(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において前記広告コンテンツの視認性が増加または減少するように前記広告コンテンツの表示態様を制御することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
  前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において前記広告コンテンツの透過率を変更し、変更した透過率で前記広告コンテンツを表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
  前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において時間経過に従って前記広告コンテンツの透過率を段階的に変更することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
  前記表示制御手段は、前記広告コンテンツと前記対象コンテンツとが重なる部分の互いの色が色空間において近いほど前記透過率が高くなるように変更することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
  前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において前記広告表示領域のサイズを変更し、変更したサイズの前記広告表示領域に広告コンテンツを表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
  前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において時間経過に従って前記広告表示領域のサイズを、前記対象コンテンツが示す文字列の書字方向に段階的に拡大することを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
  前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において前記広告表示領域のレイヤを変更し、変更したレイヤの前記広告表示領域に前記広告コンテンツを表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
  前記決定手段は、前記操作情報から前記操作が行われた時間間隔を特定し、特定した時間間隔に基づいて前記推定閲覧時間を決定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理システム。
  前記決定手段は、前記ページの変移量を特定し、特定した変移量が少ないほど前記推定閲覧時間を長く決定することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理システム。
  前記決定手段は、前記対象コンテンツの情報量を特定し、特定した情報量が多いほど前記推定閲覧時間を長く決定することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の情報処理システム。
  前記決定手段は、前記対象コンテンツの種別を特定し、特定した種別に応じた時間長の前記推定閲覧時間を決定することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の情報処理システム。
  前記部分領域設定手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間が長いほど前記部分領域を多く設定することを特徴とする請求項13に記載の情報処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  しかしながら、表示画面の一部に常に広告枠が配置された場合に、メインコンテンツの視認性が低下するといった問題がある。特許文献1の技術では、表示画面の一部に常にサブコンテンツが表示されることで当該表示画面におけるメインコンテンツの表示領域が限定されてしまうため、閲覧者によるメインコンテンツの閲覧の妨げとなるといった問題がある。特許文献2の技術では、表示画面の一部に常にサブコンテンツが表示されることでメインコンテンツにおける重要な部分がサブコンテンツに隠れてしまう可能性があり、閲覧者によるメインコンテンツの閲覧の妨げとなるといった問題がある。特許文献3の技術では、表示されるコンテンツは当該コンテンツの配信条件との比較に基づいて表示されるか否かが制御されるため、閲覧者によるメインコンテンツの閲覧に適切に対応できない蓋然性が高い。
【0005】
  本発明は、以上の点等に鑑みてなされたものであり、閲覧者によるメインコンテンツの閲覧性を担保しつつ、閲覧者に対して効率的な広告の提示を行うことが可能な情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを課題とする。
 
