(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記能動要素及び前記反応要素のうちの一方から延びる連結部の反対端を受け入れる、前記ロッカー要素のそれぞれの軸方向スロットを更に備える、請求項11に記載の機械的運動変換器。
前記能動要素、前記反応要素、前記左側ロッカー要素及び前記右側ロッカー要素のそれぞれは、ロックピンの端を受け入れる2つの軸方向スロットを備える、請求項12に記載の機械的運動変換器。
前記ロッカー要素のそれぞれは、前記回動ピンを受け入れる穴及びロックピンを受け入れる2つの穴を備え、前記2つのロックピンを受け入れる穴は、前記回動ピンを受け入れる穴の両側に配置される、請求項10に記載の機械的運動変換器。
各ロッカー要素の前記2つのロックピン穴は、前記回動ピンを受け入れる穴から略同様に離間され、前記能動要素の軸方向移動は、アクチュエータによって印加される力に応じた前記反応要素の軸方向移動に略等しい、請求項15に記載の機械的運動変換器。
各ロッカー要素の前記2つのロックピンを受け入れる穴は、前記回動ピンを受け入れる穴から異なって離間され、前記能動要素の軸方向移動は、アクチュエータによって印加される力に応じた前記反応要素の軸方向移動よりも大きい、請求項15に記載の機械的運動変換器。
各ロッカー要素の前記2つのロックピンを受け入れる穴は、前記回動ピンを受け入れる穴から異なって離間され、前記能動要素の軸方向移動は、アクチュエータによって印加される力に応じた前記反応要素の軸方向移動よりも小さい、請求項15に記載の機械的運動変換器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、流体の流れを調節する弁における可動要素を制御するアクチュエータの、移動の大きさを変更するか、又は、移動方向も反転させるように構成することができる、コンパクトで容易に製造されるシステムを提供することによって、上記した問題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の機構は、双方向で可逆的であり、「駆動」及び「被駆動」、「能動」及び「反応」等の命名規則の限り、対称に機能する。本発明は、比例調節弁において必要であるような、制御された増分式の移動を提供することが既知である直線運動力発生器の使用を意図する。第1の形態では、力発生器からの直線的な能動方向運動(駆動部分)が、反対方向を有する反応方向運動(被駆動部分)を提供するように方向が反転される。第2の形態では、力発生器からの直線的な能動方向運動(駆動部分)が、通常は、大きさが二倍にされ、同じ方向に増大された反応方向運動(被駆動部分)を提供する。この機構は、アクチュエータを弁の可動部分に結合するように用いられるときに、並進移動の利得及び方向の変更を簡便に提供することができるため、「マルチフレックスカップリング」と称される。この機構は、いかなる歯車も主ねじのねじ山も含まず、通常のやり方では、絶えず負荷を受けるため、ヒステリシスを導入する機械的バックラッシュを伴うことなく、力の変更が達成される。従う方向は、概念的な方向(上及び下、上方及び下方、左及び右、前方及び後方等)を用い、機構のピース間の関係の理解を助けることができ、図面は概して、それらの概念的な方向又は規則に一致するが、本発明の概念の範囲内に入る装置が、機構の機能に対する影響なく、能動的に並進移動又は回転又は転回(tumbling)することを含む、空間内の任意の向きを達成することができる。
【0007】
典型的な実施形態では、機構は、2つのディスク形要素(駆動する能動部分及び駆動される反応部分)、レバーとして挙動する2つの半円要素(ロッカー)、上記を互いに接続する4つの連結要素、及び、これらの要素を一緒に保持するように働く9つのピン、並びに、任意選択的な支持スリーブから構成される。これらの種々の要素(piece)は、金属、プラスチック、複合材料又はセラミック等の種々の材料から作ることができるが、A2、D2又はH13等の熱処理工具鋼が、多くの用途に適切であると考えられ、一方で、6061等のアルミニウム合金も用いることができる。1つの実施形態では、ディスク形の能動要素及び反応要素は、約15.24mm(0.6インチ)の外径を有し、半円のロッカー要素の外側寸法は、ディスク形要素に概ね一致し、機構は、約12.7mm(0.5インチ)の軸方向長さを有する。
【0008】
本発明のいずれかの機構の形態では、ディスク形の能動要素及び反応要素には、2つの連結要素の端を収容するように2つの対称に配置される軸方向スロットがそれぞれ形成される。軸方向スロットの位置は、特定の機構から望ましい特定の並進移動の増大(利得)に応じて異なってもよい。各能動要素及び反応要素には、連結要素を収容する軸方向スロットにそれぞれ交差する2つのロックピン穴が設けられ、このロックピン穴は、要素のディスク形状の対称的に平行なコードとして見える。2つの半円のロッカー要素は、4つの連結部のように、任意の特定の機構の形態内で同一であり、一方で、ディスク形の能動要素及び反応要素は同一であるか、又は、異なっていてもよい。各半円のロッカー要素は、ディスク形の能動要素又は反応要素の約半分のサイズであり、同様に、2つの連結要素の端を収容するように2つの軸方向スロットを設ける。各ロッカー要素も、その半円の形状の直線的な辺に対して垂直な半分の直径(half diameter)上に位置付けられる径方向の回動ピン穴が設けられ、連結部を受け入れる軸方向スロットにそれぞれ交差する、回動ピン穴に対して平行な2つのロックピン穴が更に設けられる。
【0009】
完全な機構のアセンブリが、上側ディスク形要素、並んで、上側ディスクの下に配置される2つのロッカー要素、及び、ロッカー要素の下の下側ディスク形要素を含む。単一の回動ピンが、2つの半円のロッカー要素の回動ピン穴を通り、8つのロックピンが、4つの連結部の端を、幾つかの要素のそれぞれの軸方向スロット内に固定する。2つの連結部が、上側ディスク形要素の2つの軸方向スロットから降下し、各連結部が、下の隣接するロッカー要素の対応する軸方向スロットに係合する(当業者は、同一のロッカー要素が鏡像として見えることに気が付くであろう)。2つの付加的な連結部が各ロッカー要素の第2の軸方向スロットから降下し、各連結部は、下の隣接する下側ディスク形要素の対応する軸方向スロットに係合する。
【0010】
2つのディスク形の能動要素又は反応要素の変形形態を、2つの半円のロッカー要素の変形形態と組み合わせて第1の形態の機構を形成し、3つの異なる方向変更並進移動の利得を提供することができる。同様に、2つのディスク形の能動要素又は反応要素の変形形態を、2つの半円のロッカー要素の変形形態と組み合わせて第2の形態の機構を形成し、3つの異なる方向維持並進移動の利得を提供することができる。付加的な並進移動の利得の比率は、明らかに、ロッカー要素の変形形態を変更することによって得ることができるが、記載される部品の容易な並べ替えが、製造コストの低減に重要である。
【0011】
本発明の機構の1つの実施形態によると、回動ピンは、受動的にされ、アクチュエータのバルクに対して軸方向に固定して保持され、アクチュエータが伸長することで、上側能動ディスク形要素をアクチュエータのバルクから軸方向に離すように移動させ、一方で、機構の下側反応ディスク形要素は、アクチュエータのバルクに向かって後退する。上側能動ディスク形要素が軸方向移動して、各ロッカーから上方を指す、取着された連結部によってロッカー要素に結合される。ロッカー要素はそれによって、回動ピンを中心に僅かに回転させられ、各ロッカーの一端の下方への運動によって、各ロッカーの他端の対応する上方への運動が生じる。下側反応要素は、上側能動要素の運動に比例して軸方向に、但し反対方向に並進移動する。この実施形態では、能動要素が、反応要素よりもアクチュエータのバルクに近く、機構が長くなるように見える。並んだ半円のロッカー要素の直径に穿孔される回動ピン穴を通して配置される受動回動ピンは、支持スリーブ又は機構を囲む同等の本体にある同様の直径方向に対向する穴に係合することによって、軸方向に固定して簡便に保持されることができる。能動要素の運動と反応要素の運動との比例は、ロッカー要素の対のロックピン穴と回動ピン穴との隔たりを選択することによって調整することができる。
