特許第6148358号(P6148358)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6148358
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】モータの放熱を行うインフレータ装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20170607BHJP
   H02K 5/20 20060101ALI20170607BHJP
   F04B 39/06 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   H05K7/20 H
   H02K5/20
   F04B39/06
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-5088(P2016-5088)
(22)【出願日】2016年1月14日
(65)【公開番号】特開2016-134625(P2016-134625A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2016年1月14日
(31)【優先権主張番号】104101376
(32)【優先日】2015年1月15日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−256750(JP,A)
【文献】 実開昭60−160067(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
F04B 39/06
H02K 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体及び空気圧縮機を備えたモータの放熱を行うインフレータ装置であって、
前記筐体は、上蓋体及び下ベースボディから構成され、前記上蓋体及び前記下ベースボディのパネルの両側辺には、互いに対向した前側板及び後側板が形成され、前記前側板には、複数の吸気孔が形成され、前記後側板には、排気用の通気孔が複数形成され、
前記空気圧縮機は、動力機構のモータを含み、前記モータは、回転軸と、前記モータの前記回転軸の一側端に設けられ、前記モータのハウジングに隣接した後端の冷却ファンと、を有し、前記冷却ファンが回転すると、前記筐体の外気が前記吸気孔を介して前記筐体内へ吸引され、前記モータの前記ハウジングの周面には、通風口が対称的に形成され、前記上蓋体と前記下ベースボディとが組み合わされて形成された前記筐体内には、前記空気圧縮機全体及びそのモータが収容され、
前記上蓋体のパネル内壁には、集風導流構造である上導流部が設けられ、前記下ベースボディの前記上導流部のパネルに対向した内壁には、前記集風導流構造の下導流部が設けられ、前記上蓋体と前記下ベースボディとが結合されて位置決めされると、前記上蓋体及び前記下ベースボディ内壁に設けられた前記上導流部及び前記下導流部により前記モータの前記ハウジングが支持され、前記モータの前記ハウジングの前記通風口は、前記上導流部及び前記下導流部の導風槽の範囲内に位置し、
前記上導流部は、前記パネル内壁面に設けられたラインを有し、前記ラインの長さはYであり、前記ラインはパネルから離れる方向へ延びた高い縦壁を有し、
前記下導流部の構造は、前記上導流部と同じであり、前記下導流部は、パネル内壁に設けられた前記ラインを有し、前記ラインの長さはYであり、前記ラインがパネルから離れる方向へ延びた高い縦壁を有し、
前記冷却ファンの運転で発生した空気流が前記縦壁により遮られて前記導風槽に集中され、前記通風口が前記空気流を吸引して速やかに案内し、前記ハウジングの前記通風口から前記モータの内部へ進入して放熱作用を得て、前記モータ内部に熱が溜まり難く、前記モータが最高出力パワーで運転され、前記モータの運転効率を向上させるとともに、前記モータの使用寿命を延ばすことを特徴とするモータの放熱を行うインフレータ装置。
【請求項2】
前記上蓋体の前記前側板の内側には、上弧縁板が前記前側板に対して平行に設けられ、
前記下ベースボディの前記前板の内側には、下弧縁板が前記前側板に対して平行に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のモータの放熱を行うインフレータ装置。
【請求項3】
前記上導流部の前記縦壁の頂端には、内側に凹んだ円弧状支持部が形成され、
