(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シートを保持して搬送する圧胴と、前記圧胴の下部に対接して当該圧胴に保持されているシートに番号印刷を施す番号胴と、前記番号胴にインキを供給するインキ供給手段とを有する番号印刷手段を具備する番号印刷部と、
前記番号印刷部からのシートの一方面にコーティングを施す一方面コーティング処理手段と、前記番号印刷部からのシートの他方面にコーティングを施す他方面コーティング処理手段とを有するコーティング部と、
前記コーティング部からのシートを積載する複数の積載台を有するシート排出部と
を備え、
前記番号印刷部と前記コーティング部との間が胴のみで連結されている
ことを特徴とする組合せ印刷機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したような従来の印刷機において、番号印刷後にコーティングを行うためには、番号印刷機からのシート排出作業とコーターへのシート供給作業が不可欠となると共に、番号印刷後、再度コーターにおける見当合わせが必要となる等により、作業工数や印刷及びコーティングの品質の保持等の点でオペレータの負担が大きくなってしまっていた。
【0006】
このようなことから、本発明は、1パスで番号印刷と両面コーティングとを行うことができる組合せ印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するための、本発明に係る組合せ印刷機は、シートを保持して搬送する圧胴と、前記圧胴の下部に対接して当該圧胴に保持されているシートに番号印刷を施す番号胴と、前記番号胴にインキを供給するインキ供給手段とを有する番号印刷手段を具備する番号印刷部と、前記番号印刷部からのシートの一方面にコーティングを施す一方面コーティング処理手段と、前記番号印刷部からのシートの他方面にコーティングを施す他方面コーティング処理手段とを有するコーティング部と、前記コーティング部からのシートを積載する複数の積載台を有するシート排出部とを備え、前記番号印刷部と前記コーティング部との間が胴のみで連結されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る組合せ印刷機は、上述した組合せ印刷機において、前記コーティング部でコーティング処理される前のシートに凸版印刷を施す凸版印刷部を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る組合せ印刷機は、上述した組合せ印刷機において、前記番号印刷部で番号印刷を施されてから、前記コーティング部でコーティング処理される前のシートの印刷品質を検査する検査手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る組合せ印刷機は、上述した組合せ印刷機において、前記番号印刷部で番号印刷を施されてから、前記コーティング部でコーティング処理される前のシートを乾燥させる第一乾燥手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る組合せ印刷機は、上述した組合せ印刷機において、前記コーティング部で一方面及び他方面の一方をコーティング処理されてから、一方面及び他方面の他方をコーティング処理される前のシートの前記一方を乾燥させる第二乾燥手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る組合せ印刷機は、上述した組合せ印刷機において、前記コーティング部でコーティング処理されてから、前記シート排出部の前記積載台に積載される前のシートを乾燥させる第三乾燥手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る組合せ印刷機は、上述した組合せ印刷機において、前記番号印刷部が、前記番号印刷手段を複数備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る組合せ印刷機によれば、1パスで番号印刷と両面コーティングとを行うことができるので、一回のシート搬送にて印刷及びコーティングを完了することができ、印刷及びコーティングの品質並びに生産性の向上を図ることができると共に、オペレータの負担を軽減することができる。
【0015】
くわえて、番号印刷部が圧胴の下部に番号胴を対接させたものであることから、番号胴の調整や保守作業を容易に行うことができ、オペレータの負担を軽減することがさらにできると共に、番号印刷部とコーティング部との間が胴のみで連結されていることから、シートを高精度で受け渡すことができ、高い見当精度で印刷及びコーティングの品質の向上をさらに図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る組合せ印刷機の実施形態を図面に基づいて以下に説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0018】
