(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号が一致するときの輝度レベルが、フォトセンサ出力安定範囲に収まるように、パターン対の間隔が定められることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
フォトダイオードのサイズは、パターン分解能に比べて大きく、また、フォトダイオードの感光特性にはそれぞれ個体差がある。したがって、同じ光強度で計測用パターン光を投影しても、検出される光量は微妙に相違する。また、照度ムラなどによって投影する光が瞬間的に不安定になることもあり、高精度に露光位置を検出することが難しい。さらに、位置検出の精度を向上させるため、パターン光のサイズをパターン分解能付近まで近づけると、フォトダイオードから出力される信号に対し、ノイズが生じやすくなる。
【0009】
したがって、マスクレス露光装置において、フォトダイオードなどのフォトセンサを用いて正確な位置を検出することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の露光装置は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイと、光変調素子アレイによる露光エリアを、被描画体に対し相対移動させる走査部と、露光エリアが通過するように並列した複数のフォトセンサを有する位置検出部と、複数の光変調素子を制御することにより、パターン光を被描画体に投影する露光動作制御部とを備える。
【0011】
複数のフォトセンサは、被描画体を保持するステージ(テーブル)の上面あるいは側面、内部などに設けることが可能であり、また、ステージと一体的に設けることも可能であり、取り外し可能に装着することもできる。
【0012】
本発明では、露光動作制御部が、パターン対を所定間隔で走査方向に並べた位置検出パターン列の光を、被描画体に投影し、位置検出部が、1つのパターン対が隣り合うフォトセンサを通過する間にその隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を検出し、位置検出パターン列の光の通過に伴って一連の露光位置を時系列的に検出する。ただし、ここでの露光位置は、所定の位置検出パターンのステージ上での相対位置を表し、例えば、ステージに規定された走査方向に沿う位置座標で表される。
【0013】
そして、本発明のパターン対は、フォトセンサ隙間間隔(隙間の距離/長さ)よりも小さい幅のバー状パターンを、フォトセンサ幅よりも小さく、かつフォトセンサ隙間間隔よりも大きいパターンピッチで対向配置させたパターン対によって構成される。したがって、走査中、パターン対の輝度信号レベルがそれぞれ上昇する範囲と減少する範囲において交差するレベル一致点が生じる。
【0014】
このようにフォトセンサの配置間隔に制限があっても、細いバー状パターン対を投影することにより、ノイズを抑え、精度のある露光位置を検出することが可能となる。また、複数の露光位置を検出することにより、照度ムラ、フォトセンサの個体差などに影響されない位置補正を行うことが可能である。例えば、露光装置に、検出される一連の露光位置と、あらかじめ定められた標準露光位置とに基づいて、露光基準位置を補正する補正部を備えればよい。ここで、標準露光位置は、例えば描画データ上で定められた位置座標によって表すことが可能である。また、露光基準位置としては、例えば、描画開始位置などが定められる。
【0015】
フォトセンサの配置間隔、パターン列のパターン間隔などは、任意に設定可能である。例えば、複数のフォトセンサを、走査方向に沿って一定間隔に配置し、位置検出パターン列を、一定間隔で並んだ複数の位置検出パターンで構成することが可能である。
【0016】
検出される露光位置の数は、フォトセンサの数、パターン列のパターン個数に従う。例えば、2つ以上のフォトセンサを設置し、位置検出パターン列を、2つ以上の位置検出パターンによって構成することが可能である。この場合、各位置検出パターンが複数の隣接センサ間で検出されるとともに、同じ隣接センサ間で、パターン列通過により複数の露光位置が検出される。
【0017】
位置補正については、検出されるそれぞれの露光位置と目標となる標準露光位置との差を求め、加算/加重平均値などの代表的な補正値を算出することが可能である。あるいは、検出される一連の露光位置から代表的な露光位置を算出することも可能である。
【0018】
位置検出部は様々な構成を採用することが可能であり、複数のフォトセンサからの輝度信号を露光装置の制御部で検出してもよく、あるいは、その前段階で位置検出部、位置算出部を設けてもよい。輝度信号レベルが一致するタイミングを正確に検出するため、例えば位置検出部は、輝度信号の等しくなるタイミングでパルス信号を発生するパルス信号生成部と、検出されたパルス信号に応じて露光位置を算出する位置算出部を備える。
【0019】
パルス信号生成部、位置検出部の配置構成は様々な構成が可能である。例えば、複数の露光ヘッドを設け、各露光ヘッドに対し位置補正を行う場合、パルス信号生成部をステージに設けることが可能である。
【0020】
