(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6147946
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】密封装置
(51)【国際特許分類】
F16J 15/18 20060101AFI20170607BHJP
F16J 15/46 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
F16J15/18 D
F16J15/46
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-509061(P2017-509061)
(86)(22)【出願日】2016年10月31日
(86)【国際出願番号】JP2016082211
【審査請求日】2017年2月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-243761(P2015-243761)
(32)【優先日】2015年12月15日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(72)【発明者】
【氏名】義経 修司
(72)【発明者】
【氏名】辺見 耕太
【審査官】
山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/133595(WO,A1)
【文献】
実公昭46−31623(JP,Y1)
【文献】
特開2010−190314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/18
F16J 15/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する二部材間に配置されて密封流体をシールする密封装置であって、
前記二部材のうちの一方の部材に設けた装着溝に装着されて他方の部材に密接するシールリングと、前記シールリングの反密封流体側に配置される比較的硬質の第1バックアップリングと、前記シールリングおよび前記第1バックアップリング間に配置される比較的軟質の第2バックアップリングとを有し、
前記装着溝は断面矩形状の溝とされ、
前記第1バックアップリングは、前記装着溝の反密封流体側側面部に接触する端面部、前記他方の部材に対向する周面部ならびに前記端面部および前記周面部に対し交差する斜面部を備える形状とされ、
前記第2バックアップリングは、前記シールリングが接触する端面部、前記装着溝の底面部に対向する周面部および前記第1バックアップリングの斜面部に対応して設けられた斜面部を備える形状とされ、
前記第2バックアップリングにおける前記斜面部の内周端部に、前記装着溝の反密封流体側側面部に接触する軸直角平面状の接触面部を設け、
前記第1バックアップリングの内径寸法を前記第2バックアップリングにおける前記接触面部の外径寸法よりも大きく設定し、
前記第1バックアップリングの外径寸法を前記他方の部材の内径寸法よりも小さく設定したことを特徴とする密封装置。
【請求項2】
請求項1記載の密封装置において、
前記第1バックアップリングにおける前記斜面部は凹状の断面円弧形の面とされるとともに前記第2バックアップリングにおける前記斜面部は凸状の断面円弧形の面とされ、前記第2バックアップリングにおける前記端面部は凹状の断面円弧形の面とされていることを特徴とする密封装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール技術に係る密封装置に関する。本発明の密封装置は特に、高圧の密封流体をシールする高圧用シールとして用いられるのに適している。
【背景技術】
【0002】
従来から高圧用シールとして、
図2に示す密封装置1が知られている。この密封装置1は、互いに対向する二部材51,52間に配置されて高圧側Hの密封流体が低圧側Lへ漏洩しないようシールするものであって、二部材51,52のうちの一方の部材(例えば軸)51に設けた環状の装着溝53に装着されて他方の部材(例えばハウジング)52に密接するシールリング11と、シールリング11の反密封流体側(低圧側L)に配置される比較的硬質の第1バックアップリング21と、シールリング11および第1バックアップリング21間に配置される比較的軟質の第2バックアップリング31との組み合わせとされている。
【0003】
装着溝53は、加工が容易であることから断面矩形状の溝とされている。第1バックアップリング21は、装着溝53の反密封流体側側面部53bに接触する軸直角平面状の端面部21a、他方の部材52に接触する円筒面状の周面部21bならびに端面部21aおよび周面部21bに対して交差する斜面部21cを備えることにより断面三角形状に形成されている。第2バックアップリング31は、シールリング11が接触する軸直角平面状の端面部31a、装着溝53の底面部53aに接触する円筒面状の周面部31bおよび第1バックアップリング21の斜面部21cに対応して設けられた斜面部31cを備えることにより同じく断面三角形状に形成されている。
【0004】
