(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなり、
前記含水層の貼付側表面に複数の凹部が設けられていることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなり、
複数の切込みが前記フィルム状支持体のみに設けられていることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなり、
貼付時に眼と鼻の外縁部及び眼の縦方向中央部に対応する領域が前記含水層のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなり、
貼付時に上唇と下唇との境界部に対応する領域と、貼付時に上唇と下唇の外縁部に対応する領域とが、前記含水層のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなり、
貼付時にバストトップに対応する領域及びその周辺部が前記含水層のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤。
【背景技術】
【0002】
従来、美容用、治療用等の目的で皮膚に貼り付けて使用される貼付剤は、一般的に不織布等で構成される支持体と、該支持体に積層され、水分、化粧料や薬剤等を含有する含水層と、含水層の表面に剥離可能に貼着されるフィルムとで構成されている。このように形成される貼付剤は、使用する際、フィルムを含水層から剥離して取り除き、含水層の表面を皮膚に貼着し、含水層に含まれる化粧料や薬剤を経皮吸収させることを目的とする。
【0003】
このような貼付剤として、特許文献1には、熱可塑性樹脂フィルムからなる支持体表面にアンカー剤層と水溶性高分子を主成分とする粘着剤層とが形成されている皮膚貼付シートが記載されている。
【0004】
特許文献2は、本出願人の出願に係る特許文献であって、フィルム状支持体と、フィルム状支持体の片面に積層されてなる含水層と、フィルム状支持体と含水層との間に形成されるプライマー層とからなる貼付剤が記載されている。
【0005】
含水層(粘着剤層)は非常に柔らかいため、この含水層だけでは皮膚に貼付することはできない。このため、特許文献1及び2に記載されるような従来の貼付剤では、支持体表面に含水層(粘着剤層)を設けることにより、貼付剤としてある程度のコシをもたせ、これにより貼付剤を皮膚に貼付する際の作業性を向上させている。
しかし、従来の貼付剤は、例えば口、鼻、バストトップ、膝などの身体の曲面部や凹凸部に貼付剤を貼付すると、支持体が身体の曲面に追従せず、その結果、貼付剤と皮膚との間に浮きが生じ易くなり、ひいては貼付剤が剥がれやすいという問題を有していた。
【0006】
上記課題を解決するためのものとして、身体のパーツ例えば鼻の外形に沿って支持体と含水層に切込み部を設けた貼付剤が知られている。
しかし、上記の貼付剤は、切込み部に含水層が存在しないことに加えて、貼付時に切込み部の両サイドが離間するため、切込み部近傍の皮膚は含水層が非接触の状態となり、よってこの部分には含水層に含まれる有効成分の効果を与えることができないという問題があった。また、口、鼻、バストトップ、膝などの身体の形状には個人差があり、切込み部形状を全ての人に対応させるのは困難であった。さらには、膝などは面積が大きいため、たとえ切込み部を設けたとしても、支持体のコシが含水層の伸縮を妨げるので、膝の曲面あるいは曲げ伸ばしに追従するのは困難であるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような問題点を解決すべくなされたものであって、口、鼻、バストトップ、膝などの身体の曲面部や凹凸部に貼付しても簡単に剥がれてしまうことがない、密着性に優れた身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなり、前記含水層の貼付側表面に複数の凹部が設けられていることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤に関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなり、複数の切込みが前記フィルム状支持体のみに設けられていることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤に関する。
【0011】
請求項
3に係る発明は、前記複数の切込みが2種類以上の方向の切込みからなることを特徴とする請求項
2記載の身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤に関する。
【0012】
請求項4に係る発明は、フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなり、貼付時に眼と鼻の外縁部及び眼の縦方向中央部に対応する領域が前記含水層のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤に関する。