【課題を解決するための手段】
【0006】
  上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、広告コンテンツを表示するための広告表示領域が表示画面
に対して設定されており、前記表示画面に表示されるページに
設置される複数の主コンテンツのうち
、少なくとも1つの主コンテンツを対象コンテンツとして特定する特定手段と、前記ページの閲覧者
が前記ページを変移させ
た操作
の操作情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記操作情報に基づいて、
閲覧者が前記対象コンテンツ
を閲覧するのに要すると推定される時間長を推定閲覧時間
として決定する決定手段と、前記広告表示領域
に前記対象コンテンツ
が表示された場合に、前記決定手段により決定された
前記推定閲覧時間が終了するまでは、前記対象コンテンツを閲覧可能な態様で表示し、少なくとも前記
推定閲覧時間が終了した時点では、広告コンテンツを視認可能な態様で表示するよう当該広告コンテンツの表示態様を制御する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
  この発明によれば、閲覧者による対象コンテンツの閲覧性を担保しつつ、閲覧者に対して効率的な広告の提示を行うことができる。
【0008】
  請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において前記広告コンテンツの視認性が増加または減少するように前記広告コンテンツの表示態様を制御することを特徴とする。
【0009】
  この発明によれば、閲覧者による対象コンテンツの閲覧性を担保しつつ、広告コンテンツの視認性を増加または減少させることで閲覧者に対して効率的な広告の提示を行うことができる。
【0010】
  請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において前記広告コンテンツの透過率を変更し、変更した透過率で前記広告コンテンツを表示させることを特徴とする。
【0011】
  この発明によれば、広告コンテンツの透過率の変更という処理上負荷の少ない制御により効率的な広告の提示を行うことができる。
【0012】
  請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において時間経過に従って前記広告コンテンツの透過率を段階的に変更することを特徴とする。
【0013】
  この発明によれば、閲覧者が対象コンテンツを閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。
【0014】
  請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記広告コンテンツと前記対象コンテンツとが重なる部分の互いの色が色空間において近いほど前記透過率が高くなるように変更することを特徴とする。
【0015】
  この発明によれば、閲覧者が対象コンテンツを閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。
【0016】
  請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において前記広告表示領域のサイズを変更し、変更したサイズの前記広告表示領域に広告コンテンツを表示させることを特徴とする。
【0017】
  この発明によれば、広告表示領域のサイズの変更という処理上負荷の少ない制御により効率的な広告の提示を行うことができる。
【0018】
  請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において時間経過に従って前記広告表示領域のサイズを、前記対象コンテンツが示す文字列の書字方向に段階的に拡大することを特徴とする。
【0019】
  この発明によれば、閲覧者が対象コンテンツを閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。
【0020】
  請求項8に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報処理システムにおいて、前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において前記広告表示領域のレイヤを変更し、変更したレイヤの前記広告表示領域に前記広告コンテンツを表示させることを特徴とする。
【0021】
  この発明によれば、広告表示領域のレイヤの変更という処理上負荷の少ない制御により効率的な広告の提示を行うことができる。
【0022】
  請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報処理システムにおいて、前記決定手段は、前記操作情報から前記操作が行われた時間間隔を特定し、特定した時間間隔に基づいて前記推定閲覧時間を決定することを特徴とする。
【0023】
  この発明によれば、対象コンテンツの推定閲覧時間を迅速に決定することができる。
【0024】
  請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9の何れか一項に記載の情報処理システムにおいて、前記決定手段は、前記ページの変移量を特定し、特定した変移量が少ないほど前記推定閲覧時間を長く決定することを特徴とする。
【0025】
  この発明によれば、対象コンテンツの推定閲覧時間の精度を高めることができる。
【0026】
  請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の情報処理システムにおいて、前記決定手段は、前記対象コンテンツの情報量を特定し、特定した情報量が多いほど前記推定閲覧時間を長く決定することを特徴とする。
【0027】
  この発明によれば、対象コンテンツの推定閲覧時間の精度を高めることができる。
【0028】
  請求項12に記載の発明は、請求項1乃至10の何れか一項に記載の情報処理システムにおいて、前記決定手段は、前記対象コンテンツの種別を特定し、特定した種別に応じた時間長の前記推定閲覧時間を決定することを特徴とする。
【0029】
  この発明によれば、対象コンテンツの推定閲覧時間の精度を高めることができる。
【0030】
  請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12の何れか一項に記載の情報処理システムにおいて、前記広告表示領域を分割して複数の部分領域を設定する部分領域設定手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間に基づいて、前記部分領域毎に当該部分領域に表示される広告コンテンツの表示態様を制御することを特徴とする。
【0031】
  この発明によれば、閲覧者が対象コンテンツを閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。
【0032】
  請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の情報処理システムにおいて、前記部分領域設定手段は、前記決定手段により決定された前記推定閲覧時間が長いほど前記部分領域を多く設定することを特徴とする。
【0033】
  この発明によれば、閲覧者が対象コンテンツを閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。
【0034】
  請求項15に記載の発明は、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、広告コンテンツを表示するための広告表示領域が表示画面
に対して設定されており、前記表示画面に表示されるページに
設置される複数の主コンテンツのうち
、少なくとも1つの主コンテンツを対象コンテンツとして特定する特定ステップと、前記ページの閲覧者
が前記ページを変移させ
た操作
の操作情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記操作情報に基づいて、
閲覧者が前記対象コンテンツ
を閲覧するのに要すると推定される時間長を推定閲覧時間
として決定する決定ステップと、前記広告表示領域
に前記対象コンテンツ
が表示された場合に、前記決定ステップにより決定された
前記推定閲覧時間が終了するまでは、前記対象コンテンツを閲覧可能な態様で表示し、少なくとも前記
推定閲覧時間が終了した時点では、広告コンテンツを視認可能な態様で表示するよう当該広告コンテンツの表示態様を制御する表示制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0035】
  請求項16に記載の発明は、コンピュータを、広告コンテンツを表示するための広告表示領域が表示画面
に対して設定されており、前記表示画面に表示されるページに
設置される複数の主コンテンツのうち
、少なくとも1つの主コンテンツを対象コンテンツとして特定する特定手段と、前記ページの閲覧者
が前記ページを変移させ
た操作
の操作情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記操作情報に基づいて、
閲覧者が前記対象コンテンツ
を閲覧するのに要すると推定される時間長を推定閲覧時間
として決定する決定手段と、前記広告表示領域
に前記対象コンテンツ
が表示された場合に、前記決定手段により決定された
前記推定閲覧時間が終了するまでは、前記対象コンテンツを閲覧可能な態様で表示し、少なくとも前記
推定閲覧時間が終了した時点では、広告コンテンツを視認可能な態様で表示するよう当該広告コンテンツの表示態様を制御する表示制御手段として機能させることを特徴とする。
 
【発明の効果】
【0036】
  本発明によれば、閲覧者による対象コンテンツの閲覧性を担保しつつ、閲覧者に対して効率的な広告の提示を行うことができる。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0038】
  以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、コンテンツ表示システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
 
【0039】
[1.コンテンツ表示システムの構成及び機能概要]
  先ず、本実施形態に係るコンテンツ表示システムSの構成及び概要機能について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係るコンテンツ表示システムSの概要構成例を示す図である。
図1に示すように、コンテンツ表示システムSは、コンテンツ提供サーバ1、クライアント端末2、及び広告提供サーバ3等を含んで構成される。コンテンツ表示システムSは、本発明の情報処理システムの一例である。コンテンツ提供サーバ1、クライアント端末2、及び広告提供サーバ3は、ネットワークNWに接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築される。なお、広告提供サーバ3は、コンテンツ提供サーバ1に組み込まれてもよい。
 
【0040】
  コンテンツ提供サーバ1は、ブログサイトやSNS(Social Networking Service)サイト等のWebサイトを提供するサーバである。なお、本実施形態では、コンテンツ提供サーバ1(Webサイト)からクライアント端末2へ提供されて表示されるページ(Webページ)を適用した場合を例にとって説明するが、クライアント端末2にインストールされるアプリケーションにより表示されるページを適用してもよい。また、Webサイトから提供されるページは、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)文書やXHTML文書等の構造化文書及び画像データ等により構成される。Webサイトは、複数のユーザ毎に割り当てられ、固有のURL(Uniform Resource Locator)が付与されている。Webサイトが割り当てられたユーザは、Webサイトから提供されるページを管理する管理者(以下、「ページの管理者」という)となる。このページの管理者には、例えば、クライアント端末2を通じて所定の手続きを行うことでWebサイトを開設した開設者(例えば、ブロガー)が該当する。また、Webサイトの開設者の他にも、例えばブログサイトの運営者から提供されるブログサービスの利用者もページの管理者に該当する。クライアント端末2は、ブラウザによりWebサイトのURLを指定することで、Webサイトから提供されたページをディスプレイ上に表れた表示画面(例えば、ブラウザのウインドウ)に表示する。
 