〈第一番目の実施形態〉
本発明に係る組合せ印刷機の第一番目の実施形態を
図1に基づいて説明する。
【0019】
図1に示すように、本組合せ印刷機100においては、紙(シート)Wを一枚ずつ送給する給紙装置101のフィーダーボード102の先端側には、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する渡胴104がスイング装置103を介して配設されている。この渡胴104には、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する渡胴105が対接している。前記スイング装置103は、前記フィーダーボード102からの紙Wを一枚ずつ前記渡胴104を介して前記渡胴105へ受け渡すことができるようになっている。このような給紙装置101、フィーダーボード102、スイング装置103、渡胴104,105等により、本実施形態ではシート供給部が構成されている。
【0020】
前記渡胴105には、前記渡胴104との対接箇所よりも回転方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する圧胴107が対接している。この圧胴107の下部には、当該圧胴107に保持されている紙Wに凸版印刷を施す版胴108が対接している。この版胴108の下方には、当該版胴108にインキを供給するインキ供給手段であるインキ装置109が設けられている。このような圧胴107、版胴108、インキ装置109等により本実施形態では凸版印刷部である凸版印刷ユニット106が構成されている。
【0021】
前記圧胴107には、前記版胴108との対接箇所(凸版印刷位置)よりも回転方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する搬送胴110が対接している。この搬送胴110には、前記圧胴107との対接箇所より紙搬送方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する圧胴112が対接している。この圧胴112の下部には、当該圧胴112に保持されている紙Wに番号印刷を施す番号胴113が対接している。この番号胴113の下方には、当該番号胴113にインキを供給するインキ供給手段であるインキ装置114が設けられている。このような圧胴112、番号胴113、インキ装置114等により本実施形態では第一番号印刷手段である第一番号印刷ユニット111が構成されている。
【0022】
前記圧胴112には、前記番号胴113との対接箇所(番号印刷位置)よりも回転方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する搬送胴115が対接している。この搬送胴115には、前記圧胴112との対接箇所より紙搬送方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する圧胴117が対接している。この圧胴117の下部には、当該圧胴117に保持されている紙Wに番号印刷を施す番号胴118が対接している。この番号胴118の下方には、当該番号胴118にインキを供給するインキ供給手段であるインキ装置119が設けられている。このような圧胴117、番号胴118、インキ装置119等により本実施形態では第二番号印刷手段である第二番号印刷ユニット116が構成されている。
【0023】
前記圧胴117には、前記番号胴118との対接箇所(番号印刷位置)よりも回転方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する搬送胴120が対接している。この搬送胴120には、前記圧胴117との対接箇所より紙搬送方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する搬送胴122が対接している。この搬送胴122の下部には、当該搬送胴122の周面に対向して二つの乾燥ランプ123が設けられている。このような搬送胴122、乾燥ランプ123等により本実施形態では第一乾燥手段である第一乾燥ユニット121が構成されている。
【0024】
また、前記圧胴117の前記番号胴118との対接箇所と前記搬送胴120との対接箇所との間には、当該間を搬送される紙Wの印刷状態を検査する検査手段である検査装置124が照明器125と共に当該圧胴117の周面に対向するようにして設けられている。検査装置124としては、CCD‐ラインカメラやCCD‐ラインセンサなどの光学的や電子的な撮影装置が採用される。