【0013】
請求項5に係る発明は、フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に上唇と下唇との境界部に対応する領域と、貼付時に上唇と下唇の外縁部に対応する領域とが、前記含水層のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤に関する。
【0014】
請求項6に係る発明は、フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時にバストトップに対応する領域及びその周辺部が前記含水層のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フィルム状支持体と、該フィルム状支持体の少なくとも片面に積層されてなる含水層とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域が前記含水層のみからなる身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤であることにより、口、鼻、バストトップ、膝などの身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域は支持体が存在しないのでその他の箇所に比べて伸縮性が大きく、これにより貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部の曲面に追従することが可能となる。よって、身体の曲面部や凹凸部を含む領域に貼付しても貼付剤と皮膚との間に浮きが生じることがなく且つ簡単に剥がれてしまうことがない、密着性に優れた貼付剤とすることができる。また、これにより身体の曲面部や凹凸部を含む広い範囲にも一枚の貼付剤で貼付することが可能となる。
また、皮膚全面に含水層が接することとなるので、貼付領域全体に含水層による効果を与えることができる。
さらに、含水層のみからなる領域は、従来の支持体と含水層両方に切込みを入れる方法に比べて身体の形状に厳密に合わせる必要がないので、形状や大きさに個人差のある箇所にも貼付可能である。
【0016】
請求項
1に係る発明によれば、含水層の貼付側表面に複数の凹部が設けられていることにより、貼付剤の伸縮性をさらに向上させることができ、これにより、身体の曲面部や凹凸部に対してさらに密着性に優れた貼付剤とすることができる。
【0017】
請求項
2に係る発明によれば、複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられていることにより、貼付剤の強度を維持しつつ身体の曲面部や凹凸部に対して密着性に優れる貼付剤とすることができる。
【0018】
請求項
3に係る発明によれば、複数の切込みが2種類以上の方向の切込みからなることにより、様々な方向へ伸縮しても身体の曲面部や凹凸部に対して密着性を維持することが可能な貼付剤とすることができる。
【0019】
請求項
4に係る発明によれば、貼付時に眼と鼻の外縁部及び眼の縦方向中央部に対応する領域が含水層のみからなることにより、眼と鼻の曲面に追従するとともに眼を開閉する際の動きにも追従することができるので、眼及び鼻用の貼付剤として好適に使用することができる。
【0020】
請求項
5に係る発明によれば、貼付時に上唇と下唇との境界部に対応する領域と、貼付時に上唇と下唇の外縁部に対応する領域とが含水層のみからなることにより、口唇の曲面に追従するとともに口を開閉する際の動きにも追従することができるので、口唇用の貼付剤として好適に使用することができる。
【0021】
請求項
6に係る発明によれば、貼付時にバストトップに対応する領域及びその周辺部が含水層のみからなることにより、バストトップの曲面に追従することができるので、バストトップ用の貼付剤として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る貼付剤の構成を示すための断面図である。
【
図2】含水層の貼付側表面に凹部が設けられた貼付剤の構成を示すための断面図である。
【
図3】眼及び鼻を含む領域に貼付可能な貼付剤の平面図である。
【
図5】口唇を含む領域に貼付可能な貼付剤の平面図である。
【
図7】眼、鼻及び口唇を含む領域に貼付可能な貼付剤の平面図である。
【
図9】バストトップを含む領域に貼付可能な貼付剤の平面図である。
【
図10】口唇を含む領域に貼付可能な貼付剤の平面図である。
【
図11】含水層の貼付側表面に凹部が設けられた貼付剤の下面図である。
【
図12】含水層の貼付側表面に凹部が設けられた貼付剤の下面図である。
【
図13】含水層の貼付側表面に凹部が設けられた貼付剤の下面図である。
【
図14】含水層の貼付側表面に凹部が設けられた貼付剤の下面図である。
【