【0012】
本発明の機構の別の実施形態によると、上側ディスク形要素は、受動的にされ、アクチュエータのバルクに対して軸方向に固定して保持され、そして、アクチュエータが伸長して能動的に機能する回動ピンに結合され、アクチュエータが伸長することで、能動回動ピンをアクチュエータのバルクから軸方向に離すように移動させ、一方で、機構の下側反応ディスク形要素も、アクチュエータのバルクから離れるように伸長する。各ロッカー要素の一端は、軸方向に固定された上側ディスク形受動要素に結合される各ロッカーから上方を指す、取着された連結部によって軸方向に固定して保持される。アクチュエータの軸方向移動は、上側ディスク形受動要素を通る能動シャフトを変位させ、能動回動ピンを係合させ、それによって、能動回動ピンが軸方向移動してロッカー要素に直接的に結合される。ロッカー要素はそれによって、各ロッカーの一端においてそれぞれの上方を指す連結部のロックピンを中心に僅かに回転させられ、(回動ピンによって与えられる)各ロッカーの中間の下方への運動によって、各ロッカーの他端の更なる下方への運動が生じる。各ロッカーの下方に移動する他端は、各ロッカーから下方を指す取着された連結部によって下側反応ディスク形要素に結合される。下側反応要素は、上側能動要素の運動に比例して同じ方向に軸方向に並進移動する。この実施形態では、能動要素が、反応要素よりもアクチュエータのバルクに近く、機構が長くなるように見え、一方で、アクチュエータも長くなるように見える。上側ディスク形受動要素は、支持スリーブ又は機構を囲む同等の本体に固定して簡便に保持されることができる。能動シャフトの運動と反応要素の運動との比例は、ロッカー要素の対のロックピン穴と回動ピン穴との隔たりを選択することによって調整することができる。
【0013】
より詳細には、能動要素、反応要素、回動ピン、及び、回動ピンを中心に回動する少なくとも1つのロッカー要素を備える、機械的運動変換器が提供される。ロッカー要素は、能動要素と反応要素との間に軸方向に配置される。動作時に、能動要素、反応要素及び少なくとも1つのロッカー要素は、一緒に接合され、アクチュエータによって加えられる力に応じて軸方向に並進移動する。図示の実施形態では、能動要素及び反応要素のそれぞれはディスク形である。少なくとも1つのロッカー要素は、左側ロッカー要素及び右側ロッカー要素を含み、ロッカー要素のそれぞれは、回動ピンによって回動的に支持される。幾つかの示される実施形態では、回動ピンは、機構内で軸方向に固定されるように受動的である。他の実施形態では、回動ピンは、機構の残りの部分に対して軸方向に並進移動可能であるように能動的である。
【0014】
ロッカー要素のそれぞれは、上方連結部及び下方連結部を含む。示されている実施形態では、連結部のそれぞれは、貫通する穴及び丸みを帯びた端を有する平坦な部材を含む。
本発明の機械的運動変換器の更なる特徴は、連結部のそれぞれの穴、並びに、能動要素及び反応要素のそれぞれの穴を含む。複数のロックピンが、連結部、並びに、能動要素及び反応要素の対応する穴に係合し、能動要素、連結部及び反応要素を、各接合された構成要素の相対的な軸方向移動を可能にするように一緒に固定するよう設けられる。システムは、能動要素、連結部、並びに、能動要素及び反応要素を更に一緒に固定するように、ロックピンのうちの1つ又は複数を受け入れる、ロッカー要素のそれぞれの穴を更に備える。連結部のうちの対応する連結部の端を受け入れる、能動要素及び反応要素のそれぞれの軸方向スロットが設けられる。さらに、能動要素及び反応要素のうちの一方から延びる連結部の反対端を受け入れる、ロッカー要素のそれぞれの軸方向スロットが設けられる。好ましくは、能動要素、反応要素、並びに、左側ロッカー要素及び右側ロッカー要素のそれぞれは、ロックピンの端を受け入れる2つの軸方向スロットを備える。平坦なディスクばねが、能動要素の上面に取着される。
【0015】
ロッカー要素のそれぞれは、回動ピンを受け入れる穴及びロックピンを受け入れる2つの穴を備え、2つのロックピン穴は、回動ピン穴の両側に配置される。幾つかの実施形態では、各ロッカー要素の2つのロックピン穴は、回動ピン穴から略同様に離間され、能動要素の軸方向移動は、アクチュエータによって印加される力に応じた反応要素の軸方向移動に略等しい。他の実施形態では、各ロッカー要素の2つのロックピン穴は、回動穴から異なって離間され、能動要素の軸方向移動は、アクチュエータによって印加される力に応じた反応要素の軸方向移動よりも大きく、又は代替的には、能動要素の軸方向移動は、アクチュエータによって印加される力に応じた反応要素の軸方向移動よりも小さい。さらに、幾つかの実施形態では、能動要素及び反応要素は、アクチュエータによって印加される力に応じて同じ軸方向に移動し、一方で、他の実施形態では、能動要素及び反応要素は、アクチュエータによって印加される力に応じて反対の軸方向に移動する。これらの動作上の特徴は、以下でより詳細に記載されるように、単に機械的な結合システムの特定の構成要素を設計するか又は変更することによって、所望の動作結果に従ってユーザが選択可能である。
【0016】
本発明は、その付加的な特徴及び利点とともに、添付の例示的な図面と併せて以下の説明を参照することによって最良に理解することができる。これらの添付の図面では、同様の参照符号は、図面を通して同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】本発明の方向反転機構の1つの実施形態を示す等角斜視図であり、ディスク形能動要素は上方にあり、アクチュエータに最も近い。
【
図1B】仮想の外形のみで幾つかの要素を示すことによって、
図1Aの機構の内部の部品を明らかにする等角斜視図である。
【
図1D】
図1Cと同様の上面図であり、機構は、反時計回り方向に所定の距離だけ回転している。
【
図1E】受動回動ピンを、その長さに沿って切り取って示す、
図1Cの直径線A−Aに沿った、
図1Aの機構の断面図である。
【
図1F】
図1Dの直径線B−Bに沿った、
図1Aの機構の断面図であり、1つの半円のロッカーの直線的な辺が示されている。
【
図3A】ロッカー要素の上方連結部及び下方連結部を二等分するコードに沿って軸方向に切断した、
図1Aの機構の一部の斜視図である。
【
図3B】上側能動要素にある第2の軸方向スロットを示す、
図3Aの機構の残りの部分の斜視図であり、別の連結部が他のロッカー要素と結合するように係合している。
【
図4A】方向反転運動及び等しい変位(1.0:1.0の利得)のための、固定された回動ピンに対するロックピンの配置を示す、
図1Aのアセンブリの立面図である。
【
図4B】方向反転運動及び増大した変位(1.0:1.5の利得)のための、固定された回動ピンに対するロックピンの配置を示す、(
図1Aと同様の)アセンブリの別の実施形態の立面図である。
【
図4C】方向反転運動及び低減した変位(1.5:1.0の利得)のための、固定された回動ピンに対するロックピンの配置を示す、(
図1Aと同様の)アセンブリのまた別の実施形態の立面図である。