前記冷却ファンに対向した縦壁の一面端には傾斜面が形成され、
前記下導流部の前記縦壁の頂端には、内側に凹んだ円弧状支持部が形成され、
前記冷却ファンに対向した縦壁の一面端には傾斜面が形成され、
前記傾斜面により空気流が円滑に前方へ吹き出され、
前記上導流部及び前記下導流部の前記円弧状支持部により前記モータの前記ハウジングを強固に支持し、前記モータが緩んで揺れたり、傾いたり、倒れたりすることを防ぐことを特徴とする請求項に記載のモータの放熱を行うインフレータ装置。
【請求項4】
前記上導流部の前記縦壁の左右両端には、前記前側板へ向かって延びた集風プレートがそれぞれ延設され、前記上導流部の前記縦壁と、前記集風プレートとにより前記導風槽が画成され、
前記下導流部の前記縦壁の左右両端には、前記前側板へ向かって延びた集風プレートがそれぞれ延設され、前記下導流部の前記縦壁と、前記集風プレートとにより前記導風槽が画成され、
前記モータの前記ハウジングの前記通風口が前記上導流部及び前記下導流部の前記導風槽の範囲内に位置することを特徴とする請求項に記載のモータの放熱を行うインフレータ装置。
【請求項5】
前記上導流部の前記縦壁の左右両端は、前記縦壁に対して非垂直な状態で集風プレートが斜め方向にそれぞれ延び、前記2つの集風プレート及び前記縦壁により、略V字状を呈する導風槽が形成され、
前記2つの集風プレートの外末端には、開放式集風口が形成され、
前記下導流部の前記縦壁の左右両端は、前記縦壁に対して非垂直な状態で集風プレートが斜め方向にそれぞれ延び、前記2つの集風プレート及び前記縦壁には、略V字状を呈するV字状導風槽が形成され、前記2つの集風プレートの外末端には、開放式集風口が形成され、前記V字状導風槽により空気流の集中を容易に行うことを特徴とする請求項に記載のモータの放熱を行うインフレータ装置。
【請求項6】
前記上導流部及び前記下導流部の前記2つの集風プレートの初期延伸点の間隔距離はYであり、
前記上導流部及び前記下導流部の前記2つの集風プレートの外末端に対称的に設けられた2つの端点の間隔距離はYであり、Y>Y、かつ、Y>Yであることを特徴とする請求項5に記載のモータの放熱を行うインフレータ装置。
【請求項7】
前記モータの前記ハウジングの後端は、前記筐体の前記吸気孔に対向して最接近し、前記モータの前記ハウジングの前端が前記筐体の前記吸気孔から離れて前記筐体の前記通気孔に対向し、前記ハウジングの前端表面を基準線Yとして用い、前記モータの前記回転軸を基準線Xとして用い、前記ハウジングの前端をX=0に位置決めし、
前記ハウジングの前端と、前記上導流部及び前記下導流部のパネル内壁の前記ラインとの間の間隔距離はX1であり、
前記ハウジングの前端と前記モータの前記通風口との間の間隔距離はX2であり、
前記ハウジングの前端と前記集風プレートの最外端の端点との間の間隔距離はX3であり、
前記ハウジングの前端と前記冷却ファンとの間の間隔距離はX4であり、
前記ハウジングの前端と前記筐体の前記吸気孔との間の間隔距離はX5であり、
前記間隔距離の関係は、X1<X2<X3<X4<X5であることを特徴とする請求項に記載のモータの放熱を行うインフレータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの放熱を行うインフレータ装置に関し、筐体及び空気圧縮機を含み、空気圧縮機が筐体内に収容され、筐体の集風導流設計により、空気圧縮機の冷却ファンが作動して発生した空気流がモータの筐体の通風口へ速やかに案内され、通風口からモータのハウジング内へ進入してロータアセンブリの放熱を行い、ハウジング末端の貫通孔を介して高温の気流を導き出してモータのハウジング内に熱が溜まることを防ぎ、モータの運転の最高出力パワーを得て、モータの運転効率が向上するとともに、モータの使用寿命が延びる。
【背景技術】
【0002】
空気圧縮機は、気体被注入物に気体を注入する際、一般にエアクッション、タイヤへ気体を注入する用途に広く応用され、空気圧縮機の体積が小さいため携帯及び設置が容易である上、ポータブル直流電源供給装置又は自動車のシガレットライターソケットに直接接続して空気圧縮機へ動力電源を供給することができるため、操作及び使用が非常に容易である。一般に、従来の空気圧縮機装置は、筐体内に空気圧縮機が配設される。空気圧縮機は、モータ駆動によりシリンダー内でピストンを往復させる圧縮動作を行い、圧縮された空気が気体被注入物へ送られて気体を注入する。