(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6147859
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】ウィケット袋ディスペンサ及びウィケット袋を分配する方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/14 20060101AFI20170607BHJP
B65D 83/08 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
B65B43/14
B65D83/08 F
【請求項の数】14
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-533275(P2015-533275)
(86)(22)【出願日】2013年9月24日
(65)【公表番号】特表2015-536877(P2015-536877A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】US2013061409
(87)【国際公開番号】WO2014052315
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年3月18日
(31)【優先権主張番号】12186087.8
(32)【優先日】2012年9月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】バーテルミー、ピアット
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ、プファイファー
(72)【発明者】
【氏名】ビンフリート、シュメルツァー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード、シンク
(72)【発明者】
【氏名】カイス、ハムザ
(72)【発明者】
【氏名】ゲラルト、ゲリッヒ
【審査官】
小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第05029728(US,A)
【文献】
米国特許第02843988(US,A)
【文献】
米国特許第02872067(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/14
B65D 83/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性袋を保持するウィケット袋ディスペンサであって、
該可撓性袋を袋詰め機の投入ステーションの中に移動させるのに好適であり、
該ウィケット袋ディスペンサは、可撓性袋の積層体と、ウィケットスプールと、を備え、
該可撓性袋の積層体からの各可撓性袋は、少なくとも1つの開口部を有し、
該ウィケットスプールは、該開口部を貫通して位置付けられ、
該ウィケットスプールは、該可撓性袋の積層体を保持するスプール本体と、スプールヘッドと、を備え、
該スプールヘッドは、該ウィケットスプールの自由端に位置付けられ、
該スプールヘッドが、第1の位置と、該第1の位置よりも上方の位置である第2の位置との間を、該スプール本体に対して軸方向に自由に動くことができ、
これにより、該可撓性袋の積層体からの各可撓性袋は、移動手段により、該スプールヘッドを越えて該投入ステーションに移動し、
該可撓性袋は、該スプールヘッドを越える際、該スプールヘッドを該第1の位置から持ち上げ、
該スプールヘッドは、外側リングを有し、
該スプール本体は、内側リングを有し、
該外側リングは、所定の力を超えない場合、該内側リングに係合して該軸方向における該スプールヘッドの動きを制限するように構成されていることを特徴とする、ウィケット袋ディスペンサ。
【請求項2】
前記スプールヘッドの最大外周寸法が、前記スプール本体の最大直径よりも大きい、請求項1に記載のウィケット袋ディスペンサ。
【請求項3】
前記スプールヘッドの少なくとも一部分が、円錐台形状を有する、請求項2に記載のウィケット袋ディスペンサ。
【請求項4】
前記スプールヘッドが、前記外側リングを有するシャフトを備え、該シャフトが、前記ウィケットスプールの中空軸内に設置される、請求項1に記載のウィケット袋ディスペンサ。
【請求項5】
前記スプールヘッドを前記スプール本体から外すのに必要な前記所定の力が、50N以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のウィケット袋ディスペンサ。
【請求項6】
ウィケット袋ディスペンサと、ホルダーピンと、移動手段と、を備える、装置であって、
該ウィケット袋ディスペンサは、可撓性袋の積層体と、ウィケットスプールと、を備え、
該可撓性袋の積層体からの各可撓性袋は、少なくとも1つの開口部を有し、
該ウィケットスプールは、該開口部を貫通して位置付けられ、
該ウィケットスプールは、該可撓性袋の積層体を保持するスプール本体と、スプールヘッドと、を備え、
該スプールヘッドは、該ウィケットスプールの自由端に位置付けられ、
該スプールヘッドが、第1の位置と、該第1の位置よりも上方の位置である第2の位置との間を、該スプール本体に対して軸方向に自由に動くことができ、
これにより、該可撓性袋の積層体からの各可撓性袋は、該移動手段により、該スプールヘッドを越えて該ホルダーピンに移動し、
