特許第6148304号(P6148304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本マイクロシステムズ株式会社の特許一覧

特許6148304顧客管理システムおよび顧客管理プログラム
<>
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000002
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000003
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000004
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000005
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000006
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000007
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000008
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000009
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000010
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000011
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000012
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000013
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000014
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000015
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000016
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000017
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000018
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000019
  • 特許6148304-顧客管理システムおよび顧客管理プログラム 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6148304
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】顧客管理システムおよび顧客管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20170607BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20170607BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20170607BHJP
【FI】
   G06Q30/06
   G06F21/32
   G06T7/00 510B
【請求項の数】8
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-190814(P2015-190814)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-68404(P2017-68404A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2015年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】596078522
【氏名又は名称】日本マイクロシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】山崎 貞彦
(72)【発明者】
【氏名】大村 洋
【審査官】 阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−257697(JP,A)
【文献】 特開2008−040763(JP,A)
【文献】 特開2006−221450(JP,A)
【文献】 特開2005−141441(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/053194(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06F 21/32
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の来訪者を管理する顧客管理システムであって、
複数の店舗それぞれに配置され、少なくとも各店舗の来訪者の顔画像を取得する1または2以上の端末と、
前記端末が来訪者から取得した顔画像を少なくとも来訪者を特定する顧客情報と関係付けて登録する記憶部と、
前記端末からの登録要求に係る前記顔画像を前記記憶部に登録するとともに、前記端末からの認証要求に応じて前記記憶部から登録画像を読み出すサーバーと、
前記端末の前記認証要求に係る顔画像を受け、該顔画像が前記記憶部にある登録顔画像に一致するかの認証を行う複数の認証部と、
前記サーバーと複数の前記認証部の状態を監視する状態監視部と、
前記端末と前記サーバーおよび前記認証部との間を中継し、複数の前記端末から発せられる登録要求を受け付け、前記サーバーに前記登録要求に係る前記顔画像の前記記憶部への登録処理を行わせるとともに、複数の前記端末から発せられる認証要求を受け付け、前記サーバーが前記記憶部から読み出した前記顔画像を用いて複数の前記認証部から選択される前記認証部に前記認証要求の認証処理を行わせる処理手段と、
を備え、
前記処理手段は、複数の前記端末からの同時使用により複数の前記端末から前記登録要求を受けると、前記状態監視部からの通知により前記サーバーの状態を確認し、前記サーバーが登録可能な状態にあれば、予め複数の前記端末に付した優先順位に従って複数の前記端末より受け取った前記顔画像を前記サーバーに提供して登録処理を行わせ、
複数の前記端末の同時使用により複数の前記端末から前記認証要求を受けると、前記状態監視部からの通知によって得た複数の前記認証部の状態と、予め複数の前記端末または複数の前記認証部に付した優先順位とに従って、前記認証処理を行わせる前記認証部を選択し、該選択した前記認証部に前記認証要求の認証処理を行わせることを特徴とする、顧客管理システム。
【請求項2】
前記サーバーは、前記端末から前記顔画像の認証要求に係る前記顔画像を前記記憶部から読み出して、認証処理を行う前記認証部に提供する、
請求項1に記載の顧客管理システム。
【請求項3】
少なくとも前記処理手段と前記サーバーとが授受する情報が暗号化されている、
請求項1または請求項2に記載の顧客管理システム。
【請求項4】
前記認証部の設置数が、少なくとも前記認証処理に必要な認証処理時間で処理許容時間を除して得られる値またはその近傍値を認証処理数とし、この認証処理数で前記端末の設置数または稼働数を除して得た値に稼働率を掛けた値またはその近傍値である、
請求項1または請求項3に記載の顧客管理システム。
【請求項5】
前記認証要求または前記登録要求は、前記顔画像とともに少なくとも、前記端末の識別情報または来訪者の属性情報のいずれかまたは双方を含む、
請求項1ないし請求項4のいずれかの請求項に記載の顧客管理システム。
【請求項6】
前記端末群に含まれる複数の端末のそれぞれは、複数の店舗を含む商業施設の前記店舗の2以上に配備された、請求項1ないし請求項5のいずれかの請求項に記載の顧客管理システム。
【請求項7】
コンピュータに実行させる顧客管理プログラムであって、
複数の店舗それぞれに設置された1または2以上の端末が少なくとも各店舗の来訪者の顔画像を取得し、
前記端末からの登録要求に応じて、前記端末が来訪者から取得した顔画像を少なくとも来訪者を特定する顧客情報と関係付けて記憶部に登録し、
前記端末からの認証要求に応じて前記記憶部から登録画像をサーバーに読み出し、
前記サーバーと複数の認証部の状態を状態監視部で監視し、
前記端末の前記認証要求に係る顔画像を受け、該顔画像が前記記憶部にある登録顔画像に一致するかの認証を複数の前記認証部の何れかの認証部が行い、
複数の前記端末から発せられる前記登録要求を受けると、処理手段が前記状態監視部からの通知により前記サーバーの状態を確認し、前記サーバーが登録可能な状態にあれば、予め複数の前記端末に付した優先順位に従って前記端末を選択し、該選択した前記端末より受け取った前記顔画像を前記サーバーに提供し、複数の前記端末から発せられる認証要求を受けると、前記状態監視部からの通知によって得た複数の前記認証部の状態と、予め複数の前記端末または複数の前記認証部に付した優先順位とに従って、前記処理手段が前記複数の認証部から認証処理を行わせる前記認証部を選択し、該選択した前記認証部に前記認証要求の認証処理を振り分ける処理を前記コンピュータに実行させるための顧客管理プログラム。
【請求項8】
さらに、前記認証部の設置数を、少なくとも前記認証処理に必要な認証処理時間で処理許容時間を除して得られる値またはその近傍値を認証処理数とし、この認証処理数で前記端末の設置数または稼働数を除して得た値に稼働率を掛けた値またはその近傍値に決定する処理を含む、
請求項7に記載の顧客管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術はたとえば、複数の店舗を擁する商業施設などに好適な顧客管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
顔認証によるCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムが普及している。このシステムは、来店者の特定、来店者の購入履歴、商品趣向の分析、商品やサービスの販売促進など、多様な顧客管理に利用される。
【0003】
この顧客管理に関し、来訪者の顔画像により顧客を認識し、その顧客と販売データをリンクさせることが知られている(たとえば、特許文献1)。顧客と売上処理に関し、顧客の画像データの取り込みを売上データの処理に用いられるキーの操作に関係付けることが知られている(たとえば、特許文献2)。また、顧客の売上データと顔画像データを関係付けて登録し、画像データを用いてマーケット情報をグラフ化することが知られている(たとえば、特許文献3)。
【0004】