【
図5A】直径線A−Aに沿って軸方向に分割された、
図5Dの機構の断面図であり、能動回動ピンは、その長さに沿って切断され、能動シャフトが示されている。
【
図5B】直径線B−Bに沿って軸方向に分割された、
図5Dの機構の断面図であり、能動シャフトが示されており、1つの半円のロッカーの直線的な辺が示されている。
【
図5C】仮想の外形のみで幾つかの要素を示すことによって、
図5Dの機構の内部の部品を明らかにする等角斜視図である。
【
図5D】アクチュエータに上方に最も近いディスク形受動要素を伴う等角斜視図で示されている代表的な方向維持機構を示す図である。
【
図7A】ロッカー要素の上方連結部及び下方連結部を二等分するコードに沿って軸方向に切断した、
図5Dの代表的な機構を示す図である。
【
図7B】上側受動要素における第2の軸方向スロットを示す、
図7Aからの対応する残りの部分を示す図であり、別の連結部が他のロッカー要素に結合するように係合している。
【
図8A】2倍の変位を伴う(1.0:2.0の利得)方向維持運動のための、能動回動ピンに対するロックピンの配置を示す、
図5Dのアセンブリの立面図である。
【
図8B】増大した変位を伴う(1.0:2.5の利得)方向維持運動のための、能動回動ピンに対するロックピンの配置を示す、(
図5Dと同様の)アセンブリの別の実施形態の立面図である。
【
図8C】方向維持運動及び僅かに低減した変位(1.0:1.6の利得)のための、能動回動ピンに対するロックピンの配置を示す、(
図5Dと同様の)アセンブリのまた別の実施形態の立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで、同様の参照符号が幾つかの図面及び実施形態を通して同一の又は対応する部品を指す図面をより詳細に参照すると、
図1Aには、本発明の原理に従って構成される方向反転アセンブリ100の一実施形態が示されている。アセンブリ100は、上記で説明したように、通常は弁のためのアクチュエータ(図示せず)の最も近くに配置されるディスク形能動要素120を備えるが、他の用途も本発明の範囲内にある。ディスク形能動要素120の真下には、半円の左側ロッカー要素140及び隣接する半円の右側ロッカー要素160があり、これらはともに、受動回動ピン190によって支持される。ロッカー要素140、160の真下には、作動される弁(図示せず)の可動要素に最も近いディスク形反応要素180がある。機構アセンブリ100は、金属、プラスチック、複合材料又はセラミック等の種々の材料から作ることができるが、A2、D2若しくはH13等の熱処理工具鋼、又は、17−4PH合金等のばね状特性を有する熱処理ステンレス鋼が、多くの用途に適切であると考えられ、一方で、6061等のアルミニウム合金も用いることができる。
図1Aに示されている実施形態の方向反転機構アセンブリ100は、1つの特定の用途では、約12.7mm(0.5インチ)の軸方向長さを有する約15.24mm(0.6インチ)の外径を有することができ、
図1Aに仮想線を用いて表されているスリーブ101によって任意選択的に囲まれてもよい。
【0019】
方向反転機構アセンブリ100の機械的な作用は、受動回動ピン190を中心とするロッカー要素140、160の僅かな回転によって、ロッカー要素の一端が能動要素120に向かって上方に移動し、一方で同時に、同じロッカー要素の他端が反応要素180に向かって下方に移動することを認識することによって理解することができる。各ロッカー要素140、160の一端の能動要素120への適切な機械的な結合は、各ロッカー要素140、160の対応する他端の反応要素180への同様の機械的な結合と組み合わせて、能動要素120及び反応要素180を反対方向に移動させる。能動要素、2つのロッカー要素140、160及び反応要素180の機械的な結合を、他の図面の検討と併せて以下で更に記載する。
【0020】
ロッカー要素140、160の能動要素120及び反応要素180への結合の典型的な手法は、連結部及びロックピンの使用によるものである。専ら識別の便宜上、ロッカー要素140、160を能動要素120に接続する連結部は、上方連結部142、166(
図1A)と称し、一方で、ロッカー要素140、160を反応要素180に接続する連結部は、下方連結部144、168(
図1B)と称する。上方連結部142、166及び下方連結部144、168は、種々の形状(例えば円形又は矩形の断面)をなすことができるが、円形の貫通穴(circular holes through the thin dimension)、及び、これらの穴の周りの丸みを帯びた端を有する単純な平坦な部品が簡便に製造される。方向反転機構アセンブリ100の対称で適切な機能を保持するために、上方連結部142、166は概ね同一であり、下方連結部144、168は概ね同一であるが、上方連結部は、下方連結部とは構造及び見た目が異なっていてもよい。
図2を特に参照すると、上方連結部142が貫通する穴146を有し、上方連結部166が貫通する穴162を有し、下方連結部144が貫通する穴148を有し、下方連結部168が貫通する穴164を有することが分かる。対応するロックピン132、176、134、178が、連結部と方向反転機構アセンブリ100の適切な要素とを接続するために、穴146、162、148、164にそれぞれ挿入されるように配置されている。
【0021】
引き続き
図2を特に参照すると、上側ディスク形能動要素120には、能動要素120の中央の周りに鏡面対称に位置付けられる2つの軸方向スロット122、126が設けられる。左側軸方向スロット122が、例えばディスク中心の前方及び左に位置付けられ、一方で、右側軸方向スロット126が、ディスク中心の後方及び右の鏡像位置に配置される。軸方向スロット122、126は、能動要素120の下に位置決めされる左側ロッカー要素140及び右側ロッカー要素160から突出する上方連結部142、166の端を受け入れるように形状決め及び構成される。各軸方向スロット122、126には、対応するロックピン穴121、125がそれぞれ交差し、ロックピン穴は、能動要素のディスク形状120内で対称な直径(diameter of symmetry)に対して平行な幾何学的なコードである。各軸方向スロット122、126、及び、対応する上方連結部142、166の端はそれぞれ、上方連結部142、166が挿入されたロックピン132、176を中心にそれぞれ容易に移動することを可能にするように嵌合する。ロックピン132、176は、能動要素120のロックピン穴121、125にそれぞれ、及び、各上方連結部142、166の上側穴146、162にそれぞれ挿入される。軸方向スロット122、126の壁と平坦な上方連結部142、166の面との摩擦はそれぞれ、
図1A及び
図2に示されているように、軸方向スロット122、126の対向する壁に、幅狭の内方に面する突起123、124、127、128を設けることによって最小限に抑えることができ、それによって、突起は支承面として働く。面取りされたキャビティ129を能動要素120の上面に設け、アクチュエータ(図示せず)との起こり得るずれを相殺するようにスラスト玉(図示せず)を受け入れることができる。
【0022】
主に