該可撓性袋は、該スプールヘッドを越える際、該スプールヘッドを該第1の位置から持ち上げ、
該スプールヘッドは、外側リングを有し、
該スプール本体は、内側リングを有し、
該外側リングは、所定の力を超えない場合、該内側リングに係合して該軸方向における該スプールヘッドの動きを制限するように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項7】
前記可撓性袋が前記スプールヘッドを越える際、前記スプールヘッドは、自由に動いて前記ホルダーピンと接触することができ、これにより、前記可撓性袋が前記ウィケットスプールから前記ホルダーピンに移動する箇所で、前記スプールヘッドと、前記ホルダーピンとの間の全ての隙間を無くす、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記スプールヘッドの最大外周寸法が、前記スプール本体の最大直径よりも大きい、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
可撓性袋をウィケット袋ディスペンサから袋詰め機の投入ステーションに移動させる方法であって、
該ウィケット袋ディスペンサは、少なくとも1つのウィケットスプールと、可撓性袋の積層体と、を備え、
該ウィケットスプールが、該可撓性袋の積層体を保持するスプール本体と、スプールヘッドと、を備え、
各可撓性袋は、該ウィケットスプールが位置付けられて貫通する少なくとも1つの開口部を有し、
該方法は、
該可撓性袋の積層体からの各可撓性袋を、移動手段により、該ウィケットスプールに沿って、該ウィケットスプールの自由端に向かって運ぶ工程と、
該可撓性袋を、該ウィケットスプールの該自由端に位置付けられた該スプールヘッドの上方に移動させる工程であって、各可撓性袋が、該移動手段により、該スプールヘッドを越えて該投入ステーションに移動する、工程と、を含み、
該可撓性袋が、該スプールヘッドを越える際、該スプールヘッドを持ち上げて、該スプールヘッドが、該スプール本体に対して軸方向に移動することを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記スプールヘッドの最大外周寸法が、前記スプール本体の最大直径よりも大きい、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スプールヘッドの少なくとも一部分が、円錐台形状を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スプールヘッドが、シャフトを備え、該シャフトが、前記ウィケットスプールの中空部内に設置される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記スプールヘッドの前記シャフトが外側リングを備え、前記スプール本体が内側リングを備え、該外側リング及び該内側リングが、前記スプール本体に対する前記スプールヘッドの軸方向の移動距離を制限するように相互に作用する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記可撓性袋が前記スプールヘッドを越えると、前記スプールヘッドは、動いてホルダーピンと接触し、これにより、前記可撓性袋が前記ウィケットスプールから前記ホルダーピンに移動する箇所で、前記スプールヘッドと、前記ホルダーピンとの間の全ての隙間を無くす、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、ウィケット袋ディスペンサ、及びウィケット袋をウィケット袋ディスペンサから袋詰め機の投入ステーションに移動させる方法に関する。
【0002】
生産業において、工業製品及び組立製品は、予備成形された可撓性プラスチック袋に入れて包装されることが多い。通常このように包装される製品の例としては、例えば、食料品、赤ちゃん用おむつ、女性用衛生用品などの紙製品等の消費者製品が挙げられる。
【0003】
米国特許第3,918,589号(1975年11月11日発行)は、ウィケットと称するディスペンサの中に積層体で備えられた空袋のシステムを開示している。積層体になった各袋は、ウィケット穴を備える。包装用袋ディスペンサは、プラテンと、その上に搭載された一対のウィケット支持体と、を備え、該支持体は、袋の積層体を搭載して分配されるようにして、積層体状の袋のウィケット穴の部分を保持するように配置される。
【0004】
使用時は、空袋の積層体を装填したウィケット袋ディスペンサを、例えば、袋送り込みコンベヤーにより、袋詰め機の投入ステーションの中に運搬する。製造物品も袋詰め機の投入ステーションに運搬される。空袋は、ウィケットから投入ステーションの中に1枚ずつ運ばれ、そこで各袋が開けられ、製造物品は、その開かれた袋の中に投入される。続いて、充填された袋は、一般に、投入ステーションから離れる方向に運搬され、これにより、袋の閉鎖、密封、及びトリミングなど、他の作業を行うことができる。
【0005】
ウィケット袋ディスペンサから全ての袋が外され、このように充填されると、空のディスペンサが投入ステーションから離れる方向に運搬され、次のウィケット袋ディスペンサ上にある新しい空袋の積層体と入れ替えられる。
【0006】
より詳細には、本発明は、ウィケットスプール、すなわち、ウィケット支持体の設計及び機能に関し、該ウィケット支持体の上で、空の可撓性袋がウィケット袋ディスペンサの中に搭載される。
【0007】