図15】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図16】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図17】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図18】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図19】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図20】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図21】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図22】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図23】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図24】複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
【
図25】本発明に係る貼付剤の製造方法を示すための図である。
【
図26】含水層の貼付側表面に凹部が設けられた貼付剤の製造方法を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明に係る貼付剤について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は本発明に係る貼付剤の構成を示すための断面図である。
本発明に係る貼付剤(10)は、フィルム状支持体(1)と、フィルム状支持体(1)の少なくとも片面に積層されてなる含水層(2)とからなり、貼付時に身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する所望の領域aが含水層(2)のみからなることを特徴とする身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤である。
【0025】
まず、フィルム状支持体(1)について説明する。
フィルム状支持体(1)としては、特に限定されるものではなく、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の織布又は不織布、或いは天然ゴム、合成ゴム等を用いることができ、好ましくは、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、より望ましくはポリエステル、ポリウレタンである。
フィルム状支持体(1)の厚みは用途に応じて適宜調整されるが、好ましくは2μm〜200μmである。この理由は、200μmを超えると支持体の伸縮性が損なわれ、貼付時に違和感を感じ、また、2μm未満の場合は支持体にコシが無く、貼付時に貼付作業が困難になるため、いずれの場合も好ましくないからである。
【0026】
フィルム状支持体(1)は、
図1に示す領域aには存在せず領域aにおいて開口している。領域aは、貼付時に口、鼻、バストトップ、膝などの身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域であり、所望の位置に設定される。領域aはフィルム状支持体(1)が存在せず含水層(2)のみから形成されているので、この領域aにおいて本発明の貼付剤(10)は伸縮性に優れている。よって、身体の曲面に追従することができるので、曲面部及び/又は凹凸部を含む領域に貼付しても剥がれてしまうことなく、密着性に優れた貼付剤とすることができる。
【0027】
次に、含水層(2)について説明する。
本発明に係る含水層とは、少なくとも水を含むとともに、貼付時に被貼付面に対し何らかの効果をもたらすように機能する層をいう。
前記効果としては、例えば、保湿、細胞賦活、美肌、美白、抗酸化、抗炎症、冷却、シワ取り等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これら効果を得るために、公知の有効成分を添加してもよく、その添加量も適宜調整される。
【0028】
含水層(2)は、フィルム状支持体(1)の少なくとも片面に積層されるが、フィルム状支持体(1)の両面に積層されていてもよい。
【0029】
含水層(2)は、少なくとも50重量%の水分を保持し、水溶性高分子を金属イオンにより架橋してゲル化される。例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、カラギーナン、バイオセルロース等のハイドロゲル、及び多価金属塩が好適に含まれる。この多価金属塩としては、例えば、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられるが特に限定されない。
