(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
100cc/100gまでのオイル吸収値および0.5〜3mL/gの水銀貫入量を有する沈殿したケイ酸塩粒子を含む建築用コーティング剤組成物であって、前記ケイ酸塩粒子のうち少なくとも80%が十分丸いものとなるよう丸くし、かつ、前記ケイ酸塩粒子は、0.9よりも大きい球形度(S80)と、1〜8.0mg損失/100,000回転より低いブラス・アインレーナー摩耗値とを有する、建築用コーティング剤組成物。
水、プロピレングリコール、バインダ、安定剤、合体剤、消泡剤、界面活性剤、分散剤、pH緩衝剤、炭酸カルシウム、殺生物剤、アクリル系乳剤のうち少なくとも一つ、又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
前記沈殿したケイ酸塩粒子は、1.8〜2.5の均一度係数と、0.2〜0.31の曲率係数と、1.3〜1.7の曲線形状値とのうち、1または2以上を有する、請求項1に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用する用語「建築用コーティング剤組成物(architectural coating comp
osition)」は、本明細書に記載するシリカ(二酸化ケイ素)又はケイ酸塩(シリケート
)を含有する液状の、液化可能な、又はマスチック(防水・仕上げ剤)的な任意の組成物
であり、基板に塗布した後に固相被膜に変わる組成物を意味する。コーティング剤組成物
は、任意の構造物の内部又は外部に塗布できる。
【0011】
本明細書に記載するコーティング剤組成物は、連続プロセスによって調製したシリカ又
はケイ酸塩の生成物を含む。この組成物は、一般的にコーティング剤組成物に使用されて
おり、コーティング剤の重要な性能特性を維持するVOC及び/又はAPEOを減らす又
は排除しさえすることによって、コーティング剤が環境に与える影響を少なくする。
【0012】
本明細書に記載するシリカ及びケイ酸塩の生成物は、独特な粒子特性を有し、この特性
としては、硬さ、少ない表面積、回転楕円体形状、望ましいオイル吸収性があり、これら
特性はコーティング剤組成物におけるVOC及びAPEO要求を減らすのに有用である。
さらに、本発明による組成物によっては環境に対する恩恵も得られ、なぜなら、この組成
物を調製するプロセスは、コーティング剤として仕上げる加工に、大幅に少ない水及びエ
ネルギーだけで済むからである。
【0013】
簡潔ではあるが上述したように、コーティング剤組成物は任意のコーティング剤組成物
とすることができ、また任意の基板に塗布することができる。この組成物は、コーティン
グ剤に存在することがあり得るポリマー及び顔料の無欠性を維持して優れた耐摩耗性を示
すので、交通用塗料としての使用が容易である。組成物は、優れた防汚性及びくすみ耐性
を示すので、自動車の内部コーティング剤としても有用である。このようなコーティング
剤の例としては、クリアコート、ディープカラーコート、ブラック・ベースコート又はモ
ノコートがある。さらに、この組成物は、住宅用又は広告用の塗料として有用であり、ま
た望ましいスクラブ(こすり)抵抗を示すので、任意な内部又は外部の表面に塗布するこ
とができる。この組成物は、例えば、合成又は複合フローリング材料の床用コーティング
剤としても有用である。
【0014】
本明細書に記載の組成物は、調合剤の物理的特性を高めるとともに、良好な耐衝撃性、
改善した流動特性、改善した押出し特性及び成形特性を示すので、プラスチック合成物及
びマスターバッチ調合物にも有用である。この組成物は、さらに、形成したプラスチック
部品におけるはみ出し、編目状ライン、及び他の表面欠陥を少なくする。同様に、この組
成物は、コイル被覆、グラフィックアーツ、及び形成又は成形したプラスチック製品の特
性を高めるプラスチゾル調合剤に有用である。この組成物は、上述したように、耐摩耗性
、並びに可撓性及び改善された転写特性のような良好な流動学的(レオロジー)特性を示
す。このような組成物は、基板(サブストレート)に対してシルクスクリーン法又は衣類
及び/又はパッケージに対するラベル付け及び装飾用の他の方法によって塗布することが
できる。
【0015】
コーティング剤組成物は、上述のシリカ及び/又はケイ酸塩の生成物を、コーティング
剤組成物に使用する様々な他の構成成分とともに含有する。この組成物内に存在させるこ
とができる構成成分としては、例えばNATROSOL(登録商標)のようなセルロース
増量剤、TAMOL(登録商標)のようなアニオン分散剤、例えばTERGITOL(登
録商標)のような表面濡らし剤、例えばFOAMASTER(登録商標)のような消泡剤
、KATHON 1X(登録商標)のような防腐剤、二酸化チタンのような増量剤、DI
AFIL(登録商標)のような珪藻類増量剤及び平坦化剤、か焼した粘土のような他の増
量剤及び乳白剤、LATEX(登録商標)のようなアクリル系バインダ樹脂、エステルア
ルコール製の合体溶剤のような合体剤、解凍安定剤及び他の安定剤、ウレタン増粘剤のよ
うな増粘剤がある。組成物に含めることができる結合剤としては、限定しないが、合成又
は天然の樹脂、例えば、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ビニル−アクリル樹脂、ビニルア
セテート/エチレン(VAE)樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂又はオイルがある。
【0016】
組成物のバランスは、水及び/又はプロピレングリコールによってとるのが一般的であ
る。水の他に、他の希釈剤、例えば脂肪族化合物、芳香族化合物、アルコール、ケトン、
揮発油、石油蒸留物、エステル、グリコールエーテル、低分子量合成樹脂等を含むことが
できる。水のような環境に優しい希釈剤が好ましい。
【0017】
他の幾多の添加剤も組成物に含有させることができ、このような添加剤としては、限定
しないが、表面張力を変更する添加剤、流れ特性を改善する添加剤、仕上がりの外観を改
善する添加剤、濡れ端縁を増大する添加剤、顔料安定性を改善する添加剤、不凍特性を付
与する添加剤、発泡を制御する添加剤、剥離性を制御する添加剤がある。組成物に含有さ
せることができる他の添加剤としては、限定しないが、触媒、増量剤、安定剤、乳化剤、
質感付与剤、粘着促進剤、UV安定剤、艶消し剤、細菌の増殖を阻止する殺生物剤等があ
る。オイルは、レオロジー改変剤、艶変更剤及び保護剤として使用することができ、保護
剤はコーティングに対するダメージを軽減し、保護剤がないとしたら被覆される材料の使
用環境における成形プロセス及び劣化誘発因子からダメージを生ずる。
【0018】
コーティング剤組成物は、従来から既知の方法及び以下に説明する方法によって調製す
る。
【0019】
本明細書に記載のコーティング剤組成物に含まれる、シリカ、ケイ酸塩の粒子及び生成
物、並びにシリカ粒子及び生成物を形成する方法は、「シリカの連続生成プロセス及びこ
のプロセスから調製したシリカ生成物」と題する米国特許出願公開第2011/0206
746号に記載されており、この刊行物は参照によって全体が本明細書に組み込まれるも
のとし、またシリカ粒子及びこのような粒子を形成する方法を開示することを目的とする
。一実施形態において、特別な生成物又は粒子、並びにこのような生成物又は粒子を形成
する方法は、米国特許出願公開第2011/0206746号に記載された任意のもの及
びすべてとすることができる。
【0020】
シリカ及びケイ酸塩を調製するプロセスは、酸性化剤(acidulating agent)及びアル
カリ金属ケイ酸塩を、液体溶媒流を有するループ型反応ゾーン内に供給し、この反応ゾー
ン内で酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩の少なくとも一部を反応させて、ループ型反応
ゾーンにおける液体溶媒にシリカ生成物を形成する。酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩
を連続的にループ型反応ゾーン内に供給するとき、ループ型反応ゾーンにおける内容物(
すなわち、液体溶媒)は連続的に再循環する。シリカ又はケイ酸塩の生成物は、シリカ又
はケイ酸塩の生成物を含む液体溶媒の一部を排出することにより収集し、この排出量は、
一実施形態においては、ループ型反応ゾーンに添加される原材料の量に等しいものとする
。
【0021】
本明細書に使用する用語「ループ型反応ゾーン」は、再循環する液体溶媒を含み、酸性
化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩が反応してシリカ又はケイ酸塩の生成物を形成する連続回
路をなす反応器の内側領域を意味する。以下に説明するように、一実施形態においては、
ループ型反応ゾーンは、1個又は複数個のループ型反応器パイプの連続ループの壁によっ
て画定される。概して、ループ型反応ゾーン内の液体溶媒は、プロセスの段階に応じて組
成物内で変化する。酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩を液体溶媒内に添加する前では、
溶媒は水又は適当な水溶液又は分散液(スラリー)のみを含むものとすることができる。
一実施形態において、酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩をループ型反応ゾーン内に供給
する前に、溶媒は種シリカを含むものとすることができ、この種シリカは、ループ型反応
ゾーン内の凍結を少なくし、シリカ又はケイ酸塩の生成物を形成するのを補助する。特別
な実施形態において、酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩を添加する前に、沈殿したシリ
カ又はケイ酸塩、硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム及び水を先ずループ型反応ゾーンに
添加し、そして所望の再循環をさせ、その後に酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩を添加
することができる。酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩をループ型反応ゾーンに供給する
とき、シリカ又はケイ酸塩の生成物が液体反応溶媒に形成される。シリカ又はケイ酸塩の
生成物は概して沈殿生成物であり、したがって、液体反応溶媒中では分散相である。一実
施形態において、シリカ又はケイ酸塩の生成物を収集する前に種シリカ又は種シリケート
をループ型反応ゾーンから取り除くことができる。
【0022】
プロセスの温度及び圧力は広範囲に変化することができ、どんなタイプのシリカ又はケ
イ酸塩の生成物が望まれるかに基づく。プロセスの一実施形態において、ほぼ環境温度か
ら130℃にわたる温度を液体溶媒に維持する。同様に、広範囲の圧力を使用することが
できる。圧力は大気圧力からより高い圧力までの範囲にわたる。例えば、連続ループ型反
応器をプロセスに使用するとき、反応器には背圧弁を装着し、反応器内部の圧力を広範囲
に制御する。
【0023】
アルカリ金属ケイ酸塩及び酸性化剤を種々の送りレートで反応ゾーンに供給することが
できる。アルカリ金属ケイ酸塩を添加する送りレートはケイ酸塩の所望濃度が反応ゾーン
に維持されるとともに、酸性化剤を添加する送りレートは所望pHが反応ゾーンに維持さ
れるされるような割合で供給する。一実施形態において、アルカリ金属ケイ酸塩はループ
型反応ゾーン内に少なくとも0.5L/分の送りレートで供給する。アルカリ金属ケイ酸
塩の最大添加率は、ループ型反応器の容積、及びシリカ生成プロセスの規模に応じて広範
囲に変化する。ケイ酸塩の高い添加率は、例えば、大量の反応物を使用する極めて大規模
なプロセスにおいて望ましい。特別な一実施例において、アルカリ金属ケイ酸塩は、0.