モータによりシリンダー内でピストンが往復運動されると、発生した熱がモータのハウジング内に溜まるとともに、筐体内にも溜まって筐体から熱を速やかに排出させることができずに高温となってしまう虞があった。その原因としては、一般にモータがロータを作動させると、電機子コア(armature core)、エナメル線(armature winding)、整流子(commutator)などを含む構造が内設された電機子(armature)、又はロータ(rotor)が高熱を発生させて高温となるためであった。特に、電機子中の整流子(commutator)とカーボンブラシ(carbon brush)とが接触摩擦されて電機子全体に高熱が発生し、このような高熱によりカーボンブラシにカーボンが容易に堆積してしまい、電流流路に悪影響を与え、モータのハウジング内に溜まった高熱によりハウジングの内周壁に設けた磁石の磁力に悪影響を及ぼし、磁石の磁力が減衰し、それに伴ってモータの運転効率が次第に低下してしまう虞があった。小パワーモータを応用したインフレータ装置の自動車タイヤパンク応急処理装置とは、例えば、自動車のタイヤがパンクした際、速やかに気体注入及び接着剤注入を行う応急処理装置であるが、一部の国の法律によると高速道路でタイヤがパンクした場合、後方から来る自動車が追突することを防いでドライバーの安全を確保するために、ドライバーは法律の規定時間内に修理を終わらせて速やかに自動車をその場から移動させる必要がある。しかし、短時間にタイヤの破損箇所をモータにより修理する際、モータが高速で回転している最中、ロータの回転で発生する高熱のほとんどがモータのハウジング内に溜まり、効果的に放熱することができない状況が続くと、モータの運転効率が低下して温度が一定レベルまで上昇し、電機子中のエナメル線の絶縁物が破壊され、エナメル線にショートが発生してモータ全体が焼損したりその他の危険が生じる虞があった。空気圧縮機が筐体内に収容され、従来の組立て方式では、筐体の枠部又は分離プレートにより空気圧縮機を支持するが、同時に円筒型モータを強固に固定することができる。実際には、従来の筐体には、モータの放熱構造が取り付けられておらず、従来の筐体は、依然としてモータが作動して発生する熱が溜まって高熱となり易く、モータの放熱をアシストしてモータが運転する際に潜在的な効率低下及び損壊が発生する欠点を克服することは困難であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の主な目的は、放熱作用により熱が溜まってモータが損壊することを防ぎ、モータの運転効率が向上して使用寿命が延びる、モータの放熱を行うインフレータ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、筐体及び空気圧縮機を備えたモータの放熱を行うインフレータ装置であって、前記筐体は、上蓋体及び下ベースボディから構成され、前記上蓋体及び前記下ベースボディのパネルの両側辺には、互いに対向した前側板及び後側板が形成され、前記前側板には、複数の吸気孔が形成され、前記後側板には、排気用の通気孔が複数形成され、前記空気圧縮機は、動力機構のモータを含み、前記モータは、回転軸と、前記モータの前記回転軸の一側端に設けられ、前記モータのハウジングに隣接した後端の冷却ファンと、を有し、前記冷却ファンが回転すると、前記筐体の外気が前記吸気孔を介して前記筐体内へ吸引され、前記モータの前記ハウジングの周面には、通風口が対称的に形成され、前記上蓋体と前記下ベースボディとが組み合わされて形成された前記筐体内には、前記空気圧縮機全体及びそのモータが収容され、前記上蓋体のパネル内壁には、集風導流構造である上導流部が設けられ、前記下ベースボディの前記上導流部のパネルに対向した内壁には、前記集風導流構造の下導流部が設けられ、前記上蓋体と前記下ベースボディとが結合されて位置決めされると、前記上蓋体及び前記下ベースボディ内壁に設けられた前記上導流部及び前記下導流部により前記モータの前記ハウジングが支持され、前記モータの前記ハウジングの前記通風口は、前記上下導流部の導風槽の範囲内に位置し、前記冷却ファンにより空気流を吸引して速やかに案内し、前記ハウジングの前記通風口から前記モータの内部へ進入して放熱作用を得て、前記モータ内部に熱が溜まり難く、前記モータが最高出力パワーで運転され、前記モータの運転効率を向上させるとともに、前記モータの使用寿命を延ばすことを特徴とするモータの放熱を行うインフレータ装置が提供される。
【発明の効果】
【0005】