【0025】
前記搬送胴122には、前記乾燥ランプ123の対向する位置より紙搬送方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する圧胴127が対接している。この圧胴127の上部には、当該圧胴127に保持されている紙Wの他方面にコーティングを施すコーティング胴128が対接している。このコーティング胴128の上部には、当該コーティング胴128の樹脂版の版面にニス等のコーティング液を供給するアニロックスローラ129及びチャンバーコータ130が設けられている。このような圧胴127、コーティング胴128、アニロックスローラ129、チャンバーコータ130等により本実施形態では他方面コーティング処理手段である他方面コーティングユニット126が構成されている。
【0026】
前記圧胴127には、前記コーティング胴128との対接箇所よりも回転方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する搬送胴131が対接している。この搬送胴131には、前記圧胴127との対接箇所より紙搬送方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する搬送胴133が対接している。この搬送胴133の上部には、当該搬送胴133の周面に対向して二つの乾燥ランプ134が設けられている。このような搬送胴133、乾燥ランプ134等により第
二乾燥手段である第二乾燥ユニット132が構成されている。
【0027】
前記搬送胴133には、前記乾燥ランプ134の対向する位置より紙搬送方向下流側に位置して、くわえ爪装置(図示省略)で紙Wの先端をくわえ保持して搬送する圧胴136が対接している。この圧胴136の下部には、当該圧胴136に保持されている紙Wの一方面にコーティングを施すコーティング胴137が対接している。このコーティング胴137の下部には、当該コーティング胴137の樹脂版の版面にニスを供給するアニロックスローラ138及びチャンバーコータ139が設けられている。このような圧胴136、コーティング胴137、アニロックスローラ138、チャンバーコータ139等により一方面コーティング処理手段である一方面コーティングユニット135が構成されている。
【0028】
前記圧胴136には、前記コーティング胴137の対向する位置より紙搬送方向下流側に位置して、デリバリー胴141が対接している。このデリバリー胴141には、図示しないスプロケットが同軸をなして設けられ、爪竿を複数設けたエンドレスの搬送チェーン142が巻き掛けられている。前記搬送チェーン142の下方には、紙Wを積載する積載台143a〜143cが当該搬送チェーン142の走行方向に沿って複数(図示例では三つ)設置されている。ここで、積載台143a,143bは、検査装置124による検査の結果、正常と判断された紙Wが排出される良品用のものであり、積載台143cは、検査装置124による検査の結果、異常と判断された紙Wが排出される不良品用のものである。このようなデリバリー胴141、搬送チェーン142、積載台143a〜143c等により本実施形態ではシート排出部である排紙装置140が構成されている。
【0029】
そして、前記搬送チェーン142における上側走行チェーン部を挟んで、その上方には吸引ガイド144が設置される一方、下方には前記吸引ガイド144に対向して第三乾燥手段である二つの乾燥ランプ145が設置されている。
【0030】
なお、本実施形態においては、前記第一番号印刷ユニット111、前記第二番号印刷ユニット116等により番号印刷部が構成され、前記他方面コーティングユニット126、前記一方面コーティングユニット135等によりコーティング部が構成されている。
【0031】
このような本実施形態に係る組合せ印刷機100においては、給紙装置101からフィーダーボード102上に紙Wを一枚ずつ送給すると、スイング装置103によって、紙Wが渡胴104の前記くわえ爪装置へ一枚ずつ受け渡されて先端側をくわえられ、当該渡胴104から渡胴105の前記くわえ爪装置に先端側をくわえ替えされた後、凸版印刷ユニット106の圧胴107の前記くわえ爪装置に先端側をくわえ替えされて一方面(表面)を外側に向けるようにして保持されて搬送される。
【0032】
前記紙Wが圧胴107と版胴108との間を通過することにより、前記インキ装置109から当該版胴108の表面に予め転写されたインキが、当該圧胴107の周面に保持されて搬送されている紙Wの一方面に転写されて印章等の凸版印刷が施される。
【0033】
