特許第6147918号(P6147918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6147918動的な回路基準値を使用するオンチップ電源発生器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6147918
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】動的な回路基準値を使用するオンチップ電源発生器
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/10 20060101AFI20170607BHJP
【FI】
   G05F1/10 B
   G05F1/10 301A
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-513917(P2016-513917)
(86)(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公表番号】特表2016-529573(P2016-529573A)
(43)【公表日】2016年9月23日
(86)【国際出願番号】US2013062182
(87)【国際公開番号】WO2014185949
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2015年11月17日
(31)【優先権主張番号】61/824,924
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(73)【特許権者】
【識別番号】316008813
【氏名又は名称】コーエン,エアリアル
(73)【特許権者】
【識別番号】316008824
【氏名又は名称】ロマク,ヨアヴ
(73)【特許権者】
【識別番号】316008835
【氏名又は名称】コーエン,オメル
(73)【特許権者】
【識別番号】316008846
【氏名又は名称】エイタン,ロ’イー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,エアリアル
(72)【発明者】
【氏名】ロマク,ヨアヴ
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,オメル
(72)【発明者】
【氏名】エイタン,ロ’イー
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−243178(JP,A)
【文献】 特開2009−020641(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0267562(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源を受け取り、そして第2の電源を生成するチャージポンプと、
前記第2の電源を用いて動作する電圧調整器であって、基準値を受け取り、そして第3の電源を生成するための入力を有する前記電圧調整器と、
前記第3の電源を用いて動作する電圧感知ブロックであって、ダイオード電圧における差異、又はダイオード電圧を提供する感知ステージを含むとともに、前記感知ステージと結合されたシグマ−デルタA/D変換器(SD−ADC)を含む前記電圧感知ブロックと、
前記第1の電源を用いて動作する基準値発生器であって、前記電圧感知ブロックの出力に従って前記基準値を提供する前記基準値発生器とを備える、装置。
【請求項2】
前記第3の電源を受け取る負荷を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記SD−ADCが、ビットストリームを生成するために前記第3の電源の変形をダイオード電圧における差異と比較するように動作可能である、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記電圧感知ブロックが、前記SD−ADCから前記ビットストリームを受け取り、そして前記基準値発生器を制御するための出力を生成するフィルタを含む、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記フィルタが、ダイオードの温度を出力する、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記負荷が、前記第3の電源を用いて動作する位相ロックループを含む、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記電圧調整器が、低損失(LDO)ベースの電圧調整器である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記LDOベースの電圧調整器が、前記第2の電源で動作する増幅器又は比較器を備える、請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記増幅器又は前記比較器が、前記基準値を受け取るための第1の入力、及び前記LDOベースの電圧調整器の出力と関連付けられたフィードバックを受けるための第2の入力を有する、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の電源が、デジタル電源である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記チャージポンプにより生成される前記第2の電源が、アナログ電源である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の電源が前記第1の電源より高く、前記第3の電源が前記第2の電源より低い、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記チャージポンプが、電荷を保存するための第1のキャパシタ、及び前記第1のキャパシタからの電荷を受け取るための第2のキャパシタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
メモリと、
前記メモリと結合されたプロセッサであって、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の装置による装置を有する前記プロセッサと、
前記プロセッサが別の装置と通信することを可能にするための無線インタフェースとを備える、システム。
【請求項15】
表示装置を更に備える、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2013年5月17日に出願され、“ON-CHIP SUPPLY GENERATOR BASED ON DYNAMIC CIRCUIT REFERENCE”と表題が付けられた、対応する米国仮特許出願第61/824,924号に対する優先権を主張するとともに、それを参照により組み込む。
【0002】
いくつかのアナログ回路は、1を超える電源入力を必要とする。通常、デジタル電源(例えば、たいていは1.0V)に加えて、追加のより高い電源が必要とされる。1.0Vデジタル電源に加えて、1.25Vアナログ電源を必要とし得るアナログ回路の実例は、熱センサ回路である。SoC(システムオンチップ)又はプロセッサチップがアナログ回路の数を減少させる傾向が一般的になっているので、ほとんどアナログ電圧源は入手可能ではない。アナログ回路の性能は、雑音のないアナログ電源に依存する。アナログ回路に雑音のないアナログ電源を提供する1つの方法は、そのアナログ回路に専用の電源バンプ(supply bump)を提供することであり、すなわち、各アナログ回路は、それ自身の専用のアナログ電源の供給源を有し得る。全ての単一のアナログコンポーネントに外部電源バンプを提供することは非常に高価になる。