5〜5L/分又0.5〜3L/分の送りレート(割合)で供給する。
【0024】
酸性化剤は、一般的に、ループ型反応器に液体溶媒内のpHを2.5〜10.5に維持
するのに十分な送りレートでループ型反応ゾーンに供給する。一実施形態において、酸性
化剤は、ループ型反応ゾーンに対して、液体溶媒におけるpHが7.0〜10又は7.0
〜8に維持するのに十分な送りレートで供給する。例えば、特別な実施形態において、約
7.5のpHを液体溶媒に維持する。液体溶媒のpHは、任意の従来型pH感知電極によ
ってモニタリングすることができる。若干の実施例において、液体溶媒のpHは液体溶媒
(スラリー)のpHを直接測定することによって評価することができる。これら実施例に
おいて、液体反応溶媒のpHは、一般的に、2.5〜10.5、又は6〜10、又は7〜
8.5の範囲にわたるものとする。
【0025】
液体溶媒は、ループ型反応ゾーン内における条件、例えばループ型反応ゾーン内におけ
る混合度又は剪断度に基づいて、また生成プロセスの規模に応じて、種々のレートで再循
環させることができる。概して、液体溶媒は、ループ型反応ゾーンを少なくとも15L/
分のレートで再循環させる。特別な実施例において、液体溶媒はループ型反応ゾーンに対
して15〜100L/分、又は30〜80L/分又は70〜80L/分の割合で再循環さ
せる。
【0026】
種々の酸性化剤を使用することができ、種々の酸及びアルカリ金属ケイ酸塩と反応して
シリカ又はケイ酸塩の生成物を形成する他の様々な反応剤がある。酸又は酸性化剤は、強
鉱酸、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などのルイス酸又はブレンステッド酸とすること
ができる。このような酸は希釈溶液として反応ゾーンに添加することができる。特別な例
として、6〜35重量%、より好適には、10〜17重量%の硫酸溶液を酸性化剤として
ループ型反応ゾーンに供給することができる。他の実施形態において、CO
2のような気
体を酸性化剤として使用することができる。二酸化炭素は弱酸(炭酸)を生成し、したが
って、液体溶媒にとっては、弱酸を使用するとき約8.5より大きいpHターゲットを維
持するのが望ましい。
【0027】
酸性化剤は、所望のシリカ又はケイ酸塩の生成物におけるタイプに基づいて選択するこ
とができる。例えば、硫酸アルミニウムの酸性溶液を酸性化剤として使用することができ
、これにより生ずるシリカ又はケイ酸塩の生成物は、したがって、アルカリアルミノケイ
酸塩となる。特別な実施例として、硫酸アルミニウムを硫酸に添加し、またこの混合物を
酸性化剤として使用することができる。
【0028】
金属ケイ酸塩、ジシリケート等のいずれをも含む、任意の適当なアルカリ金属ケイ酸塩
を本発明によるプロセスに使用することができる。水溶性のケイ酸カリウム及びケイ酸ナ
トリウムが特に好適である。一般的に、本発明による容認可能なシリカ生成物は、種々の
アルカリ金属:ケイ酸塩のモル比を有するケイ酸塩で形成することができる。ケイ酸ナト
リウムに関しては、一般的に、例えばNa
2O:SiO
2 のモル比が約1:1〜3.5、
好適には、1:2.4〜1:3.4の範囲内の値となるようにする。ループ型反応ゾーン
に供給されるアルカリ金属ケイ酸塩は、好適には、酸性化剤と同様に水溶液として供給す
る。反応ゾーンに供給されるアルカリケイ酸塩水溶液は、一般的にループ型反応ゾーンに
供給されるアルカリ金属ケイ酸塩水溶液の総重量に対してアルカリ金属ケイ酸塩を約8〜
35重量%、及びより好適には、約8〜20重量%含有するようにすることができる。
【0029】
所望に応じて、またソース水溶液におけるアルカリケイ酸塩又は酸性化剤の濃度を減少
するためには、希釈水をソース水溶液に添加してから水溶液をループ型反応ゾーンに供給
する、並びに/又は希釈水を個別にループ型反応ゾーンに供給し、ついでアルカリ金属ケ
イ酸塩及び/若しくは酸性化剤及び他の液体溶媒内容物と混合する。
【0030】
酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩の所望の量をループ型反応ゾーンに添加するとき、
液体溶媒は、一般的に平均で最低3回再循環ゾーンに通過させる。液体溶媒をループ型反
応ゾーンに再循環させる平均回数は、本明細書では「平均通過回数」と称し、以下の数式
に従って計算する。排出される前にシリカ又はケイ酸塩の生成物が再循環ループに存在す
る滞在時間は、反応系の量を原材料添加率(アルカリ金属ケイ酸塩添加率+酸性化剤添加
率)で割り算することによって計算する。通過/分の数値は、再循環率を系の総量で割り
算することによって計算する。したがって、滞在時間に、通過/分の数値を掛け算するこ
とによって、平均通過回数を得ることができる。
【数1】
【0031】
シリカ又はケイ酸塩の生成物を再循環することで、平均通過回数が3〜200回、又は
10〜200回となるようにすることができる。一般的に、平均通過回数が多くなればな
るほど、より球形に近似する又はより丸みのあるシリカ又はケイ酸塩の生成物となる。再
循環通過回数(平均通過回数)は、したがって、所望タイプのシリカ又はケイ酸塩の生成
物に基づいて選択することができる。
【0032】
シリカ又はケイ酸塩の生成物は、ループ型反応ゾーンから種々の機構を経て排出するこ
とができる。一実施形態において、連続ループ型反応器を以下に説明するようにプロセス
で使用し、この反応器はループ型反応ゾーンからシリカ又はケイ酸塩の生成物を放出する
バルブを有するものとすることができる。しかし、好適には、シリカ又はケイ酸塩の生成
物をループ型反応ゾーンから変位させるのを、追加液体を反応ゾーンに添加させ、シリカ
又はケイ酸塩の生成物を含む液体溶媒の部分を反応ゾーンから排出する(すなわち、反応
ゾーンをオーバーフローさせる)ことによって行う。このことは、一実施形態において、
酸性化剤及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩を連続的にループ型反応ゾーンに添加すること
によって行うことができ、このとき、酸性化剤及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩が添加さ
れる分量だけ液体溶媒の一部が体積的に変位する。
【0033】
プロセスの若干の実施形態において、酸性化剤及び/又はアルカリ金属ケイ酸塩を連続
的に添加するのは、液体反応溶媒を再循環させつつ、またシリカ又はケイ酸塩を排出しつ
つ行う。したがって、一実施形態においては、プロセスの各ステップは順次連続的にかつ
同時に行う。他の実施形態においては、酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩をそれぞれ各
個に同時にループ型反応ゾーンに供給する。酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩は、好適
には、ループ型反応ゾーンに沿う異なったポイントでループ型反応ゾーンに添加する。例
えば、アルカリ金属ケイ酸塩は酸性化剤を添加するポイントよりも上流域でループに添加
し、これにより酸性化剤を反応ゾーンに添加しているとき、すでにアルカリ金属ケイ酸塩
が存在しているようにすることができる。
【0034】
シリカ又はケイ酸塩の生成物における構造の変更は、温度、イオン強度、添加率及びエ