前記圧胴107上で一方面に凸版印刷が施された紙Wは、次に、搬送胴110の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされ、この搬送胴110から第一番号印刷ユニット111の圧胴112の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされることにより、一方面を外側に向けるようにして当該圧胴112に保持されて搬送される。
【0034】
前記紙Wが圧胴112と番号胴113との間を通過することにより、前記インキ装置114から当該番号胴113の表面に予め転写されたインキが、当該圧胴112の周面に保持されて搬送されている紙Wの一方面に転写されて第一番目の番号印刷が施される。
【0035】
前記圧胴112上で一方面に第一番目の番号印刷が施された紙Wは、次に、搬送胴115の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされ、この搬送胴115から第二番号印刷ユニット116の圧胴117の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされることにより、一方面を外側に向けるようにして当該圧胴117に保持されて搬送される。
【0036】
前記紙Wが圧胴117と番号胴118との間を通過することにより、前記インキ装置119から当該番号胴118の表面に予め転写されたインキが、当該圧胴117の周面に保持されて搬送されている紙Wの一方面に転写されて第二番目の番号印刷が施される。
【0037】
前記圧胴117上で一方面に第二番目の番号印刷が施された紙Wは、次に、搬送胴120の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされる。ここで、上記紙Wは、上記搬送胴120にくわえ替えされる前、すなわち、前記番号印刷ユニット
111,116で番号印刷を施されてから、前記コーティングユニット126,135でコーティング処理される前に、検査装置124及び照明器125により、一方面の印刷状態が検査される。
【0038】
前記搬送胴120にくわえ替えされた上記紙Wは、第一乾燥ユニット121の搬送胴122の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされることにより、一方面を外側に向けるようにして当該搬送胴122に保持されて搬送される。
【0039】
この搬送下で、乾燥ランプ123により、前述した凸版印刷及び第一,二番目の番号印刷が施されて前記コーティングユニット126,135でコーティング処理される前の紙Wの一方面が加熱されて乾燥される。
【0040】
引き続き、紙Wは、他方面コーティングユニット126の圧胴127の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされることにより、今度は他方面(裏面)を外側に向けるようにして当該圧胴127に保持されて搬送される。
【0041】
前記紙Wが圧胴127とコーティング胴128との間を通過することにより、前記アニロックスローラ129及び前記チャンバーコータ130から当該コーティング胴128の表面に予め塗布されたニス等のコーティング液が、当該圧胴127の周面に保持されて搬送されている紙Wの他方面に塗布されてコーティング処理が施される。
【0042】
前記圧胴127上で他方面にコーティング処理が施された紙Wは、次に、搬送胴131の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされ、この搬送胴131から第二乾燥ユニット132の搬送胴133の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされることにより、他方面を外側に向けるようにして当該搬送胴133に保持されて搬送される。
【0043】
この搬送下で、乾燥ランプ134により、他方面にコーティング処理を施されて一方面にコーティング処理を施されていない紙Wの上記他方面が加熱されて乾燥される。
【0044】
引き続き、紙Wは、一方面コーティングユニット135の圧胴136の前記くわえ爪装置に先端側がくわえ替えされることにより、今度は一方面(表面)を外側に向けるようにして当該圧胴136に保持されて搬送される。
【0045】
前記紙Wが圧胴136とコーティング胴137との間を通過することにより、前記アニロックスローラ138及び前記チャンバーコータ139から当該コーティング胴137の表面に予め塗布されたニス等のコーティング液が、当該圧胴136の周面に保持されて搬送されている紙Wの一方面に塗布されてコーティング処理が施される。
【0046】
前記圧胴136上で一方面にコーティング処理が施された紙Wは、次に、排紙装置140における搬送チェーン142の図示しない爪竿にデリバリー胴
