(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6147768
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】絶縁保持具を含むプラグイン式サーキットブレーカアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H02B 1/04 20060101AFI20170607BHJP
H02B 1/20 20060101ALI20170607BHJP
H01R 12/58 20110101ALI20170607BHJP
【FI】
H02B1/04 A
H02B1/20 D
H01R12/58
【請求項の数】21
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-556556(P2014-556556)
(86)(22)【出願日】2013年1月14日
(65)【公表番号】特表2015-506664(P2015-506664A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(86)【国際出願番号】US2013021361
(87)【国際公開番号】WO2013119354
(87)【国際公開日】20130815
【審査請求日】2015年11月24日
(31)【優先権主張番号】13/367,700
(32)【優先日】2012年2月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514243874
【氏名又は名称】ラビナル・エル・エル・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ,パトリック・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】マコーミック,ジェームズ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ベンショフ,リチャード・ジー
【審査官】
段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04157582(US,A)
【文献】
米国特許第08094436(US,B1)
【文献】
米国特許第04417736(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/20
H01R 12/58
H02B 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内の電気バス構造と、
前記電気バス構造に結合される複数の第1のプラグイン部材と、
前記電気バス構造に結合される複数の絶縁保持具であって、前記複数の絶縁保持具のうち対応する絶縁保持具が前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と結合される絶縁保持具と、
複数のサーキットブレーカであって、前記複数のサーキットブレーカそれぞれは、手動オペレータおよび前記手動オペレータの反対側に配置される複数の第2のプラグイン部材を備え、前記複数の第2のプラグイン部材それぞれが前記複数の第1のプラグイン部材の対応する第1のプラグイン部材と電気的に係合するサーキットブレーカと
を備えるサーキットブレーカアセンブリであって、
前記複数の絶縁保持具のうちの対応する絶縁保持具は前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材の周囲に配置され、(i)前記複数の第1のプラグイン部材のうちの前記対応する数の第1のプラグイン部材を絶縁し、(ii)前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と電気的に係合する複数の第2のプラグイン部材を保持し、
前記複数の絶縁保持具は、カバー部材が前記筐体から取り外されている時に、前記手動オペレータが一般に下向きの状態で、前記複数のサーキットブレーカを保持する構造である、サーキットブレーカアセンブリ。
【請求項2】
前記複数の絶縁保持具のうちの対応する絶縁保持具が、複数の第2のプラグイン部材と電気的に係合していない場合に、前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材を保護するように構成される、請求項1に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の第1のプラグイン部材が複数の雄端子であり、複数の第2のプラグイン部材は複数の雌ソケットであり、前記複数の絶縁保持具それぞれは、前記複数の雄端子および前記複数の雌ソケットと結合される、請求項1に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の雄端子が2つの雄端子であり、前記複数の雌ソケットは2つの雌ソケットであり、前記複数の絶縁保持具のそれぞれは、前記2つのそれぞれの雄端子および前記2つの雌ソケットのそれぞれ対応する雌ソケットに対して、基部と基部から伸びる伸長部とを含む絶縁体を備え、前記基部は第1の開口部を有し、前記伸長部は第2の開口部と第1の開口部から第2の開口部に伸びる導管とを有し、前記2つのそれぞれの雄端子は第1の開口部を通って導管の一部まで伸び、前記2つの雌ソケットの前記それぞれ対応する雌ソケットは第2の開口部を通って導管の一部まで伸び、前記2つのそれぞれの雄端子は前記2つの雌ソケットのうちの前記それぞれ対応する雌ソケットと導管内で電気的に係合する、請求項3に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項5】
