特許第6148503号(P6148503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中国電力株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社エネルギア・コミュニケーションズの特許一覧

<>
  • 特許6148503-移動通信端末装置のロック制御方法 図000002
  • 特許6148503-移動通信端末装置のロック制御方法 図000003
  • 特許6148503-移動通信端末装置のロック制御方法 図000004
  • 特許6148503-移動通信端末装置のロック制御方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6148503
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】移動通信端末装置のロック制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170607BHJP
   H04M 1/667 20060101ALI20170607BHJP
【FI】
   H04M1/00 R
   H04M1/667
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-53534(P2013-53534)
(22)【出願日】2013年3月15日
(65)【公開番号】特開2014-179872(P2014-179872A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2016年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503320061
【氏名又は名称】株式会社エネルギア・コミュニケーションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】特許業務法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】浜田 浩和
(72)【発明者】
【氏名】芳野 達哉
(72)【発明者】
【氏名】竹下 純郎
(72)【発明者】
【氏名】金森 真悟
(72)【発明者】
【氏名】村上 佳代
(72)【発明者】
【氏名】濱本 常義
【審査官】 藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−243526(JP,A)
【文献】 特開2006−270487(JP,A)
【文献】 特開2007−300587(JP,A)
【文献】 特開2009−212656(JP,A)
【文献】 特開2006−217068(JP,A)
【文献】 特開2008−124561(JP,A)
【文献】 特開2013−005003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04M 1/00
1/24−1/82
99/00
H04W 4/00−8/24
8/26−16/32
24/00−28/00
28/02−72/02
72/04−74/02
74/04−74/06
74/08−84/10
84/12−88/06
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務上の情報が記録された移動通信端末装置のロック制御方法であって、
前記移動通信端末装置が用いられる業務上の使用目的に応じた条件である特定使用条件を、予め該移動通信端末装置に登録する段階と、
前記移動通信端末装置が基地局から受信する電波状態を検出する段階と、
電波状態が一定時間以上通信圏外の場合には、前記移動通信端末装置をロック(一次ロック)してその使用を不可とする一次ロックをする段階と、
所定の解除キーとの非接触通信による認証が確立した場合にのみ、前記移動通信端末装置1のロック(一次ロック)を解除する一次ロックを解除する段階と、
次に、前記移動通信端末装置の一次ロックは解除されたが、前記特定使用条件が満たされていない場合には、該移動通信端末装置をロック(二次ロック)してその使用を不可とする二次ロックをする段階と、
前記移動通信端末装置が用いられる業務が行われる際に、ロック(二次ロック)された状態の該移動通信端末装置が前記特定使用条件が満たされているかを確認し、該特定使用条件が満たされている場合にのみ該移動通信端末装置のロック(二次ロック)を解除し、その使用を可能とする二次ロックを解除する段階と、を含む、ことを特徴とする移動通信端末装置のロック制御方法。
【請求項2】