ネルギー入力量に対する変更によって得ることができる。一般的に、温度、再循環率及び
酸性化剤/アルカリ金属ケイ酸塩添加率における変化は、シリカ又はケイ酸塩の生成物に
おける物理的特性に対して最大の変化をもたらす。一般的に、液体溶媒をより多く再循環
させればさせるほど、シリカ又はケイ酸塩の生成物の再循環ループにおける滞在時間が長
くなり(添加率がより少なくなり)、また温度が高くなればなるほど、結果的に得られる
シリカ又はケイ酸塩の生成物の構造(オイル吸収によって規定される)がより低くなる。
液体溶媒のpHを操作し、約9.0より低いpHを使用したとき、ループ型反応ゾーン内
でのシリカ又はケイ酸塩の沈着(汚染)が最小化されるのが観測された。
【0035】
シリカ又はケイ酸塩の生成物は、ループ型反応ゾーンから排出した後に、適当な容器に
収集し、また所望に応じて処理する。若干の実施形態において、シリカ又はケイ酸塩の生
成物はそれ以上の処理(塩類等を除去する洗浄以外)は必要とせず、ウェットケーキとし
て出荷するか、又は所望に応じて乾燥することができる。一実施形態において、例えば、
結果として得られるシリカ又はケイ酸塩の生成物を、従来既知の方法によりスプレー乾燥
させることができる。代案として、ウェットケーキとしてのシリカ又はケイ酸塩の生成物
を取得し、また再スラリー化して取扱い、スラリー形式で又は濾過ケーキとして直接供給
する。一般的に、本明細書に記載するシリカ又はケイ酸塩の生成物の乾燥は、シリカ又は
ケイ酸塩を乾燥するのに使用される任意な普通の機器によって、例えばスプレー乾燥、ノ
ズル乾燥(例えば、タワー又は噴水)、フラッシュ乾燥、回転ホイール乾燥又はオーブン
/流動床乾燥により行うことができる。乾燥したシリカ又はケイ酸塩は、1〜15重量%
の水分レベルである。シリカ又はケイ酸塩の反応生成物の性質及び乾燥プロセスは双方と
も、かさ(バルク)密度及び保水能力(liquid carrying capacity)に影響することが知
られている。
【0036】
他の実施形態において、シリカ又はケイ酸塩の生成物は、シリカ又はケイ酸塩の生成物
の性質に基づいて種々の処理を受けることができる。例えば、シリカ又はケイ酸塩の生成
物を収集した後に、シリカ又はケイ酸塩のスラリーのpHを調整する、例えば、硫酸のよ
うな酸を使用してpHを低下させ、ついでフィルタ処理及び洗浄を行う。この実施例の場
合、シリカ又はケイ酸塩の生成物は、所望の伝導度、例えば1500μS〜2000μS
となるよう洗浄し、ついで以下に説明するように乾燥する。
【0037】
乾燥したシリカ又はケイ酸塩の生成物のサイズを所望に応じてさらに縮小するには、普
通の粉砕及びミリング機器を使用することができる。ハンマー又は振り子を使用して、粉
末化するよう1回又は複数回そこに通過させ、また微細粉砕は流体エネルギー又はエアジ
ェットミルによって行うことができる。所望のサイズに粉砕した生成物を、他のサイズか
ら、普通の分離技術、例えばサイクロン、分別器、又は適当なメッシュサイズの振動スク
リーン等によって分離することができる。
【0038】
さらに、シリカ又はケイ酸塩の生成物の分離前及び/又はシリカ又はケイ酸塩の生成物
の合成中に、シリカ又はケイ酸塩の生成物の粒度を縮小する方法もあり、このことは乾燥
した生成物又はスラリー形式の生成物のサイズに影響する。これらとしては、限定しない
が、溶媒ミリング、高剪断機器(例えば、高剪断ポンプ又はロータ−ステータ)、超音波
デバイスがあり、これら機器は、若干の実施形態において、生成プロセス中、例えば再循
環ループにおいて使用することができる。シリカ又はケイ酸塩の生成物に実施する粒度縮
小は、乾燥前任意の時点で行うことができる。
【0039】
様々なタイプのシリカ又はケイ酸塩の生成物を、開始材料及びプロセス条件に基づいて
上述のプロセスを使用して調製することができる。一実施形態において、本発明によるシ
リカ又はケイ酸塩の生成物は、100cc/100gまでのオイル吸収値を有するシリカ
又はケイ酸塩の粒子である。この実施形態において、シリカ又はケイ酸塩の粒子の少なく
とも80%は、十分丸い丸さにする。これらシリカ又はケイ酸塩の粒子は、0.9よりも
大きい球形度係数(S
80)及び8.0mg損失/100,000回転より低いブラス・
アインレーナー摩耗値(Brass Einlehner Abrasion value)を有するものとする。
【0040】
本明細書で使用する用語「丸みのある」粒子は、平坦面で適度に丸められた角及びほと
んど存在しない程度の僅かな窪みしかないものを意味する。用語「十分丸い」粒子は、平
坦面、角又は判別可能な窪みがない、均一な凸状粒外形を有するものを意味する。
【0041】
丸みのある又は十分丸いという本発明によるシリカ又はケイ酸塩の粒子の特性は、以下
の手順によって実施することができる。シリカ又はケイ酸塩の粒子の代表的なサンプルを
収集し、走査型電子顕微鏡写真(SEM)によって吟味した。写真は、画像全体を表す2
つの異なった倍率で撮影した。第1画像は約200倍の倍率で撮影し、サンプルの均質性
が感じ取れるのに使用する。つぎに、20,000倍の倍率を有するSEM画像を評価す
る。好適には、最低限約20個の粒子が画像に示され、写真が全体としてサンプルを確実
に表すよう注意すべきである。この画像における粒子を以下の表1に従う分類によって評
価及び特徴付けする。100cc/100gまでのオイル吸収値を有する本発明による粒
子の少なくとも80%は十分丸い丸さであると特徴付けすることができる。
【0043】
粒子丸さを特徴付けする補助を行うため、
図1に示す標準的なシルエットを使用するこ
とができる。拡大SEM画像に表示される粒子を
図1に示される標準的粒子丸さと比較し
、これに応じて分類する。このプロセスは、一般的に沈降学で実施されている。特別な実
施例として、
図2〜4に示す粒子は、本明細書に開示した本発明プロセスによって調製し
たものであり、
図1に従って比較すると、丸みがあるものから十分丸いものに分類され、
粒子の少なくとも80%が十分丸い丸さに丸められていることを意味する。これに反して
、
図5に示すシリカ又はケイ酸塩の生成物は、従来のバッチプロセスで調製したもので、
図1に従って比較すると、平坦側面及び鋭利でギザギザのある端縁が観測されるので、角
張った、やや角張った、及びやや丸みのあるものとして優勢的に分類される。
【0044】
100cc/100g未満のオイル吸収値を有する本発明によるシリカ又はケイ酸塩の
粒子も丸さ指数によって、特徴付けすることができる。本明細書で使用する用語「丸さ指
数」は、角及び端縁の曲率半径と、粒子に内接する最大内接円の半径との比として定義す
る。丸さ指数は以下の式に従って計算することができる。
【数2】
ここで、rは各角の曲率半径であり、Nは角の個数であり、Rは粒子に内接する最大内
接円の半径である。各曲率半径rを計算し、また合計する。つぎにこの値を角の個数で割
り算することにより平均をとる。結果として得られる値を、つぎに最大内接円の半径で割
り算する。このプロセスを手作業で、又は市販されて入手可能な図形分析ソフトウェアを
20,000倍に拡大したSEM画像に適用することによって実施することができる。
【0045】
図6につき説明すると、r
1,・・・,r
5は各角の曲率半径であり、Rは粒子に内接
する最大内接円の半径である。例として、最大内接円の半径に等しい平均曲率半径を有す