図2を依然として参照して、下側ディスク形反応要素180は、略同じ厚さでありながら、上側ディスク形能動要素120と略同様のプロファイルを有する。下側ディスク形反応要素180には、反応要素の中央の周りに鏡面対称に位置付けられる2つの軸方向スロット184、188が形成される。右側軸方向スロット188が、例えばディスク中心の前方及び右に位置付けられ、一方で、左側軸方向スロット184が、ディスク中心の後方及び左の鏡像位置に配置される。軸方向スロット184、188は、反応要素180の上に位置決めされる左側ロッカー要素140及び右側ロッカー要素160からそれぞれ突出する下方連結部144、168の端を受け入れるように形状決め及び構成される。各軸方向スロット184、188には、対応するロックピン穴183、187がそれぞれ交差し、ロックピン穴は、反応要素のディスク形状180内で対称な直径に対して平行な幾何学的なコードである。各軸方向スロット184、188、及び、対応する下方連結部144、168の端はそれぞれ、下方連結部144、168が挿入されたロックピン134、178を中心に容易に移動することを可能にするように嵌合する。ロックピン134、178は、反応要素180のロックピン穴183、187、及び、各下方連結部144、168の下側穴148、164に挿入される。軸方向スロット184、188の壁と平坦な下方連結部144、168の面との摩擦はそれぞれ、軸方向スロットの対向する壁に、幅狭の内方に面する突起を設けることによって最小限に抑えることができ、それによって、突起は支承面として働く。1つ又は複数のねじ穴189を反応要素180に設け、弁の移動部品(図示せず)との接続を提供することができる。
【0023】
左側ロッカー要素140は、半円の形状であり、上側ディスク形能動要素120の半分と略同様のプロファイルを有する。左側ロッカー要素140は、略同じ軸方向の厚さでもある。左側ロッカー要素140には、半円形状を二等分する回動ピン穴149が径方向に設けられる。左側ロッカー要素140は、前方の左側上方連結部142の端を受け入れる形状であるとともに、上の能動要素120の上に位置決めされる左側軸方向スロット122と一致して位置付けられる前方の軸方向スロット141を軸方向に設ける。前方の軸方向スロット141には、前方のロックピン穴143が交差し、前方のロックピン穴は回動ピン穴149に対して平行である。前方の軸方向スロット141及び上の左側軸方向スロット122の一致する位置は、連結部の上側穴146及び能動要素の左側ロックピン穴121を通して挿入される第2のロックピン132とともに、連結部142及び左側ロッカーの前方のロックピン穴143を通して挿入される第1のロックピン133を用いて、前方の左側上方連結部142による左側ロッカー要素140及び能動要素120の結合を可能にする。さらに、左側ロッカー要素140は、後方の左側下方連結部144の端を受け入れるように形状決めされるとともに、下の反応要素180の下に位置決めされる左側軸方向スロット184と一致して位置付けられる後方の軸方向スロット147が軸方向に形成される。後方の軸方向スロット147には、後方のロックピン穴145が交差し、後方のロックピン穴は回動ピン穴149に対して平行である。後方の軸方向スロット147及び下に位置決めされる左側軸方向スロット184の一致する位置は、連結部の下側穴148及び反応要素の左側ロックピン穴183を通して挿入される第4のロックピン134とともに、連結部144及び左側ロッカーの後方のロックピン穴145を通して挿入される第3のロックピン135を用いて、後方の左側下方連結部144による左側ロッカー要素140及び反応要素180の結合を可能にする。ロッカー要素の前方のロックピン穴143と回動ピン穴149との間の距離は、ロッカー要素の後方のロックピン穴145と回動ピン穴149との間の距離とは異なっていてもよい。左側ロッカー要素の軸方向スロット141、147の壁と平坦な連結部142、144の面との摩擦は、軸方向スロットの対向する壁に幅狭の内方に面する突起を設けることによって最小限に抑えることができ、それによって、突起は支承面として働く。
【0024】
右側ロッカー要素160は、上側ディスク形能動要素120の半分と本質的に同一のプロファイルを有し、略同じ軸方向の厚さである、半円の形状である。右側ロッカー要素160には、半円形状を二等分する回動ピン穴169が径方向に設けられる。右側ロッカー要素160は、前方の右側下方連結部168の端を受け入れる形状であるとともに、下の反応要素180の下に位置決めされる右側軸方向スロット188と一致して位置付けられる前方の軸方向スロット161を軸方向に設ける。前方の軸方向スロット161には、前方のロックピン穴167が交差し、前方のロックピン穴は回動ピン穴169に対して平行である。前方の軸方向スロット161及び下に位置決めされる右側軸方向スロット188の一致する位置は、連結部の下側穴164及び反応要素の右側ロックピン穴187を通して挿入される第6のロックピン178とともに、連結部168及び右側ロッカーの前方のロックピン穴167を通して挿入される第5のロックピン177を用いて、前方の右側下方連結部168による右側ロッカー要素160及び反応要素180の結合を可能にする。さらに、右側ロッカー要素160は、後方の右側上方連結部166の端を受け入れる形状であるとともに、上の能動要素120の上に位置決めされる右側軸方向スロット126と一致して位置付けられる後方の軸方向スロット163を軸方向に設ける。後方の軸方向スロット163には後方のロックピン穴165が交差し、後方のロックピン穴は回動ピン穴169に対して平行である。後方の軸方向スロット163及び上に位置決めされる右側軸方向スロット126の一致する位置は、連結部166及びロッカー要素の後方のロックピン穴165を通して挿入される第8のロックピン175とともに、連結部の上側穴162及び能動要素の右側ロックピン穴125を通して挿入される第7のロックピン176を用いて、後方の右側上方連結部166による右側ロッカー要素160及び能動要素120の結合を可能にする。ロッカー要素の前方のロックピン穴167と回動ピン穴169との間の距離は、ロッカー要素の後方のロックピン穴165と回動ピン穴169との間の距離とは異なっていてもよい。右側ロッカー要素の軸方向スロット161、163の壁と平坦な連結部168、166の面との摩擦は、軸方向スロットの対向する壁に幅狭の内方に面する突起を設けることによって最小限に抑えることができ、それによって、突起は支承面として働く。
【0025】
支持スリーブ101は通常、段部、フランジ、又は、弁アセンブリ(図示せず)の他の構造によって定位置に保持される。支持スリーブ101の内径は、能動要素120、ロッカー要素140、160及び反応要素180の外径よりも僅かに大きく、それによって、結合された要素は、要素の運動を可能にするように十分な隙間を有して支持スリーブ101内に嵌まることができる。支持スリーブ101の外径及び長さは、弁アセンブリ(図示せず)の他の構造に関連する利便性に従って選択することができる。受動回動ピン190は、支持スリーブ101に径方向に形成される直径方向に対向する回動ピン穴108、109を通り、又は代替的には、好適な特徴部を弁アセンブリに設け、受動回動ピン190を、支持スリーブを用いることなく固定された軸方向位置に保持してもよい。受動回動ピン190はまた、左側ロッカー要素140の回動ピン穴149及び右側ロッカー要素160の回動ピン穴169を同時に通る。その結果、受動回動ピン190は、弁アセンブリにおいて固定されるアクチュエータ(図示せず)に対してロッカー要素の回動ピン穴149、169を軸方向に固定して位置付ける。左側ロッカー要素140及び右側ロッカー要素160が受動回動ピン190を中心に独立して自由に回転しなければならないことが必須であるが、当業者は、受動回動ピン190を支持スリーブの回動ピン穴108、109(
図1A、
図1E)にぴったりと嵌めることを選択することができるか、又は、クリップ等の、受動回動ピンを保持する他の方法を選択することができる。
【0026】