導管が、略円筒形状であり、複数の内部突起部を備え、前記2つの雌ソケットのそれぞれ対応する雌ソケットは略円筒形状の導管内は円筒形状であり、導管内の内部突起部によって係合される、請求項4に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項6】
前記複数の絶縁保持具のそれぞれが、液状シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー、およびトランスファー成形されたゴムからなる群から製造される、請求項1に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の第1のプラグイン部材が複数の雄端子であり、前記複数の第1のプラグイン部材は前記複数の雄端子に相当し、前記複数の第2のプラグイン部材は複数の雌ソケットであり、前記複数の第2のプラグイン部材は前記複数の雌ソケットに相当し、前記複数の絶縁保持具のそれぞれは、前記複数の雄端子のそれぞれの雄端子および前記複数の雌ソケットのそれぞれ対応する雌ソケットに対して、基部と基部から伸びる伸長部とを含む絶縁体を備え、前記基部は第1の開口部を有し、前記伸長部は第2の開口部と第1の開口部から第2の開口部に伸びる導管とを有し、前記複数の雄端子のそれぞれの雄端子は第1の開口部を通って導管の一部まで伸びる、請求項1に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項8】
前記複数の第1のプラグイン部材が複数のピンであり、前記複数の第1のプラグイン部材は前記複数のピンに相当し、前記複数の絶縁保持具それぞれは、液状シリコーンゴム製であり、前記複数のピンのそれぞれに対して、基部と基部から伸びる伸長部とを含む絶縁体を備え、前記基部は第1の開口部を有し、前記伸長部は第2の開口部と第1の開口部から第2の開口部に伸びる導管とを有し、前記複数のピンそれぞれは第1の開口部を通って導管まで伸びる、請求項1に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項9】
前記複数の第1のプラグイン部材が複数の雄端子であり、前記複数の第1のプラグイン部材は前記複数の雄端子に相当し、前記複数の第2のプラグイン部材は複数の雌ソケットであり、前記複数の第2のプラグイン部材は前記複数の雌ソケットに相当し、前記複数の絶縁保持具それぞれは、前記複数の雄端子の一部および前記複数の雌ソケットの一部に対して、基部と基部から伸びる伸長部とを含む絶縁体を備え、前記基部は第1の開口部を有し、前記伸長部は第2の開口部と第1の開口部から第2の開口部に伸びる導管とを有し、導管は、略円筒形状であり、複数の内部突起部を含み、前記複数の雌ソケットの前記一部の対応する雌ソケットは、略円筒形状の導管内は円筒形状であり、導管内の内部突起部によって係合される、請求項1に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項10】
前記複数の絶縁保持具のそれぞれが、前記電気バス構造の平面上に設置される基部を備え、前記複数の絶縁保持具それぞれは、基部と係合するキーパー層によって前記電気バス構造に結合され、前記キーパー層は前記電気バス構造の平面に結合される、請求項1に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項11】
前記複数の絶縁保持具が、接着剤によって電気バス構造に結合される、請求項1に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項12】
筐体と、
前記筐体内の電気バス構造と、
前記電気バス構造に結合される複数の第1のプラグイン部材と、
前記電気バス構造に結合される複数の絶縁保持具であって、前記複数の絶縁保持具のうち対応する絶縁保持具が前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と結合される絶縁保持具と、
複数のサーキットブレーカであって、前記複数のサーキットブレーカそれぞれは、第1の面から設置される手動オペレータおよび第1の面の反対側の第2の面から設置される複数の第2のプラグイン部材を備え、前記複数の第2のプラグイン部材それぞれが前記複数の第1のプラグイン部材の対応する第1のプラグイン部材と電気的に係合するサーキットブレーカと、
前記筐体に取り外し可能に結合されるカバー部材であって、第3の面と第3の面を貫通する複数の開口部とを備えるカバー部材と
を備えるサーキットブレーカアセンブリであって、
前記複数の絶縁保持具のうちの対応する絶縁保持具は前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材の周囲に配置され、(i)前記複数の第1のプラグイン部材のうちの前記対応する数の第1のプラグイン部材を絶縁し、(ii)前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と電気的に係合する複数の第2のプラグイン部材を保持し、
前記複数のサーキットブレーカの第1の面は、前記カバー部材の第3の面と係合し、