【0003】
本開示の実施例は、下記で与えられる詳細な説明から、そして本開示の各種の実施例の添付の図面から、より完全に理解されることになるが、しかしながら、それは本開示を特定の実施例に限定すると解釈されるべきでなく、それは説明及び理解のためだけのものである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の一実施例による、動的な基準値を使用する電源発生器のハイレベルの構造を例示する。
図2】本開示の一実施例による、動的な基準値を使用する熱センサのための電源発生器の構造を例示する。
図3】本開示の一実施例による、電源発生器のためのチャージポンプを例示する。
図4】本開示の一実施例による、低損失(LDO)電圧調整器(VR)及び基準値発生器の構造を例示する。
図5】本開示の一実施例による、熱センサのための感知ステージ及びシグマ−デルタA/D変換器(SD−ADC)の構造を例示する。
図6】本開示の一実施例による、SD−ADCの出力をフィルタ処理するためのロジックを例示する。
図7】本開示の一実施例による、基準電圧を較正するとともに温度を測定するための方法を例示する。
図8】本開示の一実施例による、熱センサ及び/又は位相ロックループに使用される動的な基準値を使用する電源発生器を有するシステムである。
図9】本開示の一実施例による、動的な基準値を使用する電源発生器を有するスマートデバイス又はコンピュータシステム又はSoC(システムオンチップ)である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
実施例は、比較的高い電力効率を有する、デジタル電源を使用してアナログ電圧を生成する装置を説明する。実施例の1つの技術的な効果は、それが、アナログ電源バンプの必要性を削減するか又は除去することである。一実施例において、動的な自己較正型(self-calibrated)バンドギャップ回路が、供給されるアナログ電圧における正確度を獲得するために使用される。実施例は、電源を負荷に対して調整するために動的な基準値を使用する電源発生器を説明する。一実施例において、デジタル電源(例えば1Vであり、ここでは同様に第1の電源と呼ばれる)は、より高い電源(例えば2.0Vであり、ここでは同様に第2の電源と呼ばれる)を生成するチャージポンプにより受け取られ、より高い電源は、その場合に、調整されたアナログ電源(例えば1.25Vであり、ここでは同様に第3の電源と呼ばれる)を生成する電圧調整器により調整される。一実施例において、調整されたアナログ電源は、電圧感知ブロック、及び負荷(例えば、熱センサ、位相ロックループ(PLL)、A/D変換器(ADC)など)に提供される。一実施例において、電圧調整器のための基準電圧は、電圧感知ブロック及び/又は負荷の状態を変更することに従って動的に調整される。
【0006】
下記の実施例において、熱センサは、負荷と並列に結合された電圧感知ブロックとして使用される。他の実施例において、他のアナログ回路が電圧感知ブロックとして使用され得る。例えば、ADCが電圧感知ブロックとして使用され得る。一実施例において、専用のアナログ電源バンプの使用なしで非常に正確な(例えばプロセス変化、電圧変化、及び温度変化にわたって3%未満の変化)アナログ電源を獲得するために、動的な自己較正型(self-calibrated)バンドギャップ回路が使用される。一実施例において、電源発生器は、電圧感知ブロックがその目的のために機能することを可能にしながら電源を調整するフィードバック回路を形成するように、電圧感知ブロックの回路と十分に統合される。一実施例において、電源発生器は、熱センサ(すなわち電圧感知ブロック)に正確なアナログ電源を提供するための動的なバンドギャップ基準値を有する熱センサのシグマ−デルタA/D変換器(SD−ADC)と統合されたスイッチキャパシタチャージポンプに基づいている。一実施例において、SD−ADCは、熱センサの感知ステージにより供給される動的なバンドギャップ電圧を有するそれ自身の電源(すなわち第3の電源)をサンプリングする。
【0007】
下記の説明では、本開示の実施例のより完全な説明を提供するために、多数の詳細が論じられる。しかしながら、当業者には、本開示の実施例はこれらの特定の詳細なしで実施され得る、ということが明白であろう。他の場合において、本開示の実施例を不明瞭にすることを回避するために、周知の構造及び装置は、詳細に示されるよりむしろ、構成図の形式で示される。
【0008】
実施例の対応する図面において、信号が線で表される点に注意が必要である。いくつかの線は、構造においてより本質的な信号経路を示すためにより太く、及び/又は、主要な情報の流れ方向を示すために1つ又は複数の先端に矢印を有し得る。そのような表示は限定することを意図していない。それどころか、それらの線は、回路又は論理ユニットのより簡単な理解を容易にするために、1つ又は複数の代表的な実施例に関連して使用される。設計の必要性又は性能により決定されたあらゆる描写された信号は、いずれの方向にも伝導し得る1つ又は複数の信号を実際に含み得るとともに、あらゆる適当なタイプの信号スキームにより実施され得る。
【0009】
明細書の至る所で、そして請求項において、用語“接続される(connected)”は、いかなる中間の装置もなく接続されている物体の間の直接的な電気的接続を意味する。用語“結合される(coupled)”は、接続されている物体の間の直接的な電気的接続、又は、1つ若しくは複数の受動的若しくは能動的な中間の装置を通した非直接的な接続のうちいずれかを意味する。用語“回路”は、所望の機能を提供するために相互に協力するように配置される、1つ又は複数の受動的及び/又は能動的なコンポーネントを意味する。用語“信号”は、少なくとも1つの電流信号、電圧信号、又はデータ/クロック信号を意味する。“a”、“an”、及び“the”の意味は、複数の言及を含む。“において(in)”の意味は、“において(in)”と“で(on)”の意味を含む。
【0010】
用語“スケーリング(scaling)”は、一般的に、1つの製造技術から別の製造技術まで設計(図式及びレイアウト)を変更することを指す。用語“スケーリング”は、同様に、一般的に、同じ技術ノードの中でレイアウト及び装置を小型化することを指す。用語“スケーリング”は、同様に、別のパラメータ、例えば電源レベルと比較した信号周波数の調整(例えば減速)のことを指し得る。用語“実質的に(substantially)”、“近接した(close)”、“おおよそ(approximately)”、“近い(near)”、及び“約(about)”は、一般的に、目標値の+/−20%の中にあることを指す。
【0011】
特に指定のない限り、共通の物体を説明するための順序の形容詞である“第1の”、“第2の”、“第3の”などの使用は、単に、同様の物体の異なる事例が言及されるということを示すとともに、時間的に、空間的に、ランキングで、又はあらゆる他の方法のいずれにおいても、そのように説明された物体が所定の順序でなければならない、と示唆することを意図していない。
