特許第6148013号(P6148013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6148013
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】補体活性化のキメラ抑制分子
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/09 20060101AFI20170607BHJP
   C07K 14/47 20060101ALI20170607BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20170607BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20170607BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20170607BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20170607BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20170607BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20170607BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20170607BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170607BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170607BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   C12N15/00 AZNA
   C07K14/47
   C07K19/00
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   C12P21/02 C
   A61K37/02
   A61P29/00
   A61P43/00 105
   A61P37/06
【請求項の数】15
【全頁数】96
(21)【出願番号】特願2012-555437(P2012-555437)
(86)(22)【出願日】2011年3月4日
(65)【公表番号】特表2013-520979(P2013-520979A)
(43)【公表日】2013年6月10日
(86)【国際出願番号】EP2011053309
(87)【国際公開番号】WO2011107591
(87)【国際公開日】20110909
【審査請求日】2014年3月3日
(31)【優先権主張番号】10155621.5
(32)【優先日】2010年3月5日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/311,024
(32)【優先日】2010年3月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506330139
【氏名又は名称】リグショスピタレト
(73)【特許権者】
【識別番号】512012285
【氏名又は名称】ケベンハウンス ウニベルシテット
(73)【特許権者】
【識別番号】512012573
【氏名又は名称】シダンスク ウニベルシテット
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ガレッド
(72)【発明者】
【氏名】ティナ ヒュンメルショイ グルー
(72)【発明者】
【氏名】ミッケル−オレ スクイェート
【審査官】 戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−504027(JP,A)
【文献】 特表2009−532493(JP,A)
【文献】 特表2009−540831(JP,A)
【文献】 特表2005−537807(JP,A)
【文献】 特表2009−512451(JP,A)
【文献】 J. Biol. Chem.,2010年 1月,vol.285, no.11,pp.8234-8243
【文献】 Trends Mol. Med.,2008年,vol.14, no.12,pp.511-521
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−15/90
C07K 14/00−14/825
C07K 19/00
UniProt/GeneSeq
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/
WPIDS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子であって、
a)配列番号1のアミノ酸配列20-380又は当該アミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する機能性変異体を含む、フィコリン結合ポリペプチド、及び
b)因子H(FH)、GAS6、タンパク質S、C1-抑制因子(C1-inh)、補体成分4結合タンパク質(C4bp)、因子I(FI)、CR1、DAF(CD55)、CD59、CR2、若しくはそれらの機能性断片、又は免疫グロブリン分子から成るリストから選択される補体活性化の抑制因子である、補体活性の第二の調節因子、
を含み、補体活性化の抑制能を有するキメラ分子。
【請求項2】
補体活性の第二の調節因子が、因子H(FH)である、請求項1に記載のキメラ分子。
【請求項3】
免疫グロブリン分子が、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のFc成分から選択される、請求項1に記載のキメラ分子。
【請求項4】
フィコリン結合ポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸配列、又はその変異体又は免疫断片を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキメラ分子。
【請求項5】
フィコリン結合ポリペプチドと補体活性の第二の調節因子とが、融合タンパク質の形態で直接又は間接的に互いに融合される、請求項1〜のいずれか1項に記載のキメラ分子。
【請求項6】
フィコリン結合ポリペプチドのC末端が、補体活性の第二の調節因子のN末端に直接又は間接的に融合される、請求項に記載のキメラ分子。
【請求項7】
請求項又はに記載のキメラ分子をコードする、単離核酸分子。
【請求項8】
請求項に記載の単離核酸分子を含む、ベクター。
【請求項9】
請求項に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項10】
請求項又はに記載のキメラ分子の産生方法であって、ポリヌクレオチドコンストラクトの発現が可能な条件下で、請求項に記載の細胞を適した成長培地で培養する工程、及び生じたポリペプチドを培地から回収する工程を含む、方法。
【請求項11】
請求項1〜のいずれか1項に記載のキメラ分子を含む、組成物。
【請求項12】
請求項1〜のいずれか1項に記載のキメラ分子を含む、医薬組成物。
【請求項13】
医薬としての使用のための、請求項1〜のいずれか1項に記載のキメラ分子。
【請求項14】
炎症、アポトーシス及び/又は自己免疫と関連した任意の徴候の治療のための、請求項1〜のいずれか1項に記載のキメラ分子。
【請求項15】
アジソン病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、クローン病、グレーブス病、ギランバレー症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、原発性胆汁性肝硬変、慢性関節リウマチおよびブドウ膜炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、1型糖尿病、乾癬、アレルギーの治療のため;
虫垂炎、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍性大腸炎、偽膜性大腸炎、急性大腸炎、虚血性大腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、アカラシア、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、クローン病、腸炎、ウィップル病、アレルギー、免疫複合体病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、花粉症、敗血症(sepsis)、敗血症(septicemia)、エンドトキシンショック、悪液質、超高熱、好酸球性肉芽腫、肉芽腫症、サルコイドーシス、敗血症性流産、精巣上体炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、肺気腫、肺炎、鼻炎、塵肺症(pneumotransmicroscopicsilicovolcanoconiosis)、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス感染症、HIV感染症、B型肝炎ウイルス感染症、C型肝炎ウイルス感染症、播種性菌血症、デング熱、カンジダ症、マラリア症、フィラリア症、アメーバ症、包虫嚢胞、熱傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、じんましん、いぼ、膨疹、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、アテローム性動脈硬化症、血栓性静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱、アルツハイマー病、セリアック病、うっ血性心不全、成人呼吸窮迫症候群、髄膜炎、脳炎、多発性硬化症、脳梗塞、脳塞栓、ギランバレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄損傷、麻痺、ブドウ膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リウマチ性関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身性エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種移植片拒絶反応、移植片対宿主病、1型糖尿病、強直性脊椎炎、バーガー病、ライター症候群およびホジキン病、角膜炎、2型糖尿病、嚢胞性線維症、心筋梗塞、再灌流傷害、脳卒中、皮膚筋炎、メタボリック症候群、全身性炎症反応症候群、敗血症、多臓器不全、播種性血管内凝固、アナフィラキシーショック、1型及び/又は2型糖尿病性血管合併症及び腎症、髄膜炎、細菌性敗血症、併発マラリア、非定型溶血性尿毒症症候群、加齢黄斑変性、発作性夜間血色素尿症、ヘビ毒咬傷、熱傷、及び臓器移植への合併症の治療のため;
臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、脈管炎、心内膜炎、アテローム性動脈硬化症、血栓性静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱、うっ血性心不全、成人呼吸窮迫症候群、脳梗塞、脳塞栓、1型及び/又は2型糖尿病と関連する血管合併症及び腎症の治療のため;
血液凝固疾患、炎症反応を含む血栓又は凝血異常関連疾患及び血栓症の血管障害を含むフィブリン形成と関連した慢性血栓塞栓性疾患又は障害、深部静脈血栓症、動脈血栓症、手術後の血栓症、冠動脈バイパス術(CABG)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、血小板沈着脳卒中、腫瘍成長、腫瘍転移、血管新生、血栓溶解、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の動脈硬化及び/又は再狭窄、炎症の急性および慢性の徴候、敗血症、敗血症性ショック、敗血症、低血圧症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、肺塞栓症、病的血小板沈着、心筋梗塞と関連した任意の徴候の治療、又はアテローム硬化性血管を有し、血栓症、末梢血単核球(PBPC)移植後の静脈閉塞症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、及び血栓血小板減少性紫斑病(TTP)及びリウマチ熱の危険性がある哺乳類の予防治療のため;
血液凝固疾患、炎症反応を含む血栓又は凝血異常関連疾患又は障害及び血栓症の血管障害を含むフィブリン形成と関連した慢性血栓塞栓性疾患又は障害、深部静脈血栓症、動脈血栓症、手術後の血栓症、冠動脈バイパス術(CABG)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、血小板沈着脳卒中、腫瘍成長、腫瘍転移、血管新生、血栓溶解、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の動脈硬化及び/又は再狭窄、炎症の急性および慢性の徴候、病的血小板沈着、心筋梗塞と関連した徴候の治療、又はアテローム硬化性血管を有し、血栓症、末梢血単核球(PBPC)移植後の静脈閉塞症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、及び血栓血小板減少性紫斑病(TTP)及びリウマチ熱の危険性がある哺乳類の予防治療のため;
うっ血性心不全の手術を受けている患者又はうっ血性心不全を患う患者の、同定されたハイリスク患者において、血栓塞栓性合併症の発生を予防するため、
心臓と関連する病状の治療のため;或いは
フィコリン結合ポリペプチドの欠乏と関連する病状の治療のためである、請求項14に記載のキメラ分子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症、アポトーシス、自己免疫、血液凝固疾患、血栓又は凝血異常関連疾患に随伴する症状の治療における使用のための、例えば、融合ポリペプチド等のフィコリン結合ポリペプチドの新規キメラ分子に関する。本発明はさらに、このような融合ポリペプチドをコードする核酸分子、融合ポリペプチドの産生において使用されるベクター及び宿主細胞に関する。
【背景技術】
【0002】
補体系(C)の活性は、3つの異なる開始経路: 第二経路(AP)、古典(CP)、又はレクチン経路(LCP)を介して達成される。AP活性は異種表面上で生じ、C3の緩慢な自然加水分解、及び機能性C3コンバターゼC3bBbを形成する因子プロパージン、因子B及びD因子の活性によって生じる。APは、2つの他の経路の増幅経路(増幅ループ)としても機能する。近年、別のコンバターゼアセンブリーもまた、一部の標的表面へのプロパージンの非共有結合性結合によって惹起され得ることも示された。他方で、C1qが抗原と複合体を形成した免疫グロブリンに結合する場合に、CP活性は惹起され、これはC1q結合セリンプロテアーゼC1r及びC1sの活性を誘因する。C1sはC4及びC2を切断し活性化し、CP C3コンバターゼC4b2aを形成する。LCPは、マンノース結合レクチン(MBL)又はフィコリンが炭水化物又はアセチル化化合物の制限パターンに、例えば、微生物の表面上で結合する場合に、又は臨死宿主細胞に曝露される場合に活性化される。リガンドへの結合において、結合セリンプロテアーゼMASP-2は、C4及びC2を活性化し切断し、LCP C3コンバターゼC4b2aを形成する。MASP-1の機能は、C2のMASP-2 切断の安定化に関与し、またC3の低度の切断を指示すると考えられている。しかし、他の研究は、MASP-1及びMASP-2の機能及び活性を凝固系クロストーク関連プロトロンビン、フィブリノーゲン及び第XIII因子と関連づける。MASP1/3ノックアウトマウスを使用して、近頃、MASP-1が実際は補体活性に寄与するということが示された。最も近頃発見されたMBL結合セリンプロテアーゼMASP-3の正確な機能は、解明されるべきである。MASP-3 はMBLオリゴマーの限定的範囲と結合し、MASP-3及び低分子MBL結合タンパク質(sMAP)がMBL依存性LCP補体活性化の制御又は抑制に寄与することを示す研究が報告されている。
【0003】
MASP-1及び-3は、ディファレンシャルスプライシングを介して同一のMASP1/3遺伝子(染色体3q27-q28に存在する)から生じる。それらは、15 C-末端残基を除いた同一のA鎖を含む。A鎖は、EGF(上皮増殖因子)ドメインによって分離され且つ2つのCCPドメイン(補体制御タンパク質)が続く2つのCUB(C1r/C1s、Urchin-EGF、骨形成タンパク質)ドメインで構成される。セリンプロテアーゼドメインを含むB鎖は、MASP-1及びMASP-3について異なる。MASP-2及びsMAPは、sMAPがセリンプロテアーゼドメイン及びA鎖の主要部を欠如した切断型である同一遺伝子(染色体1p36-p36.2に存在する)からも生じる。MASP1/3遺伝子は、多型であることが示されているが、この機能的重要性はまだ十分に理解されていない。しかしながら、MASP2/sMAP遺伝子の多型が感染症リスクの増大と関連するという一部の証拠が存在する。MASPsの発現は、肝細胞に局在するが、近頃の研究から、ヒトMASP-3 mRNA(MASP-mRNAのみとして)が広範囲の組織で発現されることが示された。
【0004】
本発明の目的
本発明の実施形態の目的は、炎症、アポトーシス、自己免疫、血液凝固疾患、及び/又は血栓又は凝血異常関連疾患に随伴する症状の治療に適したキメラ分子を供することである。本発明のキメラ分子はさらに、これらの徴候の診断及び/又は予後、及び例えば、癌等の悪性疾患のためのバイオマーカーとして適し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
今回、レクチン補体経路の認識分子と結合する新規キメラ分子が、炎症、アポトーシス、自己免疫、血液凝固疾患、及び/又は血栓又は凝血異常関連疾患と関連する特定の病状の治療において使用できる、ということが本発明者によって発見された。
【0006】
つまり、第一の態様において、本発明は、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子であって、
a)フィコリン結合ポリペプチド、及び
b)補体活性の第二の調節因子、
を含み、補体活性化の抑制能を有するキメラ分子に関する。
【0007】
第二の態様において、本発明は、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子が、融合タンパク質の形態で互いに直接又は間接的に融合されたキメラ分子をコードする単離核酸分子に関する。
【0008】
第三の態様において、本発明は、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子が融合タンパク質の形態で互いに直接又は間接的に融合されたキメラ分子をコードする単離核酸分子を含むベクターに関する。
【0009】
第四の態様において、本発明は、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子が融合タンパク質の形態で互いに直接又は間接的に融合されたキメラ分子をコードする単離核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞に関する。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、ポリヌクレオチドコンストラクトの発現が可能な条件下で適した成長培地で本発明の細胞を培養する工程、及び培地から生じたポリペプチドを回収する工程、を含む本発明のキメラ分子の産生方法に関する。
【0011】
さらなる態様において、本発明は、本発明のキメラ分子を含む組成物に関する。
【0012】
さらなる態様において、本発明は、本発明のキメラ分子を含む医薬組成物に関する。
【0013】
さらなる態様において、本発明は、医薬としての使用のための本発明のキメラ分子に関する。
【0014】
さらなる態様において、本発明は、医薬の調製のための、本発明のキメラ分子の使用に関する。
【0015】
さらなる態様において、本発明は、炎症、アポトーシス及び/又は自己免疫と関連した任意の徴候の治療のための、本発明のキメラ分子及び本発明のキメラ分子を含む医薬組成物に関する。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、血液凝固疾患、血栓又は凝血異常関連疾患と関連した任意の徴候の治療のための本発明のキメラ分子に関する。
【0017】
さらなる態様において、本発明は、炎症、アポトーシス及び/又は自己免疫と関連した任意の徴候、血液凝固疾患、血栓又は凝血異常関連疾患の治療、同定されたハイリスク患者における血栓塞栓性合併症の発生の予防、心臓関連の病状又はフィコリン結合ポリペプチドの欠乏と関連する病状の治療のための方法に関し、斯かる方法は、本発明のキメラ分子の治療又は予防有効量を、それを必要とする対象に投与する工程を含む。
【0018】
さらなる態様において、本発明は、医薬の調製のための本発明の組成物の使用に関する。
【0019】
さらなる態様において、本発明は、本発明のキメラ分子、及びフィコリン-1、2、3、及びマンノース結合レクチン(MBL)、C1q、肺サーファクタントタンパク質SP-A及び/又はSP-D、及び例えば、CL-L1等の細胞内コラーゲン様防御分子から選択される1又は2以上のタンパク質の治療又は予防有効量を同時に又は連続して投与する工程を含む、本明細書に記載する任意の徴候の治療方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、MASP-1遺伝子の選択的転写を表す。MASP1遺伝子の選択的転写が、肝臓cDNAにおいて検出された。共通のエクソン6に位置する順方向プライマー、及びエクソン12(MASP1)、エクソン 11(MASP3)、及びエクソン 8a(FAP)に位置する特異的逆方向プライマーを使用して、MASP1、MASP3、及びFAP転写物を増幅させた。本明細書で使用するエクソン8aは、あるいは一次転写物の次の9〜17から10〜18のエクソンの大多数のシフトアップを有するエクソン 9と呼ぶことができる。MASP1は、500 bpの断片を生じ、MASP3は506 bpの断片を生じ、FAPは309 bpの断片を生じる。
【0021】
図2図2は、MASP1遺伝子の選択的スプライシングを示す。MASP1は、共に終止コドン配列(黒枠で標識される)を含む8a及びエクソン 11を除くスプライシングによって生じる。MASP1配列は、エクソン17に終止コドンを含む。MASP3は、エクソン8aを除くスプライシングによって生じ、FAPはエクソン 8aを除くスプライシングが生じない場合に生じる。FAPタンパク質は、2つのCUBドメイン、EGFドメイン及び最初のCCP1 ドメインを含む。
【0022】
図3図3は、FAP断片の組織発現を示す。Clontech由来のcDNAパネルで、MASP-1、MASP3、及びFAP遺伝子の組織分布を調べた。MASP-1、MASP-3、及びFAP転写物を、共通の順方向プライマー及び特異的逆方向プライマーを使用して増幅させた。GADPHを参照遺伝子として使用した。3つの遺伝子は全て肝臓で高発現され、さらに、FAPは組織で強く発現された(黒色で標識)。FAP遺伝子の微量な発現が、脳、結腸、前立腺、骨格筋、及び小腸で検出された(白色矢印で標識)。
【0023】
図4図4は、MASP-1、MASP-3、及びFAPの配列比較を示す。MASP-1、MASP-3、及びFAPのタンパク質配列を、BioEdit ソフトウェアを使用して整列させた。MASP-1及びMASP-3は、異なるC末端セリンプロテアーゼドメインを含み、一方FAPはいずれのセリンプロテアーゼドメインも含まない。代わりに、タンパク質は、C-末端領域に17個の新たなアミノ酸を含む。
【0024】
図5図5は、FAPのcDNA配列及び対応のタンパク質配列を示す。cDNA配列は上列に示し、対応するタンパク質配列は下列に示す。エクソン領域は、黒色縦線で分割する。MBL/フィコリンへの結合に寄与すると考えられるアミノ酸を、淡黄色枠で標識する。
【0025】
図6図6は、MASP-1補体活性化を示す。増加量のMASP-1でヒトMBLをインキュベートした。MASP-1は、C3及びC4補体タンパク質双方を活性化することができた。
【0026】
図7図7は、MASP-2補体活性化を示す。増加量のMASP-2でヒトMBLをインキュベートした。MASP-2は、C3及びC4補体タンパク質双方をを強くを活性化することができた。
【0027】
図8図8は、補体のMASP-3抑制を示す。増加量のMASP-3でヒトMBLをインキュベートした。MASP-3は、C3及びC4 補体タンパク質双方の活性を抑制することができた。
【0028】
図9図9は、mAb 抗MBL 131-11、抗フィコリン-2クローン 219、及び抗フィコリン-3 クローン334での血清フィコリン/MBLの免疫沈降を示す。続いてDynalの磁気ビーズ分離、SDS-PAGE、及びシグナル抗体としてのビオチン標識抗MASP-1/MASP-3クローン8B3でのウエスタンブロットを行った。
【0029】
図10図10は、FAPは、アセチル化ヒト血清アルブミン(AcHSA)に結合される場合に、フィコリンと相互作用することを示す。溶出血清フィコリンはAcHSAへ結合する。シグナル抗体としてビオチン標識抗MASP-1/MASP-3クローン 8B3でウエスタンブロットを行った。
【0030】
図11図11は、MASP-1及びMASP-3とrフィコリン-2との間の相互作用に関する動態及び解離定数を示す(Hummelshoj T et al.、Mol. Immunol.、2007)。
【0031】
図12図12は、GULFとFAP の17個の特有のアミノ酸との配列比較を示す。
【0032】
図13図13は、マンナン/MBL ELISAアッセイにおけるC4の補体活性化を示す。マンナンコーティングのウェルを、組換えヒトMBLで又はそれなしにインキュベートし、続いて段階希釈でMBL ホモ接合性欠乏血清でインキュベーションを行った。ポリクローナル抗C4c抗体を使用してC4沈着を測定した。エラーバーは、曲線上の各点の2重の繰り返しの測定において標準偏差の2倍を示す。
【0033】
図14図14は、アセチル化BSA/フィコリン-3 ELISAアッセイにおけるC4の補体活性化を示す。AcBSAコートウェルを、組換えヒトフィコリン-3で又はそれなしにインキュベートし、続いてフィコリン-3 ホモ接合性欠乏血清で段階希釈でインキュベートした。ポリクローナル抗C4c抗体を使用して、C4沈着を測定した。エラーバーは、曲線上の各点の2重の繰り返しの測定において2倍の標準偏差を示す。
【0034】
図15図15は、マンナン/MBL ELISAアッセイにおけるC4の補体活性化を示す。マンナンコーティングウェルを、組換えヒトMBLでインキュベートし、血清不含有培地上清としてのrMASP-1の段階希釈で一次元でインキュベートした。MBLホモ接合性欠乏血清を続いて二次元の段階希釈でインキュベートした。C4沈着を、ポリクローナル抗C4c抗体を使用して測定した。エラーバーは、曲線上の各点の2重の繰り返しの測定において2倍の標準偏差を示す。
【0035】
図16図16は、AcBSA/フィコリン-3 ELISAアッセイにおけるC4の補体活性化を示す。AcBSAコートウェルを、組換えヒトフィコリン-3でインキュベートし、続いて血清不含有培地上清としてのrMASP-1の段階希釈で一次元でインキュベートした。フィコリン-3ホモ接合性欠乏血清を、続いて段階希釈で二次元でインキュベートした。C4沈着を、ポリクローナル抗C4c抗体を使用して測定した。エラーバーは、曲線上の各点の2重の繰り返しの測定において2倍の標準偏差を示す。
【0036】
図17図17は、マンナン/MBL ELISA におけるC4の補体活性化を示す。マンナンコーティングウェルを、組換えヒトMBLでインキュベートし、続いて血清不含有培地上清としてのrMASP-2の段階希釈で一次元でインキュベートした。MBLホモ接合性欠乏血清を、続いて段階希釈で二次元でインキュベートした。C4沈着を、ポリクローナル抗C4c抗体を使用して測定した。エラーバーは、曲線上の各点の2重の繰り返しの測定において2倍の標準偏差を示す。
【0037】
図18図18は、AcBSA/フィコリン-3 ELISAアッセイにおけるC4の補体活性化を示す。AcBSAコートウェルを、組換えヒトフィコリン-3でインキュベートし、続いて血清不含有培地上清としてrMASP-2の段階希釈で一次元でインキュベートした。フィコリン-3 ホモ接合性欠乏血清を、続いて段階希釈で二次元でインキュベートした。ポリクローナル抗C4c抗体を使用して、C4沈着を測定した。エラーバーは、曲線上の各点の2重の繰り返しの測定において2倍の標準偏差を示す。
【0038】
図19図19は、マンナン/MBL ELISA アッセイにおけるC4の補体活性化を示す。マンナンコーティングウェルを、組換えヒトMBLでインキュベートし、続いて血清不含有培地上清としてのrMASP-3の段階希釈で一次元でインキュベートした。MBLホモ接合性欠乏血清を、続いて段階希釈で二次元でインキュベートした。C4沈着をポリクローナル抗C4c抗体を使用して測定した。エラーバーは、曲線上の各点の2重の繰り返しの測定において2倍の標準偏差を示す。
【0039】
図20図20は、AcBSA/フィコリン-3 ELISAアッセイにおけるC4の補体活性化を示す。AcBSA コートウェルを、組換えヒトフィコリン-3でインキュベートし、続いて血清不含有培地上清としてのrMASP-3の段階希釈で一次元でインキュベートした。フィコリン-3 ホモ接合性欠乏血清を、続いて段階希釈で二次元でインキュベートした。C4沈着を、ポリクローナル抗C4c抗体を使用して測定した。エラーバーは、曲線上の各点の2重の繰り返しの測定において2倍の標準偏差を示す。
【0040】
図21図21は、FAP、MASP1及びMASP3の組織分布を示す。MASP1及びMASP3と比較してFAPが心臓組織において高く発現された。肝臓のFAP発現と比較して、心臓組織で3倍高くFAPが発現された。さらに、肝臓中のMASP1及びMASP3発現と比較して、FAPの高発現が肝臓において観察された。脳、骨格筋及び前立腺組織において、相当なFAP発現もまた検出された。実験を3回2通りに行った。平均標準誤差を示す。
【0041】
図22図22は、タンパク質の17 FAP特異的C-末端残基に対して産生されたポリクローナルマウス抗血清を使用したMAP-1の免疫組織化学的肝臓局在性を示す。コントロール染色は陰性であった。FAP(ウサギ及びマウス)に対して産生された複数の異なるポリクローナル抗体は、同一のパターン染色を示した。
【0042】
図23図23は、MAP-1 組織局在性の免疫組織化学的分析(OM X10)を示す。左側パネルは、MAP-1へのmAb(12B11)での染色を示す。右側パネルは、非関連IgG1k mAbでのアイソタイプ制御染色を示す。(A-B): 心筋、(C-D): 骨格筋、(E-F): 肝臓試料、(G-H): 大動脈組織。右下隅のバーは、全スライドで50 μmを示す。
【0043】
図24図24は、MAP-1及びMASP-1/3血清複合体の免疫沈降を示す。(A)MAP-1及びMASP-1/3は、mAb 20C4(抗MAP-1)及びmAb 8B3(抗MASP-1/3、共通の重鎖上のエピトープと共に)を使用して血清から免疫沈降された。減少試料をエレクトロブロットし且つpAbでMAP-1まで又はビオチン標識mAbsでフィコリン-3(FCN334)及びMBL(Hyb 131-1)まで展開した。(B)1 ml、300 μl及び100 μlの血清、それぞれからの、MBL(Hyb 131-11)、フィコリン-2(FCN219)及びフィコリン-3(FCN334)へのmAbsでの免疫沈降を示す(左側)。コントロールは、抗MAP-1 mAb 20C4を使用して血清(sMAP-1)から沈殿されたMAP-1、及び培養上清(rMAP-1)から沈殿されたrMAP-1であった(右側)。pAbでMAP-1にプローブしたウエスタンブロットによって試料を分析した。
【0044】
図25-1】図25−1は、MBL及びフィコリン-3媒介補体C4沈着に対するMASP-2及びMAP-1の影響を示す。C4に対するポリクローナル抗体を使用してC4沈着を測定し、OD490-650nm 値として供した。エラーバーは、2重の繰り返しの測定の標準偏差の2倍を示す。rMBL、rフィコリン-3、rMAP-1及びrMASP-2のおおよその濃度を、図に示す。(A)濃度400ng/ml のrMBLでのMBL欠乏血清を使用した、マンナンコーティング表面上のC4沈着の再構成を示す。制御は、rMBLの付加がなかった。(B)rMBL媒介C4沈着へのrMASP-2の用量依存性効果を示す。(C)rMBL媒介C4沈着へのrMAP-1の用量依存性効果を示す。
【0045】
図25-2】図25−2は、MBL及びフィコリン-3媒介補体C4沈着に対するMASP-2及びMAP-1の影響を示す。C4に対するポリクローナル抗体を使用してC4沈着を測定し、OD490-650nm 値として供した。エラーバーは、2重の繰り返しの測定の標準偏差の2倍を示す。rMBL、rフィコリン-3、rMAP-1及びrMASP-2のおおよその濃度を、図に示す。(D)濃度400ng/ml のrフィコリン-3でのフィコリン-3欠乏血清を使用したAcBSAコーティング表面上のC4沈着の再構成を示す。コントロールは、rフィコリン-3の付加がなかった。(E)rフィコリン-3媒介C4沈着へのrMASP-2の用量依存性効果を示す。(F)rフィコリン-3 媒介C4沈着へのrMAP-1の用量依存性効果を示す。
【0046】
図26図26は、ピュアシステム(pure system)における補体C4沈着へのMASP-2及びMAP-1の影響を示す。マンナン表面上のrMBLを、rMASP-2の段階希釈で一次元でプレインキュベートした。rMAP-1の段階希釈を、続いて二次元で適用し、続いて精製C4を1 μg/mlで適用した。C4沈着をC4へのpAbで測定し、OD490-650nm値として供する。エラーバーは、2重の繰り返しの測定の標準偏差の2倍を示す。rMAP-1及びrMASP-2のおおよその濃度を、図のラベルに供する。
【0047】
図27図27は、代表的なMAP-1/FH又はFH/MAP-1発現ベクター及びMAP-1/FH又はFH/MAP-1タンパク質のキメラコンストラクトの模式図を示す。キメラ発現プラスミドは、コザック配列(K)、任意のリンカー(L)及び終止コドン(S)を含む。ベクターは、任意のシグナルペプチド(SP)をまた含むことができる。
【0048】
図28図28は、代表的なMAP-1/C4bp又はC4bp/MAP-1発現ベクター及びMAP-1/C4bp又はC4bp/MAP-1タンパク質のキメラコンストラクトの模式図を示す。キメラ発現プラスミドは、コザック配列(K)、任意のリンカー(L)及び終止コドン(S)を含む。ベクターは、任意のシグナルペプチド(SP)を含むこともできる。C4bpは、C4bpアルファー鎖(C4bpA)又はC4bpベータ鎖(C4bpB)単独、又は2つの鎖の組み合わせから構成されてよい。
【0049】
図29図29は、代表的なMAP-1/FI又はFI/MAP-1発現ベクター及びMAP-1/FI又はFI/MAP-1タンパク質のキメラコンストラクトの模式図を示す。キメラ発現プラスミドは、コザック配列(K)、任意のリンカー(L)及び終止コドン(S)を含む。ベクターは、任意のシグナルペプチド(SP)を含むこともできる。
【0050】
図30図30は、代表的なMAP-1/C1-inh又はC1-inh/MAP-1発現ベクター及びMAP-1/C1-inh又はC1-inh/MAP-1タンパク質のキメラコンストラクトの模式図を示す。キメラ発現プラスミドは、コザック配列(K)、任意のリンカー(L)及び終止コドン(S)を含む。ベクターは、任意のシグナルペプチド(SP)もまた含むことができる。
【0051】
図31図31は、4〜12%ビス-トリスSDS-PAGE中の精製rMAP-1及び血漿因子H、精製血漿因子H及び組換えMAP-1(血清不含有培地/SFM又は10%ウシ胎仔血清/FCSの培地由来)のクーマシーブリリアントブルー染色分析を示す。
【0052】
図32図32は、4〜12%ビス-トリスSDS-PAGE中の精製rMBL(SFM)、精製組換えMBL(血清不含有培地/SFM由来)のクーマシーブリリアントブルー染色分析を示す。
【0053】
図33図33は、MBLアッセイの仕組みの概要; 補体アッセイ組成物及び含まれる工程を示す。各工程間に、3回洗浄/ブロッキングが含まれる。第1工程: マンナンでのコーティング; 第2工程: rMBL、400ng/mlの適用; 第3工程: rMAP-1、fH又はrMAP-1/fH ハイブリッドの一次元での適用; 第4工程: MBL欠乏血清(D/D)の二次元での適用; 第5工程: C3又はC9沈着、C3又はC9へのモノクローナル抗体の測定。
【0054】
図34図34は、MBL媒介C3沈着へのMAP-1/因子Hハイブリッド分子の影響; MAP-1/因子Hハイブリッド分子による補体C3の用量依存的抑制を示す。
【0055】
図35A図35Aは、マンナンに結合されたrMBLへのrMAP-1(SFM)の結合; マンナンに結合されたrMBLでのMAP-1結合の検出を示す。rMAP-1、「遊離」因子Hを有するrMAP-1及びrMAP-1/因子Hハイブリッドの結合が、MAP-1へのモノクローナル抗体で検出される。
【0056】
図35B図35Bは、マンナンに結合されたrMBLとの因子Hの結合の検出を示す。因子H、「遊離」因子H有するrMAP-1及びrMAP-1/因子Hハイブリッドの結合が、因子Hへのモノクローナル抗体で検出される。
【0057】
図36A図36Aは、MBL媒介C3沈着への因子Hの影響; 精製「遊離」因子HによるMBL媒介補体C3の用量依存的抑制を示す。
【0058】
図36B図36Bは、MBL媒介C9沈着(TCC)への因子Hの影響; 精製「遊離」因子HによるMBL媒介補体C9(末端補体複合体/TCC)の用量依存的抑制を示す。
【0059】
図37A図37Aは、MBL媒介C3沈着へのrMAP-1の影響; 精製組換えMAP-1によるMBL媒介補体C3の用量依存的抑制を示す。
【0060】
図37B図37Bは、MBL媒介C9沈着(TCC)へのrMAP-1の影響; 精製組換えMAP-1によるMBL媒介補体C9(末端補体複合体/TCC)の用量依存的抑制を示す。
【0061】
図38A図38Aは、MBL媒介C3沈着へのrMAP-1 + 因子Hの影響; 組換えMAP-1及び「遊離」因子HによるMBL媒介補体C3の用量依存的抑制を示す。
【0062】
図38B図38Bは、MBL媒介C9沈着(TCC)へのrMAP-1 + 因子Hの影響; 組換えMAP-1及び「遊離」因子HによるMBL媒介補体C9(末端補体複合体/TCC)の用量依存的抑制を示す。
【0063】
図39A図39Aは、MBL媒介C3沈着へのrMAP-1/因子Hハイブリッドの影響; rMAP-1/因子Hハイブリッド分子によるMBL媒介補体C3の用量依存的抑制を示す。
【0064】
図39B図39Bは、MBL媒介C9沈着(TCC)へのrMAP-1/因子Hハイブリッドの影響; rMAP-1/因子Hハイブリッド分子によるMBL媒介補体C9(末端補体複合体/TCC)の用量依存的抑制を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本発明の詳細な説明
本発明者は、レクチン補体経路の認識分子と結合した40 kDaの新規血漿タンパク質を発見し、MASP-1/MASP-3の新規な選択的転写変異体としてこれを同定した。
【0066】
新規タンパク質(本発明者は、FAP(フィコリン結合タンパク質)又はMAP-1(MBL/フィコリン結合タンパク質1)と呼ぶ)は、本発明者によって、酵素ドメインを欠如するが、フィコリン/MBL結合ドメインを含むことが示され、よって、MASPの競合及び置換を介して又はその代わりとして補体及び血液凝固機能の制御及び抑制に寄与するが、スカベンジャー又はシグナル伝達機能に寄与するタンパク質として相互排他的でないことが期待される。
【0067】
補体系及び/又は血液凝固カスケードの未制御の活性化は、全身性炎症及び敗血症から心筋梗塞及び自己免疫に亘る様々な疾患における致命的な重度の予後と強く関係する。
【0068】
血液凝固及び補体活性化の抑制は、有望な治療上のツールと示された。
【0069】
MAP-1は、補体及び血液凝固機能の新規抑制因子の候補である。しかしながら、フィコリン結合ポリペプチドは、例えば、スカベンジャー及び/又はシグナル伝達機能等の他の機能を有することができる。さらに、自己免疫疾患、代謝性疾患及び/又は炎症状態を含む悪性疾患を含む一部の疾患において、それらはバイオマーカーとして使用できる。
【0070】
本発明の本発明者は、インビボ(in vivo)で存在する血漿タンパク質を発見し、フィコリン結合タンパク質(FAP)と命名した。最初にフィコリンと結合することが示されているが(図9)、マンノース結合レクチンともまた結合するようである。NCBIのヌクレオチドデータベースを調査することによって、本発明者は、MASP-1の切断型に相当する転写物変異体候補を発見した。この配列に基づき、推定の新規遺伝子転写物を増幅するためにプライマーをデザインした。続いて、ヒト肝臓cDNAを使用して、MASP-1遺伝子の新規選択的転写変異体(図1)を同定した。mRNAストレインを配列決定し、それによりアミノ酸配列を決定し、これは40 kDaの血漿/血清中の観察されたタンパク質の分子量に相当する(図5)。新規タンパク質は、MASP-1及びMASP-3と部分的に同一であるが、セリンプロテアーゼドメインが欠如するが、終止コドンが続く17個のアミノ酸をコードする新規エクソンを含む。このエクソンは、MASP1及びMASP3転写物において切り出される(図2)。mRNA発現ライブラリーのパネルを使用することによって、本発明者は斯かるタンパク質が心臓、肝臓及び骨格筋組織で強く発現される証拠を見つけた(図3)。弱い発現は脳、消化管、前立腺及び脾臓において観察された(図3)。Taqman分析によって、心臓及び肝細胞において発現が確認された。FAPは、MASP1及びMASP3と比較して心臓組織においてより強く発現された。FAPは、肝臓におけるFAP発現と比較して心臓組織において3倍強く発現された。さらに、肝臓におけるMASP1及びMASP3発現と比較して、肝臓においてより高いFAP発現が観察された。相当なFAP発現もまた、脳、骨格筋及び前立腺組織において検出された。実験を3回2通りに行った。
【0071】
心臓における高発現は非常に顕著であり、これにより本発明者は、例えば、心臓関連の医学的疾患等の自己免疫、代謝及び/又は炎症状態における組織損傷に対する、非常に有用なプロテクターとしての本発明のポリペプチドの使用を提案することとなった。
【0072】
本発明者は、フィコリン及びマンノース結合レクチンによって惹起された補体活性を評価するためのアッセイを確立し、これにより本発明者はFAPの機能的補体抑制因子の可能性を示すことができた。
【0073】
本発明者は、異なる組織における正確な相対発現レベルを測定するためのリアルタイム定量的アッセイを確立した。
【0074】
本発明のフィコリン結合ポリペプチド及び融合タンパク質は、組換え技術によって産生することができる。ウサギ又はマウスを特有の17個のアミノ酸長のペプチドで免疫化し、FAPポリクローナル及びモノクローナル特異的抗体をそれぞれ得ることができる。
【0075】
特異的FAP抗体は、異なる組織におけるFAPの定量的測定及び免疫組織化学的検出のために使用できる。
【0076】
本明細書に記載するFAPと異なる結合パートナーとの間の結合定数は、ELISAにおいて且つ表面プラズモン共鳴技術(Biacore)を使用して測定できる。
【0077】
例えば、特異的細胞表面結合受容体等の、FAP特異的アクセプタータンパク質は、例えば、タンパク質が直接的に細胞に結合するアッセイ等の、当業者に周知の標準アッセイによって同定できる。
【0078】
新規タンパク質フィコリン結合タンパク質(FAP)は、MASP1の選択的スプライシング変異体である。タンパク質は、セリンプロテアーゼドメインが欠如するが、補体系のレクチン経路の発動因子への結合に寄与するドメインをさらに含む。よって、本発明者は、斯かるタンパク質が、MASPの競合及び置換を通して、MASP-1及びMASP-3の機能(補体、血液凝固機能及び他の酵素基質)の制御及び抑制に寄与することを期待する。あるいは、非相互排他的FAPは、内在性老廃物又は病原体に結合されたFAP/MBL/フィコリン複合体の除去を促進するスカベンジャー分子として機能することができる。
【0079】
補体系及び血液凝固カスケードの未制御の活性化は有害事象と関連し、例えば、本発明のポリペプチド等の機能的抑制は、補体系及び血液凝固カスケードの制御に非常に有効となり得る。さらに、本発明のポリペプチドは、他の症状において使用できる。他の観点としては、斯かるタンパク質を異なる疾患症状においてバイオマーカーとして使用できることである。
【0080】
配列番号4のアミノ酸配列又はその免疫断片又は変異体を含む本発明のキメラ分子は、アミノ酸の斯かる特定の配列と関連する特異的機能を有することができる。本発明者によって、このようなポリペプチドはDNMT1 DNA(シトシン-5-)-メチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)、ゴルジンサブファミリーBメンバー1(GOLGB1)、Aキナーゼアンカータンパクタンパク質 9(AKAP9)、B-及びTリンパ球結合タンパク質(CD272抗原)、PTBドメイン含有貪食アダプタータンパク質1(GULP)、及びMACROドメイン含有タンパク質2から選択される1又は2以上のタンパク質の活性に相当する機能又は活性を有することができることが示唆されている。
【0081】
一部の特定の興味深い実施形態において、本発明のキメラ分子は、PTBドメイン含有貪食アダプタータンパク質1(GULP)の活性に相当する機能又は活性を有する。
【0082】
フィコリン結合ポリペプチドは特有であり、新規薬物及び/又は新規診断用ツールのための基礎を供することができる。
【0083】
従って、本発明者は、キメラ分子が補体活性の第二の調節因子をさらに含むフィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子を供した。
【0084】
フィコリン結合ポリペプチドは、炎症と関連した徴候、アポトーシス及び/又は自己免疫を含む様々な臨床症状において有効であることが期待される。しかしながら、補体活性の第二の調節因子、例えば、補体抑制因子等がフィコリン結合ポリペプチドに融合、付加、又は結合されたキメラ分子は、安全性及び有効性に関して顕著な利点の可能性を供することが期待される。
【0085】
定義
本明細書の用語「フィコリン結合ポリペプチド」とは、天然ヒトフィコリン結合タンパク質(FAP)(配列番号1)のアミノ酸配列20-380又は配列番号9のアミノ酸配列16-363、それらの機能性変異体、機能性切断型バージョン及び機能性誘導体又は複合体を含む任意のタンパク質又はポリペプチドを意味し、斯かるポリペプチドは補体活性を有さないが、フィコリン-3、MBL、C1q、肺サーファクタントタンパク質SP-A及び/又はSP-D及び/又はCL-L1(及び他のコレクチンファミリーメンバー)への結合のためのMASP-1、MASP-2、又はMASP-3と競合する能力を有する。これは、配列番号1を有するヒトフィコリン結合ポリペプチド(FAP)及びその変異体を含むがそれに限定されない。
【0086】
本明細書の用語「フィコリン結合タンパク質(FAP)」とは、天然ヒトFAP(配列番号 1)のアミノ酸配列1-380(例えば、アミノ酸配列20-380等のシグナルペプチドを有する又は有さない)、その自然対立遺伝子変異及び相同体を有するタンパク質を意味する。それは、タンパク質が実質的にFAPの活性を有する限り、例えば、N又はC末端アミノ酸欠失又は付加を含む修飾されたN又はC末端等のわずかに修飾されたアミノ酸配列を有するタンパク質もまた含む。用語「フィコリン結合タンパク質(FAP)」は本明細書で、用語「MAP-1」又は「MBL/フィコリン結合タンパク質-1」と互換的に使用される。上記定義内の「FAP」は、個体ごとに存在し得る又は生じ得る自然対立遺伝子変異もまた含む。斯かる用語はまた、例えば、ウシ、ブタ、イヌ、ウマ、ラット、及びマウス等のヒト以外の種から生じる相同配列及び同様の機能を有するタンパク質を含む。また、糖鎖付加又は他の翻訳後修飾の程度及び位置は、選択された宿主細胞及び宿主細胞環境の特性によって変化し得る。