一連の露光位置をパルス信号によって検出する場合、パルス信号が同時に発生することを防ぐのが好ましい。したがって、検出露光動作制御部は、検出される一連のパルス信号を互いに異なるタイミングで発生させるように、位置検出パターン列の光を投影させてもよい。例えば、露光動作制御部が、ほぼ一定の時間間隔で一連のパルス信号が発生するように、所定のパターンピッチで位置検出パターン列の光を投影することができる。
【0021】
パターン対の間隔は、上記条件を満たす範囲で任意である。例えば、一方のフォトセンサにおける輝度レベル上昇と他方のフォトセンサにおける輝度レベル下降が時系列的に重なる期間を生じさせることを考慮すると、以下の条件式を満たすように、パターン対のピッチgおよびバー状パターン幅wを定めることができる。
g−w<B<g+w
【0022】
フォトセンサ出力安定範囲を考慮すると、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号が一致するときの輝度レベルが、フォトセンサ出力安定範囲に収まるように、パターン対の間隔を定めることができる。
【0023】
本発明の他の態様における露光方法は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイによる露光エリアを、被描画体に対し相対移動させ、露光エリアが通過するように並列した複数のフォトセンサを配置し、複数の光変調素子を制御することにより、パターン光を被描画体に投影する露光方法であって、パターン対を所定間隔で走査方向に並べた位置検出パターン列の光を、被描画体に投影し、1つのパターン対が隣り合うフォトセンサを通過する間にその隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を検出し、位置検出パターン列の光の通過に伴って一連の露光位置を時系列的に検出し、パターン対が、フォトセンサ隙間間隔よりも小さい幅のバー状パターンを、フォトセンサ幅よりも小さく、かつフォトセンサ隙間間隔よりも大きいパターンピッチで対向配置させたパターン対であることを特徴とする。
【0024】
本発明の他の態様における露光装置は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイと、光変調素子アレイによる露光エリアを、被描画体に対し相対移動させる走査部と、露光エリアが通過するように並列した複数のフォトセンサを有する位置検出部と、複数の光変調素子を制御することにより、パターン光を被描画体に投影する露光動作制御部とを備え、露光動作制御部が、フォトセンサ隙間間隔よりも小さい幅のバー状パターンを、フォトセンサ幅よりも小さく、かつフォトセンサ隙間間隔よりも大きいパターンピッチで対向配置させた単一の位置検出パターンの光を、被描画体に投影し、位置検出部が、1つのパターン対が隣り合うフォトセンサを通過する間にその隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を検出し、位置検出パターンの光の通過に伴って一連の露光位置を時系列的に検出することを特徴とする。
【0025】
本発明の他の態様における露光装置は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイによる露光エリアを、被描画体に対し相対移動させ、露光エリアが通過するように並列した複数のフォトセンサを配置し、複数の光変調素子を制御することにより、パターン光を被描画体に投影する露光方法であって、フォトセンサ隙間間隔よりも小さい幅のバー状パターンを、フォトセンサ幅よりも小さく、かつフォトセンサ隙間間隔よりも大きいパターンピッチで対向配置させた単一の位置検出パターンの光を、被描画体に投影し、1つのパターン対が隣り合うフォトセンサを通過する間にその隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を検出し、位置検出パターンの光の通過に伴って一連の露光位置を時系列的に検出することを特徴とする。
【0026】
本発明の他の態様における露光装置は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイと、光変調素子アレイによる露光エリアを被描画体に対し主走査方向に沿って相対移動させる走査部と、主走査方向に対し傾斜配列させた第1フォトセンサ群と、第1フォトセンサ群とは主走査方向に関して逆回転方向に傾斜配列させた第2フォトセンサ群とを有する位置検出部と、複数の光変調素子を制御することにより、第1、第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜する第1、第2位置検出パターン列の光を、第1、第2フォトセンサ群に対してそれぞれ投影する露光動作制御部とを備える。ここで、逆回転方向とは、移動方向もしくは走査方向に沿ったラインを基準としたとき、第1フォトセンサ群を一方の回転方向へ傾斜させたとき、その反対方向を表す。
【0027】
位置検出部は、走査中、第1および第2フォトセンサ群において、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置および第2の一連の露光位置として時系列に検出する。これによって、位置検出部は、検出された第1および第2の一連の露光位置から、2次元露光位置を算出することが可能である。ここで、2次元露光位置は、例えば、主走査方向、副走査方向に沿って規定される2次元座標に基づいて規定することができる。