【0012】
実施例の目的のために、それらのトランジスタは、ドレイン端子、ソース端子、ゲート端子、及びバルク端子を含む金属酸化物半導体(MOS)トランジスタである。トランジスタは、同様に、トライゲート及びFinFetトランジスタ、“Gate All Around Cylindrical”トランジスタ、又は、カーボンナノチューブ若しくはスピントロニクスデバイスのようなトランジスタの機能性を実行する他の装置を含む。ソース端子及びドレイン端子は、同じ端子であり得るとともに、ここでは互換的に使用され得る。当業者は、他のトランジスタ、例えばバイポーラ接合トランジスタ−BJT PNP/NPN、BiCMOS、CMOS、eFFTなどが、本開示の範囲からはずれずに使用され得る、ということを認識することになる。用語“MN”はnタイプのトランジスタ(例えば、NMOS、NPN BJTなど)を示し、用語“MP”はpタイプのトランジスタ(例えば、PMOS、PNP BJTなど)を示す。
【0013】
図1は、本開示の一実施例による、動的な基準値を使用する電源発生器のハイレベルの構造100を例示する。一実施例において、構造100は、チャージポンプ101、電圧調整器102、基準値発生器103、及び電圧感知ブロック104(例えば、熱センサ、ADCなど)、そして、負荷105を備える。
【0014】
一実施例において、チャージポンプ101は、第1の電源を受け取り、そして第1の電源を使用してより高い第2の電源を生成する。例えば、チャージポンプ101は、第1の電源として1Vの低いデジタル電源を受け取り、そして1.5V又は2.0Vのより高い調整されない第2の電源を生成するために、スイッチキャパシタを使用してその第1の電源をポンピングする。チャージポンプ101の代表的な実施例は、図3を参照して説明される。
【0015】
図1を再度参照すると、一実施例において、電圧調整器102は、入力電源として第2の電源を受け取り、そして電圧感知ブロック104のために調整された第3の電源を生成する。一実施例において、電圧調整器102は、第3の電源を調整するために、基準電圧Vrefを第3の電源の分圧されたバージョン(version:変形)と比較する。一実施例において、電圧調整器102は、低損失(low dropout:LDO)電圧調整器である。他の実施例では、他のタイプの電圧調整器が使用され得る。電圧調整器102の代表的な実施例は、図4を参照して説明される。
【0016】
図1を再度参照すると、一実施例において、基準値発生器103は、Vref_codeに従って、Vrefを電圧調整器102に提供する。一実施例において、Vref_codeは、基準値発生器103の抵抗器(又はトランジスタ)の抵抗を調整するデジタルコードである。一実施例において、Vref_codeは、基準値発生器103の抵抗器(又はトランジスタ)の抵抗を制御するためのアナログ信号であり得る。一実施例において、Vref_codeは、動的なバンドギャップ電圧を有する第3の電源をサンプリングしたあとで、電圧感知ブロック104のSD−ADC(図示せず)により調整される。一実施例において、電圧感知ブロック104(たいていはアナログ回路である)は、正確な第3の電源を受け取り、そして第3の電源を調整するためのVrefを調整するために、基準値発生器103にVref_codeを提供する。
【0017】
図2は、本開示の一実施例による、動的な基準値を使用する熱センサのための電源発生器の構造200を例示する。あらゆる他の図面の要素と同じ参照符号(又は名前)を有する図2におけるそれらの要素は、説明された方法と同じあらゆる方法で動作又は機能し得るが、しかしそのようなものに限定されない、ということが指摘される。
【0018】
この実施例において、熱センサ201は、電圧感知ブロック104として使用される。一実施例において、電圧感知ブロック201は、感知ステージ202、SD−ADC203、ロジック204、並びに、抵抗器Rsl及びRs2を有するサンプリング回路を備える。一実施例において、感知ステージ202は、電流源と、ダイオードの2つのセットとを備える。一実施例において、ダイオードの第1のセットは、Vbel(すなわち、ベース−エミッタ間電圧)を提供し、ダイオードの第2のセットは、Vbe2を提供する。この実施例において、感知ステージ202は、第3の電源を用いて動作する。一実施例において、VbelとVbe2との差異は、感知ステージ202のダイオードの温度を決定するために使用される。
【0019】
一実施例において、サンプリング回路は、第3の電源の分圧された電圧であるVsampleを提供するために、図示されたように、一緒に結合された抵抗器Rsl及びRs2を有する電圧分割器を含む。一実施例において、抵抗器Rsl及びRs2は、等しい抵抗値である。そのような実施例では、Vsampleは、第3の電源の半分になる。他の実施例では、Vsampleのレベルを調整するために抵抗器Rsl及びRs2の他の抵抗比率が使用され得る。一実施例において、抵抗器Rsl及びRs2のそれぞれは、有効又は無効にされることができる、複数のパラレル抵抗器である。一実施例において、抵抗器Rsl及びRs2は、トランジスタとして実施される。他の実施例において、抵抗器Rsl及びRs2は、複数の抵抗器、又は、トランジスタと複数の抵抗器の組み合わせとして実施されることができる。一実施例において、SD−ADC203は、Vsampleを受け取り、そしてVbel及びVbe2を使用してVsampleをサンプリングする。一実施例において、SD−ADC203は、一次のシグマ−デルタ変調器を含む。一実施例において、SD−ADC203は、二次のシグマ−デルタ変調器を含む。他の実施例では、より高次のSD−ADC203が使用され得る。一実施例において、SD−ADC203は、時間インタリーブ方式ADCである。一実施例において、SD−ADC203の出力は、ロジック204により受け取られるビットストリームである。
【0020】
一実施例において、ロジック204はデジタルフィルタである。一実施例において、デジタルフィルタは、有限のインパルス応答(FIR)フィルタ、無限のインパルス応答(IIR)フィルタ、カスケード接続積分器櫛形(cascaded integrator-comb:CIC)ローパスフィルタなどのうちの1つである。一実施例において、ロジック204は、CICローパスフィルタの3つのステージを備える。一実施例において、CICフィルタ構成は、64又は256の設定可能なデシメーション比率を有している。一実施例において、ロジック204は、温度指示値(又は測定値)を生成する。一実施例において、ロジック204は、同様に、Vrefを調整するためのVref_codeを生成する。一実施例において、ロジック204は、同様に、SD−ADC203のための位相を生成する。一実施例において、ロジック204は、同様に、Vref及び第3の電源を較正するために、較正有限状態機械(calibration finite state machine:較正FSM)を有する。ロジック204の一実施例は、図6を参照して説明される。較正FSM状態図の一実施例は、図7を参照して説明される。
【0021】