面取りされたキャビティ129に印加されるか又は能動要素120に別様に伝えられるアクチュエータの力は、上方連結部142、166によってロッカー要素140、160に即座に伝達され、それによって、固定された受動回動ピン190を中心とするロッカー要素140、160の回転が次に、運動の方向を反転させ、反転した運動が、下方連結部144、168によって反応要素180に伝達される。能動要素120は、連結部の上側穴146及び能動要素の左側ロックピン穴121を通して挿入される第2のロックピン132によって前方の左側上方連結部142に結合される。その結果、能動要素120の下方への運動によって、前方の左側上方連結部142が下方に運動し、それによって、第1のロックピン133及び左側ロッカーの前方のロックピン穴143を下方に押す。この作用は、左側ロッカー要素140が受動回動ピン190を中心とする僅かな回転を受けるにつれて、左側ロッカー要素140の前方部分を強制的に下方に移動させる。左側ロッカー要素140の僅かな回転によって、左側ロッカー要素140の後方部分が上方に移動し、それによって、左側ロッカーの後方のロックピン穴145及び第3のロックピン135を上方に押す。この作用は、後方の左側下方連結部144も強制的に上方に移動させる。後方の左側下方連結部144は、連結部の下側穴148及び反応要素の左側ロックピン穴183を通して挿入される第4のロックピン134によって反応要素180に結合される。その結果、後方の左側下方連結部144の上方への運動は、反応要素180に上方への運動を加える。能動要素120は、連結部の上側穴162及び能動要素の右側ロックピン穴125を通して挿入される第7のロックピン176によって後方の右側上方連結部166にも結合される。その結果、能動要素120の下方への運動によって後方の右側上方連結部166が下方に運動し、それによって、第8のロックピン175及び右側ロッカーの後方のロックピン穴165を下方へ押し、したがって、右側ロッカー要素160が受動回動ピン190を中心とする僅かな回転を受けるにつれて、右側ロッカー要素160の後方部分を強制的に下方に移動させる。右側ロッカー要素160の僅かな回転によって、右側ロッカー要素160の前方部分が上方に移動し、それによって、右側ロッカーの前方のロックピン穴167及び第5のロックピン177を上方に押す。この作用は、前方の右側下方連結部168も強制的に上方に移動させる。前方の右側下方連結部168は、連結部の下側穴164及び反応要素の右側ロックピン穴187を通して挿入される第6のロックピン178によって反応要素180に結合される。その結果、前方の右側下方連結部168の上方への運動は、反応要素180に上方への運動を加える。上記は、能動要素120の下方への運動を反応要素180の反対への(上方)運動に変換する方法を説明するものである。
【0027】
当業者は、能動要素120を支持スリーブ101内でセンタリングして保つことによって不所望の摩擦を回避する必要性を理解できる。方向反転機構アセンブリ100のような平行運動装置は、能動要素120が傾いて、機構の中心軸に対して垂直に停止することを可能にすることができ、それによって、望ましくない摩擦が生じる可能性もある。能動要素120の上面に取着されるとともに支持スリーブ101の端に接触するように延びる平坦なディスクばね107が、不所望の摩擦を防止する簡便な手法である。平坦なディスクばね107は、溶接、接着、小さいねじ締結具又は他の好適な手段によって能動要素120に取着することができる。
【0028】
左側ロッカー要素140及び右側ロッカー要素160は、図示の実施形態では実質的に同一であり、方向反転機構の中心軸を中心に単に180度だけ回転している。したがって、上方連結部142、166への接続を可能にするロッカーのロックピン穴143、165は、回動ピン穴149、169から等しく離間する。同様に、下方連結部144、168への接続を可能にする他方のロッカーのロックピン穴145、167も、回動ピン穴149、169から等しく離間するが、その離間距離は、ロッカーのロックピン穴143、165の場合とは異なっていてもよい。これらの距離の比率は、特定の方向反転機構アセンブリ100から利用可能な特定の並進移動の増大(利得)を確立する。代表的な寸法及び結果として生じる移動の比率が、表1に示されており、
図4A、
図4B及び
図4Cに示されている。8つのロックピンの保持は、連結要素の穴にぴったりと嵌めること、又は、種々の全体及び部分的なディスク形要素のロックピン穴にぴったりと嵌めること、又は、特定の製造方法に関して最適化されるような、これら若しくは他の選択肢(例えばねじ、接着剤、杭打ち等)の好適な組み合わせを提供することによって達成することができる。
【0029】
図1A〜
図1F、
図2、
図3A及び
図3Bに示されている、前述した方向反転機構アセンブリ100の第1の代表的な例は、上記したように、回動ピン穴149、169と、ロッカーの前方のロックピン穴143、167とロッカーの後方のロックピン穴145、165との間に同じ距離を有する。
図4Aにおいて分かるように、ロッカー要素におけるロックピン穴の配置は対称である。しかし、
図4Bに示されているような、方向反転機構の第2の代表的な実施形態では、この第2の実施形態におけるロッカー要素240、260は、対応する回動ピン穴に対して対称に配置されないロックピン穴を有する。後方の左側ロックピン穴245及び前方の右側ロックピン穴267は、第1の実施形態におけるように、対応する回動ピン穴249、269から同じ距離にあり、したがって、下方連結部の位置を、同じ反応要素180の軸方向スロット184、188と一致して適合させるのに好適なものにする。しかし、前方の左側ロックピン穴243及び後方の右側ロックピン穴265は、第1の実施形態と比較して対応する回動ピン穴249、269からより短い距離に配置され、したがって、上方連結部の位置も異なるものにする。第2の実施形態の場合、上方連結部を捕捉する(intercept)ように適切に配置される軸方向スロットを有する、異なる能動要素220を使用しなければならない。第1の実施形態における前述の距離と比較したより小さい上方連結部の隔たりの比率は、第2の実施形態のロッカー要素240、260を、アクチュエータが能動要素に与えるよりも多くの反転運動を反応要素に与えるレバーとして機能させる。
【0030】
本発明の方向反転アセンブリの第3の実施形態が
図4Cに示されている。この実施形態では、ロッカー要素340、360は、対応する回動ピン穴に対して対称に配置されないロックピン穴を有する。後方の左側ロックピン穴345及び前方の右側ロックピン穴367は、前述の第1の実施形態及び第2の実施形態と比較して対応する回動ピン穴349、369からより短い距離にあり、したがって、下方連結部の位置も異なるものにする。
図4Cの第3の実施形態の場合、下方連結部を捕捉するように適切に配置される軸方向スロットを有する、異なる反応要素380を使用しなければならない。前方の左側ロックピン穴343及び後方の右側ロックピン穴365は、第1の実施形態におけるように、対応する回動ピン穴349、369から同じ距離に配置され、したがって、上方連結部の位置を、同じ第1の実施形態の能動要素120における軸方向スロット124、128と一致して適合させるのに好適なものにする。以前の距離と比較したより小さい下方連結部の隔たりの比率は、第3の実施形態のロッカー要素340、360を、アクチュエータが能動要素に与えるよりも少ない反転運動を反応要素に与えるレバーとして機能させる。
【0031】
【表1】
本発明の原理に従って構成される移動増大機構アセンブリ500の第1の代表的な実施形態が