【0028】
本発明の第1、第2位置検出パターン列が、それぞれパターン対の列であり、パターン対が、配列方向に沿ったフォトセンサ隙間間隔よりも小さい幅のバー状パターンを、フォトセンサ幅よりも小さく、かつフォトセンサ隙間間隔よりも大きいパターンピッチで対向配置させたパターン対として構成される。
【0029】
本発明では、2次元的に露光位置を検出するため、描画開始位置のみならず、副走査方向に沿った露光位置についても露光データ補正し、描画領域が一部重複するようなことがなく、精度あるパターンを形成することができる。2次元露光位置の算出については、第1および第2の一連の露光位置について、あらかじめセンサ配列方向に沿った露光位置としてベクトル表現によって検出し、それぞれのフォトセンサ群において代表的な露光位置(平均値)などを演算した後、主走査方向、副走査方向に沿った2次元露光位置座標を求めることができる。
【0030】
フォトセンサの傾斜配置については、任意に設定可能である。例えば、第1フォトセンサ群の移動方向あるいは主走査方向に対する傾斜配置角度αが、30°≦α≦60°の範囲であり、第2フォトセンサ群の傾斜配置角度βが、−60°≦β≦−30°の範囲に収められる。特に、第1、第2フォトセンサ群を+45°、−45°にそれぞれ傾斜配置し、移動方向もしくは主走査方向に関して対称的に配置することが可能である。ただし、移動方向は、基板など被描画体の移動方向(主走査方向とは逆方向)を表す。また、複数のフォトセンサを、走査方向に沿って一定間隔に配置し、位置検出パターン列を、一定間隔で並んだ位置検出パターンで構成することが可能である。第1、第2フォトセンサ群の配置については、1つの走査バンド領域内において、副走査方向に沿って並べ、あるいは主走査方向に沿って並べることが可能である。第1、第2フォトセンサ群を副走査方向に沿って配置する場合、露光動作制御部は、第1、第2位置検出パターン列の光を副走査方向に沿って同時に投影すればよい。これにより、パターンの切り替えなく、近接する領域で露光位置を検出することができる。一方、主走査方向に沿って第1、第2フォトセンサ群を配置する場合、露光動作制御部は、露光エリアが第1フォトセンサ群を通過するとき、第1位置検出パターン列の光を投影し、露光エリアが第2フォトセンサ群を通過するとき、第2位置検出パターン列の光を投影する。これによって、同じ主走査ライン上で一連の第1、第2の露光位置を検出することができる。
【0031】
本発明の他の態様における露光方法は、複数の光変調素子をマトリクス状に配列した光変調素子アレイによる露光エリアを被描画体に対し主走査方向に沿って相対移動させ、主走査方向に対し傾斜配列させた第1フォトセンサ群と、第1フォトセンサ群とは主走査方向に関して逆回転方向に傾斜配列させた第2フォトセンサ群とを配置し、第1、第2フォトセンサ群の配列垂直方向に沿ってそれぞれ傾斜する第1、第2位置検出パターン列の光を、第1、第2フォトセンサ群に対してそれぞれ投影し、第1および第2フォトセンサ群において、隣り合うフォトセンサから出力される輝度信号のレベルが等しくなる露光位置を、第1の一連の露光位置および第2の一連の露光位置として時系列に検出し、第1、第2位置検出パターン列が、それぞれパターン対の列であり、パターン対が、配列方向に沿ったフォトセンサ隙間間隔よりも小さい幅のバー状パターンを、フォトセンサ幅よりも小さく、かつフォトセンサ隙間間隔よりも大きいパターンピッチで対向配置させたパターン対であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、マスクレス露光装置において、正確にパターン形成位置を検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0035】
図1は、第1の実施形態である露光装置の概略的斜視図である。
図2は、露光装置の概略的ブロック図である。
【0036】
露光装置(描画装置)10は、フォトレジストなどの感光材料を塗布、あるいは貼り付けた基板Wへ光を照射することによってパターンを形成するマスクレス露光装置であり、描画部13が基台14に搭載されている。
【0037】
基台14には、基板Wを搭載するステージ12が走査方向に沿って移動可能に設置されている。ステージ駆動機構15は、主走査方向X、副走査方向Yに沿ってステージ12を移動させることができる。
【0038】
露光装置10は、パターン光を投影する複数の露光ヘッドを備えており、ここでは1つの露光ヘッド18のみ図示している。露光ヘッド18は、DMD22、照明光学系、結像光学系(いずれも図示せず)を備えており、他の露光ヘッドも同様に構成されている。光源20は、例えば放電ランプ(図示せず)によって構成され、光源駆動部21によって駆動される。
【0039】
ベクタデータなどで構成されるCAD/CAMデータが露光装置10へ入力されると、ベクタデータがラスタ変換回路26に送られ、ベクタデータがラスタデータに変換される。生成されたラスタデータは、バッファメモリ(図示せず)に一時的に格納された後、DMD駆動回路24へ送られる。
【0040】