【0087】
本明細書の用語「MBL結合セリンプロテアーゼ-1」又は「MASP-1」とは、天然ヒトMASP-1(配列番号5)のアミノ酸配列1-699(例えば、アミノ酸配列20-699等のシグナルペプチドを有する又は有さない)、その自然対立遺伝子変異及び相同体を有するタンパク質を意味する。斯かる配列が例えば、2つの鎖、すなわち、天然ヒトタンパク質の重鎖及び軽鎖等の1又は2以上のペプチド鎖中に存在することができることと理解されたい。
【0088】
本明細書の用語「MBL結合セリンプロテアーゼ-3」又は「MASP-3」とは、天然ヒトMASP-3(配列番号7)のアミノ酸配列1-728(例えば、アミノ酸配列20-728等のシグナルペプチドを有する又は有さない)、その自然対立遺伝子変異及び相同体を有するタンパク質を意味する。斯かる配列は、例えば、2つの鎖、すなわち、天然ヒトタンパク質の重鎖及び軽鎖等の1又は2以上のペプチド鎖において存在し得ることと理解されたい。
【0089】
本明細書の用語「MBL結合セリンプロテアーゼ-2」又は「MASP-2」とは、天然ヒトMASP-2(配列番号9)のアミノ酸配列1-686(例えば、アミノ酸配列16-686等のシグナルペプチドを有する又は有さない)、その自然対立遺伝子変異及び相同体を有するタンパク質を意味する。斯かる配列は、例えば、2つの鎖、すなわち、天然ヒトタンパク質の重鎖及び軽鎖等の1又は2以上のペプチド鎖において存在し得ることと理解されたい。
【0090】
本明細書の用語「低分子MBL結合タンパク質」、「sMAP」、「19 kDのMBL結合血漿タンパク質」又は、「MAp19」とは、天然ヒトsMAP(配列番号11)のアミノ酸配列1-185(例えば、アミノ酸配列16-185等のシグナルペプチドを有する又は有さない)その自然対立遺伝子変異及び相同体を有するタンパク質を意味する。
【0091】
本明細書の用語「変異体」とは、例えば、配列番号1の配列を有するフィコリン結合ポリペプチド又は配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチド等の自然発生ポリペプチドを含む、任意のタンパク質を指定することを意図し、1又は2以上のアミノ酸が他のアミノ酸によって置換され且つ/又は1又は2以上のアミノ酸が欠失され且つ/又は1又は2以上のアミノ酸がポリペプチド中に挿入され且つ/又は1又は2以上のアミノ酸がポリペプチドに付加されている。このような付加は、N-末端又はC-末端又は双方で生じ得る。本定義中で「変異体」は、さらに機能的活性を有する。一部の実施形態において、変異体は配列番号1の配列と70 %配列同一性を有する。一部の実施形態において、変異体は配列番号1の配列と80 %配列同一性を有する。他の実施形態において、変異体は配列番号1の配列と90 %配列同一性を有する。さらなる実施形態において、変異体は配列番号1の配列と95 %配列同一性を有する。
【0092】
一部の実施形態において、変異体は配列番号4の配列と70 %配列同一性を有する。一部の実施形態において、変異体は配列番号4の配列と80 %配列同一性を有する。他の実施形態において、変異体は配列番号4の配列と90 %配列同一性を有する。さらなる実施形態において、変異体は配列番号4の配列と95 %配列同一性を有する。
【0093】
本明細書の用語キメラフィコリン結合ポリペプチドの「機能性変異体」、「機能性切断型バージョン」、及び「機能性誘導体」とは、配列番号1の変異体、切断型バージョン、及び誘導体を意味し、斯かるポリペプチドは、配列番号1の本質的な配列部分を含み、補体活性及び/又はセリンプロテアーゼ活性を有することなしに、フィコリン又はMBLへの結合のためのMASP-1又はMASP-3と競合する能力を少なくとも有する。フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子は、変異体、及び/又は切断型及び/又は誘導体から選択される2つ又は3つの特性を有することができることと理解されたい。
【0094】
フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子の機能性変異体は、本明細書に記載するアッセイで試験する場合に、同一細胞型において産生された野生型FAPの特異的活性の、少なくとも約 25%、例えば、少なくとも約50%、例えば、少なくとも約 75%、例えば、少なくとも約 90%等を示す変異体を含む。
【0095】
本明細書の用語「免疫断片」とは、抗体によって認識され得る本質的に同一機能活性及び同一空間配向を有するアミノ酸配列の断片を意味する。従って、特異的抗体はポリペプチド及びその免疫断片双方を結合し得る。
【0096】
本明細書の用語「他のアミノ酸」とは、斯かる位置に自然に存在するアミノ酸と異なる1つのアミノ酸を意味する。これは、ポリヌクレオチドによってコードされ得るアミノ酸を含むがそれに限定されない。一部の実施形態において、異なるアミノ酸は、自然のL型であり、ポリヌクレオチドによってコードされ得る。
【0097】
本明細書の用語「誘導体」とは、野生型ヒトFAP実質的に同一又は野生型ヒトFAPと比較して改善された生物活性を示しているフィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子であって、親ペプチドの1又は2以上のアミノ酸が、例えば、アルキル化、ペグ化、アシル化、エステル形成又はアミド形成等によって化学的に修飾されているキメラ分子を指定することを意図する。
【0098】
本明細書の用語「補体活性」とは、補体系を活性化する能力を意味する。補体活性は、「アッセイ」との見出しのセクションに記載のアッセイで測定できる。
【0099】
本明細書の用語「マンノース結合レクチン(MBL)」とは、マンナン結合レクチン、マンノース結合タンパク質(MBP1)、及びマンナン結合タンパク質もまた意味し、それらは互換的に使用できる。
【0100】
本明細書の用語「結合することができる」とは、溶液中でポリペプチドの効果に寄与し得る補体系又は他のタンパク質のレクチン経路の1又は2以上の発動因子を特異的に結合する、本発明のタンパク質の能力を意味する。
【0101】
本明細書の用語「補体活性の調節因子」とは、補体活性に直接又は間接的に影響する任意の化合物を意味する。補体活性の調節因子は、直接的抑制又は間接的抑制因子とすることができる。或いは、調節因子は、例えば、炎症部位等の補体活性の特定部位における輸送及び/又は取り込みを促進するホーミングドメインとすることができる。或いは、調節因子は、例えば、Fcドメイン等の免疫グロブリン分子、例えば、セレクチンに関するリガンド等の接着分子のためのリガンドとすることができる。一部の好適な実施形態において、補体活性の調節因子は補体活性化剤でない。補体活性の調節因子に関する用語「第二」の使用は、単にフィコリン結合ポリペプチドと異なる補体活性の調節因子を意味する。補体活性の抑制又は修飾作用は、本明細書に記載するアッセイ又は当業者に周知の他の任意の1つのアッセイに従って測定できる。
【0102】
本明細書の用語「キメラ分子」とは、少なくとも(i)フィコリン結合ポリペプチド、及び(ii)補体活性の第二の調節因子を含む、通常結合しない少なくとも2つのドメインを含む分子を意味する。フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子は、2つ部分の目的の機能性が維持される限り、当技術分野で周知の任意の方法によって共に結合させることができる。
【0103】
一部の実施形態において、キメラ分子は融合タンパク質である。本明細書の「融合タンパク質」は、互いに操作可能に結合された2つ又は3つ以上のペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質を意味する。一部の実施形態において、斯かる2つの部分は、直接的に互いに融合される。一部の実施形態において、2つの部分は、アミノ酸リンカー配列によって結合される。リンカー配列の例は当技術分野で周知であり、例えば、(Gly4Ser)、(Gly4Ser)2、(Gly4Ser)3、(Gly3Ser)4、(SerGly4)、(SerGly42、(SerGly43、及び(SerGly44を含む。リンキング配列は、補体因子の異なるドメイン間に見られる「自然」のリンキング配列もまた含むことができる。融合タンパク質中のフィコリン結合ポリペプチドと補体活性の第二の調節因子の順番は変更できる。例えば、一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのC末端は、補体活性の第二の調節因子のN末端に(直接又は間接的に)融合される。一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのN末端は、補体活性の第二の調節因子のC末端に(直接又は間接的に)融合される。
【0104】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子を含むキメラ分子は、化学的架橋を介して結合される。2つのドメインのリンクは、2つの部分上に位置する反応基において生じ得る。架橋剤を使用して標的とすることができる反応基は、一級アミン、スルフヒドリル、カルボニル、炭水化物、及びカルボン酸、又はタンパク質に付加できる活性基を含む。化学架橋剤の例は当技術分野で周知であり、ビスマレイミド、マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば、SPDP等のNHS-エステル-マレイミド架橋剤、カルボジイミド、グルタルアルデヒド、MBS、スルホ-MBS、SMPB、スルホ-SMPB、GMBS、スルホ-GMBS、EMCS、スルホ-EMCS、例えば、DMA、DMP、DMS、DTBP、EDC及びDTME等のイミドエステル架橋剤を含むがそれらに限定されない。
【0105】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子は、非共有結合で結合される。例えば、2つの部分は、2つの相互作用結合タンパク質(例えば、ビオチン及びアビジン又はストレプトアビジン等)によって、互いにフィコリン結合ポリペプチド又は補体活性の第二の調節因子に結合させることができる。
【0106】
一部の実施形態において、キメラ分子は二量体又は多量体を形成する。
【0107】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の調節因子は、融合タンパク質として互いに直接的に融合される(すなわち、結合される)。一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の調節因子は、アミノ酸リンカー配列を介して間接的に結合される。一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのC末端は、補体活性の調節因子のN末端に(直接又は間接的に)結合される。一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのN末端は、補体活性の調節因子のC末端に(直接又は間接的に)結合される。
【0108】
用語「コンストラクト」とは、目的のポリペプチドをコードする完全又は部分的に自然発生のヌクレオチド配列に基づくことができるポリヌクレオチドセグメントを示すことを意図する。コンストラクトは、任意には他のポリヌクレオチドセグメントを含むことができる。同様に、用語「ポリヌクレオチドコンストラクトによってコードされ得るアミノ酸」とは、上記のポリヌクレオチドコンストラクトによってコードされ得るアミノ酸、すなわち、例えば、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Phe、Trp、Pro、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、Glu、Lys、Arg、His、Asp及びGln等のアミノ酸を網羅する。本明細書の用語「ベクター」とは、宿主細胞において増幅が可能な任意の核酸実態を意味する。よって、ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、複製が染色体複製から独立した染色体外の実態として存在するベクターとすることができ、例えば、プラスミドとすることができる。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入される場合に、宿主細胞ゲノム中に組み込まれ且つそれが組み込まれた染色体と共に複製される。ベクターの選択は、大抵導入される宿主細胞によって決まるであろう。ベクターは、プラスミドベクター、ファージベクター、ウイルス又はコスミドベクターを含むがそれらに限定されない。ベクターは通常、複製開始点及び少なくとも1つの選択可能な遺伝子、すなわち、容易に検出可能な生成物をコードしその存在が細胞増殖に不可欠である遺伝子を含む。
【0109】
さらなる態様において、本発明は、ポリヌクレオチドコンストラクト又はベクターを含む組換え宿主細胞を供する。一部の実施形態において、組換え宿主細胞は真核細胞である。他の実施形態において、組換え宿主細胞は、哺乳類起源である。さらなる実施形態において、組換え宿主細胞は、CHO細胞、HEK細胞及びBHK細胞から成る群から選択される。
【0110】
本明細書の用語「宿主細胞」とは、異種DNAが発現され得る雑種細胞を含む、任意の細胞を示す。典型的な宿主細胞は、昆虫細胞、酵母細胞、例えば、BHK、CHO、HEK、及びCOS細胞等のヒト細胞を含む哺乳類細胞を含むがそれらに限定されない。本発明を実施するにあたり、培養されている宿主細胞は、好ましくは哺乳類細胞、より好ましくは、確立された哺乳類細胞株であり、CHO(例えば、ATCC CCL 61)、COS-1(例えば、ATCC CRL 1650)、ベビーハムスター腎臓(BHK)及びHEK293(例えば、ATCC CRL 1573; Graham et al.、J. Gen. Virol. 36:59-72、1977)細胞株を含むがそれらに限定されない。好ましいBHK細胞株は、tk- ts13 BHK細胞株(Waechter and Baserga、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:1106-1110、1982)であり、以下BHK 570細胞と呼ぶ。BHK 570細胞株は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関、12301 Parklawn Dr.、Rockville、MD20852からATCC受入番号CRL 10314で入手できる。tk- ts13 BHK 細胞株は、ATCCから受入番号CRL 1632でも入手できる。他の適当な細胞株は、ラットHep I(ラット肝癌; ATCC CRL 1600)、ラットHep II(ラット肝癌; ATCC CRL 1548)、TCMK(ATCC CCL 139)、ヒト肺(ATCC HB 8065)、NCTC 1469(ATCC CCL 9.1)及びDUKX細胞(Urlaub and Chasin、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220、1980)を含むがそれらに限定されない。3T3細胞、Namalwa細胞、骨髄腫及び他の細胞との骨髄腫の融合物もまた有効である。
【0111】
さらなる態様において、本発明は、ポリヌクレオチドコンストラクトを含み且つそれを発現する遺伝子導入動物を供する。
【0112】
さらなる態様において、本発明は、ポリヌクレオチドコンストラクトを含み且つそれを発現する遺伝子導入植物を供する。
【0113】
さらなる態様において、本発明は、本発明のフィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子の生成方法に関し、斯かる方法は、ポリヌクレオチドコンストラクトの発現が可能な条件下で適した成長培地でポリヌクレオチドコンストラクトを含む細胞を培養する工程、及び生じたポリペプチドを培地から回収する工程を含む。
【0114】
本明細書の用語「適した成長培地」とは、細胞増殖及び本発明のフィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子をコードする核酸配列の発現に必要な栄養素及び他の成分を含む培地を意味する。
【0115】
さらなる態様において、本発明は、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子の生成方法に関し、斯かる方法は、遺伝子導入動物によって産生されたミルクからポリペプチドをを回収する工程を含む。
【0116】
さらなる態様において、本発明は、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子生成方法に関し、斯かる方法は、ポリヌクレオチドコンストラクトを含む遺伝子導入植物の細胞を培養する工程、及び生じた植物からポリペプチドを回収する工程を含む。
【0117】
本明細書において、用語「治療」とは、組織損傷を抑制又は最小限にする目的で、例えば、炎症及び再灌流傷害等の不適当な補体活性化を含む予想された状態の予防、及び例えば、筋梗塞及び脳卒中等の既に生じている状態の制御の双方を含むことを意味する。よって、本発明のフィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子の予防投与は、用語「治療」に含まれる。
【0118】
本明細書の用語「対象」とは、任意の動物、特に、例えばヒト等の哺乳類を意味することを目的とし、必要に応じて用語「患者」と互換的に使用できる。
【0119】
当技術分野で周知の用語「配列同一性」とは、配列を比較することによって決定される、2つ又は3つ以上のポリペプチド分子又は2つ又は3つ以上の核酸分子の配列間の関係性を意味する。当技術分野において、「同一性」とは、核酸分子間又はポリペプチド間の配列の関連性の程度もまた意味し、場合によって2つ又は3つ以上のヌクレオチド残基又は2つ又は3つ以上のアミノ酸残基のストリング間の一致数によって決定される。「同一性」とは、特定の数理モデル又はコンピュータプログラム(すなわち、「アルゴリズム」)によって行われるギャップ配列比較(存在する場合)で、2つ又は3つ以上の配列の一番小さいものとの間の一致のパーセントを測定して求められる。
【0120】
用語「類似性」とは、「同一性」と関連した概念であるが、それと対照的に、同一的一致及び保存置換的一致双方を含む配列関係性を意味する。2つのポリペプチド配列が、例えば、(割合(10/20))同一のアミノ酸であり、残りは全て非保存置換を有する場合、パーセント同一性及び類似性は双方とも50%となる。同一の例において、保存置換された位置が5個以上存在する場合、パーセント同一性は50%であるが、パーセント類似性は75%となる((割合(15/20)))。従って、保存置換が存在する場合には、2つのポリペプチド間の類似性の程度は、斯かる2つのポリペプチド間のパーセント同一性より高くなるであろう。
【0121】
配列番号1のアミノ酸配列に対する保存修飾(及びコードヌクレオチドに対する対応の修飾)は、自然発生FAPと同様の機能性及び化学的特性を有するフィコリン結合ポリペプチドを生じることができる。対照的に、フィコリン結合ポリペプチドの機能性及び/又は化学的特性の実質的な修飾は、(a)例えば、シート又はらせん形構造としての、置換領域における分子骨格の構造、(b)標的部位における分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖容積を維持することにおける作用に関して顕著に異なる、配列番号1のアミノ酸配列における置換を選択することによって達成できる。
【0122】
例えば、「保存アミノ酸置換」とは、非天然残基での天然アミノ酸残基の置換を含むことができ、これによりその位置におけるアミノ酸残基の極性又は電荷にほとんど又は全く影響がない。さらに、ポリペプチドにおける任意の天然残基は、「アラニン系統的変異導入法」に関して前述されているように、アラニンでもまた置換できる(例えば、アラニン系統的変異導入法を記載する、MacLennan et al.、1998、Acta Physiol. Scand. Suppl. 643:55-67; Sasaki et al.、1998、Adv. Biophys. 35:1-24を参照されたい)。
【0123】
目的のアミノ酸置換は(保存又は非保存に関わらず)、このような置換が望まれる場合に当業者によって決定され得る。例えば、アミノ酸置換はフィコリン結合ポリペプチドの重要な残基又はフィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子を同定する、又は本明細書に記載のフィコリン結合ポリペプチドの親和性を増大又は減少するために使用できる。
【0124】
自然発生残基は、共通の側鎖特性に基づいて以下のクラスに分類できる、
1)疎水性: ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
2)中性親水性: Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
3)酸性: Asp、Glu;
4)塩基性: His、Lys、Arg;
5)鎖配向性に影響する残基: Gly、Pro、及び
6)芳香族: Trp、Tyr、Phe。
【0125】
例えば、非保存置換は、これらのクラスの1つのメンバーの他のクラス由来のメンバーへの交換を含むことができる。このような置換残基は、ヒトフィコリン結合ポリペプチドの領域、又は非ヒトフィコリン結合ポリペプチドと相同であるフィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子、又は斯かる分子の非相同領域中に導入することができる。
【0126】
このような変更において、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することができる。各アミノ酸は、それらの疎水性及び電荷特徴に基づいて疎水性親水性指標に割り当てられており、これらは、イソロイシン(+4.5); バリン(+4.2); ロイシン(+3.8); フェニルアラニン(+2.8); システイン/シスチン(+2.5); メチオニン(+1.9); アラニン(+1.8); グリシン(-0.4); スレオニン(-0.7); セリン(-0.8); トリプトファン(-0.9); チロシン(-1.3); プロリン(-1.6); ヒスチジン(-3.2); グルタミン酸(-3.5); グルタミン(-3.5); アスパラギン酸(-3.5); アスパラギン(-3.5); リジン(-3.9); 及びアルギニン(-4.5)である。
【0127】
タンパク質上の相互作用的生物機能を与えることにおける疎水性親水性指標アミノ酸の重要性は、当技術分野において、Kyte et al.、J. Mol. Biol.、157:105-131(1982)中で理解されている。特定のアミノ酸を同様の疎水性親水性指標又はスコアを有する他のアミノ酸に置換でき、且つ同様の生物活性をまだ有することが知られている。疎水性親水性指標に基づく変更において、疎水性親水性指標が±2内であるアミノ酸の置換が好ましく、±1内が特に好ましく、±0.5内がさらに特に好ましい。
【0128】
同様のアミノ酸の置換が、特にその結果作成される生物学的に機能上等価なタンパク質又はペプチドが、免疫学的実施形態における使用を対象とする場合において、親水性に基づき有効となり得ることもまた当技術分野において理解されている。タンパク質のその隣接アミノ酸の親水性によって支配される最も大きい局所平均親水性は、その免疫原性及び抗原性と、すなわち、タンパク質の生物学的特性と相関する。
【0129】
次の親水性値は、アミノ酸残基に割り当てられている: アルギニン(+3.0); リジン('3.0); アスパラギン酸(+3.0±1); グルタミン酸(+3.0±1); セリン(+0.3); アスパラギン(+0.2); グルタミン(+0.2); グリシン(0); スレオニン(-0.4); プロリン(-0.5±1); アラニン(-0.5); ヒスチジン(-0.5); システイン(-1.0); メチオニン(-1.3); バリン(-1.5); ロイシン(-1.8); イソロイシン(-1.8); チロシン(-2.3); フェニルアラニン(-2.5); トリプトファン(-3.4)。同様の親水性値に基づく変更において、親水性値が±2内のアミノ酸の置換が好ましく、±1内が特に好ましく、±0.5内がさらに特に好ましい。1つは、親水性に基づいてエピトープを一次アミノ酸配列から同定することもできる。これらの領域は、「エピトープコア領域」とも呼ぶ。
【0130】
当業者は、周知技術を使用して配列番号1において説明するポリペプチドの適した変異体を決定することができるであろう。活性を損なうことなく変更可能である分子の適した領域を同定するために、当業者は活性に重要と考えられていない領域を標的とすることができる。例えば、同一種又は他種由来の同様の活性を有する同様のポリペプチドが周知の場合、当業者はこのような同様のポリペプチドとフィコリン結合ポリペプチド又は補体活性の第二の調節因子のアミノ酸配列を比較することができる。このような比較で、同様のポリペプチド間で保存された分子の残基及び部分を同定することができる。当然のことながら、このような同様のポリペプチドと比較して保存されないフィコリン結合ポリペプチド又は補体活性の第二の調節因子の領域中の変更は、フィコリン結合ポリペプチド又は補体活性の第二の調節因子の生物活性及び/又は構造にあまり不利に影響しないであろう。当業者は、相対的に保存された領域においてさえ、活性を有しながら化学的に同様のアミノ酸を自然発生残基と置換できること(保存アミノ酸残基置換)も理解できる。従って、生物活性又は構造に重要であり得る領域でさえ、生物活性を損なうことなく又はポリペプチド構造に不利に影響することなく保存アミノ酸置換に供することができる。
【0131】
さらに、当業者は、活性又は構造に重要な同様のポリペプチド中の残基を同定する構造機能研究をレビューできる。このような比較を考慮して、同様のポリペプチドにおける活性又は構造に重要なアミノ酸残基に相当するフィコリン結合ポリペプチド又は補体活性の第二の調節因子中のアミノ酸残基の重要性を予測できる。当業者は、このようなフィコリン結合ポリペプチド又は補体活性の第二の調節因子の予測された重要なアミノ酸残基及び本発明の他のポリペプチドの、化学的に同様のアミノ酸置換を選ぶことができる。
【0132】
当業者は、同様のポリペプチド中のその構造に関して、三次元構造及びアミノ酸配列を分析することもまたできる。その情報を考慮して、当業者は、その三次元構造に関して、フィコリン結合ポリペプチド又は補体活性の第二の調節因子のアミノ酸残基の配列を予測できる。当業者は、タンパク質の表面上に存在することが予測されたアミノ酸残基へのラジカル変化がないように選択できるが、これはこのような残基が他の分子との重要な相互作用に寄与し得るからである。さらに、当業者は、各目的のアミノ酸残基における単一のアミノ酸置換を含む試験変異体を産生できる。続いて変異体は、本明細書に記載するように活性アッセイを使用してスクリーニングすることができる。このような変異体は、適した変異体について情報を収集するために使用できる。例えば、特定のアミノ酸残基への変更が活性の損失、活性の望まない減少、又は不適な活性を生じることを発見する場合、このような変更を有する変異体を回避できる。言い換えれば、このような日常的な実験から収集した情報に基づいて、当業者は、単独で又は他の突然変異と組み合わせてさらなる置換を回避すべきアミノ酸を容易に決定できる。
【0133】
多くの科学論文が、二次構造の予測を特集している。Moult J.、Curr. Op. in Biotech.、7(4):422-427(1996)、Chou et al.、Biochemistry、13(2):222-245(1974); Chou et al.、Biochemistry、113(2):211-222(1974); Chou et al.、Adv. Enzymol. Relat. Areas Mol. Biol、47:45-148(1978); Chou et al.、Ann. Rev. Biochem.、47:251-276及びChou et al.、Biophys. J.、26:367-384(1979)を参照されたい。さらに、コンピュータプログラムは、二次構造を予測することを補助するために現在入手可能である。二次構造を予測するある方法は、相同性モデリングに基づく。例えば、30%以上の配列同一性、又は40%以上の類似性を有する2つのポリペプチド又はタンパク質は、大抵同様の構造トポロジーを有する。タンパク質構造データベース(PDB)の近頃の発展は、ポリペプチド又はタンパク質の構造内の折り畳みの可能性数を含む二次構造の予測能力の増強を供した。Holm et al.、Nucl. Acid. Res.、27(1):244-247(1999)を参照されたい。所定のポリペプチド又はタンパク質中の折り畳み数には限界があり、構造の臨界数が解消されると、構造予測は劇的に正確に得ることができることが示されている(Brenner et al.、Curr. Op. Struct. Biol.、7(3):369-376(1997))。
【0134】
二次構造を予測することのさらなる方法は、「スレディング」(Jones、D.、Curr. Opin. Struct. Biol.、7(3):377-87(1997); Sippl et al.、Structure、4(1):15-9(1996))、「プロファイル解析」(Bowie et al.、Science、253:164-170(1991); Gribskov et al.、Meth. Enzymol.、183:146-159(1990); Gribskov et al.、Proc. Nat. Acad. Sci.、84(13):4355-4358(1987))、及び「進化的連鎖(evolutionary linkage)」(Home、supra、and Brenner、supraを参照されたい)を含む。
【0135】
関連ポリペプチドの同一性及び類似性は、周知の方法によって容易に算出できる。このような方法は、Computational Molecular Biology、Lesk、A. M.、 ed.、Oxford University Press、New York、1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects、Smith、D. W.、ed.、Academic Press、New York、1993; Computer Analysis of Sequence Data、Part 1、Griffin、A. M.、and Griffin、H. G.、 eds.、Humana Press、New Jersey、1994; Sequence Analysis in Molecular Biology、von Heinje、G.、Academic Press、1987; Sequence Analysis Primer、Gribskov、M. and Devereux、J.、 eds.、M. Stockton Press、New York、1991; 及びCarillo et al.、SIAM J. Applied Math.、48:1073 (1988)に記載の方法を含むがそれらに限定されない。
【0136】
同一性及び/又は類似性を決定するための好ましい方法は、試験配列間で最も大きく一致するようデザインされる。同一性及び類似性を決定するための方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムに記載される。2つの配列間の同一性及び類似性を決定するための好ましいコンピュータプログラム方法は、ギャップ(Devereux et al.、Nucl. Acid. Res.、12:387(1984); Genetics Computer Group、University of Wisconsin、Madison、Wis.)を含むGCGプログラムパッケージ、BLASTP、BLASTN、及びFASTA(Altschul et al.、J. Mol. Biol.、215:403-410(1990))を含むが、それらに限定されない。BLASTXプログラムは、全米バイオテクノロージー情報センター(NCBI)及び他の供給元(BLAST Manual、Altschul et al. NCB/NLM/NIH Bethesda、Md. 20894; Altschul et al.、supra)から公的に入手できる。周知のスミスウォーターマンアルゴリズムもまた、同一性を決定するために使用できる。
【0137】
2つのアミノ酸配列を整列させるための特定の配列比較スキームは、斯かる2つの配列の短領域のみの一致を生じることができ、全長配列間に顕著な関係性が存在しなくても、この小さい整列領域は非常に高い配列同一性を有することができる。従って、一部の実施形態において、選択配列比較方法(ギャッププログラム)は、標的ポリペプチドの少なくとも50個の近接アミノ酸にわたる配列比較を生じ得る。
【0138】
例えば、コンピューターアルゴリズムギャップ(Genetics Computer Group、University of Wisconsin、Madison、Wis.)を使用して、パーセント配列同一性が決定される2つのポリペプチドを、各々のアミノ酸の最適な一致のために整列させる(アルゴリズムによって決定される、「一致されたスパン」)。アルゴリズムと組み合わせて、ギャップオープニングペナルティ(gap open penalty)(平均対角として3回算出され、「平均対角」とは、使用されている比較行列の対角の平均であり、「対角」とは、特定の比較行列による各完全アミノ酸一致に割り当てられたスコア又は数である)及びギャップ伸展ペナルティ(通常ギャップオープニングペナルティの1/10)、及び例えば、PAM 250又はBLOSUM 62等の比較行列が使用される。標準比較行列(Dayhoff et al., Atlas of Protein Sequence and Structure, vol. 5, supp.3 (1978) for the PAM 250 comparison matrix; Henikoff et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:10915-10919 (1992) for the BLOSUM 62 comparison matrix、を参照されたい)もまた、アルゴリズムによって使用される。
【0139】
ポリペプチド配列比較のための好ましいパラメータは、以下を含む。
【0140】
アルゴリズム: Needleman 等の、J. Mol. Biol、48:443-453(1970); Henikoff等の、比較行列: BLOSUM 62、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89:10915-10919(1992); ギャップペナルティ: 12、ギャップ長ペナルティ: 4、類似性の閾値: 0。
【0141】
ギャッププログラムは、上記パラメータと有用である。上記パラメータは、(エンドギャップのためのペナルティが存在しないと共に)ギャップアルゴリズムを使用して、ポリペプチド比較のための初期設定パラメータである。
【0142】
核酸分子配列比較のための好ましいパラメータは、アルゴリズム: Needleman等、J. Mol Biol.、48:443-453(1970); 比較行列: 一致=+10、ミスマッチ=0、ギャップペナルティ: 50、ギャップ長ペナルティ: 3を含む。
【0143】
ギャッププログラムはまた、上記パラメータと共に有用である。上記パラメータは、核酸分子比較のための初期設定パラメータである。
【0144】
他の代表的なアルゴリズム、ギャップオープニングペナルティ、ギャップ伸展ペナルティ、比較行列、類似性の閾値等が使用でき、Program Manual、Wisconsin Package、バージョン 9、September、1997に説明されるものを含む。特定の選択が行われることは当業者に明らかであろう。そして斯かる選択は、例えば、DNAとDNA、タンパク質とタンパク質、タンパク質とDNA等の行われる特異的な比較によって決めることができ、さらに、斯かる比較は、所定の配列のペア間(ギャップ又はBestFitが通常好ましい場合)、又は1つの配列と配列の大型のデータベース(FASTA又はBLASTAが好ましい場合)である。
【0145】
本発明のフィコリン結合ポリペプチド及び他のキメラポリペプチドの調製
本発明はまた、上記の本発明のヒトフィコリン結合ポリペプチド及び他のキメラポリペプチドの調製方法に関する。本明細書に記載するフィコリン結合ポリペプチド及び他のポリペプチドは、組換え核酸技術によって産生することができる。通常、クローン化野生型FAP核酸配列は、所望のタンパク質をコードするように修飾される。この修飾された配列は、続いて発現ベクターに挿入され、同様に宿主細胞中に形質転換され又は形質移入される。高等真核細胞、特に培養哺乳類細胞は、宿主細胞として好ましい。ヒトFAPに関する完全アミノ酸及びヌクレオチド配列は、配列番号1及び配列番号2によって共される。
【0146】
アミノ酸配列変化は、種々の技術によって達成できる。核酸配列の修飾は、部位特異的変異原性によって達成できる。部位特異的変異原性のための技術は、当技術分野で周知であり、例えば、Zoller及びSmith(DNA 3:479-488、1984)又は「伸展オーバーラップによるスプライシング」、Horton等、遺伝子77、1989、pp. 61-68に記載される。よって、FAPのヌクレオチド及びアミノ酸配列を使用して、当業者は選択を変更することができる。同様に、特異的プライマーでのポリメラーゼ連鎖反応を使用したDNAコンストラクトを調製するための手順は、当業者に周知である(PCR Protocols、1990、Academic Press、San Diego、California、USAを参照されたい)。
【0147】
本発明のポリペプチドは、非自然発生アミノ酸残基もまた含むことができる。非自然発生アミノ酸は、β-アラニン、デスアミノヒスチジン、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノプロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、トランス-4-ヒドロキシプロリン、N-メチルグリシン、アロ-トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3および4-メチルプロリン、3,3-ジメチルプロリン、tert-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、および4-フルオロフェニルアラニンを含むがそれらに限定されない。非自然発生アミノ酸残基をポリペプチドに組み込むための一部の方法は、当技術分野で周知である。例えば、インビトロ(in vitro)でのシステムが利用でき、斯かるシステムにおいて化学的アミノアシル化抑制tRNAを使用してナンセンス突然変異が抑制される。アミノ酸を合成し且つtRNAをアミノアシル化するための方法は、当技術分野で周知である。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は、大腸菌S30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬を含む無細胞系で行われる。ポリペプチドは、クロマトグラフィーによって精製される。例えば、Robertson et al.、J. Am. Chem. Soc. 113:2722、1991; Ellman等、Methods Enzymol. 202:301、1991; Chung等、Science 259:806-9、1993; 及びChung等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145-9、1993を参照されたい。第二の方法において、翻訳は、アフリカツメガエル卵母細胞中で変異mRNA及び化学的アミノアシル化抑制tRNAのマイクロインジェクションによって行われる(Turcatti et al.、J. Biol. Chem. 271:19991-8、1996)。第三の方法において、大腸菌細胞は、置換される天然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の非存在下で、且つ目的の非自然発生アミノ酸(例えば、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、又は4-フルオロフェニルアラニン)の存在下で培養される。非自然発生アミノ酸は、その自然カウンターパートの代わりにポリペプチド中に組み込まれる。Koide等の、Biochem. 33:7470-6、1994を参照されたい。自然発生アミノ酸残基は、インビトロ(in vitro)での化学修飾によって非自然発生種に転換され得る。化学修飾は、さらに置換領域を拡大するための部位特異的変異原性と組合わすことができる(Wynn and Richards、Protein Sci. 2:395-403、1993)。
【0148】
本発明のフィコリン結合ポリペプチド及び他のポリペプチドをコードする核酸コンストラクトは適宜、例えば標準技術に従ってゲノム又はcDNAライブラリーを調製し、合成オリゴヌクレオチドプローブを使用したハイブリダイゼーションによってポリペプチドの全部又は一部をコードするDNA配列をスクリーニングすることによって得られる、ゲノム又はcDNA起源とすることができる(Sambrook et al.、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、2nd. Ed. Cold Spring Harbor Labora-tory、Cold Spring Harbor、New York、1989を参照されたい)。
【0149】
本発明のフィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子をコードする核酸コンストラクトは、例えば、Beaucage及びCaruthers、Tetrahedron Letters 22(1981)、1859 - 1869、又はMatthes等、EMBO Journal 3(1984)、801-805によって記載されるホスホラミダイト方法等の確立された標準方法によってもまた合成的に調製できる。ホスホラミダイト方法に従って、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNAシンセサイザー中で合成され、精製され、アニールされ、連結され適したベクター中でクローン化される。本発明のヒトフィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子及び本発明の他のポリペプチドをコードするDNA配列は、例えば米国特許第4,683,202号、Saiki等、Science 239(1988)、487 - 491、又はSambrook等、supraに記載される特異的プライマーを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応によってもまた調製できる。
【0150】
さらに、核酸コンストラクトは、標準技術に従って、合成性、ゲノム性又はcDNAの起源の断片の結合によって調製される(必要に応じて)、混合合成及びゲノム混合合成及びcDNA又は混合ゲノム及びcDNAの起源とすることができ、斯かる断片は核酸コンストラクト全体の様々な部分に相当する。
【0151】
核酸コンストラクトは、好ましくはDNAコンストラクトである。本発明のフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子の産生における使用のためのDNA配列は、典型的にFAPのアミノ末端においてプレプロポリペプチドをコードし、適切な翻訳後プロセシング及び宿主細胞からの分泌を得ることができる。
【0152】
本発明のヒトフィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子をコードするDNA配列は、通常、任意のベクターとすることができる組換えベクター中に挿入され、好都合に組換えDNA手順に供することができ、ベクターの選択は大抵導入される宿主細胞によって決めることができる。よって、ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、染色体外の実体として存在する、複製が染色体複製から独立したベクター、例えば、プラスミドとすることができる。あるいは、ベクターは、宿主細胞中に導入される場合に、斯かるベクターが組み込まれた染色体と共に宿主細胞ゲノムに組み込まれ且つ複製されるベクターとすることができる。
【0153】
ベクターは、好ましくは、本発明のヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子をコードするDNA配列が、DNAの転写に必要さらなるセグメントに操作可能に結合された発現ベクターである。通常、発現ベクターは、プラスミド又はウイルスDNAから生じる、又は双方の要素を含むことができる。用語「操作可能に結合される」とは、セグメントが目的のために協調して機能する、例えば、転写がプロモーター中で開始し、斯かるポリペプチドをコードするDNA配列にわたって進行するようにセグメントが配置されることを示す。
【0154】
本発明のフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子を発現することにおける使用のための発現ベクターは、クローン化遺伝子又はcDNAの転写の方向付けが可能なプロモーターを含むことができる。プロモーターは、選択の宿主細胞において転写活性を示し、宿主細胞と相同又は異種のタンパク質をコードする遺伝子から生じ得る、任意のDNA配列とすることができる。
【0155】
哺乳類細胞において本発明のヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子をコードするDNAの転写を方向付けることに適したプロモーターの例は、SV40プロモーター(Subramani et al.、Mol. Cell Biol. 1(1981)、854 -864)、MT-1(metallothionein gene)プロモーター(Palmiter et al.、Science 222(1983)、809 - 814)、CMV プロモーター(Boshart et al.、Cell 41:521-530、1985)又はアデノウイルス2主要後期プロモーター(Kaufman and Sharp、Mol. Cell. Biol、2:1304-1319、1982)である。
【0156】
昆虫細胞における使用のための適したプロモーターの例は、ポリヘドリンプロモーター(米国特許第4,745,051号; Vasuvedan et al.、FEBS Lett. 311,(1992)7 - 11)、P10 プロモーター(J.M. Vlak et al.、J. Gen. Virology 69、1988、pp. 765-776)、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)多核体病ウイルス塩基性タンパク質プロモーター(欧州特許第397 485号)、バキュロウイルス前初期遺伝子1 プロモーター(米国特許第5,155,037号; 米国特許第5,162,222号)、又はバキュロウイルス39K 後初期(delayed-early)遺伝子プロモーター(米国特許第5,155,037号; 米国特許第5,162,222号)である。
【0157】
酵母宿主細胞における使用のための適したプロモーターの例は、酵母解糖遺伝子(Hitzeman et al.、J. Biol. Chem. 255(1980)、12073 - 12080; Alber and Kawasaki、J. Mol. Appl. Gen. 1(1982)、419 - 434)又はアルコール脱水素酵素遺伝子(Young et al.、in Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals(Hollaender et al、eds.)、Plenum Press、New York、1982)、又はTPI1(米国特許第4,599,311号)又はADH2-4c(Russell et al.、Nature 304(1983)、652 - 654)プロモーター由来のプロモーターを含む。