【0041】
  このようなページには、主コンテンツ(メインコンテンツ)を表示するための主表示領域、及び広告コンテンツ(サブコンテンツ)を表示するための広告表示領域等の複数の領域が配置されている。主表示領域及び広告表示領域には、それぞれに固有の領域ID(領域を識別する識別情報)が割り当てられている。主コンテンツ及び広告コンテンツは、それぞれ、画像データとテキストデータの少なくとも何れか一方から構成され、それぞれの表示領域(つまり、主表示領域と広告表示領域)内に収まる平面的なサイズを有するオブジェクトとして表示される。画像データは、静止画を構成するデータであってもよいし、動画を構成するデータであってもよい。主コンテンツには、例えばページの管理者により投稿された記事やニュース、或いは、商品紹介や観光地紹介等の情報等が含まれるが、特に限定されるものではない。記事には、例えば、ページの管理者が紹介する商品の名称、型式、価格、属性、特徴、及び商品特定情報(例えば商品IDや商品コード)等のうちの何れかの情報や、当該商品に対するレビュー(例えば、感想、意見、評論、評価等)が含まれる。なお、主コンテンツは、例えばコンテンツ提供サーバ1内に格納される。また、主表示領域に表示される主コンテンツには、主コンテンツについての詳細情報を提供するWebサイトへのリンク(ハイパーリンク)が設定される場合もある。広告コンテンツには、例えば広告主がページの管理者または閲覧者に広告したい取引対象となる商品やサービスの情報(例えば、商品の場合、商品の名称、型式、価格、属性、特徴、及び商品特定情報等のうちの何れかの情報)が含まれる。なお、広告コンテンツは、広告提供サーバ3内に格納される。また、広告表示領域に表示される広告コンテンツには、例えば取引対象の詳細情報を提供するWebサイトや取引対象の注文手続を行うWebサイトへのリンク(ハイパーリンク)が設定される場合もある。
 
【0042】
  また、ページのサイズ(ページの全領域の面積)は、クライアント端末2の表示画面のサイズより大きく(広く)なっている。このため、ページの全領域のうち一部の領域が表示画面内に表示され、且つ、ページの閲覧者の操作(例えば、スクロール操作、ページダウン操作、またはページアップ操作等)に応じて表示画面内に表示される領域が変移するようになっている。ただし、広告表示領域は、表示画面内に常に配置されるようにページに設けられている。例えば、広告表示領域は当該広告表示領域以外の領域(主表示領域を含む)よりも上位レイヤ(つまり、上位(閲覧者側)の表示レイヤ)に配置されており、当該広告表示領域以外の領域が閲覧者の操作により変移(例えばスクロール)しても、広告表示領域は表示画面外へ出ることなく表示画面内の特定の位置に固定表示されるか、或いは表示画面内で移動表示される。さらに、広告表示領域には、広告提供サーバ3に対して広告要求(広告表示領域IDを含む)を行うことで、広告提供サーバ3から広告コンテンツを取得して該広告表示領域に埋め込むプログラム(スクリプト)が設定されている。このプログラムは、例えば所定のスクリプト言語(例えば、JavaScript(登録商標))により構成されており、ページを構成する構造化文書内に記述されている。
 
【0043】
  広告提供サーバ3は、広告コンテンツ、広告主の情報、広告コンテンツが表示される広告表示領域の領域ID、及び広告表示領域の利用料等を広告コンテンツ毎に対応付けて格納する広告データベースを備える。広告提供サーバ3は、クライアント端末2からの広告要求を受信すると、当該広告要求に含まれる領域IDに対応付けられた広告コンテンツを広告データベースから取得して、クライアント端末2へ送信する。なお、1つの広告表示領域の領域IDに、異なる複数の広告コンテンツが対応付けられる場合もある。この場合、当該広告表示領域に、複数の広告コンテンツが所定時間毎に切り替えられて表示されるか、或いは広告表示領域が複数の部分領域に分割され、分割されたそれぞれの部分領域にそれぞれの広告コンテンツが表示されることになる。ところで、広告コンテンツは、当該広告コンテンツを提供する広告主が例えばサイト運営者に広告表示領域の利用料を支払うことで当該広告表示領域に表示されることになる。広告表示領域の利用料は、例えばサイト運営者により予め決められた固定利用料であってもよいし、広告コンテンツの表示時間やクリック数などの実績に基づいて決定される変動利用料であってもよい。また、広告表示領域の利用料は、後述するように、広告コンテンツの表示態様の変更に基づいて決定されるとよい。
 
【0044】
  図2(A)は、本実施形態に係るコンテンツ提供サーバ1の概要構成例を示すブロック図である。
図2(A)に示すように、コンテンツ提供サーバ1は、通信部11、記憶部12、入出力インターフェース部13、及びシステム制御部14等を備える。システム制御部14と入出力インターフェース部13とは、システムバス15を介して接続されている。通信部11は、ネットワークNWに接続して通信状態の制御を行う。記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム(O/S),及びサーバプログラム等の各種プログラムを記憶する。また、記憶部12には、ページの管理者に対して割り当てられたWebサイトに対応する管理者毎の記憶領域(ページの管理者毎に区別された記憶領域)が設けられており、管理者毎の記憶領域には、管理者のユーザID、WebサイトのURL、管理者のページを構成する構造化文書等のデータ、及び当該ページに配置された主表示領域の情報が記憶されている。ここで、主表示領域の情報には、当該主表示領域の領域ID、及び当該主表示領域に表示される主コンテンツ等が含まれる。ページに複数の主表示領域が配置された場合、それぞれの主表示領域毎に、主表示領域の情報が記憶される。なお、ページを構成する構造化文書等のデータ、及び当該ページに配置された主表示領域の情報等は、クライアント端末2からのページ要求に応じて、当該クライアント端末2へ送信されることになる。システム制御部14は、CPU(Central Processing Unit)14a(プロセッサ),ROM(Read Only Memory)14b,及びRAM(Random Access Memory)14c等を備え、後述する処理を実行する。
 