図5Dに示されている。アセンブリ500は、アクチュエータ(図示せず)からの力を結合する、上方に方向付けられ軸方向にセンタリングされる能動シャフト505を有する。能動シャフト505は、移動増大機構アセンブリ500の最上部分を含むディスク形受動要素520を貫通する、センタリングされた軸方向穴529を通る。ディスク形受動要素520の直下には、半円の左側ロッカー要素540及び隣接する半円の右側ロッカー要素560がある。ロッカー要素540、560の双方は、能動回動ピン590に同時に位置付けられる。ロッカー要素540、560は、軸方向にセンタリングされた半円のレリーフ504、506(各ロッカー要素を、幅広のリング形状の半分と同様にする)を更に有し(
図6)、これは、能動シャフト505が能動回動ピン590にも係合することを可能にする。ロッカー要素540、560の直下には、弁(図示せず)の可動要素に最も近いディスク形反応要素580がある。各ロッカー要素の一端が受動要素520に結合され、一方で、各ロッカー要素の他端は反応要素580に結合される。機構アセンブリ500は、金属、プラスチック、複合材料又はセラミック等の種々の材料から作ることができるが、A2、D2若しくはH13等の熱処理工具鋼、又は、17−4PH合金等のばね状特性を有する熱処理ステンレス鋼が、多くの用途に適切であると考えられ、一方で、6061等のアルミニウム合金も用いることができる。図示の実施形態の移動増大機構アセンブリ500は、約12.7mm(0.5インチ)の軸方向長さを有する約15.24mm(0.6インチ)の外径を有し、
図5Dに仮想線を用いて示されている支持スリーブ501によって任意選択的に囲まれてもよい。
【0032】
受動要素520、2つのロッカー要素540、560及び反応要素580の機械的な結合を、
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図6、
図7A及び
図7Bの説明と関連して更に記載する。ロッカー要素540、560を受動要素520及び反応要素580に結合する典型的な手段は、前述の実施形態におけるように、連結部及びロックピンの使用によるものである。専ら識別の便宜上、ロッカー要素540、560を受動要素520に接続する連結部を上方連結部542、566と称し、一方で、ロッカー要素540、560を反応要素580に接続する連結部を下方連結部544、568と称する。上方連結部542、566及び下方連結部544、568は、種々の形状(例えば円形又は矩形の断面)であるものとすることができるが、円形の貫通穴、及び、これらの穴の周りの丸みを帯びた端を有する単純な平坦な部品が簡便に製造される。移動増大機構アセンブリ500の対称で適切な機能を保持するために、上方連結部542、566は概ね同一であり、下方連結部544、568は概ね同一であるが、上方連結部は、下方連結部とは構造が異なっていてもよい。連結部は、連結部と移動増大機構アセンブリ500の適切な要素とを接続するために、対応するロックピン532、576、534、578がそれぞれ挿入される上側穴546、562及び下側穴548、564を有する。
【0033】
移動増大機構アセンブリ500の機械的な作用は、能動回動ピン590の下方への移動によって、ロッカー要素540、560が、ロッカー要素の一端を上方連結部542、566に連結する軸方向に固定されたロックピン533、575を中心に僅かに回転することを認識することによって理解することができる。僅かな回転の結果として、同じロッカー要素の他端を下方連結部544、568に結合するロックピン535、577の更なる下方への運動が生じ、その連結部を反応要素580に向かって下方へ移動させる。したがって、各ロッカー要素540、560の一端の受動要素520への適切な機械的な結合は、各ロッカー要素540、560の対応する他端の反応要素580への同様の機械的な結合と組み合わせて、反応要素580の移動を増大させる。能動回動ピン590の上方への移動の結果として、当然ながら、反応要素580の上方への移動が対応して増大する。
【0034】
上側ディスク形受動要素520には、受動要素の中央の周りに鏡面対称に位置付けられる2つの軸方向スロット522、526が形成される。左側軸方向スロット522が、例えばディスク中心の前方及び左に位置付けられ、一方で、右側軸方向スロット526が、ディスク中心の後方及び右の鏡像位置に配置される。軸方向スロット522、526は、受動要素520の下に位置決めされる左側ロッカー要素540及び右側ロッカー要素560から突出する上方連結部542、566の端を受け入れるように形状決めされる。各軸方向スロット522、526には、対応するロックピン穴521、525が交差し、ロックピン穴は、受動要素のディスク形状520内で対称な直径に対して平行な幾何学的なコードである。各軸方向スロット522、526、及び、対応する上方連結部542、566の端は、上方連結部542、566が挿入されたロックピン532、576を中心に容易に移動することを可能にするように嵌合する。ロックピンは、受動要素520のロックピン穴521、525、及び、各上方連結部542、566の上側穴546、562に挿入される。軸方向スロット522、526の壁と平坦な上方連結部542、566の面との摩擦は、軸方向スロット522、526の対向する壁に、幅狭の内方に面する突起523、524、527、528を設けることによって最小限に抑えることができ、それによって、突起は支承面として働く。上側ディスク形受動要素520は、上方に方向付けられ軸方向にセンタリングされる能動シャフト505が通る、センタリングされた軸方向穴529が更に形成される。能動シャフト505には、能動回動ピン590に係合してアクチュエータ(図示せず)からの力を伝達する直径方向のシャフトピン穴508が径方向に形成される。面取りされたキャビティ509を能動シャフト505の上側端面に設け、アクチュエータとの起こり得るずれを相殺するようにスラスト玉(図示せず)を受け入れることができる。
【0035】
下側ディスク形反応要素580は、略同じ厚さでありながら、上側ディスク形受動要素520と同様であるがより小さい外径のプロファイルを有する。反応要素580には、反応要素の中央の周りに鏡面対称に位置付けられる2つの軸方向スロット584、588が形成される。右側軸方向スロット588が、例えばディスク中心の前方及び右に位置付けられ、一方で、左側軸方向スロット584が、ディスク中心の後方及び左の鏡像位置に配置される。軸方向スロット584、588は、反応要素580の上に位置決めされる左側ロッカー要素540及び右側ロッカー要素560から突出する下方連結部544、568の端を受け入れるように形状決めされる。各軸方向スロット584、588には、対応するロックピン穴583、587が交差し、ロックピン穴は、反応要素のディスク形状580内で対称な直径に対して平行な幾何学的なコードである。各軸方向スロット584、588、及び、対応する下方連結部544、568の端は、下方連結部544、568が挿入されたロックピン534、578を中心に容易に移動することを可能にするように嵌合する。ロックピン534、578は、反応要素580のロックピン穴583、587、及び、各下方連結部544、568の下側穴548、564に挿入される。軸方向スロット584、588の壁と平坦な下方連結部544、568の面との摩擦は、軸方向スロットの対向する壁に、幅狭の内方に面する突起を設けることによって最小限に抑えることができ、それによって、突起は支承面として働く。1つ又は複数のねじ穴589を反応要素580に設け、弁の移動部品(図示せず)との接続を提供することができる。
【0036】