る真球は、1.0の丸さ指数である。粒子における端縁及び面の個数が増加するとき、式
の分子は減少し、また粒子の全体丸さが減少する。丸さは、クルンバイン及びスロス(Kr
umbein and Sloss)氏らによる「地層学及び堆積作用(Stratigraphy and Sedimentation
)」1963年度第2版に詳述されており、この刊行物は、丸さ教示のために参照によっ
て本明細書に組み込まれるものとする。
【0046】
一実施形態において、100cc/100gまでのオイル吸収値を有する本発明による
シリカ又はケイ酸塩の粒子であって、少なくとも80%が少なくとも0.8又はより好適
には、0.9の丸さ指数を有する。このようなシリカ又はケイ酸塩の粒子は、0.9より
高い球形度係数(S
80)及び8.0mg損失/100,000回転より低いブラス・ア
インレーナー摩耗値を有する。これら粒子の少なくとも80%は、上述したように、
図1
のシルエットに比較して、丸みがあるものから十分丸いものに分類される。丸さ指数を計
算するプロセスは上述したとおりであり、すなわち、20,000倍のSEM画像で少な
くとも20個の粒子がある代表的サンプルで評価する。
【0047】
100cc/100gまでのオイル吸収値を有する本発明によるシリカ又はケイ酸塩の
粒子も、0.9より高い球形度係数(S
80)を有する。本明細書に使用する用語「S
8
0」は以下に示すように定義及び計算する。20,000倍に拡大したSEM画像はシリ
カ又はケイ酸塩の粒子のサンプルを代表するものであり、写真画像ソフトウェアに採り込
み、各粒子の外形を(二次元的に)トレースする。互いに近接するが互いに接触しない粒
子を評価のために個別粒子としてみなす。外形取りした粒子を、つぎに色で塗りつぶし、
また画像を粒子特徴付けソフトウェア(例えば、メディア・サイバーメティクス社から入
手可能なイメージ−プロ・プラス[登録商標])に採り込み、このソフトウェアは粒子の
周長及び面積を決定することができる。つぎに、粒子の球形度を、以下の式によって計算
することができる。
【数3】
ここで、周長は、粒子の外形取りしたトレースから導いて測定した周長であり、面積は
粒子の外形取りしたトレースした周囲の内側のソフトウェアで測定した面積である。
【0048】
上述の計算は、SEM画像内に全体的にはまっている各粒子に対して行う。これら値は
値で仕分けし、これら値の最小20%を廃棄する。これら値の残存する80%を平均化し
てS
80を得る。一例として、
図4に示す粒子の球形度係数(S
80)は、0.97であ
った。
【0049】
100cc/100gより大きいオイル吸収値を有するシリカ又はケイ酸塩の粒子は、
上述のシリカ又はケイ酸塩の粒子と同一の大きさの球形度及び丸さを有することが観測さ
れなかった。しかし、このような粒子は粘性をもたらす能力を有する。これら粒子の例示
的画像を
図7に示す。
【0050】
したがって、他の実施形態において、本発明によるシリカ又はケイ酸塩の粒子は、10
0cc/100gより大きいオイル吸収値を有するものとすることができる。これら粒子
は、100cc/100gまでのオイル吸収値を有する上述の粒子と同一丸さ及び球形度
を示さない。しかし、100cc/100gより大きいオイル吸収値を有するシリカ又は
ケイ酸塩の粒子は、3〜15μmの粒度を有するものと特徴付けされる。
【0051】
本発明によるシリカ又はケイ酸塩の粒子は、さらに、以下に説明する多数の他の特性に
よって特徴付けされる。以下の特徴的特性は、とくに注記しない限り、100cc/10
0gまでのオイル吸収値及び100cc/100gより大きいオイル吸収値の双方に言及
する。
【0052】
本発明によるシリカ又はケイ酸塩の中央値粒度を、プロセス中の種々の段階、及び種々
の粒子処理ステップの前後で決定した。本明細書で使用する用語である、中央値粒度、平
均粒度(APS:average particle size)、及びD
50はそのサンプルの50%がより
小さい粒度を有し、またそのサンプルの50%がより大きい粒度を有するものを意味する
。
【0053】
一実施形態において、本発明による液体反応溶媒内に存在するシリカ又はケイ酸塩の粒
子の中央値粒度が3〜10μm、好適には、3〜8μm、より好適には、4〜6μmを有
する。特別な実施例においては、液体反応溶媒内に存在するシリカ又はケイ酸塩の粒子の
中央値粒度が5〜6μmである。液体反応溶媒内における粒子の中央値粒度を決定するた
め、液体溶媒のアリコート(一部試料)を再循環反応ゾーンからサンプルとして、例えば
行程容積により取り出し、またアリコートにおける粒子を分析することができる。
【0054】
ループ型反応ゾーンからシリカ又はケイ酸塩の生成物を排出し、シリカ又はケイ酸塩の
生成物を乾燥した後ではあるが、粉砕前にはシリカ又はケイ酸塩の粒子は3〜25μmの
中央値粒度を有する。若干の実施例において、シリカ又はケイ酸塩の粒子は、乾燥後ただ
し粉砕前で3〜15μmの中央値粒度を有する。他の実施例においては、シリカ又はケイ
酸塩の粒子は乾燥後ただし粉砕前で4〜8μmの中央値粒度を有する。
【0055】
粉砕ミリング加工を使用して乾燥したシリカ又はケイ酸塩の粒子の粒度を上述したよう
に小さくする。例えば、レイモンドミル又はエアミルで粉砕ミリング加工した後、シリカ
又はケイ酸塩の粒子は、概して3〜10μmの中央値粒度を有するようになる。特別な実
施例において、シリカ又はケイ酸塩の粒子は、ミリング後(レイモンドミル及び/又はエ
アミルによるミリングを含む)粒度は3〜7μm又は5〜7μmにさえなる。
【0056】
一般的に、粒子の乾燥粒度、球形度及び丸さは、シリカ又はケイ酸塩の構造に関係する
ものと観測された。構造が低いと、十分丸い/より高い球形度の粒子の割合がより高くな
り、乾燥の際にもたらされる液体反応溶媒(スラリー)における粒度分布に対する変動が
少なくなる。構造が増大すると、十分丸い/より高い球形度の粒子のレベルが減少し、乾
燥の際に平均粒度が増大する。より高い構造のサンプルは、レイモンドミルの穏やかなミ
リングでスラリー粒度まで縮小することができる。レイモンドミル及びエアミルののより
激しいミリングは、実質的にスラリー粒度より小さい粒度までに縮小しなかった。低構造
生成物のミリングは粒度の大きな変動をもたらさなかった。シリカ又はケイ酸塩の粒子構
造は、一般的にオイル吸収能力に関連する。低構造のシリカ又はケイ酸塩はオイル吸収能
力が低く、高い構造のシリカ又はケイ酸塩は、オイル吸収能力が高い。
【0057】
中央値粒度は、堀場インスツルメンツ社から入手可能なモデルLA−930(又はLA
−300又は等価モデル)のレーザー光散乱機器を使用して決定した。
【0058】
一般的に、本発明によるシリカ又はケイ酸塩の粒子は狭い粒度分布を有する。粒度分布
は、多数のパラメータ、例えば、均一度係数、曲率係数、及び分布対称性に基づいて評価
することができる。均一度係数(Cu)はD
60/D
10として定義する。曲率係数(C
c)は(D
30/(D
10×D
60))として定義する。ピーク対称性は、(D
90−D
50/(D
50−D
10)として定義し、1.0の曲線形状値は完全に対称形曲線を表す
。シリカ又はケイ酸塩の粒子における均一度係数は、一般的に1.8〜2.5の範囲であ
る。曲率係数は、一般的に0.2〜0.31であり、曲線形状値は一般的に1.3〜1.