141を介してくわえ替えされることにより、今度は他方面を外側に向けるようにして当該搬送チェーン142の上側走行チェーン部を搬送される。
【0047】
搬送チェーン142により搬送される紙Wは、吸引ガイド144に吸着されながら案内され展設された状態で、前記積載台143a〜143cに積載される前に、一方面が乾燥ランプ145により加熱されて乾燥される。
【0048】
そして、紙Wは、搬送チェーン142の走行にしたがって搬送されて、三つの積載台143a〜143cに選択的に排出される。すなわち、検査装置124による検査の結果、印刷状態が正常と判断されれば、良品として積載台143a上または積載台143b上に排出積載され、異常と判断されれば、不良品として積載台143c上に排出積載される。このとき、各積載台143a〜143c上で排出される紙Wは、前述した凸版印刷及び第一,二番目の番号印刷を施された一方面(表面)を上方に向けるようにして当該積載台143a〜143c上に積載される。
【0049】
このように、本実施形態に係る組合せ印刷機100では、凸版印刷ユニット106による凸版印刷と、第一番号印刷ユニット111及び第二番号印刷ユニット116による二種の番号印刷と、他方面コーティングユニット126及び一方面コーティングユニット135による両面コーティングとを1パスで行うことができる。
【0050】
したがって、本実施形態に係る組合せ印刷機100によれば、凸版印刷及び第一,二番号印刷を行った後、両面コーティングのための再度の見当合わせが不要となり、一回の紙搬送にて各種印刷及びコーティングを完了することができるので、印刷及びコーティングの品質と生産性の向上を図ることができると共に、オペレータの負担を軽減することができる。
【0051】
また、凸版印刷及び第一,二番号印刷を行った後の排紙作業と両面コーティングのための給紙作業が不要となるので、印刷準備時間を大幅に短縮することができると共に、オペレータの負担を軽減することができる。
【0052】
また、凸版印刷及び第一,二番号印刷と両面コーティングとの工程間における中間在庫が無くなり、中間在庫が削減できる。加えて、一貫した生産により、前述した工程間の中間不良が無くなるので、不良率が削減できる。
【0053】
また、凸版印刷ユニット106における版胴108及びインキ装置109と、第一,二番号印刷ユニット111,116における番号胴113,118及びインキ装置114,119とを、それぞれの圧胴107,112,117の下方、すなわち、紙Wの搬送経路の下方に配置したので、フロア上からオペレータが容易に各部の保守や管理を行うことができる。つまり、凸版印刷ユニット106においては、版の交換作業や清掃作業及びインキ装置109の保守管理や調整等を容易に行うことができ、第一,二番号印刷ユニット111,116においては、番号胴113,118に多数設けられている番号器の取り付けや取り外し作業や位置調整作業及びインキ装置114,119の保守管理や調整等を容易に行うことができ、オペレータの負担をさらに軽減することができる。
【0054】
また、前記番号印刷ユニット111,116と前記コーティングユニット126,135との間を前記搬送胴120,122のみで連結していることから、紙Wの受け渡しを高精度に行うことができ、高い見当精度で印刷及びコーティングの品質の向上をさらに図ることができる。
【0055】
さらに、前記凸版印刷ユニット106と前記第一番号印刷ユニット111との間を前記搬送胴110のみで連結し、前記第一番号印刷ユニット111と前記第二番号印刷ユニット116との間を前記搬送胴115のみで連結し、前記他方面コーティングユニット126と前記一方面コーティングユニット135との間を前記搬送胴131,133のみで連結、すなわち、すべての前記ユニット106,111,116,126,135間を前記搬送胴110,115,120,122,131,133のみで連結していることから、すべての前記ユニット106,111,116,126,135間において紙Wの受け渡しを高精度に行うことができ、高い見当精度ですべての印刷及びコーティングの品質の向上をより確実に図ることができる。
【0056】
また、凸版印刷と二種の番号印刷と両面コーティングとをサテライトタイプではなく、ユニットパターン設計にて構成したので、各ユニット数の増減や新旧ユニットの交換等を容易に行うことができ、汎用性を高めることができる。
【0057】
〈第二番目の実施形態〉
本発明に係る組合せ印刷機の第二番目の実施形態を
図2に基づいて説明する。なお、前述した実施形態と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0058】