左側ロッカー要素540は、上側ディスク形受動要素520の半分と同様のプロファイルを有するが、略同じ軸方向厚さでありながら、より小さい外径である、半円の形状である。左側ロッカー要素540には、半円形状を二等分する回動ピン穴549が径方向に設けられる。左側ロッカー要素540は、前方の左側上方連結部542の端を受け入れる形状であるとともに、上の受動要素520の上に位置決めされる左側軸方向スロット522と一致して位置付けられる前方の軸方向スロット541を軸方向に設ける。前方の軸方向スロット541には、前方のロックピン穴543が交差し、前方のロックピン穴は回動ピン穴549に対して平行である。前方の軸方向スロット541及び上に位置決めされる左側軸方向スロット522の一致する位置は、連結部の上側穴546及び受動要素の左側ロックピン穴521を通して挿入される第2のロックピン532とともに、連結部542及び左側ロッカーの前方のロックピン穴543を通して挿入される第1のロックピン533を用いて、前方の左側上方連結部142による左側ロッカー要素540及び受動要素520の結合を可能にする。さらに、左側ロッカー要素540は、後方の左側下方連結部544の端を受け入れるように形状決めされるとともに、下の反応要素580の下に位置決めされる左側軸方向スロット584と一致して位置付けられる後方の軸方向スロット547を軸方向に設ける。後方の軸方向スロット547には、後方のロックピン穴545が交差し、後方のロックピン穴は回動ピン穴549に対して平行である。後方の軸方向スロット547及び下に位置決めされる左側軸方向スロット584の一致する位置は、連結部の下側穴548及び反応要素の左側ロックピン穴583を通して挿入される第4のロックピン534とともに、連結部544及び左側ロッカーの後方のロックピン穴545を通して挿入される第3のロックピン535を用いて、後方の左側下方連結部544による左側ロッカー要素540及び反応要素580の結合を可能にする。ロッカー要素の前方のロックピン穴543と回動ピン穴549との間の距離は、ロッカー要素の後方のロックピン穴545と回動ピン穴549との間の距離とは異なっていてもよい。左側ロッカー要素の軸方向スロット541、547の壁と平坦な連結部542、544の面との摩擦は、軸方向スロットの対向する壁に幅狭の内方に面する突起を設けることによって最小限に抑えることができ、それによって、突起は支承面として働く。左側ロッカー要素540は、軸方向にセンタリングされた半円のレリーフ504(ロッカー要素を、幅広のリング形状の半分と同様にする)を更に有し、これは、能動シャフト505が、回動ピン穴549を通る能動回動ピン590に係合することも可能にする。
【0037】
右側ロッカー要素560は、半円の形状であり、上側ディスク形受動要素520の半分と同様のプロファイルを有するが、略同じ軸方向の厚さでありながらより小さい外径である。右側ロッカー要素560には、半円形状を二等分する回動ピン穴569が径方向に形成される。右側ロッカー要素560は、前方の右側下方連結部568の端を受け入れる形状であるとともに、下の反応要素580の下に位置決めされる右側軸方向スロット588と一致して位置付けられる前方の軸方向スロット561を軸方向に設ける。前方の軸方向スロット561には、前方のロックピン穴567が交差し、前方のロックピン穴は回動ピン穴569に対して平行である。前方の軸方向スロット561及び下に位置決めされる右側軸方向スロット588の一致する位置は、連結部の下側穴564及び反応要素の右側ロックピン穴587を通して挿入される第6のロックピン578とともに、連結部568及び右側ロッカーの前方のロックピン穴567を通して挿入される第5のロックピン577を用いて、前方の右側下方連結部568による右側ロッカー要素560及び反応要素580の結合を可能にする。さらに、右側ロッカー要素560は、後方の右側上方連結部566の端を受け入れる形状であるとともに、上の受動要素520の上に位置決めされる右側軸方向スロット526と一致して位置付けられる後方の軸方向スロット563を軸方向に設ける。後方の軸方向スロット563には後方のロックピン穴565が交差し、後方のロックピン穴は回動ピン穴569に対して平行である。後方の軸方向スロット563及び上に位置決めされる右側軸方向スロット526の一致する位置は、連結部566及びロッカー要素の後方のロックピン穴565を通して挿入される第8のロックピン575とともに、連結部の上側穴562及び能動要素の右側ロックピン穴525を通して挿入される第7のロックピン576を用いて、後方の右側上方連結部566による右側ロッカー要素560及び受動要素520の結合を可能にする。ロッカー要素の前方のロックピン穴567と回動ピン穴569との間の距離は、右側ロッカー要素の後方のロックピン穴565の軸方向スロット561、563の壁と回動ピン穴569との間の距離とは異なっていてもよい。右側ロッカー要素の軸方向スロット561、563の壁と平坦な連結部568、566の面との摩擦は、軸方向スロットの対向する壁に幅狭の内方に面する突起を設けることによって最小限に抑えることができ、それによって、突起は支承面として働く。右側ロッカー要素560は、軸方向にセンタリングされた半円のレリーフ506(ロッカー要素を、幅広のリング形状の半分と同様にする)を更に有し、これは、能動シャフト505が、回動ピン穴569を通る能動回動ピン590に係合することも可能にする。
【0038】
支持スリーブ501は通常、段部、フランジ、又は、弁アセンブリ(図示せず)の他の構造によって定位置に保持される。支持スリーブ501の内径は、ロッカー要素540、560及び反応要素580の外径よりも僅かに大きいが、受動要素520の外径よりも小さい。この構成によって、支持スリーブ501は、受動要素520を軸方向に固定して保持し、一方で、他の結合された要素は、要素の運動を可能にするように十分な隙間を有して支持スリーブ501内に嵌まることができる。支持スリーブ501の外径及び長さは、弁アセンブリ(図示せず)の他の構造に関連する利便性に従って選択することができる。代替的には、好適な特徴部を弁アセンブリに設け、受動要素520を、支持スリーブ501を用いることなく固定された軸方向位置に保持してもよい。移動増大機構アセンブリ500の要素間の機械的な結合を、連結部及びロックピンに関して前述した。能動シャフト505のロッカー要素540、560への機械的な結合は、左側ロッカー要素540の回動ピン穴549、シャフトピン穴508及び右側ロッカー要素560の回動ピン穴569を同時に通る能動回動ピン590によって行われる。左側ロッカー要素540及び右側ロッカー要素560が能動回動ピン590を中心に独立して自由に回転しなければならないことが必須であるが、当業者は、能動回動ピン590をシャフトピン穴508にぴったりと嵌めることを選択することができるか、又は、クリップ(図示せず)等の、能動回動ピンを保持する他の方法を選択することができる。
【0039】