7である。特別な実施例において、ピーク対称性は、1.3〜1.5の範囲であり、シリ
カ又はケイ酸塩の粒子は極めて対称的分布であることを示している。
【0059】
シリカ又はケイ酸塩の粒子は、100gのシリカ又はケイ酸塩につき57〜272cc
の水を吸水する吸水値を有するが、この吸水値をより高くさえすることができる。吸水値
は、C.W.ブラベンダーインスツルメンツ社から市販されている吸水「C」(Absorptome
ter “C”)トルク流量計で決定する。シリカ又はケイ酸塩の約1/3カップを吸光光度
計の混合チャンバに転送し、150rpmで混合する。次に水を6ml/分の割合で添加
し、粉末を混合するのに要するトルクを記録する。水を粉末が吸収するとき、トルクは、
粉末が自由に流動する粉末からペーストに変化するにつれて最大値に達する。最大トルク
に達した時点で添加した水の総量を標準化し、100gの粉末が吸収できる水量とする。
粉末は受け取った(予め乾燥していない)ものをベースとして使用するため、粉末の水分
値を使用して、以下の式によって、「水分補正吸水能力AbC値」を計算する。
【数4】
【0060】
一般的に吸水流量計を使用して、ASTMD2414の方法B及びC並びにASTMD
3493に則ったカーボンブラックのオイル吸収能力数を決定する。
【0061】
上述したように、一実施形態において、本発明によるシリカ又はケイ酸塩の粒子は、1
00cc/100gまでのオイル吸収値、例えば、30〜100cc/100gのオイル
吸収値を有し、他の実施形態において、シリカ又はケイ酸塩の粒子は、100cc/10
0gより大きいオイル吸収値、例えば、100/100g〜150cc/100gの範囲
におけるオイル吸収値を有する。一般的に、本発明のシリカ又はケイ酸塩の粒子は、10
0gのシリカ又はケイ酸塩当たり30〜171cc(cm
3又はmL)の範囲におけるオ
イル吸収能力を有することが観測された。
【0062】
オイル吸収値は擦り付け方法(ASTMD281)を使用して測定した。この方法は、
アマニ油をシリカ又はケイ酸塩に混合させる原理に基づいており、アマニ油/シリカ又は
ケイ酸塩の混合物をへらで滑らかな表面上に擦り付け、この擦り付けを堅いパテ状ペース
トになるまで行う。引き延ばしたときカールするペースト状混合物にするに必要なオイル
量を測定することによってシリカ又はケイ酸塩のオイル吸収値を計算することができ、こ
の値は、シリカ又はケイ酸塩の単位重量当たりシリカ又はケイ酸塩の吸収能力を飽和させ
るのに必要なオイル量を表す。より高いオイル吸収レベルは、より高い構造のシリカ又は
ケイ酸塩を示す。低い値は低構造のシリカ又はケイ酸塩であるとみなされるものを示す。
オイル吸収値は、以下の式から決定することができる。
【数5】
【0063】
本発明によるシリカ又はケイ酸塩の粒子は、概して10〜425m
2/gの範囲にわた
るBET表面積を示す。特別な実施例において、シリカ又はケイ酸塩の粒子は、10〜3
00m
2/gの範囲にわたる、及び好適には、50〜350m
2/gの範囲にわたるBE
T表面積を示す。開示したシリカ又はケイ酸塩の粒子のBET表面積は、J.Am.Soc
.60号第309頁(1938年)に記載されたブルナウァー(Brunaure)氏らによるB
ET窒素吸収方法によって決定した。
【0064】
本明細書で開示したシリカ又はケイ酸塩の粒子のCTAB表面積は、概して10〜25
0m
2/gの範囲にわたる、及び若干の実施例においては50〜200m
2/gの範囲に
わたる。シリカ又はケイ酸塩のCTAB表面積は、シリカ又はケイ酸塩の表面に対するC
TAB(臭化セチルトリメチルアンモニウム: cetyltrimethylammonium bromide)の吸収
によって決定し、過剰分を遠心分離し、その量は、界面活性剤電極を使用してラウリル硫
酸ナトリウムで滴定することによって決定する。とくに、0.5gのシリカ又はケイ酸塩
を、100.00mlのCTAB溶液(5.5g/L)を容れた250mlビーカーに配
置し、電気的撹拌プレートにより1時間混合し、ついで30分間10,000rpmで遠
心分離する。1mlの10%トリトンX−100を100mlビーカー内の5mlの透明
な浮遊物に添加する。pHは、0.1NのHClで3.0〜3.5に調整し、また試料は
、界面活性剤電極(ブリンクマン社製SUR1501−DL)を使用してラウリル硫酸ナ
トリウムで滴定し、終点を決定した。
【0065】
本明細書に開示したシリカ又はケイ酸塩の粒子における水銀(Hg)貫入量は、概して
0.5〜3mL/gの範囲にわたる。水銀貫入量又は総細孔容積(Hg)は、マイクロメ
トリクス社製のオートポア(Autopore)II9220装置を使用する水銀による多
孔性分析によって測定する。細孔直径は、130゜に等しい接触角度Θ及び485ダイン
/cmに等しい表面張力を使用してウォッシュバーン等式によって計算することができる
。水銀は、圧力の関数として粒子の空隙内に強制的に押し込み、サンプルのグラム当たり
の水銀の貫入量を各圧力設定で計算する。ここで説明した総細孔容積は、真空から60,
000psiにいたる圧力で貫入した累積水銀量を表す。各圧力設定での貫入量増分(c
m
3/g)を圧力設定増分に対応する細孔半径又は直径に対してプロットする。貫入量対
細孔半径又は直径曲線におけるピークは、細孔サイズ分布におけるモードに対応し、また
サンプルにおける最も共通する細孔サイズを同定する。とくに、サンプルサイズは、5m
Lの球根状部を有する粉末貫入計において25〜75%の茎状部容積及び約1.1mLの
茎状部容積となるよう調整する。サンプルは、Hg50μmの圧力に抽気し、5分間保持
する。水銀は、1.5〜60,000psiの圧力により10秒間の平衡時間で約103
個のデータ収集ポイントを有して細孔を充填する。
【0066】
本発明によるシリカ又はケイ酸塩の粒子の水溶液は、概して10mg損失/100,0
00回転より低い、好適には8mg損失/100,000回転より低い、より好適には5
mg損失/100,000回転より低い、ブラス・アインレーナー摩耗(BEA)値を示
す。特別にはBEA値の範囲は、1〜10、1〜8、1〜7及び5mg損失/100,0
00回転を含む。
【0067】
ブラス・アインレーナー摩耗(BEA)検査を使用して本発明によるシリカ又はケイ酸
塩の生成物の硬さを測定する。一般的にこの検査は、アインレーナーAT−1000型研
磨機を含み、以下のように使用される。すなわち、(1)フォードリニア式長網抄紙機用の
真鍮(ブラス)ワイヤスクリーンを計量し、シリカ又はケイ酸塩の10%懸濁水溶液の作
用の下に固定回転数又は時間の長さにわたり曝し、(2)つぎに、摩耗量を100,000
回転当たりのフォードリニア式ワイヤスクリーンから失われた真鍮(ブラス)のミリグラ
ム量として決定する。この検査に必要な使い捨ての必需品(真鍮スクリーン、摩耗プレー
ト及びPVC管)は、フェアモント州ラトランドのダンカン・アソシエイツ社から「アイ
ンレーナー検査キット」として販売されているものから利用可能である。とくに、真鍮ス
クリーン(リン含有ブロンズP.M.)を、超音波洗槽における熱い石鹸水(例えば、0.
5%アルコノックス)内で5分間にわたり洗浄することによって調製し、ついで水道水で
すすぎ、再び超音波洗槽にセットしたビーカー収容の水150mlですすぐことができる
。スクリーンは再び水道水ですすぎ、105℃にセットしたオーブン内で20分間乾燥し
、デシケータで冷却し、計量することができる。スクリーンは、ピンセットで取扱い、皮
膚の脂でスクリーンを汚すことを防止する。アインレーナー検査シリンダは摩耗プレート
に組付け、スクリーンを計量し(擦られる側ではなく、赤ライン側を下向きにして)、ス
クリーンを所定位置にクランプする。摩耗プレートは、約25回の検査に又はひどく摩耗
するまで使用する。計量されるスクリーンは1回のみの使用とする。
【0068】
シリカ10%のスラリーは、100gのシリカを900gの脱イオン化水と混合するこ
とによって調製し、アインレーナー検査シリンダ内に注入することができる。アインレー
ナーPVC管を撹拌軸に配置する。PVC管は、5つの番号付けした位置を有する。各検
査において、PVC管の位置は5回使用に達するまで位置を繰り上げていき、最終的に廃
棄する。アインレーナー摩耗検査機器は再組立てすることができ、機器は87,000回
転で動作させるようセットすることができる。各検査は約49分間行う。サイクルが完了
した後、スクリーンを取り外し、水道水ですすぎ、ビーカー収容水内に配置し、超音波洗
槽内に2分間セットし、脱イオン化水ですすぎ、105℃にセットしたオーブン内で20
分間乾燥する。つぎに、乾燥したスクリーンをデシケータ内で冷却し、再計量することが
できる。2回の検査を各サンプルに対して行い、この結果の平均をとり、100,000
回転当たりのmg損失で表す。mg損失単位で測定した結果は、10%ブラス・アインレ
ーナー(BE)摩耗値として特徴付けすることができる。
【0069】
シリカ又はケイ酸塩の粒子のテクニダイン輝度値は、概して95〜100の範囲内であ
る。特別な実施例において、テクニダイン輝度値は、97〜100の範囲内、又は98〜
100の範囲内でさえもある。輝度を測定するため、微細粉末のシリカ又はケイ酸塩を滑
らかな表面を有するペレットに押し込み、テクニダイン輝度計S−5/BCを使用して分
析する。この機器は2重ビーム光学系を有し、サンプルに45゜の角度で照射し、反射光
を0゜で見る。TAPPI検査方法T452及びT646、並びにASTM標準D985
に従う。粉末化した材料を約1cmのペレットに十分な圧力で押し込み、平滑であり、ゆ
るい粒子がない又は光沢のないペレット表面にする。
【0070】
本明細書に開示したシリカ又はケイ酸塩の粒子の散乱は、概して1.4より大きな屈折
率(RI)を有する。若干の実施形態において、本明細書に開示したシリカ又はケイ酸塩
の粒子の散乱は、1.4〜1.5の範囲のRI値を有する。この散乱は、概して20〜7
5の範囲にわたる%透過値(%T)を有する。
【0071】
屈折率及び光透過度を測定するため、一連のグリセリン/水貯蔵溶液(約10個)を調
製し、この調製は、これら溶液の屈折率が1.428〜1.460の範囲内となるように
する。代表的には、これら貯蔵溶液は、水におけるグリセリンが70重量%〜90重量%
の範囲をカバーする。屈折率RIを決定するため、各標準溶液の1又は2滴を個別に屈折
計(アッベ60屈折計モデル10450)の固定プレートに滴下する。カバープレートを
所定位置に固定し、ロックする。光源及び屈折計をスイッチオンし、各標準溶液の屈折率
を読み取る。
【0072】
個別の20mlボトル内で、2.0±0.01mlのシリカ又はケイ酸塩の生成物を、
各グリセリン/水貯蔵溶液18.0±0.01mlに添加した(測定したオイル吸収が1
50より大きい生成物に関しては、検査は本発明によるシリカ又はケイ酸塩の生成物1.