【0158】
糸状菌宿主細胞における使用のための適したプロモーターの例は、例えば、ADH3プロモーター(McKnight et al.、The EMBO J. 4(1985)、2093-2099)又はtpiA プロモーターである。他の有用なプロモーターの例は、黄麹菌(A. oryzae)タカアミラ一ゼ、リゾムコールミーヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸タンパク質分解酵素、クロコウジカビ(A. niger)中性アルファ-アミラ一ゼ、クロコウジカビ(A. niger)酸安定アルファ-アミラ一ゼ、クロコウジカビ(A. niger)又はアワモリコウジカビ(A. awamori)グルコアミラ一ゼ(gluA)、リゾムコールミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、黄麹菌(A. oryzae)アルカリプロテアーゼ、黄麹菌(A. oryzae)トリオースリン酸イソメラーゼ又はアスペルギルスニデュランスアセトミアダーゼ(A. nidulans acetamidase)をコードする遺伝子から生じるものである。タカアミラ一ゼ及びgluAプロモーターが好ましい。適したプロモーターは、例えば、欧州特許第238 023号及び欧州特許第383 779号に記載される。
【0159】
本発明のヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子をコードするDNA配列は、必要ならば、適したターミネーター、例えば、ヒト成長ホルモンターミネーター(Palmiter et al.、Science 222、1983、pp. 809-814)又はTPI1(Alber and Kawasaki、J. Mol. Appl. Gen. 1、1982、pp. 419-434)又はADH3(McKnight et al.、The EMBO J. 4、1985、pp. 2093-2099)ターミネーター等に操作可能に結合させることもできる。発現ベクターは、プロモーターの下流且つFAP配列それ自体のための挿入部位の上流に位置したRNAスプライス部位のセットを含むこともできる。好ましいRNAスプライス部位は、アデノウイルス及び/又は免疫グロブリン遺伝子から得られる。また、挿入部位の下流に位置するポリアデニル化シグナルは発現ベクターに含まれる。特に好ましいポリアデニル化シグナルは、SV40由来の初期又は後期ポリアデニル化シグナル(Kaufman and Sharp、ibid.)、アデノウイルス5 Elb領域由来のポリアデニル化シグナル、ヒト成長ホルモン遺伝子ターミネーター(DeNoto et al. Nucl. Acids Res. 9:3719-3730、1981)又はヒトFAP遺伝子又はウシFAP遺伝子由来のポリアデニル化シグナルを含む。発現ベクターは、例えば、プロモーターとRNAスプライス部位との間に位置したアデノウイルス2 三分子リーダー等の非翻訳領域ウイルスリーダー配列、及び例えば、SV40エンハンサー等のエンハンサー配列を含むこともできる。
【0160】
ヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及び本発明のキメラ分子を宿主細胞に分泌経路に注入するために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られる)を組換えベクター中に供することができる。分泌シグナル配列は、正しい読み枠でヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、又は本発明のキメラ分子をコードするDNA配列に結合させる。分泌シグナル配列は、ペプチドをコードするDNA配列に対して5'位に通常配置される。分泌シグナル配列は、通常タンパク質と結合する、又は他の分泌されたタンパク質をコードする遺伝子由来とすることができる。
【0161】
酵母細胞からの分泌のために、分泌シグナル配列は、任意のシグナルペプチドをコードすることができ、これは発現されたヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及び本発明のキメラ分子の細胞の分泌経路への効率的な注入を保証する。シグナルペプチドは、自然発生シグナルペプチド、又はその機能的部分とする、又は合成ペプチドとすることができる。適したシグナルペプチドは、アルファ因子シグナルペプチド(米国特許第4,870,008号を参照されたい)、マウス唾液アミラ一ゼのシグナルペプチド(O. Hagenbuchle et al.、Nature 289、1981、pp. 643-646を参照されたい)、修飾カルボキシペプチダーゼシグナルペプチド(L.A. Valls et al.、Cell 48、1987、pp. 887-897を参照されたい)、酵母BAR1シグナルペプチド(国際公開第87/02670号を参照されたい)、又は酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(YAP3)シグナルペプチド(M. Egel-Mitani et al.、Yeast 6、1990、pp. 127-137を参照されたい)であることが分かっている。
【0162】
酵母での効率的な分泌のため、リーダーペプチドをコードする配列は、ヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及び本発明のキメラ分子をコードするDNA配列のシグナル配列の下流及び上流に挿入することもできる。リーダーペプチドの機能は、小胞体からゴルジ体に、さらに培地中への分泌のための分泌小胞へ方向付けられるペプチドを発現することができることである(すなわち、ヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及び本発明のキメラ分子の、細胞壁にわたる又は少なくとも細胞膜を介した酵母細胞の細胞膜周辺腔への排出)。リーダーペプチドは、酵母アルファ因子リーダーとすることができる(斯かる使用は、例えば、米国特許第4,546,082号、米国特許第4,870,008号、欧州特許第16 201号、欧州特許第123 294号、欧州特許第123 544号及び欧州特許第163 529号に記載される)。あるいは、リーダーペプチドは、合成リーダーペプチド、つまり自然の中では見られないリーダーペプチドとすることができる。合成リーダーペプチドは、例えば、国際公開第89/02463号又は国際公開第92/11378号に記載されように構築することができる。
【0163】
糸状菌における使用のために、シグナルペプチドは、好都合にはアスペルギルス属(Aspergillus sp.)アミラ一ゼ又はグルコアミラ一ゼをコードする遺伝子、リゾムコールミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ又はプロテアーゼ又は好温性糸状菌リパーゼをコードする遺伝子由来とすることができる。シグナルペプチドは、好ましくは、黄麹菌(A. oryzae)TAKAアミラ一ゼ、クロコウジカビ(A. niger)中性アルファ-アミラ一ゼ、クロコウジカビ(A. niger)酸安定アミラ一ゼ、又はクロコウジカビ(A. niger)グルコアミラ一ゼをコードする遺伝子から生じる。適したシグナルペプチドは、例えば、欧州特許第238 023号及び欧州特許第215 594号に記載される。
【0164】
昆虫細胞における使用のため、シグナルペプチドは、好都合には、例えば、鱗翅目タバコスズメガ脂肪動態ホルモン前駆体シグナルペプチド等(米国特許第5,023,328号を参照されたい)の昆虫遺伝子由来とすることができる(国際公開第90/05783号を参照されたい)。
【0165】
ヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及び本発明のキメラ分子、プロモーター及び任意にはターミネーター及び/又は分泌シグナル配列をそれぞれコードするDNA配列を結合するため、及び複製に必要な情報を含む適したベクター中にそれらを挿入するために使用される手順は、当業者に周知である(例えば、Sambrook et al.、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、New York、1989を参照されたい)。
【0166】
哺乳類細胞をトランスフェクトし且つ斯かる細胞中で導入されたDNA配列を発現する方法は、例えば、Kaufman and Sharp、J. Mol. Biol. 159(1982)、601 - 621; Southern及びBerg、J. Mol. Appl. Genet. 1(1982)、327 - 341; Loyter等、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79(1982)、422 - 426; Wigler et al.、Cell 14(1978)、725; Corsaro and Pearson、Somatic Cell Genetics 7(1981)、603、Graham及びvan der Eb、Virology 52(1973)、456; 及び Neumann等、EMBO J. 1(1982)、841 - 845に記載される。
【0167】
クローン化DNA配列は、例えば、リン酸カルシウム媒介トランスフェクション(Wigler et al.、Cell 14:725-732、1978; Corsaro and Pearson、Somatic Cell Genetics 7:603-616、1981; Graham and Van der Eb、Virology 52d:456-467、1973)又は電気穿孔(Neumann et al.、EMBO J. 1:841-845、1982)によって培養哺乳類細胞中に導入される。外来性DNAを発現する細胞を同定し選択するために、選択可能な表現型(選択可能なマーカー)を与える遺伝子は、目的の遺伝子又はcDNAと共に細胞中に通常導入される。好ましい選択可能なマーカーは、例えば、ネオマイシン、ハイグロマイシン、及びメトトレキサート等の薬剤に対する抵抗性を与える遺伝子を含む。選択可能なマーカーは、増幅可能な選択可能なマーカーとすることができる。好ましい増幅可能な選択可能マーカーは、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)配列である。選択可能なマーカーは、Thilly(Mammalian Cell Technology、Butterworth Publishers、Stoneham、MA、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって検討されている。当業者は、適した選択可能マーカーを容易に選択できるであろう。
【0168】
選択可能なマーカーは、目的の遺伝子として同時に別々のプラスミド上で細胞中に、又は同一プラスミド上に導入することができる。同一プラスミド上の場合、選択可能なマーカー及び目的の遺伝子は、異なるプロモーター又は同一プロモーターの制御下とすることができ、後者の配列はジシストロニックなメッセージを生じている。このタイプのコンストラクトは、当技術分野で周知である(例えば、Levinson and Simonsen、米国特許第4,713,339号)。細胞中に導入される混合物に「キャリアDNA」として周知のDNAをさらに加えることもまた好適である。
【0169】
細胞がDNAを取り込んだ後、適した成長培地において細胞は、典型的には1〜2日間成長され、目的の遺伝子を発現し始める。本明細書の用語「適した成長培地」とは、細胞増殖及び目的のヒトフィコリン結合ポリペプチドの発現に必要な栄養素及び他の成分を含む培地を意味する。培地は通常、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、必須糖、ビタミン、塩、リン脂質、タンパク質及び成長因子を含む。続いて薬剤選択は、安定して選択可能なマーカーを発現している細胞増殖のために適用される。増幅可能な選択可能なマーカーが形質移入された細胞のために、薬剤濃度は、クローン化配列のコピー数を増加し、それによって発現レベルを高めるために増大させることができる。安定して形質移入された細胞のクローンは、続いて目的のヒトフィコリン結合ポリペプチドの発現のためにスクリーニングされる。
【0170】
ヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及び本発明のキメラ分子をコードするDNA配列が導入された宿主細胞は、翻訳後の修飾ヒトポリペプチドの産生が可能である任意の細胞とすることができ、酵母、真菌及びより高等な真核細胞を含む。
【0171】
本発明における使用のための哺乳類細胞株の例は、COS-1(ATCC CRL 1650)、ベビーハムスター腎臓(BHK)及び293(ATCC CRL 1573; Graham et al.、J. Gen. Virol. 36:59-72、1977)細胞株である。好ましいBHK 細胞株は、tk- ts13 BHK 細胞株(Waechter and Baserga、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:1106-1110、1982、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)であり、以降BHK 570細胞と呼ぶ。BHK 570細胞株は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関、12301 Parklawn Dr.、Rockville、Md. 20852に、ATCC受入番号CRL 10314で寄託されている。tk- ts13 BHK 細胞株もまた、受入番号CRL 1632でATCCから入手できる。さらに、多くの他の細胞株は、本発明内で使用でき、ラットHep I(ラット肝癌; ATCC CRL 1600)、ラットHep II(ラット肝癌; ATCC CRL 1548)、TCMK(ATCC CCL 139)、ヒト肺(ATCC HB 8065)、NCTC 1469(ATCC CCL 9.1)、CHO(ATCC CCL 61)及びDUKX細胞(Urlaub and Chasin、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220、1980)を含む。
【0172】
適した酵母細胞の例は、サッカロマイセス属(Saccharomyces spp.)又は分裂酵母(Schizosac-charomyces spp.)、特にサッカロミセスセレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)又はサッカロミセスクリヴェリ(Saccharomyces kluyveri)株の細胞を含む。異種DNAで酵母細胞を形質転換し且つそこから異種ポリペプチドを生じるための方法は、例えば、米国特許第4,599,311号、米国特許第4,931,373号、米国特許第4,870,008号、5,037,743号、及び米国特許第 4,845,075に記載され、それらは全てその全体が本明細書に参照により組み込まれる。形質転換された細胞は、選択可能なマーカー、通常薬剤抵抗性又は例えば、ロイシン等の特定の栄養素の非存在下で成長する能力によって決定される表現型によって選択される。酵母における使用のための好ましいベクターは、米国特許第4,931,373号に開示されるPOT1ベクターである。ヒトフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及び本発明のキメラ分子をコードするDNA配列は、シグナル配列、任意には例えば、上記のリーダー配列が先行し得る。さらに、適した酵母細胞の例は、例えば、クルイベロミセスラクチス(K. lactis)等のクリベロミセス属(Kluyveromyces)、例えば、ハンセヌラポリモルファ(H. polymorpha)等のハンセヌラ属(Hansenula)、又は例えば、メタノール資化酵母(P. pastoris)等のピキア属(Pichia)の株である(Gleeson et al.、J. Gen. Microbiol. 132、1986、pp. 3459-3465; 米国特許第4,882,279号を参照されたい)。
【0173】
他の真菌細胞の例は、例えば、アスペルギルス属(Aspergillus spp.)、ニューロスポラ属(Neurospora spp.)、フザリウム属(Fusarium spp.)、トリコデルマ属(Trichoderma spp.)の糸状菌細胞、または、特に黄麹菌(A. oryzae)、アスペルギルスニデュランス(A. nidulans)又はクロコウジカビ(A. niger)の株である。タンパク質の発現のためのアスペルギルス属(Aspergillus spp.)の使用は、例えば、欧州特許第272 277号、欧州特許第238 023号、欧州特許第184 438号に記載される。フザリウムオキシスポルム(F. oxysporum)の形質転換は、例えば、Malardier等の、1989、Gene 78: 147-156に記載されように行うことができる。トリコデルマ属(Trichoderma spp.)の形質転換は、例えば欧州特許第244 234号に記載されるように行うことができる。
【0174】
糸状菌が宿主細胞として使用される場合、本発明のDNAコンストラクトによって、好都合には組換え宿主細胞を得るためにDNAコンストラクトを宿主染色体に組み込むことによって形質転換できる。この組み込みは、DNA配列は細胞内で安定して維持される傾向にあるので、通常利点と考えられている。DNAコンストラクトの宿主染色体中への組み込みは、従来の方法に従って、例えば、相同又は異種組換えによって行うことができる。
【0175】
昆虫細胞の形質転換及びその異種ポリペプチドの産生は、米国特許第4,745,051号; 米国特許第4,879,236号; 米国特許第5,155,037号; 5,162,222号; 欧州特許第397,485号に記載されるように行うことができ、これらは全てその全体が参照により本明細書に組み込まれる。宿主として使用される昆虫細胞株は、好適には、例えば、ヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞又はイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)細胞等の鱗翅類の細胞株とすることができる(米国特許第5,077,214号を参照されたい)。培養条件は、好適には、例えば、国際公開第89/01029号又は国際公開第89/01028号、又は上記参考文献のいずれかに記載される。
【0176】
上記の形質転換又は形質移入された宿主細胞は、続いてヒトフィコリン結合ポリペプチドの発現を可能にする条件下で適した栄養培地で培養され、その後生じたペプチドの全て又は一部は培養物から回収することができる。細胞を培養するために使用した培地は、例えば、最少培地又は適当な栄養補助剤を含む複合培地等の宿主細胞の増殖に適した従来の任意の培地とすることができる。適した培地は、サプライヤーから購入できるか又は、(例えば、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関のカタログに)公表された処方に従って調製できる。細胞によって産生されたヒトフィコリン結合ポリペプチドは、続いて対象のポリペプチドの型によって、遠心分離又はろ過による培地からの宿主細胞の分離、例えば、硫酸アンモニウム等の塩による上清又はろ液のタンパク質水性成分の沈殿、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー等の種々のクロマトグラフィー手順による精製を含む従来の手順によって培地から回収できる。
【0177】
遺伝子導入動物の技術は、本発明のフィコリン結合ポリペプチド及び他のポリペプチドを産生するために利用できる。宿主雌性哺乳類の乳腺内でタンパク質を産生することが好ましい。乳腺内の発現及び続く目的のタンパク質のミルク中への分泌は、他の供給源からのタンパク質の単離において遭遇する多くの困難を克服する。ミルクは容易に収集でき、大量に利用可能であり、且つ生化学的に非常に特性が明らかである。さらに、主要なミルクプロテインは、高濃度(典型的には約1〜15 g/l)でミルク中に存在する。
【0178】
商業的観点から、宿主として大量のミルク量を有する種を使用することが明らかに好ましい。例えば、マウス及びラット等のより小さな動物を使用できる(且つ原理段階の証明で好ましい)が、ブタ、ヤギ、ヒツジ及びウシを含む家畜哺乳類を使用することが好ましいがそれらに限定されない。ヒツジは、この種における以前の遺伝子組換えの経緯、乳量、ヒツジのミルクの収集のための装置のコスト及びそれが容易に入手可能等のため特に好ましい(例えば、宿主種の選択に影響する要因の比較に関する、国際公開第88/00239を参照されたい)。例えば、East Frieslandのヒツジ等の乳業使用のために繁殖された宿主動物の品種を選択すること、又は遺伝子導入系の繁殖によって後日搾乳用家畜を導入することが通常望ましい。いずれにしろ、周知の良好な健康状態の動物を使用すべきである。
【0179】
乳腺における発現を得るために、ミルクプロテイン遺伝子由来の転写プロモーターが使用される。ミルクプロテイン遺伝子は、カゼイン(米国特許第5,304,489号を参照されたい)、ベータラクトグロブリン、ラクトアルブミン、及び乳清酸性タンパク質をコードする遺伝子を含む。ベータラクトグロブリン(BLG)プロモーターが好ましい。ヒツジベータラクトグロブリン遺伝子の場合は、最大約5 kbpの、例えば、ベータラクトグロブリン遺伝子の5' 隣接プロモーター及び非翻訳部分を含む~4.25 kbpのDNAセグメント等の5' 隣接配列のより大きな部分が好ましいにもかかわらず、斯かる遺伝子の5' 隣接配列の少なくとも近位の406 bpの領域が通常使用されるであろう(Whitelaw et al.、Biochem. J. 286: 31 39(1992)を参照されたい)。他種由来のプロモーターDNAの同様の断片もまた適する。
【0180】
ベータラクトグロブリン遺伝子の他の領域は、コンストラクト中に組み込むことができ、発現される遺伝子のゲノム領域とすることができる。当技術分野において、イントロンを欠如しているコンストラクトは、例えば、このようなDNA配列を含むものと比較して発現が不十分であることが通常認められる(Brinster et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85: 836 840(1988); Palmiter et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 478 482(1991); Whitelaw et al.、Transgenic Res. 1: 3 13(1991); 国際公開第89/01343号; 及び国際公開第91/02318号を参照されたい。そして、各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。これに関して、可能であれば、目的のタンパク質又はポリペプチドをコードする遺伝子の天然イントロンの全て又は一部を含むゲノム配列を使用することが通常好ましく、よってさらに例えばベータラクトグロブリン遺伝子由来の少なくとも一部のイントロンを含むことが好ましい。このような領域の1つは、ヒツジベータラクトグロブリン遺伝子の3' 非翻訳領域由来のイントロンスプライシング及びRNAポリアデニル化を供するDNAセグメントである。遺伝子の天然の3' 非翻訳配列に置換される場合、このヒツジベータラクトグロブリンセグメントは、目的のタンパク質又はポリペプチドの発現レベルを増強且つ安定化することができる。他の実施形態において、FAP配列の開始ATGを含む領域は、ミルク特異的タンパク質遺伝子由来の対応の配列と置換される。このような置換は、発現を増強する推定の組織特異的開始環境を供する。より小さな領域を置換できるにもかかわらず、全体のFAPプレプロ配列及びそれを有する5' 非翻訳配列、例えば、BLG遺伝子を置換することが好都合である。
【0181】
遺伝子導入動物での本発明のフィコリン結合ポリペプチド、補体活性の第二の調節因子、及びキメラ分子の発現のため、FAPをコードするDNAセグメントは、発現単位を産生するためにその発現に必要なさらなるDNAセグメントに操作可能に結合される。このようなさらなるセグメントは、上記プロモーター、及びmRNAの転写及びポリアデニル化の終了を供する配列を含む。発現単位は、修飾FAPをコードするセグメントに操作可能に結合された分泌シグナル配列をコードするDNAセグメントをさらに含むことができる。分泌シグナル配列は、天然のFAP分泌シグナル配列又は他のタンパク質、例えば、ミルクプロテイン等の分泌シグナル配列とすることができる(例えば、von Heijne、Nucl. Acids Res. 14: 4683 4690(1986); 及びMeade et al.、米国特許第4,873,316号を参照されたい。これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0182】
本質的にライゲーションの任意の配列によって発現単位は構築できるが、遺伝子導入動物における使用のための発現単位の作成は、さらなるDNAセグメントを含むプラスミド又はファージベクター中にFAP配列を挿入することによって好都合に行われる。ミルクプロテインをコードするDNAセグメントを含むベクターを供し、ミルクプロテインのコード配列をFAP変異体のものと置換することが特に好都合であり、それによってミルクプロテイン遺伝子の発現制御配列を含む遺伝子融合を生じる。いずれにしろ、プラスミド又は他のベクター中の発現単位のクローニングは、FAP配列の増幅を促進する。斯かる増幅は、細菌(例えば、大腸菌)宿主細胞中で好都合に行われ、よってベクターは典型的に細菌宿主細胞で機能する複製の開始点及び選択可能なマーカーを含むことができる。続いて、発現単位は選択宿主種の受精卵(初期胚を含む)の中に導入される。異種DNAの導入は、微量注入(例えば、米国特許第4,873,191号)、レトロウイルス感染(Jaenisch、Science 240: 1468 1474(1988))又は胚性幹(ES)細胞を使用した部位特異的組み込み(Bradley et al.によって概説される、Bio/ Technology 10: 534 539(1992))を含む複数の経路の1つによって達成できる。続いて卵は、偽妊娠雌性の卵管又は子宮中に移植され、出生まで発育され得る。生殖系列に導入DNAを有する子孫は、通常、メンデルの法則に従って、DNAを後代に受け渡すことができ、これにより遺伝子導入集団の発生が可能となる。遺伝子導入動物産生のための通常の手順は、当技術分野で周知である(例えば、Hogan et al.、Manipulating the Mouse Embryo: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、1986; Simons et al.、Bio/ Technology 6: 179 183(1988); Wall et al.、Biol. Reprod. 32: 645 651(1985); Buhler et al.、Bio/ Technology 8: 140 143(1990); Ebert et al.、Bio/ Technology 9: 835 838(1991); Krimpenfort et al.、Bio/ Technology 9: 844 847(1991); Wall et al.、J. Cell. Biochem. 49: 113 120(1992); 米国特許第4,873,191号; 米国特許第4,873,316号; 国際公開第88/00239号、国際公開第90/05188号、国際公開第92/11757号; 及びイギリス特許第87/00458号を参照されたい)。外因性DNA配列を哺乳類及びその生殖細胞に導入する技術は、当初マウスで開発された(例えば、Gordon et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77: 7380 7384(1980); Gordon and Ruddle、Science 214: 1244 1246(1981); Palmiter and Brinster、Cell 41: 343 345(1985); Brinster et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 4438 4442(1985); 及びHogan et al.(ibid.)を参照されたい)。これらの技術は、続いて家畜種を含むより大型の動物での使用に適合された(例えば、国際公開第88/00239号、国際公開第90/05188号、及び、国際公開第92/11757号; 及びSimons et al.、Bio/ Technology 6: 179 183(1988)を参照されたい)。まとめると、遺伝子導入マウス又は家畜の出生における今日までに使用される最も効率的な経路において、目的のDNAの数百の線状分子が確立された技術に従って受精卵の前核の1つに注入される。接合体の細胞質中へのDNAの注入もまた利用できる。
【0183】
遺伝子導入植物における産生もまた利用できる。発現は、例えば塊茎等の特定の器官に一般化する又はそれに仕向けることができる(Hiatt、Nature 344:469 479(1990); Edelbaum et al.、J. Interferon Res. 12:449 453(1992); Sijmons et al.、Bio/ Technology 8:217 221(1990); 及び欧州特許第0 255 378号を参照されたい)。
【0184】
FAP精製
本発明のフィコリン結合ポリペプチド及び他のポリペプチドは、細胞培地又はミルクから回収できる。本発明のフィコリン結合ポリペプチド及び他のポリペプチドは、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、等電点電気泳動、及び分子ふるいクロマトグラフィー)、電気泳動手順(例えば、調製用等電点電気泳動(IEF)、ディファレンシャル溶解(例えば、硫酸アンモニウム沈殿法)、又は抽出(例えば、タンパク質精製、J.-C. Janson and Lars Ryden、editors、VCH Publishers、New York、1989を参照されたい)を含むがそれらに限定されない当技術分野で周知の種々の手順によって精製できる。好ましくは、それらは、抗FAP 抗体カラムにおける親和性クロマトグラフィーによって精製できる。さらなる精製は、例えば、高速液体クロマトグラフィー等の従来の化学精製手段よって達成できる。クエン酸バリウム沈殿を含む精製の他の方法は、当技術分野で周知であり、本明細書に記載する新規フィコリン結合ポリペプチド及び他のポリペプチドの精製に適用できる(例えば、Scopes, R., Protein Purification, Springer-Verlag, N.Y., 1982を参照されたい)。
【0185】
治療上の目的のため、本発明のフィコリン結合ポリペプチド及び他のポリペプチドが実質的に純粋であることが好ましい。よって、本発明の好適な実施形態において、本発明のポリペプチドは、少なくとも約90〜95% 均一まで、好ましくは少なくとも約98% 均一まで精製される。純度は、例えば、ゲル電気泳動及びアミノ末端アミノ酸配列決定によって評価できる。
【0186】
用語「単離ポリペプチド」とは、(1)少なくともポリヌクレオチド、脂質、炭水化物又は自然に結合した他の物質(すなわち、混入物)の約50パーセントから分離された本発明のポリペプチドを意味する。好ましくは、単離ポリペプチドは、その自然環境において発見される任意の他の混入ポリペプチド又は他の混入物から実質的に遊離し、その治療、診断、予防又は研究の使用に関与し得る。
【0187】
本明細書の用語「微生物」とは、細菌、真菌、古細菌、原生生物; 微小植物及び動物(例えば、緑藻類又はプランクトン等)、プラナリア及びアメーバを意味する。病原性微生物は、この定義に含まれる。
【0188】
アッセイ
SDS-PAGE及びウエスタンブロッティングに関する通常の手順:
製造者が推奨するNuPAGE(登録商標)システム(Invitrogen)を使用して、10 % 又は4〜12 %(w/v)のビス-トリスポリアクリルアミドゲル上で不連続緩衝液で電気泳動を行った。フッ化ポリビニリデン膜(PVDF-HyBond、GE-healthcare、Hilleroed、Denmark、cat. no. RPN303F)、2 μg/mlのビオチン標識一次モノクローナル抗体及びPBS 0.05 % ツイーン20 中で1:1500に希釈したびHRP 結合ストレプトアビジンによる二次可視化剤(P0397、Dako、Glostrup、Denmark)を使用してウエスタンブロッティングを行った。アセトン中の0.04 %の3-アミノ9-エチルカルバゾール(Sigma-aldrich、Broenby、Denmark、cat. no. A5754-100G)及び50 mM 酢酸ナトリウム緩衝液pH 5の0.015 % H2O2で膜を展開した。
【0189】
免疫共沈降
マンノース結合レクチン(MBL)血清複合体の免疫沈降: 1 mlの正常ヒト血清を、TBS(10 mM トリス、140 mM NaCl、pH 7.5)中で1:1で希釈し、MBL 特異的マウスモノクローナル抗体 Hyb 131-11(Bioporto、Gentofte、Denmark)の5 μgと共に、4℃で1 時間回転しながらインキュベートした。
【0190】
フィコリン-2 血清複合体の免疫沈降: 0.5 mlの正常ヒト血清を、TBS(10 mM トリス、140 mM NaCl、pH 7.5)で1:1に希釈し、5 μgのフィコリン-2 特異的マウスモノクローナル抗体Hyb 219(Munthe-Fog L、et al.)と共に4℃で1時間回転しながらインキュベートした。
【0191】
フィコリン-3 血清複合体の免疫沈降: 0.2 mlの正常ヒト血清を、TBS(10 mMトリス、140 mM NaCl、pH 7.5)で1:1に希釈し、5 μgのフィコリン-3特異的マウスモノクローナル抗体Hyb 334(Munthe-Fog L、et al.)と共に4℃で1時間回転しながらインキュベートした。
【0192】
免疫複合体沈殿をヒツジ抗マウス IgG 結合磁性ダイナルビーズ(Dynal-Invitrogen、Cat. No. 112.02D)で行った。血清及び一次抗体(上記の通り)でのインキュベーション後、5x107 ヒツジ抗マウス結合磁性ダイナルビーズを添加し、4℃で30分間インキュベートした。ビーズを磁力で分離し、TBS-ツイーン-Ca2+(10 mM トリス、140 mM NaCl、0.05 % ツイーン、5 mM CaCl2、pH 7.5)で3回洗浄し、最終的にSDS-添加液中で煮沸し、SDS-PAGE及びビオチン標識モノクローナル抗体mAb-8B3(MASP-1及び-3によって共有される重鎖/A鎖上のエピトープと反応する)でのウエスタンブロッティングで分析した。
【0193】
FAPの免疫親和性精製 :10 mgのmAb-8B3(FAP、MASP-1 及び-3によって共有される重鎖/A鎖上のエピトープと反応する)又は10 mgのウサギポリクローナル抗FAP抗体を、製造者が推奨するようにCNBr活性化セファロース(GE-healthcare、Hilleroed、Denmark、cat. no. 17-0430-01)に結合させ、カラムに詰めた。
【0194】
血清からの精製: 正常ヒト血清の150 mlのプールを、TBS + 0.5 M NaCl + 10 mM EDTA(10 mM トリス、640 mM NaCl、10 mM EDTA、pH 7.5)で1:1に希釈し、上記カラムに負荷した。カラムを1 lのTBS + 0.5 M NaCl + 10 mM EDTAで洗浄し、1 ml の画分を1 M グリシン-HCl、pH 2.5で溶出させ、SDS-PAGE 及びビオチン標識モノクローナル抗体mAb-8B3でのウエスタンブロッティングによって分析した。
【0195】
組換えFAPの精製: 組換えFAP(rFAP)を発現しているチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)由来の2〜3 lの培養上清(CHO血清不含有培地/ Gibco-Invitrogen、cat. no. 12651-014由来)を、上記の抗体カラムに負荷した。カラムを1.5 lのTBS + 0.5 M NaCl + 10 mM EDTAで洗浄し、1 ml 画分を1 M グリシン-HCl、pH 2.5で溶出させた。溶出された画分を、SDS-PAGE及びクーマシー染色によって分析した。
【0196】
FAPの組換え発現:pcDNA5/FRTベクター(Invitrogen、cat. no. V6010-20)に挿入した全長cDNAを、Genscript(Genscript、New Jersey、USA)に注文し、製造者(Invitrogen)が推奨するようにpOG44 ベクター(Invitrogen、cat. no. V6005-20)でCHO Flp-In 細胞株(Invitrogen、cat. no. R758-07)中に同時導入させ選択させ、クローン化させた。Freestyle CHO血清不含有培地(Invitrogen、cat. no. 12651-014)中で細胞を成長させ、培養上清を回収し分析した。
【0197】
モノ及びポリクローナル抗体の産生: FAP特異的17 C-末端残基のペプチドコンストラクト(Genscript、New Jersey、USAに発注した)を、製造者(Thermo Fisher Scientific /Pierce、Illinois、USA)が推奨するように、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステルでのシステイン結合方法を使用して、破傷風及びジフテリアのトキソイド形態に結合させた。
【0198】
6匹のマウス及び2匹のウサギを、それぞれAl(OH)3に吸着された25 μgの抗原及びフロイント不完全アジュバントで3回(14日のインターバル)免疫化した。ポリクローナル抗体価を、タンパク質担体に結合させた異なるFAPペプチドと共にELISAを使用して評価した。
【0199】
ポリクローナルウサギ抗血清(=10 ml)を、第一、第二及び第三の免疫化の14日後に回収した。
【0200】
モノクローナル抗体の産生のために、2匹のマウスを使用した。融合の4日前に、マウスは25 μgの抗原の静脈内注入を受けた。他で記載される通り融合が行われた(Kohler、G. and C. Milstein. 1975. Continuous cultures of fused cells secreting antibody of predefined specificity. Nature 256:495-497)。
【0201】
異なるタンパク質担体に結合させたペプチドに対するディファレンシャルELISAスクリーニングによってクローンを選択した。
【0202】
機能性補体アッセイ:フィコリン-3及びMBLホモ接合欠乏血清を使用し、FAPの機能を調べた。
【0203】
フィコリン-3 アッセイ: Maxisorpプレート(NUNC、Roskilde、Denmark、cat. no. 439454)を、コーティング緩衝液(15 mM Na2CO3、35 mM NaHCO3、pH 9.5)中で4℃で12時間、濃度5 μg/mlでアセチル化ウシ血清アルブミンでコーティングした。バルビタール/ツイーン緩衝液(4 mM バルビタール、145 mM NaCl、2 mM CaCl2、1 mM MgCl2、pH 7.4 + 0.05% ツイーン)中での4回のブロッキング/洗浄後、500ng/ml I バルビタール/ツイーン緩衝液で組換えヒトフィコリン-3を添加し、振盪させながら20℃で1.5時間インキュベートした。バルビタール/ツイーン緩衝液中でプレートを2回洗浄後、血清不含有培地上清として組換えFAP、ヒトMASP-1、-2又は-3を、別のプレート上で一次元で段階希釈で添加し、振盪させながら20℃で1時間インキュベートした。バルビタール/ツイーン緩衝液中でプレートを2回洗浄後、プレート上で二次元で段階希釈でフィコリン-3又はMASP-2欠乏血清を添加し、37℃で30分間インキュベートした。バルビタール/ツイーン緩衝液中での4回のプレートの洗浄後、1:2000 に希釈したヒトC4cに対するポリクローナルウサギ抗体(Dako、Glostrup、Denmark cat. no Q0369)を使用して、補体C4因子の沈着を20℃で1 時間インキュベーションによって測定し、続いて4つの洗浄工程及び西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ブタ抗ウサギ抗体(Dako、Glostrup、Denmark cat. no P0399)で20℃で45分間のインキュベーションを行った。プレートを、0.12 ‰(v/v)H2O2を含むクエン酸緩衝液(35 mM クエン酸、65 mM Na2PO4、pH 5)中に溶解した100μl/ウェルのオルト-フェニレン-ジアミン(OPD)(0.4 mg/ml)で展開することによって、シグナルを得た。酵素反応を1 M H2SO4で停止させ、V-max 動態-リーダー(Molecular Devices)を使用して490 nm-650 nmで吸光度(OD)レベルを測定した。
【0204】
マンノース結合レクチンアッセイ : Maxisorpプレート(NUNC、Roskilde、Denmark、cat. no. 439454)を、コーティング緩衝液(15 mM Na2CO3、35 mM NaHCO3、pH 9.5)中で4℃で12 時間10 μg/mlでマンナン(Sigma-aldrich、Broenby、Denmark、cat. no. M7504-1G)でコーティングした。バルビタール/ツイーン 緩衝液(4 mM バルビタール、145 mM NaCl、2 mM CaCl2、1 mM MgCl2、pH 7.4 + 0.05% ツイーン)中の4回のブロッキング/洗浄後、0.5 μg/ml Iバルビタール/ツイーン緩衝液で組換えヒトマンノース結合レクチンを添加し、振盪させながら20℃で1.5 時間インキュベートした。バルビタール/ツイーン緩衝液中でプレートを2回洗浄後、血清不含有培地上清として組換えFAP、ヒトMASP-1、-2又は-3を、別のプレート上に一次元で段階希釈で添加し、振盪させながら20℃で1 時間インキュベートした。バルビタール/ツイーン緩衝液中でプレートを2回洗浄後、MBL 又はMASP-2欠乏血清を、プレートに二次元で段階希釈で添加し、37℃で45分間インキュベートした。バルビタール/ツイーン緩衝液中でプレートを4回洗浄後、1:2000希釈のヒトC4c(Dako、Glostrup、Denmark cat. no Q0369)に対するポリクローナルウサギ抗体を使用して、補体C4因子の沈着を20℃での1 時間のインキュベーションによって測定し、続いて4つの洗浄工程及び西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ブタ抗ウサギ抗体(Dako、Glostrup、Denmark cat. no P0399)での20℃で45分間のインキュベーションを行った。プレートを、0.12 ‰(v/v)H2O2を含むクエン酸緩衝液(35 mM クエン酸、65 mM Na2PO4、pH 5)に溶解した100 μl/ウェルのオルト-フェニレン-ジアミン(OPD)(0.4 mg/ml)で展開することによって、シグナルが得られた。酵素反応を1 M H2SO4で停止し、V-max 動態-リーダー(Molecular Devices)を使用して吸光度(OD)レベルを490 nm-650 nmで測定した。
【0205】
遺伝子型判定アッセイ : 生物アッセイを使用して、遺伝子型が個体において決定される異なる遺伝子型判定アッセイを行うことができた。例えば、以下の異なる種類のアッセイが使用できる。
−ハイブリダイゼーションに基づく方法
動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション
分子指標
SNPマイクロアレイ
−酵素に基づく方法
制限断片長多型
PCRに基づく方法
フラップエンドヌクレアーゼ
プライマー伸展
5’-ヌクレアーゼ
オリゴヌクレオチドリガーゼアッセイ
−DNAの物性に基づく他の増幅後の方法
一本鎖高次構造多型分析
温度勾配ゲル電気泳動
変性高速液体クロマトグラフィー
増幅産物全体の高分解能融解
SNPlex
−配列決定
【0206】
投与及び医薬組成物
併用療法
本明細書に記載のフィコリン結合ポリペプチドは、フィコリン-1、2、3、及びマンノース結合レクチン(MBL)から選択される1又は2以上のタンパク質と共に同時に又は連続して投与できる。因子は、単一用量形態が両方の化合物を含む単一用量形態、又は第一の単位用量形態としてのフィコリン結合ポリペプチドの調製剤及び第二の単位用量形態として1又は2以上の他の化合物の調製剤を含む部品キット(kit-of-parts)の形態で供給することができる。本明細書で第一、第二又は第三等の単一用量に言及する場合はいつでも、これは好ましい投与順を示さず、単に利便目的で示すものである。
【0207】
「同時」によるフィコリン結合ポリペプチドの調製剤と1又は2以上の他の化合物の調製剤との投薬は、単一用量形態での化合物の投与、又は第一薬剤の投与及び15分以内、好ましくは10、より好ましくは5、より好ましくは2分以内の続く第二薬剤の投与を意味する。いずれの因子も最初に投与できる。
【0208】
「連続的」投薬は、第一薬剤及び15分以内の続く第二薬剤の投与を意味する。2つの単位用量形態のどちらも最初に投与できる。好ましくは、双方の生成物は同一静脈内アクセスを介して注入される。
【0209】
本発明の他の目的は、0 mg/ml〜1 mg/mlの血清/血漿濃度で存在するフィコリン結合ポリペプチドを含む医薬製剤を供することであり、斯かる製剤はpH2.0〜10.0である。製剤は、緩衝系、保存料、浸透圧剤、キレート化剤、安定化剤及び界面活性物質をさらに含むことができる。本発明の一部の実施形態において、医薬製剤は水性製剤、すなわち、水を含む製剤である。このような製剤は、典型的には溶液又は懸濁液である。本発明のさらなる実施形態において、医薬製剤は、水性溶液である。用語「水性製剤」とは、少なくとも50 % w/w 水を含む製剤を意味する。同様に、用語「水性溶液」とは、少なくとも50 %w/w水を含む溶液を意味し、用語「水性懸濁液」とは、少なくとも50 % w/w水を含む懸濁液を意味する。
【0210】
他の実施形態において、医薬製剤は凍結乾燥製剤であり、医師又は患者は使用前に溶剤及び/又は希釈剤を添加する。
【0211】
他の実施形態において、医薬製剤は事前の溶解なく使える状態の乾燥製剤(例えば、凍結乾燥又はスプレー乾燥)である。
【0212】
さらなる態様において、本発明は、フィコリン結合ポリペプチドの水性溶液、及び緩衝液を含む医薬製剤に関し、フィコリン結合ポリペプチドは0〜1 mg/ml又はそれ以上の血清/血漿濃度で存在し、製剤はpH約2.0〜10.0を有する。
【0213】
本発明の他の実施形態において、製剤のpHは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、及び10.0から成るリストから選択される。
【0214】
本発明のさらなる実施形態において、緩衝液は酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸又はそれらの混合物から成る群から選択される。これらの特異的緩衝液それぞれは、本発明の別の実施形態を構成する。
【0215】