前記手動オペレータは、前記複数の開口部のうちの対応する開口部を貫通し、
前記複数の絶縁保持具は、前記カバー部材が前記筐体から取り外されている時に、前記手動オペレータが一般に下向きの状態で、前記複数のサーキットブレーカを保持する構造である、サーキットブレーカアセンブリ。
【請求項13】
前記複数の絶縁保持具のそれぞれが、液状シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー、およびトランスファー成形されたゴムからなる群から製造される、請求項12に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項14】
前記複数の第1のプラグイン部材が複数の雄端子であり、前記複数の第1のプラグイン部材は前記複数の雄端子に相当し、前記複数の第2のプラグイン部材は複数の雌ソケットであり、前記複数の第2のプラグイン部材は前記複数の雌ソケットに相当し、前記複数の絶縁保持具のそれぞれは、前記複数の雄端子のそれぞれの雄端子および前記複数の雌ソケットのそれぞれ対応する雌ソケットに対して、基部と基部から伸びる伸長部とを含む絶縁体を備え、前記基部は第1の開口部を有し、前記伸長部は第2の開口部と第1の開口部から第2の開口部に伸びる導管とを有し、前記複数の雄端子のそれぞれの雄端子は第1の開口部を通って導管の一部まで伸びる、請求項12に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項15】
前記複数の第1のプラグイン部材が複数のピンであり、前記複数の第1のプラグイン部材は前記複数のピンに相当し、前記複数の絶縁保持具それぞれは、液状シリコーンゴム製であり、前記複数のピンのそれぞれに対して、基部と基部から伸びる伸長部とを含む絶縁体を備え、前記基部は第1の開口部を有し、前記伸長部は第2の開口部と第1の開口部から第2の開口部に伸びる導管とを有し、前記複数のピンそれぞれは第1の開口部を通って導管まで伸びる、請求項12に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項16】
前記複数の第1のプラグイン部材が複数の雄端子であり、前記複数の第1のプラグイン部材は前記複数の雄端子に相当し、前記複数の第2のプラグイン部材は複数の雌ソケットであり、前記複数の第2のプラグイン部材は前記複数の雌ソケットに相当し、前記複数の絶縁保持具それぞれは、前記複数の雄端子のサブセットおよび前記複数の雌ソケットのサブセットに対して、基部と基部から伸びる伸長部とを含む絶縁体を備え、前記基部は第1の開口部を有し、前記伸長部は第2の開口部と第1の開口部から第2の開口部に伸びる導管とを有し、導管は、略円筒形状であり、複数の内部突起部を含み、前記複数の雌ソケットの前記サブセットの対応する雌ソケットは、略円筒形状の導管内は円筒形状であり、導管内の内部突起部によって係合される、請求項12に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項17】
前記複数の絶縁保持具のそれぞれが、前記電気バス構造の平面上に設置される基部を備え、前記複数の絶縁保持具それぞれは、基部と係合するキーパー層によって前記電気バス
構造に結合され、前記キーパー層は前記電気バス構造の平面に結合される、請求項12に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項18】
複数の第2のプラグイン部材が、回線用端末用の第1のソケットと、負荷用端末用の第2のソケットとを備える、請求項12に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項19】
前記カバー部材が、前記筐体と取り外し可能に係合する締め具を備える、請求項12に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項20】
前記手動オペレータが、プッシュプルハンドルである、請求項12に記載のサーキットブレーカアセンブリ。
【請求項21】
筐体と、
前記筐体内の電気バス構造と、
前記電気バス構造に結合される複数の第1のプラグイン部材と、
前記電気バス構造に結合される複数の絶縁保持具であって、前記複数の絶縁保持具のうち対応する絶縁保持具が前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と結合される絶縁保持具と、
複数のサーキットブレーカであって、前記複数のサーキットブレーカそれぞれは、手動オペレータおよび前記手動オペレータの反対側に配置される複数の第2のプラグイン部材を備え、前記複数の第2のプラグイン部材それぞれが前記複数の第1のプラグイン部材の対応する第1のプラグイン部材と電気的に係合するサーキットブレーカと
を備えるサーキットブレーカアセンブリであって、
前記複数の絶縁保持具のうちの対応する絶縁保持具は前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材の周囲に配置され、(i)前記複数の第1のプラグイン部材のうちの前記対応する数の第1のプラグイン部材を絶縁し、(ii)前記複数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と電気的に係合する複数の第2のプラグイン部材を保持し、
前記複数の絶縁保持具のそれぞれは、前記電気バス構造の平面上に設置される基部を備え、