0g、グリセリン/水貯蔵溶液19.0gを使用する)。つぎにボトルを激しくシェイク
し、シリカ又はケイ酸塩の分散液を形成し、栓をボトルから取り外し、またこのボトルを
、真空ポンプで抽気した(約24インチHgの圧力)デシケータ内に配置する。
【0073】
つぎに、分散液を120分間脱気し、脱気が完了したかを視覚的に確認する。製造業者
の操作指示に従って、サンプルを室温に戻した(約10分)後、590nm(スペクトロ
ニック20D+)で「%T」を測定した。%Tを本明細書に記載したシリカ又はケイ酸塩
の生成物について測定し、この測定は、各分散液のアリコートを石英キュベットに配置し
、0〜100のスケールの各サンプルに関して590nm波長で%Tを読み取ることによ
って行った。%透過対貯蔵溶液のRIを曲線としてプロットした。シリカ又はケイ酸塩の
RIは、%T対RI曲線上のプロットしたピーク最大値の位置として定義した。ピーク最
大値のY値(又は横座標)は%Tであった。
【0074】
シリカ又はケイ酸塩の粒子はフィルタ処理しまた水で洗浄して、硫酸ナトリウム(存在
する場合)を許容レベルまで減少させる。反応生成物の洗浄は、一般的にフィルタ処理し
た後に行う。洗浄したウェットケーキのpHは、必要であれば、本明細書に記載する後続
のステップを行う前に調整する。本発明によるシリカ又はケイ酸塩の粒子における硫酸ナ
トリウム含有量は約6%にも及ぶことがあり得る。硫酸ナトリウム含有量は濃度が既知の
シリカ又はケイ酸塩のスラリーにおける導電度によって測定した。とくに、シリカ又はケ
イ酸塩のウェットケーキ38gをハミルトン・ビーチ・ミキサーの型番30における1/
4ミキサーカップ内に容れて計量し、脱イオン水140ml添加した。このスラリーを5
〜7分間混合し、つぎにこのスラリーを250mlの目盛付きシリンダに移し、250m
lのマークまで脱イオン水で充填し、この水を使用してミキサーカップをすすいだ。サン
プルは、目盛付きシリンダ(蓋をして)を数回反転させることによって混合した。導電度
計、例えば、コール・パーマー社製CON500モデル♯19950−00を使用してス
ラリーの導電度を決定した。硫酸ナトリウム含有量は、サンプルの導電度を標準曲線と比
較することによって決定し、この標準曲線は、添加硫酸ナトリウム/シリカ及び/又はケ
イ酸塩の組成物スラリーそれぞれにおける既知の方法から得る。
【0075】
コーティング剤用組成物におけるシリカ又はケイ酸塩の成分を調製する上述のプロセス
は、種々の実施形態において、連続ループ型反応器又はパイプ反応器を使用して行うこと
ができる。適当な連続ループ型反応器は、一般的に、酸性化剤入口ポート、アルカリ金属
ケイ酸塩入口ポート、及び1個又は複数個のパイプで画定される連続ループに流体連通す
る排出ポートを備える。この連続ループ内の液体溶媒を、種々の手段、例えばループ自体
に存在するポンプを使用して再循環させることができる。連続ループ型反応器における他
のコンポーネントとしては、限定しないが、液体溶媒の温度を制御するためループに設け
た熱交換器、圧力を制御する背圧バルブ、及び/又は液体反応溶媒の内容物を混合するた
めループに設けたインライン混合デバイスがある。
【0076】
図8につき説明すると、例示的な連続ループ型反応器100は、酸性化剤をループ型反
応ゾーンにおける液体溶媒に導入する酸性化剤入口ポート110、及びループ型反応ゾー
ンにアルカリ金属ケイ酸塩を導入するアルカリ金属ケイ酸塩入口ポート120を備える。
ループ型反応ゾーンは、連続ループを形成する1個又は複数個のパイプ130によって画
定する。種々の他のコンポーネントを連続ループ型反応器100に設け、例えば、1個又
は複数個のパイプ130に液体溶媒を再循環させるポンプ140を設ける。本発明プロセ
スの実行中、ポンプ140は液体溶媒に流体連通させるべきである。連続ループは、さら
に、インライン混合デバイス150に流体連通させる。
図8の実施例において、インライ
ン混合デバイス150は、さらに、酸性化剤入口ポートに流体連通させ、酸性化剤の連続
ループへの流入、及びループ型反応ゾーン内での液体溶媒との混合を容易にするよう作用
する。熱交換器160も設け、連続ループにおける液体溶媒の温度を制御できるようにす
る。熱交換器160は、連続ループを画定する1個又は複数個のパイプ130との熱連通
をする。上述したように、酸性化剤、アルカリ金属ケイ酸塩又は他の液体を連続的に反応
器に添加するため、液体溶媒は連続ループからオーバーフローし、生成物排出ポート17
0を経てループ型反応ゾーンから出る。このようにして、生成物を収集する。特別な実施
形態において、反応器には、1個又は複数個のパイプ130に流体連通する1個又は複数
個の圧力制御デバイス、例えば、ループ型反応器内の圧力を調節する背圧バルブ(図示せ
ず)を装着することができる。
【0077】
任意の適当なポンプ140をループ型反応器に使用することができる。インライン混合
デバイス150を使用して、一部には液体溶媒を再循環させる高剪断型環境にし、またロ
ータ/ステータ型インライン混合器とするのが好適である。有用なロータ/ステータ型混
合器の例としては、SILVERSONインライン混合器、例えば、シルバーソン・マシ
ンズ(SILVERSON Machines,Inc.)社によって製造されたSILVERSONモデル45
0LS、又はノースカロライナ州28405ウィルミントンのイカ・ワークス(IKA-Work
s Inc.)社から市販され入手可能なもの、及びニューヨーク州11788ハウプページの
チャールズ・ロス・アンド・ソン・カンパニー社からのモデルME410/420X及び
450Xがある。
【0078】
実施例
以下の実施例は、当業者に対して、本明細書で特許請求した合成物、組成物、物品、装
置及び/又は方法をどのようになし、また評価し、並びに発明の単なる例示を意図し、発
明者が発明として認識する範囲を限定しないことを意図する、完全な開示及び説明を与え
る。数値(例えば、量、温度等)に関する精度を確実にするよう努力したが、若干の誤差
及びずれも考慮すべきである。別途明示しない限り、割合パートは重量パートであり、温
度は℃又は外気温度であり、圧力は大気圧又はほぼ大気圧である。
【0079】
連続ループ型反応器
連続ループ型反応器はリサイクルループで構成し、このループにおいて、反応スラリー
は排出される前に多数回循環されるものとした(
図8参照)。リサイクルループは可撓性
ホースのセクションによって接合した固定パイプ区域で構成する。パイプ/ホースの内径
は約「1」とした。ループの一方の側にポンプを配置して反応物を循環させ、他方の側に
SILVERSONインライン混合器を設置し、系に付加的な剪断を与え、また酸性化剤
を導入する入口ポートとしても使用する。ポンプと混合器との間に、静的ミキサ熱交換器
(オハイオ州デイトンのケミニア社(Chemineer,Inc)から入手可能なKENICSモデル
1−Pilot−HT−EX32)を設置し、シリカ又はケイ酸塩の生成中の温度を制御する
手段とする。酸性化剤入口ポートの下流域に配置した排出パイプにより、生成物を、ケイ
酸塩及び酸性化剤を添加する添加量の関数として排出することができる。排出パイプには
背圧バルブを装着し、反応器の系が100℃より高い温度で動作できるようにする。生成
物排出パイプは、生成物を付加的変更(例えば、pH調整)を加えるためのタンクに収集
するよう指向させる、又は直接的に回転型又はプレス型フィルタに排出することができる
。随意的に、酸を生成物排出ラインに添加し、生成物を7.0より高いpHに調製すると
きの合成pH後調整を回避できるようにする。
【0080】
シリカ又はケイ酸塩の生成物は、上述の連続ループ型反応器を使用して調製した。酸性
