【実施例】
【0362】
(実施例1 − 合成方法)
以下の合成は、単に例示目的で提供され、本願明細書に記載される本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【0363】
(合成1)
2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc:1’,9’−hi]キサンチリウム塩化物
【化18】
【0364】
方法A − 米国特許第3,932,415号明細書から
7,7’−メチレンビス(2,3,6,7−テトラヒドロベンゾ[i,j]キノリジン−8,8’−ジオール)
塩化水素酸(0.8cm
3、32%)を、5℃のメタノール(16cm
3)中の8−ヒドロキシジュロリジン(3.00g、15.9mmol)の溶液に滴下した。次いでホルマリン(0.593cm
3、40% 水溶液)をこの反応液に加え、得られた混合物を5℃で一晩放置した。次いで、この混合物を水(50cm
3)の中へと注ぎ込み、その後、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液を用いて中和した。この混合物を、クロロホルム(3×40cm
3)で抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(3:7 酢酸エチル/ヘキサン)により、目的物質を無色の固体(2.11g、68%)として得た。
【0365】
δ
H(250MHz,CDCl
3):6.68(2H,s,CH),3.64(2H,s,CH
2),3.00(8H,t,J
1=6Hz,CH
2),2.67(4H,J
1=6Hz,CH
2),2.60(4H,t,J
2=7Hz,CH
2),1.97−1.90(8H,m,CH
2);δ
C(100MHz,CDCl
3):149.3,142.7,127.6,114.6,114.5,108.5,50.2,49.4,30.9,27.0,22.5,21.7,21.2;ν
max(KBr)/cm
−1:3431,2927,2853,2842,1618,1494,1450,1350,1332,1310,1281,1270,1153,1132;m/z(ESI):389.3(100%,[M−H]
+)。
【0366】
2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc;1’,9’−hi]キサンチリウム塩化物
7,7’−メチレンビス(2,3,6,7−テトラヒドロベンゾ[i,j]キノリジン−8,8’−ジオール)(630mg、1.62mmol)を、25℃で濃硫酸(2.5cm
3)に加えた。得られた溶液を95℃に3時間加熱した。この反応液を室温まで放冷し、その後、氷(15cm
3)の中へと注ぎ込んだ。この溶液のpHを、温度を15℃未満に維持しながら、水酸化ナトリウム(40%)を用いてpH 5に調整した。塩化水素酸(1cm
3、32%)を加え、次いで反応温度を室温まで上昇させた。水(10cm
3)中の亜硝酸ナトリウム(222mg、3.23mmol)の溶液を撹拌しながら滴下し、この反応液を20時間放置した。次いでこの溶液を塩化ナトリウムで飽和させ、その後、クロロホルム(6×30cm
3)で抽出した。合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、目的物質を緑色の固体(214mg、33%)として得た。
【0367】
方法B
7,7’−メチレンビス(2,3,6,7−テトラヒドロベンゾ[i,j]キノリジン−8,8’−ジオール)二塩酸塩
塩化水素酸(1cm
3、32%)を、5℃のメタノール(17.5cm
3)中の8−ヒドロキシジュロリジン(3.51g、18.57mmol)の溶液に滴下した。次いでホルマリン(0.72cm
3、40%水溶液)をこの反応液に加え、得られた混合物を60℃で6時間加熱した。塩化水素酸(1cm
3、32%)を、この混合物に加え、その後、室温まで冷却した。次いで生成物を濾過によって集め、冷メタノール(2×5cm
3)で洗浄し、真空下で一晩乾燥し、目的物質を無色の固体(3.49g、81%)として得た。
【0368】
δ
H(250MHz,D
2O):6.76(2H,s,CH),3.76(2H,s,CH
2),3.46−3.38(8H,m,CH
2),2.78−2.72(8H,m,CH
2),2.10−2.04(8H,m,CH
2);ν
max(KBr)/cm
−1:3463,2930,1634,1477,1435,1306,1224,1095;m/z(ESI):391.3(89%,[M−HCl
2]
+),196.7(100%)。
【0369】
2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc;1’,9’−hi]キサンチリウム塩化物
7,7’−メチレンビス(2,3,6,7−テトラヒドロベンゾ[i,j]キノリジン−8,8’−ジオール)二塩酸塩(1.00g、2.15mmol)を、25℃で濃硫酸(4cm
3)に加えた。得られた溶液を90℃に3時間に加熱した。この反応液を放冷し、その後、氷(5cm
3)の中へと注ぎ込んだ。この溶液のpHを、温度を15℃より低く維持しながら、水酸化ナトリウム(40%)を用いてpH 9に調整した。塩化水素酸(2cm
3、32%)を加え、反応温度を室温まで上昇させた。水(5cm
3)中の亜硝酸ナトリウム(298mg、4.32mmol)の溶液を撹拌しながら滴下し、この反応液を室温で20時間撹拌した。この混合物を濾過し、固体を集め、真空下で一晩乾燥した。次いでこの固体をメタノールで抽出し(15cm
3)、溶媒を減圧下で除去し、生成物を緑色の固体(455mg、52%)として得た。
【0370】
δ
H(250MHz,CD
3OD):8.18(1H,s,CH),7.32(2H,s,CH),3.63(8H,t,J
1=6Hz,CH
2),3.00(4H,J
1=6Hz,CH
2),2.87(4H,t,J
2=7Hz,CH
2),2.09−2.02(8H,m,CH
2);δ
C(100MHz,CD
3OD):152.4,151.7,142.7,128.0,124.1,113.7,105.3,50.8,50.2,27.2,20.6,19.6,19.5;ν
max(KBr)/cm
−1:3042,3028,2921,1600,1580,1517,1305,1166,1147;m/z(ESI):371.3(100%,[M−Cl]
+)。
【0371】
(合成2)
2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc:1’,9’−hi]キサンチリウム硝酸塩
【化19】
2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc:1’,9’−hi]キサンチリウム硝酸塩
7,7’−メチレンビス(2,3,6,7−テトラヒドロベンゾ[i,j]キノリジン−8,8’−ジオール)二塩酸塩(1.00g、2.15mmol)を、25℃で濃硫酸(3cm
3)に加えた。得られた溶液を90℃に2時間に加熱した。この反応液を室温まで放冷し、その後、氷水(6cm
3)を加えた。この溶液のpHを、温度を20℃より低く維持しながら、水酸化ナトリウム(40%)を用いてpH 9に調整した。硝酸(0.5cm
3、70%)を加え、反応温度を室温まで上昇させた。この反応液を室温で1時間撹拌し、その後、濾過した。固体を集め、新しい水(50cm
3)に溶解した。硝酸(0.5cm
3、70%)を加え、この反応液を室温で24時間撹拌した。この粗生成物を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した。この固体を水(25cm
3)に再溶解し、濁る点に到達するまで硝酸(70%)を加えた。混合物を50℃に1時間加熱し、その後、1時間にわたって室温まで冷却した。沈殿物を集め、真空下で一晩乾燥し、生成物を緑色の固体(323mg、34%)として得た。
【0372】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.26(1H,s,CH),7.35(2H,s,CH),3.49−3.41(8H,m,CH
2),2.90−2.71(8H,m,CH
2),2.00−1.82(8H,m,CH
2);δ
C(100MHz,DMSO−d
6):152.2,151.6,143.1,128.6,124.0,113.5,105.3,51.0,50.4,27.4,20.7,19.8,19.7;ν
max(KBr)/cm
−1:2972,2853,1600,1514,1436,1361,1336,1299,1200,1164,1093,1030。
【0373】
(合成3)
8−(トリフルオロメチル)−2,3,5,6,11,12,14,15−オクタヒドロ−1H,4H,10H,13H−ジキノリジノ[9,9a,1−bc;9’,9a’1’−hi]キサンチリウム過塩素酸塩
【化20】
N.F.Haley、Journal of Heterocyclic Chemistry 1977年、第14巻、683頁に記載された方法。
【0374】
8−(トリフルオロメチル)−2,3,5,6,11,12,14,15−オクタヒドロ−1H,4H,10H,13H−ジキノリジノ[9,9a,1−bc;9’,9a’1’−hi]キサンチリウム過塩素酸塩
トリフルオロ酢酸(0.25cm
3)、8−ヒドロキシジュロリジン(1.00g、5.29mmol)および無水トリフルオロ酢酸(3.94g、21.1mmol)を、ジクロロメタン(8cm
3)の中で、窒素下、室温で4日間一緒に撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留固体を水(100cm
3)に加えた。得られた混合物を濾過し、この固体を水(2×10cm
3)で洗浄した。過塩素酸(3cm
3)を、この濾液に加え、この混合物を室温で一晩放置した。この沈殿物を濾過によって集め、乾燥した。カラムクロマトグラフィー(1:9 メタノール/ジクロロメタン)により、目的物質を紫色の固体(67mg、5%)として得た。
【0375】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.52(2H,s,CH),3.60(8H,t,J
1=6Hz,CH
2),2.97(4H,J
1=6Hz,CH
2),2.88(4H,t,J
2=7Hz,CH
2),2.07−2.03(8H,m,CH
2);δ
C(100MHz,CD
3OD):152.2,151.4,125.9,124.0,123.9,110.0,106.2,51.0,50.4,27.7,20.6,19.7,19.5;ν
max(KBr)/cm
−1:2926,1598,1500,1317,1297,1265,1150,1109;m/z(ESI):439.3(100%,[M−ClO
4]
+)。
【0376】
(合成4)
8−エチル−2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc;1’,9’−hi]キサンチリウム塩化物
【化21】
7,7’−プロピリジン−ビス−(2,3,6,7−テトラヒドロベンゾ[i,j]キノリジン−8,8’−ジオール)
8−ヒドロキシジュロリジン(5.00g、26.45mmol)をエタノール(50cm
3)および塩化水素酸(1.3cm
3、32%)の溶液に溶解した。プロピオンアルデヒド(767mg、13.23mmol)をこの混合物に加え、この反応液を40℃に18時間加熱した。さらなる量のプロピオンアルデヒド(767mg、13.23mmol)を加え、この反応液をさらに24時間加熱した。得られた溶液を冷却し、水(75cm
3)の中へと注ぎ込んだ。この混合物を、炭酸水素ナトリウム(飽和溶液)を用いて中和し、ジクロロメタン(3×40cm
3)で抽出した。合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(3:7 酢酸エチル/ヘキサン)により、目的物質を低融点の無色の固体(2.76g、50%)として得た。
【0377】
δ
H(250MHz,CDCl
3):6.69(2H,s,CH),5.57(2H,s,OH),3.83(1H,t,J
1=6.5Hz,CH),3.02−3.00(8H,m,CH
2),2.68−2.65(4H,m,CH
2),2.60−2.55(4H,m,CH
2),2.02−1.91(6H,m,CH
2),0.88(3H,t,J
2=7Hz,CH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:3411,2930,1626,1493,1353,1197。
【0378】
8−エチル−2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc;1’,9’−hi]キサンチリウム塩化物
7,7’−プロピリジン−ビス−(2,3,6,7−テトラヒドロベンゾ[i,j]キノリジン−8,8’−ジオール)(1.00g、2.39mmol)を濃硫酸(4cm
3)に溶解し、得られた溶液を90℃に3時間加熱した。この反応液を室温まで放冷し、その後、氷水(20cm
3)を用いてクエンチした。この混合物を、15℃以下の反応温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(40%)を用いて中和した。塩化水素酸(2cm
3、32%)を加え、この混合物を放置して室温まで加温した。水(15cm
3)に溶解した亜硝酸ナトリウム(330mg、4.78mmol)を滴下し、この反応液を室温で16時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した。カラムクロマトグラフィー(1:9 メタノール/ジクロロメタン)により、目的物質を緑色の固体(94mg、9%)として得た。
【0379】
δ
H(250MHz,CD
3OD):7.64(2H,s,CH),3.53(8H,t,J
1=5Hz,CH
2),3.00−2.89(8H,m,CH
2),2.03−2.01(10H,m,CH
2),1.34(3H,t,J
2=7Hz,CH
3);m/z(ESI):399.3(100%,[M−Cl]
+)。
【0380】
(合成5)
