特許第6148511号(P6148511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6148511
(24)【登録日】2017年5月26日
(45)【発行日】2017年6月14日
(54)【発明の名称】焼網用剥がしヘラ
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/28 20060101AFI20170607BHJP
【FI】
   A47J43/28
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-62087(P2013-62087)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2014-184054(P2014-184054A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年2月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136696
【弁理士】
【氏名又は名称】時岡 恭平
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】小林 慶太
(72)【発明者】
【氏名】横山 敬仁
【審査官】 田中 侑以
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−020038(JP,A)
【文献】 特開2006−271615(JP,A)
【文献】 実開昭49−129862(JP,U)
【文献】 実開昭52−079283(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3161311(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼網で焙焼された被調理物をこの焼網から剥がし取るための焼網用剥がしヘラであって、
ヘラ部と、
このヘラ部を水平にした状態で当該ヘラ部の前端から前斜め上方に向かって突設された櫛状部と、
前記ヘラ部を水平にした状態で当該ヘラ部の後端から略水平な後方または後斜め上方に向かって突設された把持部と、
前記ヘラ部の下面から下方に突出した支持部と
を備え、
前記支持部は、前記焼網用剥がしヘラの重心よりも後方に設けられており、
前記焼網用剥がしヘラは、前記ヘラ部の一部と前記支持部とが平坦面に当接するように載置されると、前記櫛状部と前記把持部とが前記平坦面から離れるように構成されている
ことを特徴とする焼網用剥がしヘラ。
【請求項2】
前記ヘラ部の前記支持部よりも前方には、他の箇所よりも厚みが大きい肉厚部が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の焼網用剥がしヘラ。
【請求項3】
前記櫛状部は、櫛歯と、焼網の線材を挿入するための挿入溝とが交互に設けられたものであり、
前記挿入溝の溝奥が前記ヘラ部の前端よりも前方に位置している
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焼網用剥がしヘラ。
【請求項4】
前記櫛状部は、櫛歯と、焼網の線材を挿入するための挿入溝とが交互に設けられたものであり、
前記櫛歯の上面と前記挿入溝との角部には面取りが施されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の焼網用剥がしヘラ。
【請求項5】
前記面取りがR面取りである
ことを特徴とする請求項4記載の焼網用剥がしヘラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼網で焙焼された被調理物を、当該焼網から剥がし取るための焼網用剥がしヘラに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には従来の焼網用剥がしヘラが開示されている。この特許文献1記載の焼網用剥がしヘラは、平板部と、櫛状部と、把持部とを備えている。櫛状部は、平板部を水平にした状態で平板部の前端から前斜め上方に向かって突設されている。把持部は、平板部を水平にした状態で平板部の後端から略水平な後方または後斜め上方に向かって突設されている。
【0003】