本発明のモータの放熱を行うインフレータ装置は、モータが放熱作用を有するため、熱が溜まって損壊することを防ぎ、モータの運転効率が向上するとともにモータの使用寿命が延びる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るモータの放熱を行うインフレータ装置を示す分解斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るモータの放熱を行うインフレータ装置を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るモータの放熱を行うインフレータ装置を示す平面透視図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るモータの放熱を行うインフレータ装置を示す平面透視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機が筐体内に収納された状態と放熱導流とを示す説明図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係るモータの後端貫通孔、導流部、集風プレート、モータ通風口、冷却ファン及び筐体の吸気孔の相対位置を示す説明図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る筐体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0008】
以下、図1及び図2を参照する。図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態に係るモータの放熱を行うインフレータ装置は、筐体及び空気圧縮機を含む。筐体は、上蓋体1及び下ベースボディ2から構成されてなる。空気圧縮機は、上蓋体1及び下ベースボディ2から構成される筐体内に収容される。
【0009】
上蓋体1は、矩形状枠体であり、パネル上には、空気圧縮機をオン・オフするスイッチ10が設けられる。パネルの両側辺には、互いに対向した前側板11及び後側板12が形成されている。前側板11には、複数の吸気孔110が形成されている。後側板12には、排気用の通気孔120が複数形成されている。上蓋体1のパネル内壁上には、集風導流構造が設けられている。集風導流構造とは、上蓋体1のパネル内壁に設けられた上導流部3である。図6及び図7を参照する。図6及び図7に示すように、上導流部3は、パネル内壁に設けられたライン30を有する。ライン30の長さはYであり、ライン30はパネルから離れるように延びた高い縦壁31を有する。縦壁31は、空気流を妨げるために用いられる。縦壁31の左右両端は、前側板11に向かう方向で、前述した縦壁31に対して垂直又は非垂直の方向で、集風プレート32,33がそれぞれ延び、モータ6のハウジング61の通風口621上方に設けられたパネル内壁と、2つの集風プレート32,33及び縦壁31とにより導風槽37が画成され、縦壁31に対して垂直となるように集風プレート32,33が延びている場合、2つの集風プレート32,33及び縦壁31により、略下向きのコ字状を呈する導風槽37が形成される(図示せず)。もし竪壁31に対して非垂直となるように集風プレート32,33が斜め方向へ延びている場合、2つの集風プレート32,33及び縦壁31により、略V字状を呈する導風槽37が形成され、導風槽37により空気流を容易に集めることができる。前述した導風槽37の構造をさらに分析すると(図7を参照する)、2つの集風プレート32,33の初期延伸点から起算されるため、2つの集風プレート32,33の対称的な初期延伸点の両者間の間隔距離はYであるが、2つの集風プレート32,33の外末端に形成された開放式集風口34と、2つの集風プレート32,33の最末端の対称的な2つの端点との間の間隔距離はYであり、Y>Y、かつ、Y>Yである。前述した上蓋体1の前側板11の内側には、前側板11に対して平行な上弧縁板13が配設されている。前述した上導流部3の縦壁31の頂端には、内側に凹んだ円弧状支持部35が形成されている。冷却ファン7に対向した縦壁31の一面端には、傾斜面36が形成される。傾斜面36により空気流は円滑に前方へ吹き出される。
【0010】