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム塩化物
【化22】
【0381】
5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール
J.Biehringer、Journal Fur Praktische Chemie、1896年、第54巻、235頁から改変した。
【0382】
3−ジエチルアミノフェノール(200g、1.21mmol)およびイソプロパノール(600cm
3)の懸濁液を2Lのジャケット付き反応容器の中で撹拌した。このジャケットを20℃に維持し、その間に濃塩化水素酸(67cm
3、32%)を加えた。この反応液を20℃まで放冷し、その後、ホルマリン(47cm
3、39%水溶液)を10分間にわたって滴下した。得られた溶液を20℃で3.5時間撹拌した後、この反応が完結したとTLCにより判断した[R
f=0.4(生成物) 対 0.7(出発物質)(3:7 酢酸エチル/石油エーテル 40/60)]。水(800cm
3)中の炭酸水素アンモニウム(90.0g)の溶液を調製し、次いで、上記反応液に35分間にわたって滴下した。この反応液をさらに1時間撹拌し、その後、得られた固体を濾過し、水(2×200cm
3)で洗浄した。固体を60℃で一晩乾燥し、次いで、還流下で1時間、イソプロパノール(250cm
3)に溶解した。この溶液を90分間にわたって5℃まで冷却し、5℃でさらに1時間撹拌した。生成物を濾過によって集め、予め冷却したイソプロパノール(2×100cm
3)で洗浄し、50℃で2時間乾燥し、目的物質を薄茶色の結晶性の固体(141g、68%)として得た。
【0383】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.03(2H,d,J
1=8Hz,CH),6.20(2H,dd,J
1=8Hz,J
2=3Hz,CH),6.14(2H,d,J
2=3Hz,CH),3.71(2H,s,CH
2),3.22(8H,q,J
3=7Hz,CH
2),1.07(12H,t,J
3=7Hz,CH
3);δ
C(63MHz,CDCl
3):153.6,147.7,131.0,116.2,106.3,100.9,44.7,29.8,12.3;ν
max(KBr)/cm
−1:3446,3383,2975,2925,1596,1519,1396,1374,1262,1169,1152;m/z(ESI):343.3(100%,[M+H]
+)。
【0384】
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム塩化物
J.Biehringer、Journal Fur Praktische Chemie、1896年、第54巻、217頁;J.Biehringer、Chemische Berichte、1894年、第27巻、3299頁;および米国特許第3,932,415号明細書から改変した。
【0385】
5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(2.00g、5.85mmol)を、濃硫酸(7.2cm
3)および水(0.8cm
3)の混合物に少しずつ加えた。この溶液を窒素下で140℃に2時間加熱した。この溶液を5℃まで放冷し、その後、氷水(10cm
3)を加えた。この溶液のpHを、20℃以下の温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(40%)をゆっくり加えることによりpH 9に調整した。塩化水素酸(3.5cm
3、32%)を加え、この溶液を放置して室温まで加温した。水(10cm
3)に溶解した亜硝酸ナトリウム(807mg、11.7mmol)を滴下した。添加が完結すると、この反応液を室温で16時間撹拌した。この混合物を濾過し、固体を真空下で20時間乾燥した。この固体をメタノールで抽出し、溶媒を減圧下で除去し、生成物を緑色の固体(1.18g、56%)として得た。
【0386】
スケールアップ手順:
5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(10.00g、29.24mmol)を、5℃に予め冷却した濃硫酸(28.5cm
3)および水(9.5cm
3)の混合物に少しずつ加えた。この溶液を窒素下で140℃で2時間に加熱した。この溶液を5℃まで放冷し、その後、氷水(50cm
3)を加えた。この溶液のpHを、20℃以下の温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(40%)をゆっくり加えることによりpH 9に調整した。塩化水素酸(17.5cm
3、32%)を加え、この溶液を放置して室温まで加温した。水(25cm
3)に溶解した亜硝酸ナトリウム(4.03mg、58.48mmol)を滴下した。添加が完結すると、この反応液を室温で2時間撹拌した。この混合物を濾過し、固体を真空下で乾燥した。この固体をメタノール(60cm
3)で抽出し、溶媒を減圧下で除去し、生成物を緑色の固体(5.78g、55%)として得た。
【0387】
δ
H(250MHz,CD
3OD):8.51(1H,s,CH),7.76(2H,d,J
1=9Hz,CH),7.13(2H,dd,J
1=9Hz,J
2=3Hz,CH),6.88(2H,d,J
2=3Hz,CH),3.68(8H,q,J
3=7Hz,CH
2),1.31(12H,t,J
3=7Hz,CH
3);δ
C(100MHz,DMSO−d
6):158.2,156.2,146.3,134.2,114.9,114.3,96.4,46.0,13.1;ν
max(KBr)/cm
−1:2975,2925,1596,1579,1519,1347,1169,1132,1076;m/z(ESI):323.3(100%,[M−Cl]
+)。
【0388】
(合成6)
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム臭化物
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム臭化物
方法A
【化23】
5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(5.00g、14.62mmol)を、濃硫酸(15cm
3)および水(5cm
3)の混合物に少しずつ加えた。この溶液を窒素下で160℃に2時間加熱した。この溶液を5℃まで放冷し、その後、氷水(25cm
3)を加えた。この溶液のpHを、20℃以下の温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(40%)をゆっくり加えることによりpH 9に調整した。臭化水素酸(8cm
3、48%)を滴下し、この溶液を放置して室温まで加温した。水(25cm
3)に溶解した亜硝酸ナトリウム(2.02mg、29.24mmol)を滴下した。添加が完結すると、この反応液を室温で18時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって集め、真空下で乾燥し、生成物を緑/褐色の固体(2.51g、43%)として得た。
【0389】
方法B
【化24】
濃硫酸(10.8cm
3)を、水(1.2cm
3)に加え、この混合物を氷の中で5℃まで冷却した。5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(4.00g、11.70mmol)を、撹拌しながら少しずつ加えた。次いでこの混合物を、窒素下で、110℃で22時間加熱した。得られた暗橙色の溶液を氷の中で5℃まで冷却し、その後、氷水(20cm
3)を加えた。この混合物を、20℃以下の温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(40%水溶液)をゆっくり加えることにより中和した。塩化水素酸(12cm
3、32%)を滴下し、この混合物を室温で30分間撹拌した。水(12cm
3)に溶解した塩化鉄(III)(12.64g、46.78mmol)を加え、この混合物を90℃に4時間加熱した。この溶液を3時間にわたって室温まで冷却した。得られた緑色の沈殿物を濾過によって集めた。固体を水(60cm
3)に溶解した。硝酸(3cm
3、70%)を加え、この混合物を室温で30分間撹拌した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した。この固体を水(40cm
3)に溶解し、KBr(4.00g、33.61mmol)を加え、この混合物を60℃に30分間加熱した。この混合物を3時間にわたって室温まで冷却した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥し、生成物を緑色の結晶性の固体(3.52g、74%)として得た。
【0390】
方法C
【化25】
濃硫酸(162cm
3)を水(18cm
3)に加え、この混合物を氷の中で5℃まで冷却した。5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(60.00g、0.175mol)を、撹拌しながら少しずつ加えた。次いでこの混合物を、アルゴン下で、110℃で22時間加熱した。得られた暗橙色の溶液を氷の中で5℃まで冷却し、その後、氷水(300cm
3)を加えた。水(240cm
3)に溶解した塩化鉄(III)(94.74g、0.351mol)を加え、この混合物を空気中で、90℃で22時間加熱した。この溶液を3時間にわたって室温まで冷却した。得られた緑色の沈殿物を濾過によって集めた。固体を水(90cm
3)に溶解した。硝酸(50cm
3、70%)を加え、この混合物を室温で30分間撹拌した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した。この固体を水(170cm
3)に溶解し、KBr(38.00g、0.319mol)を加え、この混合物を60℃で30分間加熱した。この混合物を3時間にわたって室温まで冷却した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥し、生成物を緑色の結晶性の固体(34.34g、48%)として得た。
【0391】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.74(1H,s,CH),7.85(2H,d,J
1=9Hz,CH),7.19(2H,d,J
1=9Hz,CH),6.88(2H,s,CH),3.65(8H,q,J
2=6Hz,CH),1.20(12H,t,J
2=6Hz,CH
3);δ
C(100MHz,DMSO−d
6):158.1,156.2,146.2,134.2,114.9,114.3,96.4,46.0,19.1;ν
max(KBr)/cm
−1:2970,1650,1594,1520,1489,1428,1396,1346,1265,1168,1073,1006,968;m/z(ESI):323.2(100%,[M−Br]
+)。
【0392】
(合成7)
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウムテトラクロロ鉄酸塩
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウムテトラクロロ鉄酸塩
【0393】
方法A
【化26】
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム塩化物(40mg、0.111mmol)を水(5cm
3)に溶解した。塩化鉄(III)(30mg、0.111mmol)を加え、この溶液を室温で2時間放置した。緑色の沈殿物が観察されるまで、塩化ナトリウムを加えた。この沈殿物を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した(53mg、91%)。
【0394】
変更した方法:
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム塩化物(100mg、0.279mmol)を水(15cm
3)に溶解した。塩化鉄(III)(75mg、0.279mmol)を加え、この溶液を室温で30分間放置した。緑色の沈殿物が観察されるまで、塩化ナトリウムを加えた。この沈殿物を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した(141mg、97%)。
【0395】
方法B
【化27】
濃硫酸(27cm
3)を、水(3cm
3)に加え、この混合物を氷の中で5℃まで冷却した。5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(10.00g、29.24mmol)を、撹拌しながら少しずつ加えた。次いでこの混合物を、窒素下で、140℃で90分間加熱した。得られた暗橙色の溶液を氷の中で5℃まで冷却し、その後、氷水(60cm
3)を加えた。この混合物を、20℃以下の温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(40%水溶液)をゆっくり加えることにより中和した。塩化水素酸(10cm
3、32%)を滴下し、この混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物を濾過し、この固体硫酸ナトリウムを水(3×50cm
3)で洗浄した。水(50cm
3)に溶解した塩化鉄(III)(15.79g、58.47mmol)をこの濾液に加え、この混合物を90℃に2時間加熱した。この溶液を室温まで冷却し、生成物の沈殿が生じるまで(pH 約1)、濃塩化水素酸をゆっくり加えた。この混合物を濾過し、固体を真空下で一晩乾燥し、生成物を緑色の固体(11.43g、75%)として得た。
【0396】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.76(1H,s,CH),7.85(2H,d,J
1=9Hz,CH),7.16(2H,dd,J
1=9Hz,J
2=3Hz,CH),6.86(2H,d,J
2=3Hz,CH),3.64(8H,q,J
3=7Hz,CH
2),1.27(12H,t,J