前記複数の絶縁保持具それぞれは、基部と係合するキーパー層によって前記電気バス構造に結合され、前記キーパー層は前記電気バス構造の平面に結合される、
サーキットブレーカアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2012年2月7日に出願された米国特許出願第13/367,700号明細書の利益を主張するものであり、その内容を参照によって本願明細書に引用したものとする。
【0002】
本明細書で開示される概念は、全般的には、サーキットブレーカに関し、特に、例えば、多数のサーキットブレーカ用のサーキットブレーカパネルのようなサーキットブレーカアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
サーキットブレーカは、例えば、航空機の電力系統において使用され、過電流保護を行うだけでなく、機器をオンオフするスイッチとしての働きをする。例えば、航空機用または超小型サーキットブレーカは、一般的には、非常に多くの回路用のサーキットブレーカがユーザにとって利用しやすくなる比較的高密度レイアウトの航空機サーキットブレーカパネルを収容するために比較的小型である。航空機の電力系統は、例えば、数百ものサーキットブレーカから成り、サーキットブレーカそれぞれは、プッシュプルハンドルによって回路保護機能および回路切断機能を実行するために使用される。
【0004】
サーキットブレーカのプッシュプルハンドルは、対応する負荷回路を開放するためにイン−アウトに動かされる。この動作は、過負荷もしくは故障状態の場合に、手動で行われてもよいし自動で行われてもよい。プッシュプルハンドルがアウト−インに動かされる場合、負荷回路に再び通電される。負荷回路の電源が自動的に切れた場合、プッシュプルハンドルのアウト−イン操作はサーキットブレーカのリセット動作に対応する。
【0005】
該サーキットブレーカは、一般に、ねじ式ベゼルを含む。ナットやワッシャのような適切な締め具により、航空機サーキットブレーカ取り付けパネルの対応する開口部でサーキットブレーカを取り付ける。プッシュプルハンドルは、ベゼルを通って取り付けパネルのユーザ側へと抜ける。サーキットブレーカはさらに、一般に、取り付けパネルと反対側のメンテナンス側に配置される回線用および負荷用のねじ端子を含む。
【0006】
米国特許第8,094,436号明細書には、プラグイン式サーキットブレーカパネルのようなサーキットブレーカアセンブリであって、筐体と、筐体に接続される電気バス構造と、電気バス構造に結合される多数の第1のプラグイン部材とを含むサーキットブレーカアセンブリが開示されている。多数のサーキットブレーカは、第1の面と、第1の面と反対側に配置される第2のプラグイン部材とを含む。多数のサーキットブレーカそれぞれの第2のプラグイン部材は、多数の第1のプラグイン部材のうちの対応するプラグイン部材と対合される。プレート部材は、取り外し可能に筐体に結合される。プレート部材は、第1の面と、反対側の第2の面とを含む。多数のサーキットブレーカそれぞれを多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する第1のプラグイン部材と対合した状態を維持するために、多数のサーキットブレーカの第1の面はプレート部材と反対側の第2の面と係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第8094436号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
プラグイン式サーキットブレーカパネルが、サーキットブレーカのプッシュプル操作ハンドルが一般に下向きに配置されるオーバーヘッド形態で取り付けられるのが望ましい場合、メンテナンスまたは問題診断もしくは問題是正のために、フェイスプレートもしくはカバー部材のようなプレート部材が取り外されている場合に、プラグイン式サーキットブレーカを保持する問題が生じる場合がある。
【0009】
したがって、サーキットブレーカアセンブリの改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の必要性および他の必要性は、多数の絶縁保持具が多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材の周囲に配置されて、多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数のプラグイン部材を絶縁し、多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と電気的に係合した多数のサーキットブレーカの多数の第2のプラグイン部材を保持するという本明細書に開示されている概念に沿った実施形態によって満たされる。
【0011】