本発明のさらなる実施形態において、製剤は医薬的に許容される保存料をさらに含む。本発明のさらなる実施形態において、保存料は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチメロサール、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素(imidurea)、クロルヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、パラオキシ安息香酸エチル、ベンゼトニウム塩化物、クロルフェネシン(3p-クロルフェノシキプロパン-1,2-ジオール)又はそれらの混合物から成る群から選択される。本発明のさらなる実施形態において、保存料は、濃度0.1 mg/ml〜20 mg/mlで存在する。本発明のさらなる実施形態において、保存料は、濃度0.1 mg/ml〜5 mg/mlで存在する。本発明のさらなる実施形態において、保存料は、濃度5 mg/ml〜10 mg/mlで存在する。本発明のさらなる実施形態において、保存料は、濃度10 mg/ml〜20 mg/mlで存在する。これらの具体的な保存料はそれぞれ、本発明の他の実施形態を構成する。医薬組成物中の保存料の使用は、当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th edition、1995を参照されたい。
【0216】
本発明のさらなる実施形態において、製剤は等張剤をさらに含む。本発明のさらなる実施形態において、等張剤は、塩(例えば、塩化ナトリウム)、糖又は糖アルコール、アミノ酸(例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えば、グリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、又はそれらの混合物から成る群から選択される。例えば、単、二、又は多糖類、又は水溶性グルカン、例えば、フルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン及びカルボキシメチルセルロース-Na等の任意の糖が使用できる。一部の実施形態において、糖添加物はスクロースである。糖アルコールとは、少なくとも1つの--OH基を有するC4-C8炭化水素を意味し、例えば、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール、ズルシトール、キシリトール、アラビトールを含む。一部の実施形態において、糖アルコール添加物は、マンニトールである。上記糖又は糖アルコールは、個々に又は組み合わせて使用できる。液性調製物中の糖又は糖アルコールが可溶である限り、使用される量は限定されず、本発明の方法を使用して達成される安定効果に不利に影響しない。一部の実施形態において、糖又は糖アルコール濃度は、約 1 mg/ml〜150 mg/mlである。本発明のさらなる実施形態において、等張剤は濃度1 mg/ml〜50 mg/mlで存在する。本発明のさらなる実施形態において、等張剤は、濃度1 mg/ml〜7 mg/mlで存在する。本発明のさらなる実施形態において、等張剤は、濃度8 mg/ml〜24 mg/mlで存在する。本発明のさらなる実施形態において、等張剤は、濃度25 mg/ml〜50 mg/mlで存在する。これらの具体的な等張剤はそれぞれ、本発明の他の実施形態を構成する。医薬組成物における等張剤の使用は当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th edition、1995を参照されたい。
【0217】
本発明のさらなる実施形態において、製剤はキレート化剤をさらに含む。本発明のさらなる実施形態において、キレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸、及びアスパラギン酸の塩、及びそれらの混合物から選択される。本発明のさらなる実施形態において、キレート化剤は、濃度0.1 mg/ml〜5 mg/mlで存在する。本発明のさらなる実施形態において、キレート化剤は濃度0.1 mg/ml〜2 mg/mlで存在する。本発明のさらなる実施形態において、キレート化剤は濃度2 mg/ml〜5 mg/mlで存在する。これらの具体的なキレート化剤はそれぞれ、本発明の他の実施形態を構成する。医薬組成物中のキレート化剤の使用は、当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th edition、1995を参照されたい。
【0218】
本発明のさらなる実施形態において、製剤は安定化剤をさらに含む。医薬組成物中の安定化剤の使用は、当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th edition、1995を参照されたい。
【0219】
より詳細には、本発明の組成物は、治療上活性成分が液体医薬製剤中で保存中おそらく凝集形成を示すポリペプチドを含む安定化液体医薬組成物である。「凝集形成」とは、オリゴマー形成を生じるポリペプチド分子間の物理的相互作用を意味し、可溶状態、又は溶液から沈殿する大きな可視凝集であってよい。「保存中」とは、一度調製されたが、対象に即剤に投与されない液体医薬組成物又は製剤を意味する。むしろ、生じる調製物は、その後の対象への投与に適した液状形態又は他の形態での再構成のための、液状形態、凍結状態、又は乾燥形態のいずれかでの保存のためにパッケージされる。「乾燥形態」とは、液体医薬組成物又は製剤が、フリーズドライ(すなわち、凍結乾燥; 例えば、Williams and Polli(1984)J. Parenteral Sci. Technol. 38:48-59)、スプレー乾燥(Masters(1991) in spray drying Handbook(5th ed; Longman Scientific and Technical、Essez、U.K.)、pp. 491-676; Broadhead et al.(1992) Drug Devel. Ind. Pharm. 18:1169-1206; 及びMumenthaler et al.(1994) Pharm. Res. 11:12-20)、又は風乾(Carpenter and Crowe(1988) Cryobiology 25:459-470; 及び Roser(1991) Biopharm. 4:47-53を参照されたい)によって乾燥されることを意味する。液体医薬組成物の保存中のポリペプチドによる凝集形成は、ポリペプチドの生物活性に不利に影響する可能性があり、医薬組成物の治療上の有効性の減少となる。さらに、凝集形成は注入システムを使用してポリペプチド含有医薬組成物が投与される場合に、例えば、チューブへの封入の妨害物、膜、又はポンプ等の他の問題を生じ得る。
【0220】
本発明の医薬組成物は、組成物の保存中にポリペプチドによる凝集形成を減少するのに十分なアミノ酸塩基の量をさらに含むことができる。「アミノ酸塩基」とは、アミノ酸又はアミノ酸の組み合わせを意味し、任意の所定のアミノ酸がその遊離塩基形態又はその塩形態で存在する。アミノ酸の組み合わせが使用される場合、アミノ酸は全てそれらの遊離塩基形態で、塩形態で存在することができる、又は一部が遊離塩基形態で存在しその他は塩形態で存在することができる。一部の実施形態において、本発明の組成物を調製することにおける使用のためのアミノ酸は、帯電鎖を運ぶ、例えば、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、及びグルタミン酸等のアミノ酸である。特定のアミノ酸(例えば、グリシン、メチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン及びそれらの混合物)の任意の立体異性体(すなわち、L、D、又はDL異性体)、又はこれらの立体異性体の組み合わせが、特定のアミノ酸がその遊離塩基形態又は塩形態で存在する限り、本発明の医薬組成物に存在し得る。一部の実施形態において、L-立体異性体が使用される。本発明の組成物は、これらのアミノ酸の類似物で製剤することができる。「アミノ酸類似物」とは、本発明の液体医薬組成物の保存中のポリペプチドによる凝集形成を減少する目的の効果をもたらす自然発生アミノ酸の誘導体を意味する。適したアルギニン類似物は、例えば、アミノグアニジン、オルニチン及びN-モノエチルL-アルギニンを含み、適したメチオニン類似物はエチオニン及びブチオニンを含み、適したシステイン類似物は、S-メチル-Lシステインを含む。他のアミノ酸と同様に、アミノ酸類似物は、それらの遊離塩基形態又は塩形態で組成物中に組み込まれる。本発明のさらなる実施形態において、アミノ酸又はアミノ酸類似物は、タンパク質の凝集を防止する又は遅延するのに十分な濃度で使用される。
【0221】
本発明のさらなる実施形態において、治療上薬剤として機能するポリペプチドが少なくとも1つのこのような酸化に感受性の高いメチオニン残基を含むポリペプチドである場合、メチオニン(又は他の硫酸アミノ酸又はアミノ酸類似物)を、チオニン残基のメチオニンスルホキシドへの酸化を抑制するために添加できる。「抑制」とは、経時のメチオニン酸化種の最少蓄積を意味する。メチオニン酸化を抑制することによって、適切な分子形態でポリペプチドのより大きな保持率を生じる。メチオニンの任意の立体異性体(L、D、又はDL異性体)又はそれらの組み合わせが使用できる。添加される量は、メチオニン残基の酸化を抑制するのに十分な量とすべきであり、このメチオニンスルホキシドの量は規制当局が許容できる量となる。典型的には、これは、組成物が約10%〜30%未満のメチオニンスルホキシドを含むことを意味する。通常、これはメチオニンの添加によって達成でき、これにより添加されたメチオニンのメチオニン残基に対する比は、約1:1〜1000:1、例えば、約10:1〜約100:1等の範囲となる。
【0222】
本発明のさらなる実施形態において、製剤は、高分子量ポリマー又は低分子化合物の群から選択される安定化剤をさらに含む。本発明のさらなる実施形態において、安定化剤は、ポリエチレングリコール(例えば、PEG 3350)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、カルボキシ/ヒドロキシセルロース又はそれらの誘導体(例えば、HPC、HPC-SL、HPC-L及びHPMC)、シクロデキストリン、モノチオグリセロール、チオグリコール酸及び2-メチルチオエタノールとしての硫黄含有物質、及び他の塩(例えば、塩化ナトリウム)から選択される。これらの具体的な安定化剤はそれぞれ、本発明の他の実施形態を構成する。
【0223】
医薬組成物は、治療的に活性のあるポリペプチドのさらなる安定生をその中で増強する、さらなる安定化剤もまた含むことができる。本発明の特定の目的の安定化剤は、メチオニン及びEDTA、メチオニン酸化に対してポリペプチドを保護し、凍結融解又は機械的剪断に関連する凝集に対してポリペプチドを保護する非イオン性界面活性物質を含むがそれらに限定されない。
【0224】
本発明のさらなる実施形態において、製剤は界面活性物質をさらに含む。本発明のさらなる実施形態において、界面活性物質は、洗浄剤、エトキシル化ヒマシ油、ポリグリコール化グリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンブロックポリマー(例えば、プルロニック(登録商標)F68、ポロキサマー188及び407、トリトンX-100等のポロキサマー)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン及び例えば、アルキル化及びアルコキシル化誘導体(例えば、ツイーン-20、ツイーン-40、ツイーン-80及びBrij-35等のツイーン)等のポリエチレン誘導体、モノグリセリド又はそのエトキシル化誘導体、ジグリセリド又はそのポリオキシエチレン誘導体、アルコール、グリセロール、レクチン及びリン脂質(例えば、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール及びスフィンゴミエリン)、リン脂質の誘導体(例えば、ジパルミトイルホスファチジン酸)及びリゾリン脂質(例えば、エタノールアミン、コリン、セリン又はスレオニンのパルミトイルリゾホスファチジル-L-セリン及び1-アシル-sn-グリセロ-3-リン酸エステル)及びリゾホスファチジル及びホスファチジルコリンのアルキル、アルコキシル(アルキルエステル)、アルコキシ(アルキルエーテル)誘導体、例えば、リゾホスファチジルコリンのラウロイル及び ミリストイル誘導体、ジパルミトイルホスファチジルコリン、及び極性頭部の修飾、つまりコリン、エタノールアミン、ホスファチジン酸、セリン、スレオニン、グリセロール、イノシトール、及び正に帯電のDODAC、DOTMA、DCP、BISHOP、リゾホスファチジルセリン及びリゾホスファチジルスレオニン、及びグリセロリン脂質(例えば、セファリン)、グリセログリコ脂質(例えば、ガラクトピラノシド)、スフィンゴグリコ脂質(例えば、セラミド、ガングリオシド)、ドデシルホスホコリン、鶏卵リゾレシチン、フシジン酸誘導体(例えば、タウロジヒドロフシド酸ナトリウム等)、長鎖脂肪酸及びそのC6-C12の塩(例えば、オレイン酸及びカプリル酸)、アシルカルニチン及び誘導体、リジンのNα-アシル化誘導体、アルギニン又はヒスチジン、又はリジン又はアルギニンの側鎖アシル化誘導体、リジン、アルギニン又はヒスチジン及び中性又は酸性アミノ酸のいずれかの組み合わせを含むジペプチドのNα-アシル化誘導体、中性アミノ酸及び2つの帯電アミノ酸のいずれかの組み合わせを含むトリペプチドのNα-アシル化誘導体、DSS(ドクサートナトリウム、CAS登録番号[577-11-7])、ドキュセートカルシウム、CAS登録番号[128-49-4])、ドキュセートカリウム、CAS登録番号[7491-09-0])、SDS(ドデシル硫酸ナトリウム又はラウリル硫酸ナトリウム)、カプリル酸ナトリウム、コール酸又はそれらの誘導体、胆汁酸及びその塩及びグリシン又はタウリン複合体、ウルソデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホン酸、アニオン性(アルキル-アリール-スルホン酸)一価界面活性物質、双性イオン界面活性物質(例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホン酸、3-コラミド-1-プロピルジメチルアンモニオ-1-プロパンスルホン酸、カチオン性界面活性物質(四級アンモニウム塩基)(例えば、セチル-トリメチルアンモニウム臭化物、セチルピリジニウム塩化物)、非イオン性界面活性物質(例えば、ドデシル β-D-グルコピラノシド)、酸化プロピレン及び酸化エチレンのエチレンジアミンへの連続的付加から生じる四官能基ブロック共重合体である、ポロキサミン(例えば、テトロニックス(Tetronic’s))から選択される、又は界面活性物質はイミダゾリン誘導体又はそれらの混合物の群から選択できる。これらの具体的界面活性物質は、本発明の他の実施形態を構成する。
【0225】
医薬組成物における界面活性物質の使用は、当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、19th edition、1995を参照されたい。
【0226】
本発明のペプチド医薬製剤中に、他の成分が存在してもよい。このようなさらなる成分は、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、浸透圧調整剤、キレート化剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン又はタンパク質)及び双性イオン(例えば、ベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジン及びヒスチジン等のアミノ酸)を含むことができる。もちろん、このようなさらなる成分は、本発明の医薬製剤の全体の安定生に不利に影響すべきでない。
【0227】
本発明のフィコリン結合ポリペプチドを含む医薬組成物は、このような治療を必要とする患者に、複数の部位、例えば、局所部位、例えば、皮膚及び筋肉部位、吸収をバイパスする部位、例えば、動脈、静脈、心臓での投与、及び吸収に寄与する部位、例えば、皮膚、皮下、筋中又は腹部中に投与できる。
【0228】
一部の実施形態において、本発明の組成物は、眼内、静脈内、動脈内、皮下、気管内、又は吸入投与に適する。
【0229】
局所投与は、例えば、熱傷又は皮膚に関連した他の疾患関連性炎症の治療等の、局所性炎症に随伴する症状の治療において特定の利点を有することができる。従って、一部の実施形態において、投与は局所投与による。
【0230】
一部の実施形態において、治療される疾患は、局所性炎症が関与する疾患である。特定の実施形態において、例えば、層間角膜炎(DLK)等の角膜炎等の眼と関連した疾患において、点滴目薬を使用できる。
【0231】
一部の実施形態において、治療される疾患はドルーゼン随伴疾患である。例えば、一部の実施形態において、個体の眼中のドルーゼンの形成の(例えば、軽減、遅延、除去、又は予防等)、炎症、視細胞の減少、視力又は視野、及び/又は脈絡膜新生血管(CNV)の治療方法であって、本発明のキメラ分子を含む組成物の有効量を個体に投与する工程を含む治療方法が供される。
【0232】
一部の実施形態において、治療される疾患は古典補体経路に関与しない。
【0233】
一部の実施形態において、治療される疾患は、(例えば、加齢性黄斑変性症又はAMD等の)黄斑変性症と関連する。
【0234】
本発明の医薬組成物の投与は、このような治療を必要とする患者へ、複数の投与経路、例えば、口腔中の舌、舌下、頬側、胃及び腸中の経口、例えば、細気管支及び肺胞又はそれらの組合せを介した鼻、肺、表皮性、真皮、経皮、腟内、直腸、例えば、結膜を介した眼球、尿管(uretal)を介することができ、また非経口とすることができる。
【0235】
本発明の組成物は、例えば、溶液、懸濁液、エマルション、マイクロエマルション、多重エマルション、フォーム、軟膏(salve)、ペースト、硬膏剤(plaster)、軟膏(ointment)、錠剤、コート錠剤、リンス、カプセル剤、例えば、ハードゼラチンカプセル剤及びソフトゼラチンカプセル剤、坐薬、直腸カプセル剤、ドロップ、ゲル、スプレー、パウダー、エアロゾル、吸入薬、点眼薬、眼性軟膏、眼性リンス、膣性ペッサリー、膣リング、膣軟膏、注入液、インサイツ(in situ)の形質転換溶液、例えば、インサイツ(in situ)ゲル化、インサイツ(in situ)硬化、インサイツ(in situ)沈殿、インサイツ(in situ)結晶化、注入溶液、及びインプラントとして複数の用量形態で投与できる。
【0236】
本発明の組成物はさらに、フィコリン結合ポリペプチドの安定生を増強し、生物学的利用率を上昇させ、溶解性を増大させ、副作用を減少し、当業者に周知の時間治療を達成させ、且つ患者の服薬率を増加する又はそれらの任意の組合せのために、例えば、共有結合性、疎水性及び静電性相互作用を介して、薬物担体、ドラッグデリバリーシステム及び高度ドラッグデリバリーシステム中に配合又は結合させることができる。ドラッグデリバリーシステム及び高度ドラッグデリバリーシステムの担体の例は、ポリマー、例えば、セルロース及び誘導体、多糖類、例えば、デキストラン及びその誘導体、デンプン及びその誘導体、ポリ(ビニルアルコール)、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー、ポリ乳酸及びポリグリコール酸及びそれらのブロック共重合体、ポリエチレングリコール、担体タンパク質、例えば、アルブミン、ゲル、例えば、熱ゲル系、例えば、当業者に周知のブロック共重合体系、ミセル、リポソーム、微粒子、ナノ粒子、液晶及びその分散系、脂質−水系における相挙動の当業者に周知のL2相及びそのディスパーション、ポリマー性ミセル、多重エマルション、自己乳化、自己マイクロ乳化、シクロデキストリン及びその誘導体、及びデンドリマーを含むがそれらに限定されない。
【0237】
本発明の組成物は、当業者に周知である、例えば、定量噴霧式吸入器、ドライパウダー吸入器及び噴霧器等の装置を使用した、フィコリン結合ポリペプチドの肺投与のための固体、半固体、粉末及び溶液の製剤化に有用である。
【0238】
本発明の組成物は、制御性、持続性(sustained)、遅延性(protracting)、遅滞性(retarded)、及び徐放性ドラッグデリバリーシステムの製剤において特に有用である。より詳細には、組成物は当業者に周知の非経口制御放出制御及び徐放性システム(両システムは投与数の何倍もの減少に繋がる)の処方において有用であるが、それに限定されない。さらに好ましくは、放出制御及び徐放性システムは皮下投与される。本発明の範囲を限定することなく、有用な放出制御システム及び組成物の例は、ハイドロゲル、油性ゲル、液晶、ポリマーミセル、微粒子、ナノ粒子である。
【0239】
本発明の組成物に有用な放出制御システムを生産するための方法は、結晶化、凝縮、共結晶化、沈殿、共沈殿、乳化、分散、高圧均質化、被包、スプレー乾燥、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、微粒子産生のための溶剤蒸発、放出及び超臨界流体工程を含むがそれらに限定されない。Handbook of Pharmaceutical Controlled(Wise、D.L.、ed. Marcel Dekker、New York、2000)及びDrug and the Pharmaceutical Sciences vol. 99: Protein Formulation and Delivery(MacNally、E.J.、ed. Marcel Dekker、New York、2000)を参照されたい。
【0240】
非経口投与は、シリンジ、任意にはペン様シリンジによる皮下、筋肉内、腹腔内又は静脈内注入によって行うことができる。あるいは、非経口投与は、注入ポンプによって行うことができる。さらなる選択肢として、鼻又は肺スプレーの形態でのフィコリン結合ポリペプチドの投与のための溶液又は懸濁液とすることができる組成物が挙げられる。さらなる選択肢として、本発明のフィコリン結合ポリペプチドを含む医薬組成物は、経皮投与、例えば、無針注入によって、又はパッチ、任意にはイオン泳動的パッチから、又は経粘膜の、例えば、頬側投与に適合させることができる。
【0241】
用語「安定化製剤」とは、物理的安定生を増大させた、化学的安定生を増大させた、又は物理的及び化学的安定生を増大させた製剤を意味する。
【0242】
本明細書の用語、タンパク質製剤の「物理的安定生」とは、タンパク質の熱−機械ストレスへの曝露及び/又は例えば、疎水性表面及び界面等の不安定化している界面及び表面との相互作用の結果としてタンパク質の生物学的に不活性及び/又は不溶性凝集を形成するタンパク質の傾向を意味する。水性タンパク質製剤の物理的安定生は、異なる温度での適した容器(例えば、カートリッジ又はバイアル)に満たされた製剤の機械/物理的ストレス(例えば、撹拌)への様々な期間の曝露後の外観検査及び/又は濁度測定によって評価される。製剤の外観検査は、黒い背景でシャープな焦点の合った光中で行う。製剤の濁度は、濁度の程度をランク付けする視覚性スコア、例えば0〜3の尺度によって特性は明らかである(濁度を示さない製剤は、視覚性スコア0に相当し、昼光で視覚性濁度を示す製剤は視覚性スコア3に相当する)。製剤は、昼光で視覚性濁度を示す場合、タンパク質凝集に関して物理的不安定であると分類される。あるいは、製剤の濁度は、当業者に周知の単純な濁度測定によって評価できる。水性タンパク質製剤の物理的安定生は、分光物質(spectroscopic agent)又はタンパク質の立体構造のプローブを使用することによって評価することもできる。プローブは、好ましくはタンパク質の非天然配座異性体に優先的に結合する低分子である。タンパク質構造の低分子分光プローブの一例は、チオフラビンTである。チオフラビンTは、アミロイド線維の検出のために広範囲に使用される蛍光色素である。原線維の存在下、及びさらにおそらく他のタンパク質配置の存在下で、チオフラビンTは、原線維タンパク質形態に結合される場合に、約450 nmの新たな最大励起及び約482 nmの発光の増強を引き起こす。非結合チオフラビンTは、本質的に斯かる波長で非蛍光である。
【0243】
他の低分子は、天然から非天然状態までのタンパク質構造の変化のプローブとして使用できる。例えば「疎水性パッチ」プローブは、タンパク質の曝露された疎水性パッチに優先的に結合する。疎水性パッチは、その天然状態のタンパク質の三次構造内に通常埋没されるが、タンパク質が展開又は変性し始める場合に曝露される。これらの低分子分光プローブは、例えば、アントラセン、アクリジン、フェナントロリン等の芳香、疎水性色素である。他の分光プローブは、例えば、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、及びバリン等の疎水性アミノ酸のコバルト金属複合体等の金属アミノ酸複合体である。
【0244】
本明細書の用語、タンパク質製剤の「化学的安定生」とは、天然タンパク質構造と比較して、潜在的な減少された生物効力及び/又は潜在的な増大された免疫原性特性を有する化学的分解生成物の形成につながる、タンパク質構造中の化学的共有結合性変化を意味する。様々な化学的分解生成物は、天然タンパク質の型及び性質及びタンパク質が曝露される環境によっって形成することができる。化学的分解の除去は、ほぼ完全に回避できず、化学的分解生成物の量の増加が、当業者に周知のタンパク質製剤の保存及び使用中に観察される。大抵のタンパク質はアミド分解を起こしやすく、その一工程ではグルタミニル又はアスパラギニル残基の側鎖アミド基が加水分解され、遊離カルボン酸を形成する。他の分解経路は高分子量形質転換生成物の形成を含み、2又は3以上のタンパク質分子が、共有結合二量体、オリゴマー及びポリマー分解生成物の形成につながるアミド基転移及び/又はジスルフィド相互作用を介して互いに共有結合で結合される(Stability of Protein Pharmaceuticals、Ahern. T.J. & Manning M.C.、Plenum Press、New York 1992)。(例えばメチオニン残基の)酸化は、化学的分解の他の変異体と呼ぶことができる。タンパク質製剤の化学的安定生は、異なる環境条件への曝露後の、様々な時点での化学的分解生成物の量の測定によって評価できる(分解生成物の形成は、例えば温度の上昇によって加速することができる)。個々の分解生成物の量は、様々なクロマトグラフィー技術(例えば、SEC-HPLC及び/又はRP-HPLC)を使用した、分子サイズ及び/又は電荷による分解生成物の分離により度々決定される。
【0245】
よって、上記のように、「安定化製剤」は、物理的安定生の増大、化学的安定生の増大又は物理的及び化学的安定生の増大を有する製剤を意味する。通常、有効期限に達するまで、(推奨用途及び保存条件でのコンプライアンスで)製剤は使用及び保存中に安定でなければならない。
【0246】
本発明の一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドを含む医薬製剤は、使用で6週間以上及び保存で3年以上安定である。本発明の他の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドを含む医薬製剤は、使用の4週間以上及び保存の3年間以上安定である。本発明のさらなる実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドを含む医薬製剤は、使用の4週間以上及び保存の2年間以上安定である。本発明のさらなる実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドを含む医薬製剤は、使用の2週間以上及び保存の2年間以上安定である。
【0247】
本明細書に記載する方法は、例えば、膜性増殖性糸球体腎炎II型(MPGN II)、溶血性尿毒症症候群(HUS)、ループス腎炎等の特定の腎疾患の治療に有用でもある。
【0248】
本明細書に記載の方法は、心血管疾患の治療に有用ともなり得る。一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、虚血再灌流(例えば、腎虚血再灌流及び腸虚血再灌流を含む)の治療に使用される。
【0249】
臓器移植片拒絶を治療する方法もまた供される。一部の実施形態において、本発明のキメラ分子の投与によって個体において、(例えば、心臓移植の抗体媒介拒絶反応等の)移植片拒絶の発症を遅延させるため、又は臓器移植生着を改善するための方法が供される。
【0250】
一部の実施形態において、個体において臓器移植生着を改善するための方法が供され、当該方法は個体に移植される臓器を本発明のキメラ分子を含む組成物で灌流することを含む。
【0251】
一部の実施形態において、臓器移植ドナーの生着を改善する方法が供され、本発明のキメラ分子を含む組成物の有効量を臓器移植ドナーに投与する工程を含む。
【0252】
本発明の特定の実施形態 : 上記の通り、本発明はフィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子を含むフィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子に関する。
【0253】
一部の実施形態において、補体活性の第二の調節因子は、補体活性化の抑制因子である。
【0254】
一部の実施形態において、補体活性化の抑制因子は、因子H(FH)、GAS6、タンパク質、C1-抑制因子(C1-inh)、補体成分4結合タンパク質(C4bp)、因子I(FI)、CR1、DAF(CD55)、CD59、CR2、又はそれらの機能性断片から成るリストから選択される。
【0255】
一部の実施形態において、補体活性化の抑制因子は、例えば、ICVVQDWGHHRCTの配列を有するコンプスタチン等の抑制合成ペプチドであり、Thr-13はC-末端アミドであり、C2及びC12はジスルフィド架橋を形成する。
【0256】
一部の実施形態において、補体活性化の抑制因子は、例えば、細胞外フィブリノーゲン結合タンパク質(Efb)、ブドウ球菌性スーパー抗原様タンパク質-7(SSL-7)、ブドウ球菌補体抑制因子(SCIN)、補体C2受容体トリスパニングタンパク質(CRIT)、及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の走化性抑制タンパク質(CHIPS)から成るリストから選択される任意の1つ等の微生物回避タンパク質である。
【0257】
一部の実施形態において、補体活性化の抑制因子は、JD Lambris、D Ricklin、BV Geisbrecht「ヒト病原体による補体回避」Nature Reviews Microbiology、Feb 2008、Vol. 6、page 132由来の表 1から選択される微生物回避タンパク質であり、その内容は参照により明細書中に組み込まれる。
【0258】
【表1】
【表2】
【0259】
一部の実施形態において、補体活性化の抑制因子は因子H、又はその機能性断片である。一部の実施形態において、因子H、又はその機能性断片は、因子Hの少なくとも最初の4つのSCRドメインを含む。
【0260】
一部の実施形態において、補体活性の第二の調節因子は、免疫グロブリン分子又はその部分である。一部の実施形態において、免疫グロブリン分子又はその部分は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のFc成分から選択される。
【0261】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、マンノース結合レクチン(MBL)との結合が可能である。
【0262】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、フィコリン-1、フィコリン-2、又はフィコリン-3のいずれか1つとの結合が可能である。
【0263】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、C1q、肺サーファクタントタンパク質SP-A及び/又はSP-D、及び例えば、CLL-11等の細胞内コラーゲン様防御分子のいずれか1つとの結合が可能である。
【0264】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、例えば、特異的受容体等の特異的アクセプタータンパク質との結合が可能である。
【0265】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列20-297、又はその機能性変異体を含む。
【0266】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列20-380又はその機能性変異体を含む。
【0267】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、配列番号9のアミノ酸配列16-296又はその機能性変異体を含む。
【0268】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、SDS-PAGEにおいて非還元条件下で分子量約40 kDaを有する。
【0269】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、配列番号1の49及び178から選択される位置に相当する、1又は2個のアミノ酸においてN結合型グリコシル化されている。
【0270】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、遺伝子組換えタンパク質である。
【0271】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、ホモ二量体形態である。
【0272】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列20-380から成る。
【0273】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列又はその変異体又は免疫断片を含む。
【0274】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、例えば、アポトーシス細胞、及び/又は細胞残屑等の臨死又は死細胞の食作用を媒介する。
【0275】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、微生物の食作用を媒介する。
【0276】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドは、例えば、貪食アダプタータンパク質(GULP)等の、配列相同性を有する他のタンパク質と同様の活性を有する。
【0277】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子は、融合タンパク質の形態で互いに直接又は間接的に融合されている。
【0278】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及び補体活性の第二の調節因子は、化学的架橋剤を介して結合されている。
【0279】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドと補体活性の第二の調節因子とは、非共有結合で結合される。
【0280】
一部の実施形態において、本発明の宿主細胞は真核細胞である。
【0281】
一部の実施形態において、本発明の宿主細胞は、哺乳類起源である。
【0282】
一部の実施形態において、本発明の宿主細胞は、CHO細胞、HEK細胞及びBHK細胞から成る群から選択される。
【0283】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、炎症、アポトーシス及び/又は自己免疫と関連した任意の徴候の治療用である。
【0284】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、例えば、アジソン病、自己免疫溶血性貧血、自己免疫甲状腺炎、クローン病、グレーブス病、ギランバレー症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、多発性硬化症、重症筋無力症、乾癬、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ及びブドウ膜炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、I型糖尿病、乾癬、種々のアレルギー等のいずれかの自己免疫疾患の治療用である。
【0285】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、虫垂炎消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腹膜炎、膵炎、潰瘍性大腸炎、偽膜性大腸炎、急性大腸炎、虚血性大腸炎、憩室炎、喉頭蓋炎、アカラシア、胆管炎、胆嚢炎、肝炎、クローン病、腸炎、ウィップル病、アレルギー、免疫複合体病、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、枯草熱、敗血症、敗血症、エンドトキシンショック、悪液質、超高熱、好酸球性肉芽腫、肉芽腫症、サルコイドーシス、敗血症性流産、精巣上体炎、膣炎、前立腺炎、尿道炎、気管支炎、肺気腫、鼻炎、肺炎、塵肺症(pneumotransmicroscopicsilicovolcanoconiosis)、肺胞炎、細気管支炎、咽頭炎、胸膜炎、副鼻腔炎、インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス感染症、HIV感染症、B型肝炎ウイルス感染症、C型肝炎ウイルス感染症、播種性菌血症、デング熱、カンジダ症、マラリア、フィラリア症、アメーバ症、包虫嚢胞、熱傷、皮膚炎、皮膚筋炎、日焼け、じんましん、いぼ、膨疹、脈管炎、血管炎、心内膜炎、動脈炎、アテローム性動脈硬化症、血栓性静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱、アルツハイマー病、セリアック病、うっ血性心不全、成人呼吸窮迫症候群、髄膜炎、脳炎、多発性硬化症、脳梗塞、脳塞栓、ギラン・バレー症候群、神経炎、神経痛、脊髄損傷、麻痺、ブドウ膜炎、関節炎、関節痛、骨髄炎、筋膜炎、パジェット病、痛風、歯周病、リウマチ性関節炎、滑膜炎、重症筋無力症、甲状腺炎、全身性エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、ベーチェット症候群、同種移植片拒絶反応、移植片対宿主病、I型糖尿病、強直性脊椎炎、バーガー病、ライター症候群及びライター症候群、角膜炎、2型糖尿病、嚢胞性線維症、心筋梗塞、再灌流傷害、脳卒中、皮膚筋炎、メタボリック症候群、全身性炎症反応症候群、敗血症、多臓器不全、播種性血管内凝固、アナフィラキシーショック、1型及び/又は2型糖尿病性血管合併症及び腎症、髄膜炎、細菌性敗血症併発マラリア、非定型溶血性尿毒症症候群、溶血性尿毒症症候群、加齢黄斑変性、発作性夜間血色素尿症、ヘビ毒咬傷、熱傷、及び臓器移植への合併症から成る群から選択されるいずれかの炎症性疾患の治療用である。
【0286】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、臓器虚血、再灌流傷害、臓器壊死、脈管炎、心内膜炎、アテローム性動脈硬化症、血栓性静脈炎、心膜炎、心筋炎、心筋虚血、結節性動脈周囲炎、リウマチ熱、うっ血性心不全、成人呼吸窮迫症候群、脳梗塞、脳塞栓、血管合併症及び1型及び/又は2型糖尿病と関連した腎症から成る群から選択されるいずれかの炎症性疾患の治療用である。
【0287】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、血液凝固疾患、血栓又は凝血異常関連疾患と関連した任意の徴候の治療用である。
【0288】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、血液凝固疾患、血栓又は凝血異常関連疾患又は炎症反応を含む障害及び慢性血栓塞栓性疾患又は例えば、深部静脈血栓症、動脈血栓症、手術後の血栓症等の血栓症等の血管障害を含むフィブリン形成と関連する障害、冠動脈バイパス術(CABG)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、血小板沈着脳卒中、腫瘍成長、腫瘍転移、血管新生、血栓溶解、アテローム性動脈硬化症、例えば、血管形成術後の動脈硬化症及び/又は再狭窄等、例えば炎症等の急性および慢性の徴候、敗血症(sepsis)、敗血症性ショック、敗血症(septicemia)、低血圧症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、肺塞栓症、病的血小板沈着、心筋梗塞と関連した徴候の治療用、又はアテローム硬化性血管を有し、血栓症、末梢血単核球(PBPC)移植後の静脈閉塞症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、及び血栓血小板減少性紫斑病(TTP)及びリウマチ熱の危険性が有る哺乳類の予防治療用である。
【0289】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、血液凝固疾患、血栓又は凝血異常関連疾患又は炎症反応を含む障害及び慢性血栓塞栓性疾患又は例えば、深部静脈血栓症、動脈血栓症、手術後の血栓症等の血栓症等の血管障害を含むフィブリン形成と関連する障害、冠動脈バイパス術(CABG)、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、血小板沈着脳卒中、腫瘍成長、腫瘍転移、血管新生、血栓溶解、アテローム性動脈硬化症、例えば、血管形成術後の動脈硬化及び/又は再狭窄等の再狭窄、例えば、炎症等の急性および慢性の徴候、病的血小板沈着、心筋梗塞と関連した徴候の治療用、又はアテローム硬化性血管を有し、血栓症、末梢血単核球(PBPC)移植後の静脈閉塞症、溶血性尿毒症症候群(HUS)、及び血栓血小板減少性紫斑病(TTP)及びリウマチ熱の危険性が有る哺乳類の予防治療用である。
【0290】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、例えば、手術を受けている患者又はうっ血性心不全に罹患する患者等の、同定されたハイリスク患者における血栓塞栓性合併症の発生の予防用である。
【0291】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、心臓と関連する医学的状態の治療用である。
【0292】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、フィコリン結合ポリペプチドの欠乏と関連する医学的状態の治療用である。
【0293】
補体活性の調節因子:
上記のように、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子で使用される補体活性の第二の調節因子は、直接又は間接的に補体活性に影響する任意の化合物とすることができる。
【0294】
自然補体抑制因子及び制御タンパク質は、補体系の活性化を防止し、(i)C3bとの結合のためのB因子と競合し第二経路をブロックし、且つ同様にC2との相互作用から古典経路C4bをブロックする、補体受容体1(CR1又はCD35)及びDAF(崩壊促進因子又はCD55)、(ii)コンバターゼの形成をブロックするためにC3b及びC4bをそれらの不活性形態に切断する血漿プロテアーゼである因子I、及び(iii)因子Bと競合可能であり、コンバターゼからBbを外し、因子Iに関して補助因子として機能し、細胞に既に結合されたC3bを結合する、因子Hを含む。CD59は、MAC(C5b-9)を抑制する補体制御タンパク質である。
【0295】
一部の実施形態において、本発明に使用される補体活性の調節因子は、因子Hである。因子Hは、活性化されたC4及びC3の切断及び下方制御及びさらに下流の補体活性化において、因子Iに関して顕著な補助因子として機能するヒト血漿補体制御因子である(Zipfel PF. Complement factor H: physiology and pathophysiology. Semin Thromb Hemost 2001; 27:191-9)。よって因子Hは、開始及び活性化が既に生じている場合に、補体系の中央部に挿入する。一部の実施形態において、因子Hは、野生型因子H、例えば、野生型ヒト補体因子H等である。一部の実施形態において、因子Hは、野生型因子Hの変異体である。
【0296】
一部の実施形態において、本発明で使用される補体活性の調節因子はタンパク質である。この遺伝子は、抗凝固プロテアーゼのための補助因子として機能するビタミンK依存性血漿タンパク質、血液凝固を抑制する活性化タンパク質C(APC)をコードする。いずれも遊離の、機能上活性形態で、またC4b結合タンパク質と複合体形成された不活性形態で血漿中で確認され、血液凝固及び線維素溶解を刺激することを予防するのに役立つ。斯かる遺伝子中の突然変異は、常染色体優性遺伝性栓友病を生じる。一部の実施形態において、タンパク質Sは、野生型タンパク質S、例えば、野生型ヒトタンパク質S等である。一部の実施形態において、タンパク質Sは、野生型タンパク質Sの変異体である。
【0297】
ヒトタンパク質Sのアミノ酸配列(配列番号52)は、本発明のキメラタンパク質の補体活性の調節因子として使用可能な配列の適した例の1つである。代表的なヒトMAP-1/タンパク質Sキメラタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号56で説明し、ヒトタンパク質S/MAP1キメラタンパク質は配列番号57で説明する。例えば、タンパク質S変異体は、自然発生ヒトタンパク質Sのアミノ酸配列(例えば、配列番号52)90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を有することができる。一部の実施形態において、タンパク質S(又はその断片)の変異体は、タンパク質S(又はその断片)の補体抑制因子活性全てを有する。一部の実施形態において、タンパク質S(又はその断片)の変異体は、タンパク質S(又はその断片)の補体抑制因子活性の少なくとも90%、又は95%を有する。
【0298】
一部の実施形態において、本発明で使用される補体活性の調節因子はGAS6である。この遺伝子産物は、細胞増殖の刺激に寄与すると考えられているガンマ-カルボキシグルタミン酸(Gla)含有タンパク質であり、血小板を増幅することによって血栓症の一因となり得る。それは、シグナル伝達が細胞増殖及び生存、細胞接着及び細胞遊走にかかわる、チロシンタンパク質キナーゼ受容体AXL、TYRO3及びMER用のリガンドである。あるいは、異なるアイソフォームをコードするスプライス転写物変異体は、この遺伝子に関して発見されている。転写物変異体1は、主たる転写物であり、最も長いアイソフォームをコードする。転写物変異体2は、転写物変異体1と比較して、複数の5´-エクソンが欠損し、異なる5' UTRを含む。これは、より短いN末端を有するが、C末端に2つのLamGドメインを有するアイソフォーム2を生じる。転写物変異体3は、転写物変異体1と比較して、複数の5´-エクソンが欠損し、異なる5' UTRを含む。これは、より短いN末端を有するが、C末端に2つのLamGドメインを有するアイソフォーム3を生じる。一部の実施形態において、GAS6は、野生型GAS6、例えば、野生型ヒトGAS6等である。一部の実施形態において、GAS6は、野生型GAS6の変異体である。
【0299】
ヒトGAS6のアミノ酸配列(配列番号46、配列番号48、又は配列番号50)は、本発明のキメラタンパク質の補体活性の調節因子として使用できる配列の適した例である。代表的なヒトMAP-1/GAS6キメラタンパク質のアミノ酸配列は配列番号54で説明し、ヒトGAS6/MAP1キメラタンパク質は配列番号55で説明する。例えば、GAS6変異体は、自然発生ヒトGAS6(例えば、配列番号46、配列番号48、又は配列番号50)のアミノ酸配列と少なくとも約70%同一であるアミノ酸配列、例えば、自然発生GAS6のアミノ酸配列(例えば、配列番号46、配列番号48、又は配列番号50)90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一のアミノ酸配列を有することができる。一部の実施形態において、GAS6(又はその断片)の変異体は、GAS6(又はその断片)の補体抑制因子活性の全てを有する。一部の実施形態において、GAS6(又はその断片)の変異体は、GAS6(又はその断片)の補体抑制因子活性の少なくとも90%、又は95%を有する。
【0300】
一部の実施形態において、補体抑制化合物は、C5、C5a、又はC5bの抑制因子である。一部の実施形態において、化合物は、C5、C5a、又はC5bの特異的抑制因子である。さらなる実施形態において、補体抑制化合物は、C5、C5a、又はC5bを抑制するポリペプチド又は低分子化合物である。さらなる実施形態において、抑制因子は特異的にC5に結合する抗体である。さらなる実施形態において、抑制因子は、エクリズマブ、パキセリズマブ又は他の抗C5抗体を含む、補体成分C5に対するヒトモノクローナル抗体である。