3=7Hz,CH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:2970,2926,1585,1495,1396,1343,1252,1074;m/z(ESI):323.2(100%,[M−FeCl
4]
+)。
【0397】
(合成8)
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンテン二塩酸塩
【化28】
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンテン二塩酸塩
濃硫酸(6cm
3)を水(2cm
3)に加え、この混合物を氷の中で5℃まで冷却した。5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(2.00g、5.85mmol)を、撹拌しながら少しずつ加えた。次いでこの混合物を、窒素下で、160℃で2時間加熱した。得られた暗橙色の溶液を氷の中で5℃まで冷却し、その後、氷水(10cm
3)を加えた。この混合物を、温度を20℃よりも低く保って、水酸化ナトリウム(40%水溶液)をゆっくり加えることにより中和した。得られた沈殿物を濾過によって集め、水(2×10cm
3)で洗浄し、真空下で一晩乾燥した。この中間体を、メタノール(20cm
3)および塩化水素酸(1.3cm
3、32%)の溶液に加え、均一になるまで1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、固体を真空下で一晩乾燥し、生成物を紫色の固体(1.03g、44%)として得た。
【0398】
δ
H(250MHz,D
2O):7.49(2H,d,J
1=8Hz,CH),7.26−7.21(4H,m,CH),4.16(2H,s,CH
2),3.63(8H,q,J
3=7Hz,CH
2),1.12(12H,t,J
3=7Hz,CH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:2980,2614,1612,1479,1414,1344,1290,1153,1106,1015;m/z(ESI):325.3(41%,[M−HCl
2]
+)。
【0399】
(合成9)
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム硝酸塩
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム硝酸塩
方法A
【化29】
濃硫酸(5.4cm
3)を水(0.6cm
3)に加え、この混合物を氷の中で5℃まで冷却した。5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(2.00g、5.85mmol)を、撹拌しながら少しずつ加えた。次いでこの混合物を、窒素下、140℃で90分間加熱した。得られた暗橙色の溶液を氷の中で5℃まで冷却し、その後、氷水(12cm
3)を加えた。この混合物を、20℃以下の温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(40%水溶液)をゆっくり加えることにより中和した。硝酸(1cm
3、70%)を滴下し、この混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物を濾過し、固体の硫酸ナトリウムを水(3×10cm
3)で洗浄した。硝酸(1cm
3、70%)を濾液に加え、次いで水(10cm
3)中の亜硝酸ナトリウム(807mg、11.70mmol)を滴下した。この反応液を室温で15分間撹拌し、その後、得られた固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥し、生成物を紫色/緑色の固体(643mg、29%)として得た。
【0400】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.55(1H,s,CH),7.79(2H,d,J
1=9Hz,CH),7.17(2H,dd,J
1=9Hz,J
2=2Hz,CH),6.93(2H,d,J
2=2Hz,CH),3.69(8H,q,J
3=7Hz,CH
2),1.32(12H,t,J
3=7Hz,CH
3);δ
C(100MHz,DMSO−d
6):158.2,156.2,146.3,134.2,114.9,96.4,45.0,13.1;ν
max(KBr)/cm
−1:2978,1596,1522,1493,1387,1347,1264,1168,1074,1007;m/z(ESI):323.2(100%,[M−NO
3]
+)。
【0401】
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム硝酸塩・HNO
3
方法B
【化30】
濃硫酸(5.4cm
3)を水(0.6cm
3)に加え、この混合物を氷の中で5℃まで冷却した。5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(2.00g、5.85mmol)を、撹拌しながら、少しずつ加えた。次いでこの混合物を窒素下、140℃で90分間加熱した。得られた暗橙色の溶液を氷の中で5℃まで冷却し、その後、氷水(12cm
3)を加えた。この混合物を、20℃以下の温度を維持しながら、水酸化ナトリウム(40%水溶液)をゆっくり加えることにより中和した。硝酸(6cm
3、70%)を滴下し、この沈殿物が完全に溶解するまで、この混合物を室温で30分間撹拌した。この反応液を100℃に24時間加熱し、次いで室温まで冷却した。硝酸(0.5cm
3、70%)を加え、得られた固体を濾過によって集めた。
【0402】
この粗生成物を新しい水(20cm
3)に溶解し、生成物が沈殿し始めるまで、硝酸(数滴、70%)を加えた。次いでこの混合物を60℃で30分間加熱し、その後4時間にわたって室温まで冷却した。次いでこの混合物を濾過し、この沈殿物を真空下で一晩乾燥し、生成物を緑/紫色の固体(467mg、21%)として得た。
【0403】
あるいは、この粗生成物を新しい水(20cm
3)に溶解し、生成物が沈殿するまで硝酸(数滴、70%)を加えた。次いでこの混合物を濾過し、この沈殿物を真空下で一晩乾燥した。物質を最小量の熱IPAに溶解し、一晩5℃に冷却し、固体を濾過によって集め、真空下で乾燥し、生成物を緑/紫色の固体(401mg、18%)として得た。
【0404】
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム硝酸塩・HNO
3
方法C
【化31】
3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウムテトラクロロ鉄酸塩(11.00g、21.11mmol)を水(40cm
3)に溶解した。硝酸(2cm
3、70%)を加え、この混合物を室温で30分間撹拌した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥し、生成物を紫色の固体(7.11g、54%)として得た。
【0405】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8,73(1H,s,CH),7.86(2H,d,J=9Hz,CH),7.21(2H,d,J=9Hz,CH),6.90(2H,s,CH),3.72−3.55(8H,m,CH
2),1.21(12H,t,J=7Hz,CH
3)。
【0406】
上記の方法Cは、テトラクロロ鉄酸アニオン対イオンを有する中間体の調製を伴う。硝酸を使用して、その対イオンを置き換えてもよい。過剰レベルの鉄は、一般に、医薬品では許容されない。下記の表1は、中間体のテトラクロロ鉄酸塩(ピロニン FeCl
4−)と比較して、方法C(ピロニン B NO
3−.HNO
3)によって得られた生成物の中の金属レベルを示す。
【0407】
【表17】
【0408】
(合成10)
9−エチル−3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム塩化物
【化32】
5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−プロピリジン−ジ−フェノール3−ジエチルアミノフェノール(10.00g、60.61mmol)をメタノール(15cm
3)に溶解した。この溶液を5℃まで冷却し、その後、塩化水素酸(3cm
3、32%)を加えた。次いでプロピオンアルデヒド(1.76g、30.30mmol)を滴下し、得られた溶液を40℃に一晩加熱した。第2の分量のプロピオンアルデヒド(1.76g、30.30mmol)を加え、この混合物をさらに24時間加熱した。この混合物を水(30cm
3)の中へと注ぎ込み、その後、炭酸水素アンモニウムの飽和溶液を用いてpHをpH 8に調整した。この混合物を、ジクロロメタン(3×20cm
3)で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(3:7 酢酸エチル/ヘキサン)により、目的物質をピンク色の固体(2.11g、19%)として得た。
【0409】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.05(2H,d,J
1=8.5Hz,CH),6.23(2H,dd,J
1=8.5Hz,J
2=2.5Hz,CH),6.09(2H,d,J
2=2.5Hz,CH),3.96(1H,t,J
3=7Hz,CH),3.23(8H,q,J
4=7Hz,CH
2),2.06−2.00(2H,m,CH
2),1.08(12H,t,J
4=7Hz,CH
3),0.90(3H,t,J
3=7Hz,CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):153.8,147.4,127.5,118.5,105.8,99.9,44.3,36.6,26.3,12.8,12.5;ν
max(KBr)/cm
−1:2967,2899,1620,1517,1354,1210,1091,1076;m/z(ESI+):371.3(100%,[M+H]
+)。
【0410】
9−エチル−3,6−ビス−ジエチルアミノキサンチリウム塩化物
米国特許第3,932,415号明細書から改変した。
5,5’−ビス−ジエチルアミノ−2,2’−プロピリジン−ジ−フェノール(500mg、1.35mmol)を少しずつ濃硫酸(2cm
3)に加えた。この溶液を90℃に3時間加熱した。この溶液を室温まで冷却し、次いで氷水(20cm
3)の中へと注ぎ込んだ。水酸化ナトリウム(40%水溶液)をゆっくり加えることにより、この溶液のpHをpH 6に調整した。塩化水素酸(1cm
3、32%)を加え、この溶液を放置して室温まで加温した。水(10cm
3)に溶解した亜硝酸ナトリウム(186mg、2.70mmol)を滴下した。添加が完結すると、この反応液を室温で16時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過によって集め、真空下で乾燥した。この固体をメタノール/ジクロロメタン(1:20、3×10cm
3)で抽出した。溶媒を真空下で除去し、緑色の固体を得た。次いでこれを水(10cm
3)に溶解し、濾過し、固体残渣を水(2×5cm
3)で洗浄した。この水溶液を塩化ナトリウムで飽和させ、その後、これを、クロロホルム(7×30cm
3)で抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、生成物を緑色の固体(59mg、11%)として得た。
【0411】
δ
H(250MHz,CD
3OD):8.11(2H,d,J
1=8Hz,CH),7.17(2H,dd,J
1=8Hz,J
2=3Hz,CH),6.89(2H,d,J
2=3Hz,CH),3.65(8H,J
3=7Hz,CH
2),3.45−3.38(2H,m,CH
2),1.40−1.20(15H,m,CH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:2972,1592,1469,1398,1343,1248,1185,1132,1073;m/z(ESI):351.2(100%,[M−Cl]
+)。
【0412】
(合成11)
3,6−ビス(ジエチルアミノ))チオキサンチリウムヨウ化物
【化33】
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ジフェニルメタン
酢酸(8.05g、0.134mol)をN,N−ジエチルアニリン(10.0g、67.1mmol)に滴下した。撹拌しながらホルマリン(3.00cm
3、37%水溶液)を加え、この混合物を、90分間加熱して還流させた。この反応液を放冷し、その後、氷水(50cm
3)で希釈した。この反応液を飽和炭酸水素ナトリウムで塩基性にした(pH 9)。得られた混合物をDCM(3×50cm
3)で抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(1:9 酢酸エチル/ヘキサン、R
f 0.3)により、目的物質を無色の油状物(10.01g、96%)として得た。
【0413】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.02(4H,d,J=8.5Hz,CH),6.61(4H,d,J=8.5Hz,CH),3.77(2H,s,CH
2),3.30(8H,q,J=7Hz,CH
2),1.21(12H,t,J=7Hz,CH
3);δ
C(63MHz,CDCl
3):146.1,129.9,129.6,129.2,112.2,44.5,39.8,12.7;ν
max(無溶媒)/cm
−1:2969,2928,1614,1564,1517,1465,1354,1264,1195,1151,1075,1012;m/z(ESI):311.3(100%,[M+H]
+)。
【0414】
3,6−ビス(ジエチルアミノ)チオキサンチリウムヨウ化物
R.H.Nealey、J.S.Driscoll、J.Hetero.Chem.、1966年、第3巻、228頁から改変した。
【0415】