含水層(2)は、任意に、保存剤、乳化剤、pH調整剤、吸収促進剤等を含んでも良い。
【0030】
含水層(2)の厚みは用途に応じて適宜調整されるが、好ましくは500〜3000μmである。この理由は、3000μmを超えると製造時に含水層の厚みがバラつき易く、また貼付時に重み、ズレを感じる可能性があり、500μm未満の場合は単位面積あたりの必要な効能成分含有量が少なく効能効果が期待出来ないため、さらには単位面積あたりの含水量が低下することにより使用感に優れないという理由から、いずれの場合も好ましくないからである。
本発明の貼付剤の含水層(2)表面に、任意に、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、OPPフィルム、ポリエチレンをラミネートした紙等のカバーフィルムを敷いてもよい。これにより、含水層の乾燥、汚染等を防ぐことができる。
【0031】
図2は本発明に係る貼付剤の他の実施形態の構成を示すための断面図である。
図2に示すように、含水層(2)の貼付側表面に複数の凹部(3)を設けることができる。凹部(3)の形状、数、位置などは適宜決定される。これにより、貼付剤(10)の伸縮性をさらに向上させることができるので、身体の曲面への追従がより可能となる。
【0032】
図1、2において、貼付剤の外形は特に限定されず、供用部位に応じて円形、長方形、正方形等の任意の形状とすることができる。
【0033】
図3は、本発明に係る貼付剤の他の実施形態の平面図(フィルム状支持体(1)側から視た図)であり、眼及び鼻を含む領域に貼付可能な貼付剤の一例を示している。
図4は、
図3の貼付剤の使用方法を示す図である。
貼付剤(20)は、貼付時に眼と鼻の外縁部及び眼の縦方向中央部に対応する領域bが含水層(2)のみからなり、その他の領域cはフィルム状支持体(1)と含水層(2)からなる。つまり、領域bにおいて、フィルム状支持体(1)が存在せず開口している。
図4に示すように、貼付剤(20)は、眼と鼻を覆うように貼付されて使用され、これにより、眼と鼻の曲面に追従するとともに眼を開閉する際の動きにも追従することができるので、貼付しても簡単に剥がれてしまうことなく、密着性に優れた眼及び鼻を含む領域に貼付可能な貼付剤とすることができる。
【0034】
図5は、本発明に係る貼付剤の他の実施形態の平面図であり、口唇を含む領域に貼付可能な貼付剤の一例を示している。
図6は、
図5の貼付剤の使用方法を示す図である。
貼付剤(30)は、貼付時に上唇と下唇との境界部に対応する領域dと、貼付時に上唇と下唇の外縁部に対応する領域eが含水層(2)のみからなり、その他の領域fはフィルム状支持体(1)と含水層(2)からなる。
図6に示すように、貼付剤(30)は、口唇を覆うように貼付されて使用され、これにより、口唇の曲面に追従するとともに口を開閉する際の動きにも追従することができるので、貼付しても簡単に剥がれてしまうことなく、密着性に優れた口唇を含む領域に貼付可能な貼付剤とすることができる。
【0035】
また、
図7に示すように、
図3に示す貼付剤(20)と
図5に示す貼付剤(30)を一枚物として、眼、鼻及び口唇を含む領域に貼付可能な貼付剤(40)としてもよい。貼付剤(40)は、領域g及びhが含水層(2)のみからなり、その他の領域はフィルム状支持体(1)及び含水層(2)からなる。貼付剤(40)は
図8に示すように、ほぼ顔全体を覆うように貼付して使用することができる。
このように本発明の貼付剤は、広い面積を同時に覆う貼付剤としても、浮きや剥がれが生じることなく使用可能である。
【0036】
図9は、本発明に係る貼付剤の他の実施形態の平面図であり、バストトップ用の貼付剤の一例を示している。
貼付剤(50)は、貼付時にバストトップに対応する領域及びその周辺部(領域i)が含水層(2)のみからなる。つまり、領域iにおいて、フィルム状支持体(1)が存在せず開口している。領域iは含水層(2)のみから形成されているので、この領域iにおいて本発明の貼付剤(50)は伸縮性に優れている。よって、バストトップの曲面に追従することができるので、貼付しても簡単に剥がれてしまうことなく、密着性に優れたバストトップ用の貼付剤とすることができる。
領域iの形状は、任意の形状とすることができ、大きさは通常の人のバストトップの大きさよりも大きめに設定することができる。これにより、より広範囲の人が使用することが可能となる。
貼付剤(20)の外形の形状は任意の形状とすることができ、例えば
図9に示されるように星形(花びら型)とすることができる。
【0037】
図10は、本発明に係る貼付剤の他の実施形態の平面図であり、口唇用の貼付剤の一例を示している。
貼付剤(60)は、貼付時に上唇と下唇との境界部に対応する領域jと、貼付時に上唇と下唇の外縁部に対応する領域kが含水層(2)のみからなる。つまり、領域j及びkにおいて、フィルム状支持体(1)が存在せず開口している。領域j及びkは含水層(2)のみから形成されているので、この領域j及びkおいて本発明の貼付剤(60)は伸縮性に優れている。よって、口唇の曲面に追従するとともに口を開閉する際の動きにも追従することができるので、貼付しても簡単に剥がれてしまうことなく、密着性に優れた口唇用の貼付剤とすることができる。
