合計点が8.4以上
【0049】
【表1】
【0050】
<試験1>
【0051】
(食パン試験1)
小麦粉の一部をもち種タピオカ澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーン澱粉、ワキシポテト澱粉又はポテト澱粉に置換した表2に示す配合割合で中種法により山形食パンを製造した。
【0052】
【表2】
【0053】
(食パン試験1の結果)
表3に示すように、もち種タピオカ澱粉を用いた場合、他の澱粉を用いた食パンに比べモチ食感とソフト感が十分にあり、目的の食パンが得られた。
【0054】
【表3】
【0055】
<試験2>
【0056】
(食パン試験2)
表4に示すように、もち種タピオカ澱粉の配合量を変えて中種法により山形食パンを製造した。
【0057】
【表4】
【0058】
(食パン試験2の結果)
表5に示すように、澱粉質原料100質量部に対するもち種タピオカ澱粉の配合が0.5質量部以上の場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0059】
【表5】
【0060】
<試験3>
【0061】
(食パン試験3)
表6に示すように加工βもち種タピオカ澱粉(試料No.1〜4)を用いて中種法により山形食パンを製造した。ここで、試料No.1は架橋もち種タピオカ澱粉、試料No.2はアセチルもち種タピオカ澱粉、試料No.3はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉、試料No.4はヒドロキシプロピル化架橋もち種タピオカ澱粉、試料No.5はα化もち種タピオカ澱粉である。
【0062】
【表6】
【0063】
(食パン試験3の結果)
表7に示すように、加工βもち種タピオカ澱粉としては、アセチル処理、ヒドロキシプロピル処理又はヒドロキシプロピル処理に架橋処理したもち種タピオカ澱粉を用いた場合、ソフト感、モチ食感ともに特に好ましい結果となった。また、加工βもち種タピオカ澱粉とα化もち種タピオカ澱粉を組合せて使用した場合も好ましいソフト感、モチ食感となった。
【0064】
【表7】
【0065】
<試験4>
【0066】
(食パン試験4)
小麦粉の一部をα化もち種タピオカ澱粉(試料No.5)、加工α化もち種タピオカ澱粉(試料No.6、7)又はα化タピオカ澱粉(マツノリンM−22 松谷化学工業株式会社製)に置換した表8に示す配合で、中種法により山形食パンを製造した。
【0067】
【表8】
【0068】
(食パン試験4の結果)
表9に示すように、澱粉質原料100質量部に対するα化もち種タピオカ澱粉の配合が0.5質量部以上の場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。また、α化もち種タピオカ澱粉をヒドロキシプロピル処理又はヒドロキシプロピル処理した後架橋処理したα化もち種タピオカ澱粉を用いた場合も好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0069】
【表9】
【0070】
<試験5>
【0071】
(食パン試験5)
表10に示すように日本産の小麦粉と加工βもち種タピオカ澱粉(試料No.1〜4)を用いて中種法により山形食パンを製造した。ここで、試料No.1は架橋もち種タピオカ澱粉、試料No.2はアセチルもち種タピオカ澱粉、試料No.3はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉、試料No.4はヒドロキシプロピル化架橋もち種タピオカ澱粉である。
【0072】
【表10】
【0073】
(食パン試験5の結果)
表11に示すように、日本産小麦粉を用いた場合でも、該小麦粉の一部をもち種タピオカ澱粉と置き換えることで、食パンに好ましいソフト感、モチ食感を付与することができた。
【0074】
【表11】
【0075】
<試験6(食パン試験6)>
タピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)と高吸水素材(ヘルパセルAQプラス)などをもちいて表12に示す配合で品質改良剤をつくり、該品質改良剤を用いて表13に示す配合で常法により食パンを製造した。
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】
(食パン試験6の結果)
表14に示すように品質改良剤として、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合においても得られる食パンは好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0079】
【表14】
【0080】
<試験7>
【0081】
(テーブルロール試験)
小麦粉の一部をもち種タピオカ澱粉、タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)に置換した表15に示す配合で、中種法によりテーブルロールを製造した。
【0082】
【表15】
【0083】
(テーブルロール試験の結果)
表16に示すように、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合、好ましいソフト感、モチ食感をしたテーブルロールを得ることができた。
【0084】
【表16】
【0085】
<試験8(菓子パン試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表17に示す配合で、中種法により菓子パン(あんぱん)を製造した。なお、餡については株式会社的場製餡所の餡を使用した。
【0086】
【表17】
【0087】
(菓子パン(あんぱん)試験の結果)
表18に示すようにもち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0088】
【表18】
【0089】
<試験9(デニッシュ試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表19に示す配合で、常法によりデニッシュを製造した。
【0090】
【表19】
【0091】
(デニッシュ試験の結果)
表20に示すようにもち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0092】
【表20】
【0093】
<試験10(デニッシュ試験2)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表21に示す配合で、常法によりフラワーペースト折込生地を作製し該生地を焼成することでデニッシュを製造した。
【0094】
【表21】
【0095】
(デニッシュ試験2の結果)
表22に示すようにもち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0096】
【表22】
【0097】
<試験11(イングリッシュマフィン試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表23に示す配合で、ストレート法によりイングリッシュマフィンを製造した。
【0098】
【表23】
【0099】
(イングリッシュマフィン試験の結果)
表24に示すようにもち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0100】
【表24】
【0101】
<試験12(ベーグル試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表25に示す配合で、ストレート法によりベーグルを製造した。
【0102】
【表25】
【0103】
(ベーグル試験の結果)
表26に示すようにもち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0104】