上記構成の密封装置1においては、シールリング11の反密封流体側(低圧側L)に第1バックアップリング21が配置されているため、ゴム状弾性体よりなるシールリング11が高圧Pを受けたときに二部材51,52間の隙間54にはみ出して破損するのを防止することが可能とされ、またシールリング11および第1バックアップリング21間に第2バックアップリング31が配置されているため、シールリング11が第1バックアップリング21および他方の部材52間の隙間(図示せず)にはみ出して破損するのを防止することが可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−68467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記密封装置1においては、第1バックアップリング21および第2バックアップリング31の断面形状が共に単純な三角形状とされているため、以下の不都合が指摘される。
【0007】
すなわち上記密封装置1を上記二部材51,52間に組み付ける際には
図3(A)に示すように先ず、密封装置1を一方の部材51の装着溝53に装着し、次いで密封装置1を一方の部材51と共に他方の部材52の内周側(軸孔52a)へ挿入する(矢印x)が、挿入前のシールリング11の外径寸法d
1のほうが軸孔52aの内径寸法d
2より大きいことがあり、この場合、以下の事象が発生する。
【0008】
すなわち
図3(B)に示すように、上記挿入に際してシールリング11がその外周部で軸孔52aの開口周縁部52bと干渉することによりシールリング11の挿入が一時的に停止し、これに対し一方の部材51ならびにこれに押される第1バックアップリング21および第2バックアップリング31の挿入は続行されるので(矢印x)、このとき装着溝53の側面部53bおよびシールリング11間の間隔tが徐々に狭められる。
【0009】
第2バックアップリング31は、その周面部31bおよび斜面部31c間の角部31dが鋭角をなし、この鋭角の角部31dは装着溝53の側面部53bに押し付けられたとき軸方向に圧縮されやすい。したがって装着溝53の側面部53bおよびシールリング11間の間隔tが狭められると、第2バックアップリング31が全体として装着溝53の側面部53bに近付く方向へ移動し、第1バックアップリング21を押圧する。第2バックアップリング31が第1バックアップリング21を押圧すると、両バックアップリング21,31は斜面部21c,31c同士で接触しているため分力モーメントの作用によって第1バックアップリング21がその外径寸法を拡大するように変形する(矢印Y)。
【0010】
したがって、このように第1バックアップリング21が拡径変形した状態で更に挿入が続けられるため、第1バックアップリング21がその外周部で軸孔52aの開口周縁部52bと干渉し、これにより第1バックアップリング21が損傷することがある。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みて、断面矩形状の装着溝に装着されるシールリング、第1バックアップリングおよび第2バックアップリングの組み合わせよりなる密封装置において、挿入時に第1バックアップリングが拡径して損傷するのを抑制することができる密封装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の密封装置は、互いに対向する二部材間に配置されて密封流体をシールする密封装置であって、前記二部材のうちの一方の部材に設けた装着溝に装着されて他方の部材に密接するシールリングと、前記シールリングの反密封流体側に配置される比較的硬質の第1バックアップリングと、前記シールリングおよび前記第1バックアップリング間に配置される比較的軟質の第2バックアップリングとを有し、前記装着溝は断面矩形状の溝とされ、前記第1バックアップリングは、前記装着溝の反密封流体側側面部に接触する端面部、前記他方の部材に対向する周面部ならびに前記端面部および前記周面部に対し交差する斜面部を備える形状とされ、前記第2バックアップリングは、前記シールリングが接触する端面部、前記装着溝の底面部に対向する周面部および前記第1バックアップリングの斜面部に対応して設けられた斜面部を備える形状とされ、前記第2バックアップリングにおける前記斜面部の内周端部に、前記装着溝の反密封流体側側面部に接触する軸直角平面状の接触面部を設け、前記第1バックアップリングの内径寸法を前記第2バックアップリングにおける前記接触面部の外径寸法よりも大きく設定し、前記第1バックアップリングの外径寸法を前記他方の部材の内径寸法よりも小さく設定したことを特徴とする。
【0013】
上記構成を備える本発明の密封装置においては、第2バックアップリングにおける斜面部の内周端部に、装着溝の反密封流体側側面部に接触する軸直角平面状の接触面部が設けられているため、この軸直角平面状の接触面部を装着溝への装着の当初から装着溝の側面部に接触させておくことにより、第2バックアップリングは全体として装着溝の側面部に近付く方向へ移動しないものとされる。したがって挿入時、装着溝の側面部およびシールリング間の間隔が狭められても第2バックアップリング31が全体として装着溝の側面部に近付く方向へ移動することがないため、第2バックアップリングは第1バックアップリングを押圧せず第1バックアップリングはその外径寸法を拡大するよう変形しない。したがって挿入時に第1バックアップリングが軸孔の開口周縁部と干渉すると云う事態が発生しないため、第1バックアップリングが干渉により損傷するのを抑制することが可能とされる。
【0014】
上記軸直角平面状の接触面部以外のバックアップリングの形状については第1および第2バックアップリングともに断面三角形状で良いが、第1バックアップリングにおける斜面部を凹状の断面円弧形の面とするとともに第2バックアップリングにおける斜面部を凸状の断面円弧形の面とし、第2バックアップリングにおける端面部を凹状の断面円弧形の面とする場合には、以下の作用効果が発揮される。