DMD22は、微小マイクロミラーを2次元配列させた光変調素子アレイ(光変調器)であり、各マイクロミラーは、姿勢を変化させることによって光の反射方向を選択的に切り替える。DMD駆動回路24によって各ミラーが姿勢制御されることにより、パターンに応じた光が、結像光学系を通じて基板Wの表面に投影される。
【0041】
ステージ駆動機構15は、コントローラ30からの制御信号に従い、ステージ12を移動させる。位置検出部28は、ステージ12の端部付近に設置されており、複数のフォトセンサから構成されるフォトセンサ群PD、およびパルス信号発生部29を備えている。位置計算部27は、位置検出部28から送られてくる信号に基づき、露光位置、すなわち基板Wの位置を算出する。
【0042】
露光動作中、ステージ(描画テーブル)12は、走査方向Xに沿って一定速度で移動する。DMD22全体による投影エリア(以下、露光エリアという)は、基板Wの移動に伴って基板W上を相対的に移動する。露光動作は所定の露光ピッチに従って行なわれ、露光ピッチに合わせてマイクロミラーがパターン光を投影するように制御される。
【0043】
DMD22の各マイクロミラーの制御タイミングを露光エリアの相対位置に従って調整することにより、露光エリアの位置に描くべきパターンの光が順次投影される。そして、露光ヘッド18を含めた複数の露光ヘッドにより基板W全体を描画することによって、基
板W全体にパターンが形成される。
【0044】
なお、露光方式としては、一定速度で移動する連続移動方式だけでなく、間欠的に移動するステップ&リピートも可能である。また、露光ショット時の投影エリアを部分的に重ねる多重露光(オーバラップ露光)も可能である。
【0045】
露光動作を始める前段階においては、パターンを正確な位置に形成するため、露光開始位置に関する補正処理が行われる。ステージ12を一定速度で移動させながら、位置検出用のパターンの光を投影する。コントローラ30は、位置計算部27から送られてくる位置情報に基づき、露光開始位置を補正する。
【0046】
以下、
図3〜7を用いて、露光位置の検出および補正について説明する。
【0047】
図3は、フォトセンサ群と位置検出パターン列を示した図である。
図4は、フォトセンサとパターンの幅を示した図である。
図5は、フォトセンサに入射する光の光量変化を示した図である。
【0048】
フォトセンサ群PDは、N個のフォトセンサP1、P2、・・・、PNから構成されており、配列ピッチTの等間隔で走査方向に配列されている。一方、位置検出パターン列LPは、走査方向に関して垂直な一連のバー状パターンL1、L2、L3、・・・LMから構成される。M個のパターンL1、L2、L3、・・・LMは、パターンピッチJで等間隔に並ぶ。
【0049】
パターンL1、L2、L3、・・LMそれぞれのパターン幅Kは、フォトセンサ幅Zよりも短い。そのため、1つの先頭位置にあるパターンL1がフォトセンサP1、P2と通過するとき、フォトセンサP1とフォトセンサP2から出力される輝度信号のレベル、すなわちフォトセンサの受光量は、
図5に示すように増加、一定、減少を順次辿る。
【0050】
詳述すると、1つのパターンL1の移動によってパターンL1の一部がフォトセンサP1上に移動するのに伴い、フォトセンサP1の光量は増加していく。パターンL1全体がフォトセンサP1上に位置する間、フォトセンサP1の検出する光量は最大光量で一定となる。そして、パターンL1の移動先端側がフォトセンサP1を超え、フォトセンサP1、P2の間へ移動するのに伴い、フォトセンサP1の光量は低下していく。
【0051】
走査方向に関してフォトセンサP1の隣に位置するフォトセンサP2においても、同じように光量は増加、一定、減少を辿る。この光量変化は、フォトセンサP1に対し、パターンピッチTに応じた期間だけ遅れて生じる。一方、パターンL1の幅Kは、隣り合うフォトセンサ間隔Bよりも大きい。そのため、パターンL1がフォトセンサP1、P2の間を通過する間、フォトセンサP1の光量減少、フォトセンサP2の光量増加が重なる期間Qが生じる(
図5参照)。
【0052】
そして、この期間QにおいてフォトセンサP1、P2の光量が一致する位置、地点を、露光位置として検出する。具体的には、パルス信号発生部29において、光量一致のタイミングでパルス信号が発生し、パターンL1の位置、すなわち基板Wの位置が検出される。これによって、フォトセンササイズ幅Z以下であるオーダーを要求される露光位置を検知することができる。
【0053】
パターンL1が通過するときに光量一致点を検出した後、続いて順次通過するパターンL2、L3、・・LMに対しても、光量一致点を検出する。その結果、フォトセンサP1、P2の間では、M回の露光位置が検出される。
【0054】
さらに、フォトセンサP1、P2だけでなく、隣接するフォトセンサPj、Pj+1(1≦j≦N−1)の間においても、光量一致点を露光位置として検出する。したがって、N個のフォトセンサP1、P2、・・・、PN上を、M個のパターンL1、L2、・・LMが通過するとき、(N−1)×M回露光位置が検出される。すなわち、(N−1)個あるフォトセンサの隙間において、それぞれM回露光位置が検出される。
【0055】
図6は、隣接するフォトセンサP1、P2の光量変化を示した図である。
図7は、パルス信号の出力タイミングを時系列的に示した図である。
【0056】