顧客の画像情報の活用に関し、画像情報から顧客の特定、店舗内の滞在および足取り、注目商品などを判断し、その判断情報をマーケティングに利用することが知られている(たとえば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−326208号公報
【特許文献2】特開2013−3866号公報
【特許文献3】特開2001−118146号公報
【特許文献4】特開2004−348618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、CRMシステムは一般的に、店舗毎に設置されて来店者の特定などの高度な情報処理を行うので、店舗の規模によってはその価値を認識しつつも負担増が導入障壁となるという課題がある。
【0007】
店舗毎に設置されたCRMシステムでは、店舗毎の個別管理となり、その管理で得られた情報はその店舗関連での利用に止まってしまう。情報の価値からすれば、極めて汎用性の高い情報もあり得る。複数の店舗を擁する商業施設にあっては、各店舗で得られる情報は総合的に利用することが望まれる。盗難情報、防犯情報などは、各店舗を超え、商業施設として利用すべき情報である。このような情報は、店舗毎に独立したシステムでは汎用化されず、利用が制限されるという課題がある。
【0008】
そこで、本開示の技術の目的は上記課題に鑑み、登録情報および認証処理をシェアして設備コストや管理コストを低減した顧客管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の顧客管理システムの一側面によれば、店舗の来訪者を管理する顧客管理システムであって、複数の店舗それぞれに配置され、少なくとも各店舗の来訪者の顔画像を取得する1または2以上の端末と、前記端末が来訪者から取得した顔画像を少なくとも来訪者を特定する顧客情報と関係付けて登録する記憶部と、前記端末からの登録要求に係る前記顔画像を前記記憶部に登録するとともに、前記端末からの認証要求に応じて前記記憶部から登録画像を読み出すサーバーと、前記端末の前記認証要求に係る顔画像を受け、該顔画像が前記記憶部にある登録顔画像に一致するかの認証を行う複数の認証部と、前記サーバーと複数の前記認証部の状態を監視する状態監視部と、前記端末と前記サーバーおよび前記認証部との間を中継し、複数の前記端末から発せられる登録要求を受け付け、前記サーバーに前記登録要求に係る前記顔画像の前記記憶部への登録処理を行わせるとともに、複数の前記端末から発せられる認証要求を受け付け、前記サーバーが前記記憶部から読み出した前記顔画像を用いて複数の前記認証部から選択される前記認証部に前記認証要求の認証処理を行わせる処理手段とを備え、前記処理手段は、複数の前記端末からの同時使用により複数の前記端末から前記登録要求を受けると、前記状態監視部からの通知により前記サーバーの状態を確認し、前記サーバーが登録可能な状態にあれば、予め複数の前記端末に付した優先順位に従って複数の前記端末より受け取った前記顔画像を前記サーバーに提供して登録処理を行わせ、複数の前記端末の同時使用により複数の前記端末から前記認証要求を受けると、前記状態監視部からの通知によって得た複数の前記認証部の状態と、予め複数の前記端末または複数の前記認証部に付した優先順位とに従って、前記認証処理を行わせる前記認証部を選択し、該選択した前記認証部に前記認証要求の認証処理を行わせる。
【0010】
斯かる顧客管理システムでは、複数の端末と、サーバーおよび複数の認証部との間を処理手段で中継することにより、複数の端末からの登録要求を予め複数の端末に付した優先順位に従って顔画像をサーバーに提供して登録処理を行わせ、また複数の端末の同時使用による認証要求分散化し、複数の認証部の状態と予め複数の端末または複数の前記認証部に付した優先順位に従って、複数の認証部に振り分け、振り分けられた認証部に認証処理を行わせる。複数の登録要求や複数の認証要求の錯綜の影響で登録処理および認証処理が遅延することがなく、登録顔画像の登録処理を効率化できるとともに複数の認証部の稼働率を平均化でき、迅速且つ安定した登録処理および認証処理を行うことができる。複数の端末が配置される複数の店舗を擁する商業施設において、顔認証システムの効率的な運用を実現できる。
【0013】
上記顧客管理システムにおいて、前記サーバーは、前記端末から前記顔画像の認証要求に係る前記顔画像を前記記憶部から読み出して、認証処理を行う前記認証部に提供してよい。
【0014】
斯かる顧客管理システムでは、認証要求が振り分けられた認証部に、サーバーから認証要求に係る顔画像を記憶部から読み出して提供するので、顔画像の認証処理の迅速化が図られる。
【0015】
上記顧客管理システムにおいて、少なくとも前記処理手段と前記サーバーとが授受する情報が暗号化されてよい。
【0016】
斯かる顧客管理システムでは、複数の端末と処理手段との間で送受される情報を暗号化することにより、端末と処理手段とを接続するネットワーク側のセキュリキィを高めることができる。しかも、処理手段側でセキュリティが高められるので、サーバーや認証部側での対策を軽減でき、設備コストの低減化に寄与する。
【0019】
上記顧客管理システムにおいて、前記認証部の設置数が、少なくとも前記認証処理に必要な認証処理時間で処理許容時間を除して得られる値またはその近傍値を認証処理数とし、この認証処理数で前記端末の設置数または稼働数を除して得た値に稼働率を掛けた値またはその近傍値であればよい。
【0020】
斯かる顧客管理システムでは、複数の端末に対して複数の認証部を備えることは、認証処理の能力や余裕度を高めることができる。しかし、稼働数に対して認証部の設置数が多ければ、稼働していない認証部が存在することとなり無駄となる。そこで、このような処理により、認証部の設置数を決定すれば、稼働数や認証数に応じた合理的な設置数となり、設備コストを最適化できる。
【0021】
上記顧客管理システムにおいて、前記認証要求または前記登録要求は、前記顔画像とともに少なくとも、前記端末の識別情報または来訪者の属性情報のいずれかまたは双方を含んでよい。
【0022】
斯かる顧客管理システムでは、複数の端末を備えた場合、認証要求を特定するには、端末の識別情報を用いればよい。その際、認証処理の対象である来訪者について、顧客、性別、来店履歴、購入履歴、VIP(Very Important Person :上得意)などの来訪者に対する属性情報を含めることにより、来訪者の特性の峻別に利用でき、該システムの利便性をより高めることができる。
【0023】
上記顧客管理システムにおいて、前記端末群に含まれる複数の端末のそれぞれは、複数の店舗を含む商業施設の前記店舗の2以上に配備されてよい。
【0024】
斯かる顧客管理システムは、複数の店舗を擁する商業施設に適し、商業施設の店舗数が増加するほど、認証処理の迅速化など、効率的な運用が可能である。
【0025】
上記目的を達成するため、本発明の顧客管理プログラムの一側面によれば、コンピュータに実行させる顧客管理プログラムであって、複数の店舗それぞれに設置された1または2以上の端末が少なくとも各店舗の来訪者の顔画像を取得し、前記端末からの登録要求に応じて、前記端末が来訪者から取得した顔画像を少なくとも来訪者を特定する顧客情報と関係付けて記憶部に登録し、前記端末からの認証要求に応じて前記記憶部から登録画像をサーバーに読み出し、前記サーバーと複数の認証部の状態を状態監視部で監視し、前記端末の前記認証要求に係る顔画像を受け、該顔画像が前記記憶部にある登録顔画像に一致するかの認証を複数の前記認証部の何れかの認証部が行い、複数の前記端末から発せられる前記登録要求を受けると、処理手段が前記状態監視部からの通知により前記サーバーの状態を確認し、前記サーバーが登録可能な状態にあれば、予め複数の前記端末に付した優先順位に従って前記端末を選択し、該選択した前記端末より受け取った前記顔画像を前記サーバーに提供し、複数の前記端末から発せられる認証要求を受けると、前記状態監視部からの通知によって得た複数の前記認証部の状態と、予め複数の前記端末または複数の前記認証部に付した優先順位とに従って、前記処理手段が前記複数の認証部から認証処理を行わせる前記認証部を選択し、該選択した前記認証部に前記認証要求の認証処理を振り分ける処理を前記コンピュータに実行させる。
【0026】
斯かる顧客管理プログラムは、上記顧客管理システムをコンピュータ処理におけるプログラムの側面で捉えたものである。したがって、このプログラムを用いれば、コンピュータで上記システムを運用でき、複数の登録要求や複数の認証要求の錯綜の影響で登録処理および認証処理が遅延することがなく、登録顔画像の登録処理を効率化できるとともに複数の認証部の稼働率を平均化でき、迅速且つ安定した登録処理および認証処理を行うことができるなど、既述のシステム運用の効率化を図ることができる。
【0031】
上記顧客管理プログラムにおいて、さらに、前記認証部の設置数を、少なくとも前記認証処理に必要な認証処理時間で処理許容時間を除して得られる値またはその近傍値を認証処理数とし、この認証処理数で前記端末の設置数または稼働数を除して得た値に稼働率を掛けた値またはその近傍値に決定する処理を含んでよい。
【0032】
斯かる顧客管理プログラムにおいて、コンピュータによって、複数の認証部の設置数を決定することができる。つまり、コンピュータ処理により、認証部の設置数を決定すれば、稼働数や認証数に応じて適切な設置数を求めることができ、合理的であり、設備コストを最適化できる。
【発明の効果】
【0033】
本開示の顧客管理システムまたは顧客管理プログラムによれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0034】
(1) 複数の端末の2以上の同時使用による複数の認証要求を分散化して2以上の認証部に振り分けるので、認証要求の錯綜を回避でき、同時に発生した認証要求に対する処理を迅速化することができる。
【0035】
(2) 複数の認証要求の分散化により、複数の認証部で同時に認証処理を実行でき、認証処理の高速化を図ることができる。
【0036】
(3) 記憶部にある登録顔画像を複数の端末からの認証要求に対してシェアして用いることができ、登録顔画像には複数の端末から顔画像を登録して用いることができるので、登録画像の利用率を高め、端末が増加するほど認証処理の信頼性を高めることができる。
【0037】
(4) 複数の端末と認証部の間を中継する処理手段を備えたことにより、処理手段と各端末との間をネットワークで連係し、処理手段と各認証部との間をネットワークで連係することができ、処理手段に端末や認証部の機能を負担させることができ、端末や認証部の構成を簡略化できるとともに、処理の迅速化を図ることができる。
【0038】
(5) このようなシステムを複数の店舗や企業を擁する商業施設に導入すれば、記憶部、認証部および処理手段を共用化できるので、設置、保守および管理のコストを低減することができる。
【0039】