下ベースボディ2の形状は、上蓋体1と同様に矩形枠体形状であり、そのパネル両側辺には、互いに対向関係にある前側板21及び後側板22が形成される。前側板21には、複数の吸気孔210が形成される。後側板22には、排気用の通気孔220が複数形成される。下ベースボディ2のパネル内壁上には、集風導流構造が設けられる。集風導流構造とは、下ベースボディ2のパネル内壁に設けられた下導流部4である。下導流部4の具体的構造は、前述した上導流部3と全く同じである。同様に、下導流部4は、パネル内壁に設けられたライン40を有する。ライン40の長さはYであり、ライン40がパネルから離れるように延びた高い縦壁41を有する。縦壁41は、空気流を妨げるために用いられる。縦壁41の左右両端は、前側板21に向かう方向で、前述した縦壁41に対する垂直又は非垂直の方向で、集風プレート42,43がそれぞれ斜め方向で延び、モータ6のハウジング61の通風口622上方に設けられたパネル内壁と、2つの集風プレート42,43及び縦壁41とにより導風槽47が画成され、縦壁41に対して垂直となるように集風プレート42,43が延びる。2つの集風プレート42,43と縦壁41とにより、略下向きのコ字状を呈する導風槽47が形成される(図示せず)。集風プレート42,43は、縦壁41に対して非垂直に形成されるように斜め方向へ延びる。2つの集風プレート42,43及び縦壁41は、略V字状を呈する導風槽47が形成され、このような状態の導風槽47は、空気流を容易に集めることができる。前述した導風槽47の構造をさらに詳しく説明すると(図7を参照する)、2つの集風プレート42,43の初期延伸点から起算するため、2つの集風プレート42,43の対称的な初期延伸点の両者間の間隔距離はYであるが、2つの集風プレート42,43の外末端に形成された開放式集風口44と、2つの集風プレート42,43の最末端の対称的な2つの端点の距離はYであり、Y>Y、かつ、Y>Yである。下ベースボディ2の前側板21の内側には、前側板21に対して平行となるように下弧縁板23が配設されている。前述した下導流部4の縦壁41の頂端には、内側に凹んだ円弧状支持部45が形成されている。冷却ファン7に対向した縦壁41の一面端には傾斜面46が形成される。傾斜面46により空気流は円滑に前方へ吹き出される。
【0011】
空気圧縮機は、本発明の主な特徴ではないが、本発明の技術的特徴及びその機能を明白かつ確実に理解することができるように、以下、空気圧縮機にモータ6を組み合わせた実施形態について簡単に説明する。図2図5に示すように、空気圧縮機は、上蓋体1と下ベースボディ2との間に収容される。空気圧縮機は、メインフレーム5と、メインフレーム5上に結合されたシリンダ51と、メインフレーム5上に取り付けられた動力機構と、動力機構によりシリンダ51内で往復運動するピストン本体85と、を含む。動力機構は、モータ6と、伝動用途の小歯車81と、大歯車82と、クランクピン84を有する重量回転盤83(図5を参照する)と、放熱用途の冷却ファン7とを含む。モータ6のハウジング61には、ロータアセンブリ64が内部に配設され、回転軸60が中央部に配設される。ロータアセンブリ64は、エナメル線66が巻き付けられた電機子コア65と、整流子67と、端子68と、カーボンブラシ69と、を含む。回転軸60は、一端に前述した小歯車81が取り付けられ、他端に放熱用途の冷却ファン7が取り付けられる。モータ6のハウジング61の周面には、互いに対称的な通風口621,622が形成され、小歯車81の端部のモータ6表面には、複数の貫通孔63が形成される(図5を参照する)。前述した大歯車82には、重量回転盤83が結合される。重量回転盤83には、クランクシャフト及びクランクピン84が設けられる。クランクシャフトの一端には大歯車82が挿通されてメインフレーム5に枢着される。クランクピン84の一端にピストン本体85の末端が枢着され、小歯車81と大歯車82とが噛合される。上蓋体1と下ベースボディ2とが組み合わされた構造に空気圧縮機が収容されると、モータ6のハウジング61の周面が上蓋体1及び下ベースボディ2の内面に設けた上導流部3及び下導流部4により挟持されて強固に位置決めされ、円弧型支持部35,45によりモータ6のハウジング61が強固に支持されるため、モータ6が緩んで揺れたり、傾いたり、倒れたりすることを防ぐことができる。モータ6が稼動すると、小歯車81により大歯車82が駆動し、シリンダ51内でピストン本体85が往復式の圧縮動作を行う。
【0012】