開示されている概念の一態様によれば、サーキットブレーカアセンブリは、筐体と、筐体内の電気バス構造と、電気バス構造に結合される多数の第1のプラグイン部材と、電気バス構造に結合される多数の絶縁保持具であって、多数の絶縁保持具のうち対応する絶縁保持具が多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と動作可能に結合される絶縁保持具と、多数のサーキットブレーカであって、多数のサーキットブレーカのそれぞれが手動オペレータおよび手動オペレータと反対側に配置される多数の第2のプラグイン部材を備え、多数の第2のプラグイン部材が多数の第1のプラグイン部材のいくつかと電気的に係合するサーキットブレーカとを備えるサーキットブレーカアセンブリであって、多数の絶縁保持具のうちの対応する絶縁保持具は多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材の周囲に配置されて、多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材を絶縁し、多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と電気的に係合する多数の第2のプラグイン部材を保持するサーキットブレーカアセンブリである。
【0012】
多数の絶縁保持具のうちの対応する絶縁保持具は、多数の第1のプラグイン部材が多数の第2のプラグイン部材と電気的に係合していない場合に、多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材を保護するように構成されてもよい。
【0013】
多数のプラグイン部材のそれぞれは多数の雄端子としてもよく、多数の第2のプラグイン部材は多数の雌ソケットとしてもよく、多数の絶縁保持具のそれぞれは、多数の雄端子の1つおよび多数の雌ソケットの1つに対して、基部と基部から伸びる伸長部とを含む絶縁体を備え、基部は第1の開口部を有し、伸長部は第2の開口部と第1の開口部から第2の開口部に伸びる導管とを有し、多数の雄端子のうちの1つは第1の開口部を通って導管の一部まで伸びてもよい。
【0014】
導管は、略円筒形状であり、複数の内側リッジを備えてもよく、多数の雌ソケットのうちの1つは略円筒形状の導管内は円筒形状であり、導管内の内側リッジによって係合されてもよい。
【0015】
多数の絶縁保持具は、一般に下向きの手動オペレータによって多数のサーキットブレーカを保持する構造にしてもよい。
【0016】
開示される概念の別の態様として、サーキットブレーカアセンブリは、筐体と、筐体内の電気バス構造と、電気バス構造に結合される多数の第1のプラグイン部材と、電気バス構造に結合される多数の絶縁保持具であって、多数の絶縁保持具のうちの対応する絶縁保持具が多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と動作可能に結合される絶縁保持具と、多数のサーキットブレーカであって、多数のサーキットブレーカのそれぞれは、第1の面から設置される手動オペレータおよび第1の面に対向する第2の面から設置される多数の第2のプラグイン部材であって、多数の第1のプラグイン部材のいくつかと電気的に係合する多数の第2のプラグイン部材を備える多数のサーキットブレーカと、取り外し可能に筐体に結合されるカバー部材であって、第3の面および第3の面を通って配置される多数の開口部を備えるカバー部材とを備えるサーキットブレーカアセンブリであって、多数の絶縁保持具のうちの対応する絶縁保持具は多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材の周囲に配置されて、多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材を絶縁し、多数の第1のプラグイン部材のうちの対応する数の第1のプラグイン部材と電気的に係合する多数の第2のプラグイン部材を保持し、多数のサーキットブレーカの第1の面はカバー部材の第3の面と係合し、手動オペレータは多数の開口部のうちの対応する開口部を貫通する。
【0017】
多数の絶縁保持具は、カバー部材が筐体から取り外された時に、一般に下向きの手動オペレータによって多数のサーキットブレーカを保持する構造にしいてもよい。
【0018】
開示されている概念は、添付図面を参照しながら好適な実施形態に関する以下の説明を読めば十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】開示される概念の実施形態のサーキットブレーカアセンブリの断面図である。
【
図2】
図1の絶縁保持具のうちの1つの平面図である。
【
図3】隠線で示された内側構造を有する
図2の絶縁保持具の端部垂直立面図である。
【
図4】隠線で示された内側構造を有する
図2の絶縁保持具の立体図である。
【
図5】開示される概念の別の実施形態のサーキットブレーカアセンブリの分解垂直立面図である。
【
図6】
図5のサーキットブレーカアセンブリの分解立体図である。
【
図7】開示される概念の別の実施形態のサーキットブレーカアセンブリの断面図である。
【
図8】開示される概念の別の実施形態のサーキットブレーカアセンブリの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書内では、用語「多数」は、1または1より大きい整数(すなわち、複数)を意味するものとする。
【0021】
本明細書内では、2つ以上の部品が「接続される」または「結合される」という表現は、部品が直接もしくは1つまたは複数の中間部品を介して接合されることを意味するものとする。さらに、本明細書内では、2つ以上の部品が「取り付けられる」という表現は、部品が直接接合されることを意味するものとする。
【0022】
本明細書内では、用語「締め具」は、任意の適切な接続機構または締め付け機構を指し、特に、ねじ、ボルト、ナット(例えば、これに限定されないが、ロックナット)、およびこれらの組み合わせを指すが、これらに限定されない。
【0023】