硫黄(1.65g、51.6mmol)を、激しく撹拌しながら少量ずつ15分間にわたって発煙硫酸(8.00g)に加えた。この反応液を5℃まで冷却し、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ジフェニルメタン(2.00g、6.45mmol)を、温度を20℃未満に維持するような速度で加えた。次いでこの反応液を常温で90分間撹拌し、次いで40cm
3の氷の中へと注ぎ込んだ。得られた赤色の混合物を1時間煮沸し、次いで常温まで放冷し、その後濾過した。沈殿物が観察されるまで、ヨウ化カリウムを濾液に加えた。この混合物を氷の中で冷却し、その後緑色の固体を濾過によって集め、減圧下で乾燥した(253mg、8%)。
【0416】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.62(1H,s,CH),7.98(2H,d,J=9Hz,CH),7.36(2H,d,J=3Hz,CH),7.23(2H,dd,J=9Hz,3Hz,CH),3.68,(8H,q,J=7Hz,CH
2),1.23(12H,t,J=7Hz,CH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:3456,3393,1593,1560,1509,1392,1343,1191,1152,1071;m/z(ESI):339.4(100%,[M−I]
+)。
【0417】
(合成12)
3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンチリウムトリクロロ亜鉛酸塩
【化34】
【0418】
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルメタン
酢酸(9.91g、0.165mol)をN,N−ジメチルアニリン(10.00g、82.6mmol)に滴下した。撹拌しながらパラホルムアルデヒド(1.23g、41.3mmol)を加え、この混合物を、90分間加熱して還流させた。この反応液を放冷し、その後、氷水(50cm
3)で希釈した。この反応液を10%水酸化ナトリウムで塩基性にし(pH 9)、得られた固体を濾過によって集めた。この固体を水(2×5cm
3)で洗浄し、乾燥した。エタノールからの再結晶化により、目的物質を無色の固体(6.54g、63%)として得た。
【0419】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.05(4H,d,J=8.5Hz,CH),6.68(4H,d,J=8.5Hz,CH),3.80(2H,s,CH
2),2.62(12H,s,CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):149.1,130.4,129.5,113.1,41.0,39.9;ν
max(KBr)/cm
−1:2886,2797,1615,1499,1361,1230,1070,828,796;
m/z(ESI):253.2(100%,[M−H]
+)。
【0420】
3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンチリウムトリクロロ亜鉛酸塩
R.H.Nealey、J.S.Driscoll、J.Hetero.Chem.、1966年、第3巻、228頁から。
【0421】
硫黄(10.0g、0.33mol)を、激しく撹拌しながら少量ずつ15分間にわたって発煙硫酸(50g)に加えた。この反応液を5℃まで冷却し、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルメタン(10.00g、39.4mmol)を、温度を20℃未満に維持するような速度で加えた。次いでこの反応液を常温で90分間撹拌し、次いで250cm
3の氷の中へと注ぎ込んだ。得られた赤色の混合物を1時間煮沸し、次いで常温まで放冷し、その後濾過した。緑色が観察されるまで、塩化亜鉛の40%水溶液を、濾液に加えた。この混合物を氷浴の中で冷却し、固体を濾過によって集めた。この固体を減圧下で一晩乾燥し、目的物質を緑色の固体(1.81g、10%)として得た。
【0422】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.68(1H,s,CH),8.01(2H,d,J=9Hz,CH),7.37(2H,d,J=3Hz,CH),7.25(2H,dd,J=9Hz,3Hz,CH),3.28(12H,s,CH
3);δ
C(62.5MHz,DMSO−d
6):154.5,149.3,143.6,138.1,119.0,116.2,106.4,41.0;ν
max(KBr)/cm
−1:3755,3381,1614,1599,1527,1395,1179,1073;m/z(ESI):283.2(100%,[M−ZnCl
3]
+)。
【0423】
(合成13)
3,6−ビス(ジメチルアミノ)−1,9−ジメチルチオキサンチリウムトリクロロ亜鉛酸塩
【化35】
4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルジフェニルメタン
塩化水素酸(1.5cm
3、10M)を、5℃まで冷却したメタノール(10cm
3)中の3−N,N−トリメチルアニリン(5.00g、37.0mmol)の溶液に滴下した。ホルマリン(1.50cm
3、40%水溶液)を加え、この反応液を6℃で48時間放置した。得られた無色の結晶を濾過によって集め、冷メタノール(5cm
3)で洗浄し、減圧下で乾燥した(4.13g、79%)。
【0424】
δ
H(250MHz,CDCl
3):6.77(2H,d,J=8.5Hz,CH),6.64(2H,d,J=3Hz,CH),6.54(2H,dd,J=8.5,3Hz,CH),3.75(2H,s,CH
2),2.91(12H,s,CH
3),2.24(6H,s CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):149.2,137.1,129.9,127.7,114.9,110.7,41.0,34.9,20.2;ν
max(KBr)/cm
−1:3341,3328,1613,1507,1344,1330,1226,1059,1010,841,799;m/z(ESI):283.2(100%,[M+H]
+)。
【0425】
3,6−ビス(ジメチルアミノ)−1,9−ジメチルチオキサンチリウムトリクロロ亜鉛酸塩
R.H.Nealey、J.S.Driscoll、J.Hetero.Chem.、1966年、第3巻、228頁から改変した。
【0426】
硫黄(907mg、28.4mmol)を、激しく撹拌しながら少量ずつ15分間にわたって発煙硫酸(5.0cm
3)に加えた。この反応液を5℃まで冷却し、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルジフェニルメタン(1.00g、3.55mmol)を、温度を20℃未満に維持するような速度で加えた。次いでこの反応液を常温で90分間撹拌し、次いで30cm
3の氷の中へと注ぎ込んだ。得られた赤色の混合物を1時間煮沸し、次いで常温まで放冷し、その後濾過した。緑色が観察されるまで、塩化亜鉛の40%水溶液を濾液に加えた。この混合物を氷浴の中で冷却し、固体を濾過によって集めた。この沈殿を繰り返し、得られた固体を減圧下で一晩乾燥し、目的物質を緑色の固体(98mg、6%)として得た。
【0427】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.58(1H,s,CH),7.19(2H,s,CH),7.17(2H,s,CH),3.24(12H,s,CH
3),2.84(6H,s,CH
3);δ
C(62.5MHz,DMSO−d
6):154.1,145.7,144.2,141.6,118.1,116.7,104.6,40.9,20.2;m/z(ESI):311.2(100%,[M−ZnCl
3]
+)。
【0428】
(合成14)
3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェナジニウム塩化物
【化36】
【0429】
N,N−ジメチル−1,3−フェニレンジアミン
N,N−ジメチル−3−ニトロアニリン(3.00g、18.1mmol)をエタノール(40cm
3)に溶解した。二塩化スズ(16.3g、72.0mmol)を加え、この反応液を還流下で16時間加熱した。この反応混合物を放冷し、その後、この溶媒の大部分を減圧下で除去した。残った残渣を水(100cm
3)の中へと注ぎ込み、水酸化ナトリウム(3M)で塩基性にした。この混合物を、クロロホルム(3×30cm
3)で抽出した。合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、生成物を褐色の油状物(2.01g、82%)として得た。
【0430】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.02(1H,t,J=8Hz,CH),6.23(1H,dd,J=6Hz,J=3Hz,CH),6.12(1H,t,J=3Hz,CH),6.09(1H,s,CH),2.94(6H,s,CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):151.8,147.4,129.9,104.3,103.8,99.6,40.7;ν
max(無溶媒)/cm
−1:2879,2800,1611,1504,1443,1354,1260,1174,994。
【0431】
N−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]メタンスルホンアミド
塩化メタンスルホニル(838mg、7.35mmol)を、水(10cm
3)中のN,N−ジメチル−1,3−フェニレンジアミン(1.00g、7.35mmol)および水酸化ナトリウム(5M、1.5cm
3)の冷却した溶液(5℃)にゆっくり加えた。この反応液を放置して、一晩室温まで加温した。この混合物を、クロロホルム(3×15cm
3)で抽出した。合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(1:20 メタノール/ジクロロメタン)により、目的物質を褐色の油状物(1.24g、79%)として得た。
【0432】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.20(1H,t,J=8Hz,CH),6.55−6.47(3H,m,CH),3.00(3H,s,CH
3),2.95(6H,s,CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):151.6,137.8,130.1,109.5,108.5,104.6,40.8,38.7;ν
max(無溶媒)/cm
−1:2929,2806,1607,1511,1394,1321,1231,1148,1004,940;
【0433】
3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェナジニウム塩化物
D.F.Gloster、L.Cincotta、J.W.Foley、J.Heterocyclic Chem.、1999年、第36巻、25頁から改変した。
【0434】
水(40cm
3)中のN,N−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン塩酸塩(402mg、2.34mmol)を、メタノール(20cm
3)中のN−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]メタンスルホンアミド(500mg、2.34mmol)にゆっくり加えた。重クロム酸カリウムの飽和溶液(1cm
3)を加え、この混合物を15分間還流させた。この混合物を冷却し、水(80cm
3)で希釈し、塩化水素酸(1M)で酸性にし、次いでクロロホルム(3×30cm
3)で抽出した。合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(1:9 メタノール/ジクロロメタン)により、目的物質を緑色の固体(153mg、22%)として得た。
【0435】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.90(2H,d,J=10Hz,CH),7.35(2H,dd J=10Hz,J=3Hz,CH),7.02(2H,d,J=3Hz,CH),3.18(12H,s,CH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:2854,1596,1506,1475,1428,1338,1167,1142,807。
【0436】
(合成15)
3,7−ビス(ジメチルアミノ)オキサジニウム塩化物
【化37】
3,7−ビス(ジメチルアミノ)オキサジニウム塩化物
A.Kanitz、H.Hartmann、Eur.J.Org.Chem.、1999年、923頁から改変した。
【0437】
3−ジメチルアミノフェノール(910mg、6.67mmol)、N,N−ジメチル−4−ニトロソアニリン(1.00g、6.67mmol)および過塩素酸(1cm
3)を、エタノール(20cm
3)の中で5分間一緒に加熱した。この反応液を室温で一晩放置した。得られた固体を濾過によって集め、EtOAc(2×5cm
3)で洗浄した。カラムクロマトグラフィー(1:9 メタノール/ジクロロメタン)により、生成物を緑/青色の固体(13mg、1%)として得た。
【0438】
δ
H(250MHz,CD
3OD):7.80(2H,d,J=10Hz,CH),7.41(2H,dd,J=10Hz,3Hz,CH),6.96(2H,d,J=3Hz,CH),3.31(12H,s,CH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:1607,1526,1490,1397,1346,1179,1094,772。
【0439】
(合成16)
3,6−ビス−(ジメチルアミノ)キサンチリウム硝酸塩
【化38】