(6) 商業施設に属する複数の店舗や企業で登録される各登録画像を商業施設内でシェアすることが可能になり、顧客の横断的な販売促進や、盗難情報や防犯情報の活用範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】第1の実施の形態に係るシェア型顔認証システムを示す図である。
図2】顔認証の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3】第2の実施の形態に係る商業施設向けシェア型顔認証システムを示す図である。
図4】ショップクライアントおよびそのハードウェアの一例を示す図である。
図5】FAゲートウェイのハードウェアの一例を示す図である。
図6】FTPサーバーのハードウェアの一例を示す図である。
図7】顔画像データテーブルの一例を示す図である。
図8】FAセンサーのハードウェアの一例を示す図である。
図9】センタークライアントのハードウェアの一例を示す図である。
図10】FAコントローラのハードウェアの一例を示す図である。
図11】CRM端末の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】CRM端末の表示画面および表示例の一例を示す図である。
図13】FAゲートウェイの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14】FAコントローラの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15】FTPサーバーの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16】FAセンサーの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17】登録モードの処理シーケンスを示すフローチャートである。
図18】認証モードの処理シーケンスを示すフローチャートである。
図19】FAセンサーの台数算出の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
〔第1の実施の形態〕
【0042】
図1は、第1の実施の形態に係るシェア型顔認証システムを示している。図1に示す構成は一例であり、斯かる構成に本開示の技術が限定されない。
【0043】
このシェア型顔認証システム(以下、単に「システム」と称する)2−1はたとえば、複数の店舗を擁する商業施設に設置される。このシステム2−1には端末群の一例としてCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)端末群(以下、単に「端末群」と称する)4が備えられ、この端末群4には複数のCRM端末(以下、単に「端末」と称する)4−1、4−2、・・・4−nが含まれる。各端末4−1、4−2、・・・4−nの有する機能には来訪者の少なくとも顔画像を取得する機能、データ通信機能が含まれる。
【0044】
このシステム2−1では図1に示すように、サーバーの一例としてFTP(File Transfer Protocol:ファイル転送プロトコル)サーバー6、記憶部8、認証部群の一例としてFAセンサー(Face Authentication Sensor:顔認証センサー)群10、中継部の一例である処理手段としてFAゲートウェイ(Face Authentication Gateway :顔認証用のネットワーク間コンバータ)12が備えられる。記憶部8は、FTPサーバー6に接続されてもよいし、FTPサーバー6に内蔵されてもよい。
【0045】
FTPサーバー6は、顔登録情報、端末情報、認証結果情報に関する情報処理を実行する情報処理装置であり、記憶部8に対する情報の読み出し、格納などを実行する。記憶部8には、複数の登録顔画像を含む登録情報を格納するデータベース(Data Base:DB)が構築され、端末群4からの顔画像を登録画像として登録可能である。このDBの登録情報には顔画像の他、端末群4や入店者の属性情報を含んでもよい。
【0046】
FAセンサー群10には複数のFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mが備えられる。各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mは、FAゲートウェイ12と連係機能を備え、端末4−1、4−2、・・・4−nのいずれか、またはこれらの内の2以上から提供される顔画像の認証処理を行う。この認証処理は、端末4−1、4−2、・・・4−nのいずれか、またはこれらの内の2以上から提供される顔画像が記憶部8にある登録顔画像のいずれに一致するかを照合する処理である。この処理では、一致または不一致の結果が得られる。
【0047】
FAゲートウェイ12と端末群4との間には第1のネットワークの一例としてWAN(Wide Area Network )14−1が備えられ、FAゲートウェイ12とFTPサーバー6およびFAセンサー群10との間には第2のネットワークの一例としてLAN(Local Area Network)14−2が備えられている。
【0048】
このFAゲートウェイ12の機能にはネットワーク間の中継機能と、登録要求や認証要求の分散化機能が含まれる。中継機能では、端末群4と、FTPサーバー6およびFAセンサー群10の間をWAN14−1およびLAN14−2を介在して情報伝達を中継する。処理の分散化機能では、端末群4中の複数の端末の同時使用による複数の登録要求や認証要求を受け、これら登録要求や認証要求を分散化して複数のFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mに振り分ける。
【0049】
図2は、システム2−1の処理手順を示している。この処理手順では、端末群4側に含まれる複数の端末4−1、4−2、・・・4−nの1または2以上が個別に来訪者から顔画像を取得する(S101)。FAゲートウェイ12は端末群4とFAセンサー群10を中継し(S102)、端末群4から認証要求を受信する(S103)。この認証要求に認証対象である顔画像が含まれる。このシステム2−1では、複数の端末4−1、4−2、・・・4−nを含む端末群4から認証要求が発せられるので、2以上の端末の同時利用により複数の認証要求が重なる場合がある。
【0050】
FAゲートウェイ12は端末群4から受ける認証要求について、複数の認証要求かを判断する(S104)。
【0051】
複数の認証要求であれば(S104のYES)、複数の認証要求を分散化して2以上のFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mに振り分ける(S105)。各認証要求を受けたFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mが認証処理を実行する(S106)。
【0052】
複数の認証要求でなければ(S104のNO)、S105をスキップし、認証要求を受けたFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mのいずれかが認証処理を実行する。
【0053】
FAゲートウェイ12は、認証処理を実行したFAセンサー群10からの認証結果情報を受け、この認証結果情報を、認証要求を発した端末4−1、4−2、・・・4−nのいずれかまたは2以上に通知する(S107)。
【0054】
<第1の実施の形態の効果>
【0055】
第1の実施の形態によれば、次のような機能や効果が得られる。
【0056】
(1) このシステム2−1によれば、端末群4の2以上の端末4−1、4−2、・・・4−nの同時使用による複数の認証要求を分散化して2以上のFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mに振り分けるので、複数の認証要求の錯綜を回避でき、同時に発生した認証要求に対する処理を迅速化することができる。
【0057】
(2) このシステム2−1によれば、複数の認証要求の分散化により、FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの2以上で同時に認証処理を実行でき、認証処理の高速化を図ることができる。
【0058】
(3) このシステム2−1によれば、記憶部8にある登録顔画像を複数の端末4−1、4−2、・・・4−nからの認証要求に対してシェアして用いることができ、登録顔画像には複数の端末4−1、4−2、・・・4−nから顔画像を登録して用いることができるので、登録画像の利用率を高め、端末4−1、4−2、・・・4−nが増加するほど認証処理の信頼性を高めることができる。
【0059】
(4) このシステム2−1によれば、複数の端末4−1、4−2、・・・4−nとFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの間にFAゲートウェイ12を備えたことにより、FAゲートウェイ12と各端末4−1、4−2、・・・4−nとの間をネットワークで連係し、FAゲートウェイ12と各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mとの間をネットワークで連係することができ、FAゲートウェイ12が端末4−1、4−2、・・・4−nやFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの機能を負担することができる。これにより、端末4−1、4−2、・・・4−nやFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの構成を簡略化できるとともに、処理のスピード化を図ることができる。
【0060】
(5) このようなシステム2−1を複数の店舗や企業を擁する商業施設に導入すれば、記憶部8、FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mおよびFAゲートウェイ12を共用化できるので、導入設置、保守および管理のコストを低減することができる。
【0061】
(6) たとえば、商業施設に属する複数の店舗や企業で登録される各登録画像を商業施設内でシェアすることが可能になり、顧客の横断的な販売促進や、盗難情報や防犯情報の活用範囲を拡大することができる。
【0062】
(7) たとえば、商業施設に複数の企業の店舗や、同一企業で複数の店舗を展開されている場合には、各店舗に設置される端末4−1、4−2、・・・4−nを企業毎にグループ化し、企業毎に顧客関係の管理情報を個別に管理することができる。
【0063】
(8) たとえば、商業施設に出入りする悪質な来店者などの管理については、商業施設に展開される店舗や企業に関係なく、商業施設を単位として来店者情報を管理することができる。
【0064】
(9) このシステム2−1によれば、複数の店舗を擁する商業施設を単位として設備コストや管理コストを算定でき、各コストを店舗や企業でシェアし、コスト低減を図ることができる。
【0065】
〔第2の実施の形態〕
【0066】