開示される概念は、広範囲のさまざまな用途の広範囲のさまざまなサーキットブレーカに適用できるが、超小型もしくは航空機サーキットブレーカに関して記載されている。該サーキットブレーカは、例えば、これに限定されないが、約400Hzの典型的な周波数を有する航空機交流(AC)系統で使用することができるが、直流(DC)系統でも使用することができる。また、開示される概念は、他の周波数で動作するAC系統で使用されるサーキットブレーカパネルを含む他のタイプのサーキットブレーカパネル、小型住宅用もしくは商用サーキットブレーカなどのより大型のサーキットブレーカ、例えば、住居用、商用、工業用、宇宙空間用、および自動車用などの広範囲のサーキットブレーカ用途に適用することができることは明らかである。さらに非限定的な例として、広範囲の周波数(例えば、これに限定されないが、50Hz、60Hz、120Hz、400Hzおよびそれより高周波数もしくはそれより低周波数)でのAC(例えば、これに限定されないが、120VAC、220VAC、480から600VAC)作動およびDC(例えば、これに限定されないが、42VDC)作動の両方が可能である。
【0024】
図1を参照すると、サーキットブレーカアセンブリ、例えば、サーキットブレーカパネル2が示されている。サーキットブレーカパネル2は、筐体4(
図1には、一部が示されている)と、電気バス構造、例えば、筐体4内の多層(例えば、これに限定されないが、4層の導電層)のバックプレーン6と、多数の第1のプラグイン部材、例えば、バックプレーン6に結合されるピン8(6本のピン8の例が示されているが、任意の適切な数を使用してもよい)とを含む。サーキットブレーカパネル2はさらに、バックプレーン6に結合される多数の絶縁保持具10(6本のピン8に対して3つの保持具10の例が示されているが、任意の適切な数の絶縁保持具を使用してもよい)を含む。多数の絶縁保持具10のうちの対応する絶縁保持具、例えば、絶縁保持具10Aは、多数のピン8のうちの対応する数のピン(例えば、ピン8Aおよびピン8B)に動作可能に結合される。サーキットブレーカパネル2はさらに、多数のサーキットブレーカ12(1つのサーキットブレーカ12の例が示されているが、任意の適切な数のサーキットブレーカを使用してもよい)を含む。
【0025】
多数のサーキットブレーカ12それぞれは、手動オペレータ14と、例えば、手動オペレータ14と反対側に配置される多数の第2のプラグイン部材、例えば、ソケット16(2つのソケット16Aおよび16Bの例が示されているが、任意の適切な数を使用してもよい)とを含む。多数の第2のソケット16は、ピン8Aおよびピン8Bで示されるように多数のピン8のいくつかと電気的に係合する。多数の絶縁保持具10のうちの対応する絶縁保持具10Aは、多数のピンのうちの対応する数のピン8Aおよび8Bの周囲に配置されて、多数のピンのうちの対応する数のピン8Aおよび8Bを絶縁して、多数のピンのうちの対応する数のピン8Aおよび8Bそれぞれと電気的に係合する多数のソケット16Aおよび16Bを保持する。
【0026】
プラグインサーキットブレーカ12の例は、2つの埋め込み式プラグインソケット16Aおよび16Bを含み、それぞれ絶縁保持具10Aの部分10AAおよび10ABで受承される。ピン8Aおよび8Bは、部分10AAおよび10AB内でソケット16Aおよび16Bとそれぞれ電気的に係合する。このことによりソケット16Aおよび16Bを保持し、ひいてはオーバーヘッド用途のプラグイン式サーキットブレーカ12を保持して、サーキットブレーカ12が(カバーもしくはフェイスプレート(
図1には図示されていないが、
図7のカバーもしくはフェイスプレート48を参照)が取り外された場合に)落下するのを防止することができる。さらに、絶縁保持具10は、(例えば、防湿層となることで)厳しい用途向けの導体(例えば、ピン8A、8B、8C、8D、8E、および8F)間を電気的に絶縁し、未使用位置のピン(例えば、ピン8C、8D、8Eおよび8F)を保護し、未使用位置の導体(例えば、ピン8C、8D、8Eおよび8F)からユーザを保護する。
【0027】
図2から
図4は、2つの部分10AAおよび10ABを含む
図1の絶縁保持具10の1つ10Aを示している。これは、回線用端子18および負荷用端子20を有する1極サーキットブレーカの例における2本のピン8Aおよび8B用の単一絶縁保持具を形成する。
【0028】
(実施例1)
図1の絶縁保持具10Bおよび10Cで示されているように、絶縁保持具10は、対応するピン8C、8D、8Eおよび8Fがプラグイン式サーキットブレーカ、例えばサーキットブレーカ12のソケット、例えばソケット16Aおよび16Bと電気的に係合していない時に、これらのピンを保護するような構造である。図示されているように、ピン8C、8D、8E、および8Fは、部分10BA、10BB、10CA、10CBそれぞれの内部に嵌め込まれる。
【0029】
(実施例2)
多数の第1のプラグイン部材それぞれは、複数の雄端子8A−8B、8C−8D、8E−8Fである。多数の第2のプラグイン部材は、複数の雌ソケット16A−16Bである。
図1のサーキットブレーカ12で示されているように、多数の絶縁保持具10A、10B、10Cのそれぞれは、複数の雄端子のうちのいくつか、例えば、ピン8Aと8B、および複数の雌ソケットのうちのいくつか、例えば、ソケット16A−16Bと動作可能に結合される。
【0030】
(実施例3)
図2から
図4の絶縁保持具10Aで最も詳細に示されているように、絶縁保持具10(