化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩を連続ループ型反応器に導入する前に、沈殿したシリカ又
はケイ酸塩、硫酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム及び水を先ず添加し、80L/分で再循
環させる。これを本明細書では液体反応溶媒と称し、この液体反応溶媒に酸性化剤及びア
ルカリ金属ケイ酸塩を上述したように添加する。この初期ステップを行って、リサイクル
ループに典型的なバッチのおおよその含有物及び濃度物を充填し、所望のシリカ又はケイ
酸塩の生成物を収集する前にパージ時間を短縮できるようにする。このステップは、ルー
プ型反応の内容物の凍結も少なくすると考えられる。しかし、反応器の系をゲル化又は栓
をすることなく、単に水のみを充填したループ型反応器に直接的に酸性化剤及びアルカリ
金属ケイ酸塩を添加することができることに留意されたい。このようにして、液体反応溶
媒は、酸性化剤及びアルカリ金属ケイ酸塩を導入する前に、種シリカ又は種シリケートな
しに、水を有するものとすることができる。
【0081】
実施例1(シリカ生成物)
1.5kgのZEODENT103、1.34kgの硫酸ナトリウム、11.1Lのケ
イ酸ナトリウム(2.65MR、26.6%)及び20Lの水による溶液を調製し、ルー
プ型反応器の再循環ループに添加し、95℃に加熱した。内容物は、SILVERSON
インライン混合器を60Hz(3485RPM)で動作させ、80L/分で再循環させた
。ケイ酸ナトリウム(2.65MR,26.6%)及び硫酸(22.8%)を同時にルー
プに添加し、この場合、ケイ酸塩添加量を1.7L/分及びpH7.5を維持するのに十
分な酸添加量で添加した。必要に応じて、酸添加量はpHを維持するよう調整した。酸及
びケイ酸塩はこれら条件の下で40分間添加し、所望の材料を収集する前に望ましくない
シリカを反応系からパージするようにした。40分経過後、収集容器を空にし、内容物を
廃棄した。つぎに、シリカ生成物を容器に収容して40RPMで撹拌するとともに、温度
を約60℃に維持した。望ましい量の生成物を収集した後、酸及びケイ酸塩の添加をスト
ップし、ループの内容物を循環させた。収集容器内のシリカ生成物を硫酸の手動添加によ
りpH5.0に調整し、フィルタ処理し、約1500μSの伝導度になるよう洗浄し、乾
燥した。乾燥後、材料は6.7ミクロンの平均粒度であった。
【0082】
実施例2(ケイ酸塩生成物)
1.5kgのZEODENT103、1.34kgの硫酸ナトリウム、11.1Lのケ
イ酸ナトリウム(3.32MR、20.0%)及び20Lの水による溶液を調製した。つ
ぎにこの溶液15.5Lを、上述のループ型反応器の再循環ループに添加し、約24℃に
維持した。この内容物は、SILVERSONインライン混合器を60Hz(3485R
PM)で動作させ、80L/分で再循環させた。ケイ酸ナトリウム(3.32MR,20
.0%)及び硫酸アルミニウム水溶液(14.5%)を同時にループに添加し、この場合
、ケイ酸塩添加量を3.4L/分及びpH8.5を維持するのに十分な硫酸アルミニウム
添加量で添加した。必要に応じて、酸添加量はpHを維持するよう調整した。酸及びケイ
酸塩はこれら条件の下で40分間添加し、所望の材料を収集する前に望ましくないシリカ
を反応系からパージするようにした。40分経過後、収集容器を空にし、内容物を廃棄し
た。酸及び硫酸アルミニウムを連続的に添加するとともに、ケイ酸塩生成物を容器に収集
し、40RPMで撹拌し、この間温度を約60℃に維持した。望ましい量の生成物を収集
した後、硫酸アルミニウム及びケイ酸塩の添加をストップした。ループの内容物を循環さ
せた。収集容器内のケイ酸塩生成物をフィルタ処理し、約1500μSの伝導度になるよ
う洗浄し、乾燥した。乾燥後、材料は6.4ミクロンの平均粒度となるようハンマー粉砕
した。
【0083】
実施例3(ケイ酸塩生成物)
1.5kgのZEODENT103、1.34kgの硫酸ナトリウム、11.1Lのケ
イ酸ナトリウム(3.32MR、20.0%)及び20Lの水による溶液を調製した。つ
ぎにこの溶液15.5Lを、上述のループ型反応器の再循環ループに添加し、約95℃に
維持した。この内容物は、SILVERSONインライン混合器を80Hz(3485R
PM)で動作させ、80L/分で再循環させた。ケイ酸ナトリウム(3.32MR,20
.0%)及び硫酸アルミニウム水溶液(14.5%)を同時にループに添加し、この場合
、ケイ酸塩添加量を1.7L/分及びpH7.8を維持するのに十分な硫酸アルミニウム
添加量で添加した。必要に応じて、硫酸アルミニウム添加量はpHを維持するよう調整し
た。硫酸アルミニウム及びケイ酸塩はこれら条件の下で40分間添加し、所望の材料を収
集する前に望ましくないシリカを反応系からパージするようにした。40分経過後、収集
容器を空にし、内容物を廃棄した。酸及び硫酸アルミニウムを連続的に添加するとともに
、ケイ酸塩生成物を容器に収集し、40RPMで撹拌し、この間温度を約60゜Cに維持
した。望ましい量の生成物を収集した後、硫酸アルミニウム及びケイ酸塩の添加をストッ
プした。ループの内容物を循環させた。収集容器内のケイ酸塩生成物をフィルタ処理し、
約1500μSの伝導度になるよう洗浄し、乾燥した。乾燥後、材料は5.7ミクロンの
平均粒度となるようハンマー粉砕した。
【0085】
実施例4:屋内用ラテックス平壁塗料(調合物A)
屋内用ラテックス平壁塗料(調合物A)を、以下の表に掲げた調合剤を使用して調製し
た。
【0087】
上記調合剤によるマスターバッチ調合物を調製し、約26.5リットル(約7ガロン)
の容積にした。調合物Aを調製するため、調合剤1〜7を予め混合し、この混合物に調合
剤8を添加して連続撹拌した。調合剤9をつぎに添加し、これによる混合物をさらに10
分間撹拌した。調合剤10,11をつぎに添加し、これをマスターバッチの「グラインド
」部分として隔離した。
【0088】
調合剤13〜16を予混合し、この混合物に調合剤17を添加し、5分間撹拌した。最
後に調合剤18を添加し、この混合物を低速で15分間撹拌した。この部分は、調合物A
の「レットダウン」部分として使用した。
【0089】
つぎに、71.46グラムの調合剤12(ケイ酸塩生成物)を298.97グラムのグ
ラインド部分に分散させ、3.175cm(1.25インチ)のコウルス(Cowles)型ブ
レードを使用して2200rpmで3分間混合した。つぎに183.97グラムのレット
ダウン部分を添加し、この混合物をさらに10分間3100rpmで混合を続けた。調合
物Aのためにケイ酸塩生成物を使用して変化を付けた3種類のサンプルを調製し、これら
サンプルを以下の表にまとめた。
【0090】
調合物Aを使用して、ZEOLEX330(J.M.フーバー社)、EVONIK(SI
PERNAT820A)及び実施例2を含む同一の比較調合物と比較した。実施例2を含
む調合物Aのサンプルは、
図12に示すように、同一条件下で比較調合物に対して3〜4
倍も多いスクラブサイクルを示した。
【0091】
調合物Aを使用する塗料の陥没抵抗及び流動/平坦化特性も測定した。本発明による調
合物はユニークな流動及び平坦度挙動を示し、塗布したコーティングの外観特性に利する
。陥没抵抗対流動/平坦度比を表4に示す。
【0093】
実施例5(調合物B)
以下の表5に詳細を示すように調合物Bのバリエーションを調製するため、調合剤1〜
10を予め混合した。選択したケイ酸塩を調合剤8として調合物に代用した。つぎに、調
合剤11を所定量添加し、処理を行う都合上の所望稠度にした。この混合物を高速分散に
よって15分間グラインドし、この後調合剤11の残量を添加した。これにより得られた
分散ペーストを、調合剤12〜14の予混合物に撹拌しながら添加し、ついで調合剤15