【0045】
  図2(B)は、本実施形態に係るクライアント端末2の概要構成例を示すブロック図である。
図2(B)に示すように、クライアント端末2は、操作部21、表示部22、通信部23、記憶部24、入出力インターフェース部25、及びシステム制御部26等を備える。そして、システム制御部26と入出力インターフェース部25とは、システムバス27を介して接続されている。操作部21は、例えば、キーボード及びマウス等を備える。表示部22は、上述したページを表示するための表示画面を有する。なお、操作部21と表示部22とを兼ねるタッチパネルが適用されてもよい。通信部23は、ネットワークNWに接続して通信状態の制御を行う。記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブ等からなり、オペレーティングシステム(O/S),アプリケーション,及びブラウザ等の各種プログラムを記憶する。システム制御部26は、CPU26a(プロセッサ),ROM26b,及びRAM26c等を備え、後述する処理を実行する。なお、クライアント端末2には、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、携帯情報端末 (PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話機と携帯情報端末を融合させた携帯端末(Smartphone)、又は携帯ゲーム機等の端末装置が適用可能である。
 
【0046】
  以上の構成において、コンピュータとしてのシステム制御部14またはシステム制御部26は、本発明の情報処理プログラムにしたがって、後述するコンテンツ表示処理を実行する。なお、情報処理プログラムは、所定のサーバ等からネットワークNWを介してダウンロードされて記憶部12または記憶部24に記憶される。或いは、情報処理プログラムは、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に記録(コンピュータにより読み取り可能に記録)されており、当該記録媒体から読み込まれて記憶部12または記憶部24に記憶されるようにしてもよい。
 
【0047】
  図2(C)は、システム制御部14またはシステム制御部26における機能ブロックの一例を示す図である。上記コンテンツ表示処理において、システム制御部14(システム制御部14内のプロセッサ)またはシステム制御部26(システム制御部26内のプロセッサ)は、
図2(C)に示すように、対象コンテンツ特定部101、操作情報取得部102、推定閲覧時間決定部103、表示制御部104、及び部分領域設定部105等として機能する。なお、対象コンテンツ特定部101は、本発明における特定手段の一例である。操作情報取得部102は、本発明における取得手段の一例である。推定閲覧時間決定部103は、本発明における決定手段の一例である。表示制御部104は、本発明における表示制御手段の一例である。部分領域設定部105は、本発明における部分領域設定手段の一例である。
 
【0048】
  対象コンテンツ特定部101は、クライアント端末2の表示画面にページが表示されるときに、当該ページに配置された複数の主コンテンツのうち、当該表示画面内に表示される少なくとも1つの主コンテンツを対象コンテンツとして特定する。表示画面内に表示される主コンテンツが複数ある場合、それぞれの主コンテンツが対象コンテンツとして特定されてもよいし、当該複数の主コンテンツのうち何れか所定数(1つでもよい)の主コンテンツが対象コンテンツとして特定されてもよい。
 
【0049】
  操作情報取得部102は、ページの閲覧者の操作であって表示画面内に表示されるページを変移させる操作(例えば、スクロール操作、ページダウン操作、またはページアップ操作等)を示す操作情報を取得する。
 
【0050】
  推定閲覧時間決定部103は、操作情報取得部102により取得された操作情報に基づいて、上記対象コンテンツの推定閲覧時間を決定する。これにより、対象コンテンツの推定閲覧時間を迅速に決定することができる。ここで、推定閲覧時間は、閲覧者が対象コンテンツを閲覧するものとして推定される時間長であり、例えばページの変移(例えば、スクロール)が停止している時間である。例えば、推定閲覧時間決定部103は、操作情報取得部102により取得された操作情報から、ページを変移させる操作(例えば、ボタンの押下)が行われた時間間隔(例えばボタンを押下する間隔)を特定し、特定した時間間隔に基づいて推定閲覧時間を決定する。例えば、特定された時間間隔(例えば、3秒)が推定閲覧時間として決定されてもよいし、特定された時間間隔に所定時間(例えば、0.5秒)加算(または減算)した時間が推定閲覧時間として決定されてもよい。ただし、閲覧者が小刻みに操作して対象コンテンツの特定の範囲を閲覧する場合、時間間隔だけで推定閲覧時間を決定してしまうと、本来意図する推定閲覧時間としては短すぎてしまうことがある。このため、推定閲覧時間決定部103は、ページの変移量(例えば、変位した距離またはピクセル数)を特定し、特定した変移量が少ないほど推定閲覧時間を長く決定してもよい。例えば、推定閲覧時間決定部103は、上記特定した時間間隔に、上記特定した変移量に応じた所定時間(例えば、変位量が1cmである場合は3秒、変移量が3cmである場合は0.5秒)を加算した時間を推定閲覧時間として決定(言い換えれば、推定閲覧時間を補正)する。これにより、対象コンテンツの推定閲覧時間の精度を高めることができる。
 
【0051】
  また、推定閲覧時間決定部103は、上記対象コンテンツの情報量を特定し、特定した情報量が多いほど推定閲覧時間を長く決定してもよい。例えば、推定閲覧時間決定部103は、上記特定した時間間隔に、上記特定した情報量に応じた所定時間(例えば、情報量(例えば、文字数)が500文字である場合は5秒、情報量が200文字である場合は2秒)を加算した時間を推定閲覧時間として決定(言い換えれば、推定閲覧時間を補正)する。これにより、対象コンテンツの推定閲覧時間の精度を高めることができる。また、推定閲覧時間決定部103は、対象コンテンツの種別を特定し、特定した種別に応じた時間長の推定閲覧時間を決定してもよい。例えば、推定閲覧時間決定部103は、上記特定した時間間隔に、上記特定した種別に応じた所定時間(例えば、種別が文字である場合は5秒、種別が画像である場合は1秒、種別が動画である場合は10秒)を加算した時間を推定閲覧時間として決定(言い換えれば、推定閲覧時間を補正)する。これにより、対象コンテンツの推定閲覧時間の精度を高めることができる。
 