【表26】
【0105】
<試験13(フォカッチャ試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表27に示す配合で、ストレート法によりフォカッチャを製造した。
【0106】
【表27】
【0107】
(フォカッチャ試験の結果)
表28に示すようにもち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0108】
【表28】
【0109】
<試験14(ケーキドーナツ試験)>
タピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピル化架橋もち種タピオカ澱粉(試料No.4)を用いて表29に示す配合で、常法に従いケーキドーナツを製造した。
【0110】
【表29】
【0111】
(ケーキドーナツ試験の結果)
表30に示すように、澱粉質原料100質量部に対するもち種タピオカ澱粉の配合が30及び70質量部のとき、好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0112】
【表30】
【0113】
<試験15(蒸しケーキ試験)>
薄力粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)に置換した表31に示す配合で、常法に従い蒸しケーキを製造した。
【0114】
【表31】
【0115】
(蒸しケーキ試験の結果)
表32に示すようにもち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いた場合に好ましいソフト感、モチ食感を示した。
【0116】
【表32】
【0117】
<試験16(ホットケーキ試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表33に示す配合で、常法によりホットケーキを製造した。
【0118】
【表33】
【0119】
(ホットケーキ試験の結果)
もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いて製造したホットケーキは好ましいソフト感、モチ食感をもつことを確認した。
【0120】
<試験17(スポンジケーキ試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表34に示す配合で、オールインミックス法によりスポンジケーキを製造した。
【0121】
【表34】
【0122】
(スポンジケーキ試験の結果)
もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いて製造したスポンジケーキは好ましいソフト感、モチ食感をもつことを確認した。
【0123】
<試験18(マドレーヌ試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)、α化もち種タピオカ澱粉(試料No.5)又はヒドロキシプロピルα化もち種タピオカ澱粉(試料No.6)で置換した表35に示す配合で、常法によりマドレーヌを製造した。
【0124】
【表35】
【0125】
(マドレーヌ試験の結果)
もち種タピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉またはそのα化品を用いて製造したマドレーヌは好ましいソフト感、モチ食感をもつことを確認した。
【0126】
<試験19(カステラ試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表36に示す配合で、常法によりカステラを製造した。
【0127】
【表36】
【0128】
(カステラ試験の結果)
もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いて製造したカステラは好ましいソフト感、モチ食感をもつことを確認した。
【0129】
<試験20(ソフトクッキー試験)>
小麦粉の一部をα化タピオカ澱粉、α化もち種タピオカ澱粉(試料No.5)又はヒドロキシプロピル化架橋α化もち種タピオカ澱粉(試料No.6)で置換した表37に示す配合で、ソフトクッキーを製造した。
【0130】
【表37】
【0131】
(ソフトクッキー試験の結果)
α化もち種タピオカ澱粉を用いて製造したソフトクッキーは、一般に柔らかいクッキーとして知られているタピオカ澱粉を用いたクッキーに比べても更に柔らかく、なおかつ弾力がある食感になった。また、ヒドロキシプロピル化架橋α化もち種タピオカ澱粉を用いて製造したソフトクッキーは、上記α化もち種タピオカ澱粉を用いて製造されたクッキーよりも更に柔らかく弾力があり、経時変化も小さいことを確認した。
【0132】
<試験21(ポービリア試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表38に示す配合で、常法によりポービリアを製造した。
【0133】
【表38】
【0134】
(ポービリア試験の結果)
もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いて製造したポービリアは好ましいソフト感、モチ食感をもつことを確認した。
【0135】
<試験22(ポンデケージョ試験
:実施例62、63は、参考実施例)>
タピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)を用いて表39に示す配合で、常法によりポンデケージョを製造した。
【0136】
【表39】
【0137】
(ポンデケージョ試験の結果)
澱粉質原料の100%をもち種タピオカ澱粉又はヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いて製造したポンデケージョは好ましいソフト感、モチ食感をもつことを確認した。
【0138】
<試験23(中華まん試験)>
小麦粉の一部をタピオカ澱粉、もち種タピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉(試料No.3)で置換した表40に示す配合で、常法により中華まんを製造した。
【0139】
【表40】
【0140】
(中華まん試験の結果)
もち種タピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルもち種タピオカ澱粉を用いて製造した中華まんは好ましいソフト感、モチ食感をもつことを確認した。
【0141】
<参考試験1(クリープメータ試験)>
小麦粉の一部をもち種タピオカ澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーン澱粉、又はワキシポテト澱粉に置換した表2と同様の配合割合で中種法により山形食パンを製造した。作製したパンの中央を40mm四方、20mm厚でカットし、クリープメータ(RHEONERII CREEP METER RE−2−33005B、YAMADEN社製)を用いてパンを圧縮する際の抵抗力を測定した。1回圧縮した後、圧縮を解放し、その後2回目の圧縮をおこなった。1回目に圧縮する際に必要な最大荷重をソフト感の目安とし、2回目に圧縮する際の最大荷重をガム性荷重とし、ガム性荷重/(1回目の最大荷重)の値をモチ食感の目安とした。
【0142】
クリープメータ測定条件:
◎プランジャー:L50+No.2
◎圧縮速度 :5mm/秒
【0143】
(クリープメータ試験の結果)
測定結果を表41に示す。もち種タピオカ澱粉を用いて作製したパンは他の澱粉を用いて作製したパンに比べ、圧縮に必要な最大荷重が明らかに小さく、また、ガム性荷重/(1回目の最大荷重)値が明らかに大きく、もち種タピオカ澱粉を含んだパンがソフトであり、且つモチ食感を有していることを示した。
【0144】
【表41】