図6を参照する。図6は、モータ6が筐体の上導流部3及び下導流部4に位置決めされたときの筐体との相対位置を示す説明図である。モータ6のハウジング61の末端612は、筐体の吸気孔110,210に対向して最接近し、モータ6のハウジング61の前端611は、筐体の吸気孔110,210から離れ、筐体の通気孔120,220に対向する。図6に示すように、ハウジング61の前端611の表面には基準線Yが設けられ、モータ6の回転軸60が基準線Xとして用いられる。ハウジング61の前端611は、X=0に位置し、ハウジング61の前端611と上導流部3及び下導流部4のパネル内壁のライン30,40との間の間隔距離はX1である。ハウジング61の前端611とモータの通風口621,622との間の間隔距離はX2である。ハウジング61の前端611と集風プレート32,33及び集風プレート42,43の最外端の端点との間の間隔距離はX3である。ハウジング61の前端611と冷却ファン7との間の間隔距離はX4である。ハウジング61の前端611と筐体の吸気孔110,210との間の間隔距離はX5である。これら間隔距離は、それぞれX1<X2<X3<X4<X5の関係にある。
【0013】
図3及び図5を参照する。図3は、本発明の一実施形態に係るモータの放熱を行うインフレータ装置を示す平面透視図である。図5は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機が筐体内に収納された状態と放熱導流とを示す説明図である。図3及び図5に示すように、空気圧縮機のモータ6の一端の冷却ファン7が円周に沿って回転する際、冷却ファン7は、筐体の前側板11,21に形成された吸気孔110,210を介して外気が導入され、上弧縁板13と下弧縁板23とにより画成された導風開口130,230を介し、前述した上蓋体1の内面に設けられたV字状を呈する2つの集風プレート32,33及び下ベースボディ2の内面に設けられたV字状を呈する2つの集風プレート42,43の集風口34,44とに外気が円滑に導入され、かつ、上蓋体1及び下ベースボディ2の内面に設けた上導流部3及び下導流部4は、モータ6の通風口621,622に設けた周面に当接され、上導流部3及び下導流部4の縦壁31,41の傾斜面36,46により、空気流がモータ6の通風口621,622に直接案内され、前述した冷却ファン7の回転により発生した空気流が通風口621,622を介して直接進入し、カーボンブラシ69と整流子67とが摩擦により容易に高熱が発生し、電流が流通するエナメル線66などの部位を適時放熱し、図4に示すような放熱状態にする。
【0014】
上述したことから分かるように、従来の空気圧縮機が筐体内に収容された組合せ方式は、筐体の枠部又は分離プレートにより空気圧縮機を支持するが、同時に円筒型モータを強固に固定させることができたが、従来の筐体では、モータを放熱することが困難であった。しかし、本発明に係るモータの放熱を行うインフレータ装置は、筐体の上導流部3及び下導流部4の集風導流構造により、空気圧縮機の冷却ファン7が運転して発生させる空気流をモータ6のハウジング61の通風口621,622へ速やかに案内し、通風口621,622を介してモータ6のハウジング61内に進入させてロータアセンブリ64を放熱させてから、ハウジング61の末端の貫通孔63を介して高温気流を導き出し、モータ6のハウジング61の内部に熱が溜まることを防いでモータ6が運転するときに最高出力パワーを得て、モータ6の運転効率を高めるとともに、モータ6の使用寿命を延ばす。本発明の上導流部3及び下導流部4は、モータ6を位置決めすることができる上、適時放熱する相乗効果を得て、その実用価値は従来技術より遥かに優れている。
【符号の説明】
【0015】
1 上蓋体
2 下ベースボディ
3 上導流部
4 下導流部
5 メインフレーム
6 モータ
7 冷却ファン
10 スイッチ
11 前側板
12 後側板
13 上弧縁板
21 前側板
22 後側板
23 下弧縁板
30 ライン
31 縦壁
32 集風プレート
33 集風プレート
34 集風口
35 支持部
36 傾斜面
37 導風槽
40 ライン
41 縦壁
42 集風プレート
43 集風プレート
44 集風口
45 支持部
46 傾斜面
47 導風槽
51 シリンダ
60 回転軸
61 ハウジング
63 貫通孔
64 ロータアセンブリ
65 電機子コア
66 エナメル線
67 整流子
68 端子
69 カーボンブラシ
81 小歯車
82 大歯車
83 重量回転盤
84 クランクピン
85 ピストン本体
110 吸気孔
120 通気孔
130 導風開口
210 吸気孔
220 通気孔
230 導風開口
611 前端
612 末端
621 通風口
622 通風口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7