5,5’−ビス−(ジメチルアミノ)−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール
3−(ジメチルアミノ)フェノール(3.00g、21.87mmol)を、MeOH(30cm
3)に加えた。この混合物を氷の中で6℃まで冷却し、その後、HCl(1.24cm
3、10.93mmol、32%)を加えた。ホルマリン(842μl、10.93mmol、39%)を、この反応混合物に加えた。この反応液を約6℃で22時間撹拌し、その後、TLC分析[2:3 EtOAc/ヘキサン(R
f:0.3)]により、この反応が完結しているということが示された。この反応混合物をH
2O(40cm
3)の中へと注ぎ込み、得られた混合物を、NaHCO
3の水溶液(飽和)を加えることによって中和した。この混合物をDCM(3×30cm
3)で抽出し、合わせた抽出液を乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を減圧下で除去し、紫色の固体を得た。カラムクロマトグラフィー(2:3 EtOAc/ヘキサン)により、生成物を紫色の固体(1.74g、56%)として得た。
【0440】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.05(2H,d,J=8Hz,2ArH),6.27(2H,d,J=8Hz,2ArH),6.13(2H,s,2ArH),3.73(2H,s,CH
2),2.75(12H,s,4CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):153.5,150.9,130.8,116.5,106.5,101.2,41.0,29.8;ν
max(KBr)/cm
−1:3366,2975,2929,1626,1561,1519,1438,1362,1241,1142,1112,980;m/z(ESI):287.17(100%,[M+H]
+)。
【0441】
3,6−ビス−(ジメチルアミノ)キサンチリウム硝酸塩
H
2SO
4(1.6cm
3、98%)をH
2O(160□l)に加え、氷の中で6℃まで冷却した。5,5’−ビス−(ジメチルアミノ)−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(440mg、1.40mmol)を加え、この混合物を、N
2下で、90℃で17時間加熱した。得られた溶液を氷の中で6℃まで冷却し、H
2O(4cm
3)を加えた。反応温度を15℃未満に維持しながら、この混合物を、NaOH(40%)を加えることによって中和した。HCl(800μl、32%)を加え、この反応液を、N
2下で、20℃で30分間撹拌した。H
2O(4cm
3)中のFeCl
3.6H
2O(755mg、2.80mmol)を加え、この混合物を空気中で、90℃で2時間加熱した。この反応液を、一晩室温まで放冷すると、その際に緑色の油状物が沈降した。この大部分のピンク色がかった溶液をデカンテーションし、残りの油状物をMeOH(20cm
3)に取り込んだ。この混合物を濾過し、溶媒を真空下で除去した。この油状物をH
2O(8cm
3)に溶解し、紫色/緑色の固体が沈殿するまでHNO
3(数滴、70%)をゆっくり加えた。この固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥し、生成物を緑色の固体(190mg、41%)として得た。
【0442】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.72,(1H,s ArH),7.83(2H,d,J=7Hz,2ArH),7.17(2H,d,J=7Hz,2ArH),6.83(2H,s,2ArH),3.27(12H,s,4CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):157.8,157.7,145.9,132.8,114.1,114.0,95.9,39.6;ν
max(KBr)/cm
−1:2921,1653,1604,1528,1497,1384,1168,918;m/z(ESI):267.15(100%,[M−NO
3]
+)。
【0443】
(合成17)
3,6−ビス−ジエチルアミノ−9−(4−ジエチルアニリノ)キサンチリウム硝酸塩
【化39】
5,5’−ビス−ジメチルアミノ−2,2’−(4−ジエチルアミノベンジリジン)−ジ−フェノール
3−ジメチルアミノ−フェノール(5.00g、30.30mmol)を、MeOH(20cm
3)に加えた。次いでHCl(1.73cm
3、15.15mmol、32%)をこの混合物に加えた。4−ジエチルアミノ−ベンズアルデヒド(2.68g、15.15mmol)を、この反応混合物に加えた。この反応液を室温で20時間撹拌し、その後、TLC分析[2:3 EtOAc/ヘキサン (Rf:0.25)]により、この反応が完結しているということが示された。この反応混合物をH
2O(40cm
3)の中へと注ぎ込み、得られた混合物を、NaHCO
3の水溶液(飽和)を加えることによって中和した。この混合物を、DCM(3×40cm3)で抽出し、合わせた抽出液を乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を減圧下で除去し、赤色の油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(2:3 EtOAc/ヘキサン)により、生成物を赤色の固体(4.15g、57%)として得た。
【0444】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.03(2H,d,J=8Hz,2ArH),6.71(2H,d,J=8Hz,2ArH),6.57(2H,d,J=8Hz,2ArH),6.23−6.18(2H,m,2ArH),6.21(2H,s,2ArH),5.33(1H,s,CH),4.98(2H,bs,OH),3.33−3.24(12H,m,6CH
2),1.12(18H,t,J=7Hz,6CH
3);δ
C(100MHz,CDCl
3):155.1,148.3,146.7,130.5,130.2,130.1,128.1,116.1,112.1,104.7,100.0,44.3,44.0,12.7,12.6;ν
max(KBr)/cm
−1:2969,2929,2869,1618,1516,1465,1399,1374,1355,1266,1228,1199,1094;m/z(ESI):490.34(100%,[M+H]
+)。
【0445】
3,6−ビス−ジエチルアミノ−9−(4−ジエチルアニリノ)キサンチリウム硝酸塩
H
2SO
4(5.4cm
3、98%)をH
2O(600μl)に加え、氷の中で5℃まで冷却した。5,5’−ビス−ジメチルアミノ−2,2’−(4−ジエチルアミノベンジリジン)−ジ−フェノール(2.00g、4.19mmol)を加え、この混合物をN
2下で、150℃で3時間加熱した。得られた溶液を氷の中で5℃まで冷却し、H
2O(20cm
3)を加えた。この混合物を、20℃未満の反応温度を維持しながら、NaOH(40%)を加えることによって中和した。HCl(4cm
3、32%)を加え、この反応液をN
2下で、5℃で2時間撹拌した。H
2O(20cm
3)中のFeCl
3.6H
2O(2.26g、8.39mmol)を加え、この混合物を空気中で、90℃で2時間加熱した。この反応液を、一晩室温まで放冷した。沈殿物が現れるまで、NaClを加えた。固体を濾過によって集め、真空下で乾燥した。この固体を、MeOH(40cm
3)で抽出した。溶媒を真空下で除去し、緑色の固体を得た。この物質をH
2O(12cm
3)に溶解し、紫色/緑色の固体が沈殿するまでHNO
3(1cm
3、70%)をゆっくり加えた。10分後、固体を濾過によって集め、真空下で乾燥し、生成物を緑色の固体(1.11g、50%)として得た。
【0446】
δ
H(250MHz,CD
3OD):7.50−7.40(4H,m,4ArH),7.20−7.03(4H,m,4ArH),6.93(2H,s,2ArH),3.72−3.45(12H,m,6CH
2),1.30−1.15(18H,t,J=7Hz,6CH
3);δ
C(100MHz,CDCl
3):159.6,157.3,156.5,141.3,133.4,123.5,115.9,97.7,54.5,47.1,13.0,11.2;ν
max(KBr)/cm
−1:1646,1594,1473,1419,1384,1349,1186,1073;m/z(ESI):470.32(100%,[M−NO
3]
+)。
【0447】
(合成18)
3,6−ビス−ジエチルアミノ−9−(4−ニトロフェニル)キサンチリウム硝酸塩
【化40】
【0448】
5,5’−ビス−ジメチルアミノ−2,2’−(4−ニトロベンジリジン)−ジ−フェノール
3−ジメチルアミノ−フェノール(3.00g、18.18mmol)を、MeOH(30cm
3)に加えた。次いでHCl(1.04cm
3、9.09mmol、32%)をこの混合物に加えた。4−ニトロ−ベンズアルデヒド(1.37g、9.09mmol)を、この反応混合物に加えた。この反応液を40℃で18時間、および50℃で24時間加熱し、その後、TLC分析[1:1 EtOAc/ヘキサン(R
f:0.3)]により、この反応がほとんど完結しているということが示された。この反応混合物をH
2O(40cm
3)の中へと注ぎ込み、得られた混合物のpHを、NaHCO
3の水溶液(飽和)を加えることによって塩基性にした。この混合物をDCM(3×30cm
3)で抽出し、合わせた抽出液を乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を減圧下で除去し、赤色の油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(1:1 EtOAc/ヘキサン)により、生成物を橙赤色の固体(2.84g、69%)として得た。
【0449】
δ
H(250MHz,CDCl
3):8.11(2H,d,J=8Hz,2ArH),7.34(2H,d,J=8Hz,2ArH),6.65(2H,d,J=8Hz,2ArH),6.20−6.15(4H,m,4ArH),5.71(1H,s,CH),3.27(8H,q,J=7Hz,4CH
2),1.11(12H,t,J=7Hz,4CH
3);δ
C(100MHz,CDCl
3):154.5,151.8,148.4,146.2,130.6,130.0,123.4,115.1,104.9,99.8,44.4,43.9,12.6;ν
max(KBr)/cm
−1:2971,1618,1559,1540,1522,1457,1343,1375,1228,1094;m/z(ESI):464.25(100%,[M+H]
+)。
【0450】
3,6−ビス−ジエチルアミノ−9−(4−ニトロフェニル)キサンチリウム硝酸塩
H
2SO
4(1.2cm
3、98%)をH
2O(120μl)に加え、氷の中で5℃まで冷却した。5,5’−ビス−ジメチルアミノ−2,2’−(4−ニトロベンジリジン)−ジ−フェノール(400mg、0.863mmol)を加え、この混合物をN
2下で、70℃で20時間、次いで90℃で29時間加熱した。得られた溶液を氷の中で6℃まで冷却し、H
2O(4cm
3)を加えた。この混合物を、反応温度を16℃未満に維持しながら、NaOH(20%)を加えることによって中和した。HCl(1.2cm
3、32%)を加え、この反応液をN
2下で、19℃で30分間撹拌した。H
2O(4cm
3)中のFeCl
3.6H
2O(467mg、1.73mmol)を加え、この混合物を空気中で、88℃で3時間加熱した。この反応液を、一晩20℃に放冷した。得られた緑色の沈殿物を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した。この物質をH
2O(4cm
3)に溶解し、紫色/緑色の固体が沈殿するまでHNO
3(数滴、70%)をゆっくり加えた。10分後この固体を濾過によって集め、真空下で乾燥した。カラムクロマトグラフィー(1:9 MeOH/DCM)により、生成物を緑色の固体(243mg、56%)として得た。
【0451】
δ
H(250MHz,CD
3OD):8.53(2H,d,J=7Hz,2ArH),7.76(2H,d,J=7Hz,2ArH),7.30(2H,d,J=7Hz,2ArH),7.10(2H,d,J=7Hz,2ArH),7.02(2H,s,2ArH),3.83−3.57(8H,m,4CH
2),1.44−1.18(12H,m,4CH
3);δ
C(100MHz,CD
3OD):158.0,155.9,154.5,148.9,138.7,131.1,130.8,123.6,114.4,112.8,96.2,45.5,11.4;ν
max(KBr)/cm
−1:2977,1647,1593,1467,1384,1347,1184,1074;m/z(ESI):444.23(100%,[M−NO
3]
+)。
【0452】
(合成19)
1,1,7,7,11,11,17,17−オクタメチル−2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc;1’,9’−hi]キサンチリウム硝酸塩
【化41】
【0453】
3−メトキシ−N,N−ビス(3−メチルブタ−2−エン)アニリン
Uddin,M.J.、Marnett L.J.、Organic Letters、2008年、第10巻、4799頁。
【0454】
CH
3CN(20cm
3)中のアニシジン(5.00g、40 65mmol)の溶液に、K
2CO
3(11.22g、80.13mmol)および1−クロロ−3−メチルブタ−2−エン(8.49g、80.13mmol)を加えた。モレキュラーシーブ(4Å、10g)を加え、この反応液を室温で48時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、この固体をCH
3CN(2×15cm
3)で洗浄した。溶媒を、減圧下で濾液から除去した。カラムクロマトグラフィー[1:1 40:60 石油エーテル(petrol)/DCM(R
f:0.4)]により、生成物を無色の油状物(8.54g、81%)として得た。