【0015】
すなわち、挿入後の実機作動状態で高圧がシールリングに作用すると、シールリングが第2バックアップリングにおける凹状の断面円弧形の端面部を押圧するため、第2バックアップリングがその外径寸法を拡大するように弾性変形し、これにより第2バックアップリングが第1バックアップリングを押圧する。押圧された第1バックアップリングはこれもその外径寸法を拡大するように弾性変形し、他方の部材に接触し、または他方の部材との径方向間隔を狭める。したがってこのように径方向外方へ向けて弾性変形する第1バックアップリングによるシール効果を期待することが可能とされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては以上説明したように、断面矩形状の装着溝に装着されるシールリング、第1バックアップリングおよび第2バックアップリングの組み合わせよりなる密封装置において、挿入時に第1バックアップリングが拡径して損傷するのを抑制することができ、また、第1バックアップリングによるシール効果を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】(A)および(B)とも同密封装置の装着工程を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)高圧用途で汎用の矩形溝に用いるバックアップリングを有する。バックアップリングは、硬質バックアップリング(第1バックアップリング)および軟質バックアップリング(第2バックアップリング)の組み合わせよりなる。
(2)軟質バックアップリングは非加圧側に隙間が無いように装着される。硬質バックアップリングは相手側ハウジング(他方の部材)の内径より小さくし、挿入時に干渉しないようにする。すなわち軟質バックアップリングが溝側面と隙間なく設置され、かつその状態で装着可能なハウジング内径よりも外径が小さい硬質バックアップリングを有する。すなわち溝側面と平行に接触する箇所を設けることで取付け時(挿入時)に軟質バックアップリングの移動が無いため、硬質バックアップリングを押し上げないので、拡径しない。
(3)硬質バックアップリングおよび軟質バックアップリングの合わせ面をアーチ形状とする。軟質バックアップリングのシールリング接触側をアーチ形状とする。アーチ状とすることで、装着後に高圧化となったとき、Oリング(シールリング)がアーチ状の軟質バックアップリングを拡径するように変形させ、硬質バックアップリングを押し上げ、密封性を確保する。
【0019】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施例に係る密封装置1の要部断面を示している。当該実施例に係る密封装置1は、直噴インジェクタ等の油圧機器における高圧シール部に用いられるものであって、以下のように構成されている。
【0021】
すなわち当該密封装置1は、互いに対向する二部材としての軸(一方の部材)51およびハウジング(他方の部材)52間の環状隙間に配置されて、図における右方向の高圧側Hに存在する密封流体が図における左方向の低圧側(大気側)Lへ漏洩しないようにこれをシールするものであって、軸51の周面に設けた環状の装着溝53に装着されてハウジング52の軸孔内周面に密接するシールリングとしてのOリング11と、Oリング11の反密封流体側(低圧側L)に配置されて同じく装着溝53に装着される第1バックアップリング21と、Oリング11および第1バックアップリング21の間に配置されて同じく装着溝53に装着される第2バックアップリング31とを有している。Oリング11はこれに代えて、DリングやXリングなど他の断面形状のシールリングであっても良い。
【0022】
Oリング11は、ゴム状弾性体によって成形されている。第1バックアップリング21は、第2バックアップリング31よりも硬質の、例えばナイロン樹脂によって成形されている。第2バックアップリング31は、第1バックアップリング21よりも軟質の、例えばPTFE樹脂によって成形されている。
【0023】
装着溝53は、加工が容易であることから断面矩形状の矩形溝として形成されている。したがって溝内にテーパ形状の類は設けられておらず、装着溝53は円筒面状の底面部53aおよび軸直角平面状の両側面部53bのみの組み合わせとされている。
【0024】
第1バックアップリング21は、装着溝53の側面部53bに接触する反密封流体側(低圧側L)の軸直角平面状の端面部21aと、ハウジング52の軸孔内周面に接触する外周側の円筒面状の周面部21bと、端面部21aおよび周面部21bに対し交差するテーパ面状の斜面部21cとを備え、断面三角形状(直角三角形状)ないし略三角形状に形成されている。斜面部21cは、そのテーパの向きを密封流体側(高圧側H)から反密封流体側(低圧側L)へかけて径寸法(内径寸法)が徐々に縮小する向きとされている。
【0025】
第2バックアップリング31は、シールリング11が接触する密封流体側(高圧側H)の端面部31aと、装着溝53の底面部53aに接触する内周側の円筒面状の周面部31bと、端面部31aおよび周面部31bに対し交差するテーパ面状の斜面部31cとを備え、断面三角形状(直角三角形状)ないし略三角形状に形成されている。斜面部31cは、そのテーパの向きを密封流体側(高圧側H)から反密封流体側(低圧側L)へかけて径寸法(外径寸法)が徐々に縮小する向きとされている。