貼付剤(60)の外形形状は任意の形状とすることができ、例えば
図10に示されるように口唇形状に対応した形状とすることができる。
【0038】
図11〜14は、本発明に係る貼付剤の他の実施形態の下面図(含水層側から視た図)であり、含水層の貼付側表面に凹部が設けられた貼付剤の下面図である。
含水層(2)の貼付側表面には、複数の凹部(3)を設けることができる。複数の凹部(3)の形状は、特に限定されるものではなく、
図11,13に示すように格子状とすることができ、
図12,14に示すように直線状とすることもできる。
この複数の凹部(3)により、貼付剤の伸縮性をさらに向上させることができ、身体の曲面部や凹凸部に対しての密着性をさらに向上させることができる。
【0039】
図15〜24は、本発明に係る貼付剤の他の実施形態の平面図であり、複数の切込みがフィルム状支持体のみに設けられた貼付剤の平面図である。
フィルム状支持体(1)には複数の切込み(4)を設けることができる。この複数の切込み(4)はフィルム状支持体(1)のみに設け、含水層(2)には設けない。これにより、身体の曲面部や凹凸部において含水層(2)の切込み部の両サイドが離間して空きが生じるという問題が発生することなく、貼付剤の強度を維持しつつ身体の曲面部や凹凸部に対して密着性に優れる貼付剤とすることができる。
複数の切込み(4)は、
図20〜24に示すように、細かく且つ複数の方向に設けることが好ましい。これにより、様々な方向へ追従が可能となるので、貼付剤の強度を維持しつつ身体の曲面部や凹凸部に対する密着性をさらに向上させることができる。
【0040】
本発明の貼付剤は、フィルム状支持体(3)と含水層(2)の間にプライマー層(図示せず)を備えていてもよい。このプライマー層は、好ましくは、少なくとも第3級アミン及びガラス転移温度が50℃以下のポリマーを含む。
前記プライマー層の厚みは、好ましくは0.1〜50μmである。この理由は、50μmを超えるとプライマー層の伸長回復率とプライマー層の透明性がともに低下し、0.1μm未満の場合はプライマー層の破断点伸度及び強度に低下傾向が確認される為いずれの場合も好ましくないからである。
【0041】
前記第3級アミンとしては、ジメチルC16−C22アミン、N,N―ジラウリルーN―メチルアミン、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−オクタデシルオキシプロピルーN,N,Nートリメチルアンモニウムクロライド、ココナットトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルパルミチルアミン、アルキルプロピレンジアミンが挙げられる。前記第3級アミンを使用した場合、特に含水層との投錨性に優れる。
【0042】
前記ガラス転移温度が50℃以下のポリマーは、好ましくは、熱可塑性エラストマー及び/又はゴムが使用される。具体的には、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等、或いは天然ゴム、合成ゴム等のゴムが挙げられるが、好ましくは、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、より望ましくは、ポリエステル、ポリウレタンである。これらのポリマーは、接着層に耐水性と伸縮性を付与することができる。尚、本発明で使用する第3級アミンは、耐水性を有するとともに、前記ガラス転移温度が50℃以下のポリマー溶液との相溶性に優れている。
【0043】
第3級アミン及びガラス転移温度が50℃以下のポリマーを溶解する溶媒としては、第3級アミン及びガラス転移温度が50℃以下のポリマーを溶解することができる溶媒であれば特に限定されない。本発明においては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどの炭化水素系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒等の有機溶媒が好ましく使用される。これらは単独で用いてもよいし複数を混合して用いてもよい。
【0044】
第3級アミンとガラス転移温度が50℃以下のポリマーは、前記溶液中、好ましくは1:1〜100(重量比)、より好ましくは1:5〜70(重量比)とされる。この理由は、第3級アミンとガラス転移温度が50℃以下のポリマーが前記重量比で含まれる接着層は、特に耐水性に優れるとともに、支持体との密着性、含水層との投錨性に優れる。
【0045】
本発明の貼付剤は、薬剤を含水層(2)に含有することができる。
図1における含水層(2)の下面が使用時皮膚表面に接触する面である。