櫛状部は、複数の櫛歯を有している。櫛歯は、焼網の線材間に挿入される。櫛歯が焼網の線材間に挿入された状態で把持部を下方に移動させると、櫛歯が線材上に移動するようになっている。
【0004】
特許文献1記載の焼網用剥がしヘラは、魚などの被調理物が焼網に凝着した場合であっても、身崩れを防ぎつつ、被調理物を持ち上げることができるものである。この焼網用剥がしヘラは、例えば、次のようにして使用される。
【0005】
ユーザーは、焼網で焙焼された被調理物の下方に櫛状部を差し込み、櫛状部の間の溝奥に線材を挿入する。この状態で溝奥と線材との接触部分を支点として把持部を下方に回動させる。すると、櫛状部の櫛歯が被調理物を下方から上方に向かって持ち上げる。櫛歯は平板部に複数並設されているため、被調理物を均等な力で持ち上げることができる。これにより、ユーザーは、身崩れを抑制しつつ被調理物を焼網から剥がし取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−161505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、この特許文献1の焼網用剥がしヘラは、被調理物を焼網から剥がし取ると、櫛状部や平板部に油などが付着してしまう。一方、ユーザーは、焼網用剥がしヘラの使用後には、当該焼網用剥がしヘラをキッチンカウンタの上面に載置することが多い。
【0008】
従来の焼網用剥がしヘラは、キッチンカウンタの上面に載置されると、平板部の下面がキッチンカウンタに面状に接触したり、櫛状部の先端がキッチンカウンタに接触したりしてしまう。この場合、ヘラに付着した油などでキッチンカウンタを汚してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用後にキッチンカウンタ等の平坦面に載置しても、ヘラに付着した油等でこの平坦面を油等で汚してしまうのを抑制することができる焼網用剥がしヘラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、焼網で焙焼された被調理物をこの焼網から剥がし取るための焼網用剥がしヘラであって、ヘラ部と、このヘラ部を水平にした状態で当該ヘラ部の前端から前斜め上方に向かって突設された櫛状部と、前記ヘラ部を水平にした状態で当該ヘラ部の後端から略水平な後方または後斜め上方に向かって突設された把持部と、前記ヘラ部の下面から下方に突出した支持部とを備え、前記支持部は、前記焼網用剥がしヘラの重心よりも後方に設けられており、前記焼網用剥がしヘラは、前記ヘラ部の一部と前記支持部とが平坦面に当接するように載置されると、前記櫛状部と前記把持部とが前記平坦面から離れるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、この焼網用剥がしヘラにおいて、前記ヘラ部の前記支持部よりも前方には、他の箇所よりも厚みが大きい肉厚部が設けられていることが好ましい。
【0013】
また、この焼網用剥がしヘラにおいて、前記櫛状部は、櫛歯と、焼網の線材を挿入するための挿入溝とが交互に設けられたものであり、前記挿入溝の溝奥が前記ヘラ部の前端よりも前方に位置していることが好ましい。
【0014】
また、この焼網用剥がしヘラにおいて、前記櫛状部は、櫛歯と、焼網の線材を挿入するための挿入溝とが交互に設けられたものであり、前記櫛歯の上面と前記挿入溝との角部には面取りが施されていることが好ましい。
【0015】
また、この焼網用剥がしヘラにおいて、前記面取りがR面取りであることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の焼網用剥がしヘラによれば、使用後にキッチンカウンタ等の平坦面に載置しても、ヘラに付着した油等でこの平坦面を汚してしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態1の焼網用剥がしヘラの下方から見た斜視図である。
図2】焼網であり(a)は平面図であり(b)は側面図であり(c)は背面図である。
図3】実施形態1の焼網用剥がしヘラの平面図である。
図4】実施形態1の焼網用剥がしヘラの側面図である。
図5】実施形態1の焼網用剥がしヘラを平坦面に載置した状態の側面図である。
図6】実施形態2の焼網用剥がしヘラの下方から見た斜視図である。