【0026】
第2バックアップリング31における斜面部31cの内周端部に、装着溝53の側面部53bに接触する軸直角平面状の接触面部31eが設けられており、第1バックアップリング21はその内径寸法d
3をこの接触面部31eの外径寸法d
4よりも大きく設定されている。したがって第2バックアップリング31の接触面部31eの外周側に第1バックアップリング21の端面部21aが配置されているため、第2バックアップリング31は接触面部31eをもって、第1バックアップリング21は端面部21aをもって両バックアップリング21,31が同時に装着溝53の側面部53bに接触することが可能とされている。
【0027】
また、第1バックアップリング21はその外径寸法d
5をハウジング52の内径寸法d
6よりも小さく設定され、挿入時にハウジング52の軸孔開口周縁部(図示せず)と干渉しないように設定されている。
【0028】
また、第1バックアップリング21の斜面部21cと第2バックアップリング31の斜面部31cは互いに対応して設けられているが、第1バックアップリング21の斜面部21cは凹状の断面円弧形の面とされ、第2バックアップリング31の斜面部31cは凸状の断面円弧形の面とされている。また、第2バックアップリング31の端面部31aはこれも凹状の断面円弧形の面とされている。
【0029】
上記構成の密封装置1においては、シールリング11の反密封流体側(低圧側L)に第1バックアップリング21が配置されているため、シールリング11が高圧Pを受けたときに軸51およびハウジング52間の隙間54にはみ出して破損するのを防止することが可能とされ、またシールリング11および第1バックアップリング21間に第2バックアップリング31が配置されているため、シールリング11が第1バックアップリング21およびハウジング52間の隙間55にはみ出して破損するのを防止することが可能とされている。したがってシールリング11が隙間54,55にはみ出して破損することを原因としてシール性が低下するのを抑制することができる。
【0030】
また、第2バックアップリング31における斜面部31cの内周端部に、装着溝53の反密封流体側側面部53bに接触する軸直角平面状の接触面部31eが設けられているため、この軸直角平面状の接触面部31eを装着溝53への装着の当初から装着溝53の側面部53bに接触させておくことにより、第2バックアップリング31はその全体として装着溝53の側面部53bに近付く方向へ移動することがない。
【0031】
したがって、当該密封装置1をハウジング52の軸孔52aに挿入する際、第2バックアップリング31が全体として装着溝53の側面部53bに近付く方向へ移動しないため、第2バックアップリング31は第1バックアップリング21を押圧せず第1バックアップリング21はその外径寸法d
5を拡大するよう変形しない。したがって挿入時に第1バックアップリング21が軸孔52aの開口周縁部と干渉すると云う事態が発生しないため、第1バックアップリング21が干渉により損傷するのを抑制することができる。
【0032】
また、第1バックアップリング21の斜面部21cが凹状の断面円弧形の面とされ、第2バックアップリング31の斜面部31cが凸状の断面円弧形の面とされ、第2バックアップリング31の端面部31aが凹状の断面円弧形の面とされているので、シールリング11に高圧Pが作用すると、シールリング11が第2バックアップリング31における凹状の断面円弧形の端面部31aを押圧し、第2バックアップリング31がその外径寸法を拡大するように弾性変形し、これにより第2バックアップリング31が第1バックアップリング21を押圧する。押圧された第1バックアップリング21はこれもその外径寸法d
5を拡大するように弾性変形し、その結果としてハウジング52の内面に接触し、または少なくともハウジング52の内面との径方向間隔を狭めることになる。したがってこのように径方向外方へ向けて弾性変形する第1バックアップリング21がシール作用を発揮するため、第1バックアップリング21によるシール効果を期待することができ、密封装置1のシール性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 密封装置
11 シールリング
21 第1バックアップリング
21a,31a 端面部
21b,31b 周面部
21c,31c 斜面部
31 第2バックアップリング
31d 角部
31e 接触面部
51 軸(一方の部材)
52 ハウジング(他方の部材)
52a 軸孔
53 装着溝
53a 底面部
53b 側面部
54,55 隙間
【要約】
断面矩形状の装着溝に装着されるシールリング、第1バックアップリングおよび第2バックアップリングの組み合わせよりなる密封装置において、挿入時に第1バックアップリングが拡径して損傷するのを抑制する。この目的を達成するため、第1バックアップリングは、装着溝の反密封流体側側面部に接触する端面部、周面部および斜面部を備える形状とされる。第2バックアップリングは、シールリングが接触する端面部、装着溝の底面部に対向する周面部および斜面部を備える形状とされる。第2バックアップリングにおける斜面部の内周端部に、装着溝の反密封流体側側面部に接触する軸直角平面状の接触面部を設ける。第1バックアップリングの内径を第2バックアップリングにおける接触面部の外径より大きく設定し、第1バックアップリングの外径をハウジング内径よりも小さく設定する。