〜18を添加した。
【0094】
付加的な調合物Bのバリエーションを調製し、これらを表5に列挙する。
【表5】
【0095】
本明細書に開示したケイ酸塩材料は、従来のバッチプロセスによって製造された標準生
成物、例えば、ZEOLEX80及びZEOLEX330に比べて極めて低いオイル吸収
性を有する。このより低いオイル吸収性は、上述した粒子構造、球状の粒子形状、及び比
較的小さい表面積などの粒子特性に起因する。
【0096】
より高いVOCコーティング剤においては、結合剤の結合能力及び粘着特性を、揮発性
有機溶剤及び可塑剤を使用して高める。VOCは熱塑性エマルション・ポリマー(ラテッ
クス)を軟化させ、これは臨界的なメカニズムであり、これによりこれら結合剤は連続マ
トリクスに懸濁した顔料粒子と合体する。塗料膜は、その後の塗料膜から溶剤が蒸発する
と最高度の硬さを得る。
【0097】
VOCによる一時的な可塑化なしでは、より柔らかいバインダ樹脂を使用して、同一の
膜形成及び顔料結合特性を得るようにする。バインダ要求がより少ない増量剤は、これら
可塑剤がより少なくて済み、したがって、バインダのVOC要求を減少する。バインダ要
求がより少ない顔料も、仕上がった塗料におけるよりよい強靱性及び優れた性能を有する
より高い分子量のバインダを使用することができる。
【0098】
上述のシリカ及びケイ酸塩によるコーティング剤調合物は、柔らかい低/ゼロVOCバ
インダにより減殺される、スクラブ抵抗及びバニシング抵抗のような特性を高めることが
できる。これら特性は、樹脂の結合能力と増量剤のバインダ要求との間、並びに硬さと増
量剤粒子の形状とのバランスによって、決定される。
図13は、本発明によるケイ酸塩が
塗料調合物Bにおける標準対照物に対して優れたスクラブ抵抗をもたらすことを示す。
【0099】
実施例6:ゼロVOCコーティング剤調合物(調合物C)
調合物Cを調製するため、調合剤1〜9を予め混合し、選択したシリカ又はケイ酸塩の
生成物を調合剤7として調合物に代用した。つぎに、この予混合物を、適量の調合剤10
を使用して、処理の都合上適当な粘性になるよう調整した。この結果得られるミル状ペー
ストの粉砕は15分間にわたる高速分散によってグラインドし、この後調合剤10の残量
を添加した。つぎにこの組成物を、調合剤11及び12の予混合物に撹拌しながら添加し
た。ついで調合剤13〜15を添加した。
【0100】
調合物Cのコーティング剤は、ケイ酸塩の充填量レベルを変化させて調製した。これら
調合物を表6に列挙する。
【0102】
調合物CはゼロVOC調合物の例である。ゼロVOC系は、より高いVOCの調合物B
に対してスクラブ抵抗及びバニシング抵抗が全体的により低い。このより積極的に挑んだ
調合物において、実施例3は、より高いVOCの調合物Bで得られる標準ケイ酸塩Zeo
lex330及びZeolex80に等しい又はそれよりも優れたスクラブ抵抗を得るこ
とができる。
【0103】
球状のケイ酸塩及びシリカは、双方ともに調合物Cにおいて、バッチ処理した標準的生
成物のZEOLEX80及びZEOLEX330との比較で検査した。この調合物におい
て、球状のシリカ及びケイ酸塩は、スクラブ抵抗検査において標準のZEOLEX330
よりも相当優れた性能を示す。とくに、球状のシリカは、他の材料よりも相当優れた性能
を示し、また塗料における充填範囲にわたり高いレベルの性能を維持する(
図14参照)
。
【0104】
バニシング(burnishing)は、ケイ酸塩及びシリカの増量剤を共通して使用する場合の
少量から中程度の光沢コーティング剤の損失モードである。バニシングは、使用環境にお
ける研磨力又は摩耗力によって生ずるコーティング膜の外観に対する物理的タメージの形
式である。バニシングは、明らかに影響を受ける領域における不均一な光沢に起因する。
【0105】
バニシング抵抗は、重要なコーティング性能特性でもあり、この特性は、増量剤のバイ
ンダ要求とバインダ樹脂の結合能力との間のバランスに基づく。このようにバニシング抵
抗は、ゼロVOCコーティング剤で得るのは特に困難である。
【0106】
シリカ又はケイ酸塩を含む本明細書で開示するコーティング剤調合物は、バニシングを
受けるとき認知可能な光沢度の上昇がほとんど又は全くない。ZEOLEX330の比較
塗料はほぼ14単位の大きなマージンが上昇した。
【0107】
本明細書が開示した材料の粒子特性及び比較的小さい表面積によれば、粒子をより密に
詰め合わせることができる。このことは、これら生成物を塗料に組み込むとき、健康上及
び生活上の問題を軽減する、粉塵発生がより少ない生成物をもたらす。
【0108】
本明細書が開示したシリカ及びケイ酸塩の粒子特徴は、濡れ易く、また分散し易い特性を
示す。シリカ及びケイ酸塩を分散させるのに必要なエネルギーは、普通の技術による比較
サンプルよりも、(それぞれ)平均で17.8%及び7.8%も少なくて済んだ。
図16
は、実験室内での15分間処理中の分散モータにおける%負荷を示す。この結果を表7に
示す。
【0110】
これら分散液用の粉砕物ベースの調合物は、それぞれ効率的な処理上適正な流動学的稠
度のために所定量の水を必要とする。水レベルは、検査分散液の処理において業界標準に
一致するよう調整した。材料を分散させるに必要な総水量は、標準生成物よりも少ない。
さらに、減少したパワー要求は、粉砕ペースト調合物における減少した水量に関連するこ
とが観察された。
【0111】
本発明によるシリカ及びケイ酸塩と標準的比較材料との間におけるオイル吸収には大き
な相違があるが、処理上の利点としては、従来通りに製造したシリカ生成物に比べて同一
のオイル吸収性を示す本発明によるシリカ及びケイ酸塩のユニークな特徴により強く関連
することが示された。この目的のために調製したシリカサンプルは、市販されて入手可能
な生成物であるZeodent109をエアミリングし、5ミクロンの平均粒度で60g
/ccのオイル吸収となるようにした。この材料を調合剤8として選択したシリカ生成物
の代わりに調合物Bに添加した。この添加により、粘度は塗料を調製できないくらい相当
大きく増大した。このことは、本発明によるシリカ及びケイ酸塩による結果、すなわち、
粘度は予想よりも実際的に相当低いものとなった結果と比べて明確な相違である。
【0113】
本明細書に開示した材料は処理のためにきれいな水の消費が少なく、環境に与える正味
の影響を最小限にし、また処理容器内における粉砕ベースの必要量を減らしもする。減少
した粉末要求とあいまって、コーティング剤の生産者は、同一処理資産を使用して生産処
理量を約2倍にすることができる。
【0114】
塗料の製造業者は、より明確な役割の他に他の重要な多くの目的のために、分散媒剤と
して水を使用する。水は製造プロセス全体にわたり、移送ラインをフラッシュ洗浄し、機
器を洗い、また機器における材料凝集体の形成を防止する。このことは、プロセスエンジ
ニアにとって大きな難題であり、なぜなら塗料調合物において処理の必要上に割り当てる
ことができる水の量は限られているからである。したがって、本明細書に開示した材料に
おける異常なくらい少ない水要求量は、プロセスエンジニアリングの観点から有利である
。処理水を塗料調合物に組み込む融通性をより高めることによって、塗料生産者はより効
率的に稼働させ、再加工を少なくし、また廃水量を減らす能力が得られる。
【0115】
種々の変更及び改変を、本明細書に記載した合成物、複合物、キット、物品、デバイス
、組成物及び方法に加えることができる。本明細書に記載した合成物、複合物、キット、
物品、デバイス、組成物及び方法の他の実施形態は、本明細書に記載した合成物、複合物
、キット、物品、デバイス、組成物及び方法の詳細及び実施を考慮すれば明らかであろう
。本明細書及び実施例は例示としてみなされたい。