図7】実施形態3の焼網用剥がしヘラであり(a)は側面図であり(b)は平坦面に載置した状態の側面図であり(c)は変形例の焼網用剥がしヘラを平坦面に載置した状態の側面図である。
図8】他例の焼網用剥がしヘラの下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0019】
実施形態1の焼網用剥がしヘラ1(以下、剥がしヘラ1と言う)は、焼網6で焙焼された被調理物を焼網6から剥がし取って、移動させるために用いられる。被調理物としては、例えば、魚が挙げられるが、特に限定されない。
【0020】
焼網6は、例えば、グリル付きこんろのグリル庫内に収容される。焼網6には、被調理物が載置される。焼網6は、例えば、図2に示すように、直線状の線材61が一定のピッチで並設されている。各線材61同士は、隙間を介して離間している。線材61は断面円形をしている。焼網6は、被調理物が載置された状態で、被調理物と共にグリル庫内のバーナにより加熱される。
【0021】
本実施形態の焼網6は、線材61の長手方向がグリル庫の横方向と平行になるように、グリル庫内に配置されているが、以下においては、この線材61の長手方向に平行な方向を前後方向として定義し、線材61の長手方向に直角な水平方向を左右方向として定義する。特に、剥がしヘラ1において、把持部4から櫛状部3に向かう方向(把持部4および櫛状部3については後述する)を前方向として定義する。
【0022】
剥がしヘラ1は、図1に示すように、ヘラ部2と、櫛状部3と、把持部4と、支持部5とを備えている。剥がしヘラ1は、例えば、ガラス繊維強化PA/PP(ポリアミド/ポリプロピレン)などの合成樹脂により構成されている。剥がしヘラ1は、例えば、射出成形によって全体が一体成形されている。
【0023】
ヘラ部2は、図3に示すように、前後方向に長さを有し、左右方向に幅を有している。ヘラ部2は、平面視略半円状の扁平な板状となっている。
【0024】
櫛状部3は、図4に示すように、ヘラ部2を水平にした状態で、ヘラ部2の前端から前斜め上方に向かって突設されている。具体的に言うと、ヘラ部2の上面と櫛状部3の上面との成す角度は、例えば、150度となっている。櫛状部3は、図3に示すように、基部31と、櫛歯32とを備えている。基部31は、ヘラ部2の前端から延出した部分である。櫛歯32は、複数設けられており、基部31の前端から突出している。櫛歯32は、前後方向に長さを有し、左右方向に幅を有している。本実施形態の櫛状部3は、櫛歯32が奇数設けられており、左右方向の中央に櫛歯32が配置されるように構成されている。
【0025】
櫛歯32の間には挿入溝33が設けられている。挿入溝33は、櫛歯32の外縁と基部31の前端縁とで構成されている。挿入溝33の外縁は、平面視略U字状をしている。挿入溝33は、前方に開口している。挿入溝33の左右方向のピッチは、焼網6の線材61のピッチと略同じ寸法に形成される。櫛状部3は、挿入溝33と櫛歯32とが、左右方向に交互に設けられることで構成されている。
【0026】
また、挿入溝33の溝奥34は、ヘラ部2の前端(ヘラ部2と櫛状部3とが連設された屈曲箇所)よりも前方に位置している。言い換えると、挿入溝33の溝奥34とヘラ部2との間には基部31が介在している。
【0027】
櫛歯32の上面には、櫛歯32の長さ方向に沿って突条35が設けられている。突条35は櫛歯32の幅方向の中央に設けられている。突条35は、ヘラ部2の前端部から櫛歯32の先端部の全長に亙って設けられている。突条35が設けられていることにより、被調理物を焼網6から剥がし取る際に、櫛歯32に被調理物が密着するのを防ぐことができる。
【0028】
また、挿入溝33の上縁には全長に亙って面取りが施されている。すなわち、櫛歯32の上面と側面との角部には、面取りが施されている。より詳しくは、櫛歯32の上面と挿入溝33との角部に面取りが施され、また、左右方向の両端の櫛歯32の上面とその外側の側面(挿入溝33側とは反対側の側面)との角部にも面取りが施されている。この面取りは、曲面状の、いわゆる、R面取りにより構成されている。なお、面取りとしては、直線状に角を落としたC面取りが施されていてもよい。
【0029】
把持部4は、ユーザーにより把持される部分である。把持部4は、図4に示すように、ヘラ部2を水平にした状態で、ヘラ部2の後端から略水平な後方に向かって突設されている。把持部4は、前後方向に長さを有し、左右方向に幅を有している。把持部4は、幅方向の中央に向かうほど下方に位置するように凸曲している。