図3は、第2の実施の形態に係る商業施設向けシェア型顔認証システム(以下、単に「認証システム」と称する)を示している。この認証システム2−2は本開示のシェア型顔認証システムの一例である。図3において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0067】
この認証システム2−2はたとえば、デパート、ショッピングセンター、ショッピングモールなど、複数の店舗を擁する商業施設20に配備される。この商業施設20は、単一の建屋に限定されない。この商業施設20に対し、顔認証センター22が備えられている。商業施設20には、複数のショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nを含むショップクライアント群24が配備されている。
【0068】
ショップクライアント群24は、画像取得機能としてカメラ機能、通信機能としてLAN機能の他、各種センサー機能を含む情報処理機能を備える。この情報処理機能において、カメラ機能は、来店者を撮像し、画像情報を取得する機能である。LAN機能はたとえば、有線接続により、ネットワークを介した通信機能である。このショップクライアント群24には、既述の端末4−1、4−2、・・・4−nを用いればよいし、既述の端末4−1、4−2、・・・4−nにはたとえば、アンドロイド(Android :登録商標)端末またはiOS(登録商標)端末など、いずれの情報処理端末を用いてもよい。
【0069】
各ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nには、顔画像の登録および認証を含む複数の機能が含まれる。顔画像の登録機能には、
(a) 顔画像の登録のための来訪者の顔の撮影(画像取得機能)
(b) 顔画像情報および登録要求の生成
(c) 顔画像の登録のための通信機能
(d) 登録結果の表示機能
が含まれる。顔画像の登録では、顔画像の登録時、来訪者の顔を撮影し、来訪者から顔画像を取得し、この顔画像情報を登録要求とともに顔認証センター22に送信し、その応答結果である顔画像の登録結果情報を受信する。これにより、この登録結果は、ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nのうち、登録要求を発したショップクライアントのディスプレイに表示する。
【0070】
また、顔画像の認証機能には、
(e) 顔画像の認証のための来訪者の顔の撮影機能
(f) 顔画像情報および認証要求の生成
(g) 顔画像の認証のための通信機能
(h) 顔画像の認証結果の表示機能
が含まれる。顔画像の認証では、認証開始時、来訪者の顔を撮影し、来訪者から顔画像を取得し、この顔画像情報を認証要求とともに顔認証センター22に送信し、その認証結果である認証結果情報を受信する。これにより、この認証結果は、ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nのうち、認証要求を発したショップクライアントのディスプレイに表示する。
【0071】
各ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nは、個別に通信インターフェース26を介してWAN14−1に接続されている。WAN14−1は各ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nを個別に顔認証センター22に接続するネットワークであって、たとえば、施設内LANであり、無線網または有線網のいずれでもよい。
【0072】
顔認証センター22側にはFAゲートウェイ12が備えられ、このFAゲートウェイ12は通信インターフェース28を介してWAN14−1に接続されている。また、FAゲートウェイ12にはFTPサーバー6、FAセンサー群10、センタークライアント群30およびFAコントローラ31がLAN14−2を介して接続されている。
【0073】
この実施の形態では、FAゲートウェイ12が、複数のショップクライアント群24のWAN14−1と顔認証センター22側のLAN14−2との間を中継し、ネットワーク間コンバータ機能である中継機能に加え、既述の処理の分散機能の他、管理機能などを備える。管理機能には、ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nに含まれるカメラのカメラライセンス管理、FAセンサー10−1、10−2、・・・10−m、FTPサーバー6のインターフェース(I/F)の一部を終端し、ショップクライアント群24の負荷軽減などの機能を含んでいる。
【0074】
このFAゲートウェイ12を備えたことにより、WAN14−1のDMZ(DeMilitarized Zone:ファイアウォールによる隔離区域)側と、LAN14−2とを別のネットワークとして構築できる。WAN14−1側と授受される情報はたとえば、暗号化により高度なセキュリティレベルを設定することができ、ショップクライアント群24の規模に関係なく一括した高度なセキュリティ確保が実現できる。この場合、CRM情報をどのように扱うかはカスタマイズすればよい。これにより、LAN14−2側のセキュリティレベルはWAN14−1側より低いセキュリティレベルに設定してもよいし、LAN14−2に接続されるFTPサーバー6、FAセンサー群10、センタークライアント群30およびFAコントローラ31のセキュリティレベルにはWAN14−1側ほど高度なセキュリティレベルは要求されない。つまり、セキュリティ設備のコスト低減が図られる。
【0075】
FTPサーバー6は、記憶部8への顔画像の登録、CRM情報、認証時の登録顔画像の記憶部8からの読み出しなどを含む情報処理を行う。記憶部8には、登録顔画像情報、CRM情報、画像認証の結果情報がデータベース化されて登録される。CRM情報には端末情報、店舗情報または企業情報が含まれる。CRM情報は、別サーバーに異なるDBに登録して保持し、DB間で連動して検索処理を可能にしてもよいし、商業施設の管理者、店舗や企業などよりカスタマイズされる対象としてもよい。記憶部8に構築されたDBには登録数としてたとえば、100,000人分を対象とし、その顔画像の200,000枚が登録される。FTPサーバー6では、FAゲートウェイ12と連携され、ショップクライアント群24からの顔画像とともに登録要求や認証要求を受け、この顔画像の画像情報を解析し、登録要求にあっては顔画像の登録顔画像としての登録、認証要求にあっては各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mに顔画像の認証を実行させる。
【0076】
各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mでは、FAゲートウェイ12と連携され、ショップクライアント群24からの顔画像の認証要求に基づき、この顔画像の画像情報を解析し、記憶部8のDBから読み出した登録顔画像とを対比し、認証要求に係る顔画像の認証を実行する。この場合、ショップクライアント群24におけるカメラやFAセンサー群10が離れて設置される距離的な整合性や、カメラ台数とFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの台数が大きく異なる情報の冗長性がFAゲートウェイ12の処理により吸収される。
【0077】
センタークライアント群30に含まれるセンタークライアント30−1、30−2、・・・30−nでは、FAゲートウェイ12およびFTPサーバー6と連動し、顔画像の登録および認証状況のモニター、その閲覧、CRM情報の登録閲覧が可能である。
【0078】
センタークライアント30−1、30−2、・・・30−nに代え、FTPサーバー6やFAゲートウェイ12と連動し、顔画像の登録状況または認証状況のモニターや閲覧が可能な単一または複数のFAコントローラを備えてもよい。このFAコントローラを備えて顔認証センター22に含まれる各種機器の管理運用を行ってもよい。
【0079】
FAコントローラ31では、FTPサーバー6やFAゲートウェイ12と連動し、顔画像の登録状況または認証状況のモニターや閲覧が可能であり、顔認証センター22に含まれる各種機器の管理運用が行われる。
【0080】
<ショップクライアント群24の機能およびハードウェア>
【0081】
図4のAは、ショップクライアント群24の配備形態の一例を示している。商業施設20に複数の店舗20−1、20−2、・・・20−nを備えた場合たとえば、A1に示すように、店舗毎にショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nを配備してもよいし、A2に示すように、たとえば、ひとつの店舗20−1に複数のショップクライアント24−1、24−2・・・を配備してもよい。
【0082】
このショップクライアント群24を構成する各ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nでは、既述した画像取得機能、登録要求、認証要求、認証結果の表示、アラーム表示などの情報処理が行われる。この情報処理には、附帯的な処理として、積算電力機能、人感機能、温度・湿度検出、感震機能などの処理を行えば、各ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nの利便性を高めることができる。
【0083】
各ショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nで上記機能を実現するには、各端末4はたとえば、図4のBに示すハードウェアを備えればよい。
【0084】
図4のBは、端末4のハードウェアの一例を示している。この端末4ではたとえば、カメラ32、プロセッサ34、記憶部36、入出力部38、表示部40、操作部42が備えられ、アラーム装置43やセンサー群44が接続されている。
【0085】
カメラ32は、操作部42によるシャッター操作や、人認識機能によるシャッター操作で、来訪者の顔を撮影し、顔画像を取得する。このカメラ32は、端末4に内蔵されてもよいし、端末4の外部に設置されてもよく、端末4に外部接続されたネットワークカメラを用いてもよい。
【0086】
プロセッサ34は、記憶部36にあるオペレーティングシステム(Operating System:OS)に基づき顔画像の取得などを含む顔認証プログラム、その他のアプリケーションプログラムを実行する。
【0087】
記憶部36にはROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)が含まれ、ハードディスク装置や半導体記憶装置などの不揮発性の記録媒体が用いられる。RAMは画像取得、登録要求、認証要求、認証結果などを含む情報処理のワークエリアを構成する。
【0088】
入出力部38は、通信インターフェース26を介してWAN14−1に接続され、FAゲートウェイ12とWAN14−1を介して情報の入出力を含む情報通信を行う。
【0089】