図2を再度参照すると、一実施例において、実質的なVbg(すなわち、動的なバンドギャップ基準電圧)は、動的な感知ステージ202を用いて作成される。一実施例において、ダイオードの2つのセットを流れる電流と、電圧Vbe1及びΔVbe(すなわちVbe2−Vbe1)とが測定される。Vbe1(及びVbe2)は、絶対温度に対して相補的(complementary to absolute temperature:CTAT)で、ΔVbeは、絶対温度と比例(proportional to absolute temperature:PTAT)する。この実施例では、実質的なVbgは、Vbe+α*ΔVbeとして表され、ここで、αは一定の乗数(例えば、16)であり、実質的なVbgは温度における変化に対して実質的に一定である。
【0022】
順方向活性領域におけるバイポーラトランジスタ(又はPN接合型ダイオード)のベース−エミッタ間電圧は、下記の周知の対数方程式により示されることができる。
【0023】
【数1】
【0024】
ここで、kはボルツマン定数であり、qは電子電荷であり、Tは絶対温度であり、Iはトランジスタの飽和電流であり、Ibiasは、バイアス回路により決定されたトランジスタのコレクタ電流である。飽和電流Iの強い温度依存性の結果、ベース−エミッタ間電圧は、例えば約2mV/℃の負の温度係数を有している。正確な値は、I及びIbiasの絶対値によって変わる。0K(ゼロケルビン)に対するVbeの外挿値は、シリコンバンドギャップエネルギーに関連している。この電圧は、I及びIbiasの絶対値と無関係である。
【0025】
一実施例において、バンドギャップ基準値は、SD−ADC203の基準電圧として使用されることができる。一実施例において、実質的なVbg(又は、動的な基準電圧)は、温度に依存しない電圧である実質的なVbgを獲得するために、ΔVbeの増幅されたバージョンをVbeに加えることにより生成される。実質的なVbgは下記のように表されることができる。
【0026】
REF=VBE+α・ΔVBE
【0027】
一実施例において、SD−ADC203は、α*ΔVbeと実質的なVbgの比率を、デジタル温度を含むように変換し(すなわち、ロジック204の出力)、それは下記のように表されることができる。
【0028】
【数2】
【0029】
一実施例において、SD−ADC203は、下記のようにVsampleを変換する。
【0030】
Dout=Vsample/(VBE+αΔVBE
【0031】
図3は、本開示の一実施例による、電源発生器のためのチャージポンプ300を例示する。あらゆる他の図面の要素と同じ参照符号(又は名前)を有する図3におけるそれらの要素は、説明された方法と同じあらゆる方法で動作又は機能し得るが、しかしそのようなものに限定されない、ということが指摘される。
【0032】
一実施例において、チャージポンプ300(例えば、101)は、スイッチングキャパシタC1及びC2、交差結合されたnタイプトランジスタMN1及びMN2、交差結合されたpタイプトランジスタMP1及びMP2、並びに、クロックバッファであるバッファ1及びバッファ2を備える。一実施例において、クロックバッファ1は、クロック信号Clkを受け取り、そしてバッファされたバージョンClk_dを生成する。一実施例において、クロックバッファ2は、Clk信号の反転、すなわちClkbを受け取り、そしてそのバッファされたバージョンClkb_dを生成する。一実施例において、Clk_dは、キャパシタC1の一方の端部により受け取られる。一実施例において、キャパシタC1の他方の端部(すなわち、ノードn1)は、MN1のソース端子及びMN2のゲート端子と結合される。一実施例において、MN1及びMN2のドレイン端子は、第1の電源と結合される。
【0033】
一実施例において、Clkb_dは、キャパシタC2の一方の端部により受け取られる。一実施例において、キャパシタC2の他方の端部(すなわち、ノードn2)は、MN2のソース端子及びMN1のゲート端子と結合される。一実施例において、MN2のソース端子(すなわち、ノードn2)は、MP1のソース/ドレイン端子及びMP2のゲート端子と結合される。一実施例において、キャパシタC1(それはClk_dを受け取る)は、MP2のソース/ドレイン端子及びMP1のゲート端子と結合される。一実施例において、MP1及びMP2のドレイン/ソース端子は、第2の電源を提供するように結合される。一実施例において、常に、キャパシタのうちの1つは、低電圧(例えば、0V)である一方の端子と、より高い電圧(例えば、1V)であるもう一方の端子を有する。一実施例において、トランジスタMP1及びMP2は、第2の電源を作成するために、電荷を出力ノードに伝播する。
【0034】
図4は、本開示の一実施例による、低損失(LDO)電圧調整器(VR)及び基準値発生器の構造400を例示する。あらゆる他の図面の要素と同じ参照符号(又は名前)を有する図4におけるそれらの要素は、説明された方法と同じあらゆる方法で動作又は機能し得るが、しかしそのようなものに限定されない、ということが指摘される。
【0035】
一実施例において、構造400は、基準値発生器401(例えば、図1の103)、及びLDO VR402(例えば、図1の102)を備える。一実施例において、基準値発生器401は、第1の電源をVrefに分割する電圧分割器を含み、ここで、Vrefは、Vref_codeにより調整可能である。一実施例において、電圧分割器は、抵抗器R2の一方の端子が第1の電源に結合され、そして抵抗器R2の他方の端部がVref及び抵抗器R3の端子に結合されるように、一緒に直列に結合された抵抗器R2及びR3を備える。一実施例において、グランドに結合されたもう一方の端子を有する抵抗器R3は、R3を通る対角線の矢印により示された可変抵抗を有している。一実施例において、抵抗器R3は、Vref_codeに従って有効又は無効にされることができる複数の並列の抵抗器である。一実施例において、抵抗器R0〜R3は、トランジスタとして実施される。他の実施例において、抵抗器R0〜R3は、複数の抵抗器、又は、トランジスタと複数の抵抗器の組み合わせとして実施されることができる。
【0036】
一実施例において、LDO VR402は、Vrefをノードn1上の電圧と比較する比較器(又は、増幅器)403を備え、ここで、ノードn1上の電圧は比較器403の出力の分割された電圧である。一実施例において、増幅器403は、第2の電源により電力を供給される。一実施例において、増幅器403の出力は、電圧感知ブロック104に提供される第3の電源である。一実施例において、ノードn1上の電圧は、電圧分割器を形成するように直列に結合された抵抗器R1から得られる。一実施例において、電圧感知ブロック104がVref_codeを調整する場合、言い換えるとVrefを調整する場合に、比較器403は第3の電源を調整する。実施例は、LDO VRのあらゆる特定の設計に限定されない。LDO VRの他の既知の実装例が、LDO VR402のために使用され得る。
【0037】
図5は、一実施例による、電圧感知ブロックのための感知ステージ501及びシグマ−デルタA/D変換器(SD−ADC)502の構造500を例示する。あらゆる他の図面の要素と同じ参照符号(又は名前)を有する図5におけるそれらの要素は、説明された方法と同じあらゆる方法で動作又は機能し得るが、しかしそのようなものに限定されない、ということが指摘される。
【0038】
一実施例において、感知ステージ501は、第1の電流源cs1、第2の電流源cs2、ダイオードの第1のセットD1、及びダイオードの第2のセットD2を備える。一実施例において、第1の電流源cs1は、第2の電流源cs2により生成される電流とは違った僅かな電流を生成する。例えば、cs1は、cs2のl/8の電流を発生させる。一実施例において、Vbe1及びVbe2がSD−ADC502に提供される。