図1)は、2つの雄端子8のうちの1つおよび2つの雌ソケット16のうちの1つに対して、基部22と基部22から伸びる伸長部24とを有する部分10AAまたは10ABで示される絶縁体を含む。基部22は、第1の開口部26を有する。伸長部24は、第2の開口部28と、第1の開口部26から第2の開口部28まで伸びる導管30(
図3では、隠線で示されている)とを有する。ピン、例えば、ピン8Aもしくはピン8Bは、第1の開口部26を通って導管30の一部まで伸びる。雌ソケット、例えば、ソケット16Aもしくはソケット16Bは、第2の開口部28を通って導管30の一部まで伸びる。ピン、例えば、ピン8Aもしくはピン8Bは、導管30内部で、雌ソケット、例えば、ソケット16Aもしくはソケット16Bと電気的に係合する。
【0031】
(実施例4)
図1および
図3で最も詳細に示されているように、導管30は、略円筒形状であり、複数の内側リッジ32を含む。雌ソケット、例えば、ソケット16Aもしくはソケット16Bは、略円筒形状の導管30内は円筒形状であり、内側リッジ32によって内部で係合される。絶縁保持具の部分10AA、10AB内部の内側リッジ32は、サーキットブレーカソケット16を挿入する際に空気を逃がす空間が必要であるので、保持および空気逃がしのために設けられる。
【0032】
(実施例5)
絶縁保持具10は、好ましくは、液体シリコーンゴム(LSR)製である。LSRは、高純度白金硬化シリコーンである。LSRは、一般的には、一方が白金触媒を含む2つの成分の形で供給される。これらの2つの成分は、任意の所望の色および/または原料と混合されて、開示されている絶縁保持具10の形に押し出される。あるいは、絶縁保持具10は、熱可塑性エラストマー(TPE)もしくはトランスファー(熱硬化性)ゴム成形により製造されてもよい。
【0033】
(実施例6)
絶縁保持具10は(絶縁保持具10Aで図示されているように)、一般に下向きの(例えば、
図1に関しては上向き)手動オペレータ14でサーキットブレーカ12(サーキットブレーカ12Aで示されているように)を保持する構造である。
【0034】
(実施例7)
図1に示されるように、絶縁保持具10それぞれは、基部22を含み、基部22と係合するキーパー層(keeper layer)34によって多層バックプレーン6に結合される。キーパー層34は、適切な形でバックプレーン6に結合される。キーパー層34は、熱伝導性熱可塑性物質もしくは他の適切なタイプの熱可塑性物質から成る。キーパー層34は、適切な接着剤(例えば、これに限定されないが、Bergquist社(ミネソタ州、チャナッセン)から市販されているBond−Ply(R)660接着剤層)または適切な締め具(例えば、これに限定されないが、機械的なハードウェア、つまりリベット)(図示せず)を使用してバックプレーン6に固定されてもよい。
【0035】
(実施例8)
図1には、2つのソケット16A、16Bを有する1つの1極サーキットブレーカ12に対して2つの絶縁部10AA、10ABを有する1つの絶縁保持具10Aが示されている。3極サーキットブレーカ(図示せず)が採用される場合、3つの絶縁保持具10が使用される。
【0036】
(実施例9)
図5および
図6は、別のサーキットブレーカアセンブリ、例えば、サーキットブレーカパネル36を示した図である。サーキットブレーカパネル36は、キーパー層34が使用されないことを除けば、
図1のサーキットブレーカパネル2と同じである、もしくは同様であると言える。代わりに、絶縁保持具10は、電気バス構造、例えば、多層バックプレーン38に適切な接着剤によって結合され、保持具10を結合する。
【0037】
(実施例10)
図1、
図5、および
図6は、絶縁保持具10が1つの1極サーキットブレーカ12に対して2つの絶縁部、例えば、絶縁部10AA、10ABを有するサーキットブレーカパネル2、36を示しているが、開示されている概念は、
図6の列40もしくは段42の1つが複数のサーキットブレーカ(図示せず)に対して比較的多くの絶縁部を有する単一絶縁保持具(図示せず)で形成される形の絶縁保持具、バックプレーン38全体がサーキットブレーカ(図示せず)の全てに対して比較的非常に多くの絶縁部を有する単一絶縁保持具(図示せず)を使用した形の絶縁保持具、単一絶縁保持具(図示せず)が多極サーキットブレーカ(図示せず)の全ての極に対して種々の絶縁部を使用した形の絶縁保持具、または単一絶縁保持具(図示せず)が複数のサーキットブレーカ(図示せず)に対して種々の絶縁部を使用する形の絶縁保持具にも適用可能である。
【0038】
(実施例11)
図7は、別のサーキットブレーカアセンブリ、例えば、サーキットブレーカパネル44を示した図である。サーキットブレーカパネル44は、キーパー層34が使用されないことを除けば、
図1のサーキットブレーカパネル2と同じであり、もしくは同様であり、カバー部材、例えば、カバーもしくはフェイスプレート48を含む筐体46が示されていることを除けば、
図5および
図6のサーキットブレーカパネル36と同じである、もしくは同様であると言える。サーキットブレーカパネル44は、筐体46と、多層パックプレーン50のような電気バス構造と、バックプレーン50に結合される多数の第1のプラグイン部材52と、バックプレーン50に結合される複数の絶縁保持具10と、複数のプラグイン式サーキットブレーカ12とを含む。サーキットブレーカ12それぞれは、第1の面54から設置される手動オペレータ14と、第1の面54と反対側の第2の面58から設置される多数の第2のプラグイン部材、例えば、図示されている2つのソケット56とを含む。図示されているソケット56は、多数の第1のプラグイン部材52のいくつかと電気的に係合する。