表示部40はたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)素子などで構成され、取得画像、認証結果、アラームなど、各種の可視情報が表示される。操作部42はたとえば、タッチパネル、キーボード、マウスなどのユーザインターフェースであり、ユーザ操作を媒介とした情報の入力を行う。アラーム装置43は、システム異常や不審者などを発見した場合には可視情報や音声情報によるアラームを発する。
【0090】
センサー群44にはたとえば、スマートメーター44−1、温度・湿度センサー44−2、人感センサー44−3、感震センサー44−4などが備えられる。これらは端末4−1、4−2・・・に有線により接続されてもよいし、無線により通信接続されてもよい。スマートメーター44−1は積算電力計の一例であり、商用電力コンセントに直付けされて使用電力を計測し、その計測値から算出した電力料金を表示する。この算出する電力料金は、ひとつの店舗を対象にしてもよいし、複数の店舗を対象としてもよい。
【0091】
温度・湿度センサー44−2は店舗内の温度や湿度を電気的に検出する。その検出値は表示部40に表示すればよい。
【0092】
人感センサー44−3は店舗内への来訪者を検出する。休業時間や休業日であれば、不審者の検出に用いる。この人感センサー44−3が人を検出すれば、その検出結果としてアラーム装置43にアラームを発生させ、記憶部36に人感結果を記録すればよい。
【0093】
感震センサー44−4は地震計の一例であり、震度などを検出する。検出した震度は表示部40に表示し、地震時の対応をガイダンスすればよい。
【0094】
<FAゲートウェイ12の機能およびハードウェア>
【0095】
FAゲートウェイ12は既述のように、中継機能、処理の分散化機能などを備えており、これらの機能に加え、端末群4とFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mとの間の距離や、FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの台数に対応する補償機能を備えている。各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mは端末群4側に設置されているカメラ32に取得した顔画像を解析し、登録顔画像と一致するかの認証処理を実行する。この認証システム2−2ではカメラ32とFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mが離れて設置され、また、カメラ32の台数とFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの台数が相違することが予想される。そこで、FAゲートウェイ12では、これらの距離および台数相違を補償し、顔画像の認証機能の適正化を実現する。
【0096】
このような機能を実現するには、FAゲートウェイ12はたとえば、図5に示すハードウェアを備えればよい。このFAゲートウェイ12では一例として、プロセッサ48、記憶部50、第1および第2の入出力部52−1、52−2を備える。
【0097】
プロセッサ48は、記憶部50にあるOSや、シェア型顔認証プログラムにおける情報授受に関するプログラムの情報処理を実行する。記憶部50には、ROMやRAMが含まれ、ハードディスク装置や半導体記憶装置などの不揮発性の記録媒体が用いられ、既述のOS、アプリケーションプログラムが格納される。
【0098】
入出力部52−1には通信インターフェース28を介してWAN14−1が接続され、入出力部52−2にはLAN14−2が接続されている。
【0099】
このFAゲートウェイ12で実行される情報処理には、既述の通り、複数の端末4−1、4−2、・・・4−nの同時使用による複数の登録要求や認証要求を受け、これらを分散化してFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの空きFAセンサーに振り分ける。この振り分け処理において、予め端末4−1、4−2、・・・4−nやFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mに優先順位を付し、その優先順位に従って認証要求などの要求を振り分ける。
【0100】
<FTPサーバー6の機能、そのハードウェア、および記憶部8>
【0101】
FTPサーバー6はたとえば、顔画像の登録モードでは記憶部8に顔画像の書込み処理を行い、顔画像の認証モードでは記憶部8から登録顔画像の読出し処理など、顔画像の処理を含む各種の情報処理を行う。記憶部8には、FTPサーバー6の情報処理を媒介として、各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mが使用する登録顔画像を格納した顔画像データテーブル、FAセンサー群10の認証結果情報、CRM情報がDB58によって保持される。なお、CRM情報の保持はたとえば、FAゲートウェイ12のカスタマイズ機能として提供される。
【0102】
FTPサーバー6の情報処理には、顔画像の登録数、1日当たりの平均認証数、顔画像の保存期間から記憶容量を算出する処理が含まれる。
【0103】
このような機能を実現するには、FTPサーバー6はたとえば、図6に示すハードウェアを備えればよい。このFTPサーバー6には、プロセッサ54および入出力部56が備えられ、記憶部8が接続されている。この記憶部8には既述のDB58が格納されている。このDB58には顔画像データテーブル60−1(図7のA)が含まれる。
【0104】
<顔画像データテーブル60>
【0105】
図7のAは、顔画像データテーブル60−1の一例を示している。この顔画像データテーブル60−1は、顔画像の登録モードで作成される。この顔画像データテーブル60−1にはたとえば、登録番号60−11、端末ID60−12、登録日60−13、顔画像60−14、属性情報60−15が格納される。
【0106】
登録番号60−11は、顔画像の登録順を表す情報である。端末ID60−12は画像登録に用いられた端末4−1、4−2、・・・4−nの機器番号など、端末を特定するための識別情報である。登録日60−13は、画像登録の日時情報である。顔画像60−14は、来訪者から取得された顔画像である。属性情報60−15には、顔画像に対応する顧客の性別や信用情報などの属性に関する情報である。
【0107】
図7のBは、顔画像データテーブル60−2の一例を示している。この顔画像データテーブル60−2は、顔画像の認証モードで作成される。この顔画像データテーブル60−2は、認証番号60−21、端末ID60−22、認証日60−23、顔画像60−24、認証結果情報60−25が格納される。
【0108】
認証番号60−21は、顔画像の認証順を表す情報である。端末ID60−22は顔画像の認証要求を発した端末4−1、4−2、・・・4−nの機器番号など、端末を特定するための識別情報である。認証日60−23は、FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mのいずれかによる画像認証の日時情報である。顔画像60−24は、来訪者から取得された顔画像である。認証結果情報60−25は、認証時に取得した顔画像と登録顔画像が一致するか否かを表す結果情報である。
【0109】
<FAセンサー群10の機能およびハードウェア>
【0110】
認証モードにおいて、FAセンサー群10の各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mはFAゲートウェイ12で振り分けられた認証要求および顔画像と、FTPサーバー6から提供される登録顔画像との照合を行い、その照合による認証結果を出力する。
【0111】
このような機能を実現するには、各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mはたとえば、図8に示すハードウェアを備えればよい。
【0112】
FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mにはプロセッサ62、記憶部64および入出力部66を備えればよい。
【0113】
プロセッサ62は、記憶部64にあるOSの実行に基づき、顔認証プログラムを実行する。この顔認証プログラムでは、FAゲートウェイ12で振り分けられた認証要求および顔画像と、FTPサーバー6から提供される登録顔画像との照合を行い、一致または不一致の判定結果を出力する。
【0114】
記憶部64には、OSの他、ROMやRAMが含まれ、ハードディスク装置や半導体記憶装置などの不揮発性の記録媒体が用いられ、認証プログラムが格納される。入出力部66は、LAN14−2に接続され、FTPサーバー6やFAゲートウェイ12と情報のやり取りを行う。
【0115】
<センタークライアント群30の機能およびハードウェア>
【0116】
センタークライアント群30には、複数のセンタークライアント30−1、30−2、・・・30−nが含まれる。これらセンタークライアント30−1、30−2、・・・30−nはたとえば、端末4−1、4−2、・・・4−nやショップクライアント24−1、24−2、・・・24−nに対応して備えればよい。
【0117】
これらセンタークライアント30−1、30−2、・・・30−nでは、FAゲートウェイ12およびFTPサーバー6と連動し、顔画像の登録または認証状況のモニターおよび閲覧またはCRM情報の登録閲覧に関する情報処理を行う。
【0118】
このような機能を実現するには、各センタークライアント30−1、30−2、・・・30−nはたとえば、図9に示すハードウェアを備えればよい。
【0119】
各センタークライアント30−1、30−2、・・・30−nには、プロセッサ68、記憶部70、入出力部72、操作部74、表示部76が備えられる。プロセッサ68は、記憶部70にあるOSに基づき、顔画像の取得などを含む顔認証プログラム、その他のアプリケーションプログラムを実行する。
【0120】
記憶部70にはROMやRAMが含まれ、ハードディスク装置や半導体記憶装置などの不揮発性の記録媒体が用いられる。RAMは画像登録のモニターや閲覧などに関する情報処理のワークエリアを構成する。
【0121】
入出力部72は、LAN14−2に接続され、FAゲートウェイ12、FTPサーバー6またはFAセンサー群10との情報の入出力を含む情報通信を行う。
【0122】
操作部74はたとえば、タッチパネル、キーボード、マウスなどのユーザインターフェースであり、ユーザ操作を媒介とした情報閲覧などの入力を行う。表示部76はたとえば、LCD素子などで構成され、取得画像、認証結果、アラームなど、各種の可視情報が表示される。
【0123】
これらセンタークライアント群30に代え、FAコントローラを備える場合には、FAコントローラにはたとえば、センタークライアント30−1と同様のハードウェアを備えればよい。
【0124】
<FAコントローラ31の機能およびハードウェア>
【0125】
FAコントローラ31では、センタークライアント30−1、30−2、・・・30−nと同様に、FAゲートウェイ12およびFTPサーバー6と連動し、顔画像の登録または認証状況のモニターおよび閲覧またはCRM情報の登録閲覧の他、顔認証センター22側の各種機器の運用管理を行う。