【0039】
一実施例において、感知ステージ501は、ダイオードD1及びD2のジャンクション温度を、絶対温度に比例する(PTAT)電圧に変換する。一実施例において、ダイオードD1及びD2は、ダイオードの整合ペア(matched pair)を形成する。一実施例において、cs1及びcs2は、制御された電流比率(例えば、3.5、4、5、6、7、及び8)を有する電流ミラーとして実施される。一実施例において、ミラー電流の絶対値は、外部の抵抗器又は内部の抵抗器のいずれかにより制御され、そして抵抗器の値により分割された基準電圧に実質的に匹敵する。一実施例において、絶対電流(absolute current)は、それが熱センサ素子としてのダイオードの性能に影響を及ぼすダイオード内部の電流密度に影響を及ぼすので、制御された値であるように設計されている。一実施例において、電流ミラーは、Rout(すなわち、感知ステージ501の出力インピーダンス)を増やすために、利得増強配置(すなわち、調整されたカスコード)を有し、したがって、それらの電流を更に安定させる。
【0040】
一実施例において、比率電流(ratio current)は、9つの同じ電流源を利用することにより、そして右側のダイオード(すなわち、ダイオードD2)か又は左側のダイオード(すなわち、ダイオードD1)のいずれかに対する電流の異なるサブセットを切り替えることにより、実現される。一実施例において、不整合に対して弾力的な正確な電流比率を獲得するために、ダイナミックエレメントマッチング(Dynamic Element Matching:DEM)が使用される。一実施例において、DEM手段は、感知ダイオードに対する9つ電流源の接続を周期的に回転させ、そして電流ミラーの電流値を時間平均化することにより実現される。
【0041】
一実施例において、感知ステージ501は、同様に、ダイオードの不整合を克服するために、チョッピング(chopping)を使用する。例えば、電流比率(例えば、8:1)を選択したあとで、電流源cs1及びcs2は、同様に、逆の順序(例えば、1:8)でダイオードD1及びD2に接続されることができ、したがって、ΔVBEの符号を変える。逆の順序で電流源を結合することにより、搬送波周波数上の信号は効果的に変調され、それはSD−ADC502によりあとで復調される。一実施例において、チョッピング周波数は、SD−ADC502のサンプリング周波数と同じであり、したがって復調はDCに戻る。
【0042】
一実施例において、SD−ADC502は、ロジック503、利得ステージ504、加算器505、積分器506、比較器507、インバータ508、スイッチS1及びS2、並びに、加算器509を備える。一実施例において、ロジック503は、ΔVBEを生成するために、入力Vbe1及びVbe2を受け取り、Vbe1とVbe2との間の差異を判定する。一実施例において、ΔVBEは、利得αを有する利得ステージ504により増幅される。一実施例において、スイッチS1及びS2は、ビットストリームであるSD−ADC502の出力により制御される。
【0043】
一実施例において、加算器509は、順番にスイッチS1を経由して加算器505に提供される出力を提供するために、Vbe1、α*ΔVBE、及び−Vsampleを合計する。一実施例において、スイッチは、加算器509からの合計値とVsampleを交互に結合する(スイッチS1及びS2の交互スイッチングにより引き起こされる)。αの適切な選択は、分母におけるVBEのCTATの振る舞いとΔVBEのPTATの振る舞いを調和させることができ、SD−ADC502自身の中で実質的なVbgを達成する。この実施例では、前述の特性は、熱センサにおいて、感知経路からバンドギャップを省略するために使用される(すなわち、その代りに感知ステージに既に埋め込まれている自然の“バンドギャップ”を利用する)。
【0044】
一実施例において、加算器505の出力は、積分器506により積分される。一実施例において、積分器506の出力は、クロック信号Clkによりクロック制御される(clocked)クロック動作比較器(clocked comparator)507により受け取られる。一実施例において、比較器507の出力は、出力ビットストリームであり、次にロジック204によりフィルタ処理される。一実施例において、ビットストリームは、インバータ508により反転される。この実施例では、ビットストリーム及びその反転されたバージョンは、スイッチS1及びS2を制御するために使用される。
【0045】
一実施例において、SD−ADC502は、2次で、1ビットの、スイッチドキャパシタベースの設計である。少ない帯域幅アプリケーションを有する実施例に関して、オーバサンプリング比(over-sampling ratio:OSR)は、SD−ADC502の分解能を制限しないように、十分に高いかもしれない。2次のSD−ADC502は、高次の変調器の安定性の問題を減少させることができるとともに、アイドルトーンの生成を減少させる。2次のSD−ADC502は、同様に、OSRに対する、したがって積分器の増幅器の利得に対する要求を削減する。一実施例において、積分器パラメータ(利得)は、連続時間変調器(continuous time modulator)におけるRCコンポーネントの絶対値より正確であるキャパシタの比率によって定義される。一実施例において、共通モード妨害に起因する電源雑音及び他の歪みを削減するために、十分な差動の接続形態がSD−ADC502のために使用される。
【0046】
一実施例において、SD−ADC502の第2のステージは、主に量子化誤差に影響を与え、したがってADCの本質的な伝達関数を変更しない。基準値ベースのシグマ−デルタに、どのように電圧比(ΔVBE/VBG)がコンバータにより平均デューティ比(又は‘1’の密度比)に変換されるかを示すチャージバランスの計算が適用される。
【0047】
図6は、一実施例による、SD−ADCの出力をフィルタ処理するためのロジック600を例示する。あらゆる他の図面の要素と同じ参照符号(又は名前)を有する図6におけるそれらの要素は、説明された方法と同じあらゆる方法で動作又は機能し得るが、しかしそのようなものに限定されない、ということが指摘される。一実施例において、ロジック600は、CICローパスフィルタであり、そして遅延ステージ601、加算器602及び603、並びに、遅延ステージ604を備える。一実施例において、SD−ADC203からのビットストリーム(すなわち、x[n]、ここで‘n’はビットの数である)は、遅延ステージ601及び加算器602により受け取られる。遅延ステージ601及び加算器602の出力は、次に、最後のフィルタ処理された出力y[n]を生成するために、y[n−l]に加えられる。
【0048】
図7は、一実施例による、基準電圧を較正するとともに温度を測定するための方法700を例示する。あらゆる他の図面の要素と同じ参照符号(又は名前)を有する図7におけるそれらの要素は、説明された方法と同じあらゆる方法で動作又は機能し得るが、しかしそのようなものに限定されない、ということが指摘される。
【0049】