位置検出パターン列LのパターンピッチJは、以下の式を満たすように定められている。ただし、Tはフォトセンサピッチ、SAは検出される総パルス数、Mはパターン数、Nはフォトセンサ数Nを表す。
J=T/M+T
SA=(N−1)M ・・・(1)
【0057】
このようにパターンピッチJを設定することにより、互いに隣り合うフォトセンサ間で出力される一連のパルス信号の出力タイミングが重ならず、ほぼ一定間隔で時系列的に出力される。
図6には、パルスピッチPSで出力されるパルス信号が図示されている。
【0058】
そして、出力される一連のパルス信号に基づき、露光位置の演算、露光開始位置の補正が実行される。パルスカウンタ、ラッチ回路などを含む位置計算部27では、ステージ12の移動速度、エンコーダ信号等に基づき、時系列的に順次出力される一連のパルス信号から、各パターンの露光位置、すなわち基板上におけるX位置座標が算出される。
【0059】
コントローラ30では、各パルス信号から算出される露光位置に対し、あらかじめ設定された標準露光位置との差を順次算出する。標準露光位置としては、(N−1)個ある隣接フォトセンサ間の中間地点の位置座標が、あらかじめ記憶、設定されている。
【0060】
検出されるすべての露光位置座標に対して補正値を算出した後、その平均値が求められる。この平均値によって、露光位置が補正される。実際の描画処理を行うとき、露光位置を補正値だけシフトさせて描画を開始する。ここでは、複数の露光ヘッドそれぞれに対し、露光位置が基板Wの基準位置として補正される。
【0061】
このように第1の実施形態によれば、複数のフォトセンサP1〜PNを走査方向Xに沿って等間隔に配列させた位置検出部28がステージ12に設置されており、走査方向Xに沿って等間隔で配列したバー状/スリット状パターンL1〜LMから成る位置検出パターン列Lが、走査時に投影される。そして、パターン列通過の間、互いに隣接するフォトセンサの受光量が等しくなる位置が露光位置として時系列に検出され、検出される(N−1)×M個の露光位置に基づき、基準位置が補正される。
【0062】
走査方向に並ぶ複数のフォトセンサにパターン列を投影することによって、多数の場所で露光位置を検出するとともに、同一地点においても多数の露光位置を検出する。これにより、パターン光の照度ムラ、外乱による光量変動の影響、あるいは、フォトセンサの個体差(フォトセンサの出力特性の相違)、経時変化などといった影響を受けることなく、正確な露光位置の検出を、一度の走査で行うことができる。また、フォトセンササイズ、フォトセンサ間隔の極小化などデバイス構造上困難であってコストのかかる構成を用いなくても、精度ある露光位置を検出することができる。
【0063】
パルス信号発生によって露光位置を検出するため、ステージ上において検出部の構成を簡素化できる。特に、複数の露光ヘッドを配置させた場合、各露光ヘッドにおいてパルス信号を発生させ、位置計算部を単一回路として設けることが可能であり、位置検出部の構成を簡素化できる。さらに、時系列的に出力されるパルス信号が同時、もしくは重なって出力しないようにパターンピッチ等を設定しているため、数多くの露光位置を検出することが可能となる。
【0064】
パターン列のパターン数、パターン形状、フォトセンサ数は任意である。異なるフォトセンサ間で複数回露光位置を検出することを考慮すれば、2つ以上のパターンから成るパターン列を構成し、3つ以上のフォトセンサでフォトセンサ群を構成すればよい。また、フォトセンサについては、取り外し可能に配置する構成にしてもよい。
【0065】
位置検出パターンの形状、パターンピッチ、フォトセンサピッチ、フォトセンサ幅、パターン幅においても、各パターン通過時において、隣り合うフォトセンサの間で光量変化が生じ、光量一致点が抽出できるように設定すればよい。すなわち、パターン幅がフォトセンサ幅よりも小さく、隣接フォトセンサ間の距離よりも大きくなるようにすればよい。
【0066】
露光位置の算出については、検出される一連の露光位置から平均値などの代表的露光位置を先に算出し、平均値と標準値との差に基づいて露光開始位置を補正するように構成してもよい。パルス信号発生以外の構成によって光量が等しくなる露光位置を検出するように構成することも可能である。
【0067】
次に、
図8〜11を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、主走査方向(X方向)、副走査方向(Y方向)に関して2次元の露光位置を検出する。それ以外の構成については、実質的に第1の実施形態と同じである。
【0068】
図8は、第2の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターンを示した図である。
図8を用いて、第2の実施形態におけるフォトセンサ群の配置および位置検出パターンについて説明する。
【0069】
位置検出部128は、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bを備え、ステージ12の端付近に副走査方向に沿って並んで配置されている。第1フォトセンサ群128Aでは、移動方向(主走査方向とは逆方向)に対し+45°だけ傾斜した方向に沿って複数のフォトセンサが等間隔で配列されている。
【0070】