【0301】
さらなる実施形態において、補体抑制化合物は、C3又はC3コンバターゼの抑制因子である。一部の実施形態において、化合物は、C3又はC3コンバターゼの特異的抑制因子である。さらに他の実施形態において、補体抑制化合物は、C3又はC3コンバターゼを抑制するポリペプチド、抗体又は低分子化合物である。
【0302】
さらなる実施形態において、補体抑制化合物は、因子Hの増強物質である。一部の実施形態において、化合物は、関節へ送達された因子Hの特異的断片である。他の実施形態において、補体抑制化合物は、因子Hを増強するポリペプチド、抗体又は低分子化合物である。さらに他の実施形態において、補体抑制化合物は、軟骨への結合を促進する因子Hに特異的なモノクローナル抗体の一部から成る。さらに他の実施形態において、モノクローナル抗体は、単離ヒトモノクローナル抗体である。
【0303】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、膜侵襲複合体の抑制因子である。
【0304】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、補体系に寄与するプロテアーゼの抑制因子である。一部の実施形態において、補体抑制因子は、C1-INHである。さらに他の実施形態において、補体抑制因子は、血漿から精製された又は遺伝子導入動物中で遺伝子組換えで生成されたC1-INHである。一部の実施形態において、C1-INHは、組換えヒトC1抑制因子又はその機能性等価物である。他の実施形態において、補体抑制因子は可溶性補体制御因子である。一部の実施形態において、補体抑制因子は、可溶性CR1(sCR1)、又はその類似物である。他の実施形態において、補体抑制化合物は、CR2因子H融合タンパク質又はCR2-Crry融合タンパク質である。
【0305】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、低分子である。さらに他の実施形態において、低分子は、C5a又はC3aを抑制する。他の実施形態において、補体抑制化合物は、C2、C3、C4、又はC5の切断を防止する化合物である。
【0306】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、ワクシニア補体制御タンパク質(ワクシニアCCP)である。
【0307】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、崩壊促進因子(DAF)、可溶性崩壊促進因子(sDAF)、膜補助因子タンパク質(MCP)、可溶性膜補助因子タンパク質(sMCP)、DAFに融合されたsMCP(sMCP-DAF)を含む融合タンパク質、CD59、可溶性CD59タンパク質(sCD59)、又はDAF及びCD59(DAF-CD59)を含む融合タンパク質である。さらに他の実施形態において、化合物は、MCP-DAF融合タンパク質である。さらに他の実施形態において、タンパク質はCAB-2である。
【0308】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、変異体又は変異体C5aタンパク質である。
【0309】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、C5、C3、C5a、C3a、C4a、C6、C7、C8、C9、因子B因子D、プロパージン(因子P)、CD20、CD38、C5受容体(C5R)又はC5a受容体(C5aR)を特異的に結合する抗体又はその機能性断片である。
【0310】
さらに他の実施形態において、C5受容体を特異的に結合する抗体はニュートラズマブ(neutrazumab)である。
【0311】
さらに他の実施形態において、C5を特異的に結合する抗体は、エクリズマブである。さらに他の実施形態において、CD38を結合する抗体はHuMax-CD38である。
【0312】
さらに他の実施形態において、補体抑制化合物はエクリズマブである。
【0313】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、N Me-FKPdChaWdR及びF-(OpdChaWR)(Phe-[Orn-プロ-D-シクロヘキシルアラニン-Trp-Arg])C5aRから成る群から選択されるC5aRアンタゴニストである。
【0314】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、RNAアプタマーである。さらに他の実施形態において、アプタマーは、C5を選択的に結合し抑制する。他の実施形態において、補体抑制化合物は、C3抑制ペプチド又はその機能性類似物である。
【0315】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、BCX-1470、FUT-175、K-76、組換えヒトマンノース結合レクチン(rhMBL)、APT070、TNX-234、TNX-558、TA106、補体成分4結合タンパク質(C4bp)、因子H、因子I、カルボキシペプチダーゼN、ビトロネクチン、クラスター、JSM-7717、JPE-1375、又はOmCIタンパク質である。
【0316】
他の実施形態において、補体抑制化合物は、C5、C3、C5a、C3a、C4a、C6、C7、C8、C9、因子B、因子D、プロパージン(因子 p)、CD20、CD38、C5受容体(C5R)、C5a受容体(C5aR)、C1q、C1、C1r、又はC1sを抑制する。他の実施形態において、方法はさらに、さらに治療を対象に施す工程を含む。様々な実施形態において、さらに治療は、例えば、抗炎症剤、鎮痛剤、又は鎮痛剤等の活性化剤の投与を含む。他の実施形態において、さらなる治療は、物理的治療、運動又は局所性熱治療である。一実施形態において、さらなる治療が活性化剤である場合、抗炎症剤は非ステロイド性抗炎症剤又はシクロオキシゲナーゼ-2選択的抑制剤である。鎮痛剤は非オピオイド鎮痛剤であり、ステロイド剤はコルチコステロイド剤である。一部の実施形態において、キメラ分子の補体活性の第二の調節因子は、因子H(FH)、又はその機能性断片である。
【0317】
一部の実施形態において、キメラ分子は、1、2、又は3個以上(例えば、3、4、5、又は6以上のいずれか等)の因子H部分を含む。これらの因子H部分は、例えば、アミノ酸配列、構造、及び/又は機能に関して、同一又は異なるものとすることができる。例えば、一部の実施形態において、(例えば、融合タンパク質等の)キメラ分子は、1)フィコリン結合ポリペプチド、及び2)1、2又は3つ以上のFH又はその断片を含む因子H部分を含む。
【0318】
一部の実施形態において、因子Hの部分は、全長因子Hを含む。一部の実施形態において、因子Hの部分は、因子Hの断片を含む。一部の実施形態において、因子Hの部分は、因子Hの少なくとも最初の4つのN-末端ショートコンセンサスリピート(SCR)ドメインを含む。一部の実施形態において、因子Hの部分は、因子Hの少なくとも最初の5つのN-末端SCRドメインを含む。一部の実施形態において、因子Hの部分は、ヘパリン結合部位が欠如する。一部の実施形態において、因子Hの部分は、加齢性黄斑変性症を防ぐ多型を有する因子H又はその断片を含む。
【0319】
一部の実施形態において、因子Hの部分は、因子Hの少なくとも最初の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15以上のN-末端SCRドメインを含む。
【0320】
一部の実施形態において、因子Hの部分は、配列番号20のアミノ酸21〜320を含む。
【0321】
一部の実施形態において、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、フィコリン結合ポリペプチドを含み、因子Hの部分はまた、融合タンパク質をコードする配列の5'末端で操作可能に結合されたシグナルペプチドをコードする配列を含む。一部の実施形態において、リンカー配列は、フィコリン結合ポリペプチドと因子Hの部分との結合のために使用される。
【0322】
一部の実施形態において、治療される疾患は、(例えば、因子Hのレベルの減少、因子Hの活性の増大、又は野生型又は保護因子Hの欠如を含む)因子H欠損と関連した疾患である。一部の実施形態において、治療される疾患は、因子H欠損と関連した疾患でない。
【0323】
用語「因子Hの部分」、「因子H」、又は単に「FH」とは、配列番号20又はその機能性断片のヒト補体因子Hを意味する。
【0324】
本明細書に記載のキメラ分子の因子Hの部分は、因子H又はその断片を含む。補体因子H(FH)は、単一ポリペプチド鎖血漿糖タンパク質である。タンパク質は、約60個のアミノ酸の20の反復SCRドメインから成り、20個のビーズのストリングのように連続して配列される。因子Hは、C3bに結合し、代替経路C3-コンバターゼ(C3Bb)の崩壊を促進し、C3bのタンパク分解性不活性化の補助因子として機能する。因子Hの存在下で、C3bタンパク分解は、C3bの切断を生じる。因子Hは、C3bに関する少なくとも3つの異なる結合ドメインを有し、SCR 1-4、SCR 5-8、及びSCR 19-20内に位置する。因子Hの各部位は、C3bタンパク質内の異なる領域に結合し: N-末端部位は天然 C3bに結合し; 因子Hの中間領域に位置する第二の部位は、C3c 断片に結合し、SCR19及び20内に位置する部位は、C3d領域に結合する。さらに、因子Hは、ヘパリンに関する結合部位もまた含み、因子HのSCR 7、SCR 5-12、及びSCR 20内に位置し、C3b結合部位と重複する。構造及び機能性分析は、因子Hの補体抑制因子活性に関するドメインが最初の4つのN-末端SCRドメイン内に位置することが示されている。
【0325】
配列番号20は、全長ヒト補体因子Hタンパク質配列を表す。アミノ酸1-18は、リーダーペプチドに相当し、アミノ酸21-80はSCR 1に相当し、アミノ酸85-141はSCR 2に相当し、アミノ酸146-205はSCR 3に相当し、アミノ酸210-262はSCR4に相当し、アミノ酸267-320はSCR5に相当する。種及び株変異が開示のペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質に関して存在し、因子H又はその断片は、全ての種及び株変異を含むことが理解されている。
【0326】
本明細書に記載する因子Hの部分は、FHタンパク質の一部又は全ての補体抑制因子活性を有する因子Hタンパク質の任意の部分を意味し、以下に詳述されるように、全長因子Hタンパク質、因子Hタンパク質の生物学的に活性の断片、SCR1-4を含む因子H 断片、又は自然発生因子H 又はその断片の任意の相同体又は変異体を含むがそれらに限定されない。一部の実施形態において、因子Hの部分は、1又は2以上の次の特性:(1)C-反応性タンパク質(CRP)への結合、(2)C3bへの結合、(3)ヘパリンへの結合、(4)シアル酸への結合、(5)内皮細胞表面への結合、(6)細胞インテグリン受容体への結合、(7)病原体への結合、(8)C3b 補助因子活性、(9)C3b 崩壊促進活性、及び(10)代替補体経路の抑制、を有する。
【0327】
一部の実施形態において、因子Hの部分は、因子Hの最初の4つのN-末端SCRドメインを含む。一部の実施形態において、コンストラクトは、因子Hの最初の5つのN-末端SCRドメインを含む。一部の実施形態において、コンストラクトは、因子Hの最初の6つのN-末端SCRドメインを含む。一部の実施形態において、因子Hの部分は、因子Hの少なくとも最初の4つのN-末端 SCRドメイン、例えば、因子Hの少なくとも最初の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個以上のN-末端 SCRドメインを含む(及び一部の実施形態において、から成る又は本質的に成る)。
【0328】
一部の実施形態において、因子Hは、野生型因子H、例えば、野生型ヒト補体因子H等である。一部の実施形態において、因子Hは、野生型因子Hの変異体である。
【0329】
一部の実施形態において、因子Hの部分は、ヘパリン結合部位を欠如する。これは、例えば、因子H上のヘパリン結合部位の突然変異、又はヘパリン結合部位を含まない因子H 断片を選択することによって達成できる。一部の実施形態において、因子Hの部分は、加齢性黄斑変性症を防ぐ多型を有する因子H又はその断片を含む。Hageman等、Proc. Natl. Acad Sci. USA 102(20):7227を参照されたい。
【0330】
因子Hタンパク質の相同体又は変異体又はその断片は、少なくとも1つ又は数個(1つ又は数個に限定されない)のアミノ酸が欠落(例えば、タンパク質の切断型、例えば、ペプチド又は断片等)、挿入、反転、置換及び/又は誘導体化された(例えば、糖鎖付加、リン酸化反応、アセチル化、ミリストイル化、プレニル化、パルミチン酸化(palmitation)、アミド化及び/又はグリコシルホスファチジルイノシトールの付加による)ことが自然発生因子H(又は因子H断片)と異なるタンパク質を含む。例えば、因子H相同体又は変異体は、自然発生ヒト補体因子Hのアミノ酸配列(例えば、配列番号20)と90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一のアミノ酸配列を有することができる。一部の実施形態において、因子H(又はその断片)の相同体又は変異体は、因子H(又はその断片)の全補体抑制因子活性を有する。一部の実施形態において、因子H(又はその断片)の相同体又は変異体は、因子H(又はその断片)の補体抑制因子活性の少なくとも90%、又は95%を有する。
【0331】
一部の実施形態において、因子Hの部分は、ヒト補体因子Hの少なくとも最初の4つのN-末端SCRドメイン、例えば、ヒト補体因子H(配列番号20)の少なくともアミノ酸21〜262を含むアミノ酸配列を有する因子Hの部分等を含む。一部の実施形態において、因子Hの部分は、ヒト補体因子H(配列番号20)のアミノ酸21〜26290%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一のアミノ酸配列を有する、少なくともヒト補体因子Hの最初の4つのN-末端SCRドメインを含む。
【0332】
一部の実施形態において、因子Hの部分は、例えば、ヒト補体因子H(配列番号20)の少なくともアミノ酸21〜320を含むアミノ酸配列を有する因子Hの部分等の、少なくともヒト補体因子Hの最初の5つのN-末端SCRドメインを含む。一部の実施形態において、因子Hの部分は、ヒト補体因子H(配列番号20)のアミノ酸21〜32090%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一のアミノ酸配列を有する、少なくともヒト補体因子Hの最初の5つのN-末端SCRドメインを含む。一部の実施形態において、因子Hの部分は、因子H様1分子(FHL-1)の全長又は断片、因子H遺伝子の代替スプライス転写物によってコードされるタンパク質を含む。成熟FHL-1は、431個のアミノ酸を含む。最初の427個のアミノ酸は、7個のSCRドメインを構築し、因子HのN-末端SCRドメインと同一である。C末端の残りの4個のアミノ酸残基Ser-Phe-Thr-Leu(SFTL)は、FHL-1に特異的である。FHL-1は、機能上特性が明らかであり、因子H補体制御活性を有することが示されている。用語「因子Hの部分」とは、因子H関連分子の全長又は断片もまた含み、FHR1、FHR2、FHR3、FHR4、FHR5遺伝子によってコードされるタンパク質を含むがそれらに限定されない。これらの因子H関連タンパク質は、例えば、de Cordoba等、Molecular Immunology 2004、41: 355-367に開示される。
【0333】
一部の実施形態において、キメラ分子の補体活性の第二の調節因子は、C4bp、又は機能性断片又はその部分である。
【0334】
一部の実施形態において、キメラ分子は、1、2、又は3個以上(例えば、3、4、5、又は6以上)のC4bp部分を含む。一部の実施形態において、キメラ分子は、アルファー鎖又はベータ鎖又は双方の組み合わせを含む。これらのC4bp部分は、例えば、アミノ酸配列、構造及び/又は機能に関して同一である又は異なってよい。例えば、一部の実施形態において、キメラ分子(例えば、融合タンパク質等)は、1)フィコリン結合ポリペプチド、及び2)C4bp又はその断片を含む1、2又は3つ以上のC4bp部分を含む。
【0335】
一部の実施形態において、C4bp部分は、全長C4bpを含む。一部の実施形態において、C4bp部分は、C4bpの断片を含む。一部の実施形態において、C4bp部分は、少なくともC4bp アルファー鎖の最初の3つのN-末端ショートコンセンサスリピート(SCR)ドメイン及び/又はC4bp ベータ鎖の第二のSCRドメインを含む。一部の実施形態において、C4bp部分は、加齢性黄斑変性症を防ぐ多型を有するC4bp又はその断片を含む。
【0336】
一部の実施形態において、C4bp部分は、少なくともC4bpアルファーの最初の3、4、5、6、7、8 N-末端SCRドメインを含む。
【0337】
一部の実施形態において、C4bp部分は、少なくともC4bp ベータの最初の1、2、3 SCR ドメインを含む。
【0338】
一部の実施形態において、C4bp アルファー部分は、配列番号21の21〜597個のアミノ酸を含む。
【0339】
一部の実施形態において、C4bp ベータ部分は、配列番号22の21〜252個のアミノ酸を含む。
【0340】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及びC4bp部分を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、融合タンパク質をコードする配列の5'末端で操作可能に結合されたシグナルペプチドをコードする配列もまた含む。一部の実施形態において、リンカー配列は、フィコリン結合ポリペプチドとC4bp部分との結合のために使用される。
【0341】
一部の実施形態において、治療される疾患は、C4bp欠損(例えば、C4bpのレベルの減少、C4bpの活性の減少、又は野生型又は保護C4bpの欠如を含む)と関連する疾患である。一部の実施形態において、治療される疾患は、C4bp 欠損と関連する疾患でない。
【0342】
用語「C4bp部分」、「C4結合タンパク質」、又は単に「C4bp」とは、配列番号21及び配列番号22のヒトC4bp 又はその機能性断片を意味する。
【0343】
本明細書に記載するキメラ分子のC4bp部分は、C4bp又はその断片を含む。補体C4結合タンパク質(C4bp)は、単一のポリペプチド鎖血漿糖タンパク質である。タンパク質は、7つの同一のアルファー鎖及び中心コアのそれらのC-末端部分によって結合される1つのベータ鎖から成る。それは、C4の作用を抑制する。それは、C4コンバターゼを開裂し、C4bを切断する因子Iの補助因子である。C4BPは、壊死細胞及びDNAを結合し、腫大後に除去する。C4bpタンパク質は、C4bのための少なくとも2つの異なる結合ドメインを有し、アルファー SCR 1-3及びベータSCR 2内に位置する。
【0344】
配列番号21は、ヒトC4bpタンパク質配列の全長アルファー鎖を表す。アミノ酸1〜20は、リーダーペプチドに相当し、アミノ酸49〜110は、SCR 1に相当し、アミノ酸111〜172は、SCR 2に相当し、アミノ酸173〜236はSCR 3に相当し、アミノ酸237〜296はSCR4に相当し、アミノ酸297〜362はSCR5に相当し、アミノ酸363〜424はSCR6に相当し、アミノ酸425〜482はSCR7に相当し、アミノ酸483〜540はSCR8に相当する。種及び株変異が開示のペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質に関して存在し、C4bpアルファー鎖又はその断片が全ての種及び株変異を含むことが理解されている。
【0345】
配列番号22は、ヒトC4bpタンパク質配列の全長ベータ鎖を表す。アミノ酸1〜20はリーダーペプチドに相当し、アミノ酸21〜78はSCR 1に相当し、アミノ酸79〜136はSCR 2に相当し、アミノ酸137〜193はSCR 3に相当する。種及び株変異が開示のペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質に関して存在し、C4bp ベータ鎖又はその断片は全種及び株変異を含むことが理解されている。
【0346】
本明細書に記載するC4bp部分は、C4bpタンパク質の補体抑制因子活性の一部又は全てを有するC4bpタンパク質の任意の部分を意味し、以下に詳述されるように、全長C4bpタンパク質、C4bpタンパク質の生物学的活性断片、SCR1-3を含むC4bp 断片、又は自然発生C4bp又はその断片の任意の相同体又は変異体を含むがそれに限定されない。一部の実施形態において、C4bp部分は、次の特性(1)C4への結合、(2)C3b/C4bへの結合、(3)補体断片C2aの解離によるC4bC2a複合体の分解の加速、の1又は2以上を含む。
【0347】
一部の実施形態において、キメラ分子の補体活性の第二の調節因子は、因子I(FI)、又はその機能性断片又は部分である。
【0348】
一部の実施形態において、キメラ分子は、1、2、又は3個以上(例えば、3、4、5、又は6以上等の)FI部分を含む。これらのFI部分は、例えば、アミノ酸配列、構造、及び/又は機能に関して同一である又は異なってよい。例えば、一部の実施形態において、キメラ分子(例えば、融合タンパク質等)は、1)フィコリン結合ポリペプチド、及び2)FI 又はその断片を含む1、2又は3つ以上のFI部分を含む。
【0349】
一部の実施形態において、FI部分は、全長FIを含む。一部の実施形態において、FI部分は、FIの断片を含む。一部の実施形態において、FI部分は、少なくともSPドメインを含む。一部の実施形態において、FI部分は、FIMAC、SRCR、LDLRa1、LDLRb1ドメインを含む。一部の実施形態において、FI部分は、加齢性黄斑変性症を防ぐ多型を有するFI 又はその断片を含む。
【0350】
一部の実施形態において、FI部分は、配列番号23のアミノ酸21〜583を含む。
【0351】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及びFI部分を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、融合タンパク質をコードする配列の5'末端に操作可能に結合されたシグナルペプチドをコードする配列もまた含む。一部の実施形態において、リンカー配列は、フィコリン結合ポリペプチドとFI部分との結合のために使用される。
【0352】
一部の実施形態において、治療される疾患は、FI 欠損(例えば、FIレベルの減少、FI活性の減少、又は野生型又は保護 FIの欠如を含む)と関連する疾患である。一部の実施形態において、治療される疾患は、FI 欠損と関連する疾患でない。
【0353】
用語「FI部分」又は単に「FI」とは、配列番号23のヒト因子I又はその機能性断片を意味する。
【0354】
本明細書に記載されるキメラ分子のFI部分は、FI 又はその断片を含む。因子I 結合タンパク質(FI)は、単一のポリペプチド鎖血漿糖タンパク質である。FIは、その自然タンパク質基質C3b及びC4bのアルギニル結合の切断に限定された特異性を制限する。成分、例えば、FH、CR1、MCP又はC4bp等は、補助因子として必要である。FIは、N-末端重鎖(317個のアミノ酸)及びC-末端軽鎖(244個のアミノ酸)を有する単一のポリペプチド鎖として合成される。FI 重鎖は、4つのドメイン: FIMACドメイン、スカベンジャー受容体システインリッチ(SRCR)ドメイン及び2つのLDL-受容体クラスAドメインを有する。重鎖の正確な生物機能は分かっていないが、FI 切断基質(C3b及びC4b)及びC3b(FH、CR1、MCP)及びC4b(C4BP)の切断に必要な補助因子タンパク質を認識することにおいて重要な役割を担うと思われる。LDL-受容体ドメインは、それぞれ1つのカルシウム結合部位を含むと思われる。FI 軽鎖は、C3b及びC4bの特異的切断の原因である触媒三連構造含有のセリンプロテアーゼ(SP)ドメインである。
【0355】
配列番号23は、ヒトFIタンパク質配列の全長を表す。アミノ酸1〜18はリーダーペプチドに相当し、アミノ酸55-108はFIMACドメインに相当し、アミノ酸114-212はスカベンジャー受容体システインリッチ(SRCR)ドメインに相当し、アミノ酸213-257はLDL-受容体クラスA1ドメインに相当し、アミノ酸258-294はLDL-受容体クラスA2ドメインに相当し、アミノ酸340-574はペプチダーゼドメインに相当する。
【0356】
本明細書に記載のFI部分は、FIタンパク質の一部又は全ての補体抑制因子活性を有するFIタンパク質の任意の部分を意味し、以下に詳述されるように、全長FIタンパク質、FIタンパク質の生物学的活性断片、少なくともセリンプロテアーゼドメインを含むFI 断片、又は自然発生FI又はその断片の任意の相同体又は変異体を含むが、それらに限定されない。一部の実施形態において、FI部分は、次の特性:(1)C3bの切断、(2)C4bの切断、の1又は2以上を含む。
【0357】
一部の実施形態において、キメラ分子の補体活性の第二の調節因子は、C1-抑制因子(C1-inh)、又はその機能性断片又は部分である。
【0358】
一部の実施形態において、キメラ分子は、1、2、又は3個以上(例えば、3、4、5、又は6以上等)のC1-inh部分を含む。これらのC1-inh部分は、例えば、アミノ酸配列、構造、及び/又は機能に関して同一又は異なってよい。例えば、一部の実施形態において、キメラ分子(例えば、融合タンパク質等)は、1)フィコリン結合ポリペプチド、及び 2)C1-inh又はその断片を含む1、2又は3以上のC1-inh部分を含む。
【0359】
一部の実施形態において、C1-inh部分は、全長C1-inhを含む。一部の実施形態において、C1-inh部分は、C1-inhの断片を含む。一部の実施形態において、C1-inh部分は、少なくともセルピンドメイン部分を含む。一部の実施形態において、C1-inh部分は、加齢性黄斑変性症を防ぐ多型を有するC1-inh又はその断片を含む。
【0360】
一部の実施形態において、C1-inh部分は、配列番号24のアミノ酸21〜500を含む。
【0361】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチド及びC1-inh部分を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、融合タンパク質をコードする配列の5'末端で操作可能に結合されたシグナルペプチドをコードする配列もまた含む。一部の実施形態において、リンカー配列は、フィコリン結合ポリペプチドとC1-inh部分との結合のために使用される。
【0362】
一部の実施形態において、治療される疾患は、C1-inh 欠損(例えば、C1-inhのレベルの減少、C1-inhの活性の低下、又は野生型又は保護 C1-inhの欠如を含む)と関連する疾患である。一部の実施形態において、治療される疾患は、C1-inh 欠損と関連する疾患でない。
【0363】
用語「C1-inh部分」又は単に「C1-inh」とは、配列番号 24のヒトC1-抑制因子又はその機能性断片を意味する。
【0364】
本明細書に記載のキメラ分子のC1-inh部分は、C1-inh又はその断片を含む。補体C1-抑制因子タンパク質(C1-inh)は、セリンプロテアーゼ抑制因子(セルピン)タンパク質を含み、その主たる機能は自発性活性化を防止するための補体系の抑制である。C-末端セルピンドメインは、他のセルピンと同様であり、C1-inhのこの部分はC1-inhの抑制活性を供する。N-末端ドメイン(場合によりN-末端部とも呼ぶ)は、タンパク質分解酵素を抑制するためにC1-inhに必須でない。このドメインは、他のタンパク質と類似性はない。C1-inhは、高度にグリコシル化され、N-及びO-グリカン双方を有する。N-末端ドメインは、特に重度にグリコシル化されている。C1-inhは、急性期タンパク質であり、血中を循環する。C1-inhは、補体の古典経路のC1複合体中のC1r及びC1sタンパク質分解酵素に不可逆的に結合し、不活性化する。レクチン経路のMBL複合体中のMASP-1及びMASP-2タンパク質分解酵素もまた、不活性化される。このように、C1-inhは、C1及びMBLによってより後期の補体成分C4及びC2のタンパク分解性切断を防止する。C1-inhはその補体抑制因子活性にちなんで名付けられるが、C1-inhは、線維素溶解性、凝固、及びキニン経路のタンパク質分解酵素もまた抑制する。中でも注目すべきは、C1-inhは、血漿カリクレイン、fXIa及びfXIIaの最も重要な生理的抑制因子であることである。
【0365】
配列番号24は、ヒトC1-inhタンパク質配列の全長を表す。アミノ酸1-22はリーダーペプチドに相当し、アミノ酸23-500はセルピンドメインに相当する。種及び株変異が、開示のペプチド、ポリペプチド、及びタンパク質に関して存在し、C1-inh又はその断片が全種及び株変異を含むことが理解されている。
【0366】
本明細書に記載するC1-inh部分は、C1-inhタンパク質の一部又は全ての補体抑制因子活性を有するC1-inhタンパク質の任意の部分を意味し、以下に詳述されるように、全長 C1-inhタンパク質、C1-inhタンパク質の生物学的活性断片、SCR1-3を含むC1-inh 断片、又は自然発生C1-inh 又はその断片の任意の相同体又は変異体を含むがこれらに限定されない。一部の実施形態において、C1-inh部分は、1又は2以上の次の特性:(1)C1r及びC1sへの結合、(2)MASP-1及びMASP-2タンパク質分解酵素の活性の抑制、(3)線維素溶解性、凝固、及びキニン経路のタンパク質分解酵素の抑制、(4)血漿カリクレイン、因子XIa及び因子XIIaの抑制因子、を有する。
【0367】
他の実施形態において、補体活性の第二の調節因子は、例えば、炎症部位等の補体活性の特定部位において輸送及び/又は取り込みを促進するホーミングドメインである。
【0368】
従って、一部の実施形態において、補体活性の第二の調節因子は、キメラ分子の標的効率を増大する標的分子又は標的部分である。例えば、補体活性の第二の調節因子は、血管の内皮細胞に結合する又は付着する能力を有するリガンド(例えば、アミノ酸配列等)とすることができる(「血管内皮標的アミノ酸リガンド」と呼ばれる)。代表的な血管内皮標的リガンドは、VEGF、FGF、インテグリン、フィブロネクチン、I-CAM、PDGF、又は血管内皮細胞表面上に発現された分子に対する抗体を含むがそれらに限定されない。
【0369】
一部の実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子は、細胞間接着分子のためのリガンドに結合(例えば、融合)される。例えば、補体活性の第二の調節因子は、細胞間接着分子に結合する1又は2以上の炭水化物部分とすることができる。炭水化物部分は、損傷部分へのキメラ分子の局在性を促進する。炭水化物部分は、例えば、化学又は酵素結合等の細胞外現象によってキメラ分子に結合できる、又は適当な酵素の発現によって達成される細胞内プロセシング現象の結果とすることができる。一部の実施形態において、炭水化物部分は接着分子、例えば、インテグリン、又はE-セレクチン、L-セレクチン又はP-セレクチンを含むセレクチン等の特定のクラスに結合する。一部の実施形態において、炭水化物部分は、例えば、フコシル化及びシアル化炭水化物を含む複合体型等の、N結合型炭水化物を含む。一部の実施形態において、炭水化物部分は、Lewis X抗原、例えば、シアル化Lewis X抗原と関連する。
【0370】
例えば、AMD等の眼疾患の治療のため、補体活性の第二の調節因子は、ドルーゼンのネオエピトープを認識する抗体とすることができる。他の標的分子、例えば、低分子標的ペプチド等もまた使用できる。キメラ分子の他の修飾は、例えば、糖鎖付加、アセチル化、リン酸化反応、周知の保護遮断基によるアミド化、誘導体化等を含む。
【0371】
補体活性の第二の調節因子は、例えば、ポリペプチドを標的とすることを促進する抗体エピトープ又は他のタグ等の免疫学的活性ドメインとすることができる。キメラ分子に含むことができる他のアミノ酸配列は、例えば、酵素、例えば、加水分解酵素等由来の活性部位の機能性ドメイン、糖鎖付加ドメイン、及び細胞性標的シグナルを含む。
【0372】
循環半減期を増長するためのドメイン:
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、ドメインが親水性置換基であるフィコリン結合ポリペプチドと比較して、キメラ分子の循環半減期の増長のために、ドメインでさらに修飾される。
【0373】
本明細書の用語「親水性置換基」とは、ペプチドの結合点への結合が可能であり、水溶性の分子を意味する。用語「親水性」及び「疎水性」とは、通常分配係数Pに関して定義され、それは有機相の化合物の平衡濃度の水相の濃度に対する比である。親水性化合物は、1.0未満、典型的には約-0.5未満のlog P値を有し、Pはオクタノールと水との間の化合物の分配係数であるが、疎水性化合物は通常約3.0以上、典型的には約5.0以上のlog Pを有するであろう。
【0374】
高分子は、2又は3つ以上のモノマーの共有結合によって形成される分子であり、斯かるモノマーはいずれもアミノ酸残基でない。好ましいポリマーは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリプロピレングリコール(PPG)を含むポリアルキレングリコール(PAG)を含むポリアルキレン酸化物、分岐PEG、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-co-マレイン酸無水物、ポリスチレン-co-マレイン酸無水物、及びカルボキシメチルデキストランを含むデキストランから成る群から選択される高分子であり、PEGが特に好適である。用語「結合基」とは、高分子を付着させることが可能なペプチドの官能基を示すことを意図する。有効な結合基は、例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルデヒド、ケトン、スルフヒドリル、サクシニミジル、マレイミド、ビニルスルホン、オキシム又はハロアセテートである。
【0375】
本明細書の用語「PAO」とは、分子量約200〜100.000ダルトンを有する、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリプロピレングリコール(PPG)等のポリアルキレングリコール(PAG)、分岐PEGs及びメトキシポリエチレングリコール(mPEG)を含む任意のポリアルキレン酸化物を意味する。
【0376】
フィコリン結合ポリペプチドに結合させる高分子は、任意の適した分子、例えば、自然又は合成性ホモポリマー又はヘテロポリマー等の、典型的には約300〜100.000 Da、例えば、約500-20.000 Da、又は約500-15.000 Da、又は2-15 kDa、又は3-15 kDaの範囲等の、又は約10 kDaの分子量を有する分子とすることができる。
【0377】
用語「約」が特定の分子量に関して本明細書で使用される場合、用語「約」とは、所定のポリマー調製における概算平均分子量分布を示す。
【0378】
ホモポリマーの例は、ポリアルコール(すなわち、ポリ-OH)、ポリアミン(すなわち、ポリ-NH2)及びポリカルボン酸(すなわち、ポリ-COOH)を含む。ヘテロ-ポリマーは、異なるカップリング基、例えば、ヒドロキシル基及びアミン基等を含むポリマーである。
【0379】
適した高分子の例は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリプロピレングリコール(PPG)等のポリアルキレングリコール(PAG)、分岐PEGs、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカルボキシレート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン-co-マレイン酸無水物、ポリスチレン-co-マレイン酸無水物、カルボキシメチルデキストランを含むデキストラン、又は免疫原性の減少及び/又は機能性インビボ(in vivo)半減期及び/又は血清半減期の増長に適した任意の他のポリマーを含むポリアルキレン酸化物から成る群から選択される高分子を含む。通常、ポリアルキレングリコール由来ポリマーは、生体適合性、無毒性、非抗原性、及び非免疫原性であり、様々な水溶性特性を有し、生物から容易に分泌される。
【0380】
PEGは、例えば、デキストラン等の多糖類と比較して架橋結合が可能な数個の反応基のみ有するので、好ましい高分子である。特に、モノ機能性PEGは、その結合化学が相対的に単純である(たった1つの反応基が、結合基との斯かるペプチドの結合のために利用可能である)ので、モノ機能性PEG、例えば、メトキシポリエチレングリコール(mPEG)は目的とするものである。
【0381】
高分子のフィコリン結合ポリペプチドへの共有結合をもたらすため、高分子のヒドロキシル末端基を、活性化形態で、すなわち、反応性官能基(例として、一次アミノ基)を有する形態で提供しなければならず、例えばヒドラジド(HZ)、チオール(SH)、コハク酸(SUC)、サクシニミジルコハク酸(SS)、サクシニミジルスクシニミド(succinimidyl succinamide)(SSA)、サクシニミジルプロピオナート(SPA)、サクシニミジル3-メルカプトプロピオナート(SSPA)、ノルロイシン(NOR)、サクシニミジルカルボキシメチレート(SCM)、ブタン酸スクシンイミジル(succimidyl butanoate)(SBA)、炭酸サクシニミジル(SC)、グルタル酸サクシニミジル(SG)、アセトアルデヒドジエチルアセタール(ACET)、サクシニミジルカルボキシメチラート(SCM)、炭酸ベンゾトリアゾール(BTC)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、アルデヒド(ALD)、炭酸トリクロロフェニル(TCP)炭酸ニトロフェニル(NPC)、マレイミド(MAL)ビニルスルホン(VS)、カルボニルイミダゾール(CDI)、イソシアン酸(NCO)、ヨード(IODO)、エポキシド(EPOX)、ヨードアセトアミド(IA)、サクシニミジルグルタラート(SG)及びトレシレート(tresylate)(TRES)等である。
【0382】
適した活性化高分子は、例えば、以前はShearwater Polymers、Inc.、Huntsville、AL、USAとして周知のNektar、又はPolyMASC Pharmaceuticals plc、UK又はEnzon pharmaceuticalsから市販される。あるいは、高分子は、当技術分野で周知の従来の方法、例えば、国際公開第90/13540号に開示される方法によって活性化できる。本発明における使用のための活性化線状又は分岐高分子の具体例は、Shearwater Polymers、Inc. 1997 and 2000 Catalogsに記載される(Functionalized Biocompatible Polymers for Research and pharmaceuticals, Polyethylene Glycol and Derivatives、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0383】
活性化PEGポリマーの具体例は、次の線状PEGを含む: NHS-PEG(例えば、SPA-PEG、SSPA-PEG、SBA-PEG、SS-PEG、SSA-PEG、SC-PEG、SG-PEG、及びSCM-PEG)、及びNOR-PEG、SCM-PEG、BTC-PEG、EPOX-PEG、NCO-PEG、NPC-PEG、CDI-PEG、ALD-PEG、TRES-PEG、VS-PEG、IODO-PEG、IA-PEG、ACET-PEG及びMAL-PEG、及び分岐PEG、例えば、PEG2-NHS及び米国特許第5,672,662号、米国特許第5,932,462号び米国特許第5,643,575号に開示されるもの等であり、それらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、次の出版物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、有用な高分子及び/又はペグ化化学を開示する: 米国特許第4,179,337号、米国特許第5,824,778号、米国特許第5,476,653号、国際公開第97/32607号、欧州特許第229,108号、欧州特許第402,378号、米国特許第4,902,502号、米国特許第5,281,698号、米国特許第5,122,614号、米国特許第5,219,564号、国際公開第92/16555号、国際公開第94/04193号、国際公開第94/14758号、米国特許第94/17039号、国際公開第94/18247号、国際公開第94,28024号、国際公開第95/00162号、国際公開第95/11924号、国際公開第95/13090号、国際公開第95/33490号、国際公開第96/00080号、国際公開第97/18832号、国際公開第98/41562号、国際公開第98/48837号、国際公開第99/32134号、国際公開第99/32139号、国際公開第99/32140号、国際公開第96/40791号、国際公開第98/32466号、国際公開第95/06058号、欧州特許第439 508号、国際公開第97/03106号、国際公開第96/21469号、国際公開第95/13312号、欧州特許第921 131号、米国特許第5,736,625号、国際公開第98/05363号、欧州特許第809 996号、米国特許第5,629,384号、国際公開第96/41813号、国際公開第96/07670号、米国特許第5,473、034号、米国特許第5,516,673号、米国特許第305、382、657号、欧州特許第605 963号、欧州特許第510 356号、欧州特許第400 472号、欧州特許第183 503号及び欧州特許第154 316号及びRoberts等Adv. Drug Delivery Revl. 54: 459--476(2002)及び本明細書に記載する参考文献。フィコリン結合ポリペプチドと活性化ポリマーとの結合は、従来の方法によって行われた。従来の方法は、当業者に周知である。
【0384】
当然のことながら、ポリマー結合は、結合された高分子数、これらの分子のサイズ及び形態(例えば、線状か分岐か)、及びフィコリン結合ポリペプチド上の結合部位に関して最適な分子を産生するようにデザインされる。使用されるポリマーの分子量は、例えば、達成されるべき目的の効果に基づいて選択できる。
【0385】
親水性置換基は、結合するアミノ酸のアミノ基とアミド結合を形成する、親水性置換基のカルボキシル基によって、フィコリン結合ポリペプチド部分のアミノ基に結合させることができる。代替として、親水性置換基は、親水性置換基のアミノ基がアミノ酸のカルボキシル基とアミド結合を形成するようにアミノ酸に結合させることができる。さらなる選択として、親水性置換基は、エステル結合を介してフィコリン結合ポリペプチドに結合することができる。形式的に、エステルは、フィコリン結合ポリペプチドのカルボキシル基と後の置換基のヒドロキシル基との間の反応、又はフィコリン結合ポリペプチドのヒドロキシル基と後の置換基のカルボキシル基との間の反応によって形成させることができる。さらなる代替として、親水性置換基は、フィコリン結合ポリペプチドの一次アミノ基中に導入されるアルキル基とすることができる。
【0386】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、n>4であり、分子量が約200〜100.000ダルトンのH(OCH2CH2nO-を含む。
【0387】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、n>4であり、分子量が約200〜100.000ダルトンであるCH3O-(CH2CH2O)n-CH2CH2-O-を含む。
【0388】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、分子量約200〜5000ダルトンのポリエチレングリコール(PEG)である。
【0389】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、分子量約 5000〜20.000ダルトンのポリエチレングリコール(PEG)である。
【0390】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、分子量約 20.000〜100.000 ダルトンのポリエチレングリコール(PEG)である。
【0391】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、分子量約 200〜5000 ダルトンのメトキシ-PEG(mPEG)である。
【0392】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、分子量約 5000〜20.000ダルトンのメトキシ-ポリエチレングリコール(mPEG)である。
【0393】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、分子量約20.000〜100.000ダルトンのメトキシ-ポリエチレングリコール(mPEG)である。
【0394】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、親水性置換基のカルボキシル基がアミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成するようにアミノ酸残基に結合される。
【0395】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、Lys残基に結合される。
【0396】
本発明の一実施形態において、親水性置換基は、親水性置換基のアミノ基が、アミノ酸残基のカルボキシル基とアミド結合を形成するようにアミノ酸残基に結合される。
【0397】
一部の実施形態において、本発明のキメラ分子は、ドメインが親油性置換基であるフィコリン結合ポリペプチドと比較して、キメラ分子の循環性半減期を増長するためにさらにドメインで修飾される。
【0398】
用語「親油性置換基」は、4-40炭素原子を含み、約 0.1 mg/100 ml 水〜250 mg/100 ml水の範囲で、例えば、約 0.3 mg/100 ml 水〜75 mg/100 ml水の範囲で20℃で水溶解性を有することを特徴とする。例えば、オクタン酸(C8)は68 mg/100 mlの20℃での水溶解性を有し、デカン酸(C10)は15 mg/100 mlの20℃での水溶解性を有し、オクタデカン酸(C18)は、0.3 mg/100 mlの20℃での水溶解性を有する。
【0399】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、4〜40個の炭素原子を含む。
【0400】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、8〜25個の炭素原子を含む。
【0401】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、12〜20個の炭素原子を含む。
【0402】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、親油性置換基のカルボキシル基が、アミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成するようにアミノ酸残基に結合される。
【0403】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、Lys残基に結合される。
【0404】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、親油性置換基のアミノ基が、アミノ酸残基のカルボキシル基とアミド結合を形成するようにアミノ酸残基に結合される。