上記のように、ウィケットから機械の投入ステーションまで、空袋が1枚ずつ運ばれると、袋の開口部、すなわち、ウィケット穴は、ウィケットスプールの自由端を越えて、投入ステーション中の対応して位置付けられたホルダーピン上まで達しなければならない。ホルダーピンは、投入作業の間、袋を正確な位置に保持する。
【0008】
多くのウィケット袋ディスペンサを投入ステーションの中に連続して運搬することを可能にするには、先のウィケット袋ディスペンサが空になる度に、ウィケットスプールの上部とホルダーピンの端部との間のいかなる干渉も避けねばならない。よって、一般公差を前提とすると、それぞれの新しいウィケットを投入ステーションにおける位置の中に動かすと、ウィケットスプールの自由端とホルダーピンの端部との間に小さな隙間が残る。通常、この隙間は、2mm程度である。
【0009】
袋がスプールからホルダーピンまで、正確かつ完全に移動しないと、製造工程で問題が生じる。袋は、スプールの自由端とホルダーピンとの間の小さな隙間をすり抜ける場合もあり、結果的に袋詰めプロセスに失敗して、製品を廃棄することにつながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3,918,589号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、この問題に対処する。
【0012】
第1の態様において、本発明は、可撓性袋を保持するウィケット袋ディスペンサであって、該可撓性袋を袋詰め機の投入ステーションの中に移動させるのに好適であり、該ウィケット袋ディスペンサは、各袋が少なくとも1つの開口部を有する可撓性袋の積層体と、該開口部を貫通して位置付けられた少なくとも1つのウィケットスプールと、を備え、該ウィケットスプールは、自由端を有し、該自由端は、スプールヘッドを備え、これにより、該可撓性袋の積層体からの各可撓性袋は、該投入ステーションに移動するために、該スプールに沿って運ばれる、ウィケット袋ディスペンサに関する。
【0013】
第2の態様において、本発明は、相互に作用する(interanting)ウィケット袋ディスペンサと、ホルダーピンと、を備える、装置であって、該ウィケット袋ディスペンサは、袋詰め機の投入ステーションにおける少なくとも1つのホルダーピンと実質的に軸方向に整列した少なくとも1つのウィケットスプールを備え、該ウィケットスプールと該ホルダーピンとの間にスプールヘッドを更に備え、これにより、該ウィケットスプールを備えるウィケット袋ディスペンサから移動した可撓性袋は、該スプールヘッドを越えて、該ホルダーピン上に達する、装置に関する。
【0014】
本発明は、更にまた、可撓性袋をウィケット袋ディスペンサから袋詰め機の投入ステーションに移動させる方法であって、該ウィケット袋ディスペンサは、少なくとも1つのウィケットスプールと、可撓性袋の積層体と、を備え、各袋は、該ウィケットスプールが位置付けられて貫通する少なくとも1つの開口部を有し、
該ウィケットスプールに沿って、該ウィケットスプールの自由端に向かって袋を運ぶ工程と、
該袋を、該ウィケットスプールの該自由端に位置付けられたスプールヘッドの上方に移動させる工程と、を含み、
これにより、該可撓性袋の積層体からの各可撓性袋は、該投入ステーションに移動するために、該スプールヘッドを越える、方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によると、スプールヘッドは、ウィケットスプールに対して軸方向に自由に動くことができる。前記スプールヘッドは、前記ウィケットスプールから分離することなく、第1の位置と第2の位置との間を自由に動くことができる。前記スプールヘッドの外周寸法は、前記ウィケットスプールの最大直径よりも大きく、例えば、前記スプールヘッドの少なくとも一部は、円錐台(frustro-conical)の形状であり得ることが好ましい。前記スプールヘッドは、また、前記ウィケットスプールの中空軸内に設置されるシャフトも備え得る。前記スプールヘッドの前記シャフト上及び前記ウィケットスプール上の相互に作用する止め具が、所定の力を越えない場合、前記第1の位置と前記第2の位置との間の、前記ウィケットスプールに対する前記スプールヘッドの軸方向の移動距離を制限することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来技術のウィケットスプールの断面図である。
【
図2】分離したスプール本体及びスプールヘッドを示す、本発明のウィケットスプールの断面図である。
【
図3A】下方の位置にあるスプールヘッドを示す、本発明のウィケットスプールの断面図である。
【
図4A】上方の位置にあるスプールヘッドを示す、本発明のウィケットスプールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
製造物品は、機械の投入ステーションに位置する袋詰め機まで、コンベヤーに沿って機械方向に運搬される。通常、袋詰め機は、袋送り込みコンベヤーを備える。空袋のウィケットは、袋送り込みコンベヤー上に投入される。袋送り込みコンベヤーは、通常、ウィケットを幅方向、すなわち、機械とほぼ直交する方向に運搬することにより、ウィケットを袋詰め機の中に運搬する。
【0018】