【0052】
  表示制御部104は、クライアント端末2の表示画面内に存在する広告表示領域と、当該表示画面内に表示された対象コンテンツ(つまり、主表示領域に表示された対象コンテンツ)とが重なる場合に、推定閲覧時間決定部103により決定された推定閲覧時間に基づいて、広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様を制御する。例えば、表示制御部104は、当該推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において、当該広告コンテンツの視認性が増加または減少するように当該広告コンテンツの表示態様を制御する。これにより、閲覧者による対象コンテンツの閲覧性を担保しつつ、広告コンテンツの視認性を増加または減少させることで閲覧者に対して効率的な広告の提示を行うことができる。なお、推定閲覧時間が上記時間範囲として設定されてもよいし、推定閲覧時間から所定時間加算または減算した時間が上記時間範囲として設定されてもよい。
 
【0053】
  ここで、広告表示領域が、対象コンテンツが表示される主表示領域よりも上位レイヤに配置されている場合において、広告コンテンツの表示態様の制御の具体例について
図3〜
図7を参照して説明する。
図3〜
図7は、広告コンテンツの表示態様の制御が行われるときの表示画面例を示す図である。なお、
図3及び
図5の例では、主コンテンツC1〜C3が対象コンテンツC1〜C3として特定されており、
図4、
図6、及び
図7の例では、主コンテンツC1が対象コンテンツC1として特定されている。
 
【0054】
  例えば、表示制御部104は、上記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において広告コンテンツの透過率を変更し、変更した透過率で広告コンテンツADを表示させる。これにより、広告コンテンツの透過率の変更という処理上負荷の少ない制御により効率的な広告の提示を行うことができる。この透過率とは、透過の度合いを示し、透過率100%で完全透明であり、透過率50%で半透明である。例えば、広告コンテンツADの透過率が0%にデフォルト設定されている場合、表示制御部104は、上記設定された時間範囲の開始時点(
図3(A)参照)で広告コンテンツADの透過率を変更透過率に増加(例えば、デフォルト設定された透過率0%から、変更透過率80%に増加)させ(つまり、広告コンテンツADの視認性が減少)た後、上記時間範囲の終了時点(
図3(B)参照)で変更透過率から元の透過率(つまり、デフォルト設定された透過率)に戻す。これにより、例えば、閲覧者が対象コンテンツC1を丁度、閲覧し終えたときに広告コンテンツADを出現、或いは閲覧者に明確に把握させることができる。このとき、表示制御部104は、上記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において時間経過に従って広告コンテンツADの透過率を段階的に変更するとよい。例えば、表示制御部104は、上記設定された時間範囲の開始時点で広告コンテンツADの透過率を変更透過率に増加させた後、
図4(A)〜(E)に示すように、上記時間範囲の開始時点からの時間経過に従って広告コンテンツADの透過率を段階的に減少させ、上記時間範囲の終了時点で元の透過率に戻す。これにより、閲覧者が対象コンテンツを閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。
 
【0055】
  なお、変更透過率は、対象コンテンツC1の明度または彩度によって決定されてもよい。例えば、表示制御部104は、対象コンテンツC1の明度が低い(暗い)ほど、変更透過率が高くなるように変更(つまり、変更透過率が高く決定)する。また、表示制御部104は、対象コンテンツC1の彩度が低い(薄い)ほど、変更透過率が高くなるように変更してもよい。これは、対象コンテンツC1の明度または彩度が低いほど、広告コンテンツADが重なったときに、対象コンテンツC1の視認性が低くなる(見え難くなる)ので、変更透過率を高くすることで広告コンテンツADを、より透明にするためである。或いは、変更透過率は、広告コンテンツADの明度または彩度によって決定されてもよい。例えば、表示制御部104は、広告コンテンツADの明度が高い(明るい)ほど、変更透過率が高くなるように変更(つまり、変更透過率が高く決定)する。また、表示制御部104は、広告コンテンツADの彩度が高い(濃い)ほど、変更透過率が高くなるように変更してもよい。これは、広告コンテンツADの明度または彩度が高いほど、対象コンテンツC1が重なったときに、対象コンテンツC1の視認性が低くなる(見え難くなる)ので、変更透過率を高くすることで広告コンテンツADを、より透明にするためである。或いは、変更透過率は、広告コンテンツADと対象コンテンツC1とが重なる部分の互いの色の近さによって決定されてもよい。例えば、表示制御部104は、広告コンテンツADと対象コンテンツC1とが重なる部分の互いの色が色空間(例えば、RGB色空間、またはL*a*b*色空間)において近いほど(例えば、重なる部分の互いの色の座標のユークリッド距離から特定される色差が小さいほど)、変更透過率が高くなるように変更してもよい。これは、色が近いほど、対象コンテンツC1が重なったときに、対象コンテンツC1の視認性が低くなる(見え難くなる)ので、変更透過率を高くすることで広告コンテンツADを、より透明にするためである。これにより、閲覧者が対象コンテンツC1を閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。或いは、変更透過率は、対象コンテンツC1のエッジ量によって決定されてもよい。例えば、表示制御部104は、対象コンテンツC1のエッジ量が多いほど、変更透過率が高くなるように変更してもよい。ここで、エッジ量は、対象コンテンツC1として表示される文字や画像のエッジ検出により特定される。これは、エッジ量が多いほど、対象コンテンツC1が重なったときに、対象コンテンツC1の視認性が低くなる(見え難くなる)ので、変更透過率を高くすることで広告コンテンツADを、より透明にするためである。
 
【0056】
  或いは、表示制御部104は、上記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において広告表示領域のサイズ(表示サイズ)を変更し、変更したサイズの広告表示領域に広告コンテンツADを表示させてもよい。これにより、広告表示領域のサイズの変更という処理上負荷の少ない制御により効率的な広告の提示を行うことができる。例えば、表示制御部104は、上記設定された時間範囲の開始時点(
図5(A)参照)で広告表示領域のサイズを縮小させ(このとき、縮小されたサイズの広告表示領域に合わせて広告コンテンツADのサイズも縮小する)た後、上記時間範囲の終了時点(
図5(B)参照)で上記サイズを拡大することで元のサイズに戻す。このとき、表示制御部104は、上記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において時間経過に従って広告表示領域のサイズを段階的に拡大するとよい。例えば、表示制御部104は、上記設定された時間範囲の開始時点で広告コンテンツADの広告表示領域のサイズを縮小させ(このとき、縮小されたサイズの広告表示領域に合わせて広告コンテンツADのサイズも縮小する)た後、上記時間範囲の開始時点からの時間経過に従って上記サイズを段階的に拡大させ、上記時間範囲の終了時点で元のサイズに戻す。また、表示制御部104は、
図6(A)〜(E)に示すように、上記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において時間経過に従って広告表示領域のサイズを、対象コンテンツC1が示す文字列の書字方向(つまり、文字を書き進める方向)に段階的に拡大するとよい。これにより、閲覧者が対象コンテンツを閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。
 