【0039】
カバーもしくはフェイスプレート48は、締め具60によって筐体46に取り外し可能に結合される。カバーもしくはフェイスプレート48は、面62と、面を貫通する複数の開口部64とを有する。サーキットブレーカ12の第1の面54は、カバーもしくはフェイスプレート48の面62と係合する。手動オペレータ14それぞれは、開口部64のうちの対応する開口部を貫通する。
【0040】
(実施例12)
絶縁保持具10は、カバーもしくはフェイスプレート48が筐体46から取り外された場合に、一般に下向き(例えば、
図7では上向き)の手動オペレータ14によってサーキットブレーカ12を保持する構造である。
【0041】
(実施例13)
カバーもしくはフェイスプレート48は、筐体46と取り外し可能に係合する締め具60を含む。
【0042】
(実施例14)
多数の第2のプラグイン部材、例えば、2つのソケット56は、回線用端末66用の第1のソケット56Aと、負荷用端末68用の第2のソケット56Bとを含む。
【0043】
(実施例15)
手動オペレータ14は、プッシュプル操作ハンドルである。
【0044】
(実施例16)
図8は、別のサーキットブレーカアセンブリ、例えば、単一で設置されたサーキットブレーカ12を含むサーキットブレーカパネル70を示した図である。サーキットブレーカパネル70は、キーパー層34が使用されないことを除けば、
図1のサーキットブレーカパネル2と同じであり、もしくは同様であり、筐体46およびカバーもしくはフェイスプレート48が図示されていないことを除けば、
図5および
図6のサーキットブレーカパネル36と同じであり、もしくは同様であり、または
図7のサーキットブレーカパネル44と同じである、もしくは同様であると言える。
【0045】
開示されている絶縁保持具10は、導体、例えば、ピン8間を電気的に絶縁する。電気絶縁性は、ポテンシャルアークパスの距離を長くし(例えば、平面の場合の距離より長くする)、回線から負荷まで電気的短絡を生じる可能性のある異物から保護し、未使用ピン8を他の導体から保護することで向上する。
【0046】
開示されている絶縁保持具10は、パックプレーンピン8を損傷から守り、ユーザを未使用位置の通電導体から守る。バックプレーンピン8は、対応するサーキットブレーカ12が投入されていない時には保持具の表面の下にある。ユーザがサーキットブレーカを電源オンした場合に、絶縁保持具10はさらに偶発的な感電を防止する。
【0047】
開示されている概念は、例えば、これらに限定されないが、(1)厳しい振動用途を、追加の振動抑制手段を設けることで、(2)深刻な腐食領域、湿気領域、高度領域、濡れた領域および非加圧用途を、防湿層を設けることで、(3)カバーもしくはフェイスプレートを取り外した時にサーキットブレーカを保持する必要があるオーバーヘッド(吊り下げ式)用途を、(4)導体間の比較的高い誘電耐圧(例えば、270VDC)を必要とする用途に対して周知のプラグインサーキットブレーカパネルの限界を克服する。
【0048】
開示されているシリコーンゴム保持具10は、(1)サーキットブレーカパネルカバーもしくはフェイスプレートが取り付けられていない状態でサーキットブレーカを保持する、(2)未使用ピンを損傷から守る、(3)ピン間を異物破片(FOD)が流れることからピンを守る、(4)さらにユーザを感電から守るという特徴を有する。
【0049】
開示されている絶縁保持具10は、振動の抑制を行う。サーキットブレーカパネル2、36、44、70に設置されているサーキットブレーカソケット16をさらに圧迫することにより、接触面のフレッチングを引き起こす可能性があり、このフレッチングが加熱ひいては開回路状態にする可能性のある相対運動を防止する。
【0050】
開示されている絶縁保持具10はさらに、サーキットブレーカ埋め込みソケット16周囲に比較的きつく嵌め込んで、電気接触界面を封止する。このことにより、湿気が溜まること、塩の堆積、および着氷を防ぐ。さらに、このことにより嵌め合いピン8および埋め込みソケット16の腐食を抑える。
【0051】
開示されている絶縁保持具10はさらに、FODを防止する。加圧領域および非加圧領域の従来のサーキットブレーカパネルは、異物蓄積(例えば、これらに限定されないが、砂、ほこり、塩、および緩んだ金属部品、例えば、ワイヤ片、ナットもしくはワッシャ)を受けやすい。サーキットブレーカ12の回線用端末18および負荷用端末20を保護することで、利用の安全性および信頼性が向上する。
【0052】
また、開示されている絶縁保持具10は、オーバーヘッド式サーキットブレーカアセンブリを可能とすることができる。保持具10は、メンテナンスが行われている時にサーキットブレーカ12を定位置で保持するので、例えば、カバーもしくはフェイスプレート48を取り外してサーキットブレーカを追加する、または交換する。
【0053】
開示されている概念の特定の実施形態について詳細に説明したが、当業者には、開示物の教示内容全体を踏まえて、特定の実施形態の細部の種々の変更および代替形態を開発することが可能であることは理解されるであろう。したがって、開示されている特定の装置は、具体例に過ぎず、開示されている概念の範囲を制限するものではない。開示されている概念の範囲は添付の請求項の全内容および一切のその等価物で表わされるものとする。