【0126】
このような機能を実現するには、FAコントローラ31はたとえば、図10に示すハードウェアを備えればよい。
【0127】
各FAコントローラ31には、プロセッサ78、記憶部80、入出力部82、操作部84および表示部86が備えられる。プロセッサ78は、記憶部80にあるOSに基づき、顔画像の取得などを含む顔認証プログラム、その他の各種機器の管理プログラムを実行する。
【0128】
記憶部80にはROMやRAMが含まれ、ハードディスク装置や半導体記憶装置などの不揮発性の記録媒体が用いられる。RAMは画像登録のモニターや閲覧などに関する情報処理のワークエリアを構成する。
【0129】
入出力部82は、LAN14−2に接続され、FAゲートウェイ12、FTPサーバー6またはFAセンサー群10との情報の入出力を含む情報通信を行う。
【0130】
操作部84はたとえば、タッチパネル、キーボード、マウスなどのユーザインターフェースであり、ユーザ操作を媒介とした情報閲覧などの入力を行う。表示部86はたとえば、LCD素子などで構成され、各機器の管理情報など、各種の可視情報が表示される。
【0131】
<端末4−1、4−2、・・・4−nの処理手順>
【0132】
図11は、端末4−1、4−2、・・・4−nの処理手順の一例を示している。各端末4−1、4−2、・・・4−nは初期化処理の後、リクエストの待機状態となる。このリクエストには一例として登録処理および認証処理が含まれ、これら処理の選択は、ユーザの選択操作入力に委ねられる。リクエストにはセンサー表示、登録または認証の中止などの処理を含んでもよい。
【0133】
この処理手順では、リクエストの後、このリクエスト内容を判定する(S201)。「登録」の選択であれば、顔情報の登録モードに移行し、表示部40の表示画面88に「登録モード入」の表示をする(S202)。この「登録モード入」は、表示部40の表示画面88に可視情報で表示される。これにより、ユーザは、登録モード実行中であることを視認できる。
【0134】
「登録モード入」の表示に続き、顔登録処理が実行される(S203)。顔登録処理には、
(i) 入店者から顔画像の取得
(j) 顔画像の登録要求および端末識別情報の送信
(k) 登録完了通知の受信など
が含まれる。この顔登録処理には入店者に関する属性情報の送信および受信を含んでもよい。この属性情報は、商品購入、VIP情報などの付随的情報を含んでもよい。
【0135】
この顔登録処理中、処理の終了か(End?)が判断される(S204)。処理の終了でなければ(S204のNO)、顔登録処理(S203)を継続する。
【0136】
この顔登録処理の終了であれば(S204のYES)、終了を契機に登録モードを解除し、表示部40の表示画面88に「登録モード切」を表示する(S205)。この「登録モード切」は、表示部40の表示画面88に可視情報で表示される。これにより、ユーザは、既述の(i) 〜(k) のひとりの入店者の登録終了を視認できる。
【0137】
一回の登録が終了すれば、終了コマンドが発せられているかを判断する(S210)。終了コマンドが発せられていなければ(S210のNO)、S201に戻り、登録モードまたは認証モードの処理を継続して行う。
【0138】
このS201において、リクエスト内容が「認証」の選択であれば、顔情報の認証モードに移行し、表示部40の表示画面88に「認証モード入」を表示する(S206)。この「認証モード入」は表示部40の表示画面88に可視情報で表示される。これにより、ユーザは、認証モード実行中であることを視認できる。
【0139】
この「認証モード入」の表示に続き、顔認証処理が実行される(S207)。この顔認証処理には、
(l) 入店者から顔画像の取得
(m) 顔画像の認証要求および端末識別情報の送信
(n) 顔画像の認証完了通知の受信
などが含まれる。認証完了通知には、認証対象者の属性情報を含んでもよい。この属性情報には、商品購入、VIP情報などの付随的情報を含んでもよい。
【0140】
この顔認証処理中、処理の終了か(End?)が判断される(S208)。処理の終了でなければ(S208のNO)、顔認証処理(S207)を継続する。
【0141】
この顔認証処理の終了であれば(S208のYES)、終了を契機に認証モードを解除し、表示部40の表示画面88に「認証モード切」を表示する(S209)。この「認証モード切」は、表示部40の表示画面88に可視情報で表示される。これにより、ユーザは、既述の(l) 〜(n) のひとりの入店者の認証終了を視認できる。
【0142】
一回の認証が終了すれば、終了コマンドが発せられているかを判断する(S210)。終了コマンドが発せられていなければ(S210のNO)、S201に戻り、登録モード(S202〜S205)または認証モード(S206〜S209)の処理を継続して行う。
【0143】
そして、終了コマンドが発せられていれば(S210のYES)、終了処理を実行し(S211)、全ての処理を終了する。
【0144】
<ショップクライアント群24(またはセンタークライアント群30)の表示例>
【0145】
ショップクライアント群24の表示部40には図12のAに示すように、表示画面88が表示される。顔画像の登録モードに移行する際、表示画面88には、図12のAに示すように、「登録モード入」を表すメッセージ90−1が表示される。
【0146】
顔画像の登録モードを終了する際、表示画面88には、図12のBに示すように、「登録モード切」を表すメッセージ90−2が表示される。
【0147】
顔画像の認証モードに移行する際、表示画面88には、図12のCに示すように、「認証モード入」を表すメッセージ92−1が表示される。
【0148】
顔画像の認証モードを終了する際、表示画面88には、図12のDに示すように、「認証モード切」を表すメッセージ92−2が表示される。
【0149】
なお、メッセージ90−1、90−2、92−1、92−2は、登録モードや認証モードの「入」や「切」を表す他の記号や画像であってもよい。
【0150】
<FAゲートウェイ12の処理手順>
【0151】
図13は、FAゲートウェイ12の処理手順の一例を示している。このFAゲートウェイ12は、端末4−1、4−2、・・・4−nからの指示を受けるための待機状態に維持される。
【0152】
端末4−1、4−2、・・・4−nからリクエストを受信し、このリクエストの内容が「登録」か「認証」かの判断を行う(S301)。
【0153】
リクエストが「登録」であれば、FTPサーバー6であるかの判断を行う(S302)。FTPサーバー6でなければ(S302のNO)、S301に戻り、リクエスト内容の判定を行う(S301)。FTPサーバー6であれば(S302のYES)、FAコントローラ31に対する問い掛けを実行し(S303)、S305に遷移する。
【0154】
端末4−1、4−2、・・・4−nのリクエストが「認証」であれば、FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mに空きがあるかを判定する(S304)。FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mに空きがあれば(S304のYES)、問い合わせ端末に認証了解(ACK)を送信し、この端末に対する接続処理(gate open )を実行する(S305)。
【0155】
FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mに空きがなければ(S304のNO)、問い合わせ端末に待機要求を送信し(S306)、S305をスキップする。
【0156】
S305またはS306の後、終了コマンドが発せられているかを判断する(S307)。終了コマンドが発せられていなければ(S307のNO)、S301に戻り、リクエストの判定を継続して行う。
【0157】
そして、終了コマンドが発せられていれば(S307のYES)、終了処理を実行し(S308)、全ての処理を終了する。
【0158】
<FAコントローラ31の処理手順>
【0159】
FAコントローラ31の処理には図14のAおよびBに示すように、第1および第2の処理としてたとえば、 ENTRY1および ENTRY2が含まれる。
【0160】
ENTRY1では、図14のAに示すように、FTPサーバー6の状態の常時監視を行い(S401)、各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの状態の常時監視(S402)が継続して実行される。
【0161】
この ENTRY1の処理は継続して実行され、この実行中に終了コマンドが発せられているかを判断する(S403)。終了コマンドが発せられていなければ(S403のNO)、 ENTRY1のS401に戻り、 ENTRY1の処理の継続が維持される。そして、終了コマンドが発せられていれば(S403のYES)、終了処理を実行し(S404)、 ENTRY1の全ての処理を終了する。
【0162】
ENTRY2では、図14のBに示すように、FAゲートウェイ12の問合わせ待ち状態を維持する(S411)。この問合わせ状態から受信したリクエストがFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mかFTPサーバー6かを判定する(S412)。
【0163】
FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mであるとすれば、これらFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mがリクエストを受け入れることが可能状態であれば、その状態を表す「FAセンサー=ready 」を返信し、またはFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mが実行状態でリクエストを受入れできない状態であれば、その状態を表す「FAセンサー=busy」を返信する(S413)。
【0164】
また、S412において、FTPサーバー6であれば、FTPサーバー6がリクエストを受け入れることが可能状態であれば、その状態を表す「FTPサーバー=ready 」を返信し、またはFTPサーバー6が実行状態でリクエストを受入れできない状態であれば、その状態を表す「FTPサーバー=busy」を返信する(S414)。
【0165】
この ENTRY2の処理は繰り返し実行され、この実行中においても終了コマンドが発せられているかを判断する(S415)。終了コマンドが発せられていなければ(S415のNO)、 ENTRY2のS411に戻り、 ENTRY2の処理の継続が維持される。そして、終了コマンドが発せられていれば(S415のYES)、終了処理を実行し(S416)、 ENTRY2の全ての処理を終了する。
【0166】
<FTPサーバー6の処理手順>
【0167】
図15は、FTPサーバー6の処理手順を示している。
【0168】
この処理手順では、FTPサーバー6が端末4−1、4−2、・・・4−nからリクエストを受けると、そのリクエスト内容を判断する(S501)。