【0057】
  或いは、表示制御部104は、上記推定閲覧時間に基づいて設定された時間範囲において広告表示領域のレイヤを変更し、変更したレイヤの広告表示領域に広告コンテンツADを表示させてもよい。これにより、広告表示領域のレイヤの変更という処理上負荷の少ない制御により効率的な広告の提示を行うことができる。例えば、表示制御部104は、上記設定された時間範囲の開始時点で広告表示領域のレイヤを、対象コンテンツC1が表示される主表示領域のレイヤより下位レイヤに変更し(このとき、広告コンテンツADも下位レイヤに変更される)、上記時間範囲の終了時点で広告表示領域のレイヤを元のレイヤに戻す。なお、表示制御部104は、上記設定された時間範囲の開始時点で対象コンテンツC1が表示される主表示領域のレイヤを、広告表示領域のレイヤより上位レイヤに変更し、上記時間範囲の終了時点で主表示領域のレイヤを元のレイヤに戻すように構成してもよい。
 
【0058】
  部分領域設定部105は、所定の条件を満たす場合(例えば1つの広告表示領域に異なる複数の広告コンテンツAD1〜AD4が対応付けられる場合)、広告表示領域を分割して複数の部分領域を設定する。このとき、部分領域設定部105は、上記推定閲覧時間が長いほど部分領域を多く設定してもよい。そして、表示制御部104は、上記推定閲覧時間に基づいて、部分領域毎に当該部分領域に表示される広告コンテンツAD1〜AD4の表示態様を制御する。これにより、閲覧者が対象コンテンツを閲覧しているときに、その閲覧を極力妨げることなく、より効果的な広告の提示を行うことができる。例えば、表示制御部104は、上記設定された時間範囲の開始時点(
図7(A)参照)で部分領域にそれぞれ表示された広告コンテンツAD1〜AD4の透過率を変更透過率に増加させた後、上記時間範囲(例えば、4秒間)の開始時点からの時間経過に従って第1の時間時点(
図7(B)の例では、開始時点から1秒後)で広告コンテンツAD1の変更透過率を元の透過率に戻し、第2の時間時点(
図7(C)の例では、開始時点から2秒後)で広告コンテンツAD2の変更透過率を元の透過率に戻し、第3の時間時点(
図7(D)の例では、開始時点から3秒後)で広告コンテンツAD3の変更透過率を元の透過率に戻し、上記時間範囲の終了時点(
図7(E)の例では、開始時点から4秒後)で広告コンテンツAD4の変更透過率を元の透過率に戻す。
 
【0059】
[2.コンテンツ表示システムSの動作]
  次に、
図8を参照して、本実施形態に係るコンテンツ表示システムSの動作について説明する。
図8は、クライアント端末2のシステム制御部26により実行されるコンテンツ表示処理の一例を示すフローチャートである。なお、システム制御部26により実行されるコンテンツ表示処理は、例えば、ページの構造化文書内に記述されたプログラム(スクリプト)にしたがって行われる。クライアント端末2のシステム制御部26は、ページの閲覧者の操作によりブラウザで指定されたWebサイトのURLに従ってコンテンツ提供サーバ1へアクセスしてページ要求を送信すると、当該コンテンツ提供サーバ1(当該Webサイト)からクライアント端末2へページが提供される。
 
【0060】
  クライアント端末2のシステム制御部26は、コンテンツ提供サーバ1からのページを取得すると、
図8に示すコンテンツ表示処理を開始する。
図8に示す処理が開始されると、システム制御部26は、取得されたページをディスプレイ上に表れた表示画面に表示する(ステップS1)。このとき、ページに配置された広告表示領域は表示画面内に表れることになる。そして、当該広告表示領域に埋め込まれたプログラム(スクリプト)により広告提供サーバ3へ広告要求が送信されると、当該広告提供サーバ3からクライアント端末2へ広告コンテンツが提供される。こうして、システム制御部26は、広告提供サーバ3から取得された広告コンテンツを広告表示領域に表示する(ステップS2)。
 
【0061】
  次いで、システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作があったか否かを判定する(ステップS3)。システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作がないと判定した場合(ステップS3:NO)、処理をステップS4へ進める。一方、システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作があったと判定した場合(ステップS3:YES)、処理をステップS5へ進める。
 
【0062】
  ステップS4では、システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作があったか否かを判定する。システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作があったと判定した場合(ステップS4:YES)、コンテンツ表示処理を終了する。一方、システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作がないと判定した場合(ステップS4:NO)、処理をステップS3に戻す。
 
【0063】
  ステップS5では、システム制御部26は、ページを変移させる操作に応じてページを変移させる。次いで、システム制御部26(操作情報取得部102)は、ページを変移させる操作を示す操作情報を取得する(ステップS6)。なお、コンテンツ提供サーバ1のシステム制御部14が、ページを変移させる操作を示す操作情報をシステム制御部26から取得してもよい。
 
【0064】
  次いで、システム制御部26は、推定閲覧時間を決定するために必要な回数分(少なくとも2回)の操作情報を取得したか否かを判定する(ステップS7)。システム制御部26は、推定閲覧時間を決定するために必要な回数分の操作情報を取得したと判定した場合(ステップS7:YES)、処理をステップS8に進める。一方、システム制御部26は、推定閲覧時間を決定するために必要な回数分の操作情報を取得していないと判定した場合(ステップS7:NO)、処理をステップS3に戻す。
 