能動シャフト505の上側端面の面取りされたキャビティ509に印加されるか又は能動回動ピン590に別様に伝えられるアクチュエータの力は、互いに直径方向に対向して位置付けられる回動ピン穴549、569によってロッカー要素540、560に即座に伝達される。受動要素520は、連結部の上側穴546及び受動要素の左側ロックピン穴521を通して挿入される第2のロックピン532によって前方の左側上方連結部542に結合される。その結果、軸方向に固定された位置に保持される受動要素520はまた、前方の左側上方連結部542を軸方向に固定して保持し、それによって、第1のロックピン533及び左側ロッカーの前方のロックピン穴543を軸方向に固定して更に保持する。したがって、左側ロッカーの回動ピン穴549に対して加えられる運動によって、左側ロッカー要素540が、前方のロックピン穴543を中心とした僅かな回転を受ける。左側ロッカー要素540の僅かな回転によって、左側ロッカー要素540の後方部分が、左側ロッカーの後方のロックピン穴545及び第3のロックピン535とともにより多い量だけ同じ方向に移動し、したがって、後方の左側下方連結部544も強制的に移動させる。後方の左側下方連結部544は、連結部の下側穴548及び反応要素の左側ロックピン穴583を通して挿入される第4のロックピン534によって反応要素580に結合される。その結果、能動シャフト505の下方への運動によって、後方の左側下方連結部544が下方に運動し、これは、反応要素580に下方への運動を加える。受動要素520は、連結部の上側穴562及び受動要素の右側ロックピン穴525を通して挿入される第7のロックピン576によって後方の右側上方連結部566にも結合される。その結果、軸方向に固定された位置に保持される受動要素520はまた、後方の右側上方連結部566を軸方向に固定して保持し、それによって、第8のロックピン575及び右側ロッカーの後方のロックピン穴565を軸方向に固定して更に保持する。したがって、右側ロッカーの回動ピン穴569に対して加えられる運動によって、右側ロッカー要素560が、後方のロックピン穴565を中心とした僅かな回転を受ける。右側ロッカー要素560の僅かな回転によって、右側ロッカー要素560の前方部分が、右側ロッカーの前方のロックピン穴567及び第5のロックピン577とともにより多い量だけ同じ方向に移動し、したがって、前方の右側下方連結部568も強制的に移動させる。前方の右側下方連結部568は、連結部の下側穴564及び反応要素の右側ロックピン穴587を通して挿入される第6のロックピン578によって反応要素580に結合される。その結果、能動シャフト505の下方への運動によって、前方の右側下方連結部568が下方に運動し、これは、反応要素580に下方への運動を加える。上記は、能動シャフト505の移動を反応要素580の同じ方向への増大した移動に変換する方法を説明するものである。
【0040】
能動シャフト505を、上側ディスク形受動要素520を貫通する対応する中央の軸方向穴529内でセンタリングして保つことによって、機構における不所望の摩擦が回避される。受動要素520の上面に取着されるとともに受動要素520の上面の端に接触するように延びる平坦なディスクばね507が、不所望の摩擦を防止する簡便な手法である。平坦なディスクばね507は、溶接、接着、面取りされたキャビティ509の周囲の周りのリッジ(図示せず)への杭打ち又は他の好適な手段によって能動シャフトに取着することができる。
【0041】
開示されている実施形態では、左側ロッカー要素540及び右側ロッカー要素560は、実質的に同一であり、移動増大機構の中心軸を中心に単に180度だけ回転している。さらに、上方連結部542、566への接続を可能にするロッカーのロックピン穴543、565は、回動ピン穴549、569から略同一の距離に離間される。下方連結部544、568への接続を可能にする他方のロッカーのロックピン穴545、567も、回動ピン穴549、569から略同一の距離に離間されるが、その距離は異なっていてもよい。これらのそれぞれの距離の比率は、特定の移動増大機構アセンブリから所望の特定の並進移動の増大(利得)を確立する。代表的な寸法及び結果として生じる移動の比率が、表2に示されており、
図8A、
図8B及び
図8Cに具体的に示されている。8つのロックピンの保持は、連結要素の穴にぴったりと嵌めること、又は、種々の全体及び部分的なディスク形要素のロックピン穴にぴったりと嵌めること、又は、特定の製造方法に関して最適化されるような、これら若しくは他の選択肢(例えばねじ、接着剤、杭打ち等)の好適な組み合わせを提供することによって達成することができる。
【0042】
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図6、
図7A及び
図7Bに関連してここまで説明した実施形態は、回動ピン穴549、569とロッカーの後方のロックピン穴545、565との間と同じ、回動ピン穴549、569とロッカーの前方のロックピン穴543、567との間の距離を有する。
図8Aにおいて分かるように、この実施形態の場合、ロッカー要素におけるロックピン穴の配置は対称である。しかし、移動増大機構500の第2の変更された実施形態が
図8Bに示されており、この場合、ロッカー要素640、660は、対応する回動ピン穴に対して対称に位置付けられないロックピン穴を有する。後方の左側ロックピン穴645及び前方の右側ロックピン穴667は、前述の実施形態におけるように、対応する回動ピン穴649、669から同じ距離であり、したがって、下方連結部の位置を、同じ反応要素580の軸方向スロット584、588と一致して適合させるのに好適なものにする。前方の左側ロックピン穴643及び後方の右側ロックピン穴665は、前述の実施形態と比較して対応する回動ピン穴649、669からより短い距離に位置付けられ、したがって、上方連結部の位置も異なるものにする。
図8Bの第2の実施形態の場合、上方連結部を捕捉するように適切に配置される軸方向スロットを有する、異なる受動要素620を使用しなければならない。前述の距離と比較したより小さい上方連結部の隔たりの比率は、第2の例のロッカー要素640、660を、アクチュエータが能動シャフト505に与えるよりも多くの増大した運動を反応要素580に与えるレバーとして機能させる。
【0043】
本発明の原理に従って構成された方向反転機構500の第3の変更された実施形態が
図8Cに示されており、この場合、変更されたロッカー要素740、760は、対応する回動穴に対して対称に配置されないロックピン穴を有する。後方の左側ロックピン穴745及び前方の右側ロックピン穴767は、前述の実施形態と比較して対応する回動ピン穴749、769からより短い距離にあり、したがって、下方連結部の位置も異なるものにする。この実施形態の場合、下方連結部を捕捉するように適切に配置される軸方向スロットを有する、異なる反応要素780を使用しなければならない。前方の左側ロックピン穴743及び後方の右側ロックピン穴765は、前述の実施形態におけるように、対応する回動ピン穴749、769から実質的に同じ距離に位置付けられ、したがって、上方連結部の位置を、同じ第1の実施形態の能動要素520における軸方向スロット524、528と一致して適合させるのに好適なものにする。前述の距離と比較したより小さい下方連結部の隔たりの比率は、この実施形態のロッカー要素740、760を、アクチュエータが能動シャフト505に与えるよりも少ない増大した運動を反応要素780に与えるレバーとして機能させる。
【0044】
【表2】
したがって、上述の記載及び添付の図面の考察から分かるように、本発明のシステム及び方法は、圧電アクチュエータ等のアクチュエータとダイアフラム弁等の弁との間の革新的で機械的なカップリングを伴う。カップリングは、行程を調整(拡張、収縮又は反転)することを可能にし、テーブルリフトの概念を用いて動作する。
【0045】
本発明を、種々の特定の例及び実施形態に関して記載したが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができることを理解されたい。したがって、上記の記載は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に、その好ましい実施形態の例示として解釈されるべきであり、本発明は、以下の特許請求の範囲の範囲内で様々に実施することができる。