【0405】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、スペーサーによってフィコリン結合ポリペプチドに結合される。
【0406】
本発明の一実施形態において、スペーサーは、1〜7個のメチレン基、例えば、スペーサーがフィコリン結合ポリペプチドのアミノ基と親油性置換基のアミノ基との間で架橋を形成する2つのメチレン基等を有する不分岐アルカンα、ω-ジカルボン酸基である。
【0407】
本発明の一実施形態において、スペーサーは、Cys残基を除いたアミノ酸残基、又はジペプチドである。適したスペーサーの例は、β-アラニン、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)、γ-グルタミン酸、コハク酸、Lys、Glu又はAsp、又はジペプチド例えば、Gly-Lys等を含む。スペーサーがコハク酸の場合、その1つのカルボキシル基は、アミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成でき、その他方のカルボキシル基は、親油性置換基のアミノ基とアミド結合を形成できる。スペーサーがLys、Glu又はAspである場合、そのカルボキシル基はアミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成でき、そのアミノ基は親油性置換基のカルボキシル基とアミド結合を形成できる。Lysがスペーサーとして使用される場合、場合によりLys のε-アミノ基と親油性置換基との間にさらなるペーサーを挿入できる。一実施形態において、このようなさらなるスペーサーは、Lys のε-アミノ基及び親油性置換基に存在するアミノ基とアミド結合を形成するコハク酸である。他の実施形態において、このようなさらなるスペーサーは、Lysのε-アミノ基とのアミド結合、及び親油性置換基、すなわち、Nε-アシル化リジン残基に存在するカルボキシル基との他のアミド結合を形成するGlu又はAspである。
【0408】
本発明の一実施形態において、スペーサーは、β-アラニン、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)、γ-グルタミン酸、Lys、Asp、Glu、Aspを含むジペプチド、Gluを含むジペプチド、又はLysを含むジペプチドから成るリストから選択される。本発明の一実施形態において、スペーサーは、β-アラニンである。本発明の一実施形態において、スペーサーは、ガンマ-アミノ酪酸(GABA)である。本発明の一実施形態において、スペーサーはγ-グルタミン酸である。
【0409】
本発明の一実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのカルボキシル基は、スペーサーアミノ基とアミド結合を形成し、アミノ酸又はジペプチドスペーサーのカルボキシル基は、親油性置換基のアミノ基とアミド結合を形成する。
【0410】
本発明の一実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのアミノ基は、スペーサーのカルボキシル基とアミド結合を形成し、スペーサーのアミノ基は、親油性置換基のカルボキシル基とアミド結合を形成する。
【0411】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、部分的に又は完全に水素付加されたシクロペンタノフェナトレン骨格を含む。
【0412】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、直鎖又は分岐アルキル基である。本発明の一実施形態において、親油性置換基は、直鎖又は分岐脂肪酸のアシル基である。
【0413】
本発明の一実施形態において、親油性置換基のアシル基は、nが4〜38であるCH3(CH2nCO-、例えば、CH3(CH26CO-、CH3(CH28CO-、CH3(CH210CO-、CH3(CH212CO-、CH3(CH214CO-、CH3(CH216CO-、CH3(CH218CO-、CH3(CH220CO-及びCH3(CH222CO-等から成る群から選択される。
【0414】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、直鎖又は分岐アルカンα、ω-ジカルボン酸のアシル基である。
【0415】
本発明の一実施形態において、親油性置換基のアシル基は、mが4〜38であるHOOC(CH2mCO-、例えば、HOOC(CH214CO-、HOOC(CH216CO-、HOOC(CH218CO-、HOOC(CH220CO-及びHOOC(CH222CO-等から成る群から選択される。
【0416】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、p及びqが整数であり、p+qが8〜40の整数、例えば、12〜35等である、式CH3(CH2p((CH2qCOOH)CHNH-CO(CH22CO-の基である。
【0417】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、rが10〜24の整数である、式CH3(CH2rCO-NHCH(COOH)(CH22CO-の基である。
【0418】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、sが8〜24の整数である、式CH3(CH2sCO-NHCH((CH22COOH)CO-の基である。
【0419】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、tが8〜24の整数である、式COOH(CH2tCO-の基である。
【0420】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、uが8〜18の整数である、式-NHCH(COOH)(CH24NH-CO(CH2uCH3の基である。
【0421】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、wが10〜16の整数である、式-NHCH(COOH)(CH24NH-COCH((CH22COOH)NH-CO(CH2wCH3の基である。
【0422】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、x が10〜16の整数である、式-NHCH(COOH)(CH24NH-CO(CH22CH(COOH)NH-CO(CH2xCH3の基である。
【0423】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、yが0又は1〜22の整数である、式-NHCH(COOH)(CH24NH-CO(CH22CH(COOH)NHCO(CH2yCH3の基である。
【0424】
本発明の一実施形態において、親油性置換基は、N-リトコロイル(N-Lithocholoyl)である。
【0425】
本発明の一実施形態において、親油性置換基はN-コロイルである。
【0426】
本発明の一実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子は、1つの親油性置換基を有する。本発明の一実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子は、2つの親油性置換基を有する。本発明の一実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子は、3つの親油性置換基を有する。本発明の一実施形態において、フィコリン結合ポリペプチドのキメラ分子は、4つの親油性置換基を有する。
【実施例】
【0427】
実施例1
MASP1遺伝子の選択的転写の検出
方法:MASP1の3つの転写物変異体: MASP1、MASP3及びFAPを検出するために、各変異体のための特異的プライマーをデザインした。PCRを、エクソン6(5´-gcacccagagccacagtg-3´)中の共通の順方向プライマー及び特異的逆方向プライマー: エクソン12(5´-gccttccagtgtgtgggc-3´)中のMASP1、エクソン 11(5-gccttccagagtgtggtca-3´)中のMASP3、及びエクソン8a(5´-cgatctggagagcgaactc-3´)中のFAPでセットした(図1)。50 ng 肝臓cDNA(Clontech)、0.25 μMの各プライマー、2.5 mM MgCl2、0.2 mM dNTP、50 mM KCl、10 mM トリス・HCl、pH 8.4、及び0.4 ユニットのプラチナ Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)を含む20-μl 容積中で、PCR増幅を行った。PCR反応を、次のサイクリングパラメータ: 10分、94℃、30又は40 サイクル(30秒94℃、50秒58℃、90秒72℃)、10分72℃で行った。2% アガロースゲル上で試料を分析した。
【0428】
結果: MASP1遺伝子の選択的転写を、肝臓cDNAで検出した。共通のエクソン6に位置する順方向プライマー、及びエクソン12(MASP1)、エクソン 11(MASP3)、及びエクソン 8a(FAP)に位置する特異的逆方向プライマーを使用して、MASP1、MASP3、及びFAP転写物を増幅させた。MASP1は500 bpの断片を生じ、MASP3は506 bpの断片を生じ、FAPは309 bpの断片を生じる。
【0429】
FAP断片の組織発現
方法: 市販のヒト組織cDNAパネル(Clontech)を使用して、上記と同一のPCRアッセイでMASP1、MASP3、及びFAP発現を調べた。試料を2%アガロースゲル上で分析した。
【0430】
結果: MASP1、MASP3、及びFAP遺伝子の組織分布を、Clontech由来のcDNAパネル中で調べた(図2)。MASP1、MASP3、及びFAP転写物を、共通の順方向プライマー及び特異的逆方向プライマーを使用して増幅させた。GADPHは、参照遺伝子として使用した。全3つの遺伝子は肝臓中で高発現され、さらに、FAPは心臓組織中で強く発現された(黒色矢印で標識)。FAP遺伝子の微量な発現が、脳、結腸、前立腺、骨格筋、及び小腸中で検出された(白色矢印で標識)。
【0431】
100個体のFAPエクソン8aのDNA配列決定
方法: 翻訳ATG開始部位に対して位置 +44,083〜+44,431にまたがる、MASP1/MASP3/FAP遺伝子のイントロン-エクソン境界を含むエクソン8aの直接的配列決定を、100人の健常のコーカサス人種個体由来のゲノムDNA鋳型上で行った。断片を単一のプライマーセット(順方向: 5´-ctgttcttcacactggctg-3´、逆方向: 5´-ctgctgagatcatgttgttc-3´)を使用することによって増幅した。順方向プライマーは5'-T7 配列(5'-ttatacgactcacta-3')を含んだ。PCR増幅を、50 ng ゲノムDNA、0.25μMの各プライマー、2.5 mM MgCl2、0.2 mM dNTP、50 mM KCl、10 mM トリス・HCl、pH 8.4、及び0.4ユニットのプラチナTaq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)を含む20-μl 容積中で行った。PCR反応を次のサイクリングパラメータ: 2分94℃、15サイクル(30秒94℃、60秒64℃、60秒72℃)、15サイクル(30秒94℃、60秒58℃、60秒72℃)、を5分72℃で行い、ABI BigDyeサイクル配列決定ターミネーターキット(Applied Biosystems、Foster City、CA)を使用して、5´-ビオチン標識配列プライマーを使用して、プロトコールに従って順方向で配列決定した。PyroMark Vacuum Prep Workstation(Biotage)上でストレプトアビジンビーズ(GenoVision)を使用して、配列反応物を精製した。配列分析を、ABI Prism 3100 Genetic Analyser(Applied Biosystems)上で行った。得られたDNA配列を、BioEdit ソフトウェアを使用して整列させ、配列電気泳動図から視覚的にDNA多型を確認した。
【0432】
結果: 全配列を、BioEdit ソフトウェアを使用して整列させた。100人の健常個体中で、エクソン8a又はエクソン-イントロン領域において遺伝的変異は観察されなかった。
【0433】
実施例2
免疫沈降
血清由来のMAP-1の特異的免疫沈降を、MAP-1 特異的mAb 20C4(17 MAP-1 特異的C-末端ペプチドに対して産生)又はmAb 8B3、制御沈殿抗体として使用したMASP-1/3の共通の重鎖に対して反応するモノクローナル抗体で行った。総計10 μgの抗MAP-1又はMASP-1/3 抗体を、ヒツジ抗マウス又はウサギIgG Dynabeads(M-280、cat. 112.02D/112.04D、Dynal/Invitrogen)に結合させた。洗浄工程後、ビーズを正常ヒト血清(TBS中に1:1希釈)のプールに適用し、回転しながら4℃で1時間インキュベートした。最終洗浄工程及び磁性分離後、ビーズをSDS添加液中で煮沸し、SDS-PAGE及びMAP-1、MBL、及びフィコリン-3に対する抗体でプローブされたウエスタンブロッティングに供した。
【0434】
上記と同一の沈殿手順を、mAbs to MBL(Hyb 131-11、Bioporto、Denmark)、フィコリン-2(FCN219)及びフィコリン-3(FCN334)で行った。MBLの血清濃度の相違を相殺するために、フィコリン-2及び-3を1 ml、300 μl 及び100 μlの血清からそれぞれ沈殿させた。試料を、SDS-PAGE及びMAP-1に対するpAbでプローブしたウエスタンブロッティングによって分析した。
【0435】
免疫組織化学
rMAP-1を発現したCHO細胞を、RPMI+10%の培養フラスコ中で成長させた。80-90%コンフルエンスで細胞を回収し、4% ホルムアルデヒド-PBS中で24時間固定し、続いてパラフィン中に包埋した。6つの異なるヒト肝臓組織及び2つの異なる心筋組織由来の試料、2つの骨格筋組織及びヒト大動脈由来の2つの試料もまた固定し、上記の通りパラフィン包埋した。5 μmの切片を、Leitz Wetzlarミクロトームで得て、スライドガラス上に置きアッセイまで4℃で保存した。前述の通りプレ治療及び分析を行った。一次抗体は、MAP-1特異的モノクローナル抗体mAb 12B11又は親和性精製モノ特異的ウサギ抗MAP-1抗体であり、それらは全て5 μg/mlに希釈した。アイソタイプ抗体コントロールを、同一濃度で組織に適用した。二次抗体は、EnVision(登録商標)抗体(HRP-抗マウス又はHRP-抗ウサギ、Dako、Glostrup、Denmark)であった。染色パターンの分析を、Leica DMLB2 顕微鏡下で行った。
【0436】
SDS-PAGE及びウエスタンブロッティング
製造者によって本質的に記載されるNuPAGE(登録商標)システム(Invitrogen)を使用して不連続緩衝液で、10% 又は4-12%(w/v)ビス-トリスポリアクリルアミドゲル上で電気泳動を行った。フッ化ポリビニリデン膜(PVDF-HyBond、Amersham Bioscience)、一次mAbsの2μg/ml、及びPBS、0.05% ツイーン20中で1:1500に希釈されたHRP結合ストレプトアビジン(P0397、Dako)又は1:1000に希釈されたHRP-ウサギ抗マウスIgG(PO260、Dako)による二次可視化を使用して、ウエスタンブロッティングを行った。膜を、50mM 酢酸ナトリウム緩衝液pH 5中で3-アミノ9-エチルカルバゾール(Sigma)(アセトン中0.04%)及び0.015% H2O2で展開した。
【0437】
補体活性化アッセイ
MBL及びフィコリン-3 媒介の補体C4因子析出へのMAP-1の影響を、本質的に前述の通り評価した。簡潔には、マンナン(MBLリガンド)(Sigma-Aldrich M7504)又はアセチル化ウシ血清アルブミン(フィコリン-3リガンド)を、10μg/mlでMaxisorp ELISAプレート(Nunc、Denmark)に固定化した。洗浄後、rMBL又はrフィコリン-3(0.4μg/ml)を添加し1.5時間インキュベートした。rMAP-1又はrMASP-2を一次元で二段階希釈で1時間適用し、続いてインキュベーションを二次元でMBL又はフィコリン-3の血清欠乏の段階希釈で37℃で45分間行った。C4cに対するpAb(Q0369、Dako、Glostrup/Denmark)を使用してC4沈殿を測定した。
【0438】
さらに、ピュアシステム(pure system)を使用して、MASP-2のMAP-1での置換を評価した。上記のようにrMBL/マンナンマトリックス上で一次元で段階希釈で、rMASP-2を20 ℃で45 分間プレインキュベートし、続いて20℃ での45 分間の二次元でのrMAP-1の希釈でインキュベーションを行った。精製C4(from Quidel、CA、USA)を、濃度1 μg/mlで添加し、37℃で45分間インキュベートした。上記の通り検出を行った。
【0439】
結果
フィコリン-2、フィコリン-3及びMBLとのMAP-1の共沈殿
MAP-1のMBL及びフィコリン-3との可能性のある関連性調べるために、MASP-1及びMASP-3(mAb8B3)の共通の重鎖に対する抗MAP-1 mAb20C4及びmAb双方を使用して血清複合体を沈殿させた。沈殿物を続いて、MAP-1、MBL、及びフィコリン-3それぞれに対する抗体でプローブされたウエスタンブロッティングによって分析した。明白なフィコリン-3共沈殿バンドを観察したが、より弱いバンドもまたMBLで観察された(図24A)。ウエスタンブロット中で試料は機能しなかったので、フィコリン-2に対する抗体で試料をプローブしなかった。続いて、MBL、フィコリン-2及びフィコリン-3に対するmAbsを使用して免疫沈降を逆転させ、1 ml、300 μl 及び100 μl の血清をそれぞれ沈殿させた。これは、MBL(2 μg/ml)、フィコリン-2(5 μg/ml)及びフィコリン-3(20 μg/ml)それぞれの血清濃度の違いを調整するために行った。続いて試料を、MAP-1への抗体でプローブされたウエスタンブロッティングで分析した。フィコリン-2及び-3由来の沈殿中に異なるMAP-1バンドを観察し、非常に弱いバンドがMBL沈殿に見られ、免疫沈降rMAP-1及び血清MAP-1はコントロールとして機能した(図24B)。
【0440】
MAP-1は、レクチン経路の補体活性を抑制する。
rMBL及びrフィコリン-3との組み合わせでのMBL及びフィコリン-3の血清欠乏を、MBL及びフィコリン-3補体C4活性化活性に関して再構成するために使用した。マンナン及びアセチル化BSAは、MBL及びフィコリン-3のそれぞれに関するリガンドとして機能した。rMBL及びrフィコリン-3双方は、MBL及びフィコリン-3欠乏血清、それぞれ中でC4沈着を惹起することができた(図25A及び25D)。rMASP-2の適用は、フィコリン-3及びMBL活性化経路双方を介してC4沈着の強力な正の用量依存性の増強を生じた(図25B及び25E)。一方、rMAP-1の適用は、双方の経路を介してC4沈着の明白な用量依存性抑制を生じた(図25C及び25F)。
【0441】
さらに、rMBL、rMASP-2、rMAP-1及び精製C4のみ含む純粋成分のシステムを使用して、MASP-2のMAP-1との置換可能性を検討した。段階希釈で、マンナン/rMBL複合体でrMASP-2をプレインキュベートした。その後、rMAP-1を異なる濃度で添加し、続いて精製C4を付加した。斯かるシステムへのrMAP-1の適用は、C4沈着の用量依存性抑制を明らかに生じた(図26)。
【0442】
実施例 3
次の例示の標準手順に従って、MAP-1及び他の補体抑制因子タンパク質から成るキメラ分子を生じた。MAP-1タンパク質(完全)は、例えば、
【0443】
1)製造者によって記載されるように、1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDC、ゼロレングス(zero-length)架橋剤)を、一級アミン基カップリングへのカルボキシルを介してMAP-1タンパク質を他の複合体へ結合するために使用する(Pierce、CAS nr. 25952-53-8)。
【0444】
2)製造者によって記載されるように、スベリン酸ジスクシイミジル(DSS)(8-カーボンスペーサーアームを有する)を、アミン基カップリングへのアミンを介してMAP-1タンパク質を他の複合体に結合するために使用する(Pierce、CAS nr. 68528-80-3)。
【0445】
3)製造者によって記載されるように、EMCS([N-e-マレイミドカプロイルオキシ]サクシンイミドエステル)(9.4オングストローム スペーサーアームを有する)を、アミノ基カップリングへのスルフヒドリルを介してMAP-1タンパク質を他の複合体へ結合するために使用する(Pierce、product nr. 22308)。
等の共有結合カップリングの標準方法を使用して、次のヒトタンパク質: 因子I、因子H、C4bp及びC1inhに結合させる。
【0446】
実施例 4
次のリストは、本明細書の教示に従って達成される本発明のコンストラクトの例である。コンストラクトは全て、MAP-1-リンカー-補体調節因子又は補体調節因子-リンカー-MAP-1の基本式を有する。コンストラクトはまた、いずれの架橋剤もなく生じ得る。括弧内の記載は、組成物の特定のセクション内の詳細を示す。例えば、「(完全)」とは、コンストラクトにおいて使用される天然ヒトFAP(配列番号 1)のアミノ酸配列20〜380を有する成熟タンパク質配列全体を意味する。このリストは限定するものでなく、単に本願に開示されるコンストラクトの一部の例を供することと理解されたい。
【0447】
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-DAF
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-因子H
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-ヒトCD59
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-MCP
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-R1
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-Crry
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-マウスCD59
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-ヒトIgG1 Fc
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-ヒトIgM Fc
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-マウス IgG3 Fc
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-マウス IgM Fc
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-因子I
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-C4bp
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-C1inh
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-DAF
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-因子H
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-ヒトCD59
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-MCP
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-CR1
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-Crry
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-マウス CD59
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-ヒトIgG1 Fc
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-ヒトIgM Fc
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-マウス IgG3 Fc
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-マウス IgM Fc
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-因子I
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-C4bp
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-C1inh
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-DAF(SCRs 2-4)
MAP-1(完全)-(Gly3Ser)4-DAF(SCRs 2-4)
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-CR1(LP-SCR1-4-SCR8-11-SCR15-18)
MAP-1(完全)-(Gly4Ser)3-Crry(5 N-末端 SCRs)
MAP-1(完全)-VSVFPLE-DAF
MAP-1(完全)-VSVFPLE-因子H
MAP-1(完全)-VSVFPLE-ヒトCD59
MAP-1(完全)-VSVFPLE-MCP
MAP-1(完全)-VSVFPLE-CR1
MAP-1(完全)-VSVFPLE-Crry
MAP-1(完全)-VSVFPLE-マウス CD59
MAP-1(完全)-VSVFPLE-ヒトIgG1 Fc
MAP-1(完全)-VSVFPLE-ヒトIgM Fc
MAP-1(完全)-VSVFPLE-マウス IgG3 Fc
MAP-1(完全)-VSVFPLE-マウス IgM Fc
MAP-1(完全)-VSVFPLE-因子I
MAP-1(完全)-VSVFPLE-C4bp
MAP-1(完全)-VSVFPLE-C1inh
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-DAF
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-ヒトCD59
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-MCP
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-CR1
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-Crry
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-マウスCD59
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-ヒトIgG1 Fc
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-ヒトIgM Fc
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-マウスIgG3 Fc
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-マウス IgM Fc
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-因子I
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-C4bp
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-C1inh
MAP-1(完全)-m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル-因子H
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-DAF
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-因子H
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-ヒトCD59
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-MCP
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-CR1
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-Crry
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-マウス CD59
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-ヒトIgG1 Fc
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-ヒトIgM Fc
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-マウス IgG3 Fc
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-マウス IgM Fc
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-因子I
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-C4bp
MAP-1(完全)-ビスマレイミドヘキサン-C1inh
【0448】
実施例 5
融合タンパク質として産生することができるMAP-1キメラ分子の代表的な特異的配列:
フィコリン結合ポリペプチド部分及び補体活性の第二の調節因子を含むヒト融合タンパク質は、組換えDNAクローニング及び遺伝子発現方法によって作成することができる。
【0449】
代表的なヒトMAP-1/FH キメラタンパク質のアミノ酸配列(配列番号25)及びヒトMAP-1/FHキメラタンパク質をコードする代表的なポリヌクレオチド配列(配列番号26)。コンストラクトを図27に示す。
【0450】
代表的なヒトFH/MAP-1キメラタンパク質のアミノ酸配列(配列番号27)及びヒトFH/MAP-1キメラタンパク質をコードする代表的なポリヌクレオチド配列(配列番号28)。コンストラクトを図27に示す。ヒトMAP-1のアミノ酸配列(配列番号29-31)は、全て本発明のキメラタンパク質のMAP-1部分として使用可能な配列の適した例である。ヒトFHのアミノ酸配列(配列番号32-36)は、全て本発明のキメラタンパク質のFH部分として使用可能な適した配列の例である。
【0451】
次の実施例において、FH部分は、C4bp、FI、又はC1-inhのいずれか1つによって置換できる。
【0452】
ヒトC4bpのアミノ酸配列(配列番号37-40)は、全て本発明のキメラタンパク質のC4bp部分として使用可能な配列の適した例である。コンストラクトを図28に示す。
【0453】
ヒトFIのアミノ酸配列(配列番号41-44)は、全て本発明のキメラタンパク質のFI部分として使用可能な配列の適した例である。コンストラクトを図29に示す。
【0454】
ヒトC1-inhのアミノ酸配列(配列番号45)は、全て本発明のキメラタンパク質のC1-inh部分として使用可能な配列の適した例である。コンストラクトを図30に示す。
【0455】
実施例 6
MAP-1/FH融合タンパク質の産生のための詳細な代表的な手順:
発現ベクターの作成
標的遺伝子、続いて選択可能且つ増幅可能なマーカー(dhfr)の挿入のためのクローニング配列を運ぶpEDdCベクターを、融合遺伝子の発現のために使用できる。
【0456】
2つのプライマーのセットは、結合される各遺伝子に関してデザインされる。これらのプライマーは、発現ベクターで適用可能な制限酵素配列を含む。プライマーは、2つの融合タンパク質、MAP-1及びFHを増幅するために開発される。MAP-1及びFHは、結合される領域に同一の制限酵素配列を有することができる。任意のリンカー配列を組み込むことができる。
【0457】
細胞培養上清におけるタンパク質発現を得ることができるようにするために、任意のシグナルペプチドを含むコンストラクトを組み込むことができる。キメラタンパク質の細胞質発現のために、コンストラクトはシグナルペプチドを含まない。このように、融合タンパク質は、上清よりも宿主細胞の細胞質領域に発現させ蓄積させることができる。
【0458】
融合遺伝子作成
簡潔には、次の通り、MAP-1/FHのクローニングを行う。MAP-1及びFH遺伝子を、ヒト肝臓cDNAから増幅し、アガロースゲルで流す。続いて遺伝子をゲルから切断し、精製し、各々の制限酵素で消化する。生成物を精製し、2つの遺伝子を連結する。ライゲーション後、遺伝子コンストラクトを精製しpEDベクター中に挿入し、特性を明らかにする。pEDdC/MAP-1/FHベクターを大腸菌(Escherichia coli)に転換し、選択的LB培地(100 μg/mLアンピシリンを含む)に蒔き、37°Cでオーバーナイトで培養する。細菌コロニーを、コロニーPCRによって双方の遺伝子の存在に関してスクリーニングする。陽性コロニーを採取し、画線し、且つLB中で培養する。配列を確認するために、プラスミドを精製し、配列決定する。
【0459】
形質移入及びMAP-1/FH発現
pEDdC/MAP-1/FHコンストラクトを、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)DG44細胞株中に形質移入する。このCHOクローンは、ハムスターdhfr遺伝子のコピーを含まない二重欠損変異体である。形質移入されない細胞を、5% CO2を含む37°Cの加湿環境で、10% dFBS、100 ユニット/ml ペニシリン、0.1 mg/ml ストレプトマイシン、2 mM L-グルタミン、10 mM ヒポキサンチン、及び1.6 mM チミジン(HT-栄養補助剤)を追加したIMDM中で培養する。PBS中で細胞を0.05% トリプシンを使用して継代する。リポフェクタミンプラス試薬キットを使用して、安定なトランスフェクションを行う。0日に6-cm培養ウェルに8 x 105細胞を播種することによってトランスフェクションを行う。1日目に、細胞培地を置換し、60 μlのリポフェクタミン、0.2 μgのpSV2ネオ、及び20 μgのpEDdC/MAP-1/FH ベクターを加えて、製造者のプロトコールに従って細胞を形質移入する。3日目に、細胞を25cm2フラスコに移し、5日目に、細胞を0.5 mg/ml G418を含みヒポキサンチン及びチミジンが欠如する培地に移す。G418耐性クローンは、通常12日後に得られる。選択及びMTXでの遺伝子増幅は、0.5 mg/ml G418、50 nM MTXを含むが、ヒポキサンチン及びチミジンが欠如する細胞培地において細胞を培養する工程によって惹起する。細胞が正常成長率及び形態を回復する場合、MTXの濃度は200 nMまで徐々に増加する。
【0460】
実施例 7
rMAP-1及び因子Hのキメラタンパク質
タンパク質の精製
モノクローナル抗ヒト補体因子H抗体 Hyb 268-01(Bioporto A/S、Gentofte、Denmark)を精製マトリックスに結合させ、親和性精製血漿因子Hに使用するという変更を行って、Laine等のJ Immunol 2007; 178:3831-6に本質的に記載されるように、ヒト血漿由来の因子Hを精製した。
【0461】
遺伝子組換え、全長、非標識MBL/フィコリン結合タンパク質-1(rMAP-1)を、血清不含有培地(SFM)(CHO CD-1、Lonza)及び10%ウシ胎仔血清(FCS)を含むRPMI 1640中のCHO DG 44細胞中で発現させ、前述のSkjoedt MO、等の、MBL/フィコリン結合タンパク質-1の血清濃度及び相互作用特性、Immunobiology doi:101016/jimbio201009011の通り精製した。
【0462】
遺伝子組換え、全長、非標識マンノース結合レクチン(rMBL)を、血清不含有培地(SFM)(CHO CD-1、Lonza)中のCHO DG 44細胞で発現させ、前述のSkjoedt MO等の、J Biol Chem 2010; 285:8234-43の通り、マンナン-アガロースカラム上で親和性クロマトグラフィーによって精製した。
【0463】
SDS-PAGE
4-12% ビス-トリス SDS-PAGE及びクーマシー染色を、上述のタンパク質の分子組成及び純度を決定するために使用した。条件は、製造者(Invitrogen)の指示に従った。
【0464】
タンパク質カップリング
Carter JMの、グルタルアルデヒドを介した担体タンパク質へのペプチドの結合、タンパク質プロトコールハンドブック、Part VII、679-687、DOI: 101007/978-1-60327-259-9、117: Springer、1996の提案に従って、rMAP-1及び因子Hをグルタルアルデヒドカップリングによって共有結合させた。結合生成物は、名称rMAP-1/因子Hハイブリッド分子である。
【0465】
補体活性化アッセイ
上記精製タンパク質でMBL依存性補体活性化を分析した。これらのアッセイにおける使用の方法及び試薬は、本明細書に記載の血漿因子H及びrMAP-1/因子Hハイブリッド分子を含むことを除いて、以前に記載されている(Skjoedt MO、etl al. J Biol Chem 2010; 285:8234-43、及びPalarasah Y、et al. J Clin Microbiol; 48:908-14)。
【0466】
結果及び考察
タンパク質分析
精製組換えMAP-1の分析により、期待の非減少分子量の=45 kDaが明らかとなった(図31)。機能障害性ジスルフィド架橋形成は観察されなかった。精製血漿因子Hの分析により、期待分子量の=150 kDaが明らかとなった(図31)。rMAP-1及び因子H双方が高純度で観察された。
【0467】
精製組換えMBLの分析により、期待減少分子量の=30 kDaが明らかとなった。高純度のrMBLが観察された(図32)。rMBLの分析非減少パターンにより、天然血清由来のMBLと同程度のジスルフィド架橋媒介オリゴマー化が明らかとなった(図32)。
【0468】
補体沈着アッセイ
サンプルスキームは、以下で採用されたアッセイの組成を示す(図33)。
【0469】
最初に、rMAP-1/因子Hハイブリッド分子を、MBL依存性補体アッセイに導入し、このキメラタンパク質が補体因子C3の活性化及び沈着を抑制できるか調べた。図34は、MBL依存性C3活性化のキメラタンパク質によって媒介される、明らかな用量依存性抑制を説明する。
【0470】
さらに本明細書で使用の条件下でrMAP-1及び因子HがrMBLに結合するかを調べるため、MAP-1及び因子H、それぞれに対する特異的モノクローナル抗体との関連性を測定した。図35Aは、マンナンに結合されたrMAP-1のrMBLへの結合を示す。非結合rMAP-1と比較して、rMAP-1/因子Hハイブリッド分子は、rMBLへの結合の減少を示し、因子Hに結合されたrMAP-1の一部が立体構造的に変化されていることが示唆される。図35Bは、因子HのrMBLへの結合を示す。期待されるように、rMAP-1/因子Hハイブリッド形態中の因子Hだけが、MBL/マンナン複合体に結合することができる。
【0471】
精製血漿因子Hは、MBLアッセイにおいて、C3沈着(図36A)又はC9/末端補体複合体形成(図36B)に効果を示さない。これと対照的に、精製rMAP-1は、C3沈着(図37A)及びC9/末端補体複合体形成(図37B)の顕著な抑制を示した。非結合精製rMAP-1及び因子Hがアッセイで共に適用される場合、沈着パターンはrMAP-1単独で得られる結果と等価である(図38A-B)。これらのデータは、因子HがrMAP-1に共有結合で結合されない限り機能しないことを示す。補体活性化アッセイでrMAP-1/因子Hハイブリッド分子を使用する場合、C3沈着(図39A)及びC9/末端補体複合体形成(図39B)の双方の用量依存的抑制が明白であるる。これは、グルタルアルデヒドカップリング後のミスフォールディングのため、おそらくrMAP-1の大部分はrMBLに結合できないという事実と異なる(図35Aを参照されたい)。よって、結合MAP-1/因子Hハイブリッド分子は、補体活性化によって生じる有害なインビボ(in vivo)での炎症の強力な制御因子となることができ、おそらくレクチン経路関連タンパク質が機能すること(アポトーシス、壊死、血栓症及び血液凝固)が示されているレベルで作用することもまた可能である。
【0472】
配列番号1。ヒトFAPに関する完全な380個のアミノ酸配列。(アミノ酸位置49及び178において同定される2つの可能性のある糖鎖付加部位が強調される):
MRWLLLYYALCFSLSKASAHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKKNEIDLESELKSEQVTE
【0473】
配列番号2。ヒトFAPに関する完全なcDNAヌクレオチド配列:
atgaggtggctgcttctctattatgctctgtgcttctccctgtcaaaggcttcagcccacaccgtggagctaaacaatatgtttggccagatccagtcgcctggttatccagactcctatcccagtgattcagaggtgacttggaatatcactgtcccagatgggtttcggatcaagctttacttcatgcacttcaacttggaatcctcctacctttgtgaatatgactatgtgaaggtagaaactgaggaccaggtgctggcaaccttctgtggcagggagaccacagacacagagcagactcccggccaggaggtggtcctctcccctggctccttcatgtccatcactttccggtcagatttctccaatgaggagcgtttcacaggctttgatgcccactacatggctgtggatgtggacgagtgcaaggagagggaggacgaggagctgtcctgtgaccactactgccacaactacattggcggctactactgctcctgccgcttcggctacatcctccacacagacaacaggacctgccgagtggagtgcagtgacaacctcttcactcaaaggactggggtgatcaccagccctgacttcccaaacccttaccccaagagctctgaatgcctgtataccatcgagctggaggagggtttcatggtcaacctgcagtttgaggacatatttgacattgaggaccatcctgaggtgccctgcccctatgactacatcaagatcaaagttggtccaaaagttttggggcctttctgtggagagaaagccccagaacccatcagcacccagagccacagtgtcctgatcctgttccatagtgacaactcgggagagaaccggggctggaggctctcatacagggctgcaggaaatgagtgcccagagctacagcctcctgtccatgggaaaatcgagccctcccaagccaagtatttcttcaaagaccaagtgctcgtcagctgtgacacaggctacaaagtgctgaaggataatgtggagatggacacattccagattgagtgtctgaaggatgggacgtggagtaacaagattcccacctgtaaaaaaaatgaaatcgatctggagagcgaactcaagtcagagcaagtgacagagtga
【0474】
配列番号3。アミノ酸1-19のシグナルペプチドを含むCUB1-EGF-CUB2ドメインを含むフィコリン結合ポリペプチドの最少配列。配列は、エクソン2〜エクソン6に相当する:
MRWLLLYYALCFSLSKASAHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAA
【0475】
配列番号4。FAPの特有の末端の17個のアミノ酸:
KNEIDLESELKSEQVTE
【0476】
配列番号5。ヒトMASP-1のタンパク質配列:
MRWLLLYYALCFSLSKASAHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKIVDCRAPGELEHGLITFSTRNNLTTYKSEIKYSCQEPYYKMLNNNTGIYTCSAQGVWMNKVLGRSLPTCLPVCGLPKFSRKLMARIFNGRPAQKGTTPWIAMLSHLNGQPFCGGSLLGSSWIVTAAHCLHQSLDPEDPTLRDSDLLSPSDFKIILGKHWRLRSDENEQHLGVKHTTLHPQYDPNTFENDVALVELLESPVLNAFVMPICLPEGPQQEGAMVIVSGWGKQFLQRFPETLMEIEIPIVDHSTCQKAYAPLKKKVTRDMICAGEKEGGKDACAGDSGGPMVTLNRERGQWYLVGTVSWGDDCGKKDRYGVYSYIHHNKDWIQRVTGVRN
【0477】
配列番号6。ヒトMASP-1のcDNA配列:
GAAGTCAGCCACACAGGATAAAGGAGGGAAGGGAAGGAGCAGATCTTTTCGGTAGGAAGACAGATTTTGTTGTCAGGTTCCTGGGAGTGCAAGAGCAAGTCAAAGGAGAGAGAGAGGAGAGAGGAAAAGCCAGAGGGAGAGAGGGGGAGAGGGGATCTGTTGCAGGCAGGGGAAGGCGTGACCTGAATGGAGAATGCCAGCCAATTCCAGAGACACACAGGGACCTCAGAACAAAGATAAGGCATCACGGACACCACACCGGGCACGAGCTCACAGGCAAGTCAAGCTGGGAGGACCAAGGCCGGGCAGCCGGGAGCACCCAAGGCAGGAAAATGAGGTGGCTGCTTCTCTATTATGCTCTGTGCTTCTCCCTGTCAAAGGCTTCAGCCCACACCGTGGAGCTAAACAATATGTTTGGCCAGATCCAGTCGCCTGGTTATCCAGACTCCTATCCCAGTGATTCAGAGGTGACTTGGAATATCACTGTCCCAGATGGGTTTCGGATCAAGCTTTACTTCATGCACTTCAACTTGGAATCCTCCTACCTTTGTGAATATGACTATGTGAAGGTAGAAACTGAGGACCAGGTGCTGGCAACCTTCTGTGGCAGGGAGACCACAGACACAGAGCAGACTCCCGGCCAGGAGGTGGTCCTCTCCCCTGGCTCCTTCATGTCCATCACTTTCCGGTCAGATTTCTCCAATGAGGAGCGTTTCACAGGCTTTGATGCCCACTACATGGCTGTGGATGTGGACGAGTGCAAGGAGAGGGAGGACGAGGAGCTGTCCTGTGACCACTACTGCCACAACTACATTGGCGGCTACTACTGCTCCTGCCGCTTCGGCTACATCCTCCACACAGACAACAGGACCTGCCGAGTGGAGTGCAGTGACAACCTCTTCACTCAAAGGACTGGGGTGATCACCAGCCCTGACTTCCCAAACCCTTACCCCAAGAGCTCTGAATGCCTGTATACCATCGAGCTGGAGGAGGGTTTCATGGTCAACCTGCAGTTTGAGGACATATTTGACATTGAGGACCATCCTGAGGTGCCCTGCCCCTATGACTACATCAAGATCAAAGTTGGTCCAAAAGTTTTGGGGCCTTTCTGTGGAGAGAAAGCCCCAGAACCCATCAGCACCCAGAGCCACAGTGTCCTGATCCTGTTCCATAGTGACAACTCGGGAGAGAACCGGGGCTGGAGGCTCTCATACAGGGCTGCAGGAAATGAGTGCCCAGAGCTACAGCCTCCTGTCCATGGGAAAATCGAGCCCTCCCAAGCCAAGTATTTCTTCAAAGACCAAGTGCTCGTCAGCTGTGACACAGGCTACAAAGTGCTGAAGGATAATGTGGAGATGGACACATTCCAGATTGAGTGTCTGAAGGATGGGACGTGGAGTAACAAGATTCCCACCTGTAAAATTGTAGACTGTAGAGCCCCAGGAGAGCTGGAACACGGGCTGATCACCTTCTCTACAAGGAACAACCTCACCACATACAAGTCTGAGATCAAATACTCCTGTCAGGAGCCCTATTACAAGATGCTCAACAATAACACAGGTATATATACCTGTTCTGCCCAAGGAGTCTGGATGAATAAAGTATTGGGGAGAAGCCTACCCACCTGCCTTCCAGTGTGTGGGCTCCCCAAGTTCTCCCGGAAGCTGATGGCCAGGATCTTCAATGGACGCCCAGCCCAGAAAGGCACCACTCCCTGGATTGCCATGCTGTCACACCTGAATGGGCAGCCCTTCTGCGGAGGCTCCCTTCTAGGCTCCAGCTGGATCGTGACCGCCGCACACTGCCTCCACCAGTCACTCGATCCGGAAGATCCGACCCTACGTGATTCAGACTTGCTCAGCCCTTCTGACTTCAAAATCATCCTGGGCAAGCATTGGAGGCTCCGGTCAGATGAAAATGAACAGCATCTCGGCGTCAAACACACCACTCTCCACCCCCAGTATGATCCCAACACATTCGAGAATGACGTGGCTCTGGTGGAGCTGTTGGAGAGCCCAGTGCTGAATGCCTTCGTGATGCCCATCTGTCTGCCTGAGGGACCCCAGCAGGAAGGAGCCATGGTCATCGTCAGCGGCTGGGGGAAGCAGTTCTTGCAAAGGTTCCCAGAGACCCTGATGGAGATTGAAATCCCGATTGTTGACCACAGCACCTGCCAGAAGGCTTATGCCCCGCTGAAGAAGAAAGTGACCAGGGACATGATCTGTGCTGGGGAGAAGGAAGGGGGAAAGGACGCCTGTGCGGGTGACTCTGGAGGCCCCATGGTGACCCTGAATAGAGAAAGAGGCCAGTGGTACCTGGTGGGCACTGTGTCCTGGGGTGATGACTGTGGGAAGAAGGACCGCTACGGAGTATACTCTTACATCCACCACAACAAGGACTGGATCCAGAGGGTCACCGGAGTGAGGAACTGAATTTGGCTCCTCAGCCCCAGCACCACCAGCTGTGGGCAGTCAGTAGCAGAGGACGATCCTCCGATGAAAGCAGCCATTTCTCCTTTCCTTCCTCCCATCCCCCCTCCTTCGGCCTATCCATTACTGGGCAATAGAGCAGGTATCTTCACCCCCTTTTCACTCTCTTTAAAGAGATGGAGCAAGAGAGTGGTCAGAACACAGGCCGAATCCAGGCTCTATCACTTACTAGTTTGCAGTGCTGGGCAGGTGACTTCATCTCTTCGAACTTCAGTTTCTTCATAAGATGGAAATGCTATACCTTACCTACCTCGTAAAAGTCTGATGAGGAAAAGATTAACTAATAGATGCATAGCACTTAACAGAGTGCATAGCATACACTGTTTTCAATAAATGCACCTTAGCAGAAGGTCGATGTGTCTACCAGGCAGACGAAGCTCTCTTACAAACCCCTGCCTGGGTCTTAGCATTGATCAGTGACACACCTCTCCCCTCAACCTTGACCATCTCCATCTGCCCTTAAATGCTGTATGCTTTTTTGCCACCGTGCAACTTGCCCAACATCAATCTTCACCCTCATCCCTAAAAAAGTAAAACAGACAAGGTTCTGAGTCCTGTGGTATGTCCCCTAGCAAATGTAACTAGGAACATGCACTAGATGACAGATTGCGGGAGGGCCTGAGAGAAGCAGGGACAGGAGGGAGCCTGGGGATTGTGGTTTGGGAAGGCAGACACCTGGTTCTAGAACTAGCTCTGCCCTTAGCCCCCTGTATGACCCTATGCAAGTCCTCCTCCCTCATCTCAAAGGGTCCTCAAAGCTCTGACGATCTAAGATACAATGAAGCCATTTTCCCCCTGATAAGATGAGGTAAAGCCAATGTAACCAAAAGGCAAAAATTACAATCGGTTCAAAGGAACTTTGATGCAGACAAAATGCTGCTGCTGCTGCTCCTGAAATACCCACCCCTTTCCACTACGGGTGGGTTCCCAAGGACATGGGACAGGCAAAGTGTGAGCCAAAGGATCCTTCCTTATTCCTAAGCAGAGCATCTGCTCTGGGCCCTGGCCTCCTTCCCTTCTTGGGAAACTGGGCTGCATGAGGTGGGCCCTGGTAGTTTGTACCCCAGGCCCCTATACTCTTCCTTCCTATGTCCACAGCTGACCCCAAGCAGCCGTTCCCCGACTCCTCACCCCTGAGCCTCACCCTGAACTCCCTCATCTTGCAAGGCCATAAGTGTTTTCCAAGCAAAATGCCTCTCCCATCCTCTCTCAGGAAGCTTCTAGAGACTTTATGCCCTCCAGAGCTCCAAGATATAAGCCCTCCAAGGGATCAGAAGCTCCAAGTTCCTGTCTTCTGTTTTATAGAAATTGATCTTCCCTGGGGGACTTTAACTCTTGACCTGTATGCAGCTGTTGGAGTAATTCCAGGTCTCTTGAAAAAAAAGAGGAAGATAATGGAGAATGAGAACATATATATATATATATTAAGCCCCAGGCTGAATACTCAGGGACAGCAATTCACAGCCTGCCTCTGGTTCTATAAACAAGTCATTCTACCTCTTTGTGCCCTGCTGTTTATTCTGTAAGGGGAAGGTGGCAATGGGACCCAGCTCCATCAGACACTTGTCAAGCTAGCAGAAACTCCATTTTCAATGCCAAAGAAGAACTGTAATGCTGTTTTGGAATCATCCCAAGGCATCCCAAGACACCATATCTTCCCATTTCAAGCACTGCCTGGGCACACCCCAACATCCCAGGCTGTGGTGGCTCCTGTGGGAACTACCTAGATGAAGAGAGTATCATTTATACCTTCTAGGAGCTCCTATTGGGAGACATGAAACATATGTAATTGACTACCATGTAATAGAACAAACCCTGCCAAGTGCTGCTTTGGAAAGTCATGGAGGTAAAAGAAAGACCATTC
【0478】
配列番号7。ヒトMASP-3のタンパク質配列:
MRWLLLYYALCFSLSKASAHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKIVDCRAPGELEHGLITFSTRNNLTTYKSEIKYSCQEPYYKMLNNNTGIYTCSAQGVWMNKVLGRSLPTCLPECGQPSRSLPSLVKRIIGGRNAEPGLFPWQALIVVEDTSRVPNDKWFGSGALLSASWILTAAHVLRSQRRDTTVIPVSKEHVTVYLGLHDVRDKSGAVNSSAARVVLHPDFNIQNYNHDIALVQLQEPVPLGPHVMPVCLPRLEPEGPAPHMLGLVAGWGISNPNVTVDEIISSGTRTLSDVLQYVKLPVVPHAECKTSYESRSGNYSVTENMFCAGYYEGGKDTCLGDSGGAFVIFDDLSQRWVVQGLVSWGGPEECGSKQVYGVYTKVSNYVDWVWEQMGLPQSVVEPQVER
【0479】
配列番号8。ヒトMASP-3のcDNA配列:
GAAGTCAGCCACACAGGATAAAGGAGGGAAGGGAAGGAGCAGATCTTTTCGGTAGGAAGACAGATTTTGTTGTCAGGTTCCTGGGAGTGCAAGAGCAAGTCAAAGGAGAGAGAGAGGAGAGAGGAAAAGCCAGAGGGAGAGAGGGGGAGAGGGGATCTGTTGCAGGCAGGGGAAGGCGTGACCTGAATGGAGAATGCCAGCCAATTCCAGAGACACACAGGGACCTCAGAACAAAGATAAGGCATCACGGACACCACACCGGGCACGAGCTCACAGGCAAGTCAAGCTGGGAGGACCAAGGCCGGGCAGCCGGGAGCACCCAAGGCAGGAAAATGAGGTGGCTGCTTCTCTATTATGCTCTGTGCTTCTCCCTGTCAAAGGCTTCAGCCCACACCGTGGAGCTAAACAATATGTTTGGCCAGATCCAGTCGCCTGGTTATCCAGACTCCTATCCCAGTGATTCAGAGGTGACTTGGAATATCACTGTCCCAGATGGGTTTCGGATCAAGCTTTACTTCATGCACTTCAACTTGGAATCCTCCTACCTTTGTGAATATGACTATGTGAAGGTAGAAACTGAGGACCAGGTGCTGGCAACCTTCTGTGGCAGGGAGACCACAGACACAGAGCAGACTCCCGGCCAGGAGGTGGTCCTCTCCCCTGGCTCCTTCATGTCCATCACTTTCCGGTCAGATTTCTCCAATGAGGAGCGTTTCACAGGCTTTGATGCCCACTACATGGCTGTGGATGTGGACGAGTGCAAGGAGAGGGAGGACGAGGAGCTGTCCTGTGACCACTACTGCCACAACTACATTGGCGGCTACTACTGCTCCTGCCGCTTCGGCTACATCCTCCACACAGACAACAGGACCTGCCGAGTGGAGTGCAGTGACAACCTCTTCACTCAAAGGACTGGGGTGATCACCAGCCCTGACTTCCCAAACCCTTACCCCAAGAGCTCTGAATGCCTGTATACCATCGAGCTGGAGGAGGGTTTCATGGTCAACCTGCAGTTTGAGGACATATTTGACATTGAGGACCATCCTGAGGTGCCCTGCCCCTATGACTACATCAAGATCAAAGTTGGTCCAAAAGTTTTGGGGCCTTTCTGTGGAGAGAAAGCCCCAGAACCCATCAGCACCCAGAGCCACAGTGTCCTGATCCTGTTCCATAGTGACAACTCGGGAGAGAACCGGGGCTGGAGGCTCTCATACAGGGCTGCAGGAAATGAGTGCCCAGAGCTACAGCCTCCTGTCCATGGGAAAATCGAGCCCTCCCAAGCCAAGTATTTCTTCAAAGACCAAGTGCTCGTCAGCTGTGACACAGGCTACAAAGTGCTGAAGGATAATGTGGAGATGGACACATTCCAGATTGAGTGTCTGAAGGATGGGACGTGGAGTAACAAGATTCCCACCTGTAAAATTGTAGACTGTAGAGCCCCAGGAGAGCTGGAACACGGGCTGATCACCTTCTCTACAAGGAACAACCTCACCACATACAAGTCTGAGATCAAATACTCCTGTCAGGAGCCCTATTACAAGATGCTCAACAATAACACAGGTATATATACCTGTTCTGCCCAAGGAGTCTGGATGAATAAAGTATTGGGGAGAAGCCTACCCACCTGCCTTCCAGAGTGTGGTCAGCCCTCCCGCTCCCTGCCAAGCCTGGTCAAGAGGATCATTGGGGGCCGAAATGCTGAGCCTGGCCTCTTCCCGTGGCAGGCCCTGATAGTGGTGGAGGACACTTCGAGAGTGCCAAATGACAAGTGGTTTGGGAGTGGGGCCCTGCTCTCTGCGTCCTGGATCCTCACAGCAGCTCATGTGCTGCGCTCCCAGCGTAGAGACACCACGGTGATACCAGTCTCCAAGGAGCATGTCACCGTCTACCTGGGCTTGCATGATGTGCGAGACAAATCGGGGGCAGTCAACAGCTCAGCTGCCCGAGTGGTGCTCCACCCAGACTTCAACATCCAAAACTACAACCACGATATAGCTCTGGTGCAGCTGCAGGAGCCTGTGCCCCTGGGACCCCACGTTATGCCTGTCTGCCTGCCAAGGCTTGAGCCTGAAGGCCCGGCCCCCCACATGCTGGGCCTGGTGGCCGGCTGGGGCATCTCCAATCCCAATGTGACAGTGGATGAGATCATCAGCAGTGGCACACGGACCTTGTCAGATGTCCTGCAGTATGTCAAGTTACCCGTGGTGCCTCACGCTGAGTGCAAAACTAGCTATGAGTCCCGCTCGGGCAATTACAGCGTCACGGAGAACATGTTCTGTGCTGGCTACTACGAGGGCGGCAAAGACACGTGCCTTGGAGATAGCGGTGGGGCCTTTGTCATCTTTGATGACTTGAGCCAGCGCTGGGTGGTGCAAGGCCTGGTGTCCTGGGGGGGACCTGAAGAATGCGGCAGCAAGCAGGTCTATGGAGTCTACACAAAGGTCTCCAATTACGTGGACTGGGTGTGGGAGCAGATGGGCTTACCACAAAGTGTTGTGGAGCCCCAGGTGGAACGGTGAGCTGACTTACTTCCTCGGGGCCTGCCTCCCCTGAGCGAAGCTACACCGCACTTCCGACAGCACACTCCACATTACTTATCAGACCATATGGAATGGAACACACTGACCTAGCGGTGGCTTCTCCTACCGAGACAGCCCCCAGGACCCTGAGAGGCAGAGTGTGGTATAGGGAAAAGGCTCCAGGCAGGAGACCTGTGTTCCTGAGCTTGTCCAAGTCTCTTTCCCTGTCTGGGCCTCACTCTACCGAGTAATACAATGCAGGAGCTCAACCAAGGCCTCTGTGCCAATCCCAGCACTCCTTTCCAGGCCATGCTTCTTACCCCAGTGGCCTTTATTCACTCCTGACCACTTATCAAACCCATCGGTCCTACTGTTGGTATAACTGAGCTTGGACCTGACTATTAGAAAATGGTTTCTAACATTGAACTGAATGCCGCATCTGTATATTTTCCTGCTCTGCCTTCTGGGACTAGCCTTGGCCTAATCCTTCCTCTAGGAGAAGAGCATTCAGGTTTTGGGAGATGGCTCATAGCCAAGCCCCTCTCTCTTAGTGTGATCCCTTGGAGCACCTTCATGCCTGGGGTTTCTCTCCCAAAAGCTTCTTGCAGTCTAAGCCTTATCCCTTATGTTCCCCATTAAAGGAATTTCAAAAGACATGGAGAAAGTTGGGAAGGTTTGTGCTGACTGCTGGGAGCAGAATAGCCGTGGGAGGCCCACCAAGCCCTTAAATTCCCATTGTCAACTCAGAACACATTTGGGCCCATATGCCACCCTGGAACACCAGCTGACACCATGGGCGTCCACACCTGCTGCTCCAGACAAGCACAAAGCAATCTTTCAGCCTTGAAATGTATTATCTGAAAGGCTACCTGAAGCCCAGGCCCGAATATGGGGACTTAGTCGATTACCTGGAAAAAGAAAAGACCCACACTGTGTCCTGCTGTGCTTTTGGGCAGGAAAATGGAAGAAAGAGTGGGGTGGGCACATTAGAAGTCACCCAAATCCTGCCAGGCTGCCTGGCATCCCTGGGGCATGAGCTGGGCGGAGAATCCACCCCGCAGGATGTTCAGAGGGACCCACTCCTTCATTTTTCAGAGTCAAAGGAATCAGAGGCTCACCCATGGCAGGCAGTGAAAAGAGCCAGGAGTCCTGGGTTCTAGTCCCTGCTCTGCCCCCAACTGGCTGTATAACCTTTGAAAAATCATTTTCTTTGTCTGAGTCTCTGGTTCTCCGTCAGCAACAGGCTGGCATAAGGTCCCCTGCAGGTTCCTTCTAGCTGGAGCACTCAGAGCTTCCCTGACTGCTAGCAGCCTCTCTGGCCCTCACAGGGCTGATTGTTCTCCTTCTCCCTGGAGCTCTCTCTCCTGAAAATCTCCATCAGAGCAAGGCAGCCAGAGAAGCCCCTGAGAGGGAATGATTGGGAAGTGTCCACTTTCTCAACCGGCTCATCAAACACACTCCTTTGTCTATGAATGGCACATGTAAATGATGTTATATTTTGTATCTTTTATATCATATGCTTCACCATTCTGTAAAGGGCCTCTGCATTGTTGCTCCCATCAGGGGTCTCAAGTGGAAATAAACCCTCGTGGATAACCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
【0480】
配列番号9。ヒトMASP-2のタンパク質配列:
MRLLTLLGLLCGSVATPLGPKWPEPVFGRLASPGFPGEYANDQERRWTLTAPPGYRLRLYFTHFDLELSHLCEYDFVKLSSGAKVLATLCGQESTDTERAPGKDTFYSLGSSLDITFRSDYSNEKPFTGFEAFYAAEDIDECQVAPGEAPTCDHHCHNHLGGFYCSCRAGYVLHRNKRTCSALCSGQVFTQRSGELSSPEYPRPYPKLSSCTYSISLEEGFSVILDFVESFDVETHPETLCPYDFLKIQTDREEHGPFCGKTLPHRIETKSNTVTITFVTDESGDHTGWKIHYTSTAQPCPYPMAPPNGHVSPVQAKYILKDSFSIFCETGYELLQGHLPLKSFTAVCQKDGSWDRPMPACSIVDCGPPDDLPSGRVEYITGPGVTTYKAVIQYSCEETFYTMKVNDGKYVCEADGFWTSSKGEKSLPVCEPVCGLSARTTGGRIYGGQKAKPGDFPWQVLILGGTTAAGALLYDNWVLTAAHAVYEQKHDASALDIRMGTLKRLSPHYTQAWSEAVFIHEGYTHDAGFDNDIALIKLNNKVVINSNITPICLPRKEAESFMRTDDIGTASGWGLTQRGFLARNLMYVDIPIVDHQKCTAAYEKPPYPRGSVTANMLCAGLESGGKDSCRGDSGGALVFLDSETERWFVGGIVSWGSMNCGEAGQYGVYTKVINYIPWIENIISDF
【0481】
配列番号10。ヒトMASP-2のcDNA配列:
GGCCAGCTGGACGGGCACACCATGAGGCTGCTGACCCTCCTGGGCCTTCTGTGTGGCTCGGTGGCCACCCCCTTGGGCCCGAAGTGGCCTGAACCTGTGTTCGGGCGCCTGGCATCCCCCGGCTTTCCAGGGGAGTATGCCAATGACCAGGAGCGGCGCTGGACCCTGACTGCACCCCCCGGCTACCGCCTGCGCCTCTACTTCACCCACTTCGACCTGGAGCTCTCCCACCTCTGCGAGTACGACTTCGTCAAGCTGAGCTCGGGGGCCAAGGTGCTGGCCACGCTGTGCGGGCAGGAGAGCACAGACACGGAGCGGGCCCCTGGCAAGGACACTTTCTACTCGCTGGGCTCCAGCCTGGACATTACCTTCCGCTCCGACTACTCCAACGAGAAGCCGTTCACGGGGTTCGAGGCCTTCTATGCAGCCGAGGACATTGACGAGTGCCAGGTGGCCCCGGGAGAGGCGCCCACCTGCGACCACCACTGCCACAACCACCTGGGCGGTTTCTACTGCTCCTGCCGCGCAGGCTACGTCCTGCACCGTAACAAGCGCACCTGCTCAGCCCTGTGCTCCGGCCAGGTCTTCACCCAGAGGTCTGGGGAGCTCAGCAGCCCTGAATACCCACGGCCGTATCCCAAACTCTCCAGTTGCACTTACAGCATCAGCCTGGAGGAGGGGTTCAGTGTCATTCTGGACTTTGTGGAGTCCTTCGATGTGGAGACACACCCTGAAACCCTGTGTCCCTACGACTTTCTCAAGATTCAAACAGACAGAGAAGAACATGGCCCATTCTGTGGGAAGACATTGCCCCACAGGATTGAAACAAAAAGCAACACGGTGACCATCACCTTTGTCACAGATGAATCAGGAGACCACACAGGCTGGAAGATCCACTACACGAGCACAGCGCAGCCTTGCCCTTATCCGATGGCGCCACCTAATGGCCACGTTTCACCTGTGCAAGCCAAATACATCCTGAAAGACAGCTTCTCCATCTTTTGCGAGACTGGCTATGAGCTTCTGCAAGGTCACTTGCCCCTGAAATCCTTTACTGCAGTTTGTCAGAAAGATGGATCTTGGGACCGGCCAATGCCCGCGTGCAGCATTGTTGACTGTGGCCCTCCTGATGATCTACCCAGTGGCCGAGTGGAGTACATCACAGGTCCTGGAGTGACCACCTACAAAGCTGTGATTCAGTACAGCTGTGAAGAGACCTTCTACACAATGAAAGTGAATGATGGTAAATATGTGTGTGAGGCTGATGGATTCTGGACGAGCTCCAAAGGAGAAAAATCACTCCCAGTCTGTGAGCCTGTTTGTGGACTATCAGCCCGCACAACAGGAGGGCGTATATATGGAGGGCAAAAGGCAAAACCTGGTGATTTTCCTTGGCAAGTCCTGATATTAGGTGGAACCACAGCAGCAGGTGCACTTTTATATGACAACTGGGTCCTAACAGCTGCTCATGCCGTCTATGAGCAAAAACATGATGCATCCGCCCTGGACATTCGAATGGGCACCCTGAAAAGACTATCACCTCATTATACACAAGCCTGGTCTGAAGCTGTTTTTATACATGAAGGTTATACTCATGATGCTGGCTTTGACAATGACATAGCACTGATTAAATTGAATAACAAAGTTGTAATCAATAGCAACATCACGCCTATTTGTCTGCCAAGAAAAGAAGCTGAATCCTTTATGAGGACAGATGACATTGGAACTGCATCTGGATGGGGATTAACCCAAAGGGGTTTTCTTGCTAGAAATCTAATGTATGTCGACATACCGATTGTTGACCATCAAAAATGTACTGCTGCATATGAAAAGCCACCCTATCCAAGGGGAAGTGTAACTGCTAACATGCTTTGTGCTGGCTTAGAAAGTGGGGGCAAGGACAGCTGCAGAGGTGACAGCGGAGGGGCACTGGTGTTTCTAGATAGTGAAACAGAGAGGTGGTTTGTGGGAGGAATAGTGTCCTGGGGTTCCATGAATTGTGGGGAAGCAGGTCAGTATGGAGTCTACACAAAAGTTATTAACTATATTCCCTGGATCGAGAACATAATTAGTGATTTTTAACTTGCGTGTCTGCAGTCAAGGATTCTTCATTTTTAGAAATGCCTGTGAAGACCTTGGCAGCGACGTGGCTCGAGAAGCATTCATCATTACTGTGGACATGGCAGTTGTTGCTCCACCCAAAAAAACAGACTCCAGGTGAGGCTGCTGTCATTTCTCCACTTGCCAGTTTAATTCCAGCCTTACCCATTGACTCAAGGGGACATAAACCACGAGAGTGACAGTCATCTTTGCCCACCCAGTGTAATGTCACTGCTCAAATTACATTTCATTACCTTAAAAAGCCAGTCTCTTTTCATACTGGCTGTTGGCATTTCTGTAAACTGCCTGTCCATGCTCTTTGTTTTTAAACTTGTTCTTATTGAAAAAAAAAAAAAAAAA
【0482】
配列番号11。ヒトsMAP(MAp19)のタンパク質配列:
MRLLTLLGLLCGSVATPLGPKWPEPVFGRLASPGFPGEYANDQERRWTLTAPPGYRLRLYFTHFDLELSHLCEYDFVKLSSGAKVLATLCGQESTDTERAPGKDTFYSLGSSLDITFRSDYSNEKPFTGFEAFYAAEDIDECQVAPGEAPTCDHHCHNHLGGFYCSCRAGYVLHRNKRTCSEQSL
【0483】
配列番号12。ヒトsMAP(MAp19)のcDNA配列:
GGCCAGCTGGACGGGCACACCATGAGGCTGCTGACCCTCCTGGGCCTTCTGTGTGGCTCGGTGGCCACCCCCTTGGGCCCGAAGTGGCCTGAACCTGTGTTCGGGCGCCTGGCATCCCCCGGCTTTCCAGGGGAGTATGCCAATGACCAGGAGCGGCGCTGGACCCTGACTGCACCCCCCGGCTACCGCCTGCGCCTCTACTTCACCCACTTCGACCTGGAGCTCTCCCACCTCTGCGAGTACGACTTCGTCAAGCTGAGCTCGGGGGCCAAGGTGCTGGCCACGCTGTGCGGGCAGGAGAGCACAGACACGGAGCGGGCCCCTGGCAAGGACACTTTCTACTCGCTGGGCTCCAGCCTGGACATTACCTTCCGCTCCGACTACTCCAACGAGAAGCCGTTCACGGGGTTCGAGGCCTTCTATGCAGCCGAGGACATTGACGAGTGCCAGGTGGCCCCGGGAGAGGCGCCCACCTGCGACCACCACTGCCACAACCACCTGGGCGGTTTCTACTGCTCCTGCCGCGCAGGCTACGTCCTGCACCGTAACAAGCGCACCTGCTCAGAGCAGAGCCTCTAGCCTCCCCTGGAGCTCCGGCCTGCCCAGCAGGTCAGAAGCCAGAGCCAGCCTGCTGGCCTCAGCTCCGGGTTGGGCTGAGATGGCTGTGCCCCAACTCCCATTCACCCACCATGGACCCAATAATAAACCTGGCCCCACCCCAAAAAAAAAAAAAAAAAA
【0484】
DNAプライマー:
配列番号13: 5´-gcacccagagccacagtg-3´
配列番号14: 5´-gccttccagtgtgtgggc-3´
配列番号15: 5-gccttccagagtgtggtca-3´
配列番号16: 5´-cgatctggagagcgaactc-3´
配列番号17: 5´-ctgttcttcacactggctg-3´
配列番号18: 5´-ctgctgagatcatgttgttc-3´
配列番号19: 5'-TTATACGACTCACTA-3'
【0485】
配列番号20(ヒト補体因子Hのアミノ酸配列):
MRLLAKIICLMLWAICVAEDCNELPPRRNTEILTGSWSDQTYPEGTQAIYKCRPGYRSLGNVIMVCRKGEWVALNPLRKCQKRPCGHPGDTPFGTFTLTGGNVFEYGVKAVYTCNEGYQLLGEINYRECDTDGWTNDIPICEVVKCLPVTAPENGKIVSSAMEPDREYHFGQAVRFVCNSGYKIEGDEEMHCSDDGFWSKEKPKCVEISCKSPDVINGSPISQKIIYKENERFQYKCNMGYEYSERGDAVCTESGWRPLPSCEEKSCDNPYIPNGDYSPLRIKHRTGDEITYQCRNGFYPATRGNTAKCTSTGWIPAPRCTLKPCDYPDIKHGGLYHENMRRPYFPVAVGKYYSYYCDEHFETPSGSYWDHIHCTQDGWSPAVPCLRKCYFPYLENGYNQNHGRKFVQGKSIDVACHPGYALPKAQTTVTCMENGWSPTPRCIRVKTCSKSSIDIENGFISESQYTYALKEKAKYQCKLGYVTADGETSGSIRCGKDGWSAQPTCIKSCDIPVFMNARTKNDFTWFKLNDTLDYECHDGYESNTGSTTGSIVCGYNGWSDLPICYERECELPKIDVHLVPDRKKDQYKVGEVLKFSCKPGFTIVGPNSVQCYHFGLSPDLPICKEQVQSCGPPPELLNGNVKEKTKEEYGHSEVVEYYCNPRFLMKGPNKIQCVDGEWTTLPVCIVEESTCGDIPELEHGWAQLSSPPYYYGDSVEFNCSESFTMIGHRSITCIHGVWTQLPQCVAIDKLKKCKSSNLIILEEHLKNKKEFDHNSNIRYRCRGKEGWIHTVCINGRWDPEVNCSMAQIQLCPPPPQIPNSHNMTTTLNYRDGEKVSVLCQENYLIQEGEEITCKDGRWQSIPLCVEKIPCSQPPQIEHGTINSSRSSQESYAHGTKLSYTCEGGFRISEENETTCYMGKWSSPPQCEGLPCKSPPEISHGVVAHMSDSYQYGEEVTYKCFEGFGIDGPAIAKCLGEKWSHPPSCIKTDCLSLPSFENAIPMGEKKDVYKAGEQVTYTCATYYKMDGASNVTCINSRWTGRPTCRDTSCVNPPTVQNAYIVSRQMSKYPSGERVRYQCRSPYEMFGDEEVMCLNGNWTEPPQCKDSTGKCGPPPPIDNGDITSFPLSVYAPASSVEYQCQNLYQLEGNKRITCRNGQWSEPPKCLHPCVISREIMENYNIALRWTAKQKLYSRTGESVEFVCKRGYRLSSRSHTLRTTCWDGKLEYPTCAKR
【0486】
配列番号21(ヒトC4bpアルファーのアミノ酸配列):
MHPPKTPSGALHRKRKMAAWPFSRLWKVSDPILFQMTLIAALLPAVLGNCGPPPTLSFAAPMDITLTETRFKTGTTLKYTCLPGYVRSHSTQTLTCNSDGEWVYNTFCIYKRCRHPGELRNGQVEIKTDLSFGSQIEFSCSEGFFLIGSTTSRCEVQDRGVGWSHPLPQCEIVKCKPPPDIRNGRHSGEENFYAYGFSVTYSCDPRFSLLGHASISCTVENETIGVWRPSPPTCEKITCRKPDVSHGEMVSGFGPIYNYKDTIVFKCQKGFVLRGSSVIHCDADSKWNPSPPACEPNSCINLPDIPHASWETYPRPTKEDVYVVGTVLRYRCHPGYKPTTDEPTTVICQKNLRWTPYQGCEALCCPEPKLNNGEITQHRKSRPANHCVYFYGDEISFSCHETSRFSAICQGDGTWSPRTPSCGDICNFPPKIAHGHYKQSSSYSFFKEEIIYECDKGYILVGQAKLSCSYSHWSAPAPQCKALCRKPELVNGRLSVDKDQYVEPENVTIQCDSGYGVVGPQSITCSGNRTWYPEVPKCEWETPEGCEQVLTGKRLMQCLPNPEDVKMALEVYKLSLEIEQLELQRDSARQSTLDKEL
【0487】
配列番号22(ヒトC4bp ベータのアミノ酸配列):
MFFWCACCLMVAWRVSASDAEHCPELPPVDNSIFVAKEVEGQILGTYVCIKGYHLVGKKTLFCNASKEWDNTTTECRLGHCPDPVLVNGEFSSSGPVNVSDKITFMCNDHYILKGSNRSQCLEDHTWAPPFPICKSRDCDPPGNPVHGYFEGNNFTLGSTISYYCEDRYYLVGVQEQQCVDGEWSSALPVCKLIQEAPKPECEKALLAFQESKNLCEAMENFMQQLKESGMTMEELKYSLELKKAELKAKLL
【0488】
配列番号23(ヒトFIのアミノ酸配列):
MKLLHVFLLFLCFHLRFCKVTYTSQEDLVEKKCLAKKYTHLSCDKVFCQPWQRCIEGTCVCKLPYQCPKNGTAVCATNRRSFPTYCQQKSLECLHPGTKFLNNGTCTAEGKFSVSLKHGNTDSEGIVEVKLVDQDKTMFICKSSWSMREANVACLDLGFQQGADTQRRFKLSDLSINSTECLHVHCRGLETSLAECTFTKRRTMGYQDFADVVCYTQKADSPMDDFFQCVNGKYISQMKACDGINDCGDQSDELCCKACQGKGFHCKSGVCIPSQYQCNGEVDCITGEDEVGCAGFASVAQEETEILTADMDAERRRIKSLLPKLSCGVKNRMHIRRKRIVGGKRAQLGDLPWQVAIKDASGITCGGIYIGGCWILTAAHCLRASKTHRYQIWTTVVDWIHPDLKRIVIEYVDRIIFHENYNAGTYQNDIALIEMKKDGNKKDCELPRSIPACVPWSPYLFQPNDTCIVSGWGREKDNERVFSLQWGEVKLISNCSKFYGNRFYEKEMECAGTYDGSIDACKGDSGGPLVCMDANNVTYVWGVVSWGENCGKPEFPGVYTKVANYFDWISYHVGRPFISQYNV
【0489】
配列番号24(ヒトC1-inhのアミノ酸配列):
MASRLTLLTLLLLLLAGDRASSNPNATSSSSQDPESLQDRGEGKVATTVISKMLFVEPILEVSSLPTTNSTTNSATKITANTTDEPTTQPTTEPTTQPTIQPTQPTTQLPTDSPTQPTTGSFCPGPVTLCSDLESHSTEAVLGDALVDFSLKLYHAFSAMKKVETNMAFSPFSIASLLTQVLLGAGENTKTNLESILSYPKDFTCVHQALKGFTTKGVTSVSQIFHSPDLAIRDTFVNASRTLYSSSPRVLSNNSDANLELINTWVAKNTNNKISRLLDSLPSDTRLVLLNAIYLSAKWKTTFDPKKTRMEPFHFKNSVIKVPMMNSKKYPVAHFIDQTLKAKVGQLQLSHNLSLVILVPQNLKHRLEDMEQALSPSVFKAIMEKLEMSKFQPTLLTLPRIKVTTSQDMLSIMEKLEFFDFSYDLNLCGLTEDPDLQVSAMQHQTVLELTETGVEAAAASAISVARTLLVFEVQQPFLFVLWDQQHKFPVFMGRVYDPRA
【0490】
配列番号25(ヒトMAP1/FHのアミノ酸配列):
HTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKKNEIDLESELKSEQVTEGGGGSGGGGSCVAEDCNELPPRRNTEILTGSWSDQTYPEGTQAIYKCRPGYRSLGNVIMVCRKGEWVALNPLRKCQKRPCGHPGDTPFGTFTLTGGNVFEYGVKAVYTCNEGYQLLGEINYRECDTDGWTNDIPICEVVKCLPVTAPENGKIVSSAMEPDREYHFGQAVRFVCNSGYKIEGDEEMHCSDDGFWSKEKPKCVEISCKSPDVINGSPISQKIIYKENERFQYKCNMGYEYSERGDAVCTESGWRPLPSCEEKSCDNPYIPNGDYSPLRIKHRTGDEITYQCRNGFYPATRGNTAKCTSTGWIPAPRCTLKP
【0491】
配列番号26(ヒトMAP-1/FHの核酸配列):
CACACCGTGGAGCTAAACAATATGTTTGGCCAGATCCAGTCGCCTGGTTATCCAGACTCCTATCCCAGTGATTCAGAGGTGACTTGGAATATCACTGTCCCAGATGGGTTTCGGATCAAGCTTTACTTCATGCACTTCAACTTGGAATCCTCCTACCTTTGTGAATATGACTATGTGAAGGTAGAAACTGAGGACCAGGTGCTGGCAACCTTCTGTGGCAGGGAGACCACAGACACAGAGCAGACTCCCGGCCAGGAGGTGGTCCTCTCCCCTGGCTCCTTCATGTCCATCACTTTCCGGTCAGATTTCTCCAATGAGGAGCGTTTCACAGGCTTTGATGCCCACTACATGGCTGTGGATGTGGACGAGTGCAAGGAGAGGGAGGACGAGGAGCTGTCCTGTGACCACTACTGCCACAACTACATTGGCGGCTACTACTGCTCCTGCCGCTTCGGCTACATCCTCCACACAGACAACAGGACCTGCCGAGTGGAGTGCAGTGACAACCTCTTCACTCAAAGGACTGGGGTGATCACCAGCCCTGACTTCCCAAACCCTTACCCCAAGAGCTCTGAATGCCTGTATACCATCGAGCTGGAGGAGGGTTTCATGGTCAACCTGCAGTTTGAGGACATATTTGACATTGAGGACCATCCTGAGGTGCCCTGCCCCTATGACTACATCAAGATCAAAGTTGGTCCAAAAGTTTTGGGGCCTTTCTGTGGAGAGAAAGCCCCAGAACCCATCAGCACCCAGAGCCACAGTGTCCTGATCCTGTTCCATAGTGACAACTCGGGAGAGAACCGGGGCTGGAGGCTCTCATACAGGGCTGCAGGAAATGAGTGCCCAGAGCTACAGCCTCCTGTCCATGGGAAAATCGAGCCCTCCCAAGCCAAGTATTTCTTCAAAGACCAAGTGCTCGTCAGCTGTGACACAGGCTACAAAGTGCTGAAGGATAATGTGGAGATGGACACATTCCAGATTGAGTGTCTGAAGGATGGGACGTGGAGTAACAAGATTCCCACCTGTAAAAAAAATGAAATCGATCTGGAGAGCGAACTCAAGTCAGAGCAAGTGACAGAGGGCGGAGGTGGGTCGGGTGGCGGCGGATCTTGTGTAGCAGAAGATTGCAATGAACTTCCTCCAAGAAGAAATACAGAAATTCTGACAGGTTCCTGGTCTGACCAAACATATCCAGAAGGCACCCAGGCTATCTATAAATGCCGCCCTGGATATAGATCTCTTGGAAATGTAATAATGGTATGCAGGAAGGGAGAATGGGTTGCTCTTAATCCATTAAGGAAATGTCAGAAAAGGCCCTGTGGACATCCTGGAGATACTCCTTTTGGTACTTTTACCCTTACAGGAGGAAATGTGTTTGAATATGGTGTAAAAGCTGTGTATACATGTAATGAGGGGTATCAATTGCTAGGTGAGATTAATTACCGTGAATGTGACACAGATGGATGGACCAATGATATTCCTATATGTGAAGTTGTGAAGTGTTTACCAGTGACAGCACCAGAGAATGGAAAAATTGTCAGTAGTGCAATGGAACCAGATCGGGAATACCATTTTGGACAAGCAGTACGGTTTGTATGTAACTCAGGCTACAAGATTGAAGGAGATGAAGAAATGCATTGTTCAGACGATGGTTTTTGGAGTAAAGAGAAACCAAAGTGTGTGGAAATTTCATGCAAATCCCCAGATGTTATAAATGGATCTCCTATATCTCAGAAGATTATTTATAAGGAGAATGAACGATTTCAATATAAATGTAACATGGGTTATGAATACAGTGAAAGAGGAGATGCTGTATGCACTGAATCTGGATGGCGTCCGTTGCCTTCATGTGAAGAAAAATCATGTGATAATCCTTATATTCCAAATGGTGACTACTCACCTTTAAGGATTAAACACAGAACTGGAGATGAAATCACGTACCAGTGTAGAAATGGTTTTTATCCTGCAACCCGGGGAAATACAGCAAAATGCACAAGTACTGGCTGGATACCTGCTCCGAGATGTACCT
【0492】
配列番号27(ヒトFH/MAP-1のアミノ酸配列):
CVAEDCNELPPRRNTEILTGSWSDQTYPEGTQAIYKCRPGYRSLGNVIMVCRKGEWVALNPLRKCQKRPCGHPGDTPFGTFTLTGGNVFEYGVKAVYTCNEGYQLLGEINYRECDTDGWTNDIPICEVVKCLPVTAPENGKIVSSAMEPDREYHFGQAVRFVCNSGYKIEGDEEMHCSDDGFWSKEKPKCVEISCKSPDVINGSPISQKIIYKENERFQYKCNMGYEYSERGDAVCTESGWRPLPSCEEKSCDNPYIPNGDYSPLRIKHRTGDEITYQCRNGFYPATRGNTAKCTSTGWIPAPRCTLKPGGGGSGGGGSHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKKNEIDLESELKSEQVTE
【0493】
配列番号28(ヒトFH/MAP-1の核酸配列):
TGTGTAGCAGAAGATTGCAATGAACTTCCTCCAAGAAGAAATACAGAAATTCTGACAGGTTCCTGGTCTGACCAAACATATCCAGAAGGCACCCAGGCTATCTATAAATGCCGCCCTGGATATAGATCTCTTGGAAATGTAATAATGGTATGCAGGAAGGGAGAATGGGTTGCTCTTAATCCATTAAGGAAATGTCAGAAAAGGCCCTGTGGACATCCTGGAGATACTCCTTTTGGTACTTTTACCCTTACAGGAGGAAATGTGTTTGAATATGGTGTAAAAGCTGTGTATACATGTAATGAGGGGTATCAATTGCTAGGTGAGATTAATTACCGTGAATGTGACACAGATGGATGGACCAATGATATTCCTATATGTGAAGTTGTGAAGTGTTTACCAGTGACAGCACCAGAGAATGGAAAAATTGTCAGTAGTGCAATGGAACCAGATCGGGAATACCATTTTGGACAAGCAGTACGGTTTGTATGTAACTCAGGCTACAAGATTGAAGGAGATGAAGAAATGCATTGTTCAGACGATGGTTTTTGGAGTAAAGAGAAACCAAAGTGTGTGGAAATTTCATGCAAATCCCCAGATGTTATAAATGGATCTCCTATATCTCAGAAGATTATTTATAAGGAGAATGAACGATTTCAATATAAATGTAACATGGGTTATGAATACAGTGAAAGAGGAGATGCTGTATGCACTGAATCTGGATGGCGTCCGTTGCCTTCATGTGAAGAAAAATCATGTGATAATCCTTATATTCCAAATGGTGACTACTCACCTTTAAGGATTAAACACAGAACTGGAGATGAAATCACGTACCAGTGTAGAAATGGTTTTTATCCTGCAACCCGGGGAAATACAGCAAAATGCACAAGTACTGGCTGGATACCTGCTCCGAGATGTACCTGGCGGAGGTGGGTCGGGTGGCGGCGGATCTCACACCGTGGAGCTAAACAATATGTTTGGCCAGATCCAGTCGCCTGGTTATCCAGACTCCTATCCCAGTGATTCAGAGGTGACTTGGAATATCACTGTCCCAGATGGGTTTCGGATCAAGCTTTACTTCATGCACTTCAACTTGGAATCCTCCTACCTTTGTGAATATGACTATGTGAAGGTAGAAACTGAGGACCAGGTGCTGGCAACCTTCTGTGGCAGGGAGACCACAGACACAGAGCAGACTCCCGGCCAGGAGGTGGTCCTCTCCCCTGGCTCCTTCATGTCCATCACTTTCCGGTCAGATTTCTCCAATGAGGAGCGTTTCACAGGCTTTGATGCCCACTACATGGCTGTGGATGTGGACGAGTGCAAGGAGAGGGAGGACGAGGAGCTGTCCTGTGACCACTACTGCCACAACTACATTGGCGGCTACTACTGCTCCTGCCGCTTCGGCTACATCCTCCACACAGACAACAGGACCTGCCGAGTGGAGTGCAGTGACAACCTCTTCACTCAAAGGACTGGGGTGATCACCAGCCCTGACTTCCCAAACCCTTACCCCAAGAGCTCTGAATGCCTGTATACCATCGAGCTGGAGGAGGGTTTCATGGTCAACCTGCAGTTTGAGGACATATTTGACATTGAGGACCATCCTGAGGTGCCCTGCCCCTATGACTACATCAAGATCAAAGTTGGTCCAAAAGTTTTGGGGCCTTTCTGTGGAGAGAAAGCCCCAGAACCCATCAGCACCCAGAGCCACAGTGTCCTGATCCTGTTCCATAGTGACAACTCGGGAGAGAACCGGGGCTGGAGGCTCTCATACAGGGCTGCAGGAAATGAGTGCCCAGAGCTACAGCCTCCTGTCCATGGGAAAATCGAGCCCTCCCAAGCCAAGTATTTCTTCAAAGACCAAGTGCTCGTCAGCTGTGACACAGGCTACAAAGTGCTGAAGGATAATGTGGAGATGGACACATTCCAGATTGAGTGTCTGAAGGATGGGACGTGGAGTAACAAGATTCCCACCTGTAAAAAAAATGAAATCGATCTGGAGAGCGAACTCAAGTCAGAGCAAGTGACAGAG
【0494】
配列番号29(ヒトMAP-1: CUB1、EGF; CUB2、CCP1、特有の17個のアミノ酸は不含有のアミノ酸配列):
MRWLLLYYALCFSLSKASAHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCK
【0495】
配列番号30(ヒトMAP-1: CUB1、EGF、CUB2のアミノ酸配列):
WLLLYYALCFSLSKASAHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAA
【0496】
配列番号31(ヒトMAP-1: CUB2、CCP1のアミノ酸配列):
VECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKKNEIDLESELKSEQVTE
【0497】
配列番号32(ヒトFH、SCR 1-4のアミノ酸配列):
MRLLAKIICLMLWAICVAEDCNELPPRRNTEILTGSWSDQTYPEGTQAIYKCRPGYRSLGNVIMVCRKGEWVALNPLRKCQKRPCGHPGDTPFGTFTLTGGNVFEYGVKAVYTCNEGYQLLGEINYRECDTDGWTNDIPICEVVKCLPVTAPENGKIVSSAMEPDREYHFGQAVRFVCNSGYKIEGDEEMHCSDDGFWSKEKPKCVEISCKSPDVINGSPISQKIIYKENERFQYKCNMGYEYSERGDAVCTESGWRPLPSCEE
【0498】
配列番号33(ヒトFH、SCR 7-20のアミノ酸配列):