【0455】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.14−7.07(1H,m,ArH),6.32(1H,d,J=8Hz,ArH),6.30−6.25(2H,m,2ArH),5.23−5.19(2H,m,2CH),3.84(4H,d,J=6Hz,2CH
2),3.77(3H,s,OCH
3),1.72(6H,s,2CH
3),1.70(6H,s,2CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):160.8,150.5,134.1,129.8,121.8,105.9,101.0,99.1,55.1,48.4,25.8,18.0;ν
max(無溶媒)/cm
−1:2967,2927,1671,1610,1498,1452,1376,1327,1263,1214,1164,1060,1043,986,941;m/z(ESI):260.20(100%,[M+H]
+)。
【0456】
3−メトキシ−N,N−ビス(3−メチルブタ−2−エン)アニリン塩酸塩
Uddin,M.J.、Marnett L.,J.、Organic Letters、2008年、第10巻、4799頁に基づく。
【0457】
3−メトキシ−N,N−ビス(3−メチルブタ−2−エン)アニリン(7.50g、28.96mmol)をEtOH(20cm
3)に溶解した。HCl(9.65cm
3、32%)を加え、この反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で一晩除去し、当該生成物を無色の粘着性のある固体(8.33g、97%)として得た。
【0458】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):7.55−7.35(3H,m,3ArH),7.04−6.95(1H,m,ArH),5.30−5.02(2H,m,2CH),4.30−4.01(4H,m,2CH
2),3.78(3H,s,OCH
3),1.56(6H,s,2CH
3),1.52(6H,s,2CH
3);
【0459】
1,1,7,7−テトラメチル−8−ヒドロキシジュロリジン
3−メトキシ−N,N−ビス(3−メチルブタ−2−エン)アニリン塩酸塩(7.00g、17.68mmol)を、メタンスルホン酸(70cm
3)に加えた。得られた溶液を95℃で24時間加熱した。次いでこれを室温まで冷却し、氷水(140cm
3)を加えた。この混合物を、NH
4OH(飽和)を加えることによって中和し、次いでCHCl
3(3×60cm
3)で抽出した。この抽出液を乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー[3:2 40:60 石油エーテル(petrol)/DCM(R
f:0.25)]により、生成物をピンク色の固体(3.04g、52%)として得た。
【0460】
δ
H(250MHz,CDCl
3):6.89(1H,d,J=8Hz,ArH),6.00(1H,d,J=8Hz,ArH),4.50(1H,s,OH),3.09−2.99(4H,m,2CH2),1.80−1.72(4H,m,2CH
2),1.42(6H,s,2CH
3),1.24(6H,s,2CH
3);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):153.2,143.6,125.0,124.3,116.8,105.3,47.8,47.4,40.6,37.4,32.4,32.3,29.2;ν
max(KBr)/cm
−1:2953,2928,2859,2826,1586,1424,1385,1272,1165,1133,1102,952,800;m/z(ESI):246.19(100%,[M+H]
+)。
【0461】
7,7−メチレン−ビス(1,1,7,7−テトラメチル−8−ヒドロキシジュロリジン)二塩酸塩
1,1,7,7−テトラメチル−8−ヒドロキシジュロリジン(800mg、3.27mmol)を、MeOH(10cm
3)に加えた。次いでHCl(186μl、1.63mmol、32%)をこの混合物に加えた。ホルマリン(122μl、1.63mmol、39%)を、この反応混合物に加えた。この反応液を60℃で16時間加熱し、その後、TLC分析[3:7 EtOAc/ヘキサン(R
f:0.6)]により、この反応が完結しているということが示された。この反応液の体積を減圧下で半分だけ減らし、残りを、一晩、約6℃まで冷却した。得られた沈殿物を濾過によって集め、真空下で乾燥し、生成物を緑色の固体(494mg、60%)として得た。
【0462】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):8.95(2H,bs,2OH),7.08(2H,s,2ArH),3.90(2H,s,CH
2),3.39−3.25(4H,m,2CH
2),2.19−1.86(4H,m,2CH
2),1.41(6H,s,2CH
3),1.17(6H,s,2CH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:3390,2960,2928,2619,2531,1472,1428,1386,1361,1265,1177;m/z(ESI):503.36(100%,[M−HCl
2]
+)。
【0463】
1,1,7,7,11,11,17,17−オクタメチル−2,3,6,7,12,13,16,17−オクタヒドロ−1H,5H,11H,15H−ジキノリジノ[1,9−bc;1’,9’−hi]キサンチリウム硝酸塩
H
2SO
4(600μl、98%)をH
2O(60μl)に加え、氷の中で5℃まで冷却した。7,7−メチレン−ビス(1,1,7,7−テトラメチル−8−ヒドロキシジュロリジン)二塩酸塩(200mg、0.348mmol)を加え、この混合物をN
2下で、50℃で4時間、次いで65℃で2時間加熱した。得られた溶液を氷の中で6℃まで冷却し、H
2O(2cm
3)を加えた。この混合物を、反応温度を18℃未満に維持しながら、NaOH(20%)を加えることによって中和した。HCl(400μl、32%)を加え、この反応液をN
2下で、20℃で30分間撹拌した。H
2O(1cm
3)中のFeCl
3.6H
2O(188mg、0.696mmol)を加え、この混合物を空気中で、89℃で3時間加熱した。この反応液を、一晩室温まで放冷した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した。この物質をH
2O(20cm
3)に溶解し、緑色の固体が沈殿するまでHNO
3(70%)をゆっくり加えた。10分後、この固体を濾過によって集め、真空下で乾燥し、生成物を緑色の固体(126mg、66%)として得た。
【0464】
δ
H(250MHz,CD
3OD):8.29(1H,s,ArH),7.58(2H,d,J=8Hz,2ArH),3.66(4H,t,J=6Hz,2CH
2),3.57(4H,t,J=5Hz,2CH
2),1.87(4H,t,J=5Hz,2CH
2),1.82(4H,t,J=6Hz,2CH
2),1.71(13H,s,4CH
2),1.37(12H,s,4CH
3);δ
C(100MHz,CD
3OD):154.3,151.8,144.3,132.9,126.7,114.3,114.2,38.8,33.8,31.9,31.6,27.8,27.6;ν
max(KBr)/cm
−1:2957,1596,1507,1384,1309,1202,1038;m/z(ESI):483.34(100%,[M−NO
3]
+)。
【0465】
(合成20)
3,6−ビス−モルホリノ−キサンチリウム硝酸塩
【化42】
N−(3−ヒドロキシフェニル)モルホリン
Pd(OAc)
2(78mg、0.347mmol)を、N
2下でモルホリン(1.81g、20.81mmol)および3−ブロモフェノール(3.00g、17.34mmol)に加えた。2,8,9−トリイソブチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン(238mg、0.694mmol)、LiHMDS(39.88cm
3、1M THF溶液)、および乾燥トルエン(80cm
3)を、逐次的に加えた。この混合物を80℃で18時間加熱し、その後、室温まで冷却した。溶媒を真空下で除去し、残渣を熱EtOAc/DCM(1:1、200cm
3)で抽出した。この混合物を濾過し、溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー[1:1 EtOAc/DCM(R
f:0.25)]により、生成物をオフホワイトの固体(2.38g、77%)として得た。
【0466】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.14−7.08(1H,m,ArH),6.48(1H,d,J=8Hz,ArH),6.36−6.32(2H,m,2ArH),5.82(1H,bs,OH),3.85(4H,t,J=5Hz,2CH
2),3.11(4H,t,J=5Hz,2CH
2);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):156.9,152.6,130.2,108.2,107.6,103.2,66.8,49.4;ν
max(KBr)/cm
−1:3242,2974,2816,1610,1582,1491,1448,1267,1191,1104,1064,975,773;m/z(ESI):180.10(100%,[M+H]
+)。
【0467】
5,5’−ビス−モルホリノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール
N−(3−ヒドロキシフェニル)モルホリン(2.00g、11.17mmol)をMeOH(25cm
3)に加えた。この混合物を氷の中で5℃まで冷却し、その後、HCl(637μl、5.89mmol、32%)を加えた。ホルマリン(419μl、5.89mmol、39%)を、この反応混合物に加えた。この反応液を、5℃で18時間、次いで室温で24時間撹拌した。この反応混合物をH
2O(40cm
3)の中へと注ぎ込み、得られた混合物を、NaHCO
3の水溶液(飽和)を加えることによって中和した。この混合物を、DCM(3×30cm
3)で抽出し、合わせた抽出液を乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー[4:1 EtOAc/ヘキサン(R
f:0.3)]により、生成物を紫色の固体(684mg、33%)として得た。
【0468】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):9.08(2H,s,OH),6.76(2H,d,J=8Hz,2ArH),6.35(2H,s,2ArH),6.29(2H,d,J=8Hz,2ArH),3.72−3.68(8H,m,4CH
2),3.59(2H,s,CH
2),2.98−2.94(8H,m,4CH
2);δ
C(62.5MHz,DMSO−d
6):155.3,150.5,130.4,118.7,106.5,102.2,66.2,49.0,28.0;ν
max(KBr)/cm
−1:3246,2965,2825,1618,1584,1527,1451,1261,1191,1112,981,882;m/z(ESI):371.19(100%,[M+H]
+)。
【0469】
3,6−ビス−(モルホリノ)キサンチリウム硝酸塩
H
2SO
4(900μl、98%)をH
2O(100μl)に加え、室温まで冷却した。5,5’−ビス−モルホリノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(300mg、0.811mmol)を加え、この混合物をN
2下で、140℃で3時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、H
2O(2cm
3)を加えた。この混合物を、反応温度を15℃未満に維持しながら、NaOH(40%)を加えることによって中和した。HCl(600μl、32%)を加え、この反応液をN
2下で、室温で30分間撹拌した。H
2O(2cm
3)中のFeCl
3.6H
2O(438mg、1.62mmol)を加え、この混合物を空気中で、90℃で2時間加熱した。この反応液を室温まで放冷した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で乾燥した。この物質をH
2O(10cm
3)に溶解し、緑色の固体が沈殿するまでHNO
3(300μl、70%)をゆっくり加えた。10分後、この固体を濾過によって集め、真空下で乾燥し、生成物を緑色の固体(198mg、67%)として得た。
【0470】
δ
H(250MHz,CD
3OD):8.70(1H,s,ArH),7.87(2H,d,J=7Hz,2ArH),7.37(2H,d,J=7Hz,2ArH),7.15(2H,s,2ArH),3.86−3.85(8H,m,4CH
2),3.79−3.67(8H,m,4CH
2);δ
C(100MHz,CD
3OD):158.4,157.9,146.5,133.3,115.2,114.6,96.9,66.0,46.9;ν
max(KBr)/cm
−1:2865,1598,1489,1384,1244,1170,1109,1034,903;m/z(ESI):351.17(100%,[M−NO
3]
+)。
【0471】
(合成21)
3,6−ビス−ピペリジノ−キサンチリウム硝酸塩
【化43】
N−(3−ヒドロキシフェニル)ピペリジン
Pd(OAc)
2(129mg、0.578mmol)を、N
2下で、ピペリジン(2.95g、34.68mmol)および3−ブロモフェノール(5.00g、28.90mmol)に加えた。2,8,9−トリイソブチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン(397mg、1.16mmol)、LiHMDS(66.50cm
3、1M THF溶液)、および乾燥トルエン(110cm