図7を参照してフローチャートにおけるブロックが特定の順序で示されるが、動作の順序は変更されることができる。したがって、例示された実施例は、異なる順序で実行されることができるとともに、いくつかの動作/ブロックは、並列に実行され得る。図7においてリストされるブロック及び/又は動作のいくつかは、特定の実施例に従って任意である。提示されたブロックの番号付けは、明確にするためであり、様々なブロックが発生しなければならない動作の順序を指示することを意図していない。さらに、様々なフローが提供する動作は、様々な組み合わせにおいて利用され得る。
【0050】
一実施例において、ブロック701で、基準値発生器103は、電圧調整器102のために基準電圧Vrefを較正する。電圧調整器102により生成される第3の電源は、矢印704により示されるように、SD−ADC203に提供される。一実施例において、SD−ADC203は、電圧調整器102により生成される第3の電源をサンプリングする。例えば、SD−ADC203は、Vbe1(及び/又はVbe2)により第3の電源をサンプリングするために使用されるVsampleを生成するために、抵抗器Rs1及びRs2を使用して第3の電源を分圧する。一実施例において、SD−ADC203は、第3の電源が正確であるかどうかを判定するために、サンプリングされた電源を目標電圧と比較する。もし第3の電源が正確ではないならば、矢印706により示されるように、処理はブロック701に戻る。そうでなければ、矢印705により示されるように、処理はブロック703に進む。
【0051】
一実施例において、サンプリングされた電源が正確ではない限り、ブロック701におけるVrefを較正する処理が繰り返される。ブロック703で、SD−ADC203は、サンプリングされた電源の目標電圧との比較に応答して、ダイオードD1(及び/又はD2)の温度をサンプリングする。一実施例において、矢印707により示されるように、温度サンプリングは、連続して、及び/又は、定期的に発生する。一実施例において、矢印708により示されるように、所定数のクロックサイクルのあとで、処理はブロック702に進み、第3の電源は、正確度についてチェックするために再度サンプリングされる。一実施例において、所定数のサイクルは、10000サイクルであり得る。他の実施例では、他のサイクル数が使用され得る。一実施例において、サンプリングされた電源が正確ではない場合、サンプリングされた電源を較正する処理が繰り返される。
【0052】
図8は、本開示の一実施例による、熱センサ及び/又は位相ロックループ(PLL)に使用される動的な基準値を使用する電源発生器を有するシステム800である。あらゆる他の図面の要素と同じ参照符号(又は名前)を有する図8におけるそれらの要素は、説明された方法と同じあらゆる方法で動作又は機能し得るが、しかしそのようなものに限定されない、ということが指摘される。
【0053】
一実施例において、システム800は、構造100を参照して論じられた電源発生器及び電圧感知ブロックのペアを備える。一実施例において、システム800は、ダイ上の(すなわち、プロセッサ801の内部の)電源発生器と電圧感知ブロックのペアを有するプロセッサ801を備える。一実施例において、システム800は、同様に、外部の(すなわち、プロセッサ801の外部にある)電源発生器802a及び電圧感知ブロック802bのペアを備える。この実例では、電圧感知ブロック802bは、熱センサ(例えば、電圧感知ブロック104)である。一実施例において、ダイ上の電源発生器及び電圧感知ブロックのペアは、電源発生器804a及び熱センサ804bのペア、電源発生器805a及びPLL(又はADC)805bのペア、電源発生器806a及び熱センサ806bのペアを含む。熱センサ806bの実例において、感知ステージ202のダイオードD1及び/又はD2は、ダイの遠隔位置の温度を感知するために、ダイ内部で遠く離れて配置される(例えば、遠隔ダイオード807)。
【0054】
図9は、本開示の一実施例による、動的な基準値を使用する電源発生器を有するスマートデバイス又はコンピュータシステム又はSoC(システムオンチップ)1600である。あらゆる他の図面の要素と同じ参照符号(又は名前)を有する図9におけるそれらの要素は、説明された方法と同じあらゆる方法で動作又は機能し得るが、しかしそのようなものに限定されない、ということが指摘される。
【0055】
図9は、平面インタフェースコネクタが使用されるであろう移動機の実施例の構成図を例示する。一実施例において、コンピューティング装置1600は、計算タブレット、携帯電話又はスマートフォン、無線機器対応の電子読み取り機、又は他の無線移動機のような携帯型のコンピューティング装置を表す。特定のコンポーネントが概して示されるとともに、そのような装置の全てのコンポーネントがコンピューティング装置1600において必ずしも示されるとは限らない、ということが理解されることになる。
【0056】
一実施例において、コンピューティング装置1600は、論じられた実施例を参照して説明された動的な基準値を使用する電源発生器を有する第1のプロセッサ1610を含む。コンピューティング装置1600の他のブロックは、同様に、実施例を参照して説明された動的な基準値を使用する電源発生器を有する装置を含む。本開示の各種の実施例は、同様に、無線インタフェースのような1670内部にネットワークインタフェースを備えることができ、したがって、システム実施例は、無線装置、例えば携帯電話又は携帯情報端末又はウェアラブル機器に組み込まれることができる。
【0057】
一実施例において、プロセッサ1610(及び/又はプロセッサ1690)は、マイクロプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルロジックデバイス、又は他の処理手段のような、1つ又は複数の物理的装置を含むことができる。プロセッサ1690は、任意であり得る。実施例が2つのプロセッサを示す一方、単一のプロセッサ、又は2つを超えるプロセッサが使用され得る。プロセッサ1610により実行される処理動作は、アプリケーション及び/又は装置機能が実行されるオペレーティングプラットフォーム又はオペレーティングシステムの実行を含む。処理動作は、人間のユーザ又は他の装置によるI/O(入力/出力)と関係がある動作、電源管理と関係がある動作、及び/又は、コンピューティング装置1600を別の装置に接続することと関係がある動作を含む。処理動作は、同様に、オーディオI/O及び/又はディスプレイI/Oと関係がある動作を含む。
【0058】
一実施例において、コンピューティング装置1600は、オーディオサブシステム1620を含み、それは、オーディオ機能をコンピューティング装置に提供することと関連付けられたハードウェア(例えば、オーディオ機材及びオーディオ回路)コンポーネント、並びにソフトウェア(例えば、ドライバ、コーデックなど)コンポーネントを表す。オーディオ機能は、マイクロフォン入力と同様に、スピーカ及び/又はヘッドホン出力を含むことができる。そのような機能のための装置は、コンピューティング装置1600に統合されることができるか、又は、コンピューティング装置1600に接続されることができる。一実施例において、ユーザは、プロセッサ1610により受け取られて処理されるオーディオ命令を与えることにより、コンピューティング装置1600と対話する。
【0059】