【0169】
リクエストが「登録」であれば、登録処理を実行する(S502)。また、リクエストが「認証」であれば認証処理を実行する(S503)。
【0170】
これらの処理は、継続して繰り返し実行され、この実行中に終了コマンドが発せられているかを判断する(S504)。終了コマンドが発せられていなければ(S504のNO)、S501に戻り、処理の継続が維持される。そして、終了コマンドが発せられていれば(S504のYES)、終了処理を実行し(S505)、全ての処理を終了する。
【0171】
<各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの処理手順>
【0172】
図16は、稼働中の各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの処理手順を示している。稼働中の各FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mでは認証のリクエストを受け、リクエストがあるかを判定する。
【0173】
リクエストがあれば(601のYES)、稼働フラグ=ONとし、これを契機に被認証顔情報を受信する(S602)。
【0174】
受信した被認証顔情報に対し、認証処理を行う(S603)。この認証処理は、取得した顔画像が登録顔画像と一致するかの判断を行う。この認証処理中、被認証顔情報を格納したDBについて、DB=empty あるかを判定する(S604)。DB=empty でなければ(S604のNO)、S603に戻り、DB=empty になるまで、認証処理を継続する。
【0175】
DB=empty であれば(S604のYES)、処理終了となり、稼働フラグ=OFFとし(S605)、これを契機に1認証処理が終了し、続く認証処理があれば、S601に戻り、次の認証処理を実行する。
【0176】
この認証処理は、継続して繰り返し実行され、この実行中に終了コマンドが発せられているかを判断する(S606)。終了コマンドが発せられていなければ(S606のNO)、既述の通りS601に戻り、処理の継続が維持される。そして、終了コマンドが発せられていれば(S606のYES)、終了処理を実行し(S607)、全ての処理を終了する。
【0177】
<顔画像の登録モード>
【0178】
図17は、顔画像の登録モードの処理シーケンスを示している。
【0179】
顔画像の登録モードは、FAゲートウェイ12を介在させて端末群4とFTPサーバー6との間で実行する。この登録モードでは、認証モードで用いられるFAセンサー群10は使用されない。
【0180】
端末4−1、4−2、・・・4−nのいずれかまたは2以上から「登録モード入」が指定されると、登録要求処理が実行される(S701)。この登録要求の処理により、端末4−1、4−2、・・・4−nのいずれかまたは2以上から登録要求がFAゲートウェイ12に対して送信される(S702)。この登録要求の送信情報には個別に端末識別情報が添付される。この端末識別情報は、登録要求を発した端末を識別するための情報である。
【0181】
登録要求を受けたFAゲートウェイ12では、複数の端末の同時使用時、優先順位付けに基づき、情報の授受を行う(S703)。つまり、FAゲートウェイ12は複数の端末の同時使用による複数の登録要求を受けることが可能であり、複数の登録要求に対し、優先順位付けにより分散化処理を実行する。
【0182】
これらの登録要求を受け、FAゲートウェイ12は、FAコントローラ31に対し、登録要求に対応する問い掛けを行う(S704)。FAコントローラ31は、登録要求に対し、当該端末に対するサーバー状態の返信を実行する(S705)。FAコントローラ31は、FTPサーバー6と常時通信を行い、サーバー稼働状態を常時監視する(S706)。この結果、FAコントローラ31からFAゲートウェイ12に対し、サーバー稼働状態が通知される(S707)。
【0183】
FAゲートウェイ12から送信された登録要求は、FAコントローラ31からFTPサーバー6に通知される(S708)。FTPサーバー6のサーバー管理処理(S709)には、サーバー稼働状態の常時監視に対応する情報通信、登録対応の可否の応答などが含まれる。
【0184】
FAコントローラ31から通知された端末からの登録要求に対し、FTPサーバー6は、対応可能であれば、対応可能状態である旨の送信が行われる(S710)。この対応可能状態通知を受けたFAゲートウェイ12は、登録要求を発した端末に対し、対応可能であることの通知が返信される(S711)。
【0185】
この登録可能である旨の通知を受けた端末4−1、4−2、・・・4−nでは、顔画像情報の送信処理が実行される(S712)。
【0186】
登録可能である旨の通知を受けた端末4−1、4−2、・・・4−nからの顔画像情報は、FAゲートウェイ12に対して送信される(S713)。この送信情報には、端末識別情報が添付される。これにより、登録要求を発した端末、顔画像を送信する端末が端末識別情報により特定される。
【0187】
この場合、顔画像情報は、FAゲートウェイ12からFTPサーバー6に送信される(S714)。FTPサーバー6は、受信した顔画像をDB58の特定ユーザ領域への登録を実行する(S715)。この顔画像の登録処理を完了すると、FTPサーバー6から、登録を完了した旨の通知が送信され(S716)、この登録完了がFAゲートウェイ12およびFAコントローラ31に通知される。
【0188】
この登録完了通知を受信したFAゲートウェイ12は、その登録完了を、登録要求を発した端末4−1、4−2、・・・4−nに通知する(S717)。この登録完了通知の受信を契機に、登録要求を発した端末4−1、4−2、・・・4−nは登録モードを解除し、「登録モード入」を維持している端末は「登録モード切」となり、登録モードの処理を完了する(S718)。
【0189】
<顔画像の認証モード>
【0190】
図18は、顔画像の認証モードの処理シーケンスを示している。
【0191】
顔画像の認証モードは、FAゲートウェイ12を介在させて端末群4とFAセンサー群10との間で実行する。
【0192】
端末4−1、4−2、・・・4−nのいずれかまたは2以上から「認証モード入」が指定されると、認証要求処理が実行される(S801)。この認証要求の処理により、端末4−1、4−2、・・・4−nのいずれかまたは2以上から認証要求がFAゲートウェイ12に対して送信される(S802)。この認証要求の送信情報には個別に端末識別情報が添付される。この端末識別情報は、認証要求を発した端末を識別するための情報である。
【0193】
認証要求を受けたFAゲートウェイ12では、複数の端末の同時使用時、優先順位付けに基づき、情報のやりとりの制御機能を実行する(S803)。つまり、FAゲートウェイ12は複数の端末の同時使用による複数の認証要求を受けることが可能であり、複数の認証要求に対し、優先順位付けにより分散化処理を実行し、複数のFAセンサーに振り分けて認証処理を実行させる。
【0194】
これらの認証要求を受け、FAゲートウェイ12は、FAコントローラ31に対し、認証要求に対応する問い掛けを行う(S804)。FAコントローラ31は、認証要求に対し、当該端末に対する空きFAセンサー情報を、認証要求を発した端末に対して送信する(S805)。FAコントローラ31は、FAセンサー群10の負荷状態をFAセンサー群10との常時通信により監視し(S806)、FAセンサー群10の負荷状況により、FAセンサー群10における空きFAセンサーが特定される(S807)。この監視により得られている空きFAセンサー情報が活用される。この結果、FAコントローラ31からFAゲートウェイ12に対し、認証要求の了承(ACK)および空きセンサーを表すセンサー識別情報を通知する(S808)。
【0195】
これら認証要求の了承(ACK)および空きセンサーを表すセンサー識別情報は、FAゲートウェイ12から認証要求を発している端末4−1、4−2・・・4−nに通知される(S809)。
【0196】
この通知を受けた端末4−1、4−2、・・・4−nでは、顔画像情報の送信処理が実行される(S810)。
【0197】
認証可能である旨の通知を受けた端末4−1、4−2、・・・4−nからの顔画像情報は、FAゲートウェイ12に対して送信される(S811)。この送信情報には、端末識別情報が添付される。これにより、認証要求を発した端末、顔画像を送信する端末が端末識別情報により特定される。
【0198】
この場合、顔画像情報は、FAゲートウェイ12からFAセンサー群10の空きFAセンサーに送信される(S812)。この顔画像情報を受けたFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mでは、DB58の登録顔画像と照合して一致するか否かの認証処理が実行される(S813)。
【0199】
この認証結果に基づき、認証処理を実行したFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mから結果情報がFAゲートウェイ12に対して送信される(S814)。この結果情報を受けたFAゲートウェイ12は、その結果情報を、認証要求を発している端末に対して送信する(S815)。この結果情報を受けた端末は、結果情報の受信に基づき、結果情報を表示する(S816)。
【0200】
そして、認証を完了したFAセンサーでは、認証完了通知および端末識別情報を送信し(S817)、これらがFAコントローラ31およびFAゲートウェイ12に通知される。この通知を受けたFAゲートウェイ12は、これらを、認証要求を発した端末に転送する(S818)。この認証完了通知の受信を契機に、認証要求を発した端末4−1、4−2、・・・4−nは認証モードを解除し、「認証モード入」を維持している端末は「認証モード切」となり、認証モードの処理を完了する(S819)。
【0201】
<第2の実施の形態の効果>
【0202】
第2の実施の形態によれば、既述の第1の実施の形態の機能や効果に加え、以下の機能や効果が得られる。
【0203】
(1) このシステム2−2によれば、顔認証センター22で複数の店舗やクライアントの顔画像の登録や認証の集中管理をすることができ、運用保守を容易化できる。
【0204】
(2) このシステム2−2によれば、商業施設20に店舗を展開する各店舗や企業毎に管理システムを個別に構築し、顧客管理情報をシェアして利用できる。
【0205】
(3) このシステム2−2では、商業施設20の店舗の増加または減少に柔軟に対応することができる。
【0206】
(4) 商業施設20の顧客管理および運用保守をシステム提供事業者が一括管理することができる。
【0207】
(5) 店舗に設置された端末群4やFAセンサー群10などの故障に対し、全体システムを停止することなく修理することが可能であり、故障機器に対して代替え機器を設置してシステム2−2を利用することができる。実質的に無故障システムを実現できる。
【0208】
(6) 店舗に設置された端末などの故障から復旧時の動作開始や、各端末間の動作確認を迅速に行うことができ、システム2−2の信頼性を高めることができる。