本実施形態に係る組合せ印刷機は、前述した第一番目の実施形態に係る組合せ印刷機における他方面(裏面)コーティングユニット126の圧胴127と一方面(表面)コーティングユニット135の圧胴136とを直接対接させて、搬送胴133と乾燥ランプ134とからなる第二乾燥ユニット132及び搬送胴131を廃止する一方、他方面(裏面)コーティングユニット126における圧胴127の上部周面(コーティング胴128との対接位置より紙搬送方向下流側と一方面(表面)コーティングユニット135における圧胴136との対接位置より紙搬送方向上流側との間)に対向させて、当該他方面(裏面)コーティングユニット126でコーティング処理された紙Wの他方面(裏面)を加熱・乾燥させる一つの乾燥ランプ(第二乾燥部)134Aを配設したものである。
【0059】
このような本実施形態に係る組合せ印刷機によれば、他方面(裏面)コーティングユニット126の圧胴127と一方面(表面)コーティングユニット135の圧胴136との間で紙Wが直接受け渡されて、凸版印刷ユニット106による凸版印刷と、第一番号印刷ユニット111及び第二番号印刷ユニット116による二種の番号印刷と、他方面コーティングユニット126及び一方面コーティングユニット135による両面コーティングとが1パスで行えるので、前述した実施形態の場合と同様な作用効果が得られることに加えて、第二乾燥ユニット132の廃止による胴数削減で機長の短縮が図れるという利点がある。
【0060】
〈第三番目の実施形態〉
本発明に係る組合せ印刷機の第三番目の実施形態を
図3に基づいて説明する。なお、前述した実施形態と同様な部分については、前述した実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、前述した実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0061】
本実施形態に係る組合せ印刷機は、前述した第二番目の実施形態に係る組合せ印刷機における他方面(裏面)コーティングユニット126と一方面(表面)コーティングユニット135との間において、一方面(表面)コーティングユニット135側の圧胴136(
図2参照)に代えて、くわえ爪装置を有するゴム圧胴150を適用し、このゴム圧胴150の上部周面に、他方面(裏面)コーティングユニット126の圧胴
127(
図2参照)に代えて、ゴム胴151を対接させるように設け、このゴム胴151との対接位置より紙搬送方向上流側に位置したゴム圧胴150の周面に第一乾燥ユニット
121の
搬送胴122を直接対接させたものである。また、デリバリー胴141における搬送チェーン142の回転方向が、前述した第二番目の実施形態に係る組合せ印刷機と反対になっている。それ以外は、前述した第二番目の実施形態と同様である。
【0062】
したがって、アニロックスローラ129及びチャンバーコータ130からコーティング胴128に塗布されるニス等のコーティング液は、ゴム胴151に転移され、
搬送胴122からゴム圧胴150のくわえ爪装置に先端側をくわえ替えされて保持されて当該ゴム胴151とゴム圧胴150との間を通過する紙Wの他方面(裏面)にコーティングされる。同時に、アニロックスローラ138及びチャンバーコータ139からコーティング胴137に塗布されるニス等のコーティング液は、ゴム圧胴150に転移された後、前記ゴム胴151の印圧によって前述した紙Wの一方面(表面)にコーティングされる。
【0063】
本実施形態に係る組合せ印刷機によれば、他方面(裏面)コーティングユニット126側のゴム胴151と一方面(表面)コーティングユニット135側のゴム圧胴150との間で紙Wの両面に同時にコーティングが施され、凸版印刷ユニット106による凸版印刷と、第一番号印刷ユニット111及び第二番号印刷ユニット116による二種の番号印刷と、他方面コーティングユニット126及び一方面コーティングユニット135による両面コーティングとが1パスで行えるので、前述した第二番目の実施形態に係る組合せ印刷機の場合と同様な作用効果が得られることに加えて、他方面(裏面)コーティングユニット126側の圧胴127(
図2参照)の廃止による胴数削減で機長の短縮が図れるという利点がある。
【0064】
〈他の実施形態〉
なお、前述した実施形態においては、前記シート供給部と前記第一番号印刷ユニット111との間に前記凸版印刷ユニット106を配設するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記第二番号印刷ユニット
116と前記他方面コーティングユニット126との間に前記凸版印刷ユニット106を配設する等のように、前記コーティングユニット126,135でコーティング処理される前の紙Wに凸版印刷を施すことができる位置であれば、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を得ることができる。