3)を逐次的に加えた。この混合物を80℃で18時間加熱し、その後、室温まで冷却した。H
2O(50cm
3)を加え、層を分離した。水層を、トルエン(3×30cm
3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー[3:7 EtOAc/ヘキサン(R
f:0.4)]により、生成物をオフホワイトの固体(2.56g、50%)として得た。
【0472】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.11−7.04(1H,m,ArH),6.52(1H,d,J=8Hz,ArH),6.35(1H,s,ArH),6.29(1H,d,J=8Hz,ArH),5.84(1H,bs,OH),3.08(4H,t,J=5Hz,2CH
2),1.75−1.62(4H,m,2CH
2),1.60−1.50(2H,m,CH
2);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):156.7,153.4,130.0,109.3,107.4,104.6,51.0,25.5,24.2;ν
max(KBr)/cm
−1:3064,2959,2937,2921,2856,1597,1503,1454,1276,1201,1133,1104,971,877;m/z(ESI):178.12(100%,[M+H]
+)。
【0473】
5,5’−ビス−ピペリジノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール
N−(3−ヒドロキシフェニル)ピペリジン(1.50g、8.52mmol)を、MeOH(20cm
3)に加えた。この混合物を氷の中で5℃まで冷却し、その後、HCl(486μl、4.26mmol、32%)を加えた。ホルマリン(327μl、4.26mmol、39%)を、この反応混合物に加えた。この反応液を、5℃で18時間、次いで30℃で18時間撹拌した。この反応混合物をH
2O(30cm
3)の中へと注ぎ込み、得られた混合物を、NaHCO
3の水溶液(飽和)を加えることによって中和した。この混合物をDCM(3×30cm
3)で抽出し、合わせた抽出液を乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(3:7 EtOAc/ヘキサン(R
f:0.4)]により、生成物を紫色/ピンク色の固体(886mg、57%)として得た。
【0474】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.06(2H,d,J=8Hz,ArH),6.44(2H,d,J=8Hz,ArH),6.23(2H,s,ArH),3.72(2H,s,CH
2),2.96−2.83(8H,m,4CH
2),1.70−1.56(8H,m,4CH
2),1.56−1.40(4H,m,2CH
2);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):153.4,151.7,130.8,119.9,110.1,105.4,51.3,30.2,25.4,24.2;ν
max(KBr)/cm
−1:3268,2928,2854,2798,1618,1577,1522,1497,1447,1383,1253,1177,1115,969;m/z(ESI):367.24(100%,[M+H]
+)。
【0475】
3,6−ビス−(ピペリジノ)キサンチリウム硝酸塩
H
2SO
4(900μl、98%)をH
2O(100μl)に加え、室温まで冷却した。5,5’−ビス−ピペリジノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(350mg、0.956mmol)を加え、この混合物をN
2下で、140℃で3時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、H
2O(5cm
3)を加えた。この混合物を、20℃未満の反応温度を維持しながら、NaOH(40%)を加えることによって中和した。HCl(700μl、32%)を加え、この反応液をN
2下で、室温で30分間撹拌した。H
2O(3cm
3)中のFeCl
3.6H
2O(516mg、1.91mmol)を加え、この混合物を空気中で、80℃で2時間加熱した。この反応液を一晩室温まで放冷し、その際、緑色の油状物が沈殿した。この大部分のピンク色がかった溶液をデカンテーションし、残りの油状物を新しいH
2O(8cm
3)に取り込んだ。緑色の固体が沈殿するまでHNO
3(数滴、70%)をゆっくり加えた。この固体を濾過によって集め、真空下で乾燥した。カラムクロマトグラフィー(1:9 MeOH/DCM(R
f:0.2)]により、生成物を緑色の固体(117mg、30%)として得た。
【0476】
δ
H(250MHz,CD
3OD):8.51(1H,s,ArH),7.77(2H,d,J=9Hz,ArH),7.30(2H,d,J=9Hz,ArH),7.07(2H,s,ArH),3.86−3.72(8H,m,4CH
2),1.90−1.66(12H,m,6CH
2);δ
C(100MHz,CD
3OD):158.5,157.1,144.9,133.1,114.5,96.6,46.9,25.7,23.9;ν
max(KBr)/cm
−1:2928,1653,1577,1560,1490,1384,1244,1169,1017;m/z(ESI):347.21(100%,[M−NO
3]
+)。
【0477】
(合成22)
3,6−ビス−ピロリジノ−キサンチリウム硝酸塩
【化44】
N−(3−ヒドロキシフェニル)ピロリジン
Pd(OAc)
2(129mg、0.578mmol)を、N
2下で、ピロリジン(2.46g、34.68mmol)および3−ブロモフェノール(5.00g、28.90mmol)に加えた。2,8,9−トリイソブチル−2,5,8,9−テトラアザ−1−ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン(397mg、1.16mmol)、LiHMDS(66.50cm
3、1M THF溶液)、および乾燥トルエン(110cm
3)を逐次的に加えた。この混合物を80℃で18時間加熱し、その後、室温まで冷却した。H
2O(50cm
3)を加え、層を分離した。水層を、トルエン(3×40cm
3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー[3:7 EtOAc/ヘキサン(R
f:0.5)]により、生成物をオフホワイトの固体(1.92g、51%)として得た。
【0478】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.10−7.04(1H,m,ArH),6.18−6.11(2H,m,2ArH),6.05(1H,s,ArH),4.70(1H,bs,OH),3.30−3.20(4H,m,2CH
2),2.01−1.96(4H,m,2CH
2);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):156.5,149.5,130.1,104.8,102.5,98.7,47.7,25.5;ν
max(KBr)/cm
−1:3315,2979,2891,2852,1618,1578,1518,1491,1459,1217,1202,1170,817;m/z(ESI):164.11(100%,[M+H]
+)。
【0479】
5,5’−ビス−ピロリジノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール
N−(3−ヒドロキシフェニル)ピロリジン(1.00g、6.13mmol)をMeOH(15cm
3)に加えた。次いでHCl(350μl、3.07mmol、32%)を加えた。ホルマリン(236μl、3.07mmol、39%)を、この反応混合物に加えた。この反応液を室温で一晩、次いで30℃で24時間撹拌した。この反応混合物をH
2O(30cm
3)の中へと注ぎ込み、得られた混合物を、NaHCO
3の水溶液(飽和)を加えることによって中和した。この混合物をDCM(3×30cm
3)で抽出し、合わせた抽出液を乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー[3:7 EtOAc/ヘキサン(R
f:0.3)]により、生成物をオフホワイトの固体(384mg、37%)として得た。
【0480】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.01(2H,d,J=8Hz,ArH),6.92(2H,bs,OH),6.05(2H,d,J=8Hz,2ArH),5.93(2H,s,ArH),3.72(2H,s,CH
2),3.13−3.00(8H,m,4CH
2),1.96−1.85(8H,m,4CH
2);δ
C(62.5MHz,CDCl
3):153.2,148.2,130.8,114.9,105.3,99.5,47.7,29.7,25.4;ν
max(KBr)/cm
−1:3389,2967,2834,1624,1560,1515,1483,1431,1371,1204,1176,1126;m/z(ESI):339.21(100%,[M+H]
+)。
【0481】
3,6−ビス−(ピロリジノ)キサンチリウム硝酸塩
H
2SO
4(500μl、98%)をH
2O(50μl)に加え、室温まで冷却した。5,5’−ビス−ピロリジノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(150mg、0.419mmol)を加え、この混合物をN
2下で140℃で3時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、氷H
2O(1cm
3)を加えた。この混合物を、20℃未満の反応温度を維持しながら、NaOH(40%)を加えることによって中和した。HCl(300μl、32%)を加え、この反応液をN
2下で、室温で30分間撹拌した。H
2O(1cm
3)中のFeCl
3.6H
2O(226mg、0.838mmol)を加え、この混合物を空気中で、90℃で2時間加熱した。この反応液を、一晩室温まで放冷した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で乾燥した。この物質をH
2O(5cm
3)に溶解し、緑色の固体が沈殿するまでHNO
3(数滴、70%)をゆっくり加えた。10分後、この固体を濾過によって集め、真空下で乾燥し、生成物を緑色の固体(121mg、71%)として得た。
【0482】
δ
H(250MHz,CD
3OD):8.51(1H,s,ArH),7.74(2H,d,J=9Hz,ArH),7.00(2H,d,J=9Hz,2ArH),6.72(2H,s,ArH),3.69−3.52(8H,m,4CH
2),2.23−2.10(8H,m,4CH
2);δ
C(100MHz,CDCl
3):157.4,155.0,145.6,132.8,114.7,114.0,96.2,47.0,24.7;ν
max(KBr)/cm
−1:2961,2865,1652,1601,1518,1384,1345,1165,820;m/z(ESI):319.18(100%,[M−NO
3]
+)。
【0483】
(合成23)
3,6−ビス−モルホリノキサンテン二塩酸塩
【化45】
3,6−ビス−モルホリノキサンテン二塩酸塩
H
2SO
4(1cm
3、98%)を水(100μl)に加え、この混合物を室温まで冷却した。5,5’−ビス−モルホリノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(300mg、0.811mmol)を、撹拌しながら少しずつ加えた。次いでこの混合物を、窒素下で、140℃で3時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、その後、氷水(5cm
3)を加えた。温度を20℃よりも低く保って、水酸化ナトリウム(40%水溶液)をゆっくり加えることによりこの混合物を中和した。得られたピンク色の沈殿物を濾過によって集め、水(2×3cm
3)で洗浄した。この中間体を、メタノール(5cm
3)およびHCl(600μl、32%)の溶液に加え、均一になるまで30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、固体を真空下で一晩乾燥し、生成物を紫色の固体(276mg、80%)として得た。
【0484】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):7.24(2H,d,J=8Hz,2ArH),7.10−7.00(2H,m,2ArH),7.05(2H,s,2ArH),3.94(2H,s,CH
2),3.92−3.81(8H,m,4CH
2),3.35−3.27(8H,m,4CH
2);ν
max(KBr)/cm
−1:2916,2866,2637,2581,1649,1597,1487,1459,1384,1246,1167,1118,1058;m/z(ESI):353.19(100%,[M−HCl
2]
+)。
【0485】
(合成24)
3,6−ビス−ピロリジノキサンテン二塩酸塩
【化46】
3,6−ビス−ピロリジノキサンテン二塩酸塩
H
2SO
4(900μl、98%)を水(100μl)に加え、この混合物を室温まで冷却した。5,5’−ビス−ピロリジノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(100mg、0.296mmol)を、撹拌しながら少しずつ加えた。次いでこの混合物を窒素下で、140℃で3時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、その後、氷水(5cm
3)を加えた。この混合物を、温度を20℃よりも低く保って、水酸化ナトリウム(40%)をゆっくり加えることによって中和した。得られた沈殿物を濾過によって集め、水(5cm
3)で洗浄した。この中間体を、メタノール(5cm