ディスプレイサブシステム1630は、コンピューティング装置1600と対話するために、ユーザに対して視覚及び/又は触覚の表示を提供するハードウェア(例えば、表示装置)コンポーネント、及びソフトウェア(例えば、ドライバ)コンポーネントを表す。ディスプレイサブシステム1630は、ディスプレイインタフェース1632を含み、それは表示をユーザに提供するために使用される特定のスクリーン又はハードウェア装置を含む。一実施例において、ディスプレイインタフェース1632は、表示に関係した少なくともいくつかの処理を実行するために、プロセッサ1610とは別のロジックを含む。一実施例において、ディスプレイサブシステム1630は、ユーザに対する出力と入力の両方を提供するタッチスクリーン(又はタッチパッド)装置を含む。
【0060】
I/O制御器1640は、ユーザとの対話に関係したハードウェア装置及びソフトウェアコンポーネントを表す。I/O制御器1640は、オーディオサブシステム1620及び/又はディスプレイサブシステム1630の一部であるハードウェアを管理するように動作可能である。さらに、I/O制御器1640は、コンピューティング装置1600につながり、それを通してユーザがシステムと対話することになる追加の装置のための接続ポイントを例示する。例えば、コンピューティング装置1600に取り付けられることができる装置は、マイクロフォン装置、スピーカ若しくはステレオシステム、ビデオシステム若しくは他の表示装置、キーボード若しくはキーパッド装置、又は、カードリーダ若しくは他の装置のような特定のアプリケーションによる使用のための他のI/O装置を含むであろう。
【0061】
上記で言及されたように、I/O制御器1640は、オーディオサブシステム1620及び/又はディスプレイサブシステム1630と相互に作用し得る。例えば、マイクロフォン又は他のオーディオ装置を通じての入力は、コンピューティング装置1600の1つ又は複数のアプリケーション又は機能のための入力又は命令を提供することができる。さらに、ディスプレイ出力の代わりに、又はディスプレイ出力に追加して、オーディオ出力が提供されることができる。別の実例では、もしディスプレイサブシステム1630がタッチスクリーンを含むならば、表示装置は、同様に、I/O制御器1640により少なくとも部分的に管理されることができる入力装置の機能を果たす。I/O制御器1640により管理されるI/O機能を提供するために、コンピューティング装置1600には、同様に、追加のボタン又はスイッチがあり得る。
【0062】
一実施例において、I/O制御器1640は、加速度計、カメラ、光センサ若しくは他の環境センサのような装置、又は、コンピューティング装置1600に含まれることができる他のハードウェアを管理する。(雑音に関してフィルタ処理を行うこと、輝度検出のためにディスプレイを調整すること、カメラに対してフラッシュを適用すること、又は他の特徴のような)システムの動作に影響を与えるためにシステムに環境上の入力を行うことと同様に、入力は、直接的なユーザ対話の一部分とすることができる。
【0063】
一実施例において、コンピューティング装置1600は、バッテリ電力使用、バッテリの充電、及び省電力動作に関連する特徴を管理する電源管理1650を含む。メモリサブシステム1660は、情報をコンピューティング装置1600に保存するためのメモリ装置を含む。メモリは、不揮発性(メモリ装置に対する電力が中断され場合に状態が変わらない)及び/又は揮発性(メモリ装置に対する電力が中断され場合に状態が不定になる)のメモリ装置を含むことができる。メモリサブシステム1660は、(長期にわたるか、もしくは一時的であるかどうかに拘らず)コンピューティング装置1600のアプリケーション及び機能の実行に関係したシステムデータと同様に、アプリケーションデータ、ユーザデータ、音楽、写真、文書、又は他のデータを保存することができる。
【0064】
実施例の要素は、同様に、コンピュータ実行可能命令(例えば、ここで論じられたあらゆる他の処理を実施するための命令)を保存するための機械読み取り可能媒体(例えば、メモリ1660)として提供される。機械読み取り可能媒体(例えば、メモリ1660)は、フラッシュメモリ、光ディスク、CD−ROM、DVD ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、相変化メモリ(PCM)、又は、電子命令若しくはコンピュータ実行可能命令を保存することに適当な他のタイプの機械読み取り可能媒体を含み得るが、しかしそれに限定されない。例えば、本開示の実施例は、通信リンク(例えば、モデム又はネットワーク接続)を通して、データ信号として、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)から要求したコンピュータ(例えば、クライアント)に転送され得るコンピュータプログラム(例えば、BIOS)としてダウンロードされ得る。
【0065】
接続性1670は、コンピューティング装置1600が外部装置と通信することを可能にするために、ハードウェア装置(例えば、無線及び/又は有線コネクタ、並びに通信ハードウェア)、及びソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)を含む。コンピューティング装置1600は、ヘッドホン、プリンタ、又は他の装置のような周辺装置に加えて、他のコンピューティング装置、無線アクセスポイント、又は基地局のような別個の装置であり得る。
【0066】
接続性1670は、複数の異なるタイプの接続性を含むことができる。一般化するために、コンピューティング装置1600は、セルラの接続性1672、及び無線の接続性1674とともに例示される。セルラの接続性1672は、一般に、GSM(登録商標)(汎欧州デジタル移動電話方式)若しくは変形物若しくは派生物、CDMA(符号分割多元接続)若しくは変形物若しくは派生物、TDM(時分割多重化)若しくは変形物若しくは派生物、又は他のセルラサービス標準を通して提供されるような、無線キャリアにより提供されるセルラネットワークの接続性のことを指す。無線の接続性(又は無線インタフェース)1674は、セルラではない無線の接続性のことを指すとともに、(ブルートゥース、ニアフィールドなどのような)パーソナルエリアネットワーク、(Wi−Fiのような)ローカルエリアネットワーク、及び/若しくは(WiMaxのような)ワイドエリアネットワーク、又は、他の無線通信を含むことができる。
【0067】
周辺接続1680は、周辺接続を実行するためのソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)だけでなく、ハードウェアインタフェース及びコネクタを含む。コンピューティング装置1600は、コンピューティング装置1600に接続される周辺装置(1684)を有するばかりでなく、他のコンピューティング装置に対する周辺装置(1682)であり得る、ということが理解されることになる。コンピューティング装置1600は、コンピューティング装置1600上の内容物を管理する(例えば、ダウンロードする及び/又はアップロードする、変更する、同期する)ことのような目的のために他のコンピューティング装置に接続するための“ドッキング”コネクタを一般に有している。さらに、ドッキングコネクタは、コンピューティング装置1600が例えば視聴覚システム又は他のシステムに出力される内容物を制御することを可能にする特定の周辺装置に、コンピューティング装置1600が接続することを可能にすることができる。
【0068】