【0209】
(7) DB58に顧客管理情報に必要な付随的な管理情報を統合し、販売促進から防犯など、各種の管理を総合的に実現できる。
【0210】
(8) このようなシステム2−2によれば、個別の店舗に顔認証システムを設置する場合に比較し、顔画像の登録や認証結果の記録をシェアして利用することができ、顧客管理、万引きなどの要注意人物の監視にも利用できる。このような利用は重要かつ有益である。店舗毎に設置する形態では設備費や管理の費用が掛かるという導入障壁を除くことができ、システム2−2の普及や導入を促進することができる。店舗毎の貴重な監視データを複数の店舗間で利用でき、認証結果などを汎用データとして活用することもできる。
【0211】
(8) 既存のシステムが構築されている場合、斯かるシステムをシステム2−2に統合して再構築でき、既存の顔画像の登録データや認証情報を活用することができる。情報統合および管理情報のシェアによる人的管理や監視を効率化でき、コスト低減と信頼性の高い管理や監視のシナジー効果を図ることができる。
【0212】
(9) ショップクライアント群24の各ショップクライアントは同一機能である必要はなく、またFAセンサー群10のFAセンサーも同一機能である必要はなく、異なる機能を前提とした顔認証などの処理を活用できる。
【0213】
(10) センタークライアント群30ではFAゲートウェイ12およびFTPサーバー6と連動して顔画像の登録や認証状況の監視や閲覧ができるので、ショップクライアント群24側のこれらの機能と相まってユーザに対する利便性が向上する。
【0214】
(11) 複数の登録要求や認証要求をFAゲートウェイ12で分散化して中継するので、ショップクライアント群24、FAセンサー群10、センタークライアント群30の負荷を軽減することができる。
【0215】
(12) WAN14−1と、LAN14−2側のネットワークを別に構築し、WAN14−1のショップクライアント群24側の情報を暗号化することによりセキュリティを高くすれば、LAN14−2側のセキュリティを軽減でき、コスト低減を図ることができる。
【0216】
(13) システム2−2では、各端末群4と接続される、コンセント直付けのスマートメーター44−1、温度・湿度センサー44−2などの各種センサー44−Xを備えることにより、環境情報や電力料金情報を取得でき、省エネなどを喚起し、コストダウン化とともにトータル的なエネルギーマネージメントサービスを提供できる。
【0217】
(14) 無人の夜間や休業時間において、人感センサー44−3による不審者の自動検出が可能であり、店舗内の安全性を向上させることができる。人感センサー44−3の検出情報は、端末群4からユーザのスマートフォンなどの情報端末に送信し、告知することができる。
【0218】
(15) 端末4の利用状況はデータベース化してシステム2−2の状態監視に利用でき、その状態を端末4に表示し、またはネットワークを通じてユーザの情報端末に送信し、常に状態監視と最適な動作状態やサポートサービスを構築することができる。
【0219】
(16) ひとつのシステム2−2を設置すれば、このシステム2−2に他の商業施設や個別店舗に設置したシステム2−2を連係させることができ、CRM情報を共有化することも可能である。
【0220】
(17) システム2−2でデータベース化される各種の情報について、たとえば、VIPや優良顧客情報などの特定人物情報は特定店舗特有のものとして扱い、要注意人物情報は加入店舗の共有情報としてシェアして利用することができる。このシステム2−2を利用すれば、たとえば、商業施設20に対する入館または退館検出であれば、一斉案内を実施し、また特定店舗に対する入店であれば、店舗名と要注意人物情報を通知するなど、万引きなどによる損失抑止を全店舗間でできるなどの体制の構築に活用できる。
【0221】
<FAセンサーの設置数およびその算出方法>
【0222】
このFAセンサーの設置数算定方法はたとえば、FAコントローラ31を用いて情報処理により実現すればよい。
【0223】
FAセンサー10−1、10−2、・・・10−mでは、同時に複数の認証要求を受け付けることが可能である。これにより、複数の認証要求を受けたFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mでは、各認証処理はシーケンシャルに実行される。認証の同時処理数は、FAセンサーの台数で決定される。そこで、FAセンサー台数は、次の処理手順で決定すればよい。
【0224】
図19は、FAセンサーの設置数算定の処理手順を示している。
【0225】
顔画像の認証に要する認証時間をtcとすると、この認証時間tcは、顔画像の登録数、画像サイズ、ネットワークトラフィックにより異なる。この顔認証に付随するメッセージ通信時間をtmとし、このメッセージ通信時間tmを含めた処理時間をtpとする。これら認証時間tcおよびメッセージ通信時間tmを入力する(S901)。
【0226】
これらの入力を受けたたとえば、FAコントローラ31では、認証時間tcおよびメッセージ通信時間tmから処理時間tpを求める(S902)。この場合、処理時間tpは、これらの加算値として
tp=tc+tm ・・・(1)
から算出される。
【0227】
処理許容時間Tとすれば、この処理許容時間Tを入力する(S903)。この入力に代え、処理許容時間Tを予め、記憶部80に記憶しておいてもよい。
【0228】
この処理許容時間Tおよび処理時間tpを用いて認証処理数Pnを算出する(S904)。この認証処理数Pnは、
Pn =T÷tp ・・・(2)
から求められる。この処理に、余裕時間を考慮した認証処理数Pnを設定する(S905)。この設定は、ユーザが入力してもよいし、予め記憶部80に記憶し、その値を自動的に読みだしてもよい。
【0229】
商業施設における店舗数をnとし、そのうちの稼働店舗数から想定される稼働率ηを入力する(S906)。
【0230】
これらの入力値により、認証処理に用いられるFAセンサーの必要な台数mは、
m =n×η÷Pn ・・・(3)
から算出する(S907)。
【0231】
そして、算出結果を表示部86に表示する(S908)。この表示には、既述の認証時間tc、メッセージ通信時間tm、処理時間tp、処理許容時間T、認証処理数Pn、店舗数nおよび稼働率ηの全部または2以上を含んでもよい。
【0232】
なお、顔データ生成は複数のメッセージ通信が必要であり、その送信を含め、1〔秒〕程度が必要である。余裕のある処理数を想定し、登録数は認証数に比べて少ないことが想定される。よって、処理数はFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの設置数には影響しない。
【0233】
このFAセンサーの設置数の算定例を以下に示す。
【0234】
認証システム2−2において、既述の処理時間tp≦500〔msec〕を想定する。この場合、処理許容時間Tをたとえば、T=3〔秒〕とすれば、処理許容時間T内での認証処理数Pnは、
Pn =T÷tp
=3〔秒〕÷500〔msec〕=6〔処理〕 ・・・(4)
となる。この処理に、余裕時間を考慮した認証処理数Pnは、Pn=5〔処理〕が有効であろう。
【0235】
そこで、商業施設における店舗数n=500とし、そのうちの50店舗が同時に認証要求をすることを想定すれば、稼働率ηが10〔%〕であるから、この認証処理に用いられるFAセンサー10−1、10−2、・・・10−mの必要な台数mは、
m =n×η÷Pn
=500〔店舗数〕×10〔%〕÷5〔処理〕
=10〔台〕 ・・・(5)
となる。
【0236】
<FAセンサーの設置数算出の効果>
【0237】
以上説明したように、FAセンサー群10に設置すべきFAセンサーの台数は端末4の設置数や店舗数、稼働率ηを考慮して最適化することができる。これにより、設備コストの低減や大型商業施設などへのシステム2−2の導入を促進することができる。
【0238】
〔他の実施の形態〕
【0239】
(1) 上記実施の形態では、システム2−2の設置場所として商業施設20を例示したが、このシステム2−2は商業施設以外の学校などの公共施設や他の監視施設であってもよい。
【0240】
(2) CRM端末4−1、4−2、・・・4−nには、撮影機能や通信機能を備える一般ユーザが使用するスマートフォンを用いてもよい。
【0241】
(3) WAN14−1、LAN14−2には有線LANの外、無線LANを用いてもよい。
【0242】
(4) 既述の商業施設20は、各店舗が一か所に集中している場合に限定されず、離間した店舗を集合したものであってもよい。
【0243】
(5) 上記実施の形態では、処理許容時間Tを設定し、一例としてT=3〔秒〕としているが、この時間Tはシステム2−1、2−2の能力を考慮して設定すればよく、適当な時間として数秒を想定すればよい。
【0244】
(6) 上記実施の形態のDB58の顔画像データテーブル60−1、60−2には登録履歴情報や認証履歴情報を格納し、この履歴情報には来訪回数、購入商品、住所などを記録し、顧客の差別化などに利用してもよい。また、これらの情報は登録や認証から長時間が経過した場合には設定によりまたは自動的に消去するように構成してもよい。
【0245】
以上説明したように、本発明の技術の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0246】
本開示の技術は、CRM端末群およびFAセンサー群を用いてCRM情報をシェアして設備コストや管理コストを低減し、複数の店舗を擁する商業施設などで効率的かつ合理的な顔認証システムを実現でき、有用である。
【符号の説明】
【0247】
2−1、2−2 シェア型顔認証システム
4 CRM端末群
4−1、4−2、・・・4−n CRM端末
6 FTPサーバー
8 記憶部
10 FAセンサー群
10−1、10−2、・・・10−m FAセンサー
12 FAゲートウェイ
14−1 WAN
14−2 LAN
20 商業施設
20−1、20−2、・・・20−n 店舗
22 顔認証センター
24 ショップクライアント群
24−1、24−2、・・・24−n ショップクライアント
26、28 通信インターフェース
30 センタークライアント群
30−1、30−2、・・・30−n センタークライアント
31 FAコントローラ
32 カメラ
34、48、54、62、68、78 プロセッサ
36、50、64、70、80 記憶部
38、52−1、52−2、56、66、72、82 入出力部
40、76、86 表示部
42、74、84 操作部
43 アラーム装置
44 センサー群
44−1 スマートメーター
44−2 温度・湿度センサー
44−3 人感センサー
44−4 感震センサー
44−X ・・・センサー
58 データベース(DB)
60−1、60−2 顔画像データテーブル
88 表示画面
90−1、90−2、92−1、92−2 メッセージ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19