前記特定使用条件は、移動通信端末装置が使用される業務が行われる日時である、ことを特徴とする請求項に記載の移動通信端末装置のロック制御方法。
【請求項3】
前記特定使用条件は、移動通信端末装置が使用される業務が行われる場所である、ことを特徴とする請求項に記載の移動通信端末装置のロック制御方法。
【請求項4】
前記特定使用条件は、移動通信端末装置が使用される業務に必要とされる各装備設備または人員に設けた電子タグまたは二次元コードによる認証である、ことを特徴とする請求項に記載の移動通信端末装置のロック制御方法。
【請求項5】
前記特定使用条件は所定の時間間隔で再確認され、特定使用条件が満たされないこととなった場合には移動通信端末装置をロックしその使用を不可能とする、ことを特徴とする請求項に記載の移動通信端末装置のロック制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンやタブレット型コンピュータに代表される移動通信端末装置を紛失した際などに、その内部に記録された情報の漏洩を防止するための移動通信端末装置のロック制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレット型コンピュータなどの通信機能を備えた移動通信端末装置(以下、単に「端末装置」ということもある。)が急激に普及してきている。これらは携帯電話通信網や公衆無線LANなどに接続することで音声通話やデータ通信が可能なだけでなく、各種アプリケーションをインストールしこれを実行することで各種の機能を実現する多機能ツール・データベースとして活用することができるものである。
【0003】
そのため最近では、スマートフォン等は個人レベルでの使用に限られず、事業者レベルでの使用、すなわち事業者における業務の遂行に活用されることも多くなってきている。
【0004】
ここで、スマートフォン等の移動通信端末装置は屋外に持ち出されて利用されることが多いため、これを紛失することや盗難にあうことも十分考えられる。そして移動通信端末装置を紛失等した場合には、これに記録された情報が漏洩するおそれがある。特に業務に活用される移動通信端末装置を紛失等した場合、顧客情報や設備情報など非常に重要な情報が漏洩するおそれがあり、これらの情報が悪用されると事業者・顧客の双方とも大きな打撃を被ることにもなりかねない。そのため事業者には情報漏洩を防止しコンプライアンスを徹底する責任があり、事業者による業務へのスマートフォン活用が本格化している中で端末装置内の機密情報をいかに保護するのかが最大の課題のひとつとなっている。
【0005】
ところで、スマートフォン等にはその紛失・盗難時において拾得等した第三者による端末装置の悪用、乱用及び情報漏洩を防ぐために、通信回線を通じて遠隔的に音声通話機能や内部情報の閲覧などの特定の機能、または、移動通信端末装置の全機能の使用を不可能とするいわゆる「遠隔ロック」機能が備えられている。そのため紛失等においては、加入者は他の電話やコンピュータを用いた操作により迅速に「遠隔ロック」を行うことで被害を最小限に抑えることができる。
【0006】
また移動通信端末装置自体についても、その使用に際して暗証番号の入力や指紋認証、顔認証などを必要とすることで、拾得等した第三者による移動通信端末装置の悪用及び乱用を防止するための「本体ロック」機能が設けられている。
【0007】
なお例えば下記特許文献1などには、加入者が他の電話機や端末装置等を用いて紛失した移動通信端末装置にコマンド等を送信することで、キー操作や内部情報の閲覧を禁止する方法が発案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−218048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記「遠隔ロック」は通信回線を通じて行われるため、通信回線が不通のエリアにおいてはこれを行うことができない。特に本願出願人である電力事業者においては、山間部など通信圏外において設備の設置や保守などの業務を行うことも多く、「遠隔ロック」を行うことができないケースも十分想定される。
一方通話圏内であっても、加入者による「遠隔ロック」操作の前に、移動通信端末装置の拾得者等によりSIMカード(Subscriber Identity Module Card)が抜き取られると「遠隔ロック」は不可能となるため、内部情報の閲覧等を防止することはもはやできなくなといった問題があった。
【0010】
また暗証番号や指紋認証、顔認証などによる「本体ロック」機能では、移動通信端末装置の使用に際して暗証番号等の入力作業が必要となるが、使用の都度その入力をしなければいけないものとするとその使い勝手が悪くなる。
【0011】
一方、起動時など使用当初の段階でのみ暗証番号等の入力を必要とした場合には、「本体ロック」が解除された状態で移動通信端末装置が拾得等された場合には、「本体ロック」機能は意味をなさず、情報の漏洩を防ぐことができないといった問題があった。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、移動通信端末装置の「遠隔ロック」機能が利用できない状況下において、暗証番号等による「本体ロック」機能を用いなくとも、移動通信端末装置を拾得等した第三者による内部情報の閲覧等を有効に防止することを可能とした移動通信端末装置のロック制御方法を提供することなどを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため本発明は、業務上の情報が記録された移動通信端末装置のロック制御方法であって、
前記移動通信端末装置が用いられる業務上の使用目的に応じた条件である特定使用条件を、予め該移動通信端末装置に登録する段階と、
前記移動通信端末装置が基地局から受信する電波状態を検出する段階と、
電波状態が一定時間以上通信圏外の場合には、前記移動通信端末装置をロック(一次ロック)してその使用を不可とする一次ロックをする段階と、
所定の解除キーとの非接触通信による認証が確立した場合にのみ、前記移動通信端末装置1のロック(一次ロック)を解除する一次ロックを解除する段階と、
次に、前記移動通信端末装置の一次ロックは解除されたが、前記特定使用条件が満たされていない場合には、該移動通信端末装置をロック(二次ロック)してその使用を不可とする二次ロックをする段階と、
前記移動通信端末装置が用いられる業務が行われる際に、ロック(二次ロック)された状態の該移動通信端末装置が前記特定使用条件が満たされているかを確認し、該特定使用条件が満たされている場合にのみ該移動通信端末装置のロック(二次ロック)を解除し、その使用を可能とする二次ロックを解除する段階と、を含む、ことを特徴とする。
【0014】
ここで、前記特定使用条件は、移動通信端末装置が使用される業務が行われる日時、場所、または、移動通信端末装置が使用される業務に必要とされる各装備・設備・人員に設けた電子タグまたは二次元コードによる認証である、ことが好ましい。
【0015】
なお、前記特定使用条件は所定の時間間隔で再確認され、前記特定使用条件が満たされないこととなった場合には移動通信端末装置をロックしその使用を不可能とする、ことも好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の移動通信端末装置のロック制御方法によれば、移動通信端末装置の通信状態を基に、通信圏外となった場合(SIMカードが抜き取られた状態も含む)には端末装置をロックすることで、移動通信端末装置を紛失等した場合で「遠隔ロック」操作をすることができない状況下においても、端末装置に記録された情報が漏洩することを防止することができる。なおその移動通信端末装置の正規利用者においては、例えば電子タグなどをロックを解除するための解除キーとして携行し、端末装置がこの解除キーとの非接触通信による認証が確立したときには、通信状態にかかわらず端末装置の使用を可能となるようにれば、正規利用者(加入者)による端末装置の使用が通信圏外で制限される不都合を回避することができる。
【0017】
また、移動通信端末装置を使用するための条件(特定使用条件)を、業務内容に応じて予め登録し、実際にその業務が行われる際に、その特定使用条件(例えばその業務が行われる日時、場所、業務遂行に必要とされる各装備や資格など)が満たされていることが確認された場合にのみ移動通信端末装置を使用可能とれば、電波状態による移動通信端末装置をロックに加えて特定使用条件を用いたロック(二次ロック)との二重のロックが可能で、また、通信圏の内外を問わずにロックを機能させることもできるので、紛失等した移動通信端末装置からの情報の漏洩をより効果的に防ぐことができる。なお、この特定使用条件を業務に必要とされる各装備等とし、各装備等が揃っていることが確認された場合にのみ移動通信端末装置が使用できるようにれば、例えば安全な作業を行うために必要とされるヘルメット、安全ベルト、安全靴、絶縁手袋などの装備が揃っていることを作業の条件とすることができ、安全規定の遵守を担保することもできる。
【0018】
さらに、一定の時間ごとに特定使用条件が満たされていることを再確認し、条件が満たされない場合に端末装置をロックすることとすれば、一旦条件が満たされロック(一次ロック)が解除された移動通信端末装置が紛失・盗難にあった場合であっても、再ロック(二次ロック)により情報漏洩の危険を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施例による移動通信端末装置のロック制御方法を実現するためのシステム構成を示した図である。
図2】移動通信端末装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施例による一次ロック制御を表したフロー図である。
図4】本実施例による二次ロック制御を表したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、公衆電話通信網に接続可能な通信機能を備え、かつ、その内部に種々の情報を蓄積可能なスマートフォンやタブレット型コンピュータに代表される移動通信端末装置のロック制御方法に関するものであり、移動通信端末装置を紛失したり盗難にあった場合にも、これに記録された情報の漏洩を防ぐことを目的とするものである。そして特に、事業者における業務の遂行に活用され、顧客情報や設備情報などの機密情報が記録された移動通信端末装置を紛失等した場合にも、情報漏洩を効果的に防止し、事業者のコンプライアンスの徹底に貢献するものである。
【0021】
なお本実施例では移動通信端末装置が用いられる業務として本願出願人である電力事業者における業務を念頭にいれ説明を行うが、移動通信端末装置が用いられる業務がこれに限られるものでないことはいうまでもない。
【0022】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図1は本実施例による移動通信端末装置のロック制御方法を実現するためのシステム構成を示した図である。本実施例の移動通信システムは移動通信端末装置1と、サーバコンピュータ2と、基地局3と、基地局制御装置4と、交換局5と、ホームロケーションレジスタ6と、ICタグ7と、GPS衛星8とから構成されている。
【0023】
移動通信端末装置1には、移動しながら携帯電話通信網11を用いて通信を行うことができ、その内部に情報を記録できる装置であれば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯電話の他、ノートパソコン、PDA、デジタルカメラなどが含まれる。
【0024】
サーバコンピュータ2は移動通信端末装置1の加入者である事業者が移動通信端末装置1をロック制御するためなどに使用するものであり、インターネット回線12を通じて移動通信端末装置1と無線接続可能となっている。事業者は、管理者権限を用いて移動通信端末装置1に接続することにより、端末装置を使用するための条件、すなわちロックを解除するための条件である特定使用条件を移動通信端末装置1に設定し記憶させる。
【0025】
基地局3は通信会社が広域に電話通信網を整備するために各地に設置した施設であり、移動通信端末装置1と無線による通信を行うための基地局アンテナ13を備えている。基地局制御装置4は多数の基地局3を制御管理するための装置であり、交換局5と有線接続されている。
【0026】
ホームロケーションレジスタ6とは、移動通信端末装置1がどのエリアにあるのかを確認しその位置情報を管理するデータベースである。端末装置の電源を入れたときや移動によってエリアが変わった場合に、端末装置との通信により位置情報がホームロケーションレジスタ6に登録され、通信会社は位置情報をもとに各移動通信端末装置がどこの場所にいるかを把握して電話呼出しなどの通信を行う。
【0027】
ICタグ7はRFID(Radio Frequency IDentification)の一種であり、識別情報を埋め込んだタグからは、電磁界や電波などを用いて無線通信によって情報がやりとりされる。ここで用いられるICタグ7は、移動通信端末装置1のICタグリーダとの通信距離が数メートル程度のものとする。ICタグ7にはこれが貼り付けられる固体を識別するための情報などが記録されており、本発明ではICタグ7は、利用者である事業者の従業員が携行する社員証に搭載され端末装置を使用するための解除キー(識別情報)となる場合と、ヘルメットや安全ベルト、安全靴、絶縁手袋などの装備、作業に必須となる機械機具などにそれぞれ貼付され後述する特定使用条件が満たされているか否かをチェックするために用いられる場合がある。
【0028】
GPS衛星8はグローバル・ポジショニング・システム(Global positioning system) で用いられる人工衛星であり、移動通信端末装置1はGPS衛星8からの電波を受信することで、現在位置を計測することができる。
【0029】
図2は移動通信端末装置1の構成を示すブロック図である。
図2において、移動通信端末装置1はアンテナ21と、無線通信回路部22と、信号処理部23と、制御回路部24と、記憶回路部25と、位置検出手段26と、時計部27と、ロック部28と、送受話器29と、表示部30と、キー操作部31、ICタグリーダ32とから構成されている。
【0030】
制御回路部24はプログラムに基づき各種処理を実行する。
記憶回路部25は制御回路部24で実行されるプログラムや移動通信端末装置1の利用者(加入者)の識別情報や各種個人情報(例えば、電話帳データ、メールアドレス等)の他、事業者が保有する顧客情報、設備情報などの機密情報等を記憶し、また、移動通信端末装置1を使用するための解除キーや後述する特定使用条件を照合するための情報が記憶される。
【0031】
位置検出手段26は、基地局3からの電波を受信しこれらを基に現在位置を検出する。そしてホームロケーションレジスタ6にはその位置情報が登録され、その位置情報は一定周期で更新される。また位置検出手段26はGPS衛星8からの電波を受信することにより、正確な現在位置を検出することができる。
位置検出手段26による現在位置の検出は、通常は基地局3からの電波を受信することで行われるが、基地局3からの電波を受信することができない場合には、GPS衛星8からの電波を受信することで行われる。その場合、ホームロケーションレジスタ6への位置情報の登録はできず、再度通信圏内に移動した際に改めて位置情報がホームロケーションレジスタ6に更新登録されることになる。
【0032】
ロック部28は基地局3から送られた無線指令による遠隔ロック操作がなされた場合や、電波状態が一定時間以上通信圏外となった場合、後述する特定使用条件が満たされていない場合に、記憶回路部25の各種情報の読出し書込みをロックし、また電話着信への応答操作を除き、外部操作による入力を一切受け付けないようにロックする。またロック部は、所定の条件が満たされた場合には、一旦ロックした移動通信端末装置1のロックを解除し、その使用を可能とする。
【0033】
ICタグリーダ32は外部のICタグ7(パッシブタグ)と非接触通信を行うことで、ICタグ7に記録された情報を読み取る装置である。
【0034】
なお、移動通信端末装置1においてはアンテナ21、無線通信回路部22、信号処理部23、時計部2717、送受話器29、表示部30、キー操作部31それぞれの動作は公知であるためその説明を省略する。
【0035】
次に、本発明による移動通信端末装置のロック制御方法について説明する。以下、通信圏外に移動通信端末装置があり通信による遠隔ロックが不可能な場合に、情報漏洩を防止するための移動通信端末装置のロック制御方法を[一次ロック制御]、通信圏外通信圏内を問わず情報漏洩の防止および業務の遂行に必要な条件である特定使用条件を遵守させるための移動通信端末装置のロック制御方法を[二次ロック制御]として説明する。なお移動通信端末装置1には業務上の情報が記録されており、その業務を開始するためには移動通信端末装置1を使用する必要があることを前提とする。
【0036】
[一次ロック制御]
図3に一次ロック制御の方法をフロー図で表した。
この発明は、業務上の情報が記録された移動通信端末装置のロック制御方法であって、移動通信端末装置1が基地局3から受信する電波状態を検出する段階と、電波状態が一定時間以上通信圏外の場合には移動通信端末装置1をロックしてその使用を不可とする段階と、所定の解除キーとの非接触通信による認証が確立した場合にのみ、移動通信端末装置1のロックを解除する段階と、を含む。
【0037】
―起動段階―
この段階は、まず移動通信端末装置1の電源投入時にその利用者の確認等を行う段階である。
まず移動通信端末装置1は基地局3との通信を確立することで位置情報を取得しホームロケーションレジスタ6に位置情報を登録する。また移動通信端末装置1は通常、その電源投入時にまずパスワードの入力を利用者に求めることで、利用者が正当な権限を有するものであるかの確認を行い、パスワードによる認証ができた場合にのみ端末装置の使用を可能とする。なお電源投入時における場所が通信圏外である場合には、パスワードの入力に加えて、以下の解除キーの照合も行われる。
【0038】
―電波状態検出段階―
この段階は、移動通信端末装置1が通信エリア内にあるか否かの確認を一定期間ごとに行う段階である。
移動通信端末装置1は基地局3からの電波を受信することで現在位置を検出し、その位置情報をホームロケーションレジスタ6に例えば15秒毎など一定期間ごとに更新登録する。
【0039】
―(一次)ロック段階―
この段階は、移動通信端末装置1が通信圏外にある場合に、その入力操作をロックする段階である。
移動通信端末装置1は基地局3からの電波を一定期間ごとに受信し、受信状態が一定時間以上、例えば30秒以上位置情報が取得できない通信圏外である場合には、現在位置が基地局3との通信ができない通信圏外であると判断し、ロック部28が移動通信端末装置1の使用を禁止するためにその操作のロックを行う。
なおSIMカードが抜き取られた場合についても、基地局3との通信が不可となるため、通信圏外であるときと同様にロック部28が操作のロックを行う。
【0040】
―(一次)ロック解除段階―
この段階は、通信圏外でロックされた移動通信端末装置1を、解除キーを用いてロックを解除することで、その使用を可能とする段階である。
利用者が移動することで通信圏外になったと判断され(または電源投入時から通信圏外と判断され)ロック状態となった際やSIMカードが抜き取られた際には、移動通信端末装置1は社員証に貼付された解除キー(識別情報)となるICタグ7との通信を試みる。ICタグ7との通信が確立し解除キーと移動通信端末装置1に記録された情報との照合(認証)が完了した場合には、正規の利用者であると判断されてロックが解除され、移動通信端末装置1の使用が可能となる。一方、照合が完了できない場合には、正規の利用者ではないと判断され、ロック状態が維持されて移動通信端末装置1の使用も禁止されたままとなる。なおこのICタグの通信範囲は数m程度までとする。
【0041】
このように本実施例の[一次ロック制御]方法によれば、移動通信端末装置1を紛失等した場合で通信圏外にあるため「遠隔ロック」操作をすることができない状況下においても、端末装置に記録された情報が漏洩することを防止することができる。また通信圏外において、正規利用者が携行する解除キーを用いた非接触による認証により端末装置の使用を可能とすることで、正規利用者の端末装置の使用が通信圏外で制限される不都合を回避することができ、また端末装置を使用する都度の暗証番号等の入力も必要としない。
【0042】
なお、この発明は通信契約加入者である事業者が業務遂行のためのツールとして移動通信端末装置1を利用する場合だけでなく、通信契約加入者である個人が個人的使用で移動通信端末装置1を利用する場合にも適用することができる。
【0043】
[二次ロック制御]
この発明は、業務上の情報が記録された移動通信端末装置のロック制御方法であって、
移動通信端末装置1が用いられる業務上の使用目的に応じた条件である特定使用条件を予め移動通信端末装置1に登録する段階と、移動通信端末装置1が基地局3から受信する電波状態を検出する段階と、電波状態が一定時間以上通信圏外の場合には移動通信端末装置1をロック(一次)してその使用を不可とする段階と、所定の解除キーとの非接触通信による認証が確立した場合にのみ、移動通信端末装置1のロック(一次)を解除する段階と、移動通信端末装置1が用いられる業務が行われる際に、予めロック(二次)された状態の移動通信端末装置1が特定使用条件が満たされているかを確認し、特定使用条件が満たされている場合にのみ移動通信端末装置1のロック(二次)を解除しその使用を可能とする段階と、を含む。
【0044】
この[二次ロック制御]では、上記の[一次ロック制御]における基地局3との通信状態を基礎とする移動通信端末装置1の一次的なロックの制御に加え、特定使用条件が満たされているか否かを確認し満たされている場合にのみロックを解除する二次的なロックの制御を行うものである。なお既述の「起動段階」、「電波状態検出段階」、「(一次)ロック段階」、「(一次)ロック解除段階」については特に変わるところはないためその説明を省略する。
【0045】
―特定使用条件登録段階―
この段階は、管理者が移動通信端末装置1を用いて遂行する業務スケジュールに則り、移動通信端末装置1を使用可能とする条件(特定使用条件)を設定する段階である。
まず移動通信端末装置1を用いた業務の遂行に先だち、移動通信端末装置1の利用者の直属の上司などの管理者が、サーバコンピュータ2から管理者権限を用いて移動通信端末装置1に接続し(若しくは使用する移動通信端末装置1への直接入力により)その記憶回路部25に特定使用条件を書き込み記憶させる。
ここで特定使用条件とは、その移動通信端末装置1を用いて遂行する業務が行われる日時、場所の他、その業務に必要とされる物品、例えばヘルメットや安全ベルト、安全靴、絶縁手袋などの装備、作業に必須となる機械機具、業務遂行に必要となる人員数、資格などが該当する。これらの特定使用条件の適否を判断するために、各物品にはそれぞれの物品を識別するための識別情報が記録されたICタグ7が貼付され、また、従業員の携行する社員証にもその従業員を識別し、またその従業員が所有する資格を判断するための情報が記録されたICタグ7が搭載されている。
【0046】
―特定使用条件確認段階―
この段階は、業務が遂行される現場において、予めロックされた状態の移動通信端末装置1が特定使用条件の適否を確認する段階である。
まず移動通信端末装置1はその時計部27とGPS衛星8からの電波の両方から時刻を検出する。このとき両方から時刻が検出できた場合にはGPS衛星8の電波により検出した時刻を優先する。そして予め移動通信端末装置1に登録して記憶させた特定使用条件であるその業務が行われるスケジュールである日時内に現在の時刻があるか否かの確認を行う。
次に、移動通信端末装置1は基地局3からの電波を受信することで現在位置の検出を試み、また、GPS衛星8からの電波を受信することでも現在位置の検出を試みる。ここでの現在位置の検出は半径数十メートル程度の精度で行えれば十分である。なお現在位置の検出は基地局3からの電波またはGPS衛星8からの電波いずれかによって行うことができればよい。そして予め移動通信端末装置1に登録して記憶させた特定使用条件であるその業務が行われるスケジュールにある場所(エリア内)に現在位置があるか否かの確認を行う。
さらに移動通信端末装置1は、ICタグリーダ32により周囲(数m〜十m程度)にあるICタグ7と無線通信を行うことで、予め移動通信端末装置1に登録して記憶させた特定使用条件であるその作業に必須となる物品、業務遂行に必要とされる人員数や資格などが全てそろっているかの確認を行う。
【0047】
―(二次)ロック解除段階―
この段階は、特定使用条件が全て満たされていると判断できた場合に、移動通信端末装置1の(二次)ロックを解除し、その使用を可能とする段階である。
ロックされた状態の移動通信端末装置1が、予め記憶した特定使用条件が満たされていると判断した場合、その(二次)ロックを解除することで、利用者は移動通信端末装置1の利用が可能となる。これにより利用者は予定されていた業務に取り掛かることができるようになる。
なおこのロックの解除を、スケジュールされた業務と関連する特定の機能の実行やデータの参照などに限定し、他の機能やデータについてはその実行や参照ができないようにロック状態を維持するようにしてもよい。
一方、特定使用条件の一部でも満たされていない場合には、移動通信端末装置1はロックを解除せず、その旨(どの特定使用条件が不備であるのかの旨)を利用者に通知する。そして改めて特定使用条件の全てが満たされるようになった場合にのみ(二次)ロックの解除を行う。
因みにこのロック解除を作業現場に出発する時点で試みれば、作業に必要な物品や人員が揃っているのかをチェックすることが可能となる。すなわち出発の時点では、業務が行われる日時と場所以外の特定使用条件は原則として満たされている必要があるため、ロック解除を試みることで足りない物品や人員がないかをチェックすることができる。
【0048】
―再ロック段階―
この段階は、一旦(二次)ロックが解除された場合においても、その後特定使用条件が満たされないこととなった場合には移動通信端末装置1を再度(二次)ロックする段階である。
上記(二次)ロック解除段階の時点で予め記憶した全ての特定使用条件が満たされていることが確認された場合であっても、移動通信端末装置1は一定の時間間隔(例えば3分毎)でその特定使用条件の再確認を行う。そして特定使用条件の一部でも満たされなくなった場合にはその外部操作による入力を受け付けないように再度(二次)ロックを行う。再度のロックが行われた後には、上記特定使用条件確認段階に戻り所定の特定使用条件が改めて満たされることが確認されるまでロックは解除されない。
【0049】
このように本実施例の[二次ロック制御]方法によれば、業務スケジュールに則り、移動通信端末装置1を使用する条件(特定使用条件)を設定し、現地においてその確認ができた場合にのみ移動通信端末装置1の使用を可能とすることで、例えば移動通信端末装置1が盗難された場合などにあっても、情報漏洩のリスクをほとんどなくすことができると同時に、業務遂行に必要な条件が揃っていることの確認もでき、コンプライアンスの徹底にも貢献することができるといったメリットがある。
【0050】
なお上記での特定使用条件の確認はICタグ7とICタグリーダ32を用いて無線通信により行っているが、それ以外にも、物品や社員証等に記載されたQRコード(登録商標)などの二次元コード二次元コードリーダを用いて読み取り、その情報を移動通信端末装置1に送信する方式により行うようにることもできる。
【符号の説明】
【0051】
1 移動通信端末装置
2 サーバコンピュータ
3 基地局
4 基地局制御装置
5 交換局
6 ホームロケーションレジスタ
7 ICタグ
8 GPS衛星
11 携帯電話通信網
12 インターネット回線
13 基地局アンテナ
21 アンテナ
22 無線通信回路部
23 信号処理部
24 制御回路部
25 記憶回路部
26 位置検出手段
27 時計部
28 ロック部
29 送受話器
30 表示部
31 キー操作部
32 ICタグリーダ
図1
図2
図3
図4