薬剤は目的により種々のものを添加でき、例えば、アルツハイマー、禁煙、狭心症、リウマチ、脳卒中、癌などの治療薬剤を添加することができる。薬剤の添加量は薬剤の種類により適宜調整される。貼付剤が皮膚に貼られることにより、含水層(2)中に含まれる薬剤が経皮ルートで投与される。
本発明に係る含水層はゲル状であるから、使用時には優れた使用感・感触を提供することができる。
【0046】
以下、本発明に係る貼付剤の製造方法について説明するが、以下に示す製造方法は一例であり、本発明に係る貼付剤の製造方法を限定するものではない。
【0047】
図25は、本発明に係る貼付剤の製造方法を示すための図である。
まず、片面に凹部(51)が形成されたシート部材(5)を準備する。
シート部材(5)は、任意の材料により形成され、例えば、ポリプロピレン、PET等の合成樹脂により製造される。
シート部材(5)の厚さは特に限定されないが、0.05〜0.8mmとされ、この厚さのシート部材(5)は好適に製造することができる。尚、この厚さは、好ましくは、各部において略均一とされる。
凹部(51)の深さは、好ましくは、0.1〜5mm、更に好ましくは、0.5〜3mmとされる。
【0048】
シート部材(5)の凹部(51)には、含水層(2)の材料が流し込まれる。含水層(2)の材料については、本発明の貼付剤の実施形態のところで説明したとおりである。
凹部(51)の形状は、限定されるものではなく、四角形状や丸形状、その他任意の形状とすることができる。凹部(51)は熱成型、真空成形等により形成することができる。
凹部(51)内に流し込む材料の量は、特に限定されないが、含水層(2)が所望の厚みになるように決定するとよい。
含水層(2)の材料を凹部(51)に流し込んで含水層(2)が硬化(ゲル化)するまで一定時間待つ。この一定時間は、10〜30分、好ましくは約20分であり、この放置時間を設けることにより、含水層(2)は適度に硬化し、厚みを有するようになる。
【0049】
次いで、シート部材(5)の凹部(51)に対応する形状に切断されたフィルム状支持体(1)を含水層(2)上に配置する。これにより、最下層に含水層(2)、その上にフィルム状支持体(1)が積層された構造となる。尚、フィルム状支持体(1)の予め身体の曲面部及び/又は凹凸部に対応する領域は開口又は切除しておくことが好ましいが、フィルム状支持体(1)上に配置後に開口又は切除してもよい。
【0050】
フィルム状支持体(1)の製造方法は、特に限定されないが、例えば熱可塑性樹脂(ポリウレタン、ポリエステル等(100重量部)、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(0.5重量部)、及びP−メトキシフェノール(0.03重量部)を混合したもの)を、Tダイ成形、ブロー成形、キャスティングして得られ適宜表面処理することにより、フィルム状支持体(1)を得ることができる。
【0051】
図26は、本発明に係る貼付剤の他の実施形態の製造方法を示すための図である。
図25と異なる点として、シート部材(5)の凹部(51)に複数の凸部(52)が形成されている。これにより、含水層(2)の貼付側表面に複数の凹部(3)を備えた貼付剤(
図2及び11−14参照)を製造することができる。凸部(52)の形状、数、位置などは適宜決定される。これにより、伸縮性に優れ、身体の曲面への追従がより可能となる貼付剤を製造することができる。
【実施例】
【0052】
以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明に係る身体の曲面部及び/又は凹凸部を被覆する貼付剤は、これらに限定されるものではない。
【0053】
[貼付剤の製造]
ポリアクリル酸ナトリウム5重量部、乾燥水酸化アルミニウム1重量部、グリセリン25重量部、酒石酸1重量部、精製水60重量部を錬合して得た含水層(厚さ2000μm)の表面に、貼付時に眼と鼻の外縁部及び眼の縦方向中央部に対応する領域が開口した
図3に示す形状のポリウレタンフィルム(厚さ70μm)を配置して、実施例1の貼付剤を製造した。
一方、ポリウレタンフィルムに開口が無いこと以外は実施例1と同じ条件で、比較例1の貼付剤を製造した。
【0054】
[密着性の評価試験]
実施例1と比較例1の貼付剤をそれぞれ10人の評価者に貼付し、密着性の評価を行った。評価は2項目について行い、貼付してから30分後の貼付剤の貼付状態を、○:全く剥がれてない、△:少し剥がれている、×:ほぼ剥がれている、で目視評価し、貼付剤を貼付したときの密着感を、○:全く隙間が空いていないと感じる、△:少し隙間が空いていると感じる、×:かなり隙間が空いていると感じる、で官能評価した。○を2点、△を1点、×を0点とし、計30点以上を合格とした。結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表1に示すとおり、比較例1の貼付剤は30点に届かず不合格であった。一方、実施例1の貼付剤は38点で合格であり、貼付状態及び密着感ともに非常に優れていた。