RKCYFPYLENGYNQNHGRKFVQGKSIDVACHPGYALPKAQTTVTCMENGWSPTPRCIRVKTCSKSSIDIENGFISESQYTYALKEKAKYQCKLGYVTADGETSGSIRCGKDGWSAQPTCIKSCDIPVFMNARTKNDFTWFKLNDTLDYECHDGYESNTGSTTGSIVCGYNGWSDLPICYERECELPKIDVHLVPDRKKDQYKVGEVLKFSCKPGFTIVGPNSVQCYHFGLSPDLPICKEQVQSCGPPPELLNGNVKEKTKEEYGHSEVVEYYCNPRFLMKGPNKIQCVDGEWTTLPVCIVEESTCGDIPELEHGWAQLSSPPYYYGDSVEFNCSESFTMIGHRSITCIHGVWTQLPQCVAIDKLKKCKSSNLIILEEHLKNKKEFDHNSNIRYRCRGKEGWIHTVCINGRWDPEVNCSMAQIQLCPPPPQIPNSHNMTTTLNYRDGEKVSVLCQENYLIQEGEEITCKDGRWQSIPLCVEKIPCSQPPQIEHGTINSSRSSQESYAHGTKLSYTCEGGFRISEENETTCYMGKWSSPPQCEGLPCKSPPEISHGVVAHMSDSYQYGEEVTYKCFEGFGIDGPAIAKCLGEKWSHPPSCIKTDCLSLPSFENAIPMGEKKDVYKAGEQVTYTCATYYKMDGASNVTCINSRWTGRPTCRDTSCVNPPTVQNAYIVSRQMSKYPSGERVRYQCRSPYEMFGDEEVMCLNGNWTEPPQCKDSTGKCGPPPPIDNGDITSFPLSVYAPASSVEYQCQNLYQLEGNKRITCRNGQWSEPPKCLHPCVISREIMENYNIALRWTAKQKLYSRTGESVEFVCKRGYRLSSRSHTLRTTCWDGKLEYPTCAKR
【0499】
配列番号34(ヒトFH、SCR 7-14のアミノ酸配列):
KTCSKSSIDIENGFISESQYTYALKEKAKYQCKLGYVTADGETSGSIRCGKDGWSAQPTCIKSCDIPVFMNARTKNDFTWFKLNDTLDYECHDGYESNTGSTTGSIVCGYNGWSDLPICYERECELPKIDVHLVPDRKKDQYKVGEVLKFSCKPGFTIVGPNSVQCYHFGLSPDLPICKEQVQSCGPPPELLNGNVKEKTKEEYGHSEVVEYYCNPRFLMKGPNKIQCVDGEWTTLPVCIVEESTCGDIPELEHGWAQLSSPPYYYGDSVEFNCSESFTMIGHRSITCIHGVWTQLPQCVAIDKLKKCKSSNLIILEEHLKNKKEFDHNSNIRYRCRGKEGWIHTVCINGRWDPEVNCSMAQIQLCPPPPQIPNSHNMTTTLNYRDGEKVSVLCQENYLIQEGEEITCKDGRWQSIPLCVEKIPCSQPPQIEHGTINSSRSSQESYAHGTKLSYTCEGGFRISEENETTCYMGKWSSPPQCEG
【0500】
配列番号35(ヒトFH、SCR 12-14のアミノ酸配列):
ESTCGDIPELEHGWAQLSSPPYYYGDSVEFNCSESFTMIGHRSITCIHGVWTQLPQCVAIDKLKKCKSSNLIILEEHLKNKKEFDHNSNIRYRCRGKEGWIHTVCINGRWDPEVNCSMAQIQLCPPPPQIPNSHNMTTTLNYRDGEKVSVLCQENYLIQEGEEITCKDGRWQSIPLCVEK
【0501】
配列番号36(ヒトFH、SCR 19-20のアミノ酸配列):
TGKCGPPPPIDNGDITSFPLSVYAPASSVEYQCQNLYQLEGNKRITCRNGQWSEPPKCLHPCVISREIMENYNIALRWTAKQKLYSRTGESVEFVCKRGYRLSSRSHTLRTTCWDGKLEYPTCAKR
【0502】
配列番号37(ヒトC4bp、アルファー鎖、SCR 1-3のアミノ酸配列):
NCGPPPTLSFAAPMDITLTETRFKTGTTLKYTCLPGYVRSHSTQTLTCNSDGEWVYNTFCIYKRCRHPGELRNGQVEIKTDLSFGSQIEFSCSEGFFLIGSTTSRCEVQDRGVGWSHPLPQCEIVKCKPPPDIRNGRHSGEENFYAYGFSVTYSCDPRFSLLGHASISCTVENETIGVWRPSPPTCEK
【0503】
配列番号38(ヒトC4bp、アルファー鎖、SCR 1-3 + ベータ鎖、SCR 2のアミノ酸配列):
NCGPPPTLSFAAPMDITLTETRFKTGTTLKYTCLPGYVRSHSTQTLTCNSDGEWVYNTFCIYKRCRHPGELRNGQVEIKTDLSFGSQIEFSCSEGFFLIGSTTSRCEVQDRGVGWSHPLPQCEIVKCKPPPDIRNGRHSGEENFYAYGFSVTYSCDPRFSLLGHASISCTVENETIGVWRPSPPTCEKGHCPDPVLVNGEFSSSGPVNVSDKITFMCNDHYILKGSNRSQCLEDHTWAPPFPICKS
【0504】
配列番号39(ヒトC4bp、アルファー鎖、SCR 1-3 + ベータ鎖、SCR 1-2のアミノ酸配列):
NCGPPPTLSFAAPMDITLTETRFKTGTTLKYTCLPGYVRSHSTQTLTCNSDGEWVYNTFCIYKRCRHPGELRNGQVEIKTDLSFGSQIEFSCSEGFFLIGSTTSRCEVQDRGVGWSHPLPQCEIVKCKPPPDIRNGRHSGEENFYAYGFSVTYSCDPRFSLLGHASISCTVENETIGVWRPSPPTCEKEHCPELPPVDNSIFVAKEVEGQILGTYVCIKGYHLVGKKTLFCNASKEWDNTTTECRLGHCPDPVLVNGEFSSSGPVNVSDKITFMCNDHYILKGSNRSQCLEDHTWAPPFPICKS
【0505】
配列番号40(ヒトC4bp、アルファー鎖、SCR 1-8 + ベータ鎖、SCR 1-3のアミノ酸配列):
NCGPPPTLSFAAPMDITLTETRFKTGTTLKYTCLPGYVRSHSTQTLTCNSDGEWVYNTFCIYKRCRHPGELRNGQVEIKTDLSFGSQIEFSCSEGFFLIGSTTSRCEVQDRGVGWSHPLPQCEIVKCKPPPDIRNGRHSGEENFYAYGFSVTYSCDPRFSLLGHASISCTVENETIGVWRPSPPTCEKITCRKPDVSHGEMVSGFGPIYNYKDTIVFKCQKGFVLRGSSVIHCDADSKWNPSPPACEPNSCINLPDIPHASWETYPRPTKEDVYVVGTVLRYRCHPGYKPTTDEPTTVICQKNLRWTPYQGCEALCCPEPKLNNGEITQHRKSRPANHCVYFYGDEISFSCHETSRFSAICQGDGTWSPRTPSCGDICNFPPKIAHGHYKQSSSYSFFKEEIIYECDKGYILVGQAKLSCSYSHWSAPAPQCKALCRKPELVNGRLSVDKDQYVEPENVTIQCDSGYGVVGPQSITCSGNRTWYPEVPKCEWEHCPELPPVDNSIFVAKEVEGQILGTYVCIKGYHLVGKKTLFCNASKEWDNTTTECRLGHCPDPVLVNGEFSSSGPVNVSDKITFMCNDHYILKGSNRSQCLEDHTWAPPFPICKSRDCDPPGNPVHGYFEGNNFTLGSTISYYCEDRYYLVGVQEQQCVDGEWSSALPVCKL
【0506】
配列番号41(ヒトFI、SRCR、LDLRa1、LDLRb1、SPのアミノ酸配列):
KFSVSLKHGNTDSEGIVEVKLVDQDKTMFICKSSWSMREANVACLDLGFQQGADTQRRFKLSDLSINSTECLHVHCRGLETSLAECTFTKRRTMGYQDFADVVCYTQKADSPMDDFFQCVNGKYISQMKACDGINDCGDQSDELCCKACQGKGFHCKSGVCIPSQYQCNGEVDCITGEDEVGCAGFASVAQEETEILTADMDAERRRIKSLLPKLSCGVKNRMHIRRKRIVGGKRAQLGDLPWQVAIKDASGITCGGIYIGGCWILTAAHCLRASKTHRYQIWTTVVDWIHPDLKRIVIEYVDRIIFHENYNAGTYQNDIALIEMKKDGNKKDCELPRSIPACVPWSPYLFQPNDTCIVSGWGREKDNERVFSLQWGEVKLISNCSKFYGNRFYEKEMECAGTYDGSIDACKGDSGGPLVCMDANNVTYVWGVVSWGENCGKPEFPGVYTKVANYFDWISYHVGRPFISQYNV
【0507】
配列番号42(ヒトFI、LDLRa1、LDLRb1、SPのアミノ酸配列):
KADSPMDDFFQCVNGKYISQMKACDGINDCGDQSDELCCKACQGKGFHCKSGVCIPSQYQCNGEVDCITGEDEVGCAGFASVAQEETEILTADMDAERRRIKSLLPKLSCGVKNRMHIRRKRIVGGKRAQLGDLPWQVAIKDASGITCGGIYIGGCWILTAAHCLRASKTHRYQIWTTVVDWIHPDLKRIVIEYVDRIIFHENYNAGTYQNDIALIEMKKDGNKKDCELPRSIPACVPWSPYLFQPNDTCIVSGWGREKDNERVFSLQWGEVKLISNCSKFYGNRFYEKEMECAGTYDGSIDACKGDSGGPLVCMDANNVTYVWGVVSWGENCGKPEFPGVYTKVANYFDWISYHVGRPFISQYNV
【0508】
配列番号43(ヒトFI、LDLRb1、SPのアミノ酸配列):
KACQGKGFHCKSGVCIPSQYQCNGEVDCITGEDEVGCAGFASVAQEETEILTADMDAERRRIKSLLPKLSCGVKNRMHIRRKRIVGGKRAQLGDLPWQVAIKDASGITCGGIYIGGCWILTAAHCLRASKTHRYQIWTTVVDWIHPDLKRIVIEYVDRIIFHENYNAGTYQNDIALIEMKKDGNKKDCELPRSIPACVPWSPYLFQPNDTCIVSGWGREKDNERVFSLQWGEVKLISNCSKFYGNRFYEKEMECAGTYDGSIDACKGDSGGPLVCMDANNVTYVWGVVSWGENCGKPEFPGVYTKVANYFDWISYHVGRPFISQYNV
【0509】
配列番号44(ヒトFI、SPのアミノ酸配列):
VAQEETEILTADMDAERRRIKSLLPKLSCGVKNRMHIRRKRIVGGKRAQLGDLPWQVAIKDASGITCGGIYIGGCWILTAAHCLRASKTHRYQIWTTVVDWIHPDLKRIVIEYVDRIIFHENYNAGTYQNDIALIEMKKDGNKKDCELPRSIPACVPWSPYLFQPNDTCIVSGWGREKDNERVFSLQWGEVKLISNCSKFYGNRFYEKEMECAGTYDGSIDACKGDSGGPLVCMDANNVTYVWGVVSWGENCGKPEFPGVYTKVANYFDWISYHVGRPFISQYNV
【0510】
配列番号45(ヒトC1-inh、セルピンドメインのアミノ酸配列):
HSTEAVLGDALVDFSLKLYHAFSAMKKVETNMAFSPFSIASLLTQVLLGAGENTKTNLESILSYPKDFTCVHQALKGFTTKGVTSVSQIFHSPDLAIRDTFVNASRTLYSSSPRVLSNNSDANLELINTWVAKNTNNKISRLLDSLPSDTRLVLLNAIYLSAKWKTTFDPKKTRMEPFHFKNSVIKVPMMNSKKYPVAHFIDQTLKAKVGQLQLSHNLSLVILVPQNLKHRLEDMEQALSPSVFKAIMEKLEMSKFQPTLLTLPRIKVTTSQDMLSIMEKLEFFDFSYDLNLCGLTEDPDLQVSAMQHQTVLELTETGVEAAAASAISVARTLLVFEVQQPFLFVLWDQQHKFPVFMGRVYDPRA
【0511】
ヒトGAS6成長停止-特異的 6、転写物変異体 1のアミノ酸配列(配列番号46)
MAPSLSPGPAALRRAPQLLLLLLAAECALAALLPAREATQFLRPRQRRAFQVFEEAKQGHLERECVEELCSREEAREVFENDPETDYFYPRYLDCINKYGSPYTKNSGFATCVQNLPDQCTPNPCDRKGTQACQDLMGNFFCLCKAGWGGRLCDKDVNECSQENGGCLQICHNKPGSFHCSCHSGFELSSDGRTCQDIDECADSEACGEARCKNLPGSYSCLCDEGFAYSSQEKACRDVDECLQGRCEQVCVNSPGSYTCHCDGRGGLKLSQDMDTCEDILPCVPFSVAKSVKSLYLGRMFSGTPVIRLRFKRLQPTRLVAEFDFRTFDPEGILLFAGGHQDSTWIVLALRAGRLELQLRYNGVGRVTSSGPVINHGMWQTISVEELARNLVIKVNRDAVMKIAVAGDLFQPERGLYHLNLTVGGIPFHEKDLVQPINPRLDGCMRSWNWLNGEDTTIQETVKVNTRMQCFSVTERGSFYPGSGFAFYSLDYMRTPLDVGTESTWEVEVVAHIRPAADTGVLFALWAPDLRAVPLSVALVDYHSTKKLKKQLVVLAVEHTALALMEIKVCDGQEHVVTVSLRDGEATLEVDGTRGQSEVSAAQLQERLAVLERHLRSPVLTFAGGLPDVPVTSAPVTAFYRGCMTLEVNRRLLDLDEAAYKHSDITAHSCPPVEPAAA
【0512】
ヒトGAS6成長停止-特異的 6、転写物変異体 1の核酸配列(配列番号47)
gccacctgcgtgcaaaacctgcctgaccagtgcacgcccaacccctgcgataggaaggggacccaagcctgccaggacctcatgggcaacttcttctgcctgtgtaaagctggctgggggggccggctctgcgacaaagatgtcaacgaatgcagccaggagaacgggggctgcctccagatctgccacaacaagccgggtagcttccactgttcctgccacagcggcttcgagctctcctctgatggcaggacctgccaagacatagacgagtgcgcagactcggaggcctgcggggaggcgcgctgcaagaacctgcccggctcctactcctgcctctgtgacgagggctttgcgtacagctcccaggagaaggcttgccgagatgtggacgagtgtctgcagggccgctgtgagcaggtctgcgtgaactccccagggagctacacctgccactgtgacgggcgtgggggcctcaagctgtcccaggacatggacacctgtgaggacatcttgccgtgcgtgcccttcagcgtggccaagagtgtgaagtccttgtacctgggccggatgttcagtgggacccccgtgatccgactgcgcttcaagaggctgcagcccaccaggctggtagctgagtttgacttccggacctttgaccccgagggcatcctcctctttgccggaggccaccaggacagcacctggatcgtgctggccctgagagccggccggctggagctgcagctgcgctacaacggtgtcggccgtgtcaccagcagcggcccggtcatcaaccatggcatgtggcagacaatctctgttgaggagctggcgcggaatctggtcatcaaggtcaacagggatgctgtcatgaaaatcgcggtggccggggacttgttccaaccggagcgaggactgtatcatctgaacctgaccgtgggaggtattcccttccatgagaaggacctcgtgcagcctataaaccctcgtctggatggctgcatgaggagctggaactggctgaacggagaagacaccaccatccaggaaacggtgaaagtgaacacgaggatgcagtgcttctcggtgacggagagaggctctttctaccccgggagcggcttcgccttctacagcctggactacatgcggacccctctggacgtcgggactgaatcaacctgggaagtagaagtcgtggctcacatccgcccagccgcagacacaggcgtgctgtttgcgctctgggcccccgacctccgtgccgtgcctctctctgtggcactggtagactatcactccacgaagaaactcaagaagcagctggtggtcctggccgtggagcatacggccttggccctaatggagatcaaggtctgcgacggccaagagcacgtggtcaccgtctcgctgagggacggtgaggccaccctggaggtggacggcaccaggggccagagcgaggtgagcgccgcgcagctgcaggagaggctggccgtgctcgagaggcacctgcggagccccgtgctcacctttgctggcggcctgccagatgtgccggtgacttcagcgccagtcaccgcgttctaccgcggctgcatgacactggaggtcaaccggaggctgctggacctggacgaggcggcgtacaagcacagcgacatcacggcccactcctgcccccccgtggagcccgccgcagcctaggcccccacgggacgcggcaggcttctcagtctctgtccgagacagccgggaggagcctgggggctcctcaccacgtggggccatgctgagagctgggctttcctctgtgaccatcccggcctgtaacatatctgtaaatagtgagatggacttggggcctctgacgccgcgcactcagccgtgggcccgggcgcggggaggccggcgcagcgcagagcgggctcgaagaaaataattctctattatttttattaccaagcgcttctttctgactctaaaatatggaaaataaaatatttacagaaagctttgtaaaaaaaaaaaaaaaaaa
【0513】
ヒトGAS6成長停止-特異的 6、転写物変異体 2のアミノ酸配列(配列番号48)
MDTCEDILPCVPFSVAKSVKSLYLGRMFSGTPVIRLRFKRLQPTRLVAEFDFRTFDPEGILLFAGGHQDSTWIVLALRAGRLELQLRYNGVGRVTSSGPVINHGMWQTISVEELARNLVIKVNRDAVMKIAVAGDLFQPERGLYHLNLTVGGIPFHEKDLVQPINPRLDGCMRSWNWLNGEDTTIQETVKVNTRMQCFSVTERGSFYPGSGFAFYSLDYMRTPLDVGTESTWEVEVVAHIRPAADTGVLFALWAPDLRAVPLSVALVDYHSTKKLKKQLVVLAVEHTALALMEIKVCDGQEHVVTVSLRDGEATLEVDGTRGQSEVSAAQLQERLAVLERHLRSPVLTFAGGLPDVPVTSAPVTAFYRGCMTLEVNRRLLDLDEAAYKHSDITAHSCPPVEPAAA
【0514】
ヒトGAS6成長停止-特異的 6、転写物変異体 2の核酸配列(配列番号49)
ttgattgaaaccagtaaatgcttctctttggggttggggttttagtttcaaatgcccccggggggttactttttacggccccgtgtcctgtagcaccgtcatttaaatggaacagcacagcgtgcaccgccgccccccacccctccaccaagcagggcccttcccagctctccacctgctgggctgaagtcagccttcccagccgggccttgatcagaagcgtgcaccaacaccccgggagctgcccggtcaggggaggagggcagggaaatggggccagggcgcgctggccccacagagtctggatgcgacctctgggtggtgccctggccagtccctgcagccgcctgccccagccccgtctgagatgccgctgtgctgcggttggccggtttttttttgcttgcagacatagacgagtgcgcagactcggaggcctgcggggaggcgcgctgcaagaacctgcccggctcctactcctgcctctgtgacgagggctttgcgtacagctcccaggagaaggcttgccgagatgtggacgagtgtctgcagggccgctgtgagcaggtctgcgtgaactccccagggagctacacctgccactgtgacgggcgtgggggcctcaagctgtcccaggacatggacacctgtgaggacatcttgccgtgcgtgcccttcagcgtggccaagagtgtgaagtccttgtacctgggccggatgttcagtgggacccccgtgatccgactgcgcttcaagaggctgcagcccaccaggctggtagctgagtttgacttccggacctttgaccccgagggcatcctcctctttgccggaggccaccaggacagcacctggatcgtgctggccctgagagccggccggctggagctgcagctgcgctacaacggtgtcggccgtgtcaccagcagcggcccggtcatcaaccatggcatgtggcagacaatctctgttgaggagctggcgcggaatctggtcatcaaggtcaacagggatgctgtcatgaaaatcgcggtggccggggacttgttccaaccggagcgaggactgtatcatctgaacctgaccgtgggaggtattcccttccatgagaaggacctcgtgcagcctataaaccctcgtctggatggctgcatgaggagctggaactggctgaacggagaagacaccaccatccaggaaacggtgaaagtgaacacgaggatgcagtgcttctcggtgacggagagaggctctttctaccccgggagcggcttcgccttctacagcctggactacatgcggacccctctggacgtcgggactgaatcaacctgggaagtagaagtcgtggctcacatccgcccagccgcagacacaggcgtgctgtttgcgctctgggcccccgacctccgtgccgtgcctctctctgtggcactggtagactatcactccacgaagaaactcaagaagcagctggtggtcctggccgtggagcatacggccttggccctaatggagatcaaggtctgcgacggccaagagcacgtggtcaccgtctcgctgagggacggtgaggccaccctggaggtggacggcaccaggggccagagcgaggtgagcgccgcgcagctgcaggagaggctggccgtgctcgagaggcacctgcggagccccgtgctcacctttgctggcggcctgccagatgtgccggtgacttcagcgccagtcaccgcgttctaccgcggctgcatgacactggaggtcaaccggaggctgctggacctggacgaggcggcgtacaagcacagcgacatcacggcccactcctgcccccccgtggagcccgccgcagcctaggcccccacgggacgcggcaggcttctcagtctctgtccgagacagccgggaggagcctgggggctcctcaccacgtggggccatgctgagagctgggctttcctctgtgaccatcccggcctgtaacatatctgtaaatagtgagatggacttggggcctctgacgccgcgcactcagccgtgggcccgggcgcggggaggccggcgcagcgcagagcgggctcgaagaaaataattctctattatttttattaccaagcgcttctttctgactctaaaatatggaaaataaaatatttacagaaagctttgtaaaaaaaaaaaaaaaaaa
【0515】
ヒトGAS6成長停止-特異的 6、転写物変異体 3のアミノ酸配列(配列番号50)
MFSGTPVIRLRFKRLQPTRLVAEFDFRTFDPEGILLFAGGHQDSTWIVLALRAGRLELQLRYNGVGRVTSSGPVINHGMWQTISVEELARNLVIKVNRDAVMKIAVAGDLFQPERGLYHLNLTVGGIPFHEKDLVQPINPRLDGCMRSWNWLNGEDTTIQETVKVNTRMQCFSVTERGSFYPGSGFAFYSLDYMRTPLDVGTESTWEVEVVAHIRPAADTGVLFALWAPDLRAVPLSVALVDYHSTKKLKKQLVVLAVEHTALALMEIKVCDGQEHVVTVSLRDGEATLEVDGTRGQSEVSAAQLQERLAVLERHLRSPVLTFAGGLPDVPVTSAPVTAFYRGCMTLEVNRRLLDLDEAAYKHSDITAHSCPPVEPAAA
【0516】
ヒトGAS6成長停止-特異的 6、転写物変異体 3の核酸配列(配列番号51)
cacaccgacctgtcacaccggtgcctgtcacaccactgcctgtcacactgacttgtcaccggtgtctgtcacaccgacctgtcacactggtgcctgtcacactggtgcctgtcacaccgacctgtcacaccggtgcctgtcacaccgacctgtcacactgacctgtcacaccggtaggaatgcagtacccacatgtggacgtttctgggcagggcggctcttgtctttcctcttcagcctgggcctgtgcctgggggttgatgagagtgagcatttatttaaaaagcaaaaccacaggtggaaagagtcaccaggacagcttctcggagtcgcagacctgggatgcagccgtggggctcttgggtctgggctgcgacgttcagggcttccagccagccctcgccttgaggttctttgcctcgctgcctcatgtactcatgcagagggtgtcggacccctgcgagatgtccagctcaccctggctgcccacggtgggcagggcaggcctggctcagccccagcccctccatcttccaggggtgtcagctcacaccggctttggttctgtcccccttcgggcagcgtggagaaaccacagcccagaacagggaactttccaggacagccatcttcaaggcatccatatctatttcataatagtgtatactttttaatgattctctgtaatttttgtatgcttgaaatatttcataatttaaaaataaagggtcaagggaaatgagcagggaaggagatgacggggacccccgagaagccctgtgggaagcggctgctgcaagcccgcccttcacctgggagtcccagtggggcaggtgtgacagcctctggggtctcagcagctagaggcggggtggccactcccgaggcacaggagggacagtggacccgctgcgcggccggggcgtggggctcaggggagcaggagtgaaggccacatccccgaccggcgtggcccccgtccgtggcaggacatcttgccgtgcgtgcccttcagcgtggccaagagtgtgaagtccttgtacctgggccggatgttcagtgggacccccgtgatccgactgcgcttcaagaggctgcagcccaccaggctggtagctgagtttgacttccggacctttgaccccgagggcatcctcctctttgccggaggccaccaggacagcacctggatcgtgctggccctgagagccggccggctggagctgcagctgcgctacaacggtgtcggccgtgtcaccagcagcggcccggtcatcaaccatggcatgtggcagacaatctctgttgaggagctggcgcggaatctggtcatcaaggtcaacagggatgctgtcatgaaaatcgcggtggccggggacttgttccaaccggagcgaggactgtatcatctgaacctgaccgtgggaggtattcccttccatgagaaggacctcgtgcagcctataaaccctcgtctggatggctgcatgaggagctggaactggctgaacggagaagacaccaccatccaggaaacggtgaaagtgaacacgaggatgcagtgcttctcggtgacggagagaggctctttctaccccgggagcggcttcgccttctacagcctggactacatgcggacccctctggacgtcgggactgaatcaacctgggaagtagaagtcgtggctcacatccgcccagccgcagacacaggcgtgctgtttgcgctctgggcccccgacctccgtgccgtgcctctctctgtggcactggtagactatcactccacgaagaaactcaagaagcagctggtggtcctggccgtggagcatacggccttggccctaatggagatcaaggtctgcgacggccaagagcacgtggtcaccgtctcgctgagggacggtgaggccaccctggaggtggacggcaccaggggccagagcgaggtgagcgccgcgcagctgcaggagaggctggccgtgctcgagaggcacctgcggagccccgtgctcacctttgctggcggcctgccagatgtgccggtgacttcagcgccagtcaccgcgttctaccgcggctgcatgacactggaggtcaaccggaggctgctggacctggacgaggcggcgtacaagcacagcgacatcacggcccactcctgcccccccgtggagcccgccgcagcctaggcccccacgggacgcggcaggcttctcagtctctgtccgagacagccgggaggagcctgggggctcctcaccacgtggggccatgctgagagctgggctttcctctgtgaccatcccggcctgtaacatatctgtaaatagtgagatggacttggggcctctgacgccgcgcactcagccgtgggcccgggcgcggggaggccggcgcagcgcagagcgggctcgaagaaaataattctctattatttttattaccaagcgcttctttctgactctaaaatatggaaaataaaatatttacagaaagctttgtaaaaaaaaaaaaaaaaaa
【0517】
ヒトタンパク質S(PROS1)(アルファ)のアミノ酸配列(配列番号52)
MRVLGGRCGALLACLLLVLPVSEANFLSKQQASQVLVRKRRANSLLEETKQGNLERECIEELCNKEEAREVFENDPETDYFYPKYLVCLRSFQTGLFTAARQSTNAYPDLRSCVNAIPDQCSPLPCNEDGYMSCKDGKASFTCTCKPGWQGEKCEFDINECKDPSNINGGCSQICDNTPGSYHCSCKNGFVMLSNKKDCKDVDECSLKPSICGTAVCKNIPGDFECECPEGYRYNLKSKSCEDIDECSENMCAQLCVNYPGGYTCYCDGKKGFKLAQDQKSCEVVSVCLPLNLDTKYELLYLAEQFAGVVLYLKFRLPEISRFSAEFDFRTYDSEGVILYAESIDHSAWLLIALRGGKIEVQLKNEHTSKITTGGDVINNGLWNMVSVEELEHSISIKIAKEAVMDINKPGPLFKPENGLLETKVYFAGFPRKVESELIKPINPRLDGCIRSWNLMKQGASGIKEIIQEKQNKHCLVTVEKGSYYPGSGIAQFHIDYNNVSSAEGWHVNVTLNIRPSTGTGVMLALVSGNNTVPFAVSLVDSTSEKSQDILLSVENTVIYRIQALSLCSDQQSHLEFRVNRNNLELSTPLKIETISHEDLQRQLAVLDKAMKAKVATYLGGLPDVPFSATPVNAFYNGCMEVNINGVQLDLDEAISKHNDIRAHSCPSVWKKTKNS
【0518】
ヒトタンパク質 S(PROS1)(アルファ)の核酸配列(配列番号53)
tttggaaacgtcacactgtggaggaaaagcagcaactagggagctggtgaagaaggatgtctcagcagtgtttactaggcctccaacactagagcccatcccccagctccgaaaagcttcctggaaatgtccttgttatcacttcccctctcgggctgggcgctgggagcgggcggtctcctccgcccccggctgttccgccgaggctcgctgggtcgctggcgccgccgcgcagcacggctcagaccgaggcgcacaggctcgcagctccgcggcgcctagcgctccggtccccgccgcgacgcgccaccgtccctgccggcgcctccgcgcgcttcgaaatgagggtcctgggtgggcgctgcggggcgctgctggcgtgtctcctcctagtgcttcccgtctcagaggcaaactttttgtcaaagcaacaggcttcacaagtcctggttaggaagcgtcgtgcaaattctttacttgaagaaaccaaacagggtaatcttgaaagagaatgcatcgaagaactgtgcaataaagaagaagccagggaggtctttgaaaatgacccggaaacggattatttttatccaaaatacttagtttgtcttcgctcttttcaaactgggttattcactgctgcacgtcagtcaactaatgcttatcctgacctaagaagctgtgtcaatgccattccagaccagtgtagtcctctgccatgcaatgaagatggatatatgagctgcaaagatggaaaagcttcttttacttgcacttgtaaaccaggttggcaaggagaaaagtgtgaatttgacataaatgaatgcaaagatccctcaaatataaatggaggttgcagtcaaatttgtgataatacacctggaagttaccactgttcctgtaaaaatggttttgttatgctttcaaataagaaagattgtaaagatgtggatgaatgctctttgaagccaagcatttgtggcacagctgtgtgcaagaacatcccaggagattttgaatgtgaatgccccgaaggctacagatataatctcaaatcaaagtcttgtgaagatatagatgaatgctctgagaacatgtgtgctcagctttgtgtcaattaccctggaggttacacttgctattgtgatgggaagaaaggattcaaacttgcccaagatcagaagagttgtgaggttgtttcagtgtgccttcccttgaaccttgacacaaagtatgaattactttacttggcggagcagtttgcaggggttgttttatatttaaaatttcgtttgccagaaatcagcagattttcagcagaatttgatttccggacatatgattcagaaggcgtgatactgtacgcagaatctatcgatcactcagcgtggctcctgattgcacttcgtggtggaaagattgaagttcagcttaagaatgaacatacatccaaaatcacaactggaggtgatgttattaataatggtctatggaatatggtgtctgtggaagaattagaacatagtattagcattaaaatagctaaagaagctgtgatggatataaataaacctggacccctttttaagccggaaaatggattgctggaaaccaaagtatactttgcaggattccctcggaaagtggaaagtgaactcattaaaccgattaaccctcgtctagatggatgtatacgaagctggaatttgatgaagcaaggagcttctggaataaaggaaattattcaagaaaaacaaaataagcattgcctggttactgtggagaagggctcctactatcctggttctggaattgctcaatttcacatagattataataatgtatccagtgctgagggttggcatgtaaatgtgaccttgaatattcgtccatccacgggcactggtgttatgcttgccttggtttctggtaacaacacagtgccctttgctgtgtccttggtggactccacctctgaaaaatcacaggatattctgttatctgttgaaaatactgtaatatatcggatacaggccctaagtctatgttccgatcaacaatctcatctggaatttagagtcaacagaaacaatctggagttgtcgacaccacttaaaatagaaaccatctcccatgaagaccttcaaagacaacttgccgtcttggacaaagcaatgaaagcaaaagtggccacatacctgggtggccttccagatgttccattcagtgccacaccagtgaatgccttttataatggctgcatggaagtgaatattaatggtgtacagttggatctggatgaagccatttctaaacataatgatattagagctcactcatgtccatcagtttggaaaaagacaaagaattcttaaggcatcttttctctgcttataataccttttccttgtgtgtaattatacttatgtttcaataacagctgaagggttttatttacaatgtgcagtctttgattattttgtggtcctttcctgggatttttaaaaggtcctttgtcaaggaaaaaaattctgttgtgatataaatcacagtaaagaaattcttacttctcttgctatctaagaatagtgaaaaataacaattttaaatttgaatttttttcctacaaatgacagtttcaatttttgtttgtaaaactaaattttaattttatcatcatgaactagtgtctaaatacctatgtttttttcagaaagcaaggaagtaaactcaaacaaaagtgcgtgtaattaaatactattaatcataggcagatactattttgtttatgtttttgtttttttcctgatgaaggcagaagagatggtggtctattaaatatgaattgaatggagggtcctaatgccttatttcaaaacaattcctcagggggaacagctttggcttcatctttctcttgtgtggcttcacatttaaaccagtatctttattgaattagaaaacaagtgggacatattttcctgagagcagcacaggaatcttcttcttggcagctgcagtctgtcaggatgagatatcagattaggttggataggtggggaaatctgaagtgggtacattttttaaattttgctgtgtgggtcacacaaggtctacattacaaaagacagaattcagggatggaaaggagaatgaacaaatgtgggagttcatagttttccttgaatccaacttttaattaccagagtaagttgccaaaatgtgattgttgaagtacaaaaggaactatgaaaaccagaacaaattttaacaaaaggacaaccacagagggatatagtgaatatcgtatcattgtaatcaaagaagtaaggaggtaagattgccacgtgcctgctggtactgtgatgcatttcaagtggcagttttatcacgtttgaatctaccattcatagccagatgtgtatcagatgtttcactgacagtttttaacaataaattcttttcactgtattttatatcacttataataaatcggtgtataattttaaaatgcatgtgaatatctttattatatcaactgtttgaataaaacaaaattacataatagacatttaactcttcaaaaaaaaaaaaaaaa
【0519】
ヒトMAP-1/GAS6 転写物変異体 1のアミノ酸配列(配列番号54)
HTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKKNEIDLESELKSEQVTEGGGGSGGGGSALLPAREATQFLRPRQRRAFQVFEEAKQGHLERECVEELCSREEAREVFENDPETDYFYPRYLDCINKYGSPYTKNSGFATCVQNLPDQCTPNPCDRKGTQACQDLMGNFFCLCKAGWGGRLCDKDVNECSQENGGCLQICHNKPGSFHCSCHSGFELSSDGRTCQDIDECADSEACGEARCKNLPGSYSCLCDEGFAYSSQEKACRDVDECLQGRCEQVCVNSPGSYTCHCDGRGGLKLSQDMDTCEDILPCVPFSVAKSVKSLYLGRMFSGTPVIRLRFKRLQPTRLVAEFDFRTFDPEGILLFAGGHQDSTWIVLALRAGRLELQLRYNGVGRVTSSGPVINHGMWQTISVEELARNLVIKVNRDAVMKIAVAGDLFQPERGLYHLNLTVGGIPFHEKDLVQPINPRLDGCMRSWNWLNGEDTTIQETVKVNTRMQCFSVTERGSFYPGSGFAFYSLDYMRTPLDVGTESTWEVEVVAHIRPAADTGVLFALWAPDLRAVPLSVALVDYHSTKKLKKQLVVLAVEHTALALMEIKVCDGQEHVVTVSLRDGEATLEVDGTRGQSEVSAAQLQERLAVLERHLRSPVLTFAGGLPDVPVTSAPVTAFYRGCMTLEVNRRLLDLDEAAYKHSDITAHSCPPVEPAAA
【0520】
ヒトGAS6 転写物変異体1/MAP1のアミノ酸配列(配列番号55)
ALLPAREATQFLRPRQRRAFQVFEEAKQGHLERECVEELCSREEAREVFENDPETDYFYPRYLDCINKYGSPYTKNSGFATCVQNLPDQCTPNPCDRKGTQACQDLMGNFFCLCKAGWGGRLCDKDVNECSQENGGCLQICHNKPGSFHCSCHSGFELSSDGRTCQDIDECADSEACGEARCKNLPGSYSCLCDEGFAYSSQEKACRDVDECLQGRCEQVCVNSPGSYTCHCDGRGGLKLSQDMDTCEDILPCVPFSVAKSVKSLYLGRMFSGTPVIRLRFKRLQPTRLVAEFDFRTFDPEGILLFAGGHQDSTWIVLALRAGRLELQLRYNGVGRVTSSGPVINHGMWQTISVEELARNLVIKVNRDAVMKIAVAGDLFQPERGLYHLNLTVGGIPFHEKDLVQPINPRLDGCMRSWNWLNGEDTTIQETVKVNTRMQCFSVTERGSFYPGSGFAFYSLDYMRTPLDVGTESTWEVEVVAHIRPAADTGVLFALWAPDLRAVPLSVALVDYHSTKKLKKQLVVLAVEHTALALMEIKVCDGQEHVVTVSLRDGEATLEVDGTRGQSEVSAAQLQERLAVLERHLRSPVLTFAGGLPDVPVTSAPVTAFYRGCMTLEVNRRLLDLDEAAYKHSDITAHSCPPVEPAAAGGGGSGGGGSHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKKNEIDLESELKSEQVTE
【0521】
ヒトMAP-1/タンパク質 Sのアミノ酸配列(配列番号56)
HTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKKNEIDLESELKSEQVTEGGGGSGGGGSGSGGGGSNFLSKQQASQVLVRKRRANSLLEETKQGNLERECIEELCNKEEAREVFENDPETDYFYPKYLVCLRSFQTGLFTAARQSTNAYPDLRSCVNAIPDQCSPLPCNEDGYMSCKDGKASFTCTCKPGWQGEKCEFDINECKDPSNINGGCSQICDNTPGSYHCSCKNGFVMLSNKKDCKDVDECSLKPSICGTAVCKNIPGDFECECPEGYRYNLKSKSCEDIDECSENMCAQLCVNYPGGYTCYCDGKKGFKLAQDQKSCEVVSVCLPLNLDTKYELLYLAEQFAGVVLYLKFRLPEISRFSAEFDFRTYDSEGVILYAESIDHSAWLLIALRGGKIEVQLKNEHTSKITTGGDVINNGLWNMVSVEELEHSISIKIAKEAVMDINKPGPLFKPENGLLETKVYFAGFPRKVESELIKPINPRLDGCIRSWNLMKQGASGIKEIIQEKQNKHCLVTVEKGSYYPGSGIAQFHIDYNNVSSAEGWHVNVTLNIRPSTGTGVMLALVSGNNTVPFAVSLVDSTSEKSQDILLSVENTVIYRIQALSLCSDQQSHLEFRVNRNNLELSTPLKIETISHEDLQRQLAVLDKAMKAKVATYLGGLPDVPFSATPVNAFYNGCMEVNINGVQLDLDEAISKHNDIRAHSCPSVWKKTKNS
【0522】
ヒトタンパク質S/MAP1のアミノ酸配列(配列番号57)
NFLSKQQASQVLVRKRRANSLLEETKQGNLERECIEELCNKEEAREVFENDPETDYFYPKYLVCLRSFQTGLFTAARQSTNAYPDLRSCVNAIPDQCSPLPCNEDGYMSCKDGKASFTCTCKPGWQGEKCEFDINECKDPSNINGGCSQICDNTPGSYHCSCKNGFVMLSNKKDCKDVDECSLKPSICGTAVCKNIPGDFECECPEGYRYNLKSKSCEDIDECSENMCAQLCVNYPGGYTCYCDGKKGFKLAQDQKSCEVVSVCLPLNLDTKYELLYLAEQFAGVVLYLKFRLPEISRFSAEFDFRTYDSEGVILYAESIDHSAWLLIALRGGKIEVQLKNEHTSKITTGGDVINNGLWNMVSVEELEHSISIKIAKEAVMDINKPGPLFKPENGLLETKVYFAGFPRKVESELIKPINPRLDGCIRSWNLMKQGASGIKEIIQEKQNKHCLVTVEKGSYYPGSGIAQFHIDYNNVSSAEGWHVNVTLNIRPSTGTGVMLALVSGNNTVPFAVSLVDSTSEKSQDILLSVENTVIYRIQALSLCSDQQSHLEFRVNRNNLELSTPLKIETISHEDLQRQLAVLDKAMKAKVATYLGGLPDVPFSATPVNAFYNGCMEVNINGVQLDLDEAISKHNDIRAHSCPSVWKKTKNSGSGGGGSHTVELNNMFGQIQSPGYPDSYPSDSEVTWNITVPDGFRIKLYFMHFNLESSYLCEYDYVKVETEDQVLATFCGRETTDTEQTPGQEVVLSPGSFMSITFRSDFSNEERFTGFDAHYMAVDVDECKEREDEELSCDHYCHNYIGGYYCSCRFGYILHTDNRTCRVECSDNLFTQRTGVITSPDFPNPYPKSSECLYTIELEEGFMVNLQFEDIFDIEDHPEVPCPYDYIKIKVGPKVLGPFCGEKAPEPISTQSHSVLILFHSDNSGENRGWRLSYRAAGNECPELQPPVHGKIEPSQAKYFFKDQVLVSCDTGYKVLKDNVEMDTFQIECLKDGTWSNKIPTCKKNEIDLESELKSEQVTE
図1
図2
図3
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図25-1】
図25-2】
図26
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図30
図31
図32
図33
図34
図35A
図35B
図36A
図36B
図37A
図37B
図38A
図38B
図39A
図39B
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]