一方、第2フォトセンサ群128Bでは、複数のフォトセンサが、移動方向に対し−45°傾斜した方向に沿って等間隔で配列されている。第2フォトセンサ群128Bのセンサ配列方向は、移動方向/主走査方向に関し、第1フォトセンサ群128Aとは逆回転方向に相当する。
図8では、第1フォトセンサ群128Aが移動方向から反時計周りの回転方向に傾斜する一方、第2フォトセンサ群128Bは時計周りの回転方向に傾斜する。
【0071】
また、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bは、同一の走査バンド(露光エリアが走査中に通過する領域)内に配置されており、ここでは、副走査方向に沿って並列するように、隣接する走査バンドにそれぞれ離間配置される。
【0072】
露光位置を検出する場合、第1フォトセンサ群128Aに対しては第1位置検出パターン列HPが投影され、第2フォトセンサ群128Bに対しては第2位置検出パターンIPが投影される。したがって、第1、第2位置検出パターンは、副走査方向に沿って並んで投影される。第1位置検出パターン列HPは、バー状の4つの位置検出パターンH1〜H4から成る。また、位置検出パターンH1〜H4は、第1フォトセンサ群128Aの配列方向(+45°)に垂直な方向に沿って傾斜し、互いに等間隔で移動方向/主走査方向に沿って並ぶ。
【0073】
同様に、第2位置検出パターン列IPは、バー状の4つの位置検出パターンI1〜I4から成り、位置検出パターンI1〜I4は、第2フォトセンサ群128Bの配列方向(−45°)に垂直な方向に沿って傾斜し、互いに等間隔で移動方向/主走査方向に沿って並ぶ。
【0074】
第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bは、それぞれパターンの異なる第1位置検出パターン列HP、第2位置検出パターンIPをそれぞれ通過させるように、副走査方向に所定間隔離れて配置されている。位置検出パターンH1〜H4、I1〜I4各々は、それぞれフォトセンサ群128A、128Bを通過するときにすべてのフォトセンサと交差する長さを有する。
【0075】
なお、
図8に示す主走査方向と基板の移動方向を逆に定めた場合においても、同様にフォトセンサ群を傾斜配置させた構成にすることが可能であり、それに合わせて第1、第2位置検出パターンHP、IPの投影パターン形状を定めればよい。
【0076】
図9は、第1フォトセンサ群における位置検出パターンとフォトセンサとの位置関係を示した図である。
図10は、第2フォトセンサ群における位置検出パターンとフォトセンサとの位置関係を示した図である。
図9、10を用いて、第2の実施形態における露光位置検出について説明する。
【0077】
図9に示すように、隣り合うフォトセンサP
N、P
N−1を1つの位置検出パターンH1が通過するとき、位置検出パターンH1とフォトセンサP
N、P
N−1が主走査方向に対して45°傾いているため、パターン移動方向は主走査方向に対し傾斜している。ここでは、微小変位した位置検出パターンH1を破線で示している。
【0078】
位置検出パターン幅K、フォトセンサ幅Z、フォトセンサピッチTの関係は、第1の実施形態と同様の関係を満たす。したがって、フォトセンサ間で検出される光量分布の中で光量一致点が検出される。なお、位置検出パターンH1は、フォトセンサP
N、P
N−1の配列方向に対し斜め方向に相対移動していくが、位置検出パターンH1はフォトセンサの長軸方向長さよりも十分な長さを有する。したがって、光量変化のある領域全体をパターンが通過していく。
【0079】
第1フォトセンサ群128AのフォトセンサP
N、P
N−1に関し、フォトセンサ配列方向に沿った露光位置を検出する場合、その成分はX成分とY成分とを合成したベクトルによって表される。センサ配列方向が移動方向に関して+45°傾斜しているため、配列方向に沿った露光位置のベクトルをS1、X成分、Y成分のベクトルの大きさをそれぞれdX、dYと表すと、以下の式が成り立つ。
S1=(dX+dY)/√2 ・・・・(1)
ただし、移動方向(−X方向)に対し反時計まわりに傾斜する方向を正としている。また、便宜上、上記式はベクトル符号(→)を用いないで表している。
【0080】
同様に、第2フォトセンサ群128BのフォトセンサP
M、P
M−1に関に関し、フォトセンサ配列方向に沿った露光位置を検出する場合、その成分はX成分とY成分とを合成したベクトルによって表される。配列方向に沿った露光位置のベクトルをS2、X成分、Y成分のベクトルの大きさをそれぞれdX、dYと表すと、以下の式が成り立つ。
S1=(dX−dY)/√2 ・・・・(2)
【0081】
よって、上記(1)、(2)式から、露光位置のX成分dX、Y成分dYは、以下の式によって求められる。
dX=(S1+S2)/√2
dY=(S1−S2)/√2
・・・・・・(3)
【0082】
第1の実施形態と同様、第1位置検出パターン列HP、第2位置検出パターン列IPが通過する中で、互いに隣り合うフォトセンサの光量分布からその輝度レベルが一致するとき、パルス信号が時系列的に出力される。検出される一連のパルス信号の時間間隔は、フォトセンサの配列方向(+/−45°)に沿った距離間隔に対応する。
【0083】