独自仕様のドッキングコネクタ又は他の独自仕様の接続ハードウェアに加えて、コンピューティング装置1600は、一般的な又は標準ベースのコネクタを通して周辺接続1680を実行することができる。一般的なタイプは、ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタ(それは多くの異なるハードウェアインタフェースのうちのどれでも含むことができる)、ミニディスプレイポート(MiniDisplayPort:MDP)を含むディスプレイポート、高精細度マルチメディアインターフェース(High Definition Multimedia Interface:HDMI)、ファイヤーワイヤ(Fire wire)、又は他のタイプを含むことができる。
【0069】
「実施例」、「一実施例」、「いくつかの実施例」、又は「他の実施例」に対する明細書における参照は、実施例に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が、少なくともいくつかの実施例に含まれているが、しかし必ずしも全ての実施例に含まれているとは限らないことを意味する。「実施例」、「一実施例」、又は「いくつかの実施例」の様々な出現は、必ずしも全て同じ実施例を参照しているとは限らない。明細書で、ある構成要素、特徴、構造、又は特性を、「含まれ得る(may)」、「含まれる場合がある(might)」、又は「含まれることもあり得る(could)」と記載している場合には、その特定の構成要素、特徴、構造、又は特性は、必ずしも含まれている必要がない。明細書又は特許請求の範囲が単数の要素に言及する場合、それはその要素が一つだけあることを意味していない。明細書又は特許請求の範囲が「さらなる」要素に言及する場合、それはそのさらなる要素が二つ以上あることを排除しない。
【0070】
さらに、特定の特徴、構造、機能、又は特性は、1つ又は複数の実施例において、あらゆる適切な方法で結合され得る。例えば、2つの実施例に関連付けられた特定の特徴、構造、機能、又は特性が相互に排他的ではない場合、第1の実施例は第2の実施例と結合され得る。
【0071】
本開示が、それについて特定の実施例と共に説明された一方、前述の説明に照らして、そのような実施例の多くの代替物、修正物、及び変形物が、当業者には明白であろう。例えば、他のメモリ構造、例えばダイナミックRAM(DRAM)は、論じられた実施例を使用し得る。本開示の実施例は、添付の請求項の広い範囲に含まれるように、全てのそのような代替物、修正物、及び変形物を包含することを意図している。
【0072】
さらに、集積回路(IC)チップ及び他の構成要素に対する周知の電力接続/グランド接続は、図解及び討論の簡単化のために、そして本開示を不明瞭にしないために、提示された図面の中に示されるとは限らない。さらに、配置は、本開示を不明瞭にすることを回避するために、そして、同様に、そのような構成図の配置の実装に関しての詳細は、本開示が実装されるべきプラットフォームに非常に依存している(すなわちそのような詳細は十分に当業者の範囲内にあるべきである)という事実を考慮した結果、構成図の形式で示され得る。特定の詳細(例えば、回路)が本開示の実例の実施例を記述するために説明される場合に、本開示は、これらの特定の詳細なしで、又はこれらの特定の詳細の変形によって、実施されることができる、ということが当業者には明白であるべきである。説明は、したがって、限定的である代わりに、実例となると見なされるべきである。
【0073】
下記の実例は、更なる実施例と関係がある。実例における詳細は、1つ又は複数の実施例におけるどこにでも使用され得る。ここで説明される装置の全ての任意の特徴は、方法又は処理に対して同様に実施され得る。
【0074】
例えば、一実施例において、第1の電源を受け取り、そして第2の電源を生成するチャージポンプと、上記第2の電源を用いて動作する電圧調整器であって、基準値を受け取り、そして第3の電源を生成するための入力を有する上記電圧調整器と、上記第1の電源を用いて動作する基準値発生器であって、電圧感知ブロックの出力に従って上記基準値を提供する上記基準値発生器とを備える、装置が提供される。
【0075】
一実施例において、上記装置は、上記第3の電源を受け取る負荷を更に備える。一実施例において、上記電圧感知ブロックは、ダイオード電圧における差異、又はダイオード電圧を提供する感知ステージを含む。一実施例において、上記電圧感知ブロックは、上記第3の電源を用いて動作する。一実施例において、上記電圧感知ブロックは、上記感知ステージと結合されたシグマ−デルタA/D変換器(SD−ADC)を含む。一実施例において、上記SD−ADCは、ビットストリームを生成するために上記第3の電源の変形をダイオード電圧における差異と比較するように動作可能である。
【0076】
一実施例において、上記電圧感知ブロックは、上記SD−ADCから上記ビットストリームを受け取り、そして上記基準値発生器を制御するための出力を生成するフィルタを含む。一実施例において、上記フィルタは、ダイオードの温度を出力する。一実施例において、上記負荷は、上記第3の電源を用いて動作する位相ロックループを含む。一実施例において、上記電圧調整器は、低損失(LDO)ベースの電圧調整器である。一実施例において、上記LDOベースの電圧調整器は、上記第2の電源で動作する増幅器又は比較器を備える。一実施例において、上記増幅器又は上記比較器は、上記基準値を受け取るための第1の入力、及び上記LDOベースの電圧調整器の出力と関連付けられたフィードバックを受けるための第2の入力を有する。
【0077】
一実施例において、上記第1の電源は、デジタル電源である。一実施例において、上記チャージポンプにより生成される上記第2の電源は、アナログ電源である。一実施例において、上記第2の電源は上記第1の電源より高く、上記第3の電源は上記第2の電源より低い。一実施例において、上記チャージポンプは、電荷を保存するための第1のキャパシタ、及び上記第1のキャパシタからの電荷を受け取るための第2のキャパシタを備える。
【0078】
別の実施例において、基準値発生器により、電圧調整器のための基準電圧を較正するステップと、上記電圧調整器により生成される電源をサンプリングするステップと、上記のサンプリングされた電源を目標電圧と比較し、サンプリングされた電源が上記目標電圧より小さい場合に上記較正するステップを繰り返すステップと、上記比較するステップに応答して1つ又は複数のダイオードの温度をサンプリングするステップとを含む、方法が提供される。
【0079】
一実施例において、上記方法は、上記1つ又は複数のダイオードの温度の所定数のサンプリングのあとで上記電源を再度サンプリングするステップと、上記のサンプリングされた電源を上記目標電圧と比較するステップと、上記のサンプリングされた電源が上記目標電圧より小さい場合に上記較正するステップを繰り返すステップとを更に含む。
【0080】
別の実施例において、メモリと、上記メモリと結合されたプロセッサであって、上記で論じられた装置による装置を有する上記プロセッサと、上記プロセッサが別の装置と通信することを可能にするための無線インタフェースとを備える、システムが提供される。一実施例において、上記システムは、表示装置を更に備える。
【0081】
読者が技術的開示の性質及び要旨を確かめることを可能にするであろう要約が提供される。要約は、要約が請求項の範囲又は意味を限定するために使用されないであろう、という了解のもとに提出される。添付の請求項は、この結果、各請求項が別個の実施例として独立している状態で詳細な説明に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9