【0065】
  ステップS8では、システム制御部26(対象コンテンツ特定部101)は、ページに配置された複数の主コンテンツのうち表示画面内に表示された主コンテンツを対象コンテンツとして特定する。このとき、表示画面内に表示される主コンテンツが複数ある場合、複数の対象コンテンツが特定されてもよい。なお、システム制御部26は、表示画面内に表示されているページの範囲(例えば座標)を示す情報をコンテンツ提供サーバ1へ送信することで、コンテンツ提供サーバ1のシステム制御部14が、ページに配置された複数の主コンテンツのうち表示画面内に表示された主コンテンツを対象コンテンツとして特定してもよい。
 
【0066】
  次いで、システム制御部26(推定閲覧時間決定部103)は、ステップS6またはステップS16で取得された操作情報に基づいて、上述したように、ステップS8で特定された対象コンテンツの推定閲覧時間を決定する(ステップS9)。このとき、システム制御部26(推定閲覧時間決定部103)は、上述したように、ページの変移量を特定して推定閲覧時間を補正してもよい。また、システム制御部26(推定閲覧時間決定部103)は、上述したように、対象コンテンツの情報量と対象コンテンツの種別の少なくとも何れか一方を特定して推定閲覧時間を補正してもよい(この場合において、複数の対象コンテンツが特定されている場合、それぞれの対象コンテンツの情報量や種別により、それぞれの対象コンテンツの推定閲覧時間が補正される)。なお、コンテンツ提供サーバ1のシステム制御部14が、取得された操作情報に基づいて、当該対象コンテンツの推定閲覧時間を決定してもよい。
 
【0067】
  次いで、システム制御部26は、表示画面内に存在する広告表示領域と、ステップS8で特定された対象コンテンツとが重なっている(少なくとも互いの一部領域が重なっている)か否かを判定する(ステップS10)。このとき、複数の対象コンテンツが特定されている場合、それぞれの対象コンテンツと広告表示領域とが重なっているか否かが判定される。システム制御部26は、広告表示領域と対象コンテンツとが重なっていると判定した場合(ステップS10:YES)、処理をステップS11に進める。一方、システム制御部26は、広告表示領域と対象コンテンツとが重なっていないと判定した場合(ステップS10:NO)、処理をステップS13に進める。
 
【0068】
  ステップS11では、システム制御部26は、広告表示領域と対象コンテンツとが重なった状態で当該広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様の制御が既に実行済であるか否かを判定する。このとき、複数の対象コンテンツが特定されている場合、それぞれの対象コンテンツについて、広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様の制御が既に実行済であるか否かが判定される。システム制御部26は、当該広告コンテンツの表示態様の制御が既に実行済でないと判定した場合(ステップS11:NO)、既に実行済でないと判定された対象コンテンツについては処理をステップS12に進める。一方、システム制御部26は、当該広告コンテンツの表示態様の制御が既に実行済であると判定した場合(ステップS11:YES)、既に実行済であると判定された対象コンテンツについては処理をステップS13に進める。
 
【0069】
  ステップS12では、システム制御部26(表示制御部104)は、ステップS9で決定された推定閲覧時間に基づいて、当該対象コンテンツとの相対関係において上述したように広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様を制御し、処理をステップS13に進める。このとき、複数の対象コンテンツが特定されている場合、上記推定閲覧時間に基づいて、それぞれの対象コンテンツとの相対関係において広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様が制御される。なお、コンテンツ提供サーバ1のシステム制御部14が、上記推定閲覧時間に基づいて、当該対象コンテンツとの相対関係において広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様を制御してもよい(つまり、システム制御部26のブラウザに表示制御データを送信することで表示態様を変化させる)。
 
【0070】
  ステップS13では、システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作があったか否かを判定する。システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作がないと判定した場合(ステップS13:NO)、処理をステップS14へ進める。一方、システム制御部26は、閲覧者によりページを変移させる操作があったと判定した場合(ステップS13:YES)、処理をステップS15へ進める。
 
【0071】
  ステップS14では、システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作があったか否かを判定する。システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作があったと判定した場合(ステップS14:YES)、コンテンツ表示処理を終了する。一方、システム制御部26は、閲覧者によりページの表示を終了させる操作がないと判定した場合(ステップS14:NO)、処理をステップS13に戻す。
 
【0072】
  ステップS15では、システム制御部26は、ページを変移させる操作に応じてページを変移させる。次いで、システム制御部26(操作情報取得部102)は、ページを変移させる操作を示す操作情報を取得し(ステップS16)、処理をステップS8に戻し、上記同様の処理を行う。なお、この場合も、コンテンツ提供サーバ1のシステム制御部14が、ページを変移させる操作を示す操作情報をシステム制御部26から取得してもよい。
 
【0073】
  以上説明したように、上記実施形態によれば、コンテンツ表示システムSでは、クライアント端末2の表示画面にページが表示されるときに、当該ページに配置された複数の主コンテンツのうち、当該表示画面内に表示される少なくとも1つの主コンテンツを対象コンテンツとして特定し、当該ページの閲覧者の操作であって表示画面内に表示されるページを変移させる操作を示す操作情報に基づいて当該対象コンテンツの推定閲覧時間を決定し、当該表示画面内に存在する広告表示領域と、当該表示画面内に表示された対象コンテンツとが重なる場合に、上記決定された推定閲覧時間に基づいて、広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様を制御するように構成したので、当該ページの閲覧者による対象コンテンツの閲覧性を担保しつつ、閲覧者に対して効率的な広告の提示を行うことができ、また、広告の露出効果を維持することができる。
 
【0074】
[3.広告表示領域の利用料の決定方法]
  次に、広告表示領域の利用料の決定方法について説明する。上述した広告表示領域の利用料は、広告コンテンツが広告表示領域に表示されることによる広告効果に見合う額であることが望ましい。しかし、広告コンテンツの表示態様が変更されると、この変更に応じて広告効果も変更され、ひいては、広告効果に見合う額も変更される可能性がある。そこで、広告コンテンツの表示態様の変更に応じて、広告表示領域の利用料を柔軟に決定(広告表示領域の利用料を動的に決定)可能な構成について以下に説明する。
 