したがって、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ群128Bそれぞれにおいて一連のパルス信号が検出されると、それぞれセンサ配列方向に沿った露光位置S1、S2が3つずつ算出される。算出された一連の露光位置から、S1、S2に関する代表値(平均値など)が算出され、上記(3)式により、露光位置のX成分、Y成分が算出される。
【0084】
算出された代表値は、参照露光位置のX成分、Y成分と比較され、X成分、Y成分の補正値が求められる。そして、補正値に基づき、露光開始位置が主走査方向、副走査方向について補正される。あるいは、補正値に基づいて露光データを補正し、露光動作を実行してもよい。
【0085】
このように第2の実施形態によれば、第1フォトセンサ群128A、第2フォトセンサ128Bが、それぞれ主走査方向に対し+45°/−45°傾斜するように配置され、傾斜方向が互いに逆方向に向いている。そして、第1フォトセンサ群128Aに対しては、第1フォトセンサ群128Aのセンサ配列直交方向に傾斜した第1位置検出パターン列HPを投影し、第2フォトセンサ群128Bに対しては、第1フォトセンサ群128Aのセンサ配列直交方向に傾斜した第2位置検出パターン列IPを投影する。
【0086】
2つのフォトセンサ群を、互いに別方向に並べ、そのセンサ配列方向に合わせて傾斜させた位置検出パターン列を投影することにより、走査中、一連の露光位置が検出される。そして、2つのフォトセンサ群からのセンサ配列方向に沿った位置情報に基づき、主走査方向、副走査方向に沿った(X,Y座標)の露光位置が算出されるとともに、補正値が求められる。これにより、描画開始位置とともに、ステージの副走査方向に沿った移動距離が補正されるか、もしくは、露光データが補正される。特に、副走査方向に沿って露光位置を調整することにより、走査バンドが重なって投影領域に段差が生じることを防ぐことができる。
【0087】
なお、2つのフォトセンサ群のパルス信号から容易に露光位置を算出することを考慮すれば、センサ配列方向は、45°が好ましいがそれ以外にしてもよく、例えば30°から60°の範囲で適宜選択すると、実用上十分な精度で露光位置を検出することができる。また、その傾斜角度の大きさが互いに異なってもよい。
【0088】
具体的には、第1フォトセンサ群128Aが移動方向に対し、0°<α<90°を満たす角度αで傾斜配置される一方、第2フォトセンサ群128Bは、移動方向に対し、−90°<β<0°を満たす角度βで傾斜配置するようにすればよい。また、主走査方向に対しても同様に傾斜配置させることが可能である。
【0089】
その場合、上記(3)式において、センサ配列方向を表す三角関数を用いて2次元の露光位置算出式を導くことができる。ただし、主走査方向、副走査方向を二次元座標軸として規定し、第1フォトセンサ群、第2フォトセンサ群の配置方向をそれぞれベクトルで表した場合、隣接し、かつ異なる象限内にそれぞれベクトルが存在するように、2つの配列方向を定める必要がある。
【0090】
次に、
図11を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1フォトセンサ群と第2フォトセンサ群が同一の走査バンド内に配置される一方、主走査方向に沿って間隔をあけて配置される。
【0091】
図11は、第3の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターン列を示した図である。
【0092】
位置検出部228は、第1フォトセンサ群228A、第2フォトセンサ群228Bを備え、第1フォトセンサ群228Aは、主走査方向に対して正方向に傾斜し、第2フォトセンサ群228Bは、それとは逆回転方向に傾斜している。第1フォトセンサ群228A、第2フォトセンサ群228Bは、露光エリアが1つの走査バンドに沿って移動するとき両方のフォトセンサ群を通過するように、所定間隔を空けて同一走査バンド内に主走査方向に沿って配置されている。
【0093】
走査時において、露光エリアが第1フォトセンサ群228Aを通過する間、位置検出パターン列HPが投影される。そして、露光エリアが第2フォトセンサ群228Bを通過する間、位置検出パターン列HPから位置検出パターン列IPに切り替わって投影される。これにより、第3実施形態と同様に一連のパルス信号が検出され、2次元の露光位置算出および露光開始位置補正が行われる。
【0094】
次に、
図12〜15を用いて、第4の実施形態である露光装置について説明する。第4の実施形態では、バー状パターン対を並列させた位置検出パターン列の光を投影する。
【0095】
図12は、第4の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターン列を示した図である。
図13は、第4の実施形態におけるフォトセンサとパターンの幅を示した図である。
図14は、第4の実施形態における位置検出パターンとフォトセンサを示した図である。
図15は、第4の実施形態における隣り合うフォトセンサの光量変化を示した図である。
【0096】
位置検出パターン列LPは、複数の位置検出パターンL1、L2、・・、LMから構成されており、所定間隔Jで走査方向に配列されている。さらに、位置検出パターンL1、L2、・・・、LMは、それぞれ、2つのバー状パターンF1、F2を対向配置させたパターン対として構成されている。