3)およびHCl(400μl、32%)の溶液に加え、均一になるまで30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、固体を真空下で一晩乾燥し、生成物を紫色の固体(84mg、72%)として得た。
【0486】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):7.13(2H,d,J=8Hz,ArH),6.70−6.58(6H,m,6ArH),3.87(2H,s,CH
2),3.40−3.29(4H,m,4CH
2),2.10−1.94(4H,m,4CH
2);ν
max(KBr)/cm
−1:2984,2658,1604,1508,1492,1384,1345,1221,1164,1117,1059,1000;m/z(ESI):321.20(100%,[M−HCl
2]
+)。
【0487】
(合成25)
3,6−ビス−ピペリジノキサンテン二塩酸塩
【化47】
3,6−ビス−ピペリジノキサンテン二塩酸塩
H
2SO
4(900μl、98%)を水(100μl)に加え、この混合物を室温まで冷却した。5,5’−ビス−ピペリジノ−2,2’−メタンジイル−ジ−フェノール(350mg、0.956mmol)を、撹拌しながら少しずつ加えた。次いでこの混合物を窒素下で、140℃で3時間加熱した。得られた溶液を室温まで冷却し、その後、氷水(5cm
3)を加えた。この混合物を、温度を20℃よりも低く保って、水酸化ナトリウム(40%)をゆっくり加えることによって中和した。得られたピンク色の沈殿物を濾過によって集め、水(2×5cm
3)で洗浄した。この中間体を、メタノール(5cm
3)およびHCl(600μl、32%)の溶液に加え、均一になるまで30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、固体を真空下で一晩乾燥し、生成物を紫色の固体(298mg、74%)として得た。
【0488】
δ
H(250MHz,DMSO−d
6):7.73(2H,s,ArH),7.65(2H,d,J=8Hz,ArH),6.47(2H,d,J=8Hz,ArH),4.12(2H,s,CH
2),3.64−3.47(8H,m,4CH
2),2.20−1.89(8H,m,4CH
2),1.77−1.57(4H,m,2CH
2);ν
max(KBr)/cm
−1:2951,2522,1613,1504,1479,1447,1412,1300,1272,1225,1198,1154,1119;m/z(ESI):349.23(100%,[M−HCl
2]
+)。
【0489】
(合成26)
2,6,10−トリス−ジエチルアミノ−4,8,12−トリオキサトリアンギュレウムヘキサフルオロリン酸塩
【化48】
Laursen,B.W.、Krebs,F.C.、Nielsen,M.F.、Bechgaard,K.、Christensen,J.B.、Harrit,N.、Journal of the American Chemical Society、1998年、第120巻、12255頁。
【0490】
トリス−(2,4,6−トリメトキシフェニル)カルベニウムテトラフルオロホウ酸塩
PhLi(20cm
3、35.71mmol、1.8M ジブチルエーテル)を、N
2下で、乾燥ベンゼン(20cm
3)中のトリメトキシベンゼン(5.00g、29.76mmol)に加えた。この反応液を室温で5日間撹拌した。ベンゼン(30cm
3)中の炭酸ジエチル(1.17g、9.22mmol)を加え、この反応液を3日間加熱して還流させ、その後、室温まで冷却した。この反応混合物をNaOH(60cm
3、1M)の中へと注ぎ込んだ。この混合物を、ジエチルエーテル(3×40cm
3)で抽出し、合わせた抽出液を乾燥した(MgSO
4)。HBF
4(2.3cm
3、48%)をこの溶液に加え、得られた沈殿物を濾過によって集め、真空下で乾燥した。この固体をCH
3CN(30cm
3)に溶解し、当該生成物の沈殿が生じるまでH
2Oを加えた。このバルク溶液をデカンテーションし、残渣を真空下で乾燥した。カラムクロマトグラフィー[1:9 MeOH/DCM(R
f:0.2)]により、生成物を緑色の固体(1.68g、28%)として得た。
【0491】
δ
H(250MHz,CDCl
3):6.04(6H,s,6ArH),3.97(9H,s,3OCH
3),3.57(18H,s,6OCH
3);ν
max(KBr)/cm
−1:2941,1594,1560,1474,1420,1260,1229,1166,1118,1084,1060,1022;m/z(ESI):513.21(100%,[M−HBF
4]
+)。
【0492】
トリス(4−ジエチルアミノ−2,6−ジメトキシフェニル)カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩
トリス−(2,4,6−トリメトキシフェニル)カルベニウムテトラフルオロホウ酸塩(270mg、0.450mmol)をNMP(3cm
3)に溶解した。ジエチルアミン(7.56g、0.103mol)を加え、この反応液を室温で9日間撹拌した。次いで、この混合物をKPF
6の水溶液(20cm
3、0.2M)の中へと注ぎ込んだ。次いでこの混合物を室温で1時間撹拌し、濾過によって集め、真空下で乾燥し、生成物を緑/青色の固体(295mg、84%)として得た。
【0493】
δ
H(250MHz,CDCl
3):5.71(6H,s,6ArH),3.60−3.21(30H,m,6OCH
3および6CH
2),1.24(18H,t,J=7Hz,6CH
3);δ
C(100MHz,CDCl
3):163.3,153.9,114.9,88.4,56.0,45.2,13.0(1炭素不明);ν
max(KBr)/cm
−1:2974,1595,1507,1458,1386,1340,1269,1124,1076,843;m/z(ESI):636.40(100%,[M−HPF
6]
+)。
【0494】
2,6,10−トリス−ジエチルアミノ−4,8,12−トリオキサトリアンギュレウムヘキサフルオロリン酸塩
トリス(4−ジエチルアミノ−2,6−ジメトキシフェニル)カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩(250mg、0.32mmol)、およびLiI(428mg、3.20mmol)をNMP(25cm
3)に加えた。この混合物をN
2下で、170℃で4時間加熱した。この反応液を、一晩室温まで放冷し、その後、KPF
6の水溶液(125cm
3、0.2M)の中へと注ぎ込んだ。得られた橙色の沈殿物を濾過によって集め、次いでDCM(100cm
3)に溶解した。この溶液をKPF
6の水溶液(2×30cm
3、0.2M)で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー[1:2 EtOAc/DCM(R
f:0.35)]により、生成物を橙色の固体(96mg、47%)として得た。
【0495】
δ
H(250MHz,CDCl
3):6.45(6H,s,6ArH),3.53(12H,q,J=7Hz,6CH
2),1.24(18H,t,J=7Hz,6CH
3);δ
C(100MHz,CDCl
3):155.8,150.3,94.3,94.2,46.0,12.3;ν
max(KBr)/cm
−1:2977,1647,1605,1509,1446,1349,1281,1139,843;m/z(ESI):498.27(100%,[M−HPF
6]
+)。
【0496】
(合成27)
3−ジエチルアミノ−7−ジメチルアミノフェナジニウム塩化物
【化49】
【0497】
3−ジエチルアミノ−7−ジメチルアミノフェナジニウム塩化物
D.F.Gloster、L.Cincotta、J.W.Foley、J.Heterocyclic Chem.、1999年、第36巻、25頁から改変した。
【0498】
N,N−ジエチル−1,4−フェニレンジアミン(1.00g、6.17mmol)を、H
2O(100cm
3)中の希HCl(700μl、32%)にゆっくり加えた。この混合物が均一になるまで、この混合物を撹拌した。メタノール(60cm
3)中のN−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]メタンスルホンアミド(1.32g、6.17mmol)を加え、次いで重クロム酸カリウムの飽和水溶液(2cm
3)を加えた。この混合物を15分間還流させた。この混合物を冷却し、水(200cm
3)で希釈し、塩化水素酸(1M)で酸性にし、次いでクロロホルム(6×30cm
3)で抽出した。合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(1:9 メタノール/ジクロロメタン)により、目的物質を緑色の固体(451mg、22%)として得た。
【0499】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.85(2H,d,J=10Hz,2ArH),7.30−7.25(2H,m,2ArH),6.97(2H,s,2ArH),3.51(4H,q,J=7Hz,2CH
2),3.13(6H,s,2CH
3),1.26(6H,J=7Hz,2CH
3);m/z(ESI):295(26%,[M−Cl]
+),324(100%)。
【0500】
(合成28)
3−ジエチルアミノ−7−ジメチルアミノオキサジニウム過塩素酸塩
【化50】
3−ジエチルアミノ−7−ジメチルアミノオキサジニウム過塩素酸塩
A.Kanitz、H.Hartmann、Eur.J.Org.Chem.、1999年、923頁による手順から改変した。
【0501】
3−ジエチルアミノフェノール(1.10g、6.67mmol)、N,N−ジメチル−4−ニトロソアニリン(1.00g、6.67mmol)および過塩素酸(1cm
3)を一緒に、エタノール(30cm
3)中で5分間加熱した。この反応液を室温まで放冷した。得られた固体を濾過によって集め、真空下で一晩乾燥した。カラムクロマトグラフィー(1:9 メタノール/ジクロロメタン)により、生成物を緑色の固体(184mg、7%)として得た。
【0502】
δ
H(250MHz,CDCl
3):7.76−7.71(2H,m,2ArH),7.19−7.14(2H,m,2ArH),6.98−6.95(2H,m,2ArH),3.75(4H,q,J=7Hz,2CH
2),3.43(6H,s,2CH
3),1.39(6H,J=7Hz,2CH
3);m/z(ESI):296(100%,[M−Cl]
+)。
【0503】
(実施例2 − 活性および治療指数)
B50を確立するためのインビトロアッセイ
これは、国際公開第96/30766号パンフレットに詳細に記載されている。手短に言えば、固相基材に吸着された、コア反復ドメインに対応するタウの断片は、可溶性の全長タウを捕捉して高い親和性でタウに結合することができる。この結合によって、凝集したタウ分子のタンパク質分解性消化に対する安定性がもたらされる。このプロセスは自己伝播性であり、プロトタイプの医薬品によって選択的にブロックすることができる。
【0504】
より具体的に言えば、炭酸塩緩衝液(pH 9.6)の中で希釈した切断されたタウ(残基297〜390;dGA)をアッセイプレートに結合し、全長タウ(T40)を水相として加えた。この水相の結合緩衝液は、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)中に0.05% Tween−20および1%ゼラチンを含有していた。結合されたタウは、mAb 499を使用して検出した。このmAb 499は、水相の全長タウの中のN末端エピトープを認識するが、固相に結合された切断されたタウ断片を認識することはできない。
【0505】
タウ−タウ結合を50%阻害するために必要とされる化合物の濃度は、B50値と呼ばれる。
【0506】
EC50を確立するための細胞ベースのアッセイ
このプロセスは、国際公開第02/055720号パンフレットにより詳細に記載されている。要するに、線維芽細胞(3T6)は、誘導性プロモーターの制御下で全長タウ(「T40」)、および構成レベルの低いPHF−コアタウ断片(12kD断片)を発現する。T40発現が誘導されるとき、T40はその細胞内で凝集依存的短縮化を受け(N末端ではほぼアミノ酸295、C末端ではほぼアミノ酸390)、これにより、より高いレベルの12kD PHF−コアドメイン断片を生成する。この12kD断片の生成は、タウ凝集阻害剤によって用量依存的にブロックすることができる。実際、細胞内でのこの12kD断片のタンパク質分解による生成に関する、化合物の阻害活性の定量化は、インビトロでのタウ−タウ結合の阻害を記述する同じパラメータによって完全に記述することができる。つまり、細胞内でのこの12kD断片のタンパク質分解による生成の程度は、反復ドメインによるタウ−タウ結合の程度によって完全に決定される。その細胞内の関連するプロテアーゼの利用可能性は、制限するものではない。
【0507】
結果は、12kDの断片の生成が50%阻害される濃度として表される。これはEC50値と呼ばれる。
【0508】
細胞における毒性 − LD50および治療指数(RxI)
EC50を評価するために使用した細胞ベースのアッセイで、本願明細書に記載される化合物の毒性を評価した。残っている細胞の溶解後に、製造業者の取扱説明書に従って乳酸デヒドロゲナーゼアッセイキットTOX−7(Sigma Biosciences)を使用することにより、当該化合物に24時間曝露した後の細胞数によって毒性を測定した。あるいは、同じく製造業者の取扱説明書に従ってPromega UK製のキット(CytoTox 96)を使用した。
【0509】
治療指数(RxI)を次のように算出した:RxI=LD50/EC50。
【0510】
【表18】
【0511】
参考文献:
以下の参考文献を、参照によりその全体を本願明細書に援用する。
米国特許第3,932,415号明細書
独国特許第65282号明細書
特開2000/344684号公報
国際公開第96/30766号パンフレット
国際公開第02/055720号パンフレット
国際公開第02/075318号パンフレット
【0512】
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