【0030】
支持部5は、ヘラ部2の下面から下方に向かって突出している。支持部5は、図1に示すように、ヘラ部2の幅方向の中央に設けられている。また、支持部5の幅方向の長さは、線材61の対向間の距離よりも短い。これにより、支持部5は、ヘラ部2の下面が焼網6に近接した場合であっても、線材61間に入り込むことができる。
【0031】
支持部5は、ヘラ部2の後方側寄りの位置(つまり、後端部)に設けられている。支持部5は、この剥がしヘラ1の重心よりも後方に配置されている。
【0032】
本実施形態の剥がしヘラ1は、重心位置を支持部5よりも前方に位置させるために、ヘラ部2に肉厚部21が設けられている。肉厚部21は、図4に示すように、ヘラ部2の他の箇所よりも厚みが大きく形成されている。肉厚部21は、支持部5よりも前方に設けられている。肉厚部21は、その下面がヘラ部2の他の部分と同一平面上に位置し、且つ上面が他の部分よりも突出しており、これにより、他の箇所よりも厚みが大きくなっている。肉厚部21は、ヘラ部2の幅方向の全長に亙って設けられている。肉厚部21が設けられることで、剥がしヘラ1の重心が、支持部5とヘラ部2の前端との間に位置するようになっている。
【0033】
このような構成の剥がしヘラ1は、図5に示すように、カウンター等の平坦面7に、ヘラ部2の一部(ヘラ部2の前端縁)と支持部5とが当接するように載置される。すると、櫛状部3と把持部4とは、平坦面7から離れる。このとき、剥がしヘラ1は、重心がヘラ部2の前端と支持部5との間に位置しているため、平坦面7上に安定して載置される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の剥がしヘラ1は、焼網6で焙焼された被調理物を焼網6から剥がし取るために用いられる。剥がしヘラ1は、ヘラ部2と、櫛状部3と、把持部4と、支持部5とを備えている。櫛状部3は、ヘラ部2を水平にした状態で、ヘラ部2の前端から前斜め上方に向かって突設されている。把持部4は、ヘラ部2を水平にした状態で、ヘラ部2の後端から略水平な後方に向かって突設されている。支持部5は、ヘラ部2の下面から下方に突出している。そして、剥がしヘラ1は、ヘラ部2の一部と支持部5とが平坦面7に当接するように載置されると、櫛状部3と把持部4とが平坦面7から離れるように構成されている。
【0035】
このように、本実施形態の剥がしヘラ1は、ヘラ部2の一部と支持部5とが平坦面7に当接するように載置されると、ヘラ部2の大部分と櫛状部3とが平坦面7から離れる。このため、ユーザーが被調理物を剥がし取ることに使用した後に平坦面7に載置する場合であっても、ヘラ部2や櫛状部3に付着した油などで平坦面7が汚れるのを防ぐことができる。しかもこのとき、把持部4も平坦面7から離れているため、ユーザーが次に使用しようとした場合に、簡単に把持部4をつかむことができる。その上、支持部5はヘラ部2に設けられており、把持部4には設けられていないから、ユーザーが把持部4を掴む際に支持部5が邪魔になりにくい。
【0036】
また、本実施形態の支持部5は、剥がしヘラ1の重心よりも後方に設けられている。
【0037】
このため、剥がしヘラ1は、ヘラ部2の前端縁と支持部5とが平坦面7に当接するように載置された場合にも、安定した状態で載置される。
【0038】
また、本実施形態のヘラ部2において、支持部5よりも前方には、他の箇所よりも厚みが大きい肉厚部21が設けられている。
【0039】
このため、本実施形態の剥がしヘラ1によれば、把持部4を前後方向に長く形成しても、剥がしヘラ1の重心を支持部5よりも前方に位置させることができる。これにより、剥がしヘラ1を平坦面7に載置するに当たり、支持部5とヘラ部2の前端縁とによって、安定的に載置することができる。
【0040】
また、本実施形態の櫛状部3は、櫛歯32と、焼網6の線材61を挿入するための挿入溝33とが交互に設けられたものであり、挿入溝33の溝奥34がヘラ部2の前端よりも前方に位置している。
【0041】
このため、焼網6から被調理物を剥がし取るときに、ヘラ部2の前端が被調理物の油などで汚れるのを抑制することができる。これにより、剥がしヘラ1を平坦面7に載置した際に、平坦面7が汚れるのをさらに抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態の櫛状部3は、櫛歯32の上面と挿入溝33との角部には面取りが施されている。