【0097】
位置検出パターンL1は、第1の実施形態と同様、パターン全体として幅Kをもつ一方、バー状パターンF1、F2は、主走査方向に関してギャップhをもつ。バー状パターンF1、F2は、ここでは同じ幅wであり、ピッチgに従って離れている。ただし、ここでのピッチgは、バー状パターンF1、F2の中心ライン間の距離を表す。バー状パターンF1、F2がともに幅wをもつため、バー状パターンF1、F2の先頭側端面との距離間隔はピッチgと等しい。
【0098】
バー状パターンF1、F2から構成される位置検出パターンL1がフォトセンサP1、P2を通過するときギャップhにはパターンが存在しないため、
図15に示すように、フォトセンサP1、P2から出力される光量C1、C2は、時系列的に見て階段状に変化する。
【0099】
図14に示すように、バー状パターンF1、F2の幅wは、フォトセンサ隙間間隔Bよりも小さい。また、ピッチgは、フォトセンサ幅Zより小さく、かつ、フォトセンサ隙間間隔Bよりも大きい。そして、以下の条件式を満たすように、ピッチgおよび幅wが定められている。
g−w<B<g+w ・・・・・・(4)
【0100】
その結果、光量C1、C2の輝度レベルが等しくなるタイミングが、バー状パターンF1、F2いずれも部分的にフォトセンサ上に位置する時間帯に属する。バー状パターンF1がフォトセンサP2を通過開始してからバー状パターンF1全体がフォトセンサP2上に移動するまでの期間twは、バー状パターンF2の先頭側端面がフォトセンサP1から離れ始めてからバー状パターンF2全体がフォトセンサP1から離れるまでの期間tzと一致する。
【0101】
この期間twにおいて光量C1、C2が一致する輝度レベルGPのときの位置検出パターンL1の位置を、露光位置として検出することができる。ただし、ここではバー状パターンF1、F2の中間位置を露光位置として検出する。
【0102】
図15に示すように、期間twにおける光量C1、C2の変化率は、パターン幅wを狭くすることにより、大きくなる。一般的に、光量変化率が大きいほど、フォトセンサ出力感度は高い。これは、光量一致点における信号の振れ幅が光量変化率に従って変化し、光量変化率が大きい、すなわち傾きが大きいほど振れ幅が小さくなるためである。
【0103】
したがって、パターン幅wをできるだけ狭くすることにより、露光位置をより正確に検出することが可能である。そして、このパターン幅wとともにピッチgの値を調整することによって、光量一致点を調整することができる。一方、フォトセンサに関しては、最大出力値の20〜80%が出力安定領域となる。この出力安定領域に光量一致点が含まれるように、ここではパターン幅wとピッチgの値が設定されている。
【0104】
このように第4の実施形態によれば、バー状パターンF1、F2からなる位置検出パターンL1、L2、・・、LMを並列させた位置検出パターン列LPを走査中に投影し、パターン幅w、バー状パターンピッチgを調整することにより、隣接するフォトセンサの光量C1、C2の一致点GPを同時に検出する。これにより、フォトセンサ隙間間隔hよりも小さいパターンを投影し、より精度ある露光位置を検出することができる。また、フォトセンサ安定領域を考慮して光量C1、C2の一致点をパターン幅w、パターンピッチgの調整により適切なタイミングに設定することにより、感度が高く、ノイズを抑えたフォトセンサ出力信号を得ることができる。
【0105】
次に、
図16を用いて、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、第2の実施形態と同様、X,Y軸に関して2次元的に露光位置が検出される。
【0106】
図16は、第5の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターンを示した図である。
【0107】
図16に示すように、各位置検出パターンH1〜H4、I1〜I4が±45度傾斜した位置検出パターン列VP、WPが投影される間、±45度傾斜したフォトセンサ群128A、128Bが位置検出パターン列VP、WPを通過する。位置検出パターン列VP、WPは、第4の実施形態と同様、一対の位置検出パターンが所定間隔で並んでいる。これにより、X、Y軸の露光位置を正確に検出することができる。
【0108】
次に、
図17を用いて、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、第3の実施形態と同様、2つのフォトセンサ群が同一の走査エリアに配置されている。
【0109】
図17は、第6の実施形態におけるフォトセンサ群と位置検出パターン列を示した図である。
【0110】
図17に示すように、1つの位置検出パターン列VPの光が、フォトセンサ群228A、228Bを通過することにより、X、Y軸の露光位置を検出することができる。
【0111】
第4〜第6の実施形態においては、パターン幅w、ピッチgの値について適宜調整することが可能であり、フォトセンサ隙間間隔hよりも大きく、フォトセンサ幅Zよりも小さいピッチgを設定し、パターン幅wをフォトセンサ隙間間隔hよりも小さく設定すればよい。また、第1〜第3の実施形態と同様、単一の位置検出パターンによって露光位置を検出することも可能である。