各ウィケット袋ディスペンサは、可撓性袋の積層体を備え、各袋は、少なくとも1つの開口部と、開口部を貫通して位置付けられた少なくとも1つのウィケットスプールと、を有する。米国特許第3,918,589号に示す通り、通常、ウィケット袋ディスペンサは、可撓性袋のそれぞれにおける一対の開口部を貫通して位置付けられた2つのウィケットスプールを備える。
【0019】
通常、ウィケットスプールの上部と投入ステーションのホルダーピンの下端との間には、1mm〜5mm程度、典型的には約2mmの小さな隙間がある。この小さな隙間は、次のウィケット袋ディスペンサが、袋詰め機の投入ステーションの中へ幅方向に運搬される際、スプールヘッドとホルダーピンとの間の障害を避けるために必要である。
【0020】
袋が(複数の)ホルダーピン上に正確かつ完全に移動しない場合、問題が生じる。袋は、スプールの上部と(複数の)ホルダーピンとの間の隙間をすり抜ける場合もあり、結果的に袋詰めプロセスに失敗して、製品を廃棄することにつながる。高廃棄率は、不経済であり、避けねばならない。
【0021】
最も一般的に、ウィケット袋ディスペンサは、一定の距離で離れてプラテン上に搭載された2つのウィケットスプールを備える。
図1は、現在のウィケットスプール1の例を示し、ウィケットスプール1は、空の可撓性袋の運搬及び供給のため、生産業において使用されている。スプール1は、2つの主要な構成要素であるスプール本体3と、スプールヘッド4と、を備える。空袋をスプール本体3に載せるために、スプール本体3とスプールヘッド4を互いに完全に分離した後、スプール1を閉じて袋が使用時までにスプール1から離れるのを防ぐために、スプール本体3とスプールヘッド4とを再び合わせてもよい。袋には、開口部が作られ、その直径は、スプール本体3の直径よりも大きいが、スプールヘッド4の最大直径よりもわずかに小さいのが好ましい。開口部に隣接するプラスチックフィルムは、切り込み線又はミシン目などの脆弱線を含有することが好ましい。
【0022】
図2は、本発明によるウィケットスプール11の例を示す。可撓性袋が積層体から持ち上げられると、開口部は、スプール本体13に沿って通り、スプールヘッド14を捉えることで、スプールヘッド14を持ち上げて、スプール本体13に対して軸方向に動く。スプールヘッド14は、その第1の位置から第2の位置に持ち上げられる。次に、プラスチックフィルムの可撓性及び/又は脆弱線に沿った部分的破断により、スプールヘッド14が開口部を通り抜けることができ、これにより、袋を投入ステーションのホルダーピン上に移動させ得る。スプールヘッド14は、ホルダーピン15と接触し、これにより、スプールヘッド14の自由端とホルダーピン15の端部との間の全ての隙間を無くすことが好ましい。可撓性袋は、スプールヘッド14を越えてホルダーピン15上に運ばれ、その後、スプールヘッド14は、その第1の位置に自由に戻ることができる。
【0023】
スプールヘッド14の第1の位置は、下方の位置であり、スプールヘッド14の第2の位置は、上方の位置であることが好ましい。この場合、スプールヘッド14は、重力下において、その第2の位置から、その第1の位置へと自由に戻る。しかしながら、スプールヘッド14が、その第2の位置からその第1の位置に戻るように、重力以外の力によって付勢される、例えば、スプールヘッド14がバネ式であり得る他の構成が考えられてもよい。
【0024】
袋詰め機の投入ステーションは、離間した、スプール11の間隔に対応するホルダーピン15を備える。投入ステーションにおいて、袋は、上記のように、スプール本体13から、スプールヘッド14を越えて、ホルダーピン15上に、1枚ずつ移動する。各袋を開けて、その袋を開けたままにしておくために、袋は移動し、これにより、袋は、ホルダーピン15上の開口部によって保持され、袋詰めプロセスの間、保持されたままである。
【0025】
図3A及び
図4Aは、それぞれ、下方の位置と上方の位置にある、
図2のウィケットスプールの実施形態を示す。スプールヘッド14は、スプール本体13内に挿入され、運搬と供給のためにスプールを閉める機能を果たす。
【0026】
図3A及び3Bにおいて、下方の位置にスプールヘッド14が示され、スプールヘッド14は、スプールヘッド14の自由端とホルダーピン15との間の干渉の恐れが一切ない円滑なウィケット交換を可能にしている。
【0027】
図4A及び4Bにおいて、上方の位置にスプールヘッド14が示されているが、袋が持ち上げられる度に、上方の位置になる。ホルダーピン15と接触するスプールヘッドが示されている。この可動スプールヘッド14は、スプールヘッド14とピンホルダー15との間の隙間を小さくするか、好ましくは、その隙間を無くす。
【0028】
図4Bから分かるように、スプール本体13は、内側リング16を有し、スプールヘッド14は、外側リング17を有しており、これらリングは、運搬の間、スプールヘッド13を維持するためのものであり、スプールヘッド14が、例えば、50N以上であり得る所定の力よりも小さい力で、スプール本体13から分離し得ないことを保証するものである。
【0029】
本発明によると、スプールヘッド14は、第1の位置と第2の位置との間を、スプールに対して軸方向に自由に動くことができ、該スプールヘッド14は、比較的少量の力、つまり、袋開口部がスプールヘッド14を越えて、その周りを通る時に、袋から伝達される力で動く。スプール本体13を第2の位置を越えて引っ張ることにより、スプールヘッド14をスプール本体13から完全に外すことができるが、これは、スプールヘッド14が、例えば、50N以上の比較的大きな力を受けている時に限る。