【0043】
これにより、被調理物を焼網6から剥がし取る際に、櫛歯32の上面と挿入溝33との角部によって、被調理物に傷をつけてしまうのを抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態の櫛歯32の上面と挿入溝33との角部の面取りは、R面取りである。
【0045】
このため、本実施形態の剥がしヘラ1によれば、C面取りである場合に比べて、被調理物を焼網6から剥がし取る際に、櫛歯32の上面と挿入溝33との角部によって、被調理物に傷をつけてしまうのを一層、抑制することができる。
【0046】
また、本実施形態の剥がしヘラ1は、支持部5がヘラ部2の後端部に設けられているため、ユーザーは、ヘラ部2を焼網6に近接させた状態でも櫛状部3を左右方向にずらすことができる。これにより、ヘラ部2の下面から支持部5が突出していたとしても、使い勝手が悪くなるのを抑制することができる。しかも、支持部5は線材61間に入り込む位置に設けられているから、ヘラ部2の下面を焼網6に近接させることができ、櫛状部3を被調理物の下方に深く潜り込ませることができる。
【0047】
次に、実施形態2について図6に基づいて説明する。なお、本実施形態は、実施形態1と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0048】
本実施形態の剥がしヘラ1は、支持部5が左右方向に2つ離間して設けられている点で、実施形態1とは異なっている。また、櫛状部3の櫛歯32が偶数設けられており、左右方向の中央には櫛歯32ではなく、挿入溝33が設けられている。その他の構成は実施形態1と同じである。
【0049】
剥がしヘラ1は、支持部5として、第一支持部51と、第二支持部52とを備えている。第一支持部51は左右方向の一方に設けられ、第二支持部52は左右方向の他方に設けられている。第一支持部51と第二支持部52とは離間している。第一支持部51および第二支持部52は、いずれもヘラ部2において櫛歯32の後方に設けられている。第一支持部51および第二支持部52は、線材61の間に入り込む大きさに形成されている。
【0050】
このように本実施形態の剥がしヘラ1は、支持部5が左右方向に離間して設けられているため、ユーザーが支持部5とヘラ部2の前端とに当接するように平坦面7に載置した場合に、より安定する。
【0051】
次に、実施形態3について図7に基づいて説明する。なお、本実施形態は、実施形態1と大部分において同じであるため、同じ部分においては同符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
【0052】
本実施形態の剥がしヘラ1は、把持部4が、ヘラ部2を水平にした状態で、このヘラ部2の後端から後斜め上方に向かって突設されている点で実施形態1とは異なっている。その他の構成は実施形態1と同じである。
【0053】
把持部4は、ヘラ部2を水平にした状態で、ヘラ部2の後端から後斜め上方に向かって延出している。これにより、把持部4とヘラ部2との連設部分は、下方に凸となるように屈曲している。
【0054】
このように本実施形態の剥がしヘラ1であっても、図7(b)に示すように、ヘラ部2の前端縁と支持部5とが平坦面7に当接するように載置されると、櫛状部3と把持部4とが平坦面7から離れて位置する。
【0055】
なお、把持部4が、ヘラ部2を水平にした状態でこのヘラ部2の後端から後斜め上方に向かって突設されている場合、図7(c)に示すように、支持部5がヘラ部2の前寄りに設けられていてもよい。この場合、支持部5とヘラ部2の後端縁とが平坦面7に当接するように載置すれば、剥がしヘラ1を、櫛状部3と把持部4とが平坦面7から離れるようにして載置することができる。
【0056】
また、実施形態1の剥がしヘラ1は、櫛歯32が奇数設けられていたが、図8に示すように偶数であってもよく、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0057】
1 焼網用剥がしヘラ
2 ヘラ部
21 肉厚部
3 櫛状部
31 基部
32 櫛歯
33 挿入溝
34 溝奥
35 突条
4 把持部
5 支持部
51 第一支持部
52 第二支持部
6 焼網
61 線材
7 平坦面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8