【0075】
  この場合の基本的な構成として、コンテンツ表示システムS(情報処理システムの一例)は、広告コンテンツを表示するための広告表示領域が表示画面内に常に配置されるように設けられたページであって、当該ページに配置される複数の主コンテンツのうち、上記表示画面内に表示される少なくとも1つの主コンテンツを、上述したように対象コンテンツとして特定する特定手段と、上記広告表示領域と上記対象コンテンツとが重なる場合に、当該広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様を、上述したように変更する変更手段と、当該広告コンテンツの表示態様の変更に基づいて、上記広告表示領域の利用料を決定する利用料決定手段と、を備える。これにより、広告コンテンツの表示態様の変更に応じて、広告表示領域の利用料を柔軟に決定することができ、その結果、当該利用料を広告効果に見合うように柔軟に変更することができる。ここで、利用料決定手段は、例えば広告提供サーバ3の制御部のCPUにより実現される。広告提供サーバ3の制御部は、コンテンツ提供サーバ1またはクライアント端末2から、処理対象の広告コンテンツの表示態様の時系列的な変化を示す情報(データ群)を、ユーザ毎に取得して集計する。広告コンテンツの表示態様の時系列的な変化の例として、広告コンテンツ(広告表示領域)の表示サイズの時系列的な変化、広告コンテンツの透過率の時系列的な変化等が挙げられる。
 
【0076】
  広告提供サーバ3の制御部は、処理対象の広告コンテンツの表示態様の時系列的な変化を示す情報に基づいて、当該広告コンテンツの表示態様が変更された結果として実際に表示された当該広告コンテンツの表示量を算出する。当該表示態様の変更が広告表示領域(広告コンテンツ)の表示サイズの変更である場合、当該広告コンテンツの表示量は、当該広告コンテンツが広告表示領域に実際に表示された表示積算時間と、当該表示積算時間における広告表示領域(当該広告コンテンツが実際に表示された広告表示領域)の表示サイズ(表示面積)の集計値との積(或いは、表示サイズの集計値だけでもよい)として算出される。この集計値は、当該広告コンテンツが表示された各時点における表示サイズ(表示面積)の平均値、標準偏差値、または合計値等である。或いは、当該表示態様の変更が当該広告コンテンツの透過率の変更である場合、当該広告コンテンツの表示量は、当該広告コンテンツが広告表示領域に実際に表示された表示積算時間と、当該表示積算時間における当該広告コンテンツの透過率の集計値との積(或いは、透過率の集計値だけでもよい)として算出される。この集計値は、当該広告コンテンツが表示された各時点における透過率の平均値、標準偏差値、または合計値等である。或いは、当該表示態様の変更が当該広告コンテンツの透過率の変更である場合、当該広告コンテンツの表示量は、当該広告コンテンツが広告表示領域に実際に表示された表示積算時間と、当該表示積算時間における広告表示領域の表示サイズの集計値と、当該表示積算時間における当該広告コンテンツの透過率の集計値との積(或いは、表示サイズと透過率の集計値との積だけでもよい)として算出されてもよい。
 
【0077】
  そして、広告提供サーバ3の制御部は、上記算出された表示量(広告コンテンツの表示量)に基づいて、処理対象の広告コンテンツが表示された広告表示領域の利用料(つまり、当該広告コンテンツの広告主に請求する利用料)を決定する。例えば、基本表示サイズまたは基本透過率に応じた基本表示量、及び当該基本表示量に応じた基本利用料が予め定められている場合、広告提供サーバ3の制御部は、上記基本表示量と上記算出された表示量との大小関係に応じて、基本利用料を変更(つまり、増減)することで最終的な利用料(つまり、上記広告表示領域の利用料)を決定する。より具体的には、広告提供サーバ3の制御部は、上記基本表示量より上記算出された表示量が小さい場合、上記基本利用料を減額する。このとき、制御部は、上記基本表示量に対して上記算出された表示量が小さいほど、減額の幅を大きくするとよい。この場合、広告表示領域(広告コンテンツ)の表示サイズが縮小された頻度が高いほど、当該広告表示領域の利用料を安くすることができる。また、広告コンテンツの透過率が増加された頻度が高いほど、当該広告表示領域の利用料を安くすることができる。一方、広告提供サーバ3の制御部は、上記基本表示量より上記算出された表示量が大きい場合、上記基本利用料を増額する。このとき、制御部は、上記基本表示量に対して上記算出された表示量が大きいほど、増額の幅を大きくするとよい。この場合、広告表示領域(広告コンテンツ)の表示サイズが拡大された頻度が高いほど、当該広告表示領域の利用料を高くすることができる。また、広告コンテンツの透過率が減少された頻度が高いほど、当該広告表示領域の利用料を高くすることができる。
 
【0078】
  なお、上述した基本表示量及び基本利用料の代わりに、これらより小さい単位として、単位表示量及び単位利用料が定められていてもよい。この場合、広告提供サーバ3の制御部は、上記算出された表示量を単位表示量で割った値に対して単位利用料を乗算することで広告表示領域の利用料を決定する(つまり、上記算出された表示量に基づいて、広告表示領域の利用料を直接的に算出する)。
 
 
  コンテンツ表示システムSでは、クライアント端末2の表示画面にページが表示されるときに、当該ページに配置された複数の主コンテンツのうち、当該表示画面内に表示される少なくとも1つの主コンテンツを対象コンテンツとして特定し、当該ページの閲覧者の操作であって表示画面内に表示されるページを変移させる操作を示す操作情報に基づいて、上記対象コンテンツの推定閲覧時間を決定し、当該表示画面内に存在する広告表示領域と、当該表示画面内に表示された対象コンテンツとが重なる場合に、上記決定された推定閲覧時間に基づいて、広告表示領域に表示される広